JP3625324B2 - 飛散防止フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛散防止・省エネフィルムに関するものであり、更に詳しくは、飛散防止フィルムあるいは省エネフィルム等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、飛散防止フィルムとしては、種々の形態のものが提案されているが、その代表的なものとしては、厚さ50μm以上の透明なポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、この片面に感圧型粘着剤を塗布し、更に離型型のオーバーコートフィルムを貼り合わせた構成からなるものが知られている。
而して、その使用に当たっては、該オーバーコートフィルムを剥がし、窓ガラスの内側の全面に貼りつけ、災害時においてガラスが破壊してもその破片の飛散を防止することを目的とするものである。
また、省エネルギーフィルムとしては、別名、熱線カットフィルムあるいは断熱フィルムとも称され、例えば、25ないし50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これにアルミニュウムを薄く蒸着し、表面に保護層、裏面に感圧型粘着剤を塗布し、あるいはこの粘着剤の中にもう一層保護層を設けて、紫外線吸収剤や着色剤を混入させたものであって、窓ガラスの内側の全面に貼りつけ、熱線のカット、断熱等の効果を目的とするものが知られている。
飛散防止フィルムおよび省エネルギーフィルムは、多くの場合、飛散防止・省エネフィルム等の両機能を同時に持ち合わせていることから、飛散防止・省エネフィルムとも称される。
これらのフィルムは、冷暖房効果の向上とコストの削減、紫外線カットによる家具、書籍、調度品等の変色防止、防眩効果、プライバシーの保護、飛散防止効果等の特徴を有し、自動車分野、建築分野等に利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、自動車分野、建築分野とも、製品に対する機能性の向上、あるいはユーザーサイドのファション性の重視といった面での要請に対し、その要求を充足して充分にその期待を満たしているとはいえない状況であり、市場において停滞感がみられるものである。
現在、飛散防止・省エネフィルムにおいては、さらなる機能を追求して現状の打破をねらっているものである。
このような要求に対し、例えば、従来のものは、単一のポリエチレンテレフタレートフィルムからなるものであったが、このものは、いったんフィルムに傷が入ると容易に裂けて破断するという欠点があることから、これを多層に重ね合わせて、多層フィルムにすることによって、引き裂き強度、耐貫通性能等を向上してその機能性を高めた製品が提案されている。
このものは、その機能性を高めてはいるが、少なくとも5層以上、好ましくは13層以上に積層するものであり、その製造工程の管理が煩雑であるという問題点を有するものである。
そこで本発明の目的は、既存の装置等を使用して簡単な操作で、基材としての引き裂き強度等を向上させて、その機能性を高めた飛散防止・省エネフィルムを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意研究した結果、基材の片面に感圧型粘着剤層を設け、更に該感圧型粘着剤層の上に離型性のオーバーコートフィルムを貼り合わせてなる飛散防止ィルムにおいて、基材一方向に連続した切れ目が一定の間隔をおいて平行に刻設された樹脂のフィルムを含む2層以上の樹脂のフィルムの積層体2つ以上を、各々の積層体の切れ目方向が一致しないように重ね合わせて積層してなるラミネートシートを製造し、これを飛散防止ィルムの基材として使用したところ、引き裂き強度において極めて優れ、かつ透明性に富み、その機能性を著しく高めた飛散防止ィルムを製造することができることを見出して、本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、基材の片面に感圧型粘着剤層を設け、更に該感圧型粘着剤層の上に離型性のオーバーコートフィルムを貼り合わせてなる飛散防止ィルムにおいて、基材一方向に連続した切れ目が一定の間隔をおいて平行に刻設された樹脂のフィルムを含む2層以上の樹脂のフィルムの積層体2つ以上を、各々の積層体の切れ目方向が一致しないように重ね合わせて積層してなるラミネートシートを使用することを特徴とする飛散防止ィルムに関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、脂のフィルムの二層以上からなる積層体であって、更に該積層体を構成する一層以上のフィルムに切れ目を刻設し、かつ該積層体の二種以上を、その切れ目の切れ目方向が一致しないように重ね合わせて積層してなるラミネートシートを製造し、これを飛散防止ィルム用の基材として使用するものであり、該切れ目を導入することによって、ラミネートシートの引き裂き方向を制御し、更に多数の切れ目によって、引き裂き性のエネルギーを分散させ、結果的に、引き裂き強度に優れ、該ラミネートシートに切り込みが発生してもそこから容易に引き裂かれることがなく、更に透明性にも優れた飛散防止ィルムを得ることができるものである。
【0007】
上記の本発明について以下に詳しく説明する。まず、本発明にかかる飛散防止ィルムの製造法について説明する。図1は、本発明にかかる飛散防止ィルムを構成する積層体の層構成の概略を示す断面図である。図1に示すように、任意の樹脂のフィルム1、1’を用意し、その層以上を交互に重ね合わせ、更にその層間を接着剤層2等を介して積層して、積層体3を製造する。次に、本発明においては、図2の斜視図に示すように、上記で製造した積層体3の片面に一方向に連続した切れ目4を一定の間隔をおいて平行に刻設する。次に、図3は、上記で切れ目4を刻設した積層体3を使用して、本発明にかかる飛散防止ィルムを構成する基材としてのラミネートシートの概略を示す斜視図である。図3に示すように、上記で切れ目4を刻設した積層体3の種以上を、その切れ目4の切れ目方向Pが一致しないようにその切れ目4、4面を対向させて重ね合わせ、更にその層間を接着剤層5等を介して積層して、ラミネートシート6を製造する。次に、本発明においては、図4の断面図に示すように、上記で製造したラミネートシート6の片面に感圧型粘着剤層7を設け、更に該感圧型粘着剤層7を介して離型性のオーバーコートフィルム8を形成して、本発明にかかる飛散防止ィルムXを製造するものである。
【0008】
まず、上記の本発明において、積層フィルムは、脂のフィルムの二層以上を積層することによって製造するが、かかる樹脂のフィルムとしては、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、パラ系アラミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の公知の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
【0009】
上記の樹脂のフィルムの厚さとしては、少なくとも0.5μm以上であることが好ましく、0.5μm未満であると、結果として、引き裂き強度に優れ、その機能性を高めた飛散防止・省エネフィルムを製造することが困難になって望ましくない。
具体的には、樹脂のフィルムの厚さとしては、飛散防止・省エネフィルムの使用目的等によって適宜に設定することができるが、5μmないし300μm、望ましくは、12μmないし200μm位が好ましい。
また、本発明においては、上記の樹脂のフィルムは、未延伸のフィルム、あるいは一軸方向または二軸方向等に延伸したフィルムのいずれでもよい。
【0010】
ところで、本発明においては、上記の樹脂のフィルムとしては、上記に挙げた樹脂のフィルムの中でも、剛性、伸長性、寸法安定性、衝撃破壊強度性、透明性、しなやかさ、積層適性等の観点から、特に、ポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、またはパラ系アラミド系樹脂のフィルムないしシートを使用することが好ましい。
【0011】
上記のポリエステル系樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
その他、通常のジカルボン酸またはそのエステル誘導体とジヒドロオキシ化合物ろの反応生成物等からなるポリエステル系樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
【0012】
また、上記において、ポリ(メタ)アクリル系樹脂のフィルムないしシートとしては、例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸誘導体または−メタクリル酸誘導体との共重合体等のポリ(メタ)アクリル系樹脂からなるフィルムないしシートを使用することができる。
【0013】
また、上記の本発明において、ポリカーボネート系樹脂のフィルムないしシートとしては、例えば、ポリカ−ボネ−ト、ポリカ−ボネ−トとポリエ−テル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド若しくは高シロキサンの一種以上との共重合体、更にはポリカ−ボネ−トとポリオレフィン、ポリメタクリル酸メチル、アクリルニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体若しくはポリアミドの一種以上とのブレンド物からなるフィルムないしシートを使用することができる。
【0014】
また、上記において、パラ系アラミド樹脂のフィルムないしシートとしては、例えば、ミクトロン(東レ株式会社製、商品名)等のフィルムないしシートを使用することができる。
【0015】
ところで、本発明においては、上記の樹脂のフィルムの製造に際しては、必要ならば、公知の添加剤、例えば、可塑剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、充填剤、着色剤、酸化防止剤、その他等を任意に添加し、混練して製膜化してもよい。
また、その製膜法としては、通常の方法、例えば、Tダイ法等の溶融押し出し法、インフレーション法、キャステング法、コーテイング法等の製膜法を挙げることができる。
【0016】
次に、本発明において、樹脂のフィルムを積層する方法としては、包装材料を製造するときに使用する積層方法と同様な方法で行うことができる。
例えば、ドライラミネーション(無溶剤型、ワックスホットメルト型等も含む)、ウェットラミネーション、押し出しラミネーション、インフレーションラミネート法等の方法で行うことができる。
あるいは、ロールコーティング法(グラビアダイレクトコート、斜線版リバースコート、コンマコート等)、ナイフエッジコーティング法、ダイコーティング法、スプレイコーティング法等の通常のコーティング法等でも行いえる。
而して、本発明においては、上記のような方法を任意に組み合わせても差し支えない。
【0017】
上記の積層に際しては、例えば、有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤等のラミネート用アンカーコート剤、あるいはポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、マインイミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系接着剤、ポリアクリル系接着剤等の溶融型接着剤、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、ポリアクリル系樹脂エマルジョン等のエマルジョン系接着剤、紫外線あるいは電子線硬化型接着剤、水溶性樹脂からなる水溶性接着剤等の各種の接着剤を使用して、接着剤層を構成することができる。
なお、本発明においては、樹脂のフィルムがそれ自身で熱溶融等によって自己接着するものである場合には、上記のような接着剤を使用することなく積層してラミネートシートを製造することができ、この場合には、それ自身を接着剤としてみなしてもよい。
上記の接着剤層の厚さとしては、0.01μm以上、好ましくは、0.5μmないし30μm位が望ましい。
而して、接着剤層が、0.01μm未満であると、充分な密着強度を得ることができず、層間で剥離等の現象を起こして好ましくなく、また、接着剤層が、30μm以上であると、ラミネートシートの柔軟性、透明性等が低下して好ましくないものである。
また、本発明においては、積層する前に、フィルムの面に、予め、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の公知の前処理を施すこともできる。
【0018】
また、本発明においては、樹脂のフィルムを積層して積層体を製造るものであるが、積層に際しては、同種ないし異種のフィルムを組み合わせて使用してもよい。また、本発明において、積層する枚数としては、層以上であることが必要であり、好ましくは、2ないし10層位が望ましい。それは、切れ目方向が異なるフィルムが積層されることによって、切れ裂ける方向が複数となり、切り裂けるエネルギ−を分散可能とするからである。
【0019】
次に、上記の本発明において、積層体の片面に切れ目を刻設す方法としては、種々の方法で行うことができ、例えば、レーザー加工法、針、ナイフ、カッター等を使用する加工法、ロ−タリ−ダイセットカッタ−を使用する方法、打ち抜き刃を使用する加工法、その他等の方法で行うことができる。而して、本発明において、切れ目の形状としては、任意であるが、直線状、あるいは曲線状で方向性をもった連続したものが好ましく、また、その大きさ、深さ等は、例えば、切れ目を刻設した側のフィルムが、その切れ目に沿って裂けるのに充分な深さが必要であり、好ましくは、積層フィルムを構成する層のフィルムを完全に切断していることが望ましい。更にまた、切れ目の刻設量としては、各切れ目の間隔は狭い方がよく、50mm以下、好ましくは、10mm以下の間隔で刻設されていることが望ましい。
【0020】
次に、本発明において、切れ目を刻設した積層体のつ以上を重ね合わせて積層する方法としては、前述の積層体を製造するときに採用する積層法等を同様に採用して、同様に行うことができ、その際に、例えば、接着剤等を同様に使用して行うことができる。
【0021】
次にまた、本発明において、感圧型粘着剤層を構成する粘着剤としては、合成樹脂、ゴム系ポリマー等をビヒクルの主成分とし、これに粘着性を付与する目的で粘着付与剤樹脂、粘着調製の目的で軟化剤、その他、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤等を公知の添加剤を任意に添加して調製した粘着剤を使用することができる。
【0022】
上記において、合成樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポエエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0023】
また、上記において、ゴム系ポリマーとしては、例えば、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、塩素化ゴム等のゴム(エラストマー)系ポリマーを使用することができる。
【0024】
また、上記において、粘着付与剤樹脂としては、例えば、ロジン、エステルガム、ポリテルペン系樹脂、ポリオレフィン系石油樹脂、クマロン、インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等を使用することができる。
【0025】
また、上記において、軟化剤としては、例えば、各種の可塑剤、ロジン油、ワックス、各種のポリマーの低重合物、植物油、その他等を使用することができる。
【0026】
而して、本発明において、粘着剤層の形成は、例えば、ラミネートシートの片面に塗布ないし印刷法等によって形成することができ、あるいは離型性のオーバーコートフィルムの上に塗布ないし印刷法等によって粘着剤層を形成し、該粘着剤層面をラミネートシートに重ね合わせてその両者を貼り合わせて形成することもできる。
【0027】
また、上記において、離型性のオーバーコートフィルムとしては、公知のもの、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、セロハン、その他の樹脂のフィルム、あるいは離型紙、合成紙等を使用することができる。
【0028】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかる飛散防止ィルムは、前述の図4に示すように、脂のフィルム1、1’の二層を重ねあわせて、その層間を接着剤層2を介して積層して積層体3を製造し、更に該積層体3の片面に切れ目4を刻設してなる積層体3のつ以上3、3を、その切れ目4の切れ目方向Pが一致しないように重ね合わせて積層してラミネートシート6を製造し、次に、上記で製造したラミネートシート6の片面に感圧型粘着剤層7を設け、更に該感圧型粘着剤層7を介して離型性のオーバーコートフィルム8を形成した構成からなるものである。而して、その使用に当たっては、離型性のオーバーコートフィルム8を引き剥がして、感圧型粘着剤層7を介して、ガラス等の基板に貼り合わせて、飛散防止ィルムとして使用するものである。
【0029】
なお、本発明においては、図示しないが、必要ならば、上記の飛散防止・省エネフィルムにおいて、表面保護層としての樹脂のハードコート層を形成してもよく、また紫外線カット、熱線カット等のためにアルミニュウム等の薄い蒸着膜、紫外線吸収剤等を含む樹脂層、あるいは着色剤を含む樹脂層等を任意に形成してもよい。
例えば、アルミニュウム等の薄い蒸着膜を設ける例について説明すると、上記で製造したラミネートシートの片面の全面あるいは部分的に、アルミニュウム等の金属による蒸着膜を形成するものである。
而して、上記の蒸着膜は、飛散防止・省エネフィルムにマッジクミラー的要素を組み込む際に使用されるものであり、片面よりは視認性を持たせ、他方からの視認性を抑制する機能等を発揮させるために使用されるものである。
上記において、蒸着膜を構成する金属としては、例えば、アルミニュウム、鉄、ニッケル、銅等の金属を使用することができ、その厚さとしては、10Åないし5000Å位が好ましく、これにより、片面は、視認性を有し、他面は、視認性を制御するものである。
【0030】
また、本発明において、上記の飛散防止・省エネフィルムは、窓ガラス等に貼り合わせた場合、透明性を要求されることがある。
而して、本発明においえは、樹脂のフィルムとを積層する場合、透明性に富むフィルムを選定して使用することが望ましい。
【0031】
【実施例】
次に本発明について具体的な例を挙げて更に詳しく説明する。
実施例1
厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名 E5100)を二枚用意し、これらをポリウレタン系接着剤(武田薬品株式会社製、商品名 タケラックA515/タケネ−トA50)を用いて二層貼り合わせて積層体を製造した。
次に、上記で製造した積層体の一層のみが切れるように、プレスカット機を用いてハ−フカット処理を行った。
このときの切れ目の形状は、フィルムの流れ方向に対し45°傾いた斜線とし、その間隔は10mmとした。
次に、上記でハ−フカット加工した積層体を二枚用意し、上記のポリウレタン系接着剤を使用して、その加工面どうしを対向するように重ね合わせて貼り合わせて、ラミネ−トシ−トを製造した。
このときのハ−フカットは、直交した状態となり、またラミネ−トシ−トの表面と裏面は、ハ−フカットのない平滑面であった。
次に、上記で製造したラミネ−トシ−トの片面をコロナ処理し、他方、厚さ25μmの離型性ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの表面にアクリル系感圧型粘着剤を塗布し、そのコロナ処理面と感圧型粘着剤層面とを対向させて、その両者を貼り合わせて飛散防止・省エネフィルムを製造した。
上記で得た飛散防止・省エネフィルムを、その離型性ポリエチレンテレフタレートフィルムを引き剥がして窓ガラスに貼り合わせて飛散防止フィルムとして使用した。
なお、その機械的強度においては、縦横とも均一で、かつフィルムに切り込みを入れてもそこから容易に一方向に引き裂かれることはなかった。
【0032】
実施例2
厚さ16μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを二枚用意し、これらをポリウレタン系接着剤(武田薬品株式会社製、商品名 タケラックA515/タケネ−トA50)を用いて二層貼り合わせて積層体を製造した。
次に、上記で製造した積層体の一層のみが切れるように、プレスカット機を用いてハ−フカット処理を行った。
このときの切れ目の形状は、フィルムの流れ方向に対し30°傾いた斜線とし、その間隔は10mmとした。
次に、上記と同様にして積層体を製造し、次いで、該積層体の一層のみが切れるように、プレスカット機を用いてハ−フカット処理を行った。
このときの切れ目の形状は、フィルムの流れ方向に対し直角方向(巾方向に平行)にハ−フカットし、その間隔は10mmとした。
次に、上記でハ−フカットの斜線が、30°傾いた積層体の二枚を、そのハ−フカット面どうしを対向させ、かつハ−フカットの斜線が交差するようにして貼り合わせ、次いで、更に直角方向(巾方向に平行)にハ−フカットした積層体を、そのハ−フカット面を対向させて貼り合わせて、ハ−フカットが60°で交差するハ−フカット格子を有する三つの積層体からなるラミネ−トシ−トを製造した。
なお、ラミネ−トシ−トの積層に当たっては、上記の実施例1に記載したポリウレタン系接着剤を使用した。
なおまた、上記のラミネ−トシ−トの表面と裏面は、ハ−フカットのない平滑面であった。
次に、上記で製造したラミネ−トシ−トの片面をコロナ処理し、他方、厚さ25μmの離型性ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの表面にアクリル系感圧型粘着剤を塗布し、そのコロナ処理面と感圧型粘着剤層面とを対向させて、その両者を貼り合わせて飛散防止・省エネフィルムを製造した。
上記で得た飛散防止・省エネフィルムを、その離型性ポリエチレンテレフタレートフィルムを引き剥がして窓ガラスに貼り合わせて飛散防止フィルムとして使用した。
なお、その機械的強度においては、縦横とも均一で、かつフィルムに切り込みを入れてもそこから容易に一方向に引き裂かれることはなかった。
【0033】
比較例1
フィルムとして、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名 E5100)と厚さ25μmのポリカ−ボネ−トフィルム(帝人株式会社製)を使用し、また、上記のフィルムを貼り合わせる接着剤として、ポリウレタン系接着剤(武田薬品株式会社製、商品名 タケラックA515/タケネ−トA50)を使用して積層体を製造し、次に該積層体にハ−フカット処理を行わないで、それ以外は、上記の実施例1に記載したと同様にしてラミネ−トシ−トを製造し、更に飛散防止・省エネフィルムを製造した。
【0034】
比較例2
フィルムとして、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名 E5100)と厚さ25μmのポリアクリルフィルム(三菱レ−ヨン株式会社製)を使用し、また、上記のフィルムを貼り合わせる接着剤として、ポリウレタン系接着剤(武田薬品株式会社製、商品名 タケラックA515/タケネ−トA50)を使用して積層体を製造し、次に該積層体にハ−フカット処理を行わないで、それ以外は、上記の実施例1に記載したと同様にしてラミネ−トシ−トを製造し、更に飛散防止・省エネフィルムを製造した。
【0035】
比較例3
フィルムとして、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名 E5100)と厚さ25μmのポリエチレンナフタレ−トフィルム(グンゼ株式会社製)を使用し、また、上記のフィルムを貼り合わせる接着剤として、ポリウレタン系接着剤(武田薬品株式会社製、商品名 タケラックA515/タケネ−トA50)を使用して積層体を製造し、次に該積層体にハ−フカット処理を行わないで、それ以外は、上記の実施例1に記載したと同様にしてラミネ−トシ−トを製造し、更に飛散防止・省エネフィルムを製造した。
【0036】
実験例
上記の実施例1、実施例2、および比較例1ないし比較例3において製造した飛散防止・省エネフィルムについて、その飛散防止性を測定した。
飛散防止性のテストは、厚さ3mmの透明ガラスに上記の実施例1、実施例2および比較例1ないし3で得た飛散防止・省エネフィルムをその離型性のオーバーコートフィルムを引き剥がして貼り合わせ、下記の条件にて落錐試験を行い、その時の飛散防止性を目視して観察して5段階評価した。
Figure 0003625324
上記の実験の結果、下記の表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003625324
【0038】
上記の表1より明らかなように、実施例1ないし実施例2のものは、飛散防止性に優れ、比較例1ないし3のものは、飛散防止性が劣っていた。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、脂のフィルムの二層からなる積層体の片面に切れ目を刻設し、該切れ目方向が一致しないように該積層体のつ以上を重ね合わせて積層してなるラミネートシートを製造し、これを飛散防止ィルム用の基材として使用するものであり、該切れ目を導入することによって、ラミネートシートの引き裂き性方向を制御し、更に多数の切れ目によって、引き裂き性のエネルギーを分散させ、結果的に、引き裂き強度に優れ、該ラミネートシートに切り込みが発生してもそこから容易に引き裂かれることがなく、更に透明性にも優れた飛散防止ィルムを得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層体の層構成の概略を示す断面図である。
【図2】積層体の片面に切れ目を刻設した状態を示す斜視図である。
【図3】ラミネートシートの層構成の概略を示す斜視図である。
【図4】飛散防止ィルムの層構成の概略を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、1’ 樹脂のフィルム
2 接着剤層
3 積層体
4 切れ目
5 接着剤層
6 ラミネートシート
7 感圧型粘着剤層
8 離型性のオーバーコートフィルム
X 飛散防止ィルム

Claims (1)

  1. 基材の片面に感圧型粘着剤層を設け、更に該感圧型粘着剤層の上に離型性のオーバーコートフィルムを貼り合わせてなる飛散防止ィルムにおいて、基材一方向に連続した切れ目が一定の間隔をおいて平行に刻設された樹脂のフィルムを含む2層以上の樹脂のフィルムの積層体2つ以上を、各々の積層体の切れ目方向が一致しないように重ね合わせて積層してなるラミネートシートから成ることを特徴とする飛散防止ィルム。
JP27992595A 1995-10-04 1995-10-04 飛散防止フィルム Expired - Lifetime JP3625324B2 (ja)

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