JPH0976392A - 飛散防止・省エネフィルム - Google Patents

飛散防止・省エネフィルム

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JPH0976392A
JPH0976392A JP7258109A JP25810995A JPH0976392A JP H0976392 A JPH0976392 A JP H0976392A JP 7258109 A JP7258109 A JP 7258109A JP 25810995 A JP25810995 A JP 25810995A JP H0976392 A JPH0976392 A JP H0976392A
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resin
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JP7258109A
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Yasuki Suzuura
泰樹 鈴浦
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の装置を利用した簡単な操作で、基材と
しての引き裂き強度等を向上させて、その機能性を高め
た飛散防止・省エネフィルムを提供することである。 【解決手段】 基材の片面に感圧型粘着剤層を設け、更
に該感圧型粘着剤層の上に離型性のオーバーコートフィ
ルムを貼り合わせてなる飛散防止・省エネフィルムにお
いて、基材として、少なくとも一軸方向に延伸した樹脂
のフィルムを、その延伸方向が略直行する方向で交叉す
るように少なくとも2層以上を交互に積層してなるラミ
ネートシートを使用することを特徴とする飛散防止・省
エネフィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飛散防止・省エネ
フィルムに関するものであり、更に詳しくは、引き裂き
強度に優れた飛散防止フィルムあるいは省エネフィルム
等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飛散防止フィルムとしては、種々
の形態のものが提案されているが、その代表的なものと
しては、厚さ50μm以上の透明なポリエチレンテレフ
タレートフィルムを使用し、この片面に感圧型粘着剤を
塗布し、更に離型型のオーバーコートフィルムを貼り合
わせた構成からなるものが知られている。而して、その
使用に当たっては、該オーバーコートフィルムを剥が
し、窓ガラスの内側の全面に貼りつけ、災害時において
ガラスが破壊してもその破片の飛散を防止することを目
的とするものである。また、省エネルギーフィルムとし
ては、別名、熱線カットフィルムあるいは断熱フィルム
とも称され、例えば、25ないし50μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを使用し、これにアルミニュ
ウムを薄く蒸着し、表面に保護層、裏面に感圧型粘着剤
を塗布し、あるいはこの粘着剤の中にもう一層保護層を
設けて、紫外線吸収剤や着色剤を混入させたものであっ
て、窓ガラスの内側の全面に貼りつけ、熱線のカット、
断熱等の効果を目的とするものが知られている。多くの
場合、飛散防止、省エネルギー等の両機能を同時に持ち
合わせていることから、飛散防止・省エネフィルムとも
称される。これらのフィルムは、冷暖房効果の向上とコ
ストの削減、紫外線カットによる家具、書籍、調度品等
の変色防止、防眩効果、プライバシーの保護、飛散防止
効果等の特徴を有し、自動車分野、建築分野等に利用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、自動車
分野、建築分野とも、製品に対する機能性の向上、ある
いはユーザーサイドのファション性の重視といった面で
の要請に対し、その要求を充足して充分にその期待を満
たしているとはいえない状況であり、市場において停滞
感がみられるものである。現在、飛散防止・省エネフィ
ルムにおいては、さらなる機能を追求して現状の打破を
ねらっているものである。このような要求に対し、例え
ば、従来のものは、単一のポリエチレンテレフタレート
フィルムからなるものであったが、このものは、いった
んフィルムに傷が入ると容易に裂けて破断するという欠
点があることから、これを多層に重ね合わせて、多層フ
ィルムにすることによって、引き裂き強度、耐貫通性能
等を向上してその機能性を高めた製品が提案されてい
る。このものは、その機能性を高めてはいるが、少なく
とも5層以上、好ましくは13層以上に積層するもので
あり、その製造工程の管理が煩雑であるという問題点を
有するものである。そこで本発明の目的は、既存の装置
等を使用して簡単な操作で、基材としての引き裂き強度
等を向上させて、その機能性を高めた飛散防止・省エネ
フィルムを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、縦方向に強く延伸
したポリエチレンテレフタレートフィルムと、横方向に
強く延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムと
を、その延伸方向が略直行方向において交叉するように
少なくともその2層を交互に重ね合わせてラミネートシ
ートを製造し、これを飛散防止・省エネフィルムの基材
として使用したところ、引き裂き強度において極めて優
れてその機能性を著しく高めた飛散防止・省エネフィル
ムを製造することができることを見出して本発明を完成
したものである。
【0005】すなわち、本発明は、基材の片面に感圧型
粘着剤層を設け、更に該感圧型粘着剤層の上に離型性の
オーバーコートフィルムを貼り合わせてなる飛散防止・
省エネフィルムにおいて、基材として、少なくとも一軸
方向に延伸した樹脂のフィルムを、その延伸方向が略直
行する方向で交叉するように少なくとも2層以上を交互
に積層してなるラミネートシートを使用することを特徴
とする飛散防止・省エネフィルムに関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】上記の本発明について以下に詳し
く説明する。本発明は、少なくとも一軸方向に延伸した
樹脂のフィルムを、その延伸方向が略直行する方向で交
叉するように少なくとも2層以上を交互に積層してなる
ラミネートシートを使用していることから、いずれの方
向の引き裂き強度も優れており、該ラミネートシートに
切り込みが発生してもそこから容易に引き裂かれること
がないというものである。
【0007】まず、本発明にかかる飛散防止・省エネフ
ィルムの製造法およびその構成についてその1例を挙げ
て図面を用いて説明する。図1ないし図4は、本発明に
かかる飛散防止・省エネフィルムの製造法についてその
各工程における層構成の概略を示す斜視図(図1、図
2、図3)および断面図(図4)である。まず、図1お
よび図2に示すように、延伸方向を、例えば、縦方向P
のように一方向に強く延伸した樹脂のフィルム1を製造
し、同様に、延伸方向を、例えば、横方向Qのように一
方向に強く延伸した樹脂のフィルム2を製造する。次
に、本発明においては、図3に示すように、上記の樹脂
のフィルム1、および樹脂のフィルム2を、その延伸方
向が、例えば、縦方向Pの延伸方向と横方向Qの延伸方
向とが略直行して交叉するように少なくとも二層以上を
交互に重ね合わせ、さらにその層間を接着剤層3等を介
して積層して、ラミネートシート4を製造する。次い
で、図4に示すように、上記で製造したラミネートシー
ト4の樹脂のフィルム1または2のいずれかの側の片面
に、感圧型粘着剤層5を設け、更に該感圧型粘着剤層5
を介して離型性のオーバーコートフィルム6を形成し
て、本発明にかかる飛散防止・省エネフィルムXを製造
することができる。
【0008】上記の本発明において、樹脂のフィルムと
しては、製膜化し、少なくとも縦または横等の一軸方向
に延伸されていることが必要であり、場合によっては、
二軸方向に延伸されているものでもよい。具体的には、
例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
ポリ(4−メチル−ペンテン−1)系樹脂、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポ
リビニルブチラール、ポリアクリロニトリル系樹脂、酢
酸セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコー
ル、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルエ
ーテルケトン系樹脂等の公知の樹脂のフィルムないしシ
ートであって、一軸方向ないし二軸方向に延伸したもの
を使用することができる。
【0009】本発明において、上記の樹脂のフィルムの
厚さとしては、任意であるが、5ないし300μm位、
好ましくは、10ないし100μm位が望ましい。その
理由は、10μm未満では、例えば、引き裂き強度、衝
撃強度等の物理的強度が不充分であり、また、腰が弱い
ため、ガラス等に貼りつけにくい等の問題点があって好
ましくなく、また、100μmを超えると、例えば、巻
きメ−タ−数が短くなり、粘着加工、蒸着加工等が不利
になり、その生産性に劣り、また、腰が強いすぎてガラ
ス等との密着性に劣るという問題点があって、好ましく
ないものである。
【0010】本発明では、上記のような樹脂のフィルム
の中から任意にフィルムを選択し、その延伸方向が略直
行する方向で交叉するように少なくとも2層以上を交互
に重ね合わせ、更にその層間を接着剤等を使用して積層
することによって、ラミネートシートを製造するもので
ある。なお、本発明では、上記の2層のフィルムの間
に、必要ならば、縦方向と横方向との2軸方向に延伸し
たフィルムを介在させて積層させることもできる。ま
た、本発明において、フィルムとしては、同種ないし異
種のフィルムを組み合わせて使用することもでき、ま
た、積層する枚数としては、少なくとも2層以上である
ことが必要であり、好ましくは、2ないし5層位が望ま
しい。而して、本発明においては、1層だけでは、一軸
延伸フィルムでも延伸方向には引き裂き易いものであ
り、また、5層を超えると、透明性等の物性が劣り、ま
た、加工コストアップ等の要因となって好ましくないも
のである。
【0011】また、本発明において、樹脂のフィルムの
延伸倍率としては、通常、2ないし10倍位であるが、
好ましくは、2.5ないし8倍位であることが望まし
い。而して、本発明においては、2.5倍未満では、分
子配向がさほど均一ではないので強度が不充分であると
いう問題点があり、また、8倍を超えると、引き裂き伝
播抵抗が極端に減少するという問題点があって好ましく
ないものである。
【0012】ところで、本発明においては、樹脂のフィ
ルムとしては、上記に挙げた樹脂のフィルムの中でも、
ポリエステル系樹脂のフィルムないしシートを使用する
ことが最も好ましい。上記のポリエステル系樹脂として
は、飽和ジカルボン酸またはそのエステルと飽和二価ア
ルコールとの反応によって製造することができるポリエ
ステル、コポリエステルあるいはそれらのブレンド物、
変性物等を使用することができる。
【0013】飽和ジカルボン酸としては、例えば、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−1.
4−、または−2.6−ジカルボン酸、ジフェニルエー
テル−4.4’−ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸類等の芳香族ジカルボン酸アジピン酸、セバチン酸、
アゼライン酸、デカン−1.10−ジカルボン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環式ジカルボン酸等を使用することができる。また、飽
和二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデ
カンメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の
脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂
環族グリコール、2.2−ビス(4’−β−ヒドロキシ
エトキシフェニル)プロパン、その他、芳香族ジオール
等を使用することができる。
【0014】本発明において、ポリエステル系樹脂とし
ては、その構成成分の80モル%以上がポリエチレンテ
レフタレートであるポリエチレンテレフタレートフィル
ム、あるいはその構成成分の80モル%以上がポリエチ
レンナフタレートであるポリエチレンナフタレートフィ
ルムを使用することが最も好ましく、その他、ポリブチ
レンテレフタレートフィルム、ポリブチレンナフタレー
トフィルム等を使用することが好ましい。
【0015】本発明において、ポリエステル系樹脂のフ
ィルムの製膜法としては、例えば、乾燥したポリエステ
ル系樹脂を270℃ないし320℃の温度範囲で押出機
により溶融押し出しし、次いで冷却ロールで冷却固化
し、しかる後延伸工程で縦方向及び/または横方向に延
伸温度80℃ないし270℃において2ないし10倍位
に延伸し、次いで、結晶化および分子配向の固定のため
の両端を保持したままポリエステル系樹脂の融点以下の
温度で熱固定して、ポリエステル系樹脂のフィルムを製
造することができる。
【0016】なお、上記のフィルムの延伸方法として
は、例えば、1軸延伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸等
で行うことができ、それに用いる延伸装置としては、例
えば、2本ロール式1軸延伸機、テンター式横延伸機、
テンター式あるいはチューブラー式2軸延伸機等を使用
して延伸することができる。
【0017】本発明においては、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、およびポリエチレンナフタレートフィ
ルムを使用する場合には、破断伸度が小さく、衝撃を受
けても伸長が小さいため、貼り合わされているガラス等
との接着力が劣ることもなく、特に、ポリエチレンナフ
タレートフィルムの紫外線透過率が、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムと比較して格段に小さいため、紫外
線吸収剤を添加したり、紫外線遮断層を別途に設ける等
の紫外線カット等のために特別の処理を行う必要がない
という利点を有するものである。
【0018】ところで、本発明においては、上記の樹脂
のフィルムの製造に際しては、必要ならば、公知の添加
剤、例えば、可塑剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、紫
外線吸収剤、充填剤、その他等を任意に添加し、混練し
て製膜化してもよい。
【0019】次に、本発明において、樹脂のフィルムを
積層する方法としては、包装材料を製造するときに使用
する積層方法と同様な方法で行うことができる。例え
ば、ドライラミネーション(無溶剤型、ワックスホット
メルト型等も含む)、ウェットラミネーション、押し出
しラミネーション、インフレーションラミネート法等の
方法で行うことができる。上記の積層に際しては、例え
ば、有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系
アンカーコート剤(ウレタン系)、ポリエチレンイミン
系アンカーコート剤等のラミネート用アンカーコート
剤、あるいはポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接
着剤、エポキシ系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポ
リ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系接着剤、ポリアク
リル系接着剤等の溶融型接着剤、ポリ酢酸ビニルエマル
ジョン、ポリアクリル系樹脂エマルジョン等のエマルジ
ョン系接着剤、紫外線あるいは電子線硬化型接着剤等の
各種の接着剤を使用することができる。なお、本発明に
おいては、樹脂のフィルムがそれ自身で熱溶融等によっ
て自己接着するものである場合には、上記のような接着
剤を使用することなく積層してラミネートシートを製造
することができ、この場合には、それ自身を接着剤とし
てみなしてもよい。また、本発明においては、積層する
前に、フィルムの面に、予め、例えば、コロナ処理、オ
ゾン処理等の公知の前処理を施すこともできる。
【0020】以上の説明で明らかなように、本発明にか
かる飛散防止・省エネフィルムは、前述の図4に示すよ
うに、少なくとも一軸方向に延伸した樹脂のフィルム
1、および2を、その延伸方向P、Qが略直行する方向
で交叉するように少なくとも2層以上を交互に積層し
て、接着剤層3を介して積層したラミネートシート4を
基材として使用し、該ラミネートシート4からなる基材
の表面に感圧型粘着剤層5を設け、更に該感圧型粘着剤
層4の上に離型性のオーバーコートフィルム6を貼り合
わせた構成からなるものである。而して、その使用に当
たっては、図5に示すように、離型性のオーバーコート
フィルム6を引き剥がして、感圧型粘着剤層4を介し
て、ガラス等の基板7に貼り合わせるものである。
【0021】上記において、感圧型粘着剤層を構成する
粘着剤としては、合成樹脂、ゴム系ポリマー等をビヒク
ルの主成分とし、これに粘着性を付与する目的で粘着付
与剤樹脂、粘着調製の目的で軟化剤、その他、充填剤、
酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤等を公知の添加剤を
任意に添加して調製した粘着剤を使用することができ
る。
【0022】上記において、合成樹脂としては、例え
ば、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニ
ルブチラール等)、ポリビニルイソブチルエーテル、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポエエステル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系
樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体等の熱可塑性樹脂
を使用することができる。
【0023】また、上記において、ゴム系ポリマーとし
ては、例えば、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム、ポリイソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブ
チルゴム、塩素化ゴム等のゴム(エラストマー)系ポリ
マーを使用することができる。
【0024】また、上記において、粘着付与剤樹脂とし
ては、例えば、ロジン、エステルガム、ポリテルペン系
樹脂、ポリオレフィン系石油樹脂、クマロン、インデン
樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系
樹脂等を使用することができる。
【0025】また、上記において、軟化剤としては、例
えば、各種の可塑剤、ロジン油、ワックス、各種のポリ
マーの低重合物、植物油、その他等を使用することがで
きる。
【0026】而して、本発明において、粘着剤層の形成
は、例えば、ラミネートシートの片面に塗布ないし印刷
法等によって形成することができ、あるいは離型性のオ
ーバーコートフィルムの上に塗布ないし印刷法等によっ
て粘着剤層を形成し、該粘着剤層面をラミネートシート
に重ね合わせてその両者を貼り合わせて形成することも
できる。
【0027】また、上記において、離型性のオーバーコ
ートフィルムとしては、公知のもの、例えば、ポリエス
テルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、セロハン、その他の樹
脂のフィルム、あるいは離型紙、合成紙等を使用するこ
とができる。
【0028】なお、本発明においては、図示しないが、
必要ならば、上記の樹脂のフィルムの上に、表面保護層
としての樹脂のハードコート層を形成してもよく、ま
た、紫外線カット、熱線カット等のために、アルミニュ
ウムの薄い蒸着膜、紫外線吸収剤等を含む樹脂層、ある
いは着色剤を含む樹脂層等を任意に形成してもよい。
【0029】
【実施例】次に本発明について具体的な例を挙げて詳し
く説明する。 実施例1 ポリエチレンナフタレート樹脂を290℃にてTダイ押
出機で溶融押し出しして未延伸フィルムを製造し、次に
該フィルムを延伸温度140℃で縦方向に3杯延伸し、
延伸後、210℃で熱固定して厚さ38μmの縦1軸延
伸フィルムを製造した。また、上記で製造した未延伸の
ポリエチレンナフタレート樹脂フィルムを延伸温度14
0℃で横方向に3倍延伸し、延伸後、210℃で熱固定
して厚さ38μmの横1軸延伸フィルムを製造した。次
に、上記で製造した縦1軸延伸フィルムと横1軸延伸フ
ィルムを、その延伸方向が略直行する方向で交叉させ、
ドライラミネート法にて、ポリエーテルウレタン系接着
剤を使用してその両者を貼り合わせて、厚さ81μmの
飛散防止・省エネフィルム用基材を製造した。次に、上
記で得た飛散防止・省エネフィルム用基材の片面をコロ
ナ処理し、他方、厚さ25μmの離型性ポリエチレンテ
レフタレートフィルムの表面にアクリル系感圧型粘着剤
を塗布し、そのコロナ処理面と感圧型粘着剤層面とを対
向させて、その両者を貼り合わせて、飛散防止・省エネ
フィルムを製造した。上記で得た飛散防止・省エネフィ
ルムを、その離型性ポリエチレンテレフタレートフィル
ムを引き剥がして窓ガラスに貼り合わせて飛散防止フィ
ルムとして使用した。なお、その機械的強度において
は、縦横とも均一で、かつフィルムに切り込みを入れて
もそこから容易に一方向に引き裂かれることはなかっ
た。
【0030】実施例2 ポリエチレンテレフタレート樹脂を280℃にてTダイ
押出機で溶融押し出しして未延伸フィルムを製造し、次
に該フィルムを延伸温度100℃で縦方向に3.5倍延
伸し、延伸後、210℃で熱固定して厚さ31μmの縦
1軸延伸フィルムを製造した。また、上記で製造した未
延伸のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを延伸
温度120℃で横方向に3.5倍延伸し、延伸後、21
0℃で熱固定して厚さ31μmの横1軸延伸フィルムを
製造した。更に、市販の縦横に延伸した厚さ31μmの
ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用意し、次
に、上記で製造した縦1軸延伸フィルムと横1軸延伸フ
ィルムを、その延伸方向が略直行する方向で交叉させ、
更にその間に上記の市販の縦横に延伸した厚さ31μm
のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを介在さ
せ、ドライラミネート法にて、その各層間をポリエーテ
ルウレタン系接着剤を使用してその三者を貼り合わせ
て、厚さ105μmも飛散防止・省エネフィルム用基材
を製造した。次に、上記で得た飛散防止・省エネフィル
ム用基材の片面をコロナ処理し、他方、厚さ25μmの
離型性ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にア
クリル系感圧型粘着剤を塗布し、そのコロナ処理面と感
圧型粘着剤層面とを対向させて、その両者を貼り合わせ
て、飛散防止・省エネフィルムを製造した。上記で得た
飛散防止・省エネフィルムを、その離型性ポリエチレン
テレフタレートフィルムを引き剥がして窓ガラスに貼り
合わせて飛散防止フィルムとして使用した。なお、その
機械的強度においては、縦横とも均一で、かつフィルム
に切り込みを入れてもそこから容易に一方向に引き裂か
れることはなかった。
【0031】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明で
は、少なくとも一軸方向に延伸した樹脂のフィルムを、
その延伸方向が略直行する方向で交叉するように少なく
とも2層以上を交互に積層してなるラミネートシートを
飛散防止・省エネフィルム用の基材として使用すること
を特徴とするものである。而して、該基材は、その延伸
方向を交叉させて積層させていることから、いずれの方
向の引き裂き強度も優れており、該ラミネートシートに
切り込みが発生してもそこから容易に引き裂かれること
がないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】飛散防止・省エネフィルムの製造において使用
する延伸した樹脂のフィルムの一例を示す斜視図であ
る。
【図2】飛散防止・省エネフィルムの製造において使用
する延伸した樹脂のフィルムの一例を示す斜視図であ
る。
【図3】飛散防止・省エネフィルムの製造において、樹
脂のフィルムを積層する構成の概略を示す斜視図であ
る。
【図4】飛散防止・省エネフィルム用基材の層構成の概
略を示す斜視図である。
【図5】飛散防止・省エネフィルムの使用例における層
構成の概略を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 樹脂のフィルム 2 樹脂のフィルム P 縦方向 Q 横方向 3 接着剤層 4 ラミネ−トシ−ト 5 感圧型粘着剤層 6 離型性のオーバーコートフィルム 7 ガラス X 飛散防止・省エネフィルム
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JJA C09J 7/02 JJA

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の片面に感圧型粘着剤層を設け、更
    に該感圧型粘着剤層の上に離型性のオーバーコートフィ
    ルムを貼り合わせてなる飛散防止・省エネフィルムにお
    いて、基材として、少なくとも一軸方向に延伸した樹脂
    のフィルムを、その延伸方向が略直行する方向で交叉す
    るように少なくとも2層以上を交互に積層してなるラミ
    ネートシートを使用することを特徴とする飛散防止・省
    エネフィルム。
  2. 【請求項2】 樹脂のフィルムが、一方向の延伸倍率が
    それに略直交する方向の延伸倍率の2倍以上であること
    を特徴とする上記の請求項1に記載する飛散防止・省エ
    ネフィルム。
  3. 【請求項3】 樹脂のフィルムが、ポリエステル系樹脂
    のフィルムからなることを特徴とする上記の請求項1ま
    たは2に記載する飛散防止・省エネフィルム。
  4. 【請求項4】 樹脂のフィルムが、ポリエチレンテレフ
    タレートフィルムからなることを特徴とする上記の請求
    項1、2または3に記載する飛散防止・省エネフィル
    ム。
  5. 【請求項5】 樹脂のフィルムが、ポリエチレンナフタ
    レートフィルムからなることを特徴とする上記の請求項
    1、2または3に記載する飛散防止・省エネフィルム。
JP7258109A 1995-09-11 1995-09-11 飛散防止・省エネフィルム Withdrawn JPH0976392A (ja)

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