JP2016155232A - 防犯用フィルム - Google Patents

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和央 津田
Kazuhisa Tsuda
和央 津田
尚 松下
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尚 松下
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Abstract

【課題】防犯性能、加工性及び易施工性をバランスよく兼ね備えた防犯用フィルムを提供する。
【解決手段】第1の粘着剤層を介して第1のポリエチレンテレフタレートフィルムと第2のポリエチレンテレフタレートフィルムとを貼り合せてなり、前記第1及び第2のポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さがそれぞれ140〜240μmである、防犯用フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、防犯用フィルムに関する。
防犯用フィルムとして、ポリエステルフィルムやポリカーボネートフィルムを数層〜数十層貼り合せた積層体に、粘着剤層を積層した構造のフィルムが一般に上市されている。これらのフィルムは、剥離フィルムを除いた厚さが300〜600μm程度のものが一般的である。
このようなフィルムを建築物や自動車の窓ガラスに貼り合わせることによって、ガラスを割れ難くすることができるとともに、例えガラスが割られたとしても割れたガラスをシート状に保持し続けてガラスの飛散を防止することができ、窓やドアの外部からの解錠を困難としている。
例えば、特許文献1には、アクリル系粘着剤を介してフィルムを二層以上貼り合わせてなり、少なくとも一層が層厚50〜200μmのポリカーボネートフィルムであることを特徴とする積層フィルムが記載されている。
特開2003−285410号公報
防犯用フィルムにおいて、引裂力、破断強度等の防犯性能を向上させるためには、積層するフィルムの数を増やすこと、積層するフィルムの厚さを厚くすること等により、防犯用フィルム全体の厚さを厚くすることが有効である。しかしながら、防犯用フィルム全体の厚さを厚くすると、製造時にロールへの巻き取りが困難になる等、加工性が低下したり、使用時にフィルムが固すぎて取り扱いが困難になり、施工が困難になる等の問題が生じる場合がある。
そこで、本発明は、防犯性能、加工性及び易施工性をバランスよく兼ね備えた防犯用フィルムを提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
(1)第1の粘着剤層を介して第1のポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という場合がある。)と第2のPETフィルムとを貼り合せてなり、前記第1及び第2のPETフィルムの厚さがそれぞれ140〜240μmである、防犯用フィルム。
(2)前記第1のPETフィルム及び前記第2のPETフィルムの厚さの合計が300〜480μmである、(1)に記載の防犯用フィルム。
(3)前記第1のPETフィルムの、前記第1の粘着剤層とは反対側の面上に積層された第2の粘着剤層と、前記第2の粘着剤層の、前記第1のPETフィルムとは反対側の面上に積層された剥離フィルムと、を更に備える、(1)又は(2)に記載の防犯用フィルム。
(4)前記第2のPETフィルムの前記第1の粘着剤層とは反対側の面上に積層されたハードコート層を更に備える、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の防犯用フィルム。
(5)JIS K7128−1:1998(トラウザー引裂法)に準拠して測定した引裂力が9N以上であり、JIS K7127:1999に準拠して測定した破断強度が1650N/25mm以上である、(1)〜(4)のいずれかに記載の防犯用フィルム。
本発明によれば、防犯性能、加工性及び易施工性をバランスよく兼ね備えた防犯用フィルムを提供することができる。
[防犯用フィルム]
1実施形態において、本発明は、第1の粘着剤層を介して第1のPETフィルムと第2のPETフィルムとを貼り合せてなり、前記第1及び第2のPETフィルムの厚さがそれぞれ140〜240μmである防犯用フィルムを提供する。
本実施形態の防犯用フィルムは、防犯性能に実質的に寄与するPETフィルムを2層のみ備えることを特徴とする。したがって、上記の層の数(2層)に計上するPETフィルムには、例えば、防犯用フィルムが剥離フィルムを有しており、当該剥離フィルムがPETフィルムである場合であってもこれは含めない。本明細書において、防犯性能に実質的に寄与するPETフィルムとは、施工後の状態において窓ガラス等の被着体に接着されるフィルムであって、厚さが50μm以上のフィルムを意味する。
後述するように、本実施形態の防犯用フィルムは、PETフィルムを2層しか有していないため、製造工程が少なくて済むにもかかわらず、引裂力、破断強度等の防犯性能が高く、また、製造時の加工性、使用時の易施工性に優れる。
PETフィルムとしては、一般的なものを用いることができる。第1及び第2のPETフィルムの膜厚は、同一であっても異なっていてもよい。第1及び第2のPETフィルムの膜厚は、それぞれ、例えば150〜220μmであってもよく、例えば160〜200μmであってもよく、例えば170〜190μmであってもよい。
第1のPETフィルム及び第2のPETフィルムの厚さの合計は300〜480μmであってもよく、350〜450μmであってもよく、370〜400μmであってもよい。この程度の厚さであると、防犯性能、加工性及び易施工性をバランスよく達成しやすい傾向にある。
本実施形態の防犯用フィルムは、前記第1のPETフィルムの、前記第1の粘着剤層とは反対側の面上に積層された第2の粘着剤層と、前記第2の粘着剤層の、前記第1のPETフィルムとは反対側の面上に積層された剥離フィルムと、を更に備えていてもよい。防犯用フィルムを窓ガラス等の被着体に貼付する場合には、まず剥離フィルムを剥がして第2の粘着剤層を露出させ、第2の粘着剤層を被着体に接着させることにより貼付するとよい。ここで、第2の粘着剤層と被着体との界面に界面活性剤を水に添加した施工液を介して貼付し、その後施工液をスキージーと呼ばれる治具を用いて掻きだす、いわゆる水貼りと呼ばれる方法により貼付してもよい。
本実施形態の防犯用フィルムは、第2のPETフィルムの前記第1の粘着剤層とは反対側の面上に積層されたハードコート層を更に備えていてもよい。ハードコート層を備えることにより、防犯用フィルムの耐擦傷性等を向上させることができる。ハードコート層は、第2のPETフィルム上に直接形成してもよく、第2のPETフィルム上にプライマー層を設け、当該プライマー層の上にハードコート層を形成してもよい。
本実施形態の防犯用フィルムは、JIS K7128−1:1998(トラウザー引裂法)に準拠して測定した引裂力が9N以上であり、JIS K7127:1999に準拠して測定した破断強度が1650N/25mm以上であってもよい。ここで、防犯用フィルムが剥離フィルムを備えるものである場合には、当該剥離フィルムを剥がした状態で、引裂力及び破断強度を測定する。引裂力及び破断強度がこの範囲であれば、十分な防犯性能を達成することができる。
本実施形態の防犯用フィルムにおいて、粘着剤層は、例えば、ウィンドウフィルムの分野で通常使用されるものであってよい。粘着剤層を構成する粘着剤として、具体的には、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等が例示できる。これらの粘着剤は、エマルション型、溶剤型及び無溶剤型のいずれであってもよい。
(粘着剤層)
上記の第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層は、耐候性等の観点から、いずれもアクリル系粘着剤から形成された層であってもよい。粘着剤層は、重量平均分子量が、例えば30万〜200万、例えば50万〜150万のアクリル系樹脂を含み、かつ架橋処理されたアクリル系粘着剤からなる層であってもよい。なお、ここで「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
粘着剤層が含むアクリル系樹脂としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、活性水素を有する官能基を含む単量体と、任意で用いられる他の単量体との共重合体が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含む概念である。
アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
活性水素を有する官能基を含む単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等の(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和結合を有するカルボン酸等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
任意で用いられる前記他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン;塩化ビニル、ビニリデンクロリド等のハロゲン化オレフィン;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド等のN,N−ジアルキル置換アクリルアミド等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の共重合形態は、特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体のいずれであってもよい。
アクリル系粘着剤は、架橋処理されたものであってもよい。架橋処理に用いられる架橋剤は特に限定されず、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。架橋剤の使用量は、その種類にもよるが、前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して、例えば0.01〜20質量部であってもよく、例えば0.1〜10質量部であってもよい。
アクリル系粘着剤には、必要に応じて粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、シランカップリング剤、充填剤等のその他の成分が配合されていてもよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層の厚さは、いずれも、例えば5〜100μmであってもよく、例えば10〜50μmであってもよい。
(防犯用フィルムの製造方法)
上記の防犯用フィルムは、例えば次のようにして製造することができる。まず、第1のPETフィルムの片面上に粘着剤層形成用組成物を塗布して乾燥させることにより第1の粘着剤層を形成する。
粘着剤層形成用組成物としては、粘着剤層を構成する上記の材料を適宜の溶媒に溶解又は懸濁したものを使用することができる。溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
粘着剤層形成用組成物の塗布は、公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
粘着剤層形成用組成物の塗布量は、適宜調節すればよいが、乾燥後の粘着剤層の厚さが、例えば10〜50μmとなる塗布量であってもよい。粘着剤層形成用組成物の乾燥条件は、特に限定されないが、温度は例えば70〜130℃であってもよく、時間は例えば1〜5分であってもよい。
続いて、第1の粘着剤層に第2のPETフィルムを重ねてラミネートする。これにより、第1の粘着剤層を介して第1のPETフィルムと第2のPETフィルムとを貼り合せた積層体が得られる。
続いて、上記の積層体に第2の粘着剤層及び剥離フィルムを積層する。例えば、上記の第1のPETフィルムの、第1の粘着剤層とは反対側の面上に粘着剤層形成用組成物を塗布して乾燥させることにより第2の粘着剤層を形成し、これに剥離フィルムを積層する。あるいは、剥離フィルムの片面上に粘着剤層形成用組成物を塗布して乾燥させることにより第2の粘着剤層を形成し、これを上記の積層体の第1のPETフィルム上に積層してもよい。これにより、窓ガラス等の被着体に貼付するための粘着剤層(第2の粘着剤層)を備えた防犯用フィルムが得られる。
防犯用フィルムがハードコート層を備える場合には、上記のようにして製造した防犯用フィルムの第2のPETフィルム上にハードコート層を形成してもよいし、予め片面上にハードコート層を形成したPETフィルムを第2のPETフィルムとして用いて防犯用フィルムを製造してもよい。
(剥離フィルム)
剥離フィルムとしては、特に制限されず、ウィンドウフィルムの分野で通常使用されるものであってよい。剥離フィルムとしては、例えば、紙基材又はフィルム基材の表面に剥離層が設けられたものが挙げられる。
紙基材としては、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、グラシン紙、上質紙等の各種紙材が例示できる。また、フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート等の各種樹脂フィルムが挙げられる。紙基材及びフィルム基材には、填料等の充填剤が含有されていてもよい。
剥離層としては、シリコーン、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等の剥離剤を含有するものが挙げられる。
(ハードコート層)
ハードコート層としては、ウィンドウフィルムの分野で通常使用されるものを用いることができ、例えば、アクリル系又はシリコーン系ハードコート層が挙げられる。アクリル系又はシリコーン系ハードコート層は、いずれも、適宜の塗工液を紫外線硬化又は熱硬化させること等により形成することができる。
(プライマー層)
プライマー層の上にハードコート層を形成する場合、プライマー層としては、例えば、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系等のプライマー層を適宜用いることができる。プライマー層の厚さは、例えば0.1〜10μmであってもよく、例えば0.5〜5μmであってもよい。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[測定・評価方法]
実施例及び比較例の防犯用フィルムの各特性は、以下の方法で測定、評価した。
(引裂力)
JIS K7128−1:1998に規定されたトラウザー法に準拠して引裂力を測定した。測定には、幅50mm×長さ150mmのサイズの防犯用フィルムを用いた。サンプルの測定方向はMD方向(PETフィルム形成時の溶融樹脂の流れ方向)とした。試験速度は200mm/分とした。
(破断強度・破断伸度)
JIS K7127:1999に準拠して破断強度及び破断伸度を測定した。測定には、幅5mm×長さ75mmのサイズの防犯用フィルムを用いた。サンプルの測定方向はMD方向とした。チャック間距離は25mmとした。試験速度は300mm/分とした。
(ロール加工性)
ロール加工性とは、製造時における防犯用フィルムのロールへの巻き取りやすさを意味する。ロール加工性は、防犯用フィルムを、内径6インチ、肉厚12mm、外径176.4mmの筒状のコアに巻き取ることにより評価した。ロール加工性の評価基準は次の通りとした。なお、巻き巣とは、防犯用フィルムが巻かれている層の間に隙間が存在する状態をいう。
○…巻き巣が発生することがなく、巻きとることができた。
×…コアの曲率に追従することができず、巻き巣が発生した。
(施工性)
施工性とは、防犯用フィルムの窓ガラスへの貼りやすさを意味する。施工性は、防犯用フィルムをガラス板に水貼りすることにより評価した。なお、水貼りとは、被着体であるガラス板の表面に、界面活性剤を水に添加した施工液を塗布した後、防犯用フィルムの粘着剤層を被着体側に向けて貼付し、その後、施工液をスキージーと呼ばれる治具を用いて掻きだす施工方法である。施工性の評価基準は次の通りとした。
○…ガラスとフィルムの界面に施工液が残留しなかった。
×…ガラスとフィルムの界面に施工液が残留した。
[実施例1]
厚さ188μmの第1のPETフィルム(型番ルミラーT−60、東レ社)に、アクリル系粘着剤(型アロンタックS−1511X、東亜合成社)を乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて粘着剤層(a1)を形成した。続いて、粘着剤層(a1)に厚さ188μmの第2のPETフィルム(型番ルミラーT−60、東レ社)をラミネートした。最後に、第2のPETフィルムに上記アクリル系粘着剤を塗布して乾燥することにより、厚さ25μmの粘着剤層(a2)(被着体に貼付する「第2の粘着剤層」に相当する。)を形成し、剥離フィルムをラミネートすることにより、厚さ188μmのPETフィルムを2層備える実施例1の防犯用フィルム(PETフィルムの厚さの合計は376μm)を製造した。
[比較例1]
厚さ125μmの第1のPETフィルム(型番ルミラーT−60、東レ社)に、実施例1と同じアクリル系粘着剤を乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて粘着剤層(b1)を形成した。続いて、粘着剤層(b1)に厚さ125μmの第2のPETフィルム(型番ルミラーT−60、東レ社)をラミネートした。続いて、第2のPETフィルム上に、上記のアクリル系粘着剤を上記と同様に塗布して乾燥させ、厚さが10μmの粘着剤層(b2)を形成した。続いて、粘着剤層(b2)上に厚さ125μmの第3のPETフィルム(型番ルミラーT−60、東レ社)をラミネートした。最後に、第3のPETフィルムに、厚さ25μmの粘着剤層(b3)(被着体に貼付する「第2の粘着剤層」に相当する。)を形成し、剥離フィルムをラミネートすることにより、厚さ125μmのPETフィルムを3層備える比較例1の防犯用フィルム(PETフィルムの厚さの合計は375μm)を製造した。
[比較例2]
比較例1と同様にしてPETフィルムと粘着剤層を交互に積層し、厚さ100μmのPETフィルムを3層、厚さ75μmのPETフィルムを1層備える比較例2の防犯用フィルム(PETフィルムの厚さの合計は375μm)を製造した。
[比較例3]
比較例1と同様にしてPETフィルムと粘着剤層を交互に積層し、厚さ75μmのPETフィルムを5層備える比較例3の防犯用フィルム(PETフィルムの厚さの合計は375μm)を製造した。
[比較例4]
比較例1と同様にしてPETフィルムと粘着剤層を交互に積層し、厚さ50μmのPETフィルムを6層、厚さ75μmのPETフィルムを1層備える比較例4の防犯用フィルム(PETフィルムの厚さの合計は375μm)を製造した。
[比較例5]
比較例1と同様にしてPETフィルムと粘着剤層を交互に積層し、厚さ188μmのPETフィルムを3層備える比較例5の防犯用フィルム(PETフィルムの厚さの合計は564μm)を製造した。
実施例1及び比較例1〜5の防犯用フィルムについて、引裂力、破断強度、破断伸度、ロール加工性、施工性を評価した。結果を表1に示す。
その結果、実施例1の防犯用フィルムは、防犯性能、加工性及び易施工性をバランスよく兼ね備えることが示された。
また、実施例1、比較例1〜4の比較から、PETフィルムの合計の厚さが同等であっても、その構成によって防犯性能に大きな差が出ることが明らかとなった。PETフィルムの合計の厚さが同等である場合、PETフィルムの枚数が多いほど防犯性能が高くなることが予想されるが、意外にも、実施例1の構成の防犯フィルムが最も防犯性能が高い結果が得られた。
Figure 2016155232
本発明によれば、防犯性能、加工性及び易施工性をバランスよく兼ね備えた防犯用フィルムを提供することができる。

Claims (5)

  1. 第1の粘着剤層を介して第1のポリエチレンテレフタレートフィルムと第2のポリエチレンテレフタレートフィルムとを貼り合せてなり、
    前記第1及び第2のポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さがそれぞれ140〜240μmである、防犯用フィルム。
  2. 前記第1のポリエチレンテレフタレートフィルム及び前記第2のポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さの合計が300〜480μmである、請求項1に記載の防犯用フィルム。
  3. 前記第1のポリエチレンテレフタレートフィルムの、前記第1の粘着剤層とは反対側の面上に積層された第2の粘着剤層と、
    前記第2の粘着剤層の、前記第1のポリエチレンテレフタレートフィルムとは反対側の面上に積層された剥離フィルムと、を更に備える、請求項1又は2に記載の防犯用フィルム。
  4. 前記第2のポリエチレンテレフタレートフィルムの前記第1の粘着剤層とは反対側の面上に積層されたハードコート層を更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の防犯用フィルム。
  5. JIS K7128−1:1998に準拠して測定した引裂力が9N以上であり、
    JIS K7127:1999に準拠して測定した破断強度が1650N/25mm以上である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の防犯用フィルム。
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