JPH09199278A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JPH09199278A
JPH09199278A JP678596A JP678596A JPH09199278A JP H09199278 A JPH09199278 A JP H09199278A JP 678596 A JP678596 A JP 678596A JP 678596 A JP678596 A JP 678596A JP H09199278 A JPH09199278 A JP H09199278A
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JP
Japan
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light emitting
emitting device
roughness
measured
transparent electrode
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JP678596A
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Yoshio Himeshima
義夫 姫島
Toru Kohama
亨 小濱
Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気エネルギーの利用効率が高く長時間の駆
動にも安定な発光素子を提供する。 【解決手段】 正極と負極の間に発光を司る物質が存在
し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素
子の正極および負極の少なくとも一方が透明な電極であ
り、その表面の算術平均粗さが原子間力顕微鏡で測定し
て0.1〜30nmであることを特徴とする発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機などの分野に利用可能な面状発光
体。
【0002】
【従来の技術】負極から注入された電子と正極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子の研究が近年
活発に行われるようになってきた。この素子は、薄型、
低駆動電圧下での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによ
る多色発光が特徴であり注目を集めている。
【0003】この研究は、コダック社のC.W.Tan
gらが有機積層薄膜素子が高輝度に発光することを示し
て以来(Appl.Phys.Lett.51(12)
21,p.913,1987)、多くの研究機関が検討
を行っている。コダック社の研究グループが提示した有
機積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基
板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層である8−
ヒドロキシキノリンアルミニウム、そして負極としてM
g:Agを順次設けたものであり、10V程度の駆動電
圧で1000cd/m2 の緑色発光が可能であった。現
在の有機積層薄膜発光素子は、上記の素子構成要素の他
に電子輸送層を設けているものなど構成を変えているも
のもあるが、基本的にはコダック社の構成を踏襲してい
る。
【0004】従来、正孔注入を安定に容易ならしめるた
めに多くの努力がなされている。これは、正孔の注入効
率が素子の特性に大きく影響を与えるのみならず、素子
の耐久性向上にも重要であるからである。しかし、その
研究の大半は新しい正孔輸送材料に向けられており、そ
の下地となる透明電極について開示された情報はそれほ
ど多くはない。例えば、特開平7−6950号公報には
半透明の電極の、発光層もしくは電荷注入輸送層と接触
する表面の微結晶粒の大きさが500オングストローム
以下であることが輝度むらがなく、発光安定性の高い新
規な有機EL素子を提供できるとしている。JOEM WORKS
HOP 95「有機ELの到達点と実用化戦略を探る」の要旨
集33頁にも素子の耐久性向上においてITO透明電極
の表面粒径の重要性が記載されている。
【0005】また、ITOの表面処理方法としては、U
V−オゾン洗浄の他、第41回応用物理学関係連合講演
会28p-N-12には真空加熱処理したITOを用いた有機E
L素子が高い性能を示すことが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、粒径による前
記指標に基づいた透明または半透明の電極を用いても高
い発光効率で超寿命の素子特性を発現させることはでき
なかった。
【0007】本発明は、かかる問題を解決し、低電流低
電圧下でも高輝度発光が可能で安定した駆動ができる素
子を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、「正極と負極の間に発光を司る物質が存在
し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素
子の正極および負極の少なくとも一方が透明な電極であ
り、その表面の算術平均粗さが原子間力顕微鏡で測定し
て0.1〜30nmであることを特徴とする発光素子」
とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において正極は、光を取り
出すために透明であればよく、その成分としては、イン
ジウム、錫、金、銀、亜鉛、アルミニウム、クロム、ニ
ッケル、酸素、窒素、水素、アルゴン、炭素から選ばれ
る少なくとも一種類の元素からなることが多いが、ヨウ
化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオフェン、
ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマなど特
に限定されるものでない。本発明において好ましい例と
しては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫イ
ンジウム(ITO)があげられるが、パターニング加工
などを施すディスプレイ用途などにおいては、加工性に
優れたITOが特に好適な例としてあげることができる
が、表面抵抗を下げたり電圧降下抑制のために少量の銀
や金などの金属が含まれていても良く、また、錫、金、
銀、亜鉛、インジウム、アルミニウム、クロム、ニッケ
ルをガイド電極として使用することも可能である。中で
もクロムはブラックマトリックスとガイド電極の両方の
機能を持たせることができることからも好適な金属であ
る。透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流が供給で
きればよいので限定されないが、素子の消費電力の観点
からは低抵抗であることが望ましい。例えば300Ω/
□以下のITO基板であれば素子電極として機能する
が、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能になっ
ていることから、低抵抗品を使用することが特に望まし
い。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事がで
きるが、通常100〜300nmの間で用いられること
が多い。また、ガラス基板はソーダライムガラス、無ア
ルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械的強度を
保つのに十分な厚みがあればよいので、0.7mm以上
あれば十分である。ガラスの材質については、ガラスか
らの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラス
の方が好ましいが、SiO2などのバリアコートを施し
たソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用
できる。ITO膜形成方法は、電子ビーム法、スパッタ
リング法、化学反応法など特に制限を受けるものではな
い。
【0010】負極は、蒸着時に金属と反応させた有機物
層と接触するものであり、電子を本有機物層に効率良く
注入できる物質であれば特に限定されない。従って、低
仕事関数金属の使用も可能であるが、電極の安定性を考
えると、白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、イ
ンジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金な
どが好ましい例として挙げられる。これらの電極の作製
法も抵抗加熱、電子線、スパッタリング、イオンプレー
ティング、ペーストのコーティングなど導通を取ること
ができれば特に制限されないが、本発明では手軽にでき
る抵抗加熱蒸着法を使用している。
【0011】発光を司る物質とは、1)正孔輸送層/発
光層、2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、3)発光
層/電子輸送層、そして、4)以上の組合わせ物質を一
層に混合した形態のいずれであってもよい。即ち、素子
構成としては、上記1)〜3)の多層積層構造の他に
4)のように発光材料単独または発光材料と正孔輸送材
料および/または電子輸送材料を含む層を一層設けるだ
けでもよい。
【0012】正孔注入層は正孔輸送性物質単独で、ある
いは正孔輸送性物質と高分子結着剤により形成され、正
孔輸送性物質としてはN,N´−ジフェニル−N,N´
−ジ(3−メチルフェニル)−4,4´−ジアミン(T
PD)などのトリフェニルアミン類、N−イソプロピル
カルバゾ−ルなどの3級アミン類、ピラゾリン誘導体、
スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オキサジア
ゾール誘導体やフタロシアニン誘導体に代表される複素
環化合物、ポリマー系では前記単量体を側鎖に有するポ
リカーボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾ
ール、ポリシランなどが好ましいが特に限定されるもの
ではない。
【0013】発光層材料は主に以前から発光体として知
られていたアントラセンやピレン、そして前述の8−ヒ
ドロキシキノリンアルミニウムの他にも、例えば、ビス
スチリルアントラセン誘導体、テトラフェニルブタジエ
ン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、
ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペ
リノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジア
ゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ポリマー
系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェ
ニレン誘導体、そして、ポリチオフェン誘導体などが使
用できる。また発光層に添加するドーパントとしては、
前述のルブレン、キナクリドン誘導体、フェノキサゾン
660、DCM1、ペリノン、ペリレン、クマリン54
0などがそのまま使用できる。
【0014】電子輸送性物質としては、電界を与えられ
た電極間において負極からの電子を効率良く輸送するこ
とが必要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効
率良く輸送することが望ましい。そのためには電子親和
力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性
に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に
発生しにくい物質であることが要求される。このような
条件を満たす物質として8−ヒドロキシキノリンアルミ
ニウム、ヒドロキシベンゾキノリンベリリウム、例えば
2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール(t−BuPB
D)などのオキサジアゾール系誘導体、薄膜安定性を向
上させたオキサジアゾール二量体系誘導体の1,3−ビ
ス(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジゾ
リル)ビフェニレン(OXD−1)、1,3−ビス(4
−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジゾリル)
フェニレン(OXD−7)、トリアゾール系誘導体、フ
ェナントロリン系誘導体などがある。
【0015】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に
用いられる材料は単独で各層を形成することができる
が、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカ−ボネ
−ト、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾ−
ル)、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、
エチルセルロ−ス、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレ
タン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノ−ル樹脂、キ
シレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用い
ることも可能である。
【0016】発光を司る物質の形成方法は、抵抗加熱蒸
着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コ
ーティング法など特に限定されるものではないが、通常
は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好まし
い。層の厚みは、発光を司る物質の抵抗値にもよるので
限定することはできないが、経験的には10〜1000
nmの間から選ばれる。
【0017】電気エネルギーとは主に直流電流を指す
が、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。
電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電
力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大
の輝度が得られるようにするべきである。
【0018】本発明においては正極および負極の少なく
とも一方が透明な電極であり、特定の算術平均粗さを有
する。透明な電極とは、可視光の光線透過率が30%以
上であれば使用に大きな障害はないが、理想的には10
0%に近い方が好ましい。ITO電極などは80%以上
の光線透過率を示すものもあるが、表面抵抗が低いもの
は光線透過率が低いものが多いので、素子特性とのバラ
ンスを取りながら選択する必要がある。基本的には、透
明な電極は可視光全域にわたってほぼ同程度の透過率を
持つことが好ましい。これはある特定の波長にのみ吸収
のある透明電極を使用した場合、実際の発光色が透明電
極を透過することによって変化することがあるためであ
る。従って、通常は発光色そのままで使用したいので平
均的な透過率が必要となる。但し、色を変えたい場合は
積極的に吸収を持たせることも可能であるが、通常はカ
ラーフィルターや干渉フィルターを用いて変色させる方
が技術的には容易である。
【0019】算術平均粗さとは、定量面で中心面から表
面までの偏差の絶対値の平均値を示しており、Mean Rou
ghnessと同一の意味で用いられる。本数値は、原子間力
顕微鏡(AFM)によって測定することができるが、A
FMを用いた場合、算術平均粗さの他にも自乗平均粗さ
や表面積を測定することができる。従って、有機EL素
子に最適な表面粗さを持つ透明電極は、算術平均粗さ、
自乗平均粗さ、表面積によって表現することができるが
算術平均粗さが素子特性を一番よく表現できることがわ
かった。基本的な考え方は、粗過ぎても平坦過ぎても素
子性能が低いということである。つまり、粗過ぎる場合
は、透明電極の上部に形成される薄膜に欠点が生じ易く
なり、素子特性が発現しないばかりか、耐久性も短くな
る。また、平坦過ぎると有機層との密着性が低くまた駆
動電圧が高くなる傾向にある。従って好ましい算術平均
粗さは、0.1〜30nmから選ばれることになるが、
好ましくは、0.1〜20nmであり、より好ましくは
4〜10nmである。
【0020】通常の場合、特にITOであれば比較的表
面粗さの分布は一定になるので算術平均粗さが基準にな
るが、分布がばらつく場合は最大粗さも重要になる。即
ち、特定の場所だけが非常に粗いとその部分には通常の
有機EL素子が形成されず、極端な場合、正極である透
明電極と負電極である金属が短絡してしまうような状況
に陥ってしまう。このようになると素子内のリーク電流
が急激に増加し、素子に電圧が掛からなくなって発光で
きなくなることさえある。また、耐久性に関しても正孔
輸送材料はこの様な部分から結晶化を起こしているケー
スがある。従って、最大粗さは素子特性を左右する重要
な指標である。通常、最大粗さは500nm以下であれ
ば有機物によって被覆されることから良いが、好ましく
は100nm以下であることが望まれる。
【0021】表面粗さを測定する場合、注意することが
ある。それは、表面の吸着物質を含めてITOの表面粗
さとして測定してしまうことである。ITOの表面には
様々の物質が吸着しており、一見ITOであるかのごと
き形状を示すことがある。これは、ITO表面を注意深
く洗浄することにより除去することができが、僅かに残
った有機物はUV−オゾン処理で除去できる。UV−オ
ゾン処理で見られるITOの表面形状変化の大半は、単
にITOの表面に吸着した物質が取り除かれている場合
が多い。従って、ITOの表面粗さを評価する場合は十
分な洗浄とUV−オゾン処理を施してから測定すること
が好ましい。測定領域は、通常10μm角以上あればほ
ぼ満足できる値が得られるが、できるだけ多くの値から
平均を求める方が実際の素子特性との相関は良好にな
る。測定モードは、通常のコンタクトモードでもよいが
より好ましくはタッピングモードを使用する方が信頼性
のあるデータが得られる。
【0022】以上のような粗さを持つITO透明電極を
作製するに当たっては、前述の通り電子ビーム法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法など特に限定さ
れないが、それらの表面形状は作製法によって大きく異
なる。例えば電子ビーム法で作製したITOは、剣山の
ような起伏のある表面形状をしているが、スパッタリン
グ法で作製したITOは、雲母状のものが体積したよう
な形状になっている。一般に表面抵抗が低いほど表面粗
さが粗くなる傾向にあるが、これらの表面粗さは成膜条
件具体的には酸素分圧、基板温度、蒸着速度によって制
御することができる。
【0023】以上、粗さと素子特性との関係を示した
が、これは透明電極の上に形成される有機超薄膜の材料
にも影響を受けることを忘れてはならない。今回示した
数値は主にN,N´−ジフェニル−N,N´−ジ(3−
メチルフェニル)−4,4´−ジアミン(TPD)やビ
ス(m−メチルフェニルカルバゾール)のような単量体
を真空蒸着で蒸着して正孔輸送層を形成した時に特に当
てはまることである。つまり、被覆性のよい材料を用い
た場合は、透明電極の粗さが多少粗くても性能発現に大
きな影響を与えない場合がある。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0025】実施例1 ITO透明導電基板(電子ビーム蒸着品、15Ω/□、
算術平均粗さ7.16nm)を3×4cmの大きさに切
断、ITO部分をエッチング後、洗浄を行い、UV−オ
ゾン処理を施した。これを真空蒸着装置内に固定して、
装置内の真空度が5×10-4Pa以下になるまで排気し
た。正孔輸送材料であるビス(m−メチルフェニルカル
バゾール)をタンタルボートから抵抗加熱方式によって
0.3nm/秒の速度で90nm蒸着し、0.35wt
%キナクリドンをドープした8−ヒドロキシキノリンア
ルミニウム(Alq3)を0.3nm/秒の速度で25
nm、更にAlq3を0.3nm/秒の速度で55nm
を順次蒸着した。ここで5×5mm角のステンレス製蒸
着マスクをITOのパターンに合わせて真空中で装着
し、リチウムを0.1nm/秒の速度で1nm、銀を
0.5nm/秒の速度で15nmの厚さに蒸着した。得
られた素子を電圧を変化させて電流値と輝度を測定した
ところ4.20V−0.80mAで100cd/m2 の発
光が観測された。
【0026】実施例2 実施例1において、ITO透明導電基板を電子ビーム蒸
着品(10Ω/□、算術平均粗さ8.35nm)に代え
た以外は同様にして素子を作製したところ、4.77V
−0.38mAで100cd/m2 の発光が観測された。
【0027】実施例3 実施例1において、ITO透明導電基板を電子ビーム蒸
着品(19Ω/□、算術平均粗さ7.99nm)に代え
た以外は同様にして素子を作製したところ、4.59V
−0.52mAで100cd/m2 の発光が観測された。
【0028】実施例4 実施例1において、ITO透明導電基板を電子ビーム蒸
着品(10Ω/□、算術平均粗さ9.52nm)に代え
た以外は同様にして素子を作製したところ、4.58V
−0.52mAで100cd/m2 の発光が観測された。
【0029】実施例5 実施例1において、ITO透明導電基板を電子ビーム蒸
着品(9Ω/□、算術平均粗さ6.40nm)に代えた
以外は同様にして素子を作製したところ、3.82V−
0.50mAで100cd/m2 の発光が観測された。
【0030】実施例6 実施例1において、ITO透明導電基板を電子ビーム蒸
着品(7Ω/□、算術平均粗さ9.92nm)に代えた
以外は同様にして素子を作製したところ、5.30V−
1.39mAで100cd/m2 の発光が観測された。
【0031】実施例7 実施例1において、ITO透明導電基板をスパッタリン
グ品(20Ω/□、算術平均粗さ1.61nm)に代え
た以外は同様にして素子を作製したところ、4.95V
−0.95mAで100cd/m2 の発光が観測された。
【0032】実施例8 実施例1において、ITO透明導電基板をスパッタリン
グ品(18Ω/□、算術平均粗さ1.56nm)に代え
た以外は同様にして素子を作製したところ、4.97V
−0.82mAで100cd/m2 の発光が観測された。
【0033】実施例9 実施例1において、ITO透明導電基板をイオンプレー
ティング品(21Ω/□、算術平均粗さ2.35nm)
に代えた以外は同様にして素子を作製したところ、3.
53V−1.48mAで100cd/m2 の発光が観測さ
れた。
【0034】実施例10 ITO透明導電基板(電子ビーム蒸着品、15Ω/□、
算術平均粗さ7.16nm)を3×4cmの大きさに切
断、ITO部分をエッチング後、洗浄を行い、UV−オ
ゾン処理を施した。これを真空蒸着装置内に固定して、
装置内の真空度が5×10-4Pa以下になるまで排気し
た。正孔輸送層として、銅フタロシアニンを0.3nm
/秒の速度で20nm蒸着し、主にN,N´−ジフェニ
ル−N,N´−ジ(3−メチルフェニル)−4,4´−
ジアミン(TPD)を0.3nm/秒の速度で250n
m蒸着し、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Al
q3)を0.3nm/秒の速度で100nm蒸着した。
ここで5×5mm角のステンレス製蒸着マスクをITO
のパターンに合わせて真空中で装着し、マグネシウムを
0.5nm/秒の速度で50nm、アルミニウムを0.
5nm/秒の速度で15nmの厚さに蒸着し、最後にキ
ャッピング層を設けた。本素子を真空容器中で1mAで
定電流駆動したところ、初期輝度は174cd/m2 であ
り、1500時間後の輝度は65cd/m2 であった。
【0035】実施例11 実施例10において、ITO透明導電基板を電子ビーム
蒸着品(10Ω/□、算術平均粗さ13.10nm)に
代えた以外は同様にして素子を作製したところ、初期輝
度は、111cd/m2 であり、171時間発光が観測さ
れた。
【0036】比較例 実施例1においてITO透明導電基板を電子ビーム蒸着
品(5Ω/□、算術平均粗さ32.1nm)に代えた以
外は同様にして素子を作製したところ、素子はショート
して発光が観測されなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明は、電気エネルギーの利用効率が
高く長時間の駆動にも安定な発光素子を提供できるもの
である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極と負極の間に発光を司る物質が存在
    し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素
    子の正極および負極の少なくとも一方が透明な電極であ
    り、その表面の算術平均粗さが原子間力顕微鏡で測定し
    て0.1〜30nmであることを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】算術平均粗さが原子間力顕微鏡で測定して
    0.1〜20nmであることを特徴とする請求項1記載
    の発光素子。
  3. 【請求項3】算術平均粗さが原子間力顕微鏡で測定して
    4〜10nmであることを特徴とする請求項1記載の発
    光素子。
  4. 【請求項4】算術平均粗さがUV−オゾン処理を施した
    後に測定されることを特徴とする請求項1〜3記載の発
    光素子。
  5. 【請求項5】原子間力顕微鏡で測定した最大粗さが50
    0nm以下であることを特徴とする請求項1記載の発光
    素子。
  6. 【請求項6】原子間力顕微鏡で測定した最大粗さが10
    0nm以下であることを特徴とする請求項1記載の発光
    素子。
  7. 【請求項7】透明な電極がインジウム、錫、金、銀、亜
    鉛、アルミニウム、クロム、ニッケル、酸素、窒素、水
    素、アルゴン、炭素から選ばれる少なくとも一種類の元
    素からなることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  8. 【請求項8】透明な電極が酸化インジウム錫を主成分と
    してなることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  9. 【請求項9】酸化インジウム錫を主成分としてなる透明
    電極が電子ビーム蒸着法によって形成されることを特徴
    とする請求項8記載の発光素子。
  10. 【請求項10】酸化インジウム錫を主成分としてなる透
    明電極がスパッタリング法によって形成されることを特
    徴とする請求項8記載の発光素子。
  11. 【請求項11】酸化インジウム錫を主成分としてなる透
    明電極がイオンプレーティング法によって形成されるこ
    とを特徴とする請求項8記載の発光素子。
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