JPH09194707A - シートモールディングコンパウンド及びその製造方法 - Google Patents

シートモールディングコンパウンド及びその製造方法

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JPH09194707A
JPH09194707A JP991696A JP991696A JPH09194707A JP H09194707 A JPH09194707 A JP H09194707A JP 991696 A JP991696 A JP 991696A JP 991696 A JP991696 A JP 991696A JP H09194707 A JPH09194707 A JP H09194707A
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JP
Japan
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molding
fluidizing agent
smc
polyester resin
unsaturated polyester
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JP991696A
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Inventor
Takeshi Muranaka
健 村中
Makoto Yamaguchi
真 山口
Koji Matsumoto
晃治 松本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低圧力下で圧縮成形された場合であっても、
流動性に優れているので所望とする成形品を得ることが
でき、かつ機械的強度や耐久性の低下が生じ難い成形品
を得ることを可能とする不飽和ポリエステル樹脂系成形
材料及びその製造方法を得る。 【解決手段】 不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材及
び増粘剤を含み、繊維補強材4が2〜4重量%の割合で
含有されている不飽和ポリエステル樹脂組成物からなる
SMC本体3の片面もしくは両面に融点が40〜150
℃の加熱流動化剤層を形成してなるSMC、並びに一対
の離型フィルム1,2の少なくとも一方と、繊維補強材
含有不飽和ポリエステル樹脂組成物との間に加熱流動化
剤層を配置して該繊維補強材含有不飽和ポリエステル樹
脂組成物を挟み込んだ後、増粘させるシートモールディ
ングコンパウンドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物を用いた成形材料であるシートモールディ
ングコンパウンド(SMC)及びその製造方法に関し、
特に、成形時の流動性に優れており、かつ機械的強度及
び耐久性等に優れた成形品を得ることを可能とするシー
トモールディングコンパウンド及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂に充填剤、硬化
剤、離型剤、顔料、増粘剤などを加えてなる樹脂組成物
をガラス繊維などの強化用繊維物質に含浸し、シート状
またはバルク状に形成してなる不飽和ポリエステル樹脂
成形材料は、シートモールディング・コンパウンド(S
MC)またはバルクモールディングコンパウンド(BM
C)などと称されている。SMCやBMCは、主として
圧縮成形法で成形され、このような方法で得られる成形
品は、住宅設備、工業部品、自動車部品などの種々の分
野に広く用いられている。
【0003】ところで、上記成形材料は、加熱下におい
て圧縮成形されることが多く、従来、120〜160℃
の成形温度、40〜100kg/cm2 の成形圧力下で
成形されていることが多い。しかしながら、圧縮成形法
において、適用製品の拡大を図ろうとすると、すなわち
適用製品の大型化や多品種化を図ろうとすると、大型の
成形機や様々な金型を用意しなければならず、コストが
非常に高くつくことになる。他方、上記成形材料の圧縮
成形に際しては、上述したように40〜100kg/c
2 の比較的高い圧力で成形が行われている。従って、
より低圧で上記成形材料を圧縮成形することができれ
ば、成形に必要なコストを低減することができ、適用製
品の拡大に寄与し得る。
【0004】しかしながら、従来の条件に比べて、より
低圧で上記成形材料を圧縮成形すると、欠肉が生じた
り、巣やピンホールが成形品表面に生じ易くなる。巣や
ピンホールは、製品の外観を損なうだけでなく、製品の
機械的強度や耐久性にも悪影響を及ぼす。そこで、低温
及び低圧下で圧縮成形した場合の上記問題点を解決する
ために、従来、種々の試みがなされてきている。
【0005】例えば、特公昭62−10538号公報に
は、不飽和ポリエステル樹脂組成物の流動性を高めるた
めに、ペンタエリスリトールトリエステル化合物を添加
する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術に記載の方法では、低圧下におけるSMCや
BMCの成形性は高められるものの、得られた成形品中
にペンタエリスリトールトリエステル化合物が残存する
ことになる。そのため、この添加物の残存により、得ら
れた成形品の機械的特性や耐久性等が損なわれるおそれ
があった。
【0007】本発明の目的は、上述した先行技術の欠点
を解消し、低圧下における成形性に優れており、すなわ
ち、低圧下における成形に際しての流動性に優れてお
り、かつ得られた成形品の機械的強度や耐久性等の劣化
が生じ難い、SMC及びその製造方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材及び増粘剤を
含み、繊維補強材が全体の2〜40重量%の割合で含有
されている不飽和ポリエステル樹脂組成物よりなるSM
C本体の少なくとも片面に、融点が40〜150℃の加
熱流動化剤層が形成されていることを特徴とするSMC
であり、それによって上記課題を達成するものである。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明にかかるSMCの製造方法であり、一対の
離型フィルムの少なくとも一方の内面と、請求項1に記
載の不飽和ポリエステル樹脂組成物との間に上記加熱流
動化剤層を介在させて一対の離型フィルム間に、上記不
飽和ポリエステル樹脂組成物を挟み込んだ後、増粘させ
ることを特徴とする。
【0010】以下、本発明の詳細を説明する。不飽和ポリエステル樹脂 本発明における不飽和ポリエステル樹脂とは、不飽和二
塩基酸とグリコールと必要に応じて飽和二塩基酸とを重
縮合せしめた不飽和ポリエステルと、重合性単量体及び
必要により添加される低収縮化のための熱可塑性樹脂と
を含む混合物である。
【0011】上記不飽和二塩基酸としては、無機マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が使用さ
れる。上記グリコールとしては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェ
ノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物、ネオペンチルグリコー
ル等が使用される。
【0012】また、上記飽和二塩基酸としては、無水フ
タル酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、アジピン酸、コハク酸、テトラクロロフタル酸、ヘ
ット酸等が使用される。
【0013】上記重合性単量体としては、スチレン、ジ
クロロスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、メタク
リル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸、アクリル
酸エステル、フタル酸ジアリル等が使用されるが、スチ
レンが好ましく使用される。
【0014】通常、不飽和ポリエステル樹脂に含まれる
重合性単量体の量は20〜60重量%である。また、低
収縮化のための熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリス
チレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、
ポリエチレン、ポリε−カプロラクトン、飽和ポリエス
テル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチレン
−アクリル酸共重合体、ポリスチレン−ポリ酢酸ビニル
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニ
トリル−スチレン共重合体等が使用される。
【0015】なお、不飽和ポリエステル樹脂100重量
部とは、不飽和ポリエステル重合体成分と、重合性単量
体及び必要により添加される低収縮化のための熱可塑性
樹脂とを合計した樹脂分の合計である。
【0016】加熱流動化剤 請求項1に記載の発明にかかるSMCは、上記のよう
に、SMC本体の少なくとも片面に、上記特定の加熱流
動化剤層が形成されていることを特徴とする。
【0017】上記加熱流動化剤層は、SMC本体の少な
くとも片面に設けられており、加熱圧縮成形時の加熱下
において、溶融し、SMCの流動性を大幅に高めるよう
に作用する。すなわち、溶融した加熱流動化剤が、成形
型−SMC間またはSMC相互間の流動抵抗を減少さ
せ、成形材料の成形時の流動性を高めるように作用す
る。
【0018】加熱流動化剤は上記のような作用を果たす
ために用いられるものであるため、その融点が低すぎる
場合には、常温におけるSMCの取扱い性が低下するこ
とになり、高すぎると、加熱圧縮成形時の金型とSMC
との間の滑剤効果が小さくなり、成形に際しての成形材
料の流動性を高めることが困難となる。従って、本発明
では、上記のように作用し得る融点40〜150℃の化
合物が、加熱流動化剤として用いられる。
【0019】なお、加熱流動化剤層のSMC全体に占め
る割合は特に限定されるものではないが、好ましくは、
SMC単位面積当たり、不飽和ポリエステル樹脂100
重量部に対し0.1〜10重量部の割合で加熱流動化剤
をSMC本体の片面もしくは両面に塗布することにより
構成される。加熱流動化剤の使用割合が、10重量部を
越えると、成形品表面に巣、ピンホールの形成を招来す
る等の影響を及ぼすことがあり、0.1重量部未満の場
合には、加熱流動化剤層を設けた効果が十分に得られな
いことがある。
【0020】本発明で用いられる、熟成後の不飽和ポリ
エステル樹脂成形材料の粘度(繊維補強材を除いた組成
物の粘度)は、30℃で1万ポイズ〜20万ポイズのも
のが好ましく用いられ、より好ましくは5万〜15万ポ
イズとされる。この粘度は、回転式粘度計やキャピラリ
ーレオメーターなどにて測定される値である。
【0021】上記繊維補強材を除いた組成物の粘度が1
万ポイズより小さくなると、離型フィルムが剥がし難く
なり、成形材料の取扱い性が極端に低下すると共に、成
形に際してエアーを巻き込み易くなり、得られる成形品
表面にボイドが発生し易くなる。
【0022】逆に、20万ポイズより粘度が高くなる
と、低圧圧縮成形下では、欠肉し易くなる。熟成による
粘度調節は、例えば増粘剤の量や種類を調節することに
より、あるいは熟成時間を調整することにより行い得
る。
【0023】なお、本発明では、2種以上の加熱流動化
剤を併用してもよく、その場合には、加熱流動化剤の配
合量の合計が、上記範囲を満たすように、2種以上の加
熱流動化剤を配合することが好ましい。
【0024】本発明では、上記のように作用する融点4
0〜150℃の化合物であれば、任意の化合物を加熱流
動化剤として用いることができるが、通常、融点40〜
150℃の滑剤として使用されている化合物が好ましく
用いられる。このような滑剤として用いられている融点
40〜150℃の化合物の例としては、ポリエチレンワ
ックス、流動パラフィンなどの炭化水素系滑剤;ステア
リン酸などの高級脂肪酸系滑剤;脂肪酸アミド、アルキ
レンビス脂肪酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤;脂肪
酸の一価アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエ
ステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなどのエステル
系滑剤;脂肪族アルコール、多価アルコール、ポリグリ
コール、ポリグリセロールなどのアルコール系滑剤;金
属石鹸などが用いられる。
【0025】より好ましくは、常温での初期取扱い性及
び成形時の粘度低下性を考慮して、上記加熱流動化剤と
しては、以下の6種類の化合物(a)〜(f)が用いら
れる。
【0026】(a)融点40〜100℃の一価の脂肪族
アルコール、(b)融点40〜100℃のソルビタン脂
肪酸エステル、(c)融点40〜100℃のグリセリン
脂肪酸エステル、(d)融点40〜120℃の高級アル
コール脂肪酸エステル、(e)融点40〜120℃のネ
オペンチル系ポリオール脂肪酸エステル、(f)融点8
0〜150℃の脂肪酸アミド。次に、上記化合物(a)
〜(f)の詳細を説明する。
【0027】(a)一価の脂肪族アルコール 本発明で用いられる上記(a)の化合物は、脂肪族炭化
水素の一つの水素が水酸基で置換されている一価の脂肪
族アルコールであり、かつ融点が40〜100℃の範囲
のものである。この範囲の融点を有するものであれば、
任意の一価の脂肪族アルコールを用いることができる。
好ましくは、炭素数が10より小さいと成形前の成形材
料の取扱い性が低下し、36より大きいと成形加工時の
流動性が低下するため、炭素数10〜36、工業上の入
手安定性の面からは特に炭素数10〜25の脂肪族炭化
水素の末端炭素に結合した水素を水酸基で置換してなる
化合物が用いられる。上記脂肪族炭化水素は、飽和炭化
水素または不飽和炭化水素の何れであってもよく、また
分岐状または直鎖状の何れであってもよい。もっとも、
好ましくは、上記脂肪族炭化水素が、直鎖状の飽和炭化
水素である脂肪族アルコールが用いられる。
【0028】(a)の一価の脂肪族アルコールの具体的
な例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコール等を挙げることができる。この
一価の脂肪族アルコールの融点が低すぎると、成形前の
成形材料の取扱い性が低下し、高すぎると成形加工時の
流動性が低下するため、上記のように、融点が40〜1
00℃、好ましくは50〜80℃のものが用いられる。
【0029】(b)ソルビタン脂肪酸エステル ソルビタン脂肪酸エステルは、6価のアルコールである
ソルビット(分子式C 6146 )を脂肪酸でエステル
化したものであり、本発明では、融点40〜100℃の
ソルビタン脂肪酸エステルが好ましく用いられる。
【0030】上記脂肪酸としては、好ましくは、炭素数
10〜36、工業上の入手安定性の面からは、特に炭素
数10〜25の脂肪族炭化水素の末端水素に結合した水
素をカルボキシル基で置換した化合物が用いられる。上
記脂肪族炭化水素は、飽和炭化水素または不飽和炭化水
素の何れであってもよく、分岐状または直鎖状のいずれ
であってもよいが、好ましくは、直鎖状の飽和炭化水素
が用いられる。
【0031】上記融点40〜100℃のソルビタン脂肪
酸エステルの具体的な例としては、ソルビタンパルミテ
ート、ソルビタンステアレート、ソルビタントリステア
レート、ソルビタンベヘネート、ソルビタントリベヘネ
ートなどを挙げることができる。
【0032】上記ソルビタン脂肪酸エステルの融点が低
すぎると成形前の成形材料の取扱い性が低下し、高すぎ
ると成形加工時の流動性が低下する。従って、上記のよ
うに、ソルビタン脂肪酸エステルの融点は40〜100
℃、好ましくは50〜80℃とされる。
【0033】(c)グリセリン脂肪酸エステル グリセリン脂肪酸エステルは、3価のアルコールである
グリセリンを脂肪酸でエステル化したものであり、本発
明では、融点40〜100℃のグリセリン脂肪酸エステ
ルが好ましく用いられる。
【0034】上記脂肪酸としては、好ましくは、(b)
ソルビタン脂肪酸エステルを得るのに好ましく用いられ
る脂肪酸が用いられる。融点40〜100℃のグリセリ
ン脂肪酸エステルの具体的の例としては、グリセリンモ
ノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセ
リンモノオレート、グリセリンモノベヘネート、グリセ
リンモノ−12−ヒドロキシステアレート、グリセリン
モノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリ
ンモノ・ジパルミテート、グリセリンモノ・ジステアレ
ート、グリセリンジ・トリステアレート、グリセリンモ
ノ・ジオレート、グリセリンモノ・ジベヘネート、グリ
セリンモノ・ジ−12−ヒドロキシステアレート等が挙
げられる。
【0035】上記グリセリン脂肪酸エステルの融点が低
すぎると成形前の材料の取扱い性が低下し、高すぎると
成形加工時の流動性が低下する。従って、上記のよう
に、グリセリン脂肪酸エステルの融点は40〜100℃
が好ましく、より好ましくは、50〜80℃である。
【0036】(d)高級アルコール脂肪酸エステル 本発明で用いられる上記(d)高級アルコール脂肪酸エ
ステルとは、高級アルコールと脂肪酸とのエステルであ
り、上記のように融点が40〜120℃のものが用いら
れる。
【0037】上記高級アルコールとは、炭素数10〜3
6、工業上の入手安定性の面からは、特に、炭素数10
〜25の脂肪族炭化水素の末端炭素に結合した水素を水
酸基で置換した化合物である。上記脂肪族炭化水素は、
飽和炭化水素または不飽和炭化水素のいずれであっても
よく、また、分岐状または直鎖状のいずれであってもよ
いが、好ましくは、直鎖状の飽和炭化水素が用いられ
る。
【0038】上記脂肪酸としては、好ましくは、(b)
ソルビタン脂肪酸エステルを得るのに好ましく用いられ
る脂肪酸が用いられる。なお、上記高級アルコール及び
脂肪酸のいずれも、通常は一価の化合物であり、従っ
て、これらを構成成分とするモノエステル化合物が上記
高級アルコール脂肪酸エステルとして用いられる。この
ような高級アルコール脂肪酸エステルの例としては、ス
テアリルステアレート、ベヘニルベヘネート、セチルミ
リステートなどを挙げることができる。
【0039】上記高級アルコール脂肪酸エステルの融点
が低すぎると成形前の成形材料の取扱い性が低下し、高
すぎると成形加工時の流動性が低下する。従って、高級
アルコール脂肪酸エステルの融点は、上記のように、好
ましくは40〜120℃、より好ましくは50〜100
℃である。
【0040】(e)ネオペンチル系ポリオール脂肪酸エ
ステル 本発明で用いられる上記ネオペンチル系ポリオール脂肪
酸エステルとは、ネオペンチルグリコール(別名2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール)、ネオペンチ
ルトリオール(別名2−ヒドロキシメチル−2−メチル
−1,3−プロパンジオール)、ネオペンチルテトラオ
ール(別名ペンタエリスリトール)のいずれかのネオペ
ンチルポリオールを脂肪酸でエステル化したもの、また
は、これらのネオペンチルポリオールがエーテル結合で
繋がっている2量体を脂肪酸でエステル化したものであ
り、かつ融点が40〜120℃のものである。
【0041】また、ネオペンチル系ポリオールの2つ以
上の水酸基をエステル化したものが好ましく用いられ
る。なお、上記のように、ネオペンチルポリオールに
は、グリコールタイプ、トリオールタイプ、テトラオー
ルタイプのものがあり、これらのものの2量体は、例え
ば、以下のようにして2量化によりエーテル結合が形成
されたものであると推定される。
【0042】
【化1】
【0043】
【化2】
【0044】
【化3】
【0045】上記脂肪酸としては、好ましくは、(b)
ソルビタン脂肪酸エステルを得るのに好ましく用いられ
る脂肪酸が用いられる。また、上記ネオペンチル系ポリ
オール脂肪酸エステルとしては、好ましくは、ペンタエ
リスリトールの脂肪酸エステル、またはジペンタエリス
リトールの脂肪酸エステルが用いられる。より具体的な
例としては、ペンタエリスリトールのステアリン酸エス
テル、ペンタエリスリトールのベヘニン酸エステル、ジ
ペンタエリスリトールのステアリン酸エステル、ジペン
タエリスリトールのベヘニン酸エステルなどを挙げるこ
とができる。
【0046】上記ネオペンチル系ポリオール脂肪酸エス
テルの融点が低すぎると成形前の成形材料の取扱い性が
低下し、高すぎると成形加工時の流動性が低下する。従
って、ネオペンチル系ポリオール脂肪酸エステルの融点
は、上記のように、好ましくは40〜120℃、より好
ましくは50〜100℃である。
【0047】(f)脂肪酸アミド 本発明で用いられる(f)脂肪酸アミドは、融点が80
〜150℃であり、アンモニアもしくはアミノ化合物と
脂肪酸とから誘導されるアミドである。
【0048】上記脂肪酸としては、好ましくは、(b)
ソルビタン脂肪酸エステルを得るのに好ましく用いられ
る脂肪酸が用いられる。上記脂肪酸アミドの具体例とし
ては、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレ
ンビスステアロアミド、エチレンビス(ヒドロキシステ
アロアミド)、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレ
ンビスエルカ酸アミドなどを挙げることができる。
【0049】上記脂肪酸アミドの融点が低すぎると成形
前の成形材料の取扱い性が低下し、高すぎると成形加工
時の流動性が低下する。従って、脂肪酸アミドの融点
は、上記のように、好ましくは80〜150℃、より好
ましくは90〜145℃である。
【0050】無機充填材 上記無機充填材としては、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、硫酸カルシウム、ガラス粉末、タルク、マイ
カなどを使用することができる。
【0051】上記無機充填材の粒径が小さすぎると不飽
和樹脂組成物の粘度が高くなり、強化繊維に十分含浸せ
ず、成形材料内部に気泡が混入し易くなり、成形品に巣
が入り易くなる。他方、上記無機充填材の粒径が大きす
ぎると、粒子の比表面積が小さくなるため、加熱流動化
剤を添加した効果が生じ難くなり、成形材料の成形時の
流動性が低下することになる。従って、無機充填材の粒
径は、0.1〜200μmが好ましく、より好ましくは
0.5〜60μmである。
【0052】無機充填材の配合割合が高すぎると、成形
材料の粘度が大幅に上昇し、無機充填材と不飽和ポリエ
ステル樹脂との均一混合が難しくなり、硬化物が脆くな
り、得られる成形品の力学的特性が低下し、かつ成形加
工時の流動性が低下する。加えて、強化繊維に対する含
浸性が低下し、成形材料内部にエアーを混入し易くな
り、結果として成形品に巣が入り易くなる。また、無機
充填材の配合割合が少なすぎると、成形前の材料の取扱
い性が低下する。
【0053】従って、無機充填材は、不飽和ポリエステ
ル樹脂100重量部に対し、好ましくは50〜350重
量部の範囲、より好ましくは50〜300重量部の範囲
で重合される。なお、2種以上の無機充填材を用いても
よく、その場合には、2種以上の無機充填材の合計が、
上記配合割合を満たすように用いられる。
【0054】増粘剤 上記増粘剤としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等が使用される。
【0055】繊維補強材 繊維補強材は、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
の機械的強度を強化し、機械的強度に優れた成形品を得
るために配合されている。上記繊維補強材としては、ガ
ラス繊維、炭素繊維、石綿繊維、ホイスカー、有機合成
繊維、天然繊維などを挙げることができる。好ましく
は、物性及び価格の面で有利であるため、ガラス繊維が
用いられる。
【0056】また、繊維補強材としては、一定長のまた
は連続した繊維をそのまま使用する場合の他、マット状
やクロス状の強化繊維を用いてもよい。例えば、ガラス
繊維の場合には、ストランドを一定長さに切断して得ら
れたチョップドストランドをバインダーで接着し、マッ
ト状としたチョップドストランドマットなどを使用する
ことができる。一定長さの繊維は、通常、1〜80mm
の繊維長を有するものが使用される。繊維長が1mmよ
りも短い場合は、補強効果が十分でなく、80mmより
も長い場合には、粘度が上昇して成形性が低下する。
【0057】また、不飽和ポリエステル樹脂組成物中の
繊維の方向は特に限定されるものではなく、ランダムで
あってもよく、一方向に揃えられていてもよく、X状に
並べられていたものなど任意である。
【0058】また、上記繊維補強材の量が少なすぎると
成形材料の取扱い性が低下し、補強効果が小さくなり成
形品の割れや曲がりが生じ易くなる。他方、繊維補強材
の使用量が多すぎると、成形材料の粘度が上昇し、成形
時の流動性が低下する。従って、繊維補強材は、不飽和
ポリエステル樹脂組成物全体の2〜50重量%の範囲で
混合される。
【0059】その他の添加剤 さらに、本発明のSMCにおいても、通常のSMCと同
様に、離型剤、硬化剤及び顔料等が含まれていてもよ
い。上記離型剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸カルシウムなどを挙げることができる。
【0060】上記硬化剤としては、ターシャリーブチル
パーオキシイソブチレート、ターシャリーブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、ターシャリーアミル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,4,4−
トリメチルペンチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ター
シャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリー
ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ターシャ
リーブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサ
ノエート、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ベンゾイ
ルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が
使用される。
【0061】請求項1に記載の発明のSMCの具体的な
構成 請求項1に記載の発明では、上述してきた不飽和ポリエ
ステル樹脂、無機充填材及び増粘剤を少なくとも含む不
飽和ポリエステル樹脂組成物中に繊維補強材が2〜40
重量%含有されているシートモールディングコンパウン
ド本体の表面に、上記特定の加熱流動化剤層が形成され
ている。図1は、請求項1に記載の発明にかかるSMC
の構造を示す略図的断面図である。ここでは、一対の離
型フィルム1,2間に、請求項1に記載の発明にかかる
SMC3が挟持されている。SMC3は、SMC本体4
の両面に加熱流動化剤層5,6を設けた構造を有する。
SMC本体4は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を繊維
補強材に含浸させることにより構成されている。なお、
加熱流動化剤層は、SMC本体4の片面にのみ形成され
ていてもよい。
【0062】また、上記請求項1に記載の発明にかかる
SMCの製造方法については特に限定されるものではな
い。すなわち、SMC本体を得た後に、SMC本体の片
面もしくは両面に加熱流動化剤を塗布または散布するこ
とにより、加熱流動化剤層を形成し、請求項1に記載の
発明にかかるSMCを得てもよい。もっとも、好ましく
は、請求項2に記載の発明のように、例えば、加熱流動
化剤層が内面に形成された離型フィルムを用いることに
より、請求項1に記載の発明にかかるSMCを効率よく
生産することができる。
【0063】請求項2に記載の発明においては、一対の
離型フィルム間に請求項1に記載の不飽和ポリエステル
樹脂組成物を挟み混んだ後、増粘させるに際し、一対の
離型フィルムの少なくとも一方の内面と不飽和ポリエス
テル樹脂組成物との間に加熱流動化剤を介在させておく
ことを特徴とする。このような製造方法の具体的な例
を、図2及び図3を参照して説明する。もっとも、図2
及び図3に示すSMC製造装置は、請求項2に記載の発
明にかかる製造方法を実施するための装置の一例にすぎ
ず、請求項2に記載の発明を実施するための製造方法
は、図2及び図3に示す方法に限定されるものではな
い。
【0064】図2は、請求項2に記載の発明にかかるS
MC製造方法を実施するための装置の一例を説明するた
めの概略構成図である。図2において、ロール11から
離型フィルム12が供給される。ローラー14,15が
所定距離を隔てて配置されており、ローラー14,15
に無端の搬送ベルト13が巻回されている。搬送ベルト
13は、図示の矢印A方向に周回されている。離型フィ
ルム12は、ローラー14側から搬送ベルト13上に送
り出され、搬送ベルト13上を搬送されて、巻取りロー
ル16に向かって移動する。
【0065】ローラー14,15間においては、まず、
加熱流動化剤溶液槽17が上方に配置されている。加熱
流動化剤溶融槽17から溶融加熱流動化剤が離型フィル
ム12の上面に付与される。次に、不飽和ポリエステル
樹脂組成物18が加熱流動化剤が塗布された離型フィル
ム12の上面に供給され、ドクターブレード19により
不飽和ポリエステル樹脂組成物の厚みが一定とされる。
しかる後、該不飽和ポリエステル樹脂組成物層上に、繊
維補強材20が散布される。繊維補強材20は、図2に
示す装置では、ロータリーカッター21によりガラスロ
ービングを一定長にカットすることにより供給されてい
る。
【0066】さらに、上記繊維補強材20を散布した
後、ローラー22が配置されている位置において、他方
の離型フィルム23が供給される。図2に示す装置で
は、離型フィルム23は、ロール24から供給されてお
り、かつ離型フィルム23の片面にも、加熱流動化剤溶
融槽25から加熱流動化剤が供給され、さらに不飽和ポ
リエステル樹脂組成物26がドクターブレード29を用
い一定の厚みとなるように塗布されている。従って、上
記繊維補強材20を散布した後、ローラー22が配置さ
れている部分において、内面に加熱流動化剤層及び不飽
和ポリエステル樹脂組成物層が設けられている離型フィ
ルム23が重ね合わされることになる。
【0067】このようにして、内面に加熱流動化剤層が
形成されている一対の離型フィルム12,23間に繊維
補強材含有不飽和ポリエステル樹脂組成物からなる層が
挟持されている構造が得られ、搬送ベルト13上を搬送
されることになり、挟み込みロール27,27間で加圧
され、それによって繊維補強材に不飽和ポリエステル樹
脂組成物が含浸されることになる。挟み込みロール2
7,27間を通過することにより、離型フィルム12,
23間にSMCが構成されることになる。しかる後、巻
取りロール16に上記のようにして得たシート28を巻
取り、所定時間所定温度に保って増粘させることによ
り、請求項1に記載の発明にかかるSMCからなる成形
材料を得ることができる。
【0068】なお、図2に示したSMC製造装置では、
他方の離型フィルム23の内面にも加熱流動化剤層及び
不飽和ポリエステル樹脂組成物層を設けていたが、他方
の離型フィルム23側には加熱流動化剤層のみを設けて
もよく、あるいは加熱流動化剤層及び不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物の何れをも設けずともよい。
【0069】図3に示すSMC製造装置では、ロール3
1から一方の離型フィルム32が供給される。無端の搬
送ベルト33がローラー34,35間を図示の矢印A方
向に周回されている。ローラー34側から供給された離
型フィルム32は、巻取りロール36に向かって搬送さ
れる。
【0070】ローラー34側から供給された離型フィル
ム32の上方には、加熱流動化剤溶融槽37が配置され
ており、該加熱流動化剤溶融槽37からゲートを介して
加熱流動化剤が離型フィルム32上に供給される。しか
る後、一対のメインロール38,39間に、不飽和ポリ
エステル樹脂組成物(図示されず。)を図示しない供給
装置のスリットから供給しつつ、かつ繊維補強材40も
同時に供給する。繊維補強材40は、ロータリーカッタ
ー41によりガラスロービングを一定長にカットするこ
とにより供給されている。このようにして、メインロー
ル38,39間から下方の離型フィルム32上に、不飽
和ポリエステル樹脂組成物及び繊維補強材が塗布もしく
は散布されることになる。
【0071】次に、図2に示した製造装置の場合と同様
に、ロール42から他方の離型フィルム43を供給す
る。この場合、図3では、離型フィルム43がロール4
2から供給され、かつ加熱流動化剤溶融槽44から加熱
流動化剤が離型フィルム43の片面に塗布される。従っ
て、ローラー45を介して、加熱流動化剤が内面に塗布
された離型フィルム43が積層されることになる。次
に、加圧ロール46,46間を通過させることにより、
離型フィルム32,43で挟まれたシートを加圧し、不
飽和ポリエステル樹脂組成物を繊維補強材に含浸させる
と共に、SMCを成形する。しかる後、巻取りロール3
6で巻取り、一定時間一定温度に保って増粘することに
より、請求項1に記載の発明にかかるSMCを得ること
ができる。この方法においても、内面に加熱流動化剤層
が形成された一対の離型フィルム32,43間におい
て、SMC本体の両面に加熱流動化剤層が設けられたS
MCを得ることができる。 図3に示した製造装置を用
いる場合においても、上記加熱流動化剤溶液槽44を用
いずに、離型フィルム43のみを供給してもよく、その
場合には、片面にのみ加熱流動化剤層が設けられたSM
Cを得ることができる。また、図2の場合と同様に、加
熱流動化剤溶液槽44が配置されている部分の後段にお
いて不飽和ポリエステル樹脂組成物をさらに供給しても
よい。
【0072】なお、請求項2に記載の発明において、離
型フィルムの内面に加熱流動化剤層を形成する方法は、
図2及び図3に示した方法に限定されるものではない。
すなわち、図2及び図3に示したように、離型フィルム
に予め加熱流動化剤溶液を塗布しておく方法の他、固体
状の加熱流動化剤を離型フィルム上に散布する方法を採
用してもよい。
【0073】また、加熱流動化剤の塗布や散布方法につ
いては、SMCの片面に加熱流動化剤を含む加熱流動化
剤層が形成される限り、任意の方法を採用することがで
きる。例えば、その融点以上に加熱されて溶融状態とさ
れている加熱流動化剤を、SMC本体の幅に見合ったゲ
ートから離型フィルム上に流し込み塗布してもよく、噴
霧器を用いて離型フィルム上に塗布してよい。また、固
体状の加熱流動化剤を離型フィルムに散布するに際して
は、例えば、ホッパーから散布してもよいが、均一な加
熱流動化剤層をSMCの表面に設けるには、溶融状態に
ある加熱流動化剤を塗布する方法を採用することが好ま
しい。
【0074】さらに、請求項2に記載の発明では、離型
フィルム側に加熱流動化剤層を予め形成していたが、不
飽和ポリエステル樹脂組成物及び繊維補強材を含む層を
離型フィルム上で形成した後に、その上に加熱流動化剤
を散布もしくは塗布してから、他方の離型フィルムを積
層し、それによって一対の離型フィルム間にSMC本体
と加熱流動化剤層とを積層してなる構造を得てもよい。
【0075】なお、巻取りロール16,36で巻き取ら
れたSMCを増粘するには、通常、スチレンなどの重合
性単量体が揮発しないようにポリエチレンフィルムなど
で包装し、例えば、半日〜2日間、25〜50℃の温度
に調節された熟成室に保管することにより行われる。
【0076】作用 請求項1に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物では、
不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材及び増粘剤を含
み、繊維補強材が上記特定の割合で含有されている不飽
和ポリエステル樹脂組成物からなるSMC本体の少なく
とも片面に融点が40〜150℃の上記加熱流動化剤層
が形成されているため、常温で固体状であった加熱流動
化剤が圧縮成形時の加圧下において溶融し、成形型−S
MC間またはSMC相互間において滑剤としての効果を
発揮し、これら相互間の流動抵抗を減少させるように作
用すると考えられる。従って、成形材料の成形時の流動
性が高められるので、例えば、5〜35kg/cm2
好ましくは5〜20kg/cm2 程度の低圧条件下にお
いて圧縮成形した場合であっても、良好な成形品を得る
ことができる。
【0077】また、加熱流動化剤は、SMC本体の少な
くとも片面に、すなわち内部には設けられていないた
め、加熱流動化剤の一部は最終的に得られた成形品中に
残存するものの、その殆どが成形品外に排出されるた
め、得られた成形品の機械的強度や耐久性の劣化が生じ
難い。
【0078】加えて、常温で固体状の加熱流動化剤層が
SMC本体の少なくとも片面に設けられているので、成
形前においては特別な添加剤を加えぬ限りSMC本体の
粘度が低下することがなく、逆に増粘条件等により従来
よりも低粘度であったとしても、成形前の良好な取扱い
性が確保される。
【0079】請求項2に記載の発明では、上記請求項1
の発明にかかるSMCが、一対の離型フィルム間に挟み
込んだ状態で用意され、その状態で増粘されるため、上
記のように低圧条件下で圧縮成形可能なSMCを効率良
く得ることができる。
【0080】従って、請求項1または2に記載の発明の
不飽和ポリエステル樹脂組成物の特徴を生かして、低圧
下で圧縮成形することができる。
【0081】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明を明らかにする。
【0082】不飽和ポリエステル樹脂組成物の調製 フマル酸、イソフタル酸及びプロピレングリコールから
なる不飽和ポリエステル70重量部と、ポリスチレン3
0重量部とをスチレン単量体に溶解してなる不飽和ポリ
エステル樹脂液(樹脂分としては100重量部、スチレ
ン含有量40重量%)、炭酸カルシウム(平均粒径2μ
m)150重量部、ステアリン酸亜鉛5重量部、酸化マ
グネシウム0.7重量部及び下記の表2に記載の硬化剤
を表3に記載の割合で秤量し、これらを攪拌機にて十分
に混合・混練し、不飽和ポリエステル樹脂組成物を得
た。
【0083】SMC製造装置 図2に示したSMC製造装置を用いた。また、加熱流動
化剤を離型フィルム上に塗布し得るように、以下のよう
な改造を施した。すなわち、上下のドクターブレードよ
りも上流側において、溶融加熱流動化剤を離型フィルム
に塗布するために、SMCの幅に対応した幅のゲートを
設けた。このゲートには、加熱流動化剤の塗布量を調節
するためのクリアランス絞り機構が設けられている。
【0084】また、加熱流動化剤としては、下記の表1
に示すものを表3に示す割合で用い、これらの加熱流動
化剤については、温度調節されたオイルバス方式の加熱
槽を有する加熱流動化剤溶融槽内において溶融状態と
し、上記ゲートに供給し得るように構成した。
【0085】SMCの作製 上述した加熱流動化剤を供給し、かつ繊維補強材として
は繊維長25mmのチョップドストランドからなるガラ
ス繊維を用いた。SMC全体に対して、ガラス繊維含有
量28重量%となるようにSMCをチョップドストラン
ドに含浸させ、図2に示したSMC製造装置の巻取りロ
ールにて一対の離型フィルム間に挟持されたSMCを巻
取り、全体をポリエステルフィルムで覆い、40℃に温
度調整された熟成室で24時間熟成した。このようにし
て、加熱流動化剤層の厚みを含まないSMC本体の厚み
が2.5mmであるSMCを得た。
【0086】なお、実施例11では、SMC本体の片面
に加熱流動化剤層を形成するように構成したが、その他
の実施例では、SMC本体の両面に加熱流動化剤層を形
成した。また、表3における加熱流動化剤層の塗布量
は、加熱流動化剤層を両面に形成した実施例では、両面
の加熱流動化剤層の合計を示す。
【0087】成形 成形機としては、川崎油工社製300トンプレス成形機
(低圧使用)を用いた。成形型としては、ミニバス金型
(650×650×270mm)を用い、上下の金型を
電気ヒーターにより加熱して温度調節を行った。
【0088】上記のようにして用意したSMCを、金型
温度;下型(コア側)=90℃または145℃、上型
(キャビティー側)=90℃または135℃とし、成形
圧力は10kgf/cm2 、保圧時間は4分または12
分、SMCチャージ面積は200mm×200mmとし
て成形を行った。以下に、各実施例及び比較例の詳細を
説明する。
【0089】実施例1〜4 硬化剤としては、ターシャリーパーオキシベンゾエート
を1重量部、加熱流動化剤については、表3に示すよう
に、表1に示した4種類の加熱流動化剤の何れかを用
い、それぞれ、不飽和ポリエステル樹脂組成物100重
量部に対し3重量部(両面の合計)の割合で塗布し、両
面に加熱流動化剤層が形成されたSMCを作製した。成
形型の温度は、下型(コア側)=145℃、上型(キャ
ビティー側)=135℃、成形圧力は10kgf/cm
2 として成形した。
【0090】実施例5,6 実施例5及び6では、それぞれ、加熱流動化剤の塗布量
を0.3重量部及び8重量部としたこと以外は、実施例
1と同様にして成形を行った。
【0091】実施例7,8 硬化剤として、低温硬化タイプの2,4,4−トリメチ
ルペンチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.
5重量部を用いた。また、加熱流動化剤としては、表1
に示した加熱流動化剤を表3に示すように4重量部塗布
(SMC本体の両面の合計塗布量)し、SMCを得た。
下型及び上型の双方の温度を90℃、成形圧力10kg
f/cm2 として成形を行った。
【0092】実施例9,10 実施例9及び10においては、それぞれ、加熱流動化剤
の塗布量を0.05重量部及び15重量部としたこと以
外は、実施例2に同様にして成形を行った。
【0093】実施例11 加熱流動化剤をSMC本体の片面にのみ塗布したこと以
外は、実施例1と同様にして成形を行った。
【0094】比較例1 加熱流動化剤層を設けなかったこと以外は、実施例1と
同様にしてSMCを作製し、かつ成形を行った。
【0095】比較例2 加熱流動化剤を不飽和ポリエステル樹脂組成物100重
量部に対し5重量部混合してなる材料を用い、加熱流動
化剤層を何れの面にも設けなかったこと以外は、実施例
1と同様にして成形を行った。
【0096】比較例3 加熱流動化剤を不飽和ポリエステル樹脂組成物100重
量部に対し、5重量部混合・混練し、得られた材料を用
いてSMCを作製し、SMCの両面に加熱流動化剤層を
設けなかったこと以外は、実施例7と同様にして成形を
行った。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】評価 実施例1〜11及び比較例1〜3の上記各成形に際して
のSMCの充填率及び充填時間を表3に示した。充填率
は、成形型の展開面積に対する、成形品の展開面積の割
合を示し、100%の場合、SMCが成形型に確実に沿
った成形品となっていることがわかる。
【0101】充填時間は、プレス成形時のSMCが金型
に接触した時点から、金型を締め切るまでに要した時間
を示し、この数値が短いほど成形材料の流動性が高いこ
とを示す。
【0102】また、得られた成形品の80℃熱水浸漬試
験後の曲げ強さをJIS K 6911に準拠して測定
した。さらにこの80度熱水浸漬試験後の曲げ強さにつ
いては、熱水浸漬時間を表3に示すように、0、50
0、1000及び4000時間に変更して熱水浸漬時間
による曲げ強さの変化を調べた。
【0103】結果 表3から明らかなように、比較例1では、充填率が55
%と低く、目的とする成形品を得ることができなかっ
た。これは、加熱流動化剤を用いていないため、10k
gf/cm2 の低圧下の成形ではSMCの流動性が十分
でないので、成形材料が金型に十分に充填されなかった
ものと思われる。
【0104】また、比較例2では、加熱流動化剤を成形
材料に5重量部混合してSMCを作製していたため、成
形材料は成形時において十分に流動し、充填率は100
%であった。しかしながら、加熱流動化剤層を設けた対
応の実施例1の場合と比べて、充填時間はかなり長くな
った。加えて、熱水耐久性試験後の成形品の強度測定に
おいて、浸漬時間が長くなるに連れて強度の劣化の度合
いが大きかった。従って、成形品中に残存している加熱
流動化剤が悪影響を及ぼし、成形品の強度が劣化してい
るものと思われる。
【0105】比較例3においても、加熱流動化剤を5重
量部混合・混練してSMCを得ているため、成形時の流
動性は高く、充填率は100%であったものの、対応の
実施例7に比べて充填時間は長くなっていた。また、得
られた成形品の熱水耐久性試験においては、浸漬時間が
長くなるに連れて、強度が急速に低下していた。従っ
て、残存している加熱流動化剤が悪影響を及ぼして、成
形品の強度が低下しているものと思われる。
【0106】上記比較例1〜3に比べて、実施例1〜1
1の何れにおいても、加熱流動化剤層をSMC本体の片
面もしくは両面に設けたためか、充填率が100%であ
り、成形に際しての流動性が十分であるだけでなく、充
填時間も対応の比較例に比べて短かった。すなわち、実
施例1及び比較例2の比較から、同じ種類の加熱流動化
剤を用いた場合であっても、実施例1では加熱流動化剤
の使用量が比較例2に比べて少ないにも関わらず、充填
時間が110秒から87秒に短縮されることがわかる。
加えて、実施例1では、熱水耐久性試験においても、比
較例2に比べて強度の劣化が少ないことがわかる。
【0107】また、実施例7と比較例3との比較から明
らかなように、比較例3では、充填時間が145秒であ
るのに対し、実施例7では、加熱流動化剤の使用量が少
ないにも関わらず、充填時間が120秒と短縮されてい
た。加えて、熱水耐久性試験の結果においても、比較例
3に比べて、実施例7では成形品の強度の劣化が小さい
ことがわかる。
【0108】さらに、実施例2〜6及び8〜11におい
ても、同様に、充填時間が比較的短く、熱水耐久性試験
においても、成形品の強度劣化が比較的小さいことがわ
かる。
【0109】なお、実施例6では、加熱流動化剤の塗布
量が比較的多くしたため、充填時間がかなり短縮され
た。従って、加熱流動化剤の使用量を多くして加熱流動
化剤層を設けることにより、充填時間をより一層短縮し
得ることがわかる。
【0110】また、実施例7,8では、比較的低温にて
成形したため、樹脂自体の粘度低下が小さくなり、充填
時間は実施例1〜6のように比較的高温で成形した場合
に比べて長くなった。しかしながら、実施例7,8で
は、低温で成形しているため、成形型の材質として非鉄
金属や樹脂などを用いることができ、それによって設備
投資を削減し得ることができる。
【0111】実施例9では、加熱流動化剤の塗布量が微
量であるため、充填時間が多少長くなったが、この場合
においても、充填率は100%であり、加熱流動化剤層
を設けたことによる成形材料の低圧成形時の流動性を確
実に高め得ることがわかる。また、加熱流動化剤層を構
成する加熱流動化剤の塗布量が微量であるため、熱水耐
久性試験において良好な結果を示した。
【0112】実施例10では、加熱流動化剤の塗布量が
極端に多くされているため、充填時間は最短となった。
この場合においても、得られた成形品の熱水耐久性試験
では良好な結果を示した。すなわち、熱水浸漬時間を長
くしたとしても、強度の劣化は小さかった。もっとも、
加熱流動化剤の容量が多いため、成形前のSMCのハン
ドリング性は幾分低下していた。
【0113】実施例11では、加熱流動化剤層がSMC
本体の片面にのみ設けられていたが、充填時間及び熱水
耐久性試験の結果は、実施例1とほぼ同等であった。従
って、同じ量の加熱流動化剤を用いる限り、片面にのみ
加熱流動化剤を設けた実施例11は、両面に分散して加
熱流動化剤層を設けた実施例1と同等の結果を得られる
ことを示した。
【0114】
【発明の効果】以上のように、本発明のSMCでは、不
飽和ポリエステル樹脂組成物中に繊維補強材が上記特定
の割合で含有されているSMC本体の少なくとも片面に
融点が40〜150℃の加熱流動化剤層が形成されてい
るため、上記加熱流動化剤層を構成している加熱流動化
剤は、成形時に加熱されて溶融し、SMCの流動性を高
めるように作用する。この結果、成形型−SMC間また
はSMC相互間において加熱流動化剤が滑剤としての効
果を発現するためか、SMCの流動性が高められ、低圧
下で圧縮成形した場合であっても、目的とする成形品を
確実に成形することができる。よって、圧縮成形に際し
ての成形圧力を低減し得るため、大型の成形機を確保し
たり、高額な金型投資を行う必要がなく、SMCから種
々の成形品を安価に製造することができる。
【0115】また、加熱流動化剤層はSMC本体の片面
もしくは両面に形成されているものであるため、成形後
には、成形品内部に加熱流動化剤が混入し難い、よっ
て、機械的強度や熱水耐久性などの耐久性に優れた成形
品を得ることができ、従来の中高圧圧縮成形により得ら
れる成形品と同等の物性を有する成形品を得ることも可
能となる。
【0116】加えて、成形前のSMCの取扱い性や作業
性が低下することがない。よって、請求項1に記載の発
明によれば、低圧下で圧縮成形した場合であっても、確
実に所望の形状とでき、かつ熱水耐久性などの機械的物
性に優れた成形品を安価に供給することが可能となる。
【0117】また、請求項2に記載の発明においては、
少なくとも一方の離型フィルムと、繊維補強材含有不飽
和ポリエステル樹脂組成物との間に加熱流動化剤層が配
置された状態で一対の離型フィルム間に不飽和ポリエス
テル樹脂組成物及び繊維補強材を挟み込んだ後に増粘さ
せて請求項1に記載のSMCが得られているため、上記
のように安価であり、低圧下で圧縮成形することがで
き、かつ物性の良好な成形品を得ることを可能とする請
求項1に記載の発明にかかるSMCを容易にかつ安価に
供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSMCを説明するための略図的断面
図。
【図2】本発明のSMCを製造する装置の一例を説明す
るための概略構成図。
【図3】本発明のSMCの製造するための装置の他の例
を示す概略構成図。
【符号の説明】
1,2…離型フィルム 3…SMC 4…SMC本体 5,6…加熱流動化剤層 12…離型フィルム 18…不飽和ポリエステル樹脂組成物 20…繊維補強材 23…離型フィルム 32…離型フィルム 40…繊維補強材 43…離型フィルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材及
    び増粘剤を含み、繊維補強材が全体の2〜40重量%の
    割合で含有されている不飽和ポリエステル樹脂組成物よ
    りなるシートモールディングコンパウンド本体の少なく
    とも片面に、融点が40〜150℃の加熱流動化剤層が
    形成されていることを特徴とするシートモールディング
    コンパウンド。
  2. 【請求項2】 一対の離型フィルムの少なくとも一方の
    内面と、請求項1に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成
    物との間に融点が40〜150℃の加熱流動化剤層を介
    在させて、前記一対の離型フィルム間に請求項1に記載
    の不飽和ポリエステル樹脂組成物を挟み込んだ後、該不
    飽和ポリエステル樹脂組成物を増粘させることを特徴と
    するシートモールディングコンパウンドの製造方法。
JP991696A 1996-01-24 1996-01-24 シートモールディングコンパウンド及びその製造方法 Pending JPH09194707A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20020084606A (ko) * 2001-05-03 2002-11-09 현대자동차주식회사 버스용 복합재료 에어컨디셔너 컨덴서 케이스의 제조방법
CN104775334A (zh) * 2015-03-31 2015-07-15 中国铁道科学研究院铁道建筑研究所 纤维增强复合材料合成轨枕

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