JPH09194368A - ポドフィロトキシン誘導体及びそれからなる新規細胞分化誘導剤 - Google Patents

ポドフィロトキシン誘導体及びそれからなる新規細胞分化誘導剤

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JPH09194368A
JPH09194368A JP2035396A JP2035396A JPH09194368A JP H09194368 A JPH09194368 A JP H09194368A JP 2035396 A JP2035396 A JP 2035396A JP 2035396 A JP2035396 A JP 2035396A JP H09194368 A JPH09194368 A JP H09194368A
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JP
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cell differentiation
differentiation inducer
present
podophyllotoxin derivative
general formula
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JP2035396A
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Keiichi Nishimura
桂一 西村
Kaoru Umehara
薫 梅原
Mitsuhiro Nakamura
光博 中村
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Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 デオキシポドフィロトキシンからなる細胞分
化誘導剤及びこれを含有する組成物。 【効果】 本発明の細胞分化誘導剤は分化誘導作用に優
れるので、癌やコンジロームの予防や治療にたいへん有
益である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、癌治療やパピロー
マウィルスによる性器コンジロームの治療に有益な新規
ポドフィロトキシン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】癌は、細菌症等の感染症が抗生物質の登
場によってほぼ克服された今、循環器系疾患とともに人
類に残された最大の課題となっている。この問題を解決
すべく様々な抗癌剤が開発されたが、その多くは、アル
キル化剤であり、嘔吐、脱毛、食欲不振、発癌作用など
の重篤な副作用を伴っているため、癌が消失するまで投
与を続けることが不可能な薬剤が多かった。又、他のメ
カニズムによる抗癌剤、例えば、クレスチンの様な免疫
賦活剤、エトポシドの様なアポトーシス誘導剤は単独で
の効果は大きくなく、充分な抗癌作用を有しているとは
いい難かった。即ち、癌を駆逐するに至っている抗癌剤
はまだ得られていないと言うのが現状である。
【0003】又、パピローマウィルスに起因する性器コ
ンジロームはやがては癌へと変移する、いわば前癌的な
疾病であり、これを早期に治療することは、確実な癌化
を防ぐ意味で重要なことであった。この疾病は、性行為
によって感染するので、風俗が乱れてきた昨今において
はSTD(性行為媒介感染症)として広まりつつあるの
でこの重要性は更に拡大しつつある。
【0004】この様な、癌やコンジローム治療のメカニ
ズムとして、薬物による細胞の分化誘導が見いだされ
た。これは、癌細胞が未分化状態であるが故に無秩序に
増殖することに着目し見いだされたメカニズムである
が、これは癌の治療取り分けコンジロームの様な前癌状
態のものの治療に有益であることが知られてきた。この
様な細胞の分化誘導作用がある物質として、構造式2に
示すポドフィロトキシンが見いだされ、現在臨床試験中
であるが、このものにおいても、炎症、掻痒、痛み等の
副作用があり、効果の増強又は安全性の改善が望まれて
いた。
【0005】
【化3】 構造式2
【0006】一方後記一般式(I)に表される化合物に
は細胞の分化誘導作用を有することは全く知られていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な状況
下なされたものであり、新規の強い細胞の分化誘導作用
を有する物質を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この様な状況に鑑み、本
発明者等は細胞の分化誘導作用に優れる物質を求めて、
広くスクリーニングを重ねた結果、ガジン(Anthriscus
sylvestris)の抽出物中に含まれている、後記一般式
(I)に表される化合物が優れた分化誘導作用とそれに
起因する抗癌作用を有することを見いだし発明を完成さ
せた。以下本発明について詳細に説明する。
【0009】(1)本発明で用いる化合物 本発明で細胞の分化誘導剤として用いる化合物は次に示
す一般式(I)に表される構造を有する。この一般式
(I)に表される化合物の内最も好ましいものは、構造
式1に表されるデオキシポドフィロトキシンである。こ
のものはガジン(Anthriscus sylvestris)の抽出物中
に含まれており、ガジンを溶媒で抽出しカラムクロマト
グラフィー等で精製すれば容易に得られる。抽出溶媒と
して好ましいものは、中極性〜非極性溶媒で、メタノー
ルやエタノールなどのアルコール類、アセトンやメチル
エチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテルやテトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルムや塩化メチ
レン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等のニ
トリル類、ベンゼンやトルエン等の芳香族炭化水素類な
どが例示できる。これらはただ一種のみを用いても良い
し、二種以上を組み合わせて用いても良い。これらの内
で最も好ましいものはアルコール類である。抽出に先立
ってガジンを乾燥、粉砕等の前処理をしても構わない。
この様に抽出した抽出物は、例えば、液液抽出やシリカ
ゲル、イオン交換樹脂、ODSを担体としたカラムクロ
マトグラフィー等で順次精製すれば本発明の化合物を得
ることが出来る。
【0010】
【化4】 一般式(I) (但し、式中R1、R2、R3はそれぞれ独立に炭素数1
〜4のアルキル基を表す。)
【0011】
【化5】 構造式1
【0012】(2)本発明の細胞の分化誘導剤 本発明の細胞の分化誘導剤は上記一般式(I)に示され
る構造を有する。一般式(I)に表される化合物は実施
例に示す如く、優れた細胞の分化誘導作用を有するた
め、このものを例えば癌細胞などに投与すれば、癌細胞
の分化を誘導して、これによって無秩序な癌細胞の増加
を抑えるため、癌細胞の増殖を抑制することが出来る。
又、パピローマウィルス等によるコンジロームに対して
も同様に作用するため、コンジロームの癌化、増殖など
を抑え、コンジロームを縮小させることが出来る。又、
分化誘導は乾癬の治療にも有効であり、本発明の分化誘
導剤を乾癬の治療に用いることも可能である。本発明の
細胞の分化誘導剤は、食用或いは漢方薬として広く用い
られているガジンを基源としているため安全性は高いこ
とが期待できる。本発明の細胞の分化誘導剤の適用量
は、大凡成人1人1日当たり、1〜10000mgを一
回乃至数回に分けて投与すればよい。
【0013】(3)本発明の医薬組成物 本発明の医薬組成物は、一般式(I)のポドフィロトキ
シン誘導体からなる細胞分化誘導剤を含有する癌治療、
コンジローム治療、乾癬の治療のための組成物であり、
その剤形は、静脈注射、動脈注射、門脈注射、皮下注
射、皮内注射、病巣内直接注射等の注射薬、錠剤、散
剤、顆粒剤、糖衣剤等の経口投与薬、クリーム、液剤な
どの皮膚外用剤、坐剤が例示できる。これらのうち好ま
しいものは、注射剤と皮膚外用剤である。本発明の医薬
組成物は、一般式(I)に表されるポドフィロトキシン
誘導体以外に、通常医薬組成物で用いられる任意成分を
含有することが出来る。この様な任意成分としては例え
ば、賦形剤、結合剤、被覆剤、滑沢剤、糖衣剤、崩壊
剤、増量剤、矯味矯臭剤、乳化・可溶化・分散剤、安定
剤、pH調整剤、等張剤等等が挙げられる。皮膚外用剤
においては、ワセリンやマイクロクリスタリンワックス
等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステ
ル類、牛脂、オリーブ油等のトリグリセライド類、セタ
ノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、ス
テアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリンや1,
3−ブタンジオール等の多価アルコール類、非イオン界
面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、
両性界面活性剤、エタノール、カーボポール等の増粘
剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類等
が例示できる。医薬組成物における本発明の一般式
(I)のポドフィロトキシンの好ましい含有量は0.0
1〜10重量%であり、より好ましくは、0.05〜8
重量%であり、更に好ましくは、0.1〜5重量%であ
る。本発明の組成物は通常の方法により製造することが
出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に例を挙げて発明の実施の形
態について詳細に説明するが、本発明がこれら例にのみ
限定されないことは言うまでもない。
【0015】(製造例)ガジン200gを細切し、これ
を1lのメタノールとともに2時間加熱還流させ濾過し
て濾液を得た。この作業を2回繰り返し、濾液を併せて
減圧濃縮した。これに500mlの水と500mlのジ
エチルエーテルを加え、液液抽出し、エーテル層を取
り、減圧濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=10
0:0→50:50)、ODSカラムを装着した高速分
取クロマトグラフィー(溶出溶媒;アセトニトリル:水
=1:99→30:70)で精製し300mgの構造式
1に示される化合物(デオキシポドフィロトキシン)を
得た。
【0016】(配合例)下記の処方成分をグラッド造粒
装置に秤込み、50%エタノール水溶液100mlを噴
霧しながら造粒した。これを40℃で1昼夜送風乾燥
し、篩過して顆粒剤を得た。 乳糖 50重量部 結晶セルロース 30重量部 デオキシポドフィロトキシン 10重量部 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10重量部
【0017】(配合例)下記の処方に従って皮膚外用剤
を作成した。即ち、処方成分を室温で攪拌可溶化し液剤
を得た。 ケルトロール 3重量部 水 17重量部 デオキシポドフィロトキシン 5重量部 エタノール 75重量部
【0018】
【実施例】
実施例1 マウス白血病細胞M1細胞を用いて分化誘導を調べた。
即ち、M1−T22細胞を10%仔牛血清・2倍量アミ
ノ酸・2倍量ビタミン加イーグルMEM培地2ml中に
2×105個/mlになるように調整し、20μlの検
体のエタノール溶液を加えた後、炭酸ガス培養器中37
℃で2日間培養した。これを10ml遠心管に移し、1
000rpm、5分遠心した。上清を捨て、仔牛血清を
含まない培養液2mlを加え、懸濁させた後2μl/m
lの濃度でポリスチレンラテックス粒子を加え(1.0
9μm;ダウケミカル製)を加え攪拌した後、更に4時
間培養した。この細胞を燐酸緩衝生理食塩水で3回洗浄
し、エオシンで染色し、生細胞数aとラテックス粒子を
5個以上貪食した生細胞数bを数え、b/a×100の
値を算出し、貪食率とした。この貪食率を持って分化誘
導率とした。結果は表1に示す。これより、ポドフィロ
トキシンに比較しても、本発明のデオキシポドフィロト
キシンは細胞の分化誘導作用に優れることが判る。
【0019】
【表1】
【0020】実施例2 マウス白血病細胞M1細胞を用いて増殖抑制作用を調べ
た。即ち、M1−T22細胞を10%仔牛血清・2倍量
アミノ酸・2倍量ビタミン加イーグルMEM培地2ml
中に2×105個/mlになるように調整し、20μl
の検体のエタノール溶液を加えた後、炭酸ガス培養器中
37℃で2日間培養した。コントロールはエタノールの
みを20μl加えた。この培養液1ml中の細胞数を計
数し、コントロールのこの値で除し、100を乗し、1
00から減じ増殖抑制率とした。結果は表2に示す。こ
れより、ポドフィロトキシンに比しても、本発明のデオ
キシポドフィロトキシンは癌細胞の増殖抑制作用に優れ
ることが判る。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明のポドフィロトキシン誘導体は分
化誘導作用に優れるので、癌治療、コンジローム治療に
大変有益である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 307:88 317:48)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)に表されるポドフィロトキ
    シン誘導体からなる細胞の分化誘導剤。 【化1】 一般式(I) (但し、式中R1、R2、R3はそれぞれ独立に炭素数1
    〜4のアルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式(I)に表される化合物が次の構
    造式1に表される、デオキシポドフィロトキシンであ
    る、請求項1記載の細胞分化誘導剤。 【化2】 構造式1
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の細胞の分化誘導
    剤を含有する医薬組成物。
JP2035396A 1996-01-11 1996-01-11 ポドフィロトキシン誘導体及びそれからなる新規細胞分化誘導剤 Pending JPH09194368A (ja)

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KR100416120B1 (ko) * 1997-11-15 2004-05-07 동화약품공업주식회사 천연물로부터 분리한 신규 리그난계통의 항종양 물질
KR100833216B1 (ko) * 2000-06-02 2008-07-01 김송배 데옥시포도필로톡신, 진세노사이드 Rg1 및 글리시르리진함유 항암 조성물
JP2009242406A (ja) * 2001-06-19 2009-10-22 Axelar Ab 特定のシクロリグナン類の新しい使用

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