JPH09176009A - 新規な抗変異原剤及び抗変異原性作用物質 - Google Patents

新規な抗変異原剤及び抗変異原性作用物質

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JPH09176009A
JPH09176009A JP7353452A JP35345295A JPH09176009A JP H09176009 A JPH09176009 A JP H09176009A JP 7353452 A JP7353452 A JP 7353452A JP 35345295 A JP35345295 A JP 35345295A JP H09176009 A JPH09176009 A JP H09176009A
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JP
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antimutagenic
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rosemary
substance
formula
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JP7353452A
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English (en)
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Toru Nakasugi
徹 中杉
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INAHATA KORYO KK
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INAHATA KORYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明の解決課題はヘテロサイクリッ
クアミン類による突然変異を抑制することができ且つ食
用植物に由来する抗変異原性作用物質を提供し、及びこ
の抗変異原性作用物質を含有する抗変異原剤を提供する
ことにある。 【解決手段】 この考案は精油成分を除去されたローズ
マリー(Rosmarinus officinali
s L.,)の葉から水、アルコール等の極性溶媒で抽
出して得られる成分を含有することを特徴とする抗変異
原剤であり、及び次式1(化1)で示される抗変異原性
作用物質5−ヒドロキシ−6,7,4′−トリメトキシ
フラボン(salvigenin)であり、及び次式2
(化2)で示される抗変異原性作用物質5,4′−ジヒ
ドロキシ−6,7−ジメトキシフラボン(cirsim
aritin)であり、及び請求項2及び/又は請求項
3に記載の抗変異原性作用物質を含有することを特徴と
する抗変異原剤である。 【化 1】 【化 2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は新規な抗変異原剤
及び抗変異原性作用物質に係り、食肉や魚等の焼け焦げ
に含有される変異原性物質による突然変異を抑制するこ
とができる抗変異原性作用物質及びこれらを作用物質と
する抗変異原剤を提供することである。
【0002】
【従来の技術】癌の発生は食事や喫煙といった日常習慣
に深く関係している。例えばタンパク質やアミノ酸の加
熱分解生成物である3−アミノ−1,4ジメチル−5H
−ピリド[4,3b]インドール(Trp−P−1)、
3−アミノ−1−メチル−5H−ピリド[4,3b]イ
ンドール(Trp−P−2)、2−アミノ−6−メチル
−ジピリド[1,2−a:3′,2′−d]イミダゾー
ル(Glu−p−1)、2−アミノ−ジピリド[1,2
−a:3′,2′−d]イミダゾール(Glu−p−
2)、2−アミノ−3メチルイミダゾ[4,5−f]キ
ノリン(IQ)、2−アミノ−3,4−ジメチルイミダ
ゾ[4,5−f]キノリン(MeIQ)等のヘテロサイ
クリックアミン類に強力な変異原性があることが知られ
ている。これらヘテロサイクリックアミン類の内の数種
はマウス、ラット、サルを使った発癌実験において高率
で腫瘍を形成し、さらに人の肝臓に含まれるS−9mi
xはこれらヘテロサイクリックアミン類を活性化するこ
とが知られており、人体における発癌の危険性が指摘さ
れている。
【0003】一方、食肉や魚等タンパク質を大量に含有
する食品を加熱することは一般的な料理法であり、上記
ヘテロサイクリックアミン類が食品と共に体内に入る危
険性は極めて高い。しかしこの対策は特に考えられてお
らず、食肉や魚等の焼け焦げを食べないようにするとい
うことが知られている程度であり、上記ヘテロサイクリ
ックアミン類が人体内に入ることによる発癌の危険性は
事実上放置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の解決課題は
ヘテロサイクリックアミン類による突然変異を抑制する
ことができ且つ食用植物に由来する抗変異原性作用物質
を提供し、及びこの抗変異原性作用物質を含有する抗変
異原剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、精油成分を除去されたローズマリー(Rosmar
inus officinalis L.,)の葉から
水、アルコール等の極性溶媒で抽出して得られる成分を
含有することを特徴とする抗変異原剤である。請求項2
に記載の発明は、次式3(化3)で示される抗変異原性
作用物質5−ヒドロキシ−6,7,4′−トリメトキシ
フラボン(salvigenin)である。請求項3に
記載の発明は、次式4(化4)で示される抗変異原性作
用物質5,4′−ジヒドロキシ−6,7−ジメトキシフ
ラボン(cirsimaritin)である。請求項4
に記載の発明は、請求項2及び/又は請求項3に記載の
抗変異原性作用物質を含有することを特徴とする抗変異
原剤である。
【化 3】
【化 4】
【0006】この発明の発明者らは植物由来の抗変異原
の検索を目的とした一連の研究過程でシソ科のローズマ
リー(Rosmarinus officinalis
L.,)の精油除去後の葉の熱水抽出物がS−9mi
x存在下でTrp−P−2によりサルモネラ菌TA98
に誘導したフレームシフト型突然変異を強く抑制するこ
とを見出した。ローズマリーに含有される癌予防効果の
期待される成分としてはカーノソール等の親油性ジテル
ペン類が知られているがこれらは熱水では抽出されない
ため、今回熱水抽出物に見出された抗変異原活性はカー
ノソール等の親油性ジテルペン類とは異なる従来には未
発見の化学物質に由来するものであると考えられる。発
明者らはさらなる研究の結果、ローズマリーの熱水抽出
液に含有される抗変異原性作用物質が5−ヒドロキシ−
6,7,4′−トリメトキシフラボン及び5,4′−ジ
ヒドロキシ−6,7−ジメトキシフラボンであることを
発見し、この発見を基に抗変異原剤及び抗変異原作用物
質を発明するに到った。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態について説
明する。請求項1に記載の抗変異原剤は、精油成分を除
去されたローズマリーの葉から抽出される抽出物である
ことを必須構成としている。ローズマリー(Rosma
rinus officinalis L.,)は別名
マンネンロウとも言い、従来より肉料理における香気付
けとして使用されている植物である。またその抽出液は
フケを抑えるヘアシャンプーにも使用されており、さら
に消化器、肝臓、胆嚢に刺激を与え、胆汁の分泌を促進
するので消化不良の薬としても使用されている。またこ
のローズマリーの精油成分は血行を促進させるため血行
障害の薬としても使用されており、さらに精油を直接頭
につけて頭痛薬としても使用され、さらに抗菌作用、抗
真菌作用を有していることでも知られている。このよう
にローズマリーは広く一般に用いられており、このロー
ズマリーに由来する物質は人体にとっても安全であるた
め、例えば料理用としても好適に使用できる。この発明
においてローズマリーの葉から精油成分を除去する理由
はローズマリーの精油成分は香気が強すぎるからであ
る。つまりローズマリーの精油成分は香料としても使用
されるほど香気の強い物質であり、飲食物に対して使用
すると料理によってはその香気が料理を楽しむ妨げにな
る場合があるからである。またこの発明においては、ロ
ーズマリーの葉から水、アルコール等の極性溶媒で抽出
される成分を含有することを必須構成としている。この
発明において前記成分を含有することとする理由は、こ
の成分がヘテロサイクリックアミン類による突然変異を
抑制するからである。
【0008】請求項2に記載の抗変異原性作用物質5−
ヒドロキシ−6,7,4′−トリメトキシフラボン、及
び請求項3に記載の抗変異原性作用物質5,4′−ジヒ
ドロキシ−6,7−ジメトキシフラボンは前記ローズマ
リーの葉から水、アルコール等極性溶媒で抽出して得ら
れる抽出物に含有される物質である。この物質は加熱す
ることによっても分解消滅せず、酸及び弱アルカリによ
っても変質せず安定に存在するので、ローズマリーの葉
から熱水、酸、アルカリを用いた抽出及び濃縮操作が可
能であり、この物質の単離は容易に行うことができる。
またこの発明はローズマリーから抽出されたものに限定
されず、例えば化学合成によって製造されたものも含
む。なお5−ヒドロキシ−6,7,4′−トリメトキシ
フラボン結晶(以下、compD−1と略す)の色は薄
オレンジイエローであり、融点は188〜189℃であ
る。5,4′−ジヒドロキシ−6,7−ジメトキシフラ
ボン結晶(以下、compD−2と略す)の色は薄クリ
ームイエローであり、融点は259〜260℃である。
表1として5−ヒドロキシ−6,7,4′−トリメトキ
シフラボン及び5,4′−ジヒドロキシ−6,7−ジメ
トキシフラボンの結晶の紫外線吸収スペクトル(U
V)、赤外線吸収スペクトル(IR)、質量分析(EI
−MS)、核磁気共鳴スペクトル( 1H−NMR,13
−NMR)のデータを示す。
【表 1】 compD−1の紫外線吸収スペクトルを図1に、co
mpD−1の赤外線吸収スペクトルを図2に、comp
D−1の質量分析結果を図3に、compD−2の核磁
気共鳴スペクトルを図4に、compD−2の紫外線吸
収スペクトルを図5に、compD−2の赤外線吸収ス
ペクトルを図6に、compD−2の質量分析結果を図
7に、compD−2の核磁気共鳴スペクトルを図8に
それぞれ示す。この物質の同定は上記した分析結果と文
献値の比較により行われた。比較に用いた文献値は、
a)A.Ahmed,E.D.Seif,A.Amin
o,Abou−Donia and M.Shimiz
u:生薬,40,119(1986).;b)V.M.
Chari,R.J.Grayer−Barkmeij
er,J.B.Harborne,B.G.Oster
dahl,Phytochemistry,20,19
77(1981).;c)A.A.L.Mesquit
a,D.B.Correa,A.P.Padua,M.
L.O.Guedes and R.Otto:Phy
tochemistry,25,1255(198
6).;d)A.M.Rizk,F.M.Hammou
da,H.Rimpler and A.Kamel,
Planta Medica,87(1986).;
e)Y.L.Liu,D,−K,Ho,J.M.Cas
sady,J.Nat.Prod.,55,357(1
992).;f)T.Komiya,M.Tsuku
i,H.Oshio,薬学雑誌,96,841(197
6).;g)T.Komiya,Y.Naruse,
H.Oshio,薬学雑誌,96,855(197
6).に記載されたものである。なお両化合物中のメト
キシ基の位置が6位であるか8位であるかの判断は、
J.A.Mears,T.J.Mabry:Phyto
chemistry,11,411(1972).に記
載の紫外線吸収スペクトル中のband(1)のbat
hochromic shift値の変化の差を参考に
して行った。
【0009】請求項4に記載の抗変異原剤は、請求項2
及び/又は請求項3に記載の抗変異原性作用物質を含有
することを必須構成とする。請求項2及び請求項3に記
載の抗変異原作用物質はヘテロサイクリックアミン類に
よる突然変異を強く抑制する作用を有しているので、こ
の抗変異原作用物質を含有する抗変異原剤は食肉や魚等
の焼け焦げに含有される発癌物質即ちヘテロサイクリッ
クアミン類による発癌を抑制する。この発明に含有され
る他の成分としては特に限定されず、例えば香料や調味
量、防腐剤等が含有されていてもよく、さらに癌予防効
果が期待されているカーノソール等の抗酸化成分との併
用は特に好ましい。また請求項2及び/又は請求項3に
記載の抗変異原作用物質のみが水、アルコール等の溶媒
に溶解されているものもこの発明に含まれる。また、抗
変異剤の投与剤型としては溶液状でも軟エキス状でも粉
末状でもよくとくに限定されない。また投与形態として
も特に限定されず適宜任意の賦形剤や補助剤等を加え
て、製剤製造の常法に従って散剤、顆粒剤、錠剤、カプ
セル剤、シロップ剤等の薬剤としてもよい。さらに抗変
異原性効果を期待した特定健康食品として、ドリンク
剤、ジュース等の菓子類とされてもよく、或いは焼肉用
あるいは焼き魚用調味料風に味付けされていても好まし
く、特に限定されない。なお請求項2に記載の5−ヒド
ロキシ−6,7,4′−トリメトキシフラボン(sal
vigenin)はSalvia aethiopsi
s、Salvia(セージの一種)、Betula n
igra、Teucrium polium、Vero
nica filiformisに、請求項3の5,
4′−ジヒドロキシ−6,7−ジメトキシフラボン(c
irsimaritin)はArtemisia ca
pilaris(生薬インチンコウ)、Salvia
palaestina(セージの一種)、Eriodi
ctyon californicum、Baccha
ris eleagnoides、南米産生薬カルケー
ジャ、Symphyopappus polystac
hyusにそれぞれ含まれており、これら植物から水、
アルコール等の極性溶媒に抽出された抽出物も請求項4
の発明に含まれる。
【0010】
【実施例】次にこの発明の抗変異原剤を得る方法につい
て具体的に説明する。この実施例においては、乾燥させ
たローズマリーの葉を使用した。まずローズマリー乾燥
葉12.8Kgを水蒸気蒸留することにより精油成分が
除去した。次いで上記水蒸気蒸留されたローズマリーの
葉に61.44Kgのイオン交換水を加え、85℃で4
時間放置して成分の抽出を行い、得られた粗抽出液を吸
引濾過して抽出液40.17Kgを得た。この抽出液の
内5.17Kgを凍結乾燥することにより抗変異原剤2
28gを得ることができた。
【0011】次にこの発明の抗変異原性作用物質である
5−ヒドロキシ−6,7,4′−トリメトキシフラボン
及び5,4′−ジヒドロキシ−6,7−ジメトキシフラ
ボンを得る方法について説明する。前記ローズマリーの
葉の熱水抽出液の内35Kgを3.5Kgになるまで減
圧濃縮し、この濃縮液を分画操作して水相(1)及び有
機相(1)を得た。具体的には濃縮液を塩酸でpH3に
調整後1.75Kgづつ2つに分け、それぞれについて
2リットルの酢酸エチルで3回、1リットルの酢酸エチ
ルで1回分画操作を行い、水相(1)と有機相(1)に
分画した。
【0012】上記の操作により得られた有機相(1)は
4.79Kgにまで減圧濃縮し、この濃縮液の内4.3
11KgはpH9においてさらに分画した。具体的には
前記濃縮液を2.155Kgづつ2つに分け、それぞれ
について2リットルの5%NaHCO3 (pH9)で分
画操作し、水相(2)と有機相(2)に分画した。この
内の有機相(2)については22.54gになるまで減
圧濃縮した。
【0013】次に前記有機相(2)の濃縮物の内19.
0gについてシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲ
ル420g:MERCK社製Silica gel 6
0No.9385, 230〜400mesh)を行
い、第1液(0〜700ml,クロロホルム溶出分
画)、及び第2液(700〜3000ml,クロロホル
ム溶出分画)を得た。
【0014】この第1液及び第2液について含有成分を
水−エタノール系溶媒で再結晶化させることにより5−
ヒドロキシ−6,7,4′−トリメトキシフラボンの結
晶60mg及び5,4′−ジヒドロキシ−6,7−ジメ
トキシフラボンの結91mgをそれぞれ得ることができ
た。
【0015】
【試験例】発明者らはこの抗変異原剤の効果を確認する
ためAmes法変法(供試培地等詳細な試験方法は特開
平7−53397号公報に記載の方法を参照)を使用し
てサルモネラ菌に変異原物質とこの発明の抗変異原剤を
与える試験を行った。以下にこの試験の結果を示し、こ
の発明の抗変異原剤及び抗変異性作用物質がヘテロサイ
クリックアミン類による突然変異を抑制することを説明
する。この試験にはヒスチジン要求性の変異株であるサ
ルモネラ菌(Salmonella typhimur
ium)TA98を使用した。このサルモネラ菌TA9
8をSDB培地中に接種し、37℃で18時間振とう培
養後、遠心分離(0℃,3500rpm,15分間)を
行い、菌体を分離した。この菌体をphosphate
bufferで懸濁し、600nmにおけるOD値が
0.5になる希釈率を求めた。この懸濁率に従いpho
sphatebuffer及びジメチルスフォキシドで
懸濁しTA98菌原液とした。なおこのTA98菌原液
は抗変異原試験に使用するまで−80℃にて保存した。
【0016】この試験においては変異原物質として、T
rp−p−2(和光純薬工業株式会社製)1.5μg/
ml水溶液をcellulose acetateフィ
ルター(ADVANTEC TOYO社製,Dismi
c 25cs,孔径0.20μm)にて濾過滅菌して使
用した。またこのTrp−p−2を活性化させるために
S−9mixを使用した。このS−9mixは以下の方
法によって得られたものを使用した。即ち、まず7週令
のSD(Sprague−Dawley)ラットの雄に
誘導剤としてphenobarbital及び5,6−
benzoflaboneを併用投与し、このラットの
肝臓のホモジネートを9000×gで遠心処理して上清
分画S−9を得た。次にCofactor (1)(オ
リエンタル酵母株式会社販売)を所定の方法により調整
した。最後に蒸留水9mlに溶解したCofactor
(1)(1バイアル)をS−9の1mlに加え、遠心
分離(7000rpm.,15分間、0℃)後、上清を
cellulose acetateフィルター(AD
VANTEC TOYO社製、Dismic 25C
S,孔径 0.20μm)にて濾過滅菌することにより
S−9mixを得た。
【0017】抗変異原試験は以下の方法により行った。
即ちTA98菌原液が0.1ml、各試験液が0.1m
l、Trp−p−2が0.1ml、S−9mixが50
0μl、を50℃に保温したソフトアガー3ml中に加
えてすばやく攪拌後、MBB寒天平板培地上に重層し
た。このMBB寒天平板培地を37℃にて3日間放置
し、形成されたコロニー数をカウントした。。なお突然
変異抑制率は以下の式(式1)により求めた。
【式 1】 式中においてCは対照区のコロニー数であり、Sは試料
区のコロニー数である。また、各試料溶液のTA98菌
に対する生育抑制の影響を調べるため、抗変異原試験と
平行して生菌数を測定した。即ち、TA98菌原液をP
Bで105 に段階希釈した液0.1ml及び各試料溶液
を50℃に保温したソフトアガー3ml中に加え前記同
様に培養を行った。なお対照区として試料溶液の代わり
に滅菌処理したジメチルスルフォキシドを使用した。
【0018】表2に熱水抽出物乾燥粉末についての抗変
異原試験結果を示す。なおこの試験において熱水抽出物
乾燥粉末はジメチルスルフォキシドによって20.0m
g/ml及び10.0mg/mlに希釈して試験に用い
た。
【表 2】 この試験の結果、精油成分を除去したローズマリーの葉
の熱水抽出物に強い抗変異原性作用が認められた。この
試験結果からローズマリーの葉の熱水抽出物は抗変異原
剤として有効であることが確認できる。
【0019】表3に5−ヒドロキシ−6,7,4′−ト
リメトキシフラボン及び5,4′−ジヒドロキシ−6,
7−ジメトキシフラボンの結晶についての抗変異原試験
結果を示す。なおこの試験において5−ヒドロキシ−
6,7,4′−トリメトキシフラボン及び5,4′−ジ
ヒドロキシ−6,7−ジメトキシフラボンの結晶はジメ
チルスルフォキシドによって1.0mg/ml、0.5
mg/ml及び0.25mg/mlに希釈して試験に用
いた。
【表 3】 この試験の結果、5−ヒドロキシ−6,7,4′−トリ
メトキシフラボン及び5,4′−ジヒドロキシ−6,7
−ジメトキシフラボンの結晶には強い抗変異原性作用が
認められた。この試験結果から5−ヒドロキシ−6,
7,4′−トリメトキシフラボン及び5,4′−ジヒド
ロキシ−6,7−ジメトキシフラボンは抗変異原性作用
を有しており、この物質を含有する抗変異原剤は有効で
あることが確認できる。
【0020】
【発明の効果】この発明は、精油成分を除去されたロー
ズマリー(Rosmarinus officinal
is L.,)の葉から水、アルコール等の極性溶媒で
抽出して得られる成分を含有することを特徴とする抗変
異原剤であり、及び次式5(化5)で示される抗変異原
性作用物質5−ヒドロキシ−6,7,4′−トリメトキ
シフラボン(salvigenin)であり、及び次式
6(化6)で示される抗変異原性作用物質5,4′−ジ
ヒドロキシ−6,7−ジメトキシフラボン(cirsi
maritin)であり、及び請求項2及び/又は請求
項3に記載の抗変異原性作用物質を含有することを特徴
とする抗変異原剤であるので以下の様な優れた効果を奏
する。請求項1に記載の発明はヘテロサイクリックアミ
ン類による発癌を抑制する効果を奏する。また従来より
肉料理における香気付け等に使用されているローズマリ
ーから得られているため人体にとっても安全であり、例
えば料理用としても好適に使用できる効果を奏する。ま
た精油成分が除去されているので、飲食物に対して使用
した場合、その料理を楽しむ妨げにはならないという効
果を奏する。請求項2及び請求項3に記載の発明は顕著
な抗変異原性効果を奏する。請求項4に記載の発明は抗
変異原剤はヘテロサイクリックアミン類によって引き起
こされる発癌を顕著に阻害するという効果を奏する。
【化 5】
【化 6】
【図面の簡単な説明】
【図 1】compD−1の紫外線吸収スペクトルであ
る。
【図 2】compD−1の赤外線吸収スペクトルであ
る。
【図 3】compD−1の質量分析結果である。
【図 4】compD−2の核磁気共鳴スペクトルであ
る。
【図 5】compD−2の紫外線吸収スペクトルであ
る。
【図 6】compD−2の赤外線吸収スペクトルであ
る。
【図 7】compD−2の質量分析結果である。
【図 8】compD−2の核磁気共鳴スペクトルであ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精油成分を除去されたローズマリー(R
    osmarinusofficinalis L.,)
    の葉から水、アルコール等の極性溶媒で抽出して得られ
    る成分を含有することを特徴とする抗変異原剤。
  2. 【請求項2】 次式1(化1)で示される抗変異原性作
    用物質5−ヒドロキシ−6,7,4′−トリメトキシフ
    ラボン(salvigenin)。
  3. 【請求項3】 次式2(化2)で示される抗変異原性作
    用物質5,4′−ジヒドロキシ−6,7−ジメトキシフ
    ラボン(cirsimaritin)。
  4. 【請求項4】 請求項2及び/又は請求項3に記載の抗
    変異原性作用物質を含有することを特徴とする抗変異原
    剤。 【化 1】 【化 2】
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