JPH09172830A - 農産物収穫機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 甘藷、馬鈴薯等の根菜類を圃場から掘り取っ
て収穫する農産物収穫機の前部に藷梗処理装置を設け、
後部に選別された収穫物を収容するフレキシブルコンテ
ナを搭載するコンテナ台車を設け、コンパクト化する。 【解決手段】 ．農産物収穫機の後部にフレキシブル
コンテナを開口状態に支持し、このフレキシブルコンテ
ナの開口部と選別コンベアの終端部との間に、選別コン
ベアにより選別された収穫物を搬送してフレキシブルコ
ンテナに投入する搬送コンベアを設けた。．掘取りコ
ンベア装置と、選別コンベアと、搬送コンベアと、フレ
キシブルコンテナを開口状態に支持し、機体と共に走行
するコンテナ台車とを設ける。．掘取りコンベア装置
の前側に位置して、蔓、茎葉部が除去されて圃場畝上に
残っている藷梗を引き上げて除去する藷梗処理装置を配
設した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、甘藷、馬鈴薯等の
根菜類を圃場から掘り取って収穫する農産物収穫機の前
部に藷梗処理装置を設け、後部に選別された収穫物を収
容するフレキシブルコンテナを搭載するコンテナ台車を
設けた農産物収穫機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、甘藷、馬鈴薯のような根菜類を圃
場から収穫して選別して収容するようにした農産物収穫
機として、自走機体に、機体下部前方から機体中央上部
を通って機体後部にかけて、圃場の農産物を掘取って搬
送を行う掘取りコンベア装置を設けると共に、選別コン
ベアの後方に大型のフレキシブルコンテナを搭載するも
のが知られている。

【０００３】また、上記掘取りコンベア装置の前側に位
置して、機体の進行方向に対して前端側が低く、後端側
が次第に高くなるように傾斜した左右一対のガイドを設
け、この両ガイドの外周に、相互に対向して内側に向け
回動する無端チェンを巻回すると共に、該ガイド及び無
端チェンの前側に畝ガイドローラを具備する藷梗処理装
置を配設し、蔓、茎葉部が除去されて圃場畝上に残って
いる藷梗を抜き取って除去し、いもがバラバラになるよ
うに処理するようにしたものが、本出願人により提案さ
れている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記選別コンベアによ
り選別された収穫物を大型のフレキシブルコンテナに投
入するために、人力による場合には機能的でなく、ま
た、コンベアを利用するものでは機構が大型化してい
る。

【０００５】また、藷梗処理装置は掘取りコンベア装置
の前側に固設されており、作業中における藷梗処理装置
の収穫畝に対する追従性が十分でなく、また、機体への
セッティングも十分でない、という問題点があった。本
発明は、上記の問題点を解決することを目的になされた
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、 (1).自走機体に、機体下部前方から機体中央上部を通っ
て機体後部にかけて、圃場の農産物を掘取って搬送を行
う掘取りコンベア装置を設け、この掘取りコンベア装置
に連続して選別コンベアを設けると共に、選別コンベア
の後方にフレキシブルコンテナを搭載する農産物収穫機
において、上記フレキシブルコンテナを開口状態に支持
し、このフレキシブルコンテナの開口部と上記選別コン
ベアの終端部との間に、選別コンベアにより選別された
収穫物を搬送してフレキシブルコンテナに投入する搬送
コンベアを設けたこと、

【０００７】(2).掘取りコンベア装置と、選別コンベア
と、搬送コンベアと、フレキシブルコンテナを開口状態
に支持し、機体と共に走行するコンテナ台車とを備えた
こと、

【０００８】(3).上記掘取りコンベア装置の前側に位置
して、蔓、茎葉部が除去されて圃場畝上に残っている藷
梗を引き上げて除去する藷梗処理装置を配設したこと、
をそれぞれ特徴としている。

【０００９】

【作用】上記の構成によって本発明の農産物収穫機は、
次の作用を行う。 ．フレキシブルコンテナを開口状態に支持し、このフ
レキシブルコンテナの開口部と選別コンベアの終端部と
の間に、選別コンベアにより選別された収穫物を搬送し
てフレキシブルコンテナに投入する搬送コンベアを設け
ることにより、選別コンベアからフレキシブルコンテナ
までをコンパクトに構成でき、大型のフレキシブルコン
テナに選別された収穫物を自動的に投入して能率のよい
収穫作業が行える。

【００１０】．掘取りコンベア装置と、選別コンベア
と、搬送コンベアと、フレキシブルコンテナを開口状態
に支持し、機体と共に走行するコンテナ台車とを備えて
いることで、収穫機全体をコンパクトに構成でき、操作
性がよく、能率的な作業が行える収穫機が得られる。

【００１１】．掘取りコンベア装置の前側に位置し
て、蔓、茎葉部が除去されて圃場畝上に残っている藷梗
を引き上げて除去する藷梗処理装置を配設することによ
り、藷梗を上方に引き上げて抜取り、藷梗に連なってい
るいもをバラバラにする。そして、掘取りコンベア装置
及び選別コンベアの性能を高め、選別した収穫物を搬送
コンベアによりフレキシブルコンテナに収容して、能率
的で精度のよい収穫作業が行える。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
の図面を参照して具体的に説明する。図１において、符
号１はいも類収穫機であり、このいも類収穫機１は、機
体２に左右対をなしスピン（超信地）旋回を可能にした
クローラ３を装備している。機体２の前後ほぼ中央部に
エンジン４を搭載し、その近傍に、エンジン４により駆
動される図示しない油圧装置を装備している。機体２の
幅方向に対し前方下部から機体中央上部を通って機体後
部にかけて、圃場のいも（農産物）を掘取り、後方に向
け搬送を行う，先端側が下降するように傾斜した掘取り
コンベア装置５を設けている。エンジン４の反対側に
は、操縦部６を設けている。

【００１３】上記掘取りコンベア装置５は、左右一対の
側枠（フレーム）７に支持され、先端に掘取り刃８を設
け、この掘取り刃８に連続するようにして、無端リンク
ロッドからなり、所定間隔にスラットを有する傾斜搬送
部９を設けている。また、掘取りコンベア装置５は、そ
の中間部の回転軸（回動支点）を中心に先端側が上下方
向に回動可能であり、機体２と側枠７間に設けた図示し
ない油圧シリンダの伸縮作動により回動制御される。こ
の掘取りコンベア装置５の後方に位置して、操縦部６を
操作して機体操縦及び駆動部の操作を行う座席（図示せ
ず）、また、掘取りコンベア装置５に連続して設けたほ
ぼ水平の選別コンベア１０において選別作業を行う作業
者が乗るための作業者用座席１１を設けている。

【００１４】上記エンジン４から動力を受けて変速する
トランスミッション（図示せず）においては、無段変速
する油圧無段変速装置（ＨＳＴ）を具備しており、変速
ギヤと組み合わせて無段と有段とに変速出力するように
し、サイドクラッチ、デファレンシャル装置を介して動
力伝達機構を接，断してクローラ３を無段と有段とに変
速走行させ、またスピン旋回（超信地旋回）を可能にし
ている。また、トランスミッションから、変速された動
力が掘取りコンベア装置５に伝達され、そのコンベアの
移動速度が無段と有段とに変速調節可能であり、この変
速とクローラ３の無段または有段走行と組合せることに
より、掘取り作業速度が自在に設定可能となっている。

【００１５】掘取りコンベア装置５の左右の側枠７から
前方に向け突出したブラケット１２には、収穫対象畝の
長さ方向に沿って機体の移動と共に追従する畝追従装置
１３を設けている。この畝追従装置１３は、収穫対象畝
の傾斜両肩部に転接する一対のホィール１４を対向させ
て設け、この両ホィール１４を掘取りコンベア装置５に
対し上下調節機構１５により上下調節可能、かつスライ
ド機構により左右移動調節可能に支持している。また、
一対のホィール１４は、キャンバー角を有しており、収
穫対象畝の傾斜両肩部に接して回転し、機体を収穫対象
畝に追従して操向，移動させるようにしている。

【００１６】上記掘取りコンベア装置５の両側部には、
それぞれコンテナ載置台１６が設けられている。このコ
ンテナ載置台１６は、それぞれ複数個のコンテナを載置
するものである。上記選別コンベア１０の下方には何も
設けられておらず、選別コンベア１０から土や夾雑物等
が圃場に直接，落下するようになっている。選別コンベ
ア１０の後方にはバケットコンベアからなる搬送コンベ
ア１７が設けられ、選別コンベア１０から排出される選
別された収穫物を上昇して後方に向け排出するようにし
ている。

【００１７】搬送コンベア１７の下方の機体２の後端部
には大型のフレキシブルコンテナ１８を搭載するコンテ
ナ台車１９を着脱可能に連結している。フレキシブルコ
ンテナ１８は、コンテナ台車１９の左右両側に設けられ
たコンテナ支柱１９ａにより開口された状態に支持さ
れ、この開口部の上方に上記搬送コンベア１７の搬送終
端部を臨ませている。また、コンテナ台車１９は左右一
対のキャスタからなる走行車輪２０を装備し、フレキシ
ブルコンテナ１８内に収穫物がほぼ所定量収容されてコ
ンテナ台車１９から降ろすとき、後方に向け傾動可能と
なっている。

【００１８】上記掘取りコンベア装置５及び畝追従装置
１３の前側に位置して、蔓、茎葉部が除去されて圃場畝
上に残っている藷梗を挟み込んで上方に引き上げながら
引き抜くための藷梗処理装置２１が設けられている。こ
の藷梗処理装置２１は、畝追従装置１４のフレームから
延長した支持フレームにより前傾状に、かつ上下動可能
に支持され、相互に内側に回転する一対の無端チェンか
らなるものである。この藷梗処理装置２１の前側には左
右一対の畝押えローラ２２が設けられている。

【００１９】次に、上記のように構成された実施例のい
も類収穫機１の作用について説明する。いも類収穫機１
は、例えば、甘藷、馬鈴薯等の根菜類を圃場から収穫す
るとき、畝追従装置１３のホィール１４を、収穫対象畝
の傾斜両肩部に転接させ、掘取りコンベア装置５の掘取
り刃８を油圧シリンダによって上下動調節して掘取り深
さを調節し、機体の前進により収穫物を掘取り刃８によ
り掘り起こし、これを傾斜搬送部９により土と共に搬送
しながら機体斜め上方に揚上する。この搬送の間にリン
クロッド間から土が落下する。

【００２０】掘取りコンベア装置５の前側では、蔓、茎
葉部が除去されて圃場畝上に残っている藷梗が、畝押え
ローラ２２により収穫畝が押圧された状態で藷梗処理装
置２１により噛み込んで引き上げられて引き抜かれる。
従って、土中のいもはバラバラになり、掘取りコンベア
装置５によって掘り取られて搬送されるいもは、バラバ
ラの状態でコンベア上を搬送することになり、掘取りコ
ンベア装置５における選別性能が向上する。

【００２１】掘取りコンベア装置５により搬送された収
穫物は選別コンベア１０にもたらされ、ここで収穫物の
内のいも以外のものが、作業者用座席１１に座った作業
者により手選別され、選別コンベア１０上に残ったいも
は搬送コンベア１７に向け排出され、搬送コンベア１７
により上昇・搬送されて、その搬送終端からコンテナ台
車１９に搭載されたフレキシブルコンテナ１８内に投入
される。フレキシブルコンテナ１８内に収穫物がほぼ所
定量収容されたときは、収穫作業を一時中断してフレキ
シブルコンテナ１８をコンテナ台車１９から降ろし、新
しいフレキシブルコンテナ１８をセットして収穫作業を
再開する。

【００２２】ここで、いも類収穫機１は、選別コンベア
１０に続いて搬送コンベア１７を設け、左右一対のキャ
スタからなる走行車輪２０を有するコンテナ台車１９上
に、コンテナ支柱１９ａによって開口状態にフレキシブ
ルコンテナ１８を搭載しているので、収穫機をコンパク
トに構成することが可能となり、一人の作業者で操縦装
置６による機体操縦と、選別コンベア１０での選別作業
とが行えることになる。また、掘取りコンベア装置５
は、その移動速度を無段または有段に変速調節可能とす
ると共に、機体２に対して上下動可能なので、圃場条
件、作物条件に応じて適切な移動速度及び掘取り深さを
選択することにより、作業精度が高く、かつ能率のよい
収穫作業が行われる。

【００２３】また、クローラ３が無段と有段とに変速さ
れて走行し、また、スピン旋回（超信地旋回）を可能に
していることにより、機体２が枕地等で安定よくスピン
旋回して１回の旋回で次の収穫畝に移動することがで
き、しかも左右何れの方向にもバランスよく旋回するこ
とができる。従って、クローラ３によって圃場の土を大
きくかき寄せることがない。

【００２４】また、掘取りコンベア装置５の前方には収
穫対象畝の長さ方向に沿って機体の移動と共に追従する
畝追従装置１３を設け、その収穫対象畝の傾斜両肩部に
転接する一対のホィール１４を対向させて設けて掘取り
コンベア装置５に対し上下調節、かつ左右調節可能に支
持しているので、両ホィール１４は収穫対象畝に対し正
確に追従して機体を自動操向し、掘取りコンベア装置５
による自動掘取り・搬送が行われる。従って、作業者は
収穫対象畝の畝端における機体操向操作以外は、ほとん
どの時間を選別作業に当てることができる。また、圃場
端で枕地旋回を行うときは、掘取りコンベア装置５を油
圧シリンダにより回転軸（回動支点）を中心に回動させ
て前側を上昇させ、クローラ３のスピン旋回とともに小
さい旋回半径で旋回できる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明の農産物収穫
機によれば、以下の効果を奏する。 ．フレキシブルコンテナ１８を開口状態に支持し、こ
のフレキシブルコンテナ１８の開口部と選別コンベア１
０の終端部との間に、選別コンベア１０により選別され
た収穫物を搬送してフレキシブルコンテナ１８に投入す
る搬送コンベア１７を設けたので、選別コンベア１０か
らフレキシブルコンテナ１８までをコンパクトに構成す
ることができ、大型のフレキシブルコンテナ１８に選別
された収穫物を自動的に投入して、能率のよい収穫作業
を行うことができる。

【００２６】．掘取りコンベア装置５と、選別コンベ
ア１０と、搬送コンベア１７と、フレキシブルコンテナ
１８を開口状態に支持し、機体２と共に走行するコンテ
ナ台車１９とを備えているので、農産物収穫機１全体を
コンパクトに構成することができ、操作性がよく、能率
的な収穫作業を行うことができる農産物収穫機１が得ら
れる。

【００２７】．掘取りコンベア装置５の前側に位置し
て、蔓、茎葉部が除去されて圃場畝上に残っている藷梗
を引き上げて除去する藷梗処理装置２１を配設したの
で、藷梗を上方に引き上げて抜取り、藷梗に連なってい
るいもをバラバラにすることがてきる。そして、掘取り
コンベア装置５及び選別コンベア１０の選別性能を高
め、選別した収穫物を搬送コンベア１７によりフレキシ
ブルコンテナ１８に収容して、能率的で精度のよい収穫
作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるいも類収穫機（農産物収穫機）全
体の側面図である。

【符号の説明】

１ いも類収穫機 ２ 機体 ３ クローラ ４ エンジン ５ 掘取りコンベア装置 ６ 操縦部 ７ 側枠（フレーム） ８ 掘取り刃 ９ 傾斜搬送部 １０ 選別コンベア １１ 作業者用座席 １２ ブラケット １３ 畝追従装置 １４ ホィール １５ 上下調節機構 １６ コンテナ載置台 １７ 搬送コンベア １８ フレキシブルコンテナ １９ コンテナ台車 １９ａ コンテナ支柱 ２０ 走行車輪 ２１ 藷梗処理装置 ２２ 畝押えローラ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自走機体に、機体下部前方から機体中央
   上部を通って機体後部にかけて、圃場の農産物を掘取っ
   て搬送を行う掘取りコンベア装置を設け、この掘取りコ
   ンベア装置に連続して選別コンベアを設けると共に、選
   別コンベアの後方にフレキシブルコンテナを搭載する農
   産物収穫機において、 上記フレキシブルコンテナを開口状態に支持し、このフ
   レキシブルコンテナの開口部と上記選別コンベアの終端
   部との間に、選別コンベアにより選別された収穫物を搬
   送してフレキシブルコンテナに投入する搬送コンベアを
   設けたことを特徴とする農産物収穫機。
2. 【請求項２】 掘取りコンベア装置と、選別コンベア
   と、搬送コンベアと、フレキシブルコンテナを開口状態
   に支持し、機体と共に走行するコンテナ台車とを備えた
   ことを特徴とする請求項１記載の農産物収穫機。
3. 【請求項３】 上記掘取りコンベア装置の前側に位置し
   て、蔓、茎葉部が除去されて圃場畝上に残っている藷梗
   を引き上げて除去する藷梗処理装置を配設したことを特
   徴とする請求項１又は２記載の農産物収穫機。