JP3715404B2 - いも類収穫機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、甘藷、馬鈴薯等のいも類を圃場から収穫して選別し、いも類をコンテナに収容する過程で、小いもやひげ根を選別して回収するようにしたいも類収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、甘藷、馬鈴薯のようないも類を圃場から収穫して選別して収容するようにしたいも類収穫機として、自走機体に、機体下部前方から機体中央上部を通って機体後部にかけて、圃場のいも類を掘取って搬送を行う掘取り・搬送コンベア装置を設け、この掘取り・搬送コンベア装置に連続して選別コンベアを設けると共に、該選別コンベアの側方に操縦者及び選別作業者を配置し、上記選別コンベアの後方に設けたコンテナ載置台に載置されたコンテナにいも類を収容するようにしたものが知られている。
【0003】
一方、いも類の産地では、次に栽培する作物に影響を与えるので、圃場に小さないも(小いも)やひげ根等を残さないようにしている。このため、従来のいも類収穫機では、上記選別コンベアにおいて選別作業者がいも類を選別するときに同時に小いもやひげ根を選別するか、あるいは選別コンベアの終端部下方にレーキ状のものを配設して、選別コンベアの終端部から排出される小いもやひげ根を選別して圃場表面に落下させ、別途回収するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のいも類収穫機のように、選別コンベアにおいて選別作業者がいも類を選別するのと同時に小いもやひげ根を選別するのでは、作業能率が低下することになり、また、圃場表面に排出された小いもやひげ根を別途回収するのでは、余分な労力及び時間を要することになる、といった問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決することを目的になされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、
A.自走機体に、機体下部前方から機体中央上部を通って機体後部にかけて、圃場のいも類を掘取って搬送を行う掘取り・搬送コンベア装置を設け、この掘取り・搬送コンベア装置に連続して選別コンベアを設けると共に、該選別コンベアの側方に操縦者及び選別作業者を配置し、上記選別コンベアの後方に設けたコンテナ載置台に載置されたコンテナにいも類を収容するようにしたいも類収穫機において、上記選別コンベアの終端部下方から上記コンテナ載置台下方に位置し、該選別コンベアから該選別コンベヤの終端部と該コンテナ載置台前端部との間に排出される小いもやひげ根を選別する選別装置を上下方向に振動させるようにして設けたことを特徴としている。
【0006】
B.上記選別装置は、前方が高く、後方が低くなるように傾斜したレーキ状のものからなることを特徴としている。
【0007】
C.上記選別装置の終端部下方にコンテナを設け、選別された小いもやひげ根を収容するようにしたことを特徴としている。
【0008】
【作用】
上記の構成によって本発明のいも類収穫機は、次の作用を行う。
【0009】
一つには、選別コンベアの終端部下方から上記コンテナ載置台下方に位置し、該選別コンベアから該選別コンベヤの終端部と該コンテナ載置台前端部との間に排出される小いもやひげ根を選別する選別装置を上下方向に振動させるようにして設けたことにより、選別コンベアから排出される排出物から小いもやひげ根を効率よく選別する。
【0010】
また、選別装置は、前方が高く、後方が低くなるように傾斜したレーキ状のものからなるので、選別した小いもやひげ根を選別装置の終端から連続して排出する。
【0011】
また、選別装置の終端部下方にコンテナを設け、選別された小いもやひげ根を収容するようにしたので、小いもやひげ根を圃場から回収する必要がなくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して具体的に説明する。
図1及び図2において、符号1はいも類収穫機であり、このいも類収穫機1は、機体2に左右対をなしスピン(超信地)旋回を可能にしたクローラ3,3を装備している。機体2の一側前側にエンジン4を搭載し、その近傍に、エンジン4により駆動される油圧装置(図示せず)を装備している。クローラ3,3間で、機体2の前部寄り下部位置にはトランスミッション5を設けている。また、クローラ3,3間の機体2の前方下部から機体中央上部を通って機体後部にかけて、圃場のいも類を掘取り、後方に向け搬送を行う,先端側が下降するように傾斜した掘取り・搬送コンベア装置6を設けている。エンジン4と反対側の機体2の側部には、操縦部7を設けている。
【0013】
上記掘取り・搬送コンベア装置6は、左右一対の側枠(フレーム)8に支持され、先端に掘取り刃9を設け、この掘取り刃9に連続するようにして、無端リンクロッドからなり、所定間隔にスラットを有する傾斜搬送部10及びこの傾斜搬送部10に連続して選別コンベア11を一連に設けている。また、掘取り・搬送コンベア装置6は、その中間部の回転軸(回動支点)8aを中心に先端側が上下方向に回動可能であり、機体2と側枠8間に設けた図示しない油圧シリンダの伸縮作動により回動制御される。
【0014】
上記選別コンベア11の左右両側に位置して、上記操縦部7において機体操縦及び各駆動部の操作を行い、また、選別コンベア11において選別作業を行う操縦者が乗るための操縦者用座席12及びステップ12a、及び上記エンジン4の後方において選別コンベア11における選別作業を行う選別作業者が乗るための選別作業者用座席13及びステップ13aを設けている。
【0015】
図3及び図4に詳細に示すように、上記選別コンベア11の終端部下方に、該選別コンベア11から排出される小いもやひげ根を選別する選別装置14を上下方向に振動させるようにして設けている。この選別装置11は、前方が高く、後方が低くなるように傾斜したレーキ状のものからなり、その基端部が、機体2に立設された支持アーム15の上端部に軸15aを介して軸支されてクランクアーム16により上下に揺動する揺動アーム17の先端部に取付けられている。上記クランクアーム16の先端部は揺動アーム17に対して前後に移動可能で、選別装置14の上下動強さを調節可能にしている。
【0016】
上記選別コンベア11の後方には、コンテナ載置台18が機体2の後端部に対して上下掛替え(着脱)可能に設けられ、このコンテナ載置台18の後部には予備コンテナ載置台19が立設されている。また、該コンテナ載置台18の下側に、コンテナ支持枠20が垂設され、このコンテナ支持枠20に載置されたコンテナ21の開口部を上記選別装置14の終端部に臨ませており、選別装置14において選別された小いもやひげ根を収容するようにしている。
【0017】
上記掘取り・搬送コンベア装置6の左右の側枠8,8から前方に向け突出したブラケット22には、収穫対象畝の長さ方向に沿って機体の移動と共に追従する畝追従装置23を設けている。この畝追従装置23は、収穫対象畝の傾斜両肩部に転接する一対のホィール24,24を対向させて設け、この両ホィール24を掘取り・搬送コンベア装置6に対し上下調節機構25により上下調節可能、かつスライド機構26,26により左右移動調節可能に支持している。また、一対のホィール24,24は、キャンバー角を有しており、収穫対象畝の傾斜両肩部に接して回転し、機体を収穫対象畝に追従して操向,移動させるようにしている。
【0018】
ここで、上記エンジン4から動力を受けて変速するトランスミッション5においては、図示しないが無段変速する油圧無段変速装置(HST)を具備しており、変速ギヤと組み合わせて無段と有段とに変速出力するようにし、サイドクラッチ、デファレンシャル装置を介して動力伝達を接,断してクローラ3,3を無段と有段とに変速走行させ、またスピン旋回(超信地旋回)を可能にしている。また、トランスミッション5から、変速された動力が掘取り・搬送コンベア装置6や選別装置14に伝達され、そのコンベアの移動速度や上下振動が無段と有段とに変速調節可能であり、この変速とクローラ3,3の無段または有段走行と組合せることにより、掘取り作業速度が自在に設定可能となっている。
【0019】
次に、上記のように構成された実施例のいも類収穫機1の動作について説明する。いも類収穫機1は、例えば、甘藷、馬鈴薯等のいも類を圃場から収穫するとき、畝追従装置23のホィール24,24を、収穫対象畝の傾斜両肩部に転接させ、掘取り・搬送コンベア装置6の掘取り刃9を油圧シリンダによって上下動調節して掘取り深さを調節し、機体の前進によりいも類を掘取り刃9により掘り起こし、これを傾斜搬送部10により土と共に搬送しながら機体斜め上方に揚上する。この搬送の間にリンクロッド間から土が落下し、選別コンベア11にもたらされる。
【0020】
選別コンベア11上を移動する収穫物の内のいもは、選別作業者用座席13に座った選別作業者及び操縦者用座席12に座った操縦者により選別され、コンテナ載置台18に載置されたコンテナ内に収容される。選別搬送部11に残ったものは、その搬送終端から上下に振動している選別装置14上に落下し、ここで小いもやひげ根等が選別されて選別装置14上に残り、選別装置14の終端からコンテナ支持枠20に載置されたコンテナ21内に排出され収容される。コンテナ載置台18に載置されたコンテナ内のいも、あるいはコンテナ21内の小いもやひげ根等が一杯になったならば、予備のコンテナと入れ換える。
【0021】
ここで、いも類収穫機1は、クローラ3,3が無段と有段とに変速されて走行し、スピン旋回(超信地旋回)を可能にしていることにより、機体2が枕地等で安定よくスピン旋回して1回の旋回で次の収穫畝に移動することができ、しかも左右何れの方向にもバランスよく旋回することができる。従って、クローラ3,3によって圃場の土を大きくかき寄せることがない。
【0022】
また、掘取り・搬送コンベア装置6の前方には収穫対象畝の長さ方向に沿って機体の移動と共に追従する畝追従装置23を設け、その収穫対象畝の傾斜両肩部に転接する一対のホィール24を対向させて設けて掘取り・搬送コンベア装置6に対し上下調節、かつ左右調節可能に支持しているので、両ホィール24は収穫対象畝に対し正確に追従して機体を自動操向し、掘取り・搬送コンベア装置6による自動掘取り・搬送が行われる。従って、操縦者は収穫対象畝の畝端における機体操向操作以外は、ほとんどの時間を選別作業に当てることができる。また、圃場端で枕地旋回を行うときは、掘取り・搬送コンベア装置6を油圧シリンダにより回転軸(回動支点)8aを中心に回動させて前側を上昇させ、クローラ3,3のスピン旋回とともに小さい旋回半径で旋回できる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のいも類収穫機によれば、以下の効果を奏する。一つには、選別コンベアの終端部下方から上記コンテナ載置台下方に位置し、該選別コンベアから該選別コンベヤの終端部と該コンテナ載置台前端部との間に排出される小いもやひげ根を選別する選別装置を上下方向に振動させるようにして設けたので、選別コンベアから排出される排出物から小いもやひげ根を効率よく選別することができ、作業効率が向上する。
【0024】
また、選別装置は、前方が高く、後方が低くなるように傾斜したレーキ状のものからなるので、選別装置で選別した小いもやひげ根を該装置の終端から連続して排出することができる。
【0025】
また、選別装置の終端部下方にコンテナを設け、選別された小いもやひげ根を収容するようにしたので、従来のように小いもやひげ根を圃場に落下させることがなく収容し、これらを圃場から回収する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるいも類収穫機の全体側面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】本発明の要部を示す拡大側面図である。
【図4】同拡大平面図である。
【符号の説明】
1 いも類収穫機
2 機体
3 クローラ
4 エンジン
5 トランスミッション
6 掘取り・搬送コンベア装置
7 操縦部
8 側枠(フレーム) 8a 回転軸(回動支点)
9 掘取り刃
10 傾斜搬送部
11 選別コンベア
12 操縦者用座席 12a 操縦者用ステップ
13 選別作業者用座席 13a 選別作業者用ステップ
14 選別装置
15 支持アーム 15a 軸
16 クランクアーム
17 揺動アーム
18 コンテナ載置台
19 予備コンテナ載置台
20 コンテナ支持枠
21 コンテナ
22 ブラケット
23 畝追従装置
24 ホィール
25 上下調節機構
26 スライド機構
Claims (3)
- 自走機体に、機体下部前方から機体中央上部を通って機体後部にかけて、圃場のいも類を掘取って搬送を行う掘取り・搬送コンベア装置を設け、この掘取り・搬送コンベア装置に連続して選別コンベアを設けると共に、該選別コンベアの側方に操縦者及び選別作業者を配置し、上記選別コンベアの後方に設けたコンテナ載置台に載置されたコンテナにいも類を収容するようにしたいも類収穫機において、
上記選別コンベアの終端部下方から上記コンテナ載置台下方に位置し、該選別コンベアから該選別コンベヤの終端部と該コンテナ載置台前端部との間に排出される小いもやひげ根を選別する選別装置を上下方向に振動させるようにして設けたことを特徴とするいも類収穫機。 - 上記選別装置は、前方が高く、後方が低くなるように傾斜したレーキ状のものからなることを特徴とする請求項1記載のいも類収穫機。
- 上記選別装置の終端部下方にコンテナを設け、選別された小いもやひげ根を収容するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のいも類収穫機。
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