JPH09157433A - ポリビニルアルコール系ゲル成形物および微生物固定化成形物の製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系ゲル成形物および微生物固定化成形物の製造方法

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JPH09157433A
JPH09157433A JP7344729A JP34472995A JPH09157433A JP H09157433 A JPH09157433 A JP H09157433A JP 7344729 A JP7344729 A JP 7344729A JP 34472995 A JP34472995 A JP 34472995A JP H09157433 A JPH09157433 A JP H09157433A
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JP
Japan
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pva
aqueous solution
gel
microorganism
immobilized
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JP7344729A
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Yoshiaki Kozuka
佳明 小塚
Takashi Nakajima
中島  隆
Hiroshi Noguchi
博司 野口
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Unitika Chemical Co Ltd
Original Assignee
Unitika Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で安定なポリビニルアルコール系ゲル
成形物および微生物固定化成形物を容易に、短時間でか
つ安価に得る方法を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂と少なくと
も1種類の多価金属イオンとの接触によりゲル化する能
力のある水溶性高分子多糖類とアルデヒド基含有化合物
と微生物をあらかじめ含む混合水溶液を多価金属イオン
を含有する化合物を含有するpH=3〜5に調整された
水溶液に滴下することを特徴とするポリビニルアルコー
ル系ゲル成形物および微生物固定化成形物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール系のゲル成形物および微生物固定化成形物の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、酵素や微生物を固定化して、生体
触媒として、酵素や微生物の機能をよく利用する研究が
行われ、実用化されている。
【0003】この酵素や微生物を固定化する方法には、
高分子素材を用いて酵素や微生物をそのまま取り込み包
括固定化する方法がある。この方法においてポリビニル
アルコール(以下、PVAと略記する)系樹脂の含水ゲ
ルは、含水率が高く、多孔質構造であるため、微生物の
培養、増殖に対して優れているので、よく用いられてい
る。また、このPVA系ゲルの形状としては、流動性、
充填効果、取り扱い性を考慮した場合、球状が要求され
る場合が多い。
【0004】従来、PVA系樹脂のゲルを成形する方法
として、PVA水溶液をー5℃以下に凍結後、常温で解
凍することを繰り返すか、あるいは凍結後真空脱水をか
けることによって、高強度で安定なゲルを得る方法(特
開昭58─47492号公報)が提案されている。しか
し、前述のとおり、ゲルの形状は球状が望まれている
が、この方法では球状のゲルを得ることは困難である。
【0005】そこで、球状の高強度で安定なゲルを製造
する方法として、PVA系樹脂とアルギン酸ソ−ダの混
合水溶液を塩化カルシウムとほう酸の水溶液に滴下する
方法(特開昭62−138193号公報)や、PVA系
樹脂とアルギン酸ソ−ダの混合水溶液を塩化カルシウム
水溶液に滴下して得られたゲルをさらに凍結融解を繰り
返し安定なゲルにする方法(特開昭64−43188号
公報)や、pH>8のアルカル性に調整したPVA水溶
液をほう酸水溶液に滴下し、得られたゲルを飽和硫酸ナ
トリウム水溶液に浸漬しておくという方法(特開平6−
57012号公報)が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のPVA
系樹脂とアルギン酸ソ−ダの混合水溶液を塩化カルシウ
ム水溶液とほう酸の水溶液に滴下する方法では、pHの
変化に対して不安定であるという問題がある。また、P
VA系樹脂とアルギン酸ソ−ダの混合水溶液を塩化カル
シウム水溶液に滴下して得られたゲルを、さらに凍結融
解を繰り返し安定なゲルにする方法では、凍結融解を繰
り返すのに非常に手間や時間が必要であるという問題が
ある。また、pH>8のアルカリ性に調整したPVA水
溶液をほう酸水溶液に滴下し、得られたゲルを飽和硫酸
ナトリウム水溶液に浸漬する方法では、微生物を包括し
たPVA系ゲルを成形すると、pHが高すぎるため、ゲ
ル中の微生物が死んでしまうという問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討の結果、球状のゲルをまず作り、その後、ア
ルデヒド含有化合物でPVA系樹脂を架橋させれば、容
易に短時間で、強固で安定なゲルを得ることができると
いう事実を見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、ポリビニルアルコー
ル系樹脂と少なくとも1種類の多価金属イオンとの接触
によりゲル化する能力のある水溶性高分子多糖類とアル
デヒド基含有化合物をあらかじめ含む混合水溶液を多価
金属イオンを含有する化合物を含有するpH=3〜5に
調整された水溶液に滴下することを特徴とするPVA系
ゲル成形物の製造方法。
【0009】およびポリビニルアルコール系樹脂と少な
くとも1種類の多価金属イオンとの接触によりゲル化す
る能力のある水溶性高分子多糖類とアルデヒド基含有化
合物と微生物をあらかじめ含む混合水溶液を多価金属イ
オンを含有する化合物を含有するpH=3〜5に調整さ
れた水溶液に滴下することを特徴とする微生物固定化成
形物の製造方法を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施態様】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明に使用するPVA系樹脂には、各種
のものが使用されるが、平均重合度が1000以上であ
ることが好ましく、1700以上がより好ましい。PV
A系樹脂の鹸化度は80モル%以上が好ましく、85モ
ル%以上がより好ましい。
【0012】また、本発明に用いるPVA系樹脂として
は、本発明の効果を阻害しない範囲において、公知の種
々の変性PVAを用いることができる。例えば、(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単
量体又はその塩、アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸ソ−ダ、アリルスルホン酸ソ−ダ、ビニルス
ルホン酸ソ−ダ等のビニルスルホン酸基含有単量体、
(メタ)アクリルアミド−プロピル−トリメチルアンモ
ニウムクロリド等の4級アンモニウム塩含有単量体等の
カオチン性単量体、エチレン、プロピレン等のα−オレ
フィン類、(メタ)アクリル酸エステル類、アクリルア
ミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロ−ルアクリ
ルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミド基含
有単量体、アルキルビニルエ−テル類、トリメトキシル
ビニルシラン等のシリル基含有単量体、アリルアルコ−
ル、ジメチルアリルアルコ−ル、イソプロペニルアルコ
−ル等の水酸基含有単量体、アリルアセテ−トジメチル
アリルアセテ−ト、イソプロペニルアリルアセテ−ト等
のアセチル基含有単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン
等のハロゲン含有単量体、スチレン等の芳香族系単量体
との共重合体があげられる。
【0013】次に、本発明に用いる少なくとも1種の多
価金属イオンとの接触においてゲル化する能力のある水
溶性高分子多糖類としては、各種のものを使用すること
ができるが、アルギン酸のナトリウム金属塩、カラギ−
ナン、マンナン、キトサン等が望ましく、とりわけアル
ギン酸ナトリウムが好ましい。
【0014】さらに、本発明に用いるアルデヒド基含有
化合物としては、分子内に1つ以上のアルデヒド基を持
った化合物であれば良い。具体的には、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチル
アルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキザ−ル、グル
タ−ルアルデヒド、サクシニックアルデヒド、テレフタ
ルアルデヒド等が挙げられる。この中でもとりわけグル
タルアルデヒドが好ましい。
【0015】さらに、本発明に用いる微生物としては、
いかなる微生物でも良く、本発明により固定化され得
る。その代表例を挙げるならば、アスベルギルス(Asper
gillus)属、リゾブス(Rhizopus) 属等のカビ類、シュ
−ドモナス(Pseudomonas)属、アセトバクタ−(Acetob
actor)属、ストレプトマイセス(Streptomyces) 属、サ
ツカロマイセス(Saccharomyces) 属、キャンデイダ(Ca
ndida)属等の酵母を例示することができる。
【0016】先ず、PVA系樹脂と水溶性高分子多糖類
とアルデヒド基含有化合物との混合水溶液を調整する
が、この混合水溶液中におけるPVA系樹脂の濃度は、
PVA系樹脂以外の添加成分の種類や濃度、PVA混合
水溶液の液温および滴下装置によって、適切な濃度を設
定する必要はあるが、常温でPVA溶液を滴下する場合
は、PVA系ゲルの成形性および強度の点から、PVA
系樹脂の混合水溶液中での濃度は2〜40重量%が好ま
しい。PVA系樹脂の濃度は高いほど、より強固なゲル
が生成するが、必要なゲル強度が得られれば、PVA系
樹脂の濃度が低い方が原料コスト面から有利である。
【0017】次に、水溶性高分子多糖類の水溶液の濃度
は、各種の値とすることができるが、その望ましい値は
水溶性高分子多糖類の種類により異なる。最も好適であ
るアルギン酸ナトリウムを例にすると、水溶液全体に対
して0.2〜4重量%が好ましく、0.5〜2重量%が
更に好ましい。0.2重量%未満では、PVA混合水溶
液の球状化性能が低下する傾向があり、また、4重量%
より大きい場合は、固い球状成形物が得られるが、溶液
粘度の上昇をもたらしたり、原料コスト上昇の要因とな
るおそれがある。
【0018】また、アルデヒド基含有化合物の濃度とし
ては、各種の値とすることができるが、水溶液中のPV
Aに対して10〜50モル%が好ましい。アルデヒド基
含有化合物の添加量が少なすぎると、ゲルの強度が不足
し、またアルデヒド基含有化合物の添加量が高すぎる
と、未反応のアルデヒドが残るため、コスト的に好まし
くない。
【0019】前記のPVA系樹脂と水溶性高分子多糖類
とアルデヒド基含有化合物の水溶液に、所望の微生物の
菌液を混入、攪拌することにより、微生物混入のPVA
混合水溶液を調整することができるが、微生物の添加濃
度には各種の濃度を採用することができる。微生物を含
む菌液の濃度は、水溶液全体に対して3〜20重量%の
範囲が好ましい。微生物の添加濃度が高すぎると、ゲル
形成の妨げとなり、微生物の添加濃度が低すぎると、微
生物固定化成形物としての浄化性能が満足できるもので
はなくなるため、好ましくない。
【0020】また、このPVA混合水溶液には、PVA
のゲル化を阻害しない範囲で、微生物の培地、固定化担
体の強度を上げるための補強材、生成ゲルの比重を調整
する充填材等を加えても良い。
【0021】次に、以上のPVA混合水溶液とともに使
用する多価金属イオン含有化合物を含む水溶液について
述べる。
【0022】多価金属イオン含有化合物としては、各種
のものを使用することができるが、具体的には、マグネ
シウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオ
ン、バリウムイオン等のアルカリ土類金属イオン或いは
アルミニウムイオン、セリウムイオン、ニッケルイオン
等の多価金属イオンのうち少なくとも1種を含有する化
合物が挙げられるが、とりわけ塩化カルシウムが好まし
い。
【0023】多価金属イオン含有化合物の濃度は各種の
濃度とすることができるが、0.05〜1.0 mol/l
が好ましい。
【0024】多価金属イオン含有化合物を含む水溶液は
pH3〜5の範囲である必要がある。pHが3より低い
場合には、製造中にPVA系ゲル中に固定化した微生物
に悪影響を与える恐れがある。また、pHが5より高い
場合には、アルデヒド基の反応速度が著しく遅くなり、
製造コストが高くなるため、好ましくない。
【0025】pHを3〜5の範囲に調節する方法として
は各種の方法を採用することができるが、酸性物質を添
加し、水溶液のpHを低下させて調整する方法が好まし
い。酸性物質としては塩酸、硫酸、酢酸等が挙げられ
る。
【0026】以上のようにして得られたPVA混合水溶
液と多価金属イオン含有化合物を含む水溶液とを用い
て、PVA混合水溶液を多価金属イオン含有化合物を含
む水溶液に滴下するが、この具体的手段としては、各種
の手段が採用されるが、例えば、PVA混合水溶液を注
射器などに充填し、注射針などの管状の口金から押し出
して滴下したり、あるいはPVA混合水溶液を噴霧口金
を有する容器に入れ、噴霧口金から噴霧する手段などを
採用することができる。
【0027】滴下されたPVA混合水溶液の液滴は、p
H3〜5に調整された多価金属イオン含有化合物を含む
水溶液に接触すると、表面張力によって球体となり、更
に球体の最表面が薄膜状に固化して、PVA混合水溶液
の球状成形物となる。球状成形物の直径は口金の直径、
噴霧圧力、PVA混合水溶液の粘度を調整することによ
って、直径1〜20mmに任意に変えることができる。p
H3〜5に調整された多価金属イオン含有化合物を含む
水溶液は静置でも良いが、スタ−ラ−等で強制攪拌する
ことによって、PVA混合水溶液の成形物と多価金属イ
オンの反応速度を促進し、球状成形物同士の融着をほぼ
完全に防止できる。
【0028】上記方法は球状に成形する方法の一例であ
るが、本発明の製造方法にって得られる成形物の形状と
しては制限はなく、球状、繊維状、棒状、角形状、楕円
状、円筒状、円柱状等のあらゆる形状が可能である。
【0029】次いで、球状化したPVA混合水溶液の成
形物は、pH3〜5に調整された多価金属含有化合物を
含む水溶液中に放置することによって、アルデヒド含有
化合物とPVA系樹脂の反応により、PVA系の安定で
強固なゲルを形成する。放置時間、温度はアルデヒド含
有化合物の種類や水溶液のpHによって異なる。一例を
挙げると、アルデヒド含有化合物にグルタルアルデヒド
を用い、多価金属含有化合物を含む水溶液のpHを3と
すると、40℃で3時間放置すれば、強固で安定なPV
A系のゲルを得ることができる。上記の方法で安定で強
固なPVA系のゲルを得ることはできるが、更に、PV
Aの離液作用のある化合物を含有する液体(例えば、硫
酸ナトリウム水溶液)に接触させる等の処理を行い、よ
り安定で強固なゲルとすることもできる。
【0030】このようにして得られたPVA系ゲルは、
長期間にわたって変形、損壊しない強度を有し、水や各
種薬液に対しても侵されることなく、連続使用が可能と
なり、微生物固定化成形物としての実用性が高い。
【0031】本発明では、PVA系樹脂のゲルを製造す
るためにアルデヒド含有化合物の架橋反応を用いている
ため、煩雑な処理や時間をかけることなく、安定で強固
なPVA系ゲルを得ることができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、得られたゲル成形物は以下のようにして評価
した。
【0033】評価方法 (ゲル強度)球状ゲル成形物を平面上に静置し、形状の
変化を観察した。 評価基準 ○:球状を保つ △:楕円体状になる ×:平面状になる
【0034】(耐久性)球状ゲル成形物100個に対し
て水300gを加え、30℃にして攪拌し、7日経過後
のゲルの残存率を測定した。 評価基準 ○:90%以上 △:90%未満、10%以上 ×:10%未満
【0035】(浄化法)実施例に従って製造したゲル
を、直径15cm、高さ70cmの出入口をメッシュで塞い
だ円筒状の容器に充填して、バイオリアクタ−を製造し
た。該バイオリアクタ−に常温でCOD濃度550mg/
l の廃水を毎時1.0l の速度で流通させた。流通直後
と7日経過後の出口側浄化水のCOD濃度を測定した。 評価基準 ○:100mg/l 未満 △:100mg/l 以上、500mg/l 未満 ×:500mg/l 以上 −:ゲルが得られず測定不能
【0036】実施例1 PVA(平均重合度1740、鹸化度99.80モル
%)をPVA濃度10重量%になる様にPVAに水を加
え全量を400gにした。これを110℃、120分間
処理し、PVAを溶解した後、室温まで放冷した。この
PVA水溶液に4重量%アルギン酸ナトリウム水溶液2
00gと25重量%グルタルアルデヒド水溶液100g
(約27.5モル%対PVA)を加えて混合し、充分に
攪拌し、PVA混合水溶液を調整した。一方、多価金属
含有水溶液は、11.1gの塩化カルシウムを1l の水
で溶解し、0.1mol /l の塩化カルシウムの水溶液を
調液して、更に、硫酸を添加してpH=3.5に調節し
た。
【0037】PVA混合水溶液を、先端に内径1mmの注
射針をとりつけた内径2mmφのビニル管1本を使用した
ロ−ラ−ポンプで1ml/分で送液し、スタ−ラ−で攪拌
した上記の多価金属含有水溶液に水表面から15cmの高
さより滴下した。滴下した液滴は多価金属含有水溶液中
で直ちに球状化して沈降した。
【0038】更に、球状化した成形物を多価金属含有水
溶液中に40℃で3時間浸漬することによって、球状の
PVA系ゲルを得ることができた。このゲルは球状に成
形され、粘着性もなく、直径は3〜4mmであった。ゲル
強度および耐久性について評価した結果を表1に示す。
【0039】表1から明らかなように、強度および耐久
性は良好であった。なお、本実施例では微生物(菌)を
添加しなかったので、微生物(菌)の作用に基づく浄化
性は当然、期待できないため、浄化性の評価は省略し
た。
【0040】実施例2 PVA(平均重合度1740、鹸化度99.80モル
%)をPVA濃度10重量%になる様にPVAに水を加
え全量を400gにした。これを110℃、120分間
処理し、PVAを溶解した後、室温まで放冷した。この
PVA水溶液に4重量%アルギン酸ナトリウム水溶液2
00gと25重量%グルタルアルデヒド水溶液100g
(約27.5モル%対PVA)を加えて混合し、さらに
サッカロマイセス属を0.5g-wet cells ml を含む活性汚
泥を60gを加え、充分に攪拌し、PVA混合水溶液を
調整した。一方、多価金属含有水溶液は、11.1gの
塩化カルシウムを1l の水で溶解し、0.1 mol /l の塩
化カルシウムの水溶液を調液して、更に、硫酸を添加し
てpH=3.5に調節した。
【0041】PVA混合水溶液を、先端に内径1mmの注
射針をとりつけた内径2mmφのビニル管1本を使用した
ロ−ラ−ポンプで1ml/分で送液し、スタ−ラ−で攪拌
した上記の多価金属含有水溶液に水表面から15cmの高
さより滴下した。滴下した液滴は多価金属含有水溶液中
で直ちに球状化して沈降した。
【0042】更に、球状化した成形物を多価金属含有水
溶液中に40℃で3時間浸漬することによって、球状の
PVA系微生物固定化ゲルを得ることができた。このゲ
ルは球状に成形され、粘着性もなく、直径は3〜4mmで
あった。
【0043】このようにして得られたPVA系微生物固
定化ゲルについてゲル強度、水中での耐久性および浄化
性について評価した結果を表1に示す。表1から明らか
なように強度、耐久性および浄化性のすべてにおいて良
好であった。
【0044】実施例3 平均重合度4000、鹸化度99、8のPVAを用いた
こと以外は実施例2と同様な方法でPVA系微生物固定
化ゲルを得た。このゲルは球状に成形され、粘着性もな
く、直径は4〜5mmであった。
【0045】このようにして得られたPVA系微生物固
定化ゲルについてゲル強度、水中での耐久性および浄化
性について評価した結果を表1に示す。表1から明らか
なように強度、耐久性および浄化性のすべてにおいて良
好であった。
【0046】実施例4 平均重合度1740、鹸化度88.9モル%のPVAを
用いたこと以外は実施例2と同様な方法でPVA系微生
物固定化ゲルを得た。このゲルは球状に成形され、粘着
性もなく、直径は2〜3mmであった。
【0047】このようにして得られたPVA系微生物固
定化ゲルについてゲル強度、水中での耐久性および浄化
性について評価した結果を表1に示す。表1から明らか
なように強度、耐久性および浄化性のすべてにおいて良
好であった。
【0048】実施例5 平均重合度1740、鹸化度96.5モル%のPVAを
用いたこと以外は実施例2と同様な方法でPVA微生物
固定化ゲルを得た。このゲルは球状に成形され、粘着性
もなく、直径は2〜3mmであった。
【0049】このようにして得られたPVA系微生物固
定化ゲルについてゲル強度、水中での耐久性および浄化
性について評価した結果を表1に示す。表1から明らか
なように強度、耐久性および浄化性のすべてにおいて良
好であった。
【0050】実施例6 PVAの水溶液濃度を5重量%にしたこと以外は実施例
2と同様な方法でPVA微生物固定化ゲルを得た。この
ゲルは球状に成形され、粘着性もなく、直径は1〜2mm
であった。
【0051】このようにして得られたPVA系微生物固
定化ゲルについてゲル強度、水中での耐久性および浄化
性について評価した結果を表1に示す。表1から明らか
なように強度、耐久性および浄化性のすべてにおいて良
好であった。
【0052】実施例7 25重量%グルタルアルデヒド水溶液の添加量を50g
(13.8モル%対PVA)にしたこと以外は実施例2
と同様な方法でPVA微生物固定化ゲルを得た。このゲ
ルは球状に成形され、粘着性もなく、直径は3〜4mmで
あった。
【0053】このようにして得られたPVA系微生物固
定化ゲルについてゲル強度、水中での耐久性および浄化
性について評価した結果を表1に示す。表1から明らか
なように強度、耐久性および浄化性のすべてにおいて良
好であった。
【0054】実施例8 25重量%グルタルアルデヒド水溶液の代わりに40重
量%グリオキサ−ル水溶液を30g(約22.7モル%
対PVA)を添加したこと以外は実施例2と同様な方法
でPVA系微生物固定化ゲルを得た。このゲルは球状に
成形され、粘着性もなく、直径は3〜4mmであった。
【0055】このようにして得られたPVA系微生物固
定化ゲルについてゲル強度、水中での耐久性および浄化
性について評価した結果を表1に示す。表1から明らか
なように強度、耐久性および浄化性のすべてにおいて良
好であった。
【0056】実施例9 多価金属含有化合物を含有した水溶液のpHを4.0に
したこと以外は実施例2と同様な方法でPVA系微生物
固定化ゲルを得た。このゲルは球状に成形され、粘着性
もなく、直径は3〜4mmであった。
【0057】このようにして得られたPVA系微生物固
定化ゲルについてゲル強度、水中での耐久性および浄化
性について評価した結果を表1に示す。表1から明らか
なように強度、耐久性および浄化性のすべてにおいて良
好であった。
【0058】比較例1 グルタルアルデヒドを全く用いなかったこと以外は実施
例2と同様な方法でPVA系微生物固定化ゲルを得た。
このゲルは球状に成形され、直径は5〜6mmであった。
【0059】このようにして得られたPVA系微生物固
定化ゲルについてゲル強度、水中での耐久性および浄化
性について評価した結果を表1に示す。表1から明らか
なように、ゲル強度は弱く、また耐久性も問題があるこ
とがわかった。
【0060】比較例2 PVAを全く用いなかったこと以外は実施例2と同様な
方法で微生物固定化ゲルを得た。このゲルは球状に成形
され、直径は5〜6mmであった。
【0061】このようにして得られた微生物固定化ゲル
についてゲル強度、水中での耐久性および浄化性につい
て評価した結果を表1に示す。表1から明らかなよう
に、ゲル強度は弱く、また耐久性にも問題があることが
わかった。
【0062】比較例3 アルギン酸ナトリウムを全く用いなかったこと以外は実
施例2と同様な方法でPVA系微生物固定化ゲルを得よ
うとした。しかし、多価金属含有化合物を含有した水溶
液に滴下したときに直ちに球状成形物を形成しないた
め、この方法でPVA系微生物固定化ゲルを成形するこ
とはできなかった。
【0063】比較例4 多価金属含有化合物を全く用いなかったこと以外は実施
例2と同様な方法でPVA系微生物固定化ゲルを得よう
とした。しかし、PVA混合水溶液を滴下したときに直
ちに球状成形物を形成させることができないため、この
方法でPVA系微生物固定化ゲルを成形することはでき
なかった。
【0064】比較例5 多価金属含有化合物を含有した水溶液のpHを6.0に
したこと以外は実施例2と同様な方法でPVA系微生物
固定化ゲルを得た。このゲルは球状に成形され、直径は
5〜6mmであった。
【0065】このようにして得られたPVA系微生物固
定化ゲルについて、水中での耐久性と浄化性について調
べた。表1から明らかなように、ゲル強度は弱く、また
耐久性にも問題があることがわかった。
【0066】比較例6 多価金属含有化合物を含有した水溶液のpHを1.0に
したこと以外は実施例2と同様な方法でPVA系微生物
固定化ゲルを得た。このゲルは球状に成形され、直径は
2〜3mmであった。
【0067】このようにして得られたPVA系微生物固
定化ゲルについてゲル強度、水中での耐久性および浄化
性について評価した結果を表1に示す。表1から明らか
なように、強度および耐久性は良好であった。しかし、
浄化性については、COD濃度は550mg/l のままで
あり、廃水中の有機物類が浄化されていないことがわか
った。これは、PVA系ゲルの製造中に菌体が死滅して
しまったものと考えられる。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明によると、PVA系のゲルを容
易、短時間かつ安価に製造することができる。また、微
生物をPVA系ゲル中に温和な条件で包括させることが
できるため、得られる固定化物は所望の活性を長期間に
わたって維持することができ、各種の水の浄化に有用で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコール系樹脂と少なくとも
    1種類の多価金属イオンとの接触によりゲル化する能力
    のある水溶性高分子多糖類とアルデヒド基含有化合物を
    あらかじめ含む混合水溶液を多価金属イオンを含有する
    化合物を含有するpH=3〜5に調整された水溶液に滴
    下することを特徴とするゲル成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリビニルアルコール系樹脂と少なくとも
    1種類の多価金属イオンの接触によりゲル化する能力の
    ある水溶性高分子多糖類とアルデヒド基含有化合物と微
    生物をあらかじめ含む混合水溶液を多価金属イオンを含
    有する化合物を含有するpH=3〜5に調整された水溶
    液に滴下することを特徴とする微生物固定化成形物の製
    造方法。
JP7344729A 1995-12-07 1995-12-07 ポリビニルアルコール系ゲル成形物および微生物固定化成形物の製造方法 Pending JPH09157433A (ja)

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