JP2005171040A - ポリビニルアルコール系含水ゲルの製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系含水ゲルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 都市下水の処理等に際して用いられる深度が大きい曝気槽の底部に滞留することがない、比重の小さいPVA系含水ゲルを製造する。
【解決手段】 ポリビニルアルコール(A)、少なくとも1種のカチオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性多糖類(B)、および温度が上昇することにより、1.0を超える比重が1.0以下にまで低下する性質を有する添加剤(C)を含有する液体をカチオン含有水溶液に滴下して球状物を形成させ、不溶化処理を施した後、温度を上昇させることを特徴とするポリビニルアルコール系含水ゲルの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、排水処理などに用いられるポリビニルアルコール系含水ゲルの製造方法に関する。
高分子含水ゲルは、生体触媒の担体、保水剤、保冷剤、眼・皮膚・関節などの生体ゲルの代替、薬物の徐放材、アクチュエーターの基材などの用途分野において広く用いられている。これらの含水ゲルの原料となる高分子素材としては、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、光硬化性樹脂などが一般に用いられている。高分子含水ゲルを排水処理などの担体として用いる場合、含水率が高いこと、酸素や基質の透過性に優れていること、生体との親和性が高いことなどが要求され、特に、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記することがある)は、これらの条件を満たす材料として優れていることから重用されている。
従来、排水処理用担体、バイオリアクター用担体などに用いられるPVA系含水ゲルの製造法として、PVAとアルギン酸ナトリウムの混合水溶液を塩化カルシウム水溶液に接触させて球状化した後、凍結解凍を行なう方法(例えば、特許文献1参照)、PVA水溶液を飽和ホウ酸水溶液に接触させてゲル化する方法(例えば、非特許文献1および2参照)、PVA水溶液を鋳型に注入した後、凍結により部分脱水を行なう方法(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
従来の方法によって得られるPVA系含水ゲルは比重が1.025〜1.05程度であり、これを排水処理用担体として、水深が5m以下の標準曝気槽において用いる場合には、PVA系含水ゲルの流動性に問題が生じるようなことはほとんどなかった。しかし、近年、PVA系含水ゲルが排水処理用担体として都市下水の処理などに用いられるケースが増大しており、この場合、水深が10mといった深度が大きい曝気槽が用いられるので、PVA系含水ゲルが曝気槽の底部に滞留して流動性が低下し、下水処理の効率が著しく低下するという問題が生じる。この問題を解決する方法として、PVA系含水ゲルに比重の小さい物質を添加するという方法が考えられるが、この物質はPVA系含水ゲルの製造時に添加されるために、PVA系含水ゲルの比重が製造工程中に低下して沈降性が悪化し、製造するのが困難であった。
この発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開昭64-43188号公報 特開昭58-36630号公報 下水道協会誌、第23巻、41頁、1986年 用水と廃水、第30巻、36頁、1986年
本発明の目的は、従来法と比較して工程通過性に優れた、比重の小さいPVA系含水ゲルを製造する方法を提供することにある。
発明者らは鋭意検討した結果、PVA系含水ゲルを製造するのに必要な成分であるPVAおよび水溶性多糖類に、温度が上昇することにより、比重が1.0以下に変化する性質を有する添加剤を加えた液体をカチオン含有水溶液中と接触させた後、温度を上昇させてゲル化することにより、上記の課題を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリビニルアルコール(A)、少なくとも1種のカチオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性多糖類(B)、および温度が上昇することにより、1.0を超える比重が1.0以下にまで低下する性質を有する添加剤(C)を含有する液体をカチオン含有水溶液に滴下して球状物を形成させ、不溶化処理を施した後、温度を上昇させることを特徴とするポリビニルアルコール系含水ゲルの製造方法を提供する。
本発明の方法によると、比重が1.025〜1.05よりも低いPVA系含水ゲルを製造することができ、このようなPVA系含水ゲルは、深度が大きい曝気槽の底部に滞留することがないので、排水処理用担体として、都市下水の処理に用いた場合でも、処理効率が低下することがない。本発明の方法は、低比重のPVA系含水ゲルを製造するのに、比重の小さい物質を添加するという方法を採らないため、PVA系含水ゲルを製造する際に比重が低下して製造が困難になるという問題が生じることがない。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられるPVA(A)の平均重合度は、製造されるPVA系含水ゲルの強度、およびPVAを含有する水溶液の取り扱い性の点から、1000以上が好ましく、特に1500以上が好ましい。平均重合度について厳密な意味での上限は存在しないが、平均重合度が大き過ぎると、PVAの製造時に、PVAを含有する水溶液の流動性が低下し、生産性が悪くなる傾向があるので、平均重合度は8000以下が好ましい。PVAのケン化度は、PVAを含有する水溶液の粘度および製造されるPVA含水ゲルの機械的強度の点から、95モル%以上が好ましく、特に98%以上が好ましい。
本発明において用いられるPVA(A)、水溶性多糖類(B)および添加剤(C)を含有する液体において、水に対するPVA(A)の量は1〜40重量%が好ましく、さらに3〜20重量%が好ましい。
本発明において多糖類として、水溶性であり、カチオンを含有する水溶液と接触させることにより、水に不溶性または難溶性のゲルに変化する性質を有する水溶性多糖類(B)が用いられる。このような水溶性多糖類(B)の例としては、アルギン酸のアルカリ金属塩、カラギ−ナン、マンナン、キトサンなどが挙げられる。本発明において用いられるPVA(A)、水溶性多糖類(B)および添加剤(C)を含有する液体において、水に対する水溶性多糖類(B)の量は0.5〜5重量%が好ましく、さらに0.7〜3重量%が好ましい。
また、本発明において添加剤として、温度が上昇することにより、1.0を超える比重が1.0以下にまで低下する性質を有する添加剤(C)が用いられる。添加剤(C)の例として、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリルとアクリル酸メチルの共重合体などからなる殻部分の内部に炭酸ガス、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの低沸点の炭化水素含有する熱膨潤性マイクロカプセルが、添加剤の比重が1.0以下になる条件が比較的容易に達成できる点および熱膨潤した殻の内部が独立気泡を形成し気泡の内部に水が浸透しにくい点から好適に用いられる。これらの添加剤(C)は一般的に市販されているものを使用することができ、例えば、熱膨潤性マイクロカプセルとして、松本油脂製薬株式会社製の商品名「マツモトマイクロスフェア−F」や大日精化工業株式会社製の商品名「マイクロスフェア F−320」を挙げることができる。添加剤(C)は目的とするPVA系含水ゲルの比重に合わせて添加されるので、その使用量を一律に限定することはできないが、本発明において用いられるPVA(A)、水溶性多糖類(B)および添加剤(C)を含有する液体において、水に対し0.1〜70重量%の範囲で用いられることが多い。
本発明において、PVA(A)、少なくとも1種のカチオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性多糖類(B)、および温度が上昇することにより、1.0を超える比重が1.0以下にまで低下する性質を有する添加剤(C)を含有する液体を製造する方法としては、例えば所定量のPVA(A)、水溶性多糖類(B)および添加剤(C)を同時に水に添加し、適当な圧力下において加熱しつつ攪拌してPVA(A)および水溶性多糖類(B)を溶解するなどの公知の方法が可能である。但し、添加剤(C)として、温度が上昇することにより比重が1.0以下にまで低下する性質を有する添加剤であって、上記した比重が1.0以下にまで低下する温度が、PVA(A)および水溶性多糖類(B)の水に溶解する温度に近い温度である場合、液体の製造の段階で添加剤の比重が1.0以下にまで低下することを防ぐため、あらかじめPVA(A)および水溶性多糖類(B)を水に溶解させ、得られた水溶液を添加剤(C)が比重が1.0以下にまで低下することのない温度まで冷却した後、添加剤(C)を添加して攪拌することが行われる。
本発明において、PVA(A)、水溶性多糖類(B)および添加剤(C)を含有する液体に、本発明の効果を損なわない範囲であれば、前記したPVA(A)、水溶性多糖類(B)および添加剤(C)以外の成分が含まれていてもよく、その含まれていてもよい成分として、例えば、PVA系含水ゲルの強度を上げるための補強材等を挙げることができる。
PVA(A)、水溶性多糖類(B)および添加剤(C)を含有する液体は、カチオン含有水溶液に滴下され、これにより球状物が形成される。カチオンの例としては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン、アルミニウムイオン、ニツケルイオン、セリウムイオンなどの多価金属イオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
PVA(A)、水溶性多糖類(B)および添加剤(C)を含有する液体を、カチオン含有水溶液に滴下するには、(1)注射針のような細い管の先端から、同液体の液滴をカチオン含有水溶液に滴下する、(2)遠心力を利用して、同液体を球状に飛散させて形成した液滴をカチオン含有水溶液に滴下する、(3)スプレーノズルの先端から、同液体を霧化して形成した球状の液滴をカチオン含有水溶液に滴下する、などの種々の方法を採用することができる。カチオン含有水溶液に滴下させる液滴の大きさは、目的とするPVA系含水ゲルの粒径に応じて任意に変えることができるが、通常は直径約0.1mm〜約5mm、好ましくは約0.5mm〜約3mmである。
カチオン含有水溶液におけるカチオン濃度は、水溶性多糖類(B)の種類等によっても異なるが、一般には0.01〜5mol/Lの範囲内である。また、水溶性多糖類(B)としてマンナンまたはキトサンが用いられる場合には、水溶液のpHを8以上、好ましくは10以上に調整するのがよく、その目的のために、例えば水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等が水に溶解して用いられる。
カチオン含有水溶液中で形成された球状物は、不溶化処理が施され、これによりPVA系含水ゲルの強度を向上させることができる。球状物に不溶化処理を施す方法として、PVAを化学架橋するという方法が挙げられ、その具体例として、PVAをアセタール化するという方法が挙げられる。PVAをアセタール化することによる不溶化処理は、カチオン含有水溶液中で形成された球状物を一旦取り出し、アセタ−ル化液に浸漬させることにより行われる。アセタール化液としては、アルデヒド化合物および酸を含む水溶液を用いる。アルデヒド化合物としては、グリオキザール、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、スクシンアルデヒド、マロンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ノナンジアールなどが挙げられる。酸としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、酢酸、修酸などの酸や、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウムなどの酸性塩が挙げられる。アルデヒド化合物や酸の存在下では、球状物が過膨潤したり、溶解する可能性があることから、これらを抑制するために、アセタール化液にPVAの離液作用のある硫酸ナトリウムなどを添加してもよい。アセタール化した球状物は、アセタール化液と分離され、水洗および中和などの処理が施される。
不溶化処理が施された球状物は、温度を上昇させることにより、PVA系含水ゲルとされる。球状物の温度を上昇させることにより、球状物に含まれる添加剤(C)の比重が1.0を超える値から1.0以下にまで低下する。球状物の温度を上昇させる方法として、球状物を50℃以上、好ましくは70℃以上であり100℃以下の温度の熱水と接触させるという方法が挙げられる。
このようにして得られたPVA系含水ゲルは一旦乾燥させてもよく、この場合、再び水に浸漬させると含水状態のゲルに復元する。
本発明の方法によると、PVA系含水ゲルの比重を1.025〜0.5の範囲で任意に調整することができる。さらに、球状物の温度を上昇させるまでは、比重が小さくならないため、PVA系含水ゲルを製造する工程中に比重が低下して製造が困難になるという問題も生じない。
本発明の方法によって製造されるPVA系含水ゲルは、空隙率が高く微生物の棲息性に優れるため、微生物および酵素などの生体触媒を担持させるのに用いることができる。PVA系含水ゲルに微生物を担持させる方法について特に制限はなく、(1)PVA系含水ゲルに微生物を後付着させる方法、(2)PVA(A)、水溶性多糖類(B)および添加剤(C)を含む液体に微生物を混合して包括固定させる方法などが挙げられる。ただし、上記(2)の方法を採用する場合、球状物の不溶化処理に用いられるアセタール化液等によって微生物が死滅することがないように微生物の種類を選択するなどし、不溶化処理の条件を調整する必要がある。
PVA系含水ゲルに担持させることができる微生物の種類は特に制限されるものではなく、細菌、放線菌、カビ、酵母などのいずれでもよく、純粋培養で得られたものでも混合培養で得られたものでも、活性汚泥のようなものでもよい。微生物としては、たとえば、ムコール(Muccor)属、フザリウム(Fusarium)属、クラドツリックス(Cladothrix)属、スフェロチルス(Sphaerotilus)属、ズーグレア(Zooglea)属、レプトミツス(Leptomitus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾプス(Rhizopus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アセトバクター(Acetobacter)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、エシエリシア(Escherichia)属、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、キャンディダ(Candida)属などの属に属する微生物が挙げられ、イオウ細菌、メタン菌、酪酸菌、乳酸菌、枯草菌、変形菌、不全菌、硝酸菌、亜硝酸菌、脱窒菌なども例示される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、PVA系含水ゲルの比重は以下の方法にしたがって求めた。
(比重)
25℃に温度が設定された環境下で、容量50mLの試験管中に、硫酸ナトリウムと水により特定の比重に調整された溶液(比重調整液)50mLを調製した。PVA系含水ゲル10個について表面付着水を除去した後、試験管内の比重調整液中に投入した。PVA系含水ゲルを投入して10秒後に、比重調整液中で浮いているゲル、沈んでいるゲル、中間に留まっているゲルの個数を数え、中間に留まっているPVA系含水ゲルの個数が全体の過半数を超えたときの比重調整液の比重をPVA系含水ゲルの比重とした。
(株)クラレ製のPVA(平均重合度1700、ケン化度99.8モル%)およびアルギン酸ナトリウムを水に混合し95℃で1時間攪拌して水溶液とし、この水溶液を60℃まで冷却した後、これにさらにマツモトマイクロスフェア−F(松本油脂製薬(株)製)を混合し10分間攪拌して液体を調製した。液体を調製するのに用いたPVA、アルギン酸ナトリウムおよびマイクロスフェア−Fの量は、水に対してそれぞれ5重量%、0.8重量%および0.1重量%であった。得られた液体を、60℃に保ちながら、先端に内径3mmのノズルを取り付けた内径4mmのシリコンチューブを装着したローラーポンプにより5mL/分の速度で送液し、スターラーで撹拌している濃度0.1mol/Lの塩化カルシウム水溶液に滴下した。滴下した液滴は塩化カルシウム水溶液中で球状化して沈降した。沈降した球状物を塩化カルシウム水溶液から取り出し、これをホルムアルデヒド、硫酸および硫酸ナトリウムをそれぞれ20g/L、200g/Lおよび100g/Lの量で含む40℃の水溶液に75分間浸漬した後、水洗した。このときに得られたPVA系含水ゲルの比重は1.030であった。ここまでの製造工程において、PVA系含水ゲルの沈降性には全く問題がなかった。
上記したPVA系含水ゲルを90℃の温水中に5分間浸漬させたところ、直径約5.5mmの球状のPVA系含水ゲルが得られた。このPVA系含水ゲルの比重は1.005であった。
(株)クラレ製のPVA(平均重合度2400、ケン化度99.8モル%)およびアルギン酸ナトリウムを水に混合し95℃で1時間攪拌して水溶液とし、この水溶液を60℃まで冷却した後、これにさらにマツモトマイクロスフェア−F(松本油脂製薬(株)製)を混合し10分間攪拌して液体を調製した。液体を調製するのに用いたPVA、アルギン酸ナトリウムおよびマツモトマイクロスフェア−Fの量は、水に対してそれぞれ5重量%、0.8重量%および1重量%であった。得られた液体を、60℃に保ちながら、先端に内径3mmのノズルを取り付けた内径4mmのシリコンチューブを装着したローラーポンプにより5mL/分の速度で送液し、スターラーで撹拌している濃度0.1mol/Lの塩化カルシウム水溶液に滴下した。滴下した液滴は塩化カルシウム水溶液中で球状化して沈降した。沈降した球状物を塩化カルシウム水溶液から取り出し、これをホルムアルデヒド、硫酸および硫酸ナトリウムをそれぞれ30g/L、200g/Lおよび100g/Lの量で含む40℃の水溶液に60分間浸漬した後、水洗した。このときに得られたPVA系含水ゲルの比重は1.035であった。ここまでの製造工程において、PVA系含水ゲルの沈降性には全く問題がなかった。
上記したPVA系含水ゲルを90℃の温水中に5分間浸漬させたところ、直径約6mmの球状のPVA系含水ゲルが得られた。このPVA系含水ゲルの比重は0.87であった。
比較例1
(株)クラレ製のPVA(平均重合度1700、ケン化度99.8モル%)およびアルギン酸ナトリウムを水に対してそれぞれ5重量%および1重量%の量で用いて混合し95℃で1時間攪拌して水溶液とし、この水溶液を60℃まで冷却した後、10分間攪拌した。得られた水溶液を、60℃に保ちながら、先端に内径3mmのノズルを取り付けた内径4mmのシリコンチューブを装着したローラーポンプにより5mL/分の速度で送液し、スターラーで撹拌している濃度0.1mol/Lの塩化カルシウム水溶液に滴下した。滴下した液滴は塩化カルシウム水溶液中で球状化して沈降した。沈降した球状物を塩化カルシウム水溶液から取り出し、これをホルムアルデヒド、硫酸および硫酸ナトリウムをそれぞれ20g/L、200g/Lおよび100g/Lの量で含む40℃の水溶液に75分間浸漬した後、水洗した。その結果、直径約4mmの球状のPVA系含水ゲルが得られ、その比重は1.035であった。
比較例2
(株)クラレ製のPVA(平均重合度1700、ケン化度99.8モル%)、アルギン酸ナトリウムおよびポリエチレン粉末(比重0.93)を水に対してそれぞれ5重量%、1重量%および5重量%の量で用いて混合し95℃で1時間攪拌して液体を調製した。得られた液体を、60℃に保ちながら、先端に内径3mmのノズルを取り付けた内径4mmのシリコンチューブを装着したローラーポンプにより5mL/分の速度で送液し、スターラーで撹拌している濃度0.1mL/分の塩化カルシウム水溶液に滴下した。滴下した液滴は塩化カルシウム水溶液中でゲル化したが沈降しなかったため、球状成形できなかった。得られたゲル化物を塩化カルシウム水溶液から取り出し、これをホルムアルデヒド、硫酸および硫酸ナトリウムをそれぞれ20g/L、200g/Lおよび100g/Lの量で含む40℃の水溶液に60分間接触させた。このときも成形物は沈降せず、液との接触が悪いためか、成形物が白色のものや透明のものがあり反応が不均一であった。その後液から成形物を取り出して水洗した。得られた成形物は不定型で比重は1.011であった。透明な成形物については、PVAのアセタール化が不十分であるため、ゼリー状で非常に弱く、PVAが水に溶出するという現象が確認された。このような成形物を排水処理用担体として用いると、担体が破壊されたり、水に溶出したりするといった問題が生じる。

Claims (4)

  1. ポリビニルアルコール(A)、少なくとも1種のカチオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性多糖類(B)、および温度が上昇することにより、1.0を超える比重が1.0以下にまで低下する性質を有する添加剤(C)を含有する液体をカチオン含有水溶液に滴下して球状物を形成させ、不溶化処理を施した後、温度を上昇させることを特徴とするポリビニルアルコール系含水ゲルの製造方法。
  2. 添加剤が50℃以上の温度で膨張する物質である請求項1に記載のポリビニルアルコール系含水ゲルの製造方法。
  3. ポリビニルアルコールを化学架橋により不溶化処理する請求項1または2に記載のポリビニルアルコール系含水ゲルの製造方法。
  4. ポリビニルアルコールをアセタール化により不溶化処理する請求項3に記載のポリビニルアルコール系含水ゲルの製造方法。
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