JP3763904B2 - 球状含水ゲルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水処理などに用いられる球状含水ゲルおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高分子含水ゲルは、生体触媒の担体、保水剤、保冷剤、眼・皮膚・関節などの生体ゲルの代替、薬物の徐放材、アクチュエーターの基材として、その研究が盛んである。これらの含水ゲルの原料となる高分子素材としては、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、光硬化性樹脂などがある。排水処理などに用いる担体としては、含水率が高いこと、酸素や基質の透過性に優れていること、生体との親和性が高いことなどが要求され、特に、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)はこれらの条件を満たす材料として優れている。従来、排水処理用担体、バイオリアクター用担体としては、PVAとアルギン酸ナトリウムの混合水溶液を塩化カルシウム水溶液に接触させて球状化した後、凍結解凍を行なう方法(特開昭64−43188号)、PVA水溶液を鋳型に注入後、凍結部分脱水を行なう方法(特開昭58−36630号)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の凍結法によるPVAゲルは、微生物の親和性が高く排水処理の担体として能力を発揮する。しかし、これは物理的な結晶化によるゲルであり、その結晶化は不十分であるため、水中へのPVA溶出が大きく、排水処理に用いた場合には曝気槽で泡立ったり、処理水のCODが増加するなどの問題が生じる。また、排水処理に長期間使用しているとゲル基材が劣化するという問題点がある。一方、排水処理において、担体は流動させて使用する場合が多く、担体の形状として球状を要求される場合が多い。球状成型の方法としては、水溶性高分子多糖類たとえばアルギン酸ナトリウムを原液に添加し、カチオン含有水溶液たとえば塩化カルシウム水溶液に滴下し、球状成型後アセタール化するという方法(特開平7−41516号)が知られているが、この方法はカルシウムなどのカチオンがアセタール化液に混入するため、沈殿物を生じるなどの問題点があり、沈殿物をアセタール化液と分離回収するといった煩雑な工程が必要となってくる。
【0004】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、ポリビニルアルコールおよび水溶性アルギン酸塩を含有する混合水溶液の液滴を、アルデヒド化合物および酸を含む水溶液に接触させることにより球状化すると共にアセタール化することを特徴とする球状含水ゲルの製造方法を見出したものである
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の球状含水ゲルの製造方法について詳細に説明する。
本発明のPVA水溶液に用いるPVAの平均重合度は1000以上が好ましく、特に1500以上が好ましい。PVAのケン化度は、95モル%以上が好ましく、98モル%以上が好ましい。PVA水溶液の濃度は、強度面からは大きいほうが好ましく、微生物の棲息性からは小さいほうが好ましい。したがって、1〜40重量%が好ましく、3〜20重量%がより好ましい。
PVA水溶液には、水溶性アルギン酸塩を混合する。たとえば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムなどが挙げられる。水溶性アルギン酸塩の濃度は、球状成型のため0.1〜10重量%、とりわけ0.2〜5重量%が好ましい。また、混合水溶液にはゲル化を阻害しない範囲で公知の成分を添加してもよい。例えば、微生物、酵素、培地、ゲルを多孔質にするための生分解性物質や溶解性物質、ゲルの補強材などが挙げられる。
【0006】
上記の混合水溶液を例えば、管状の口金から滴下させるか、または噴霧口金から噴霧させることによって液滴を形成させ、次いで該液滴をアルデヒド化合物および酸を含む水溶液に接触させる。混合水溶液の液滴は表面張力によって球状となり、アルデヒド化合物と酸を含む水溶液と接触することにより、球状成型されるとともにアセタール化される。アルデヒド化合物としては、グリオキザール、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、スクシンアルデヒド、マロンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ノナンジアールなどが挙げられる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、シュウ酸、酢酸などの有機酸が挙げられる。アルデヒド化合物の濃度は、0.1〜5モル/リットル、酸濃度は1〜6モル/リットルが好ましい。アルデヒド化合物および酸を含む水溶液には、アセタール化を阻害しない範囲で公知の成分を添加してもよい。例えば、成型物の過膨潤、溶解を抑制する物質、たとえば硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウムなどを添加してもよい。
【0007】
本発明により、得られた球状含水ゲルは、微生物の棲息性がよく、耐久性も高い。また、カチオンによる凝固工程がないため、沈殿物をアセタール液から分離回収するといった煩雑な工程は必要なくなり、容易にゲルを製造することができる。
さらに驚くべきことに、本発明により得られた球状含水ゲルは、従来のカチオン凝固後アセタール化したものに比べ、工程が簡略化されるだけでなく、表面構造も疎となり、微生物が比較的棲息しやすい構造になることが判明した。
【0008】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
(株)クラレ製のPVA(平均重合度1700、ケン化度99.8モル%)8重量%およびアルギン酸ナトリウム1重量%の混合水溶液を、先端に内径3mmのノズルを取り付けたシリコンチューブを装着したローラーポンプにより5ミリリットル/分の速度で送液し、スターラーで撹拌したホルムアルデヒド30g/リットル、硫酸200g/リットルおよび硫酸ナトリウム150g/リットルの30℃の水溶液に滴下し、100分間浸漬した後、水洗した。その結果、直径約4mmの柔軟性に富んだ球状の含水ゲルが得られた。この含水ゲルのアセタール化度は35モル%であった。
この含水ゲルの耐水性、耐久性および微生物棲息性を確認するため、耐久試験、TOC除去試験を実施した。耐久試験として、含水ゲル500gを(株)クラレ岡山工場の排水処理槽に1年間浸漬し、含水ゲルの1年後の重量保持率を測定した。また、TOC除去試験として、含水ゲル500gを(株)クラレ岡山工場の排水処理槽に1カ月間浸漬した後、含水ゲル100gを取り出し、TOC5OOmg/リットルに調整した排水1リットル中に入れて曝気し、ゲル重量当たりのTOC除去速度を測定した。結果を表1に示す。
【0009】
参考例1
実施例1と同様のPVA8重量%およびアルギン酸ナトリウム1重量%の混合水溶液を、先端に内径3mmのノズルを取り付けたシリコンチューブを装着したローラーポンプにより5ミリリットル/分の速度で送液し、100g/リットルの硫酸水溶液に滴下した後、ホルムアルデヒド20g/リットルおよび硫酸200g/リットル40℃の水溶液に90分間浸漬した後、水洗した。その結果、直径約4mmの柔軟性に富んだ球状の含水ゲルが得られた。この含水ゲルのアセタール化度は31モル%であった。実施例1と同様にして耐久試験およびTOC除去試験を行った。結果を表1に示す。
【0010】
比較例1
実施例1と同様のPVA8重量%およびアルギン酸ナトリウム1重量%の混合水溶液を、先端に内径3mmのノズルを取り付けたシリコンチューブを装着したローラーポンプにより5ミリリットル/分の速度で送液し、スターラーで撹拌した0.1モル/リットルの塩化カルシウム水溶液に滴下し、球状成型物を得た。この球状成型物をホルムアルデヒド30g/リットル、硫酸200g/リットルおよび硫酸ナトリウム150g/リットルの30℃の水溶液に滴下し、100分間浸漬した後、水洗した。その結果、直径約4mmの柔軟性に富んだ球状の含水ゲルが得られた。この含水ゲルのアセタール化度は35モル%であった。実施例1と同様にして耐久試験およびTOC除去試験を行った。結果を表1に示す。
【0011】
比較例2
実施例1と同様のPVA8重量%およびアルギン酸ナトリウム1重量%の混合水溶液を、先端に内径3mmのノズルを取り付けたシリコンチューブを装着したローラーポンプにより5ミリリットル/分の速度で送液し、スターラーで撹拌した0.1モル/リットルの塩化カルシウム水溶液に滴下し、球状成型物を得た。この球状成型物を−20℃で12時間凍結させ、室温で解凍した。その結果、直径約4mmの柔軟性に富んだ球状の含水ゲルが得られた。実施例1と同様にして耐久試験およびTOC除去試験を行った。結果を表1に示す。
【0012】
比較例3
実施例1と同様のPVA8重量%水溶液を厚さ4mmになるようにトレーに流延し、−20℃の冷凍庫で12時間凍結させ、室温で解凍させた。得られた板状成型物を4mm角に切断した。実施例1と同様にして耐久試験およびTOC除去試験を行った。但し、TOC除去試験においては含水ゲルの流動性が非常に悪かった。結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
Figure 0003763904
【0014】
【発明の効果】
上記の実施例からも明らかなとおり、本発明の製造方法により得られた球状含水ゲルは、微生物の棲息性がよく、耐久性も向上することから、排水処理用担体として優れている。また、本発明の製造方法は、工程が簡略化できることから、工業的に有用である。

Claims (1)

  1. ポリビニルアルコールおよび水溶性アルギン酸塩を含有する混合水溶液の液滴を、アルデヒド化合物および酸を含む水溶液に接触させることにより球状化すると共にアセタール化することを特徴とする球状含水ゲルの製造方法。
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