JP3287686B2 - 高分子系粒状含水ゲルおよびその製造法 - Google Patents

高分子系粒状含水ゲルおよびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式凝固して得られる
高分子系ポリマーからなる粒状含水ゲルに関するもので
ある。そして、より詳しくは、該含水ゲルの表面を覆う
表面被覆膜の平滑さを破り、その表面積を大なるものに
するための、該含水ゲルの表面粗雑化に関するものであ
る。また本発明は、該高分子系粒状含水ゲル中、とりわ
けポリビニルアルコール系粒状含水ゲルの表面粗雑化に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】高分子系ゲルに酵素や微生物を固定化し
て生体反応を行わせる反応層には、固定層(充填層)、
流動層、撹拌槽等があるが、これらの反応槽で用いられ
る固定化担体の形状としては、活性表面が広くとれる
点、流動性や充填効率が良い点、取り扱いの容易さから
粒状、特に球状であることが望ましい。本発明の目的と
する高分子系ポリマーからなる粒状含水ゲルは、流体中
における分散性および流動性が良好であることから、バ
イオリアクター用の生体触媒を固定化する担体として有
用であり、それ自体としては「微生物固定化法による排
水処理」(編著・須藤隆一,発行所・産業用水調査会,
1993.3.25発行,192〜204頁記載)等に
示され、既に公知である。
【0003】従来、酵素、微生物等の生体触媒を固定化
する方法の1つに、高分子素材を用いて酵素や微生物を
そのまま包み込む包括固定化法があり、この方法によく
用いられる高分子素材として、寒天、アルギン酸塩、κ
−カラギーナン、ポリエチレングリコール、エポキシ、
ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、光硬化性
樹脂等がある。
【0004】このうち、ポリビニルアルコール(以下P
VAと略記する)を用いたゲルは、ゲル成形において全
く化学薬品を使用しないため、生体触媒に対する安全性
が高く、しかも高含水性で多孔質構造のため、微生物の
培養、増殖に対して優れた担体である。またリアクター
中で用いられるゲルとしては、流動のエネルギー効率か
らその比重は1に近い程良く、PVA系含水ゲルは1.
01〜1.03と小さく、この理にかなうものである。
更に又、工業上の実用面において、容易に、かつ安価に
製造可能なことが重要であり、PVA系含水ゲルはこの
点で優れている。
【0005】ところで、従来PVAを用いた粒状含水ゲ
ルの製造方法は、例えば、PVA水溶液と、その凝固促
進のための添加剤、さらに必要なら微生物を混合した原
液を、該原液が噴霧状となるように吐出することができ
るノズルを用い、例えば、芒硝凝固液に滴下しPVA
を脱水凝固させ粒状ゲルを得る方法、飽和した硼酸凝
固液に滴下しPVAを脱水凝固させ粒状ゲルを得る方
法、アルギン酸塩を加えた前記原液を塩化カルシウム
の水溶液に滴下しPVAを凝固させ粒状ゲルを得る方
法、あるいは更に、前記でゲル凝固後、−5℃以下
に凍結し、その後常温で解凍する方法、またより好まし
くは、その凍結−解凍を繰り返す方法、あるいは凍結
後、真空脱水を行う方法等があるが、これらは、いずれ
もPVA原液を凝固液にてゲル化するものであるので、
PVAはその凝固時に常に表面被膜を生成する。
【0006】上記の凍結−解凍法でPVA含水ゲルを
得る技術を開示した例えば特開平2−211874号公
報には、この方法で得られるPVA粒状含水ゲルが、中
心層としての孔径100〜10μmの孔からなるスポン
ジ層を取り囲んで、0.1〜10μmの表面被膜が存在
するものであることが開示されている。即ち、この製造
法での表面被膜は、皺があるものの、スポンジ層とはな
らないいわゆるスキン層であり、微生物の棲家としては
その定着性が良いものではないのである。
【0007】そして、このスキン層としての表面被膜が
存在することは、PVAからなる含水ゲルに限られるこ
とではなく、ポリエチレングリコールやポリアクリルア
ミドなど、湿式凝固して得られる方法や金属やプラスチ
ック等の平滑面と接触しながら固化する凝固面を有する
高分子ゲルに共通のことである。
【0008】上記のように、従来の通常の湿式凝固して
得られるPVA粒状含水ゲル並びにそれ以外の高分子含
水ゲルには、常に表面被膜が存在するのであり、そして
この表面被膜は、内部スポンジ構造とは異なり、表面被
膜は湿式凝固時に脱水するため体積収縮が起こり、フィ
ルム状の皺が生成するが、これは表面が平滑なためフィ
ルム状であり、表面積が小さく、微生物の付着性の点に
おいて好ましいものではない。よって、本発明者は、こ
の種高分子粒状含水ゲルにつき検討し、該粒状含水ゲル
がその表面にスポンジ状ではないフィルム状被膜で覆わ
れている点に着目し、該表面被覆膜が内部スポンジ層の
ように粗雑化されたものとなれば、微生物の付着をより
高め、かつその付着安定性をより高め得ることができる
のではないかと考え、本発明に至ったものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明は、表面
被覆膜が破壊されているか、あるいは破壊されないまで
もその被覆膜に多数の亀裂状損傷部が入り、その損傷部
によって被覆膜を粗雑な層とし、微生物の付着性に格段
と優れた高分子系粒状含水ゲルを得んとするものであ
り、またその経済的、かつ安定した製造が可能な製造方
法を創出せんとするものである。更にまた、とりわけ、
上記を満足するPVA系粒状含水ゲルおよびその製造法
を創出せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
つき鋭意検討した結果、以下のように構成することによ
って、その目的が達せられることを見いだした。即ち、
本発明は、湿式凝固して得られる高分子系ポリマーから
なる粒状成形含水ゲルであって、その表面スキン状被膜
の表面が粗雑化されたものであることを特徴とする粒状
成形含水ゲルであり、より好ましくは、その表面スキン
状被膜が、被膜の膜厚を越える傷部を多数に有する表面
粗雑化されたもの、あるいは、その表面スキン状被膜
が、少なくとも部分的に剥離され、スキン状被膜の下の
内部スポンジ層が表面に露出状態となっている表面粗雑
化されたものであることを特徴とする粒状成形含水ゲル
である。そして又その製造法は、湿式凝固して得られる
高分子系ポリマーからなる粒状成形含水ゲルを、研磨材
とともに、乾式もしくは湿式で撹拌混合し該粒状含水ゲ
ルの表面を粗雑化することを特徴とする粒状含水ゲルの
製造法である。
【0011】
【作用】本発明は、高分子系粒状含水ゲルの最表面を覆
うスキン状被膜に髭状、筋状、亀甲状等の窪みや、さら
には亀裂を形成させて、その表面を粗雑化し、あるいは
又内部スポンジ構造を表面に露出させた構造としたの
で、微生物等の生体触媒を固定する担体として、その生
体触媒の定着性を、通常の平滑なスキン状被膜が存在す
る場合に比べて、大きく改善することが可能となる。
【0012】以下本発明のを、その用いる高分子系粒状
含水ゲルがPVA粒状含水ゲルである場合を代表例とし
て説明するが、本発明は高分子素材がPVAに限定され
ることを意味するものではない。上記のように、本発明
は、最表面にスキン状被膜が形成された粒状含水ゲルを
対象とし、該粒状含水ゲルを製造する製造法については
何等限定の対象とするものではない。即ち、粒状含水ゲ
ルの製造条件は、従来公知の製造法で採用される製造条
件が採用されればよいが、以下にPVAを用いる場合の
主な点の条件を略記する。
【0013】用いられるPVAとしては、その平均重合
度が1000以上、好ましくは1700以上で、ケン化
度が98.5モル%以上、好ましくは99.85モル%
以上の完全ケン化PVAが、PVAゲルの形成上望まし
い。重合度がこれ以下では、得られるPVAゲルはその
使用中PVAの一部が水中へ溶出するという問題を抱
え、その耐久性において問題となる。またケン化度が低
下すると、必要な強度のゲルがつくれず好ましくない。
【0014】PVA水溶液の濃度はPVAゲル形成能の
範囲から、3〜40重量%まで可能であり、PVA濃度
が高い程、より強固なゲルが生成するが、必要なゲル強
度が得られれば、PVA濃度が低い方が原料コスト面か
ら有利である。PVA以外の添加成分の種類や濃度、P
VA混合水溶液の液温および滴下装置によって、適切な
濃度を選定する必要はあるが、常温でPVA混合水溶液
を滴下する場合は、PVA濃度5〜10重量%が球状化
が容易であり、実用上十分なゲル強度が得られる。
【0015】PVA水溶液から粒状ゲル化した該ゲル
が、その凝固液中あるいは水溶液中で、相互に融着せ
ず、一定の強度を有することは、多量のゲルを連続処理
して製造しなければならない実用面において、その取り
扱いの容易さおよび製造装置の簡易さの点で非常に有利
である。この点で、少なくとも1種の多価金属イオンを
含む化合物と、該多価金属イオンとの接触によりゲル化
する能力のある水溶性高分子多糖類とを、いずれか1方
をPVA水溶液(原液)中に、また他方をゲル浴となる
水溶液中に添加して用いることが望ましい。
【0016】ここで、多価金属イオンとの接触によりゲ
ル化する能力のある水溶性高分子多糖類としては、具体
的には、アルギン酸のアルカリ金属塩、カラギーナン、
マンナン、キトサン等が挙げられるが、とりわけアルギ
ン酸ナトリウムが好ましい。また、多価金属イオンを含
む化合物とは、具体的には、マグネシウムイオン、カル
シウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン
等のアルカリ土類金属イオンあるいはアルミニウムイオ
ン、セリウムイオン、ニッケルイオン等の他の多価金属
イオンのうちの少なくとも1種を含有する化合物が挙げ
られるが、とりわけ塩化カルシウムが好ましい。そして
特に、アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムとの組合
わせが、より好ましい。
【0017】PVA水溶液にアルギン酸ナトリウムなど
水溶性高分子多糖類を添加する場合の、その濃度は、P
VAに対して0.2〜4重量%、さらに好ましくは0.
5〜2重量%がよい。0.2重量%未満では、PVA水
溶液の粒状(球状)化形成能が乏しく、また、4重量%
より大の場合は、固い球状物が得られるが、溶液粘度の
上昇をもたらす上、原料コスト上昇の要因となり好まし
くない。PVAの原液は、上記のようなPVA混合水溶
液に目的の微生物の菌液を混入し、撹拌して得られる。
【0018】本発明の含水ゲルに包括固定し得る微生物
としては、特に限定されるものではなく、その代表例を
挙げるならば、アスペルギルス(Aspergillu
s)属、リゾプス(Rhizopus)属等のかび類、
シュードモナス(Pseudomonas)属、アセト
バクター(Acetobacter)属、ストレプトマ
イセス(Streptomyces)属、エシェリイア
(Escherichia)属等の細菌、サッカロマイ
セス(Saccharomyces)属、キャンディダ
(Candida)属等の酵母を例示することが出来
る。
【0019】アルギン酸ナトリウムなど水溶性高分子多
糖類をPVA水溶液に添加する場合、他方の多価金属イ
オンを含む化合物、特に塩化カルシウムは、ゲル化浴と
なる水浴に添加されるが、該塩化カルシウム水溶液の濃
度としては0.05〜1.0モル/lが好ましく、通常
は0.1〜0.5モル/lが好ましい。
【0020】ノズルから滴下されたPVA混合水溶液
は、塩化カルシウム水溶液に接触すると表面張力によっ
て球体となり、さらに球体の最表面が薄膜状に固化し、
最終的なゲル球状物となる。このゲル球状物は、押出ノ
ズルの直径、PVA混合水溶液の粘度等を調整すること
によって、直径1〜10mm程度のものを任意に得るこ
とが出来る。
【0021】塩化カルシウム水溶液中で固化した球状ゲ
ルは、該塩化カルシウム水溶液と分離し、そのまま凍結
させる。凍結温度は−5℃以下でよいが、より強力なP
VAゲルとするためには、−20℃以下とすることが望
ましい。凍結保持時間は2時間以上、好ましくは10時
間以上がよい。その後、微生物に悪影響を及ぼさない温
度範囲に放置して解凍する。この凍結−解凍処理は、1
回の操作では、PVA混合水溶液の組成や凍結条件によ
っては、必要な強度に達しない場合もあり、その場合に
は、2回以上、好ましくは3回以上の操作を行うことに
よって、強度の高いゲルとすることが出来る。またこの
凍結とそれに続く解凍からなる操作によって、ゲル中の
高分子微結晶を増加させ、高分子からの拘束が解かれた
自由水の量を増加させることが出来、それによって包括
固定化された微生物の棲息性をより高めることも出来
る。
【0022】本発明は、このようにして得られたPVA
からなる球状あるいはそれに類似形状の粒状含水ゲル
を、研磨材とともに乾式または湿式で撹拌混合し、該ゲ
ル状物表面に存在する被膜を粗雑化し、これによって微
生物の定着性を格段に向上させる点にある。その粗雑化
とは、被膜の表面に髭状、筋状、亀甲状の多数の傷や窪
みを形成させるものであっても、またその傷や窪みの深
さが深く内部スポンジ層に達するようなものが多数形成
されるものであってもよく、さらに又被膜の少なくとも
1部が剥離状態となり、内部スポンジ層が露出状態とな
っているようなものを意味するものである。
【0023】ここで用いる研磨材としては、ゲル状物の
粒径、撹拌処理後の該粒状物との分離等を考慮し、粒径
0.149〜4.76mm、好ましくは0.3〜2.4
mmの範囲のもので、金剛砂や硅砂を使用することが出
来る。なかでも、金剛砂が特に好ましい。
【0024】高分子系粒状含水ゲルと研磨材との撹拌
は、該研磨材の比重が1.0〜1.5と、硅砂や金剛砂
に比べて1/2〜1/3と軽いため、撹拌時に研磨材の
上部に乗ってしまうので、横型のシリンダー状にて撹拌
するのが効果的である。
【0025】この研磨材を用いての撹拌混合処理による
ゲル状物表面の粗雑化、即ちゲル状物表面の表面形態の
変化については、該ゲルを顕微鏡下で観察することによ
って知ることが出来、この顕微鏡下での観察と後記する
実際使用時での微生物の酸素利用速度とを測定し、その
両者の関係を対応させることが出来る。
【0026】PVA粒状ゲルの条件ならびに研磨材の条
件が絡み合うので、該処理条件をどの程度のものとする
かは一慨には言えないが、該顕微鏡下での観察と処理し
た粒状ゲルを実際に活性汚泥中に投入してその微生物の
呼吸速度を測定した結果から、大まかではあるが、処理
する前の粒状ゲルの重量に対して処理後のそれが、0.
1〜10%程度減少するように処理すれば、この時のP
VA粒状ゲルは、それを活性汚泥中で使用した時、該活
性汚泥中での微生物の呼吸速度が処理前のそれの呼吸速
度に比べて約9〜10倍にも向上することが解った。
【0027】ここで、その酸素利用速度とは、好気性菌
の数や活性を調べるもので、水中に溶存している酸素の
消費速度をみるものであり、その速度が大きくなるとは
付着菌数が多くなり、かつ活発に活動していることを意
味するものである。
【0028】この酸素利用速度は次ぎのように測定する
ことができる。即ち、酸素利用速度(γr)は、単位時
間(時間)内に単位容量(l)の混合液によって利用さ
れる酸素量(mg/g・ゲル・時)で示される。また、
活性汚泥の酸素利用速度係数(Kr)は、単位時間(時
間)内に単位重量(g)またはゲル(g)の活性汚泥に
よって利用される酸素量(mg/g・時)で示される。
エアレーションタンク内混合液1l(リットル)を細口
瓶1lにとり、10〜20分間静置したのち、その上澄
液をサイホンで別の細口瓶に入れる。ついで溶存酸素が
約5mg/l以上になるように散気装置を用いて5〜1
0分間激しくエアレーションを行ったのち、上記の沈澱
した汚泥またはゲルとよく撹拌する。この混合液を三角
フラスコ300mlに満たし、空気が入らないように溶
存酸素計のセンサー部を挿入する。直ちにマグネチック
スターラーで撹拌しながら、溶存酸素の経時変化を測定
する。記録された減少曲線からエアレーションタンク内
混合液の単位時間(時間)当たりの利用酸素量(γr
(mg/g・ゲル・時)を求める。 酸素利用速度(γr)(mg/g・ゲル・時)=酸素利
用量(mg/g・ゲル)/経過時間(時間) また、次式によって酸素利用係数(Kr)(mg/g・
時)を算出する。 酸素利用係数(Kr)(mg/g・時)=γr(mg/
g・ゲル・時)×1000/MLSS(mg/l) (社団法人日本下水協会発行「下水試験方法−1984
年版−」に準拠)
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いてより具体的に
説明するが、本発明はそれにより限定されない。 実施例1;(株)クラレ製のPVA(平均重合度170
0、ケン化度99.98モル%)を8重量%水溶液とな
るように水を加えて溶解した。この溶液にアルギン酸ナ
トリウムの5%水溶液を前記水溶液のPVAに対し10
%となるように添加、混合して原液をつくった。この原
液を内径0.8mmのノズルより、0.5モル/lの塩
化カルシウム水溶液中に噴霧滴下し、平均直径5mmの
球状のPVAゲル状物を得た。このPVAゲル状物をよ
く水洗した後、−20℃で20時間凍結し、その後12
時間かけて常温で解凍した。この操作を3回繰り返し
た。ここまでの操作で得られた球状PVAゲルを比較例
1とした。
【0030】次ぎに、このPVAゲル100.00g
に、乾燥した6号硅砂を100.00gと水100.0
0ccとを混ぜ、この混合物をJIS R 5201
(1978);セメントの物理的試験方法、の練り混ぜ
法にしたがって5分間と20分間の撹拌混合を行い、そ
れぞれをJIS A 1103(1976)の骨材の洗
い試験法に準じ、網ふるいで1.2mmの網目を通し、
水洗することにより粒状PVAゲルと研磨材を分離し
た。5分間の撹拌混合で得たPVAゲルの場合を実施例
1、20分間の撹拌混合で得たPVAゲルの場合を実施
例2とし、それぞれの場合での重量変化、その時の該ゲ
ルの表面形態の変化、及び、それぞれを活性汚泥液中に
投入し2日間経過させ、その2日後での実施例1、2及
び比較例1に付着した活性汚泥の菌数及び活性を測定す
るため、前記酸素利用速度を測定した。その結果を表1
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1で示されるように、球状PVAゲルを
研磨材で撹拌処理しない比較例1の場合に比べ、それを
研磨材で撹拌処理した実施例各例の場合が、各々のPV
Aゲルを汚泥液中に投入して測定した場合の酸素利用速
度が著るしく向上し、ゲル表面の粗雑化の効果が認めら
れた。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はPVA粒
状ゲルの表面を覆う表面被膜に傷をつけ、あるいは、更
にまた、表面被膜を部分的にも剥離状態として、該ゲル
表面を粗雑化することによって生体触媒としての微生物
の付着性(定着性)を大きく向上させたものであり、下
水処理などのバイオリアクターで用いる微生物包括固定
化担体として、従来のPVA粒状ゲルに比べて、より有
効なものである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式凝固して得られる高分子系ポリマー
    からなる粒状含水ゲルであって、その表面スキン状被膜
    の表面が粗雑化されたものであることを特徴とする粒状
    含水ゲル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された粒状含水ゲルにお
    いて、その表面スキン状被膜が、被膜の膜厚を越える傷
    部を多数に有する表面粗雑化されたものであることを特
    徴とする粒状含水ゲル。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された粒状含水ゲルにお
    いて、その表面スキン状被膜が、少なくとも部分的に剥
    離され、スキン状被膜の下の内部スポンジ層が表面に露
    出状態となっている表面粗雑化されたものであることを
    特徴とする粒状含水ゲル。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載され
    た粒状含水ゲルにおいて、高分子系ポリマーがポリビニ
    ルアルコール系ポリマーであることを特徴とする粒状含
    水ゲル。
  5. 【請求項5】 湿式凝固して得られる高分子系ポリマー
    からなる粒状含水ゲルを、研磨材とともに、乾式もしく
    は湿式で撹拌混合し該粒状含水ゲルの表面を粗雑化する
    ことを特徴とする粒状含水ゲルの製造法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された粒状含水ゲルの製
    造法において、高分子系ポリマーがポリビニルアルコー
    ル系ポリマーであることを特徴とする粒状含水ゲルの製
    造法。
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