JPH08116974A - 微生物包括固定化含水ゲル成形物 - Google Patents

微生物包括固定化含水ゲル成形物

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JPH08116974A
JPH08116974A JP6262178A JP26217894A JPH08116974A JP H08116974 A JPH08116974 A JP H08116974A JP 6262178 A JP6262178 A JP 6262178A JP 26217894 A JP26217894 A JP 26217894A JP H08116974 A JPH08116974 A JP H08116974A
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pva
polyvinyl alcohol
gel
water
aqueous solution
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JP6262178A
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English (en)
Inventor
Masaki Okazaki
正樹 岡崎
Takeshi Matsuda
武 松田
Hiroaki Fujii
弘明 藤井
Akio Mizobe
昭雄 溝辺
Masao Tsuji
正男 辻
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 原料であるポリビニルアルコ−ルの水酸基の
2〜50モル%を後変性したポリビニルアルコ−ルから
なる微生物包括固定化含水ゲル成形物 【効果】 本発明による微生物包括固定化変性ポリビニ
ルアリコ−ル系ゲルからなる含水ゲル成形物は、強度が
高く、耐水性に優れており、バイオリアクター、排水処
理の担体、保水材、保冷材などに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物包括固定化含水ゲ
ル成形物に関する。更に詳しくは、耐水性に優れ、強度
が高く、かつゴム状弾性を有し、バイオリアクター担体
等に利用可能な微生物包括固定化含水ゲル成形物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高分子含水ゲルは、生体触媒の固定化担
体、保水材、保冷材、眼・皮膚・関節などの生体ゲルの
代替、薬物の徐放材、アクチュエーターの基材などに関
して、近年その研究が盛んである。これらの含水ゲルの
原料となる高分子素材としては、天然物から得られる寒
天、アルギン酸塩、カラギーナンなどがあり、合成高分
子としてはポリビニルアルコール、ポリアクリルアミ
ド、ポリエチレングリコ−ルやエポキシ樹脂、光硬化性
樹脂などがある。このうち、ポリビニルアルコール(以
下、PVAと略記する)系含水ゲルはビニルアルコール
単位1モル中に1個のOH基を含むため含水率が高く、
酸素や基質の透過性に優れ、生体との親和性が高いこと
から、高分子含水ゲルの中でも特に微生物の棲息性に優
れている。PVA含水ゲルの形状としては、使い方にも
よるが流動床として用いる場合、流動性、充填効果、取
扱性を考慮した場合には球状が好ましい。しかしサイコ
ロ状でも繊維状等利用目的に合わせれば良い。従来、P
VAゲルを成形する方法としては、PVA、アルギン酸
ナトリウムおよび微生物等菌液の混合水溶液を、塩化カ
ルシウム水溶液に接触させて球状化した後、PVAをゲ
ル化させる方法(特開昭64−43188号)、PVA
水溶液を飽和ホウ酸水溶液に接触させてゲル化する方法
(下水道協会誌、23巻、41頁(1986);用水と
廃水、30巻、36頁(1986)が知られている。又
本発明者等は特願平5−190380号においてPVA
ゲル化物に対するアセタ−ル化処理を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のPVA含水ゲル
成形物は、前述の様に含水率が高いために微生物棲息性
に優れている反面、ゲルの強度や耐水性が低く、PVA
の一部が水中へ溶出するという問題があり、バイオリア
クター担体として使用するには一層の耐水性、耐久性の
向上が望まれていた。松村らの研究(油化学、第42
巻、第5号、333〜344頁、1993)によると、
ビニルアルコ−ル単位の連鎖が5〜6個の場合にはPV
A分解酵素の基質となり生分解が生じるとされている。
本発明は、これらの問題を解決するものであり、かつ菌
を包括固定したままで菌の活性を維持しながらPVAに
後変性処理を施すことにより未処理の含水ゲル成形物よ
りもはるかに強度および耐水性に優れた新規なゲル成形
物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、原料であるポリビ
ニルアルコ−ルの水酸基の2〜50モル%(好ましくは
5〜30モル%)を後変性したポリビニルアルコ−ルか
らなる微生物包括固定化含水ゲル成形物を見出し、本発
明を完成させるに至った。本発明における後変性とは、
原料であるポリビニルアルコ−ルをアセタール化、アミ
ノ化、スルフォン化またはアセチル化などの後反応によ
り、ポリビニルアルコ−ルの水酸基を変性することを意
味する。以下、本発明の微生物包括固定化含水ゲル成形
物について詳細に説明する。本発明に使用する原料であ
るPVAの平均重合度は特に制限はないが、1000以
上が好ましく、3500以上がより好ましい。PVAの
鹸化度についても特に制限はないが、98.5モル%以
上が好ましく、99.85モル%以上が含水ゲル成形物
の成形の点でより好ましい。本発明に使用するPVAと
しては、アタクチック、シンジオタクチック等無変性P
VAの他に本発明の効果を阻害しない範囲で種々の変性
PVAを用いることができる。PVAの溶媒は、水のほ
かに、各種の溶剤を用いることができる。例えば、エチ
レングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール
等の多価アルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチル
ホルムアミド、ジエチレントリアミン等の溶剤を一種ま
たは二種以上混合して使用することができる。さらに、
ロダン塩水溶液などもPVAの溶媒として使用できる。
上記の溶媒にPVAを溶解して得られたPVA溶液に、
PVAのゲルを阻害しない範囲で、生体触媒として用い
る微生物および酵母、酵素、菌などを含む懸濁液を用い
ることが出来る。微生物の培地や含水ゲル成形物の強度
を上げるための補強材、含水ゲル成形物の比重を調節す
るための充填剤等を添加しても良い。
【0005】次に、上記の方法により得られたPVA溶
液を公知の方法により成形する。成形方法としては、以
下の方法が例示される。 (1)微生物とPVA混合溶液を水素イオン指数を8以
上に調節した後、ほう酸系化合物を含む液体に接触させ
る。 (2)微生物とPVA混合溶液にほう酸系化合物を加え
た後、水酸化ナトリウム等の塩基性溶媒に接触させる。 (3)微生物とPVA混合溶液に少なくとも一種のカチ
オンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性高分子
多糖類の混合溶液を加えた後、カチオン含有化合物を含
有する水溶液に接触させる。 (4)微生物とPVA混合溶液をメタノール等のPVA
の貧溶剤に接触させる。
【0006】次に、上記の方法により得られた成形物を
以下の方法などによりゲル化させることにより、微生物
包括固定化PVA含水ゲル成形物が得られる。 (1) 成形物を、−5℃以下、好ましくは−10℃以
下で凍結した後、少なくとも1時間以上、好ましくは1
0時間以上室温に保持して解凍する操作(凍結−解凍)
を少なくとも1回以上、好ましくは2回以上繰り返す。 (2) 成形物を、PVAの離液作用を有する化合物を
含有する液体に接触させる。接触時間は、10分以上、
好ましくは30分以上がよい。PVAの離液作用を有す
る化合物としては、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウ
ム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、クエン酸ナトリ
ウム、クエン酸アンモニウム、クエン酸カリウム、クエ
ン酸マグネシウム、クエン酸アルミニウム、酒石酸ナト
リウム、酒石酸アンモニウム、酒石酸カリウム、酒石酸
マグネシウム、酒石酸アルミニウム等の化合物のうちの
少なくとも1種を含有する液体が挙げられるが、硫酸ナ
トリウム水溶液が好ましい。濃度は100g/リットル
以上が好ましく、飽和水溶液が特に好ましい。
【0007】このようにして得られた微生物包括固定化
PVA含水ゲル成形物をアセタール化、アミノ化、スル
フォン化またはアセチル化によりPVAを後変性処理す
ることにより、本発明の微生物包括固定化含水ゲル成形
物が得られる。本発明におけるPVAの含水ゲル成形物
のアセタール処理は、好ましくは、酸の存在下で、PV
A含水ゲル成形物をアルデヒド化合物と反応させること
により得られる。アルデヒド化合物としては、一般的な
ホルムアルデヒドのほかに、ベンズアルデヒド、グリオ
キザール、スクシンアルデヒド、マロンジアルデヒド、
グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、アジピン
ジアルデヒドなどの各種のジアルデヒド類またはそのア
セタール化物を用いることができるが、これらのアルデ
ヒド化合物のなかでも、ホルムアルデヒド、グリオキザ
ール、マロンジアルデヒドまたはそのアセタール化物、
グルタルアルデヒドが好ましい。酸としては、硫酸、塩
酸、硝酸などの強酸、酢酸、ギ酸、リン酸、シュウ酸な
どの弱酸を用いることができるが、これらのなかでも強
酸である塩酸または硫酸が好ましい。アセタール化の度
合(アセタール化度)は、アルデヒド化合物、酸の濃
度、反応時間および温度によってコントロールすること
ができる。酸およびアルデヒド存在下では、含水ゲル成
形物が膨潤することがあるために膨潤抑制剤として、反
応液に硫酸ナトリウムを加えても良い。反応液のアルデ
ヒド濃度は1g/リットル以上、酸を用いる場合の酸濃
度は5〜100g/リットル、反応温度10〜60℃が
好ましい。硫酸ナトリウムを用いる場合の硫酸ナトリウ
ム濃度は10〜300g/リットルが好ましく、15〜
200g/リットルが特に好ましい。アセタール化度と
しては、2〜50モル%、より好ましく5〜30モル%
である。アセタール化処理はPVA成形物をゲル化させ
た後、固液反応により行う。アセタール化処理して得ら
れた含水ゲル成形物は、充分水洗した後、バイオリアク
ター担体等に用いることができる。本発明の含水ゲル成
形物の形状については特に制限はなく、球状、繊維状、
棒状、角型状、楕円状、円盤状、円筒状、円柱状などの
あらゆる形状が可能である。これらの形状のなかでも球
状が好ましい。バイオリアクター担体に使用する場合に
は、流動性、充填効果および取扱性の点から、球状が好
ましい場合が多い。
【0008】本発明におけるPVAの含水ゲル成形物の
アセチル化処理は、無水酢酸1部とピリジン2部の混合
溶液を用いPVAゲル中のPVAの50倍量を用い、液
温度40〜60℃で10〜60分反応した。反応後水で
十分水洗し部分アセチル化を得た。アセチル化度は乾燥
サンプルを0.1g精秤し、エタノ−ルと水の8/2の
混合溶液に溶解し、80%のエタノ−ルを含む0.1N
KOHを20ml加える。さらに所定量の塩酸を過剰に
添加し、ブロモチモルブル−とフェノ−ルレッド混合溶
液を指示薬として逆滴定からアセチル基の量を求める。
本発明におけるPVAの含水ゲル成形物のスルフォン化
処理は、0.1〜1Nのスルフォン酸液に30〜50℃
の液温で、10〜120分浸漬する事により反応させ、
十分水洗し、部分スルフォン化PVAを得る事が出来
る。アミノ化は酸性条件で4級アンモニウム塩と反応す
ることにより得る事が出来る。以上の様にして、PVA
を後変性する事が可能である。球状の含水ゲル成形物の
製造方法については以下の方法が挙げられる。 (1)微生物とPVA混合溶液に少なくとも1種のカチ
オンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性高分子
多糖類の混合水溶液に加えた後、管状の口金から滴下さ
せるか、または噴霧口金から噴霧させることによって液
滴を形成させ、これをカチオン含有化合物を含有する水
溶液に接触させる。 (2)微生物とPVA混合溶液を水素イオン指数を8以
上に調節した後、管状の口金から滴下させるか、または
噴霧口金から噴霧させることによって液滴を形成させ、
これをホウ酸系化合物を含む液体と接触させる。球状の
直径は口金の直径、噴霧圧力、PVA溶液の粘度を調整
することによって、直径1〜20mmの範囲で任意に変
えられるが、直径2〜10mmがより好ましい。PVA
溶液に接触させる液体は静置でもよいが、スターラー等
で強制撹拌することによって、成形されたPVAとの反
応が促進されるとともに、球状成形物どうしの膠着を防
止できる。実用上、多量のPVA含水ゲルを製造する場
合には、PVA水溶液を滴下させるための押し出しにポ
ンプ等を用いることにより球状成形物の直径を揃えるこ
とができる。例えば、フレキシブルなチューブを圧縮し
て送液するローラーポンプを用いることにより、口金か
らの吐出量が一定となり、均一な球状成形物が得られや
すい。
【0009】このようにして得られた微生物包括固定化
したアセタール化PVAなどの後変性PVAからなる含
水ゲルは、各種の形式の反応槽において、長期間にわた
って変形や損壊をしない強度を有し、PVAの水への溶
出も抑制され、PVA分解性の微生物に対しても耐久性
を向上させ、各種薬液に対しても侵されることなく、連
続運転が可能となることから、生体触媒固定化成形物と
しての実用性が高い。
【0010】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。
【0011】実施例1 (株)クラレ製のPVA(平均重合度4100、けん化
度99.85モル%)を40℃の温水で約1時間洗浄
後、PVA濃度16wt%になるようにPVAに水を加
えて全量を200gにした。これをオートクレーブを用
いて、120℃で30分PVAを溶解した。その後室温
まで放冷した。このPVA水溶液に、2wt%アルギン
酸ナトリウム水溶液200gおよび活性汚泥菌(クラレ
岡山工場排水処理場のMLSS20000mg/l)を
400gを加えて混合し、充分に撹拌した。これらの混
合液を先端に内径0.8mmの注射針を取り付けた内径
2mmφのビニル管1本を使用したローラーポンプで、
1ml/分で送液し、スターラーで撹拌した0.5/モ
ル/リットルの塩化カルシウム(CaCl2 )水溶液の
表面5cmの高さより滴下した。滴下した液滴はCaC
2 水溶液中で直ちに球状化して沈降した。これらの球
状化した成形物をCaCl2 水溶液から分離し、蒸留水
で軽く洗浄した後、ホルムアルデヒド(HCHO)30
g/l,硫酸(H2 SO4 )10g/l(pH=1.
3),および芒硝(Na2 SO4 )50g/lとなるよ
うに調製した50℃の水溶液に30分間浸漬した後、水
道水で水洗し、硫酸等を除去することにより、不透明な
白色の弾性に富んだ粘着性のない直径3.8mmの球状
の含水ゲルが得られた。このゲルのアセタール化度は
7.8モル%であった。得られたアセタール化された含
水ゲルのPVAの水中への溶出量は以下の方法により測
定した。分光光度計を用いて各種濃度のPVA水溶液に
発色試薬(硼酸とヨウ素の混合液)を添加し、比色定量
法によりPVAの検量線を作成した。PVAゲル50g
を精秤し、水を加えて550gとし、30℃で24時間
スターラー攪拌後、水溶液を採取し、上記の比色定量法
により、PVA濃度を測定し、該PVA濃度から含水ゲ
ルのPVAの水中への溶出量(mg/g(ゲル))を計
算した。含水ゲルのPVAの水中への溶出量はPVA含
水ゲル1gあたり0.5mgであり、1ケ月撹拌後の溶
出量は1.05mgであり、アセタール化されたPVA
の溶出量は非常に少なかった。アセタール化されたPV
Aゲルは直ちに15000回転のホモジナイザ−で粉砕
し寒天培地で2日間培養し生菌数を測定した2.4×1
5 個/(PVAゲル1g)だった。更にTOC消費速
度を次の条件で測定した。まづ、予備培養処理として菌
固定変性PVAゲル充填率10(vol/vol) %としサンプ
ル量10mlを精秤し、下記の培地90mlに入れ30
℃で、3時間予備振盪する。その後ゲルと液を分離し、
培地のPVA溶出量とTOCを測定し、これを出発点の
PVA量とTOCとする。この時の(TOC−PVA溶
出量)をとし、さらに次に引き続き30℃で24時間
振盪培養を行い、培地のPVA溶出量とTOCを測定す
る。この時の(TOC−PVA溶出量)をとした。T
OCの測定は全有機体炭素計(島津製作所株式会社製T
OC5000)を用いた。PVA溶出量は硼酸とヨウ素
の混合溶液を用いあらかじめ作成した検量線を用い比色
定量分析法により行った。TOC除去速度は−の値
を24時間(hr)及びサンプル量(l)で除した値と
した。培地は以下の人工排水を用いた。 肉エキス 120mg/l ペプトン180Na2 HPO4 ・12H2 O 25.2mg/l CaCl2 ・2H2 O 5.5mg/l MgSO4 ・7H2 O 7.0mg/l KCl 7.0mg/l NaCl 15mg/l NaHCO3 105mg/l 上記の培地のTOCは約150mg/lである。
【0012】この方法でTOC除去速度を測定したとこ
ろ40.2mg−TOC/l−ゲル・hrであった。比
較対照として使用した微生物はクラレ岡山工場の活性汚
泥菌でそのMLSSは12000mg/lでありこのと
きの生菌数は2.2×108 個/cm3 、TOC除去速
度は44.7mg−TOC/l−ゲル・hrであった。
【0013】実施例2 球状に成型したPVAゲルをCaCl2 水溶液から分離
し、蒸留水で軽く洗浄したまでの工程はまったく実施例
1と同様に実施した。その後、−20℃で10時間凍結
後、室温で解凍した。この凍結−解凍の操作を3回くり
返した後、球状成形物を、ホルムアルデヒド(HCH
O)30g/l、硫酸(H2 SO4 )30g/l,とな
るように調製した40℃の水溶液に、PVAゲルの重量
と浴重量の割合は1:100(浴のpH=1.8であっ
た。)とし、30分間浸漬反応した後、水道水で水洗
し、ホルマリンや硫酸等を除去することにより、不透明
な白色の弾性に富んだ粒子同志の粘着性のない直径3、
5mmの球状のアセタ−ル化PVA含水ゲルが得られ
た。このゲルのアセタール化度は21.5モル%であっ
た。このようにして得られた含水ゲルについて以下の方
法により、アセタール化、されたPVAの水中への溶出
量を測定した。ゲルからのPVAの溶出は実施例1とま
ったく同一の方法で行い7日後、1ケ月後の量は夫々
0.8mg/g(ゲル),1.1mg/g(ゲル)であ
りアセタール化されたPVAの溶出量は非常に少なかっ
た。生菌数を測定、TOC除去速度を実施例1とまった
く同じ方法で測定したところ、夫々7.8×104 個/
(PVAゲル1g)、27.3mg−TOC/l−ゲル
・hrであった。
【0014】実施例3 実施例1と同様のPVAを40℃の温水で約1時間洗浄
後、PVA濃度8wt%になるようにPVAに水を加え
て溶解し、実施例1のクラレの活性汚泥菌を添加し、全
量を792gにし、微粉砕した水酸化カルシウム8gを
含む懸濁液を加えた。混合溶液としその液のpHは12
であった。これらの混合液を先端に内径1mmの注射針
を取り付けた内径2mmφのビニル管1本を使用したロ
ーラーポンプで1ml/分で送液し、スターラーで撹拌
し,濃度30g/lのホウ酸水溶液に表面5cmの高さ
より滴下した。滴下した液滴はホウ酸水溶液中で直ちに
球状化した。これらの球状化したPVA混合成形物をホ
ウ酸水溶液と分離し、蒸留水で軽く洗浄した後、ホルム
アルデヒド(HCHO)50g/l、硫酸(H2
4 )80g/l,および芒硝(Na2 SO4 )50g
/lとなるように調製した40℃の水溶液に30分間浸
漬した後、水道水で水洗し、硫酸等を除去することによ
り、不透明な白色の弾性に富んだ、粘着性のない直径
3.8mmの球状の含水ゲルが得られた。このゲルのア
セタール化度は10.3モル%だった。このようにして
得られた含水ゲルについて、アセタール化されたPVA
の水中への溶出量を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、7日間撹拌後,及び1ケ月撹拌後の溶出量は夫々
0.3mg/g(ゲル),0.6mg/g(ゲル)であ
った。アセタール化されたPVAの溶出量は非常に少な
かった。生菌数を測定、TOC除去速度を実施例1とま
ったく同じ方法で測定したところ、夫々7.8×104
個/(PVAゲル1g)、25.5mg−TOC/l−
ゲル・hrであった。
【0015】実施例4 実施例1において用いたホルムアルデヒド30g/lに
代えて、グルタルアルデヒド5g/リットルにしたほか
は、実施例1と同一にして調製した40℃の水溶液に、
30分間浸漬グルタルアルデヒド化した後、水道水で水
洗し、不透明な白色の弾性に富んだ粘着性のない直径
3.5mmの球状の含水ゲルが得た。このゲルのアセタ
ール化度は6.5モル%であった。このようにして得ら
れた含水ゲルについて、アセタール化されたPVAの水
中への溶出量を実施例1と同様にして測定したところ、
7日間撹拌後,1ケ月間撹拌後の場合ともに、グルタル
化されたPVAの溶出量は0.4mg/g(ゲル),
0.9mg/g(ゲル)でPVAの溶出量は少なかっ
た。生菌数を測定、TOC消費速度を実施例1とまった
く同じ方法で測定したところ、夫々7.8×104 個/
(PVAゲル1g)、28.2mg−TOC/l−ゲル
・hrであった。
【0016】比較例1 球状に成型したPVAゲルをCaCl2 水溶液から分離
し、蒸留水で軽く洗浄した間での工程はまったく実施例
1と同様に実施した。この球状PVAゲルは固く、強か
ったのでそのままPVAの水中への溶出量を実施例1と
同様にして測定したところ、7日間撹拌後は15mg/
g(ゲル)と多く,1ケ月間撹拌後の場合はほとんどP
VAゲルが溶解してしまい、発泡していた。PVAの耐
水性は認められなかった。生菌数を測定、TOC除去速
度を実施例1とまったく同じ方法で測定したところ、夫
々5.2×104 個/(PVAゲル1g)、39.7m
g−TOC/l−ゲル・hrであった。微生物への損傷
は少なかった。
【0017】比較例2 球状に成型したPVAゲルをCaCl2 水溶液から分離
し、蒸留水で軽く洗浄したまでの工程はまったく実施例
1と同様に実施した。その後、−20℃で10時間凍結
後、室温で解凍した。この凍結−解凍の操作を3回くり
返した後、球状成形物を、ホルムアルデヒド(HCH
O)32g/l、硫酸(H2 SO4 )300g/l,お
よび芒硝(Na2 SO4 )150g/lとなるように調
製した40℃の水溶液に、PVAゲルの重量と浴重量の
割合は1:100(浴のpH=2.0であった。)と
し、40分間浸漬反応した後、水道水で水洗し、ホルマ
リンや硫酸等を除去することにより、不透明な白色の固
く弾性に富んだ粒子同志の粘着性のない直径3、5mm
の球状のアセタール化PVA含水ゲルが得られた。この
ゲルのアセタール化度は52.0モル%であった。得ら
れた含水ゲルの水中への溶出量を実施例1とまったく同
一の方法で測定し、7日後、1ケ月後の量は夫々0.2
mg/g(ゲル),0.3mg/g(ゲル)でありアセ
タール化されたPVAの溶出量は非常に少なかった。生
菌数を測定、TOC除去速度を実施例1とまったく同じ
方法で測定したところ、生菌数は検出されず、TOC除
去速度もブランクと同一で0であった。
【0018】
【発明の効果】上記の実施例でも明らかなとおり、本発
明によるポリビニルアセタールからなる含水ゲル成形物
は、強度が高く、耐水性に優れており、バイオリアクタ
ー、排水処理の担体、保水材、保冷材などに有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝辺 昭雄 岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社ク ラレ内 (72)発明者 辻 正男 倉敷市酒津2045−1 株式会社クラレ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料であるポリビニルアルコ−ルの水酸
    基の2〜50モル%を後変性したポリビニルアルコ−ル
    からなる微生物包括固定化含水ゲル成形物。
  2. 【請求項2】 後変性がアセタ−ル化、アミノ化、スル
    フォン化またはアセチル化である請求項1記載の微生物
    包括固定化含水ゲル成形物。
  3. 【請求項3】 微生物含有ポリビニルアルコール溶液を
    成形後、アセタ−ル化することを特徴とする請求項1記
    載の微生物包括固定化含水ゲル成形物の製造方法。
  4. 【請求項4】 微生物含有ポリビニルアルコール溶液を
    成形後、以下の反応条件によりアセタ−ル化処理するこ
    とを特徴とする請求項3記載の微生物包括固定化含水ゲ
    ル成形物の製造方法。 (反応条件) アルデヒド含有化合物: 1g/リッ
    トル以上 酸 : 5〜100g/リットル 反応温度 : 10〜60℃
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