JP3109933B2 - 脱臭用および排水処理用の触媒 - Google Patents
脱臭用および排水処理用の触媒Info
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- JP3109933B2 JP3109933B2 JP05002503A JP250393A JP3109933B2 JP 3109933 B2 JP3109933 B2 JP 3109933B2 JP 05002503 A JP05002503 A JP 05002503A JP 250393 A JP250393 A JP 250393A JP 3109933 B2 JP3109933 B2 JP 3109933B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- calcium
- pva
- gel
- activity
- wastewater treatment
- Prior art date
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- Expired - Fee Related
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- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
- Colloid Chemistry (AREA)
- Catalysts (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゲル成形物に関する。さ
らに詳しくは、本発明は微生物反応による脱臭および排
水処理などに用いられる微生物用の担体として好適なゲ
ル成形物に関する。
らに詳しくは、本発明は微生物反応による脱臭および排
水処理などに用いられる微生物用の担体として好適なゲ
ル成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物反応による脱臭および排水処理な
どに用いる微生物用の担体として、セラミックス、プラ
スチック、高分子ゲルなどが用いられている。高分子ゲ
ルは微生物の棲息性が良好なうえ、水の比重に近いた
め、特に流動床での利用に有利である。高分子ゲルの例
としてはアルギン酸塩、カラギーナン、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルアルコール、光硬化性樹脂等がある。
このうち、ポリビニルアルコール(以下PVAと略記す
る)含水ゲルは、含水率が高く、酸素・基質の透過性に
優れ、生体との親和性が高く、高分子含水ゲルの中でも
特に優れており、PVAゲルを担体として使用した例や
微生物を包括固定して使用した例(特開昭64−431
88号)が知られている。
どに用いる微生物用の担体として、セラミックス、プラ
スチック、高分子ゲルなどが用いられている。高分子ゲ
ルは微生物の棲息性が良好なうえ、水の比重に近いた
め、特に流動床での利用に有利である。高分子ゲルの例
としてはアルギン酸塩、カラギーナン、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルアルコール、光硬化性樹脂等がある。
このうち、ポリビニルアルコール(以下PVAと略記す
る)含水ゲルは、含水率が高く、酸素・基質の透過性に
優れ、生体との親和性が高く、高分子含水ゲルの中でも
特に優れており、PVAゲルを担体として使用した例や
微生物を包括固定して使用した例(特開昭64−431
88号)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のPVAゲルは、
微生物を担持させた場合にその活性が経時的に低下する
という問題があった。本発明の目的は、その活性が長期
間にわたって良好であるPVAゲル成形物に微生物を担
持させた脱臭用および排水処理用の触媒を提供すること
にある。
微生物を担持させた場合にその活性が経時的に低下する
という問題があった。本発明の目的は、その活性が長期
間にわたって良好であるPVAゲル成形物に微生物を担
持させた脱臭用および排水処理用の触媒を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らが鋭意検討した結果、特定のカルシウム化
合物およびPVAからなるゲル成形物を見出し、本発明
を完成させるに至った。本発明のゲル成形物は、微生物
の棲息性に優れ、その活性が長期間にわたって低下しな
いことから、非常に優れている。
に本発明者らが鋭意検討した結果、特定のカルシウム化
合物およびPVAからなるゲル成形物を見出し、本発明
を完成させるに至った。本発明のゲル成形物は、微生物
の棲息性に優れ、その活性が長期間にわたって低下しな
いことから、非常に優れている。
【0005】以下、本発明のゲル成形物についてより詳
細に説明する。まず、本発明に使用する成分について説
明する。本発明に使用するPVAの平均重合度は100
0以上が好ましく、1700以上がより好ましい。PV
Aのケン化度は98.5モル%以上が好ましく、99.
85モル%以上の完全ケン化PVAがゲルの形成上の点
からより好ましい。本発明のPVAとしては、本発明の
効果を阻害しない範囲において、公知の種々の変性PV
Aを用いることができる。
細に説明する。まず、本発明に使用する成分について説
明する。本発明に使用するPVAの平均重合度は100
0以上が好ましく、1700以上がより好ましい。PV
Aのケン化度は98.5モル%以上が好ましく、99.
85モル%以上の完全ケン化PVAがゲルの形成上の点
からより好ましい。本発明のPVAとしては、本発明の
効果を阻害しない範囲において、公知の種々の変性PV
Aを用いることができる。
【0006】本発明においてカルシウム化合物として
は、水中においてpH8〜13を呈するものが好まし
く、pH10〜13を呈するものがより好ましい。具体
的には、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カル
シウム、フッ化カルシウム、リン酸水素カルシウム、次
亜リン酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、リン酸三カ
ルシウム、ケイ酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの
アルカリ性無機化合物が好適なものとして挙げられる。
また、これらのカルシウム化合物を含むものとして、汚
泥焼却灰、セメント、黒曜石および石灰石などが好適な
ものとして挙げられる。
は、水中においてpH8〜13を呈するものが好まし
く、pH10〜13を呈するものがより好ましい。具体
的には、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カル
シウム、フッ化カルシウム、リン酸水素カルシウム、次
亜リン酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、リン酸三カ
ルシウム、ケイ酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの
アルカリ性無機化合物が好適なものとして挙げられる。
また、これらのカルシウム化合物を含むものとして、汚
泥焼却灰、セメント、黒曜石および石灰石などが好適な
ものとして挙げられる。
【0007】本発明のゲル成形物におけるPVA(A)
と水に難溶性のカルシウム化合物(B)との配合割合
は、特に制限はないが、(A)/(B)=10/90〜
95/5が好ましく、(A)/(B)=20/80〜9
0/10がより好ましい。本発明のゲル成形物の含水率
としては、ゲル全体に対して50〜99重量%が好まし
く、70〜80重量%がより好ましい。本発明のゲル成
形物の形状については特に制限はなく、球状、繊維状、
棒状、角型状、楕円状、円盤状、円筒状、円柱状などの
あらゆる形状が可能であるが、取り扱い性の点から、ゲ
ル成形物の形状は球状が好ましい。本発明のゲル成形物
の大きさについては特に制限はなく使用目的により適宜
選定される。
と水に難溶性のカルシウム化合物(B)との配合割合
は、特に制限はないが、(A)/(B)=10/90〜
95/5が好ましく、(A)/(B)=20/80〜9
0/10がより好ましい。本発明のゲル成形物の含水率
としては、ゲル全体に対して50〜99重量%が好まし
く、70〜80重量%がより好ましい。本発明のゲル成
形物の形状については特に制限はなく、球状、繊維状、
棒状、角型状、楕円状、円盤状、円筒状、円柱状などの
あらゆる形状が可能であるが、取り扱い性の点から、ゲ
ル成形物の形状は球状が好ましい。本発明のゲル成形物
の大きさについては特に制限はなく使用目的により適宜
選定される。
【0008】本発明のゲル成形物は、PVA水溶液およ
びカルシウム化合物の混合液をゲル化させることによっ
て得られる。PVA水溶液の濃度は成形性およびゲル強
度の点から0.3〜40重量%が好ましい。PVAのゲル
化方法としては特に制限はないが、以下の方法が好まし
い。 (1) PVA水溶液および特定のアルカリ性カルシウ
ム化合物の混合液をホウ酸イオンを含有する水溶液と接
触させる。ホウ酸イオンを含有する水溶液としては、ホ
ウ酸あるいはホウ酸ナトリウムのようなホウ酸塩が挙げ
られる。ホウ酸濃度は1g/リットル以上が好ましく、
飽和溶液でも差し支えない。また、水溶液のpHを調節
してもよい。 (2) −5 ℃以下、好ましくは−10℃以下で凍結
し、これを解凍する操作を少なくとも1回以上、好まし
くは2回以上行なう。 (3) PVA水溶液および特定のアルカリ性カルシウ
ム化合物の混合液を、PVAの離液作用のある化合物を
含有する液体に接触させる。PVAの離液作用のある化
合物としては、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫
酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、ク
エン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、クエン酸カ
リウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸アルミニウ
ム、酒石酸ナトリウム、酒石酸アンモニウム、酒石酸カ
リウム、酒石酸マグネシウム、酒石酸アルミニウム等の
化合物のうち少なくとも1種を含有する液体が挙げられ
るが、とりわけ硫酸ナトリウム水溶液が好ましい。濃度
は100g/リットル以上が好ましく、特に飽和水溶液
が好ましい。また、(1)〜(3)の方法を2つ以上併
用してもよい。
びカルシウム化合物の混合液をゲル化させることによっ
て得られる。PVA水溶液の濃度は成形性およびゲル強
度の点から0.3〜40重量%が好ましい。PVAのゲル
化方法としては特に制限はないが、以下の方法が好まし
い。 (1) PVA水溶液および特定のアルカリ性カルシウ
ム化合物の混合液をホウ酸イオンを含有する水溶液と接
触させる。ホウ酸イオンを含有する水溶液としては、ホ
ウ酸あるいはホウ酸ナトリウムのようなホウ酸塩が挙げ
られる。ホウ酸濃度は1g/リットル以上が好ましく、
飽和溶液でも差し支えない。また、水溶液のpHを調節
してもよい。 (2) −5 ℃以下、好ましくは−10℃以下で凍結
し、これを解凍する操作を少なくとも1回以上、好まし
くは2回以上行なう。 (3) PVA水溶液および特定のアルカリ性カルシウ
ム化合物の混合液を、PVAの離液作用のある化合物を
含有する液体に接触させる。PVAの離液作用のある化
合物としては、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫
酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、ク
エン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、クエン酸カ
リウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸アルミニウ
ム、酒石酸ナトリウム、酒石酸アンモニウム、酒石酸カ
リウム、酒石酸マグネシウム、酒石酸アルミニウム等の
化合物のうち少なくとも1種を含有する液体が挙げられ
るが、とりわけ硫酸ナトリウム水溶液が好ましい。濃度
は100g/リットル以上が好ましく、特に飽和水溶液
が好ましい。また、(1)〜(3)の方法を2つ以上併
用してもよい。
【0009】従来の微生物用の担体の場合には、硫黄細
菌はH2を酸化してH2SO4を生成し、硝化菌はNH3を
酸化してHNO3を生成するので、担体近傍は酸性とな
り、微生物の棲息性が低下し、その活性も著しく低下し
てしまう。それに対して、本発明のゲル成形物は、脱臭
や排水処理における有用な微生物たとえば硫黄細菌や硝
化菌の棲息しやすい担体である。本発明のゲル成形物
は、水に難溶性のカルシウム化合物が存在するために、
そのアルカリ徐放性により担体近傍が酸性に偏ることな
く、常に高い微生物棲息性と、活性を維持することがで
きるものと推定している。したがって本発明のゲル成形
物は脱臭用の触媒および排水処理用の触媒として有用で
ある。
菌はH2を酸化してH2SO4を生成し、硝化菌はNH3を
酸化してHNO3を生成するので、担体近傍は酸性とな
り、微生物の棲息性が低下し、その活性も著しく低下し
てしまう。それに対して、本発明のゲル成形物は、脱臭
や排水処理における有用な微生物たとえば硫黄細菌や硝
化菌の棲息しやすい担体である。本発明のゲル成形物
は、水に難溶性のカルシウム化合物が存在するために、
そのアルカリ徐放性により担体近傍が酸性に偏ることな
く、常に高い微生物棲息性と、活性を維持することがで
きるものと推定している。したがって本発明のゲル成形
物は脱臭用の触媒および排水処理用の触媒として有用で
ある。
【0010】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。 実施例1 (株)クラレ製のPVA(平均重合度4100、ケン化
度99.85モル%)を40℃の温水で約1時間洗浄
後、PVA濃度5重量%になるようにPVAに水を加え
全量を792gにし、酸化カルシウム8gを加えた。p
Hは12であった。これを攪拌しながら110℃、2時
間処理し、PVAを溶解した。これらの混合液を厚さが
約3mmとなるように平板上に流延し、−20℃で凍結
し、室温で解凍した。これを約3mmのサイコロ状に切
断し、ゲル状担体を得た。このゲル状担体を用いて脱臭
試験を行なった。円筒型の反応槽に400gのゲル状担
体を充填し、H2S10ppm、NH310ppmを含む
空気を10ミリリットル/分で導入した。また充填層の
保湿のために適宜散水した。反応槽を通過した空気をガ
スクロマトグラフで分析した。図1および図2に示すよ
うに、約10日で活性が発現し、その後2か月間、高い
活性を保っていた。また、排水処理試験も実施した。1
リットルの曝気槽に200gのゲルを投入し、アンモニ
ア性窒素濃度10ppmの水を125ミリリットル/時
で流入させた。処理水のアンモニア性窒素濃度を測定し
たところ、図3に示すように約15日で活性が発現し、
その後2か月間、高い活性を保っていた。
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。 実施例1 (株)クラレ製のPVA(平均重合度4100、ケン化
度99.85モル%)を40℃の温水で約1時間洗浄
後、PVA濃度5重量%になるようにPVAに水を加え
全量を792gにし、酸化カルシウム8gを加えた。p
Hは12であった。これを攪拌しながら110℃、2時
間処理し、PVAを溶解した。これらの混合液を厚さが
約3mmとなるように平板上に流延し、−20℃で凍結
し、室温で解凍した。これを約3mmのサイコロ状に切
断し、ゲル状担体を得た。このゲル状担体を用いて脱臭
試験を行なった。円筒型の反応槽に400gのゲル状担
体を充填し、H2S10ppm、NH310ppmを含む
空気を10ミリリットル/分で導入した。また充填層の
保湿のために適宜散水した。反応槽を通過した空気をガ
スクロマトグラフで分析した。図1および図2に示すよ
うに、約10日で活性が発現し、その後2か月間、高い
活性を保っていた。また、排水処理試験も実施した。1
リットルの曝気槽に200gのゲルを投入し、アンモニ
ア性窒素濃度10ppmの水を125ミリリットル/時
で流入させた。処理水のアンモニア性窒素濃度を測定し
たところ、図3に示すように約15日で活性が発現し、
その後2か月間、高い活性を保っていた。
【0011】比較例1 実施例1と同様のPVAを40℃の温水で約1時間洗浄
後、PVA濃度5重量%になるようにPVAに水を加え
全量を800gにした。水酸化カルシウムは加えなかっ
た。pHは7であった。これを攪拌しながら、110
℃、2時間処理し、PVAを溶解した。これらの混合液
を厚さが約3mmとなるように平板上に流延し、−20
℃で凍結し、室温で解凍した。これを約3mmのサイコ
ロ状に切断し、ゲル状担体を得た。このゲル状担体を用
いて、実施例1と同様の脱臭試験を行なった。図1およ
び図2に示すように、約20日で活性が発現したが、ま
もなく活性が低下した。また、実施例1と同様の排水処
理試験も実施した。図3に示すように約30日で活性が
発現したが、まもなく活性が低下した。
後、PVA濃度5重量%になるようにPVAに水を加え
全量を800gにした。水酸化カルシウムは加えなかっ
た。pHは7であった。これを攪拌しながら、110
℃、2時間処理し、PVAを溶解した。これらの混合液
を厚さが約3mmとなるように平板上に流延し、−20
℃で凍結し、室温で解凍した。これを約3mmのサイコ
ロ状に切断し、ゲル状担体を得た。このゲル状担体を用
いて、実施例1と同様の脱臭試験を行なった。図1およ
び図2に示すように、約20日で活性が発現したが、ま
もなく活性が低下した。また、実施例1と同様の排水処
理試験も実施した。図3に示すように約30日で活性が
発現したが、まもなく活性が低下した。
【0012】比較例2 実施例1と同様のPVAを40℃の温水で約1時間洗浄
後、PVA濃度10重量%になるようにPVAに水を加
え全量を400gにし、水酸化カルシウムは加えなかっ
た。pHは7であった。これを攪拌しながら110℃、
2時間処理し、PVAを溶解した。温度が30℃に下が
ったのちに、硫黄細菌および硝化菌を含む菌液400g
を混合し十分に攪拌した。これを厚さが約3mmとなる
ように平板上に流延し、−20℃で凍結し、室温で解凍
した。これを約3mmのサイコロ状に切断し、ゲル状担
体を得た。このゲル状担体を用いて、実施例1と同様の
脱臭試験を行なった。図1および図2に示すように、微
生物を包括固定しているため初期から活性が発現した
が、まもなく活性が低下した。また、実施例1と同様の
排水処理試験も実施した。図3に示すように、微生物を
包括固定しているため初期から活性が発現したが、まも
なく活性が低下した。
後、PVA濃度10重量%になるようにPVAに水を加
え全量を400gにし、水酸化カルシウムは加えなかっ
た。pHは7であった。これを攪拌しながら110℃、
2時間処理し、PVAを溶解した。温度が30℃に下が
ったのちに、硫黄細菌および硝化菌を含む菌液400g
を混合し十分に攪拌した。これを厚さが約3mmとなる
ように平板上に流延し、−20℃で凍結し、室温で解凍
した。これを約3mmのサイコロ状に切断し、ゲル状担
体を得た。このゲル状担体を用いて、実施例1と同様の
脱臭試験を行なった。図1および図2に示すように、微
生物を包括固定しているため初期から活性が発現した
が、まもなく活性が低下した。また、実施例1と同様の
排水処理試験も実施した。図3に示すように、微生物を
包括固定しているため初期から活性が発現したが、まも
なく活性が低下した。
【0013】実施例2 実施例1と同様のPVAを40℃の温水で約1時間洗浄
後、PVA濃度5重量%になるようにPVAに水を加え
全量を792gにし、水酸化カルシウム8gを加えた。
pHは12であった。これを攪拌しながら110℃、2
時間処理し、PVAを溶解した。これらの混合液を先端
に内径1mmの注射針を取り付けた内径2mmφのビニ
ル管1本を使用したローラーポンプで1ミリリットル/
分で送液し、スターラーで攪拌した30g/リットルの
ホウ酸水溶液に、水表面5cmの高さより滴下した。滴
下した液滴はホウ酸水溶液中で直ちに球状化した。これ
らの球状化した成形物を全量ホウ酸水溶液と分離し、蒸
留水で軽く洗浄した後、−20℃で凍結し、室温で解凍
することにより、不透明な白色の柔軟性に富んだ球状の
ゲルが得られた。粒径は3〜3.5mmφであった。こ
の球状のゲルを用いて、実施例1と同様の脱臭試験を行
なったところ、約10日で活性が発現し、その後2か月
間、高い活性を保っていた。H2S濃度およびNH3濃度
の経時変化は実施例1と同一であった。また、実施例1
と同様の排水処理試験を実施したところ、約15日で活
性が発現し、その後2か月間、高い活性を保っていた。
アンモニア性窒素濃度の経時変化は実施例1と同一であ
った。
後、PVA濃度5重量%になるようにPVAに水を加え
全量を792gにし、水酸化カルシウム8gを加えた。
pHは12であった。これを攪拌しながら110℃、2
時間処理し、PVAを溶解した。これらの混合液を先端
に内径1mmの注射針を取り付けた内径2mmφのビニ
ル管1本を使用したローラーポンプで1ミリリットル/
分で送液し、スターラーで攪拌した30g/リットルの
ホウ酸水溶液に、水表面5cmの高さより滴下した。滴
下した液滴はホウ酸水溶液中で直ちに球状化した。これ
らの球状化した成形物を全量ホウ酸水溶液と分離し、蒸
留水で軽く洗浄した後、−20℃で凍結し、室温で解凍
することにより、不透明な白色の柔軟性に富んだ球状の
ゲルが得られた。粒径は3〜3.5mmφであった。こ
の球状のゲルを用いて、実施例1と同様の脱臭試験を行
なったところ、約10日で活性が発現し、その後2か月
間、高い活性を保っていた。H2S濃度およびNH3濃度
の経時変化は実施例1と同一であった。また、実施例1
と同様の排水処理試験を実施したところ、約15日で活
性が発現し、その後2か月間、高い活性を保っていた。
アンモニア性窒素濃度の経時変化は実施例1と同一であ
った。
【0014】実施例3 実施例1と同様のPVAを40℃の温水で約1時間洗浄
後、PVA濃度5重量%になるようにPVAに水を加え
全量を792gにし、水酸化カルシウム8gを加えた。
pHは12であった。これを攪拌しながら110℃、2
時間処理し、PVAを溶解した。これらの混合液を先端
に内径1mmの注射針を取り付けた内径2mmφのビニ
ル管1本を使用したローラーポンプで1ミリリットル/
分で送液し、スターラーで攪拌した飽和Na2SO4水溶
液に滴下した。滴下した液滴は不定形に凝固した。凝固
した成形物を、そのまま、飽和Na2SO4水溶液に90
分間浸漬することにより、不透明な白色の柔軟性に富ん
だ不定形のゲルが得られた。このゲルを用いて、実施例
1と同様の脱臭試験を行なったところ、約10日で活性
が発現し、その後2か月間、高い活性を保っていた。H
2S濃度およびNH3濃度の経時変化は実施例1と同一で
あった。また、実施例1と同様の排水処理試験を実施し
たところ、約15日で活性が発現し、その後2か月間、
高い活性を保っていた。アンモニア性窒素濃度の経時変
化は実施例1と同一であった。
後、PVA濃度5重量%になるようにPVAに水を加え
全量を792gにし、水酸化カルシウム8gを加えた。
pHは12であった。これを攪拌しながら110℃、2
時間処理し、PVAを溶解した。これらの混合液を先端
に内径1mmの注射針を取り付けた内径2mmφのビニ
ル管1本を使用したローラーポンプで1ミリリットル/
分で送液し、スターラーで攪拌した飽和Na2SO4水溶
液に滴下した。滴下した液滴は不定形に凝固した。凝固
した成形物を、そのまま、飽和Na2SO4水溶液に90
分間浸漬することにより、不透明な白色の柔軟性に富ん
だ不定形のゲルが得られた。このゲルを用いて、実施例
1と同様の脱臭試験を行なったところ、約10日で活性
が発現し、その後2か月間、高い活性を保っていた。H
2S濃度およびNH3濃度の経時変化は実施例1と同一で
あった。また、実施例1と同様の排水処理試験を実施し
たところ、約15日で活性が発現し、その後2か月間、
高い活性を保っていた。アンモニア性窒素濃度の経時変
化は実施例1と同一であった。
【0015】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなとおり、特定
のカルシウム化合物を含むPVAゲルは、微生物用の担
体として優れており、脱臭用の担体および排水処理用の
担体として高い活性を維持することができる。
のカルシウム化合物を含むPVAゲルは、微生物用の担
体として優れており、脱臭用の担体および排水処理用の
担体として高い活性を維持することができる。
【図1】H2濃度の経過を示す。
【図2】NH3濃度の経過を示す。
【図3】アンモニア性窒素濃度の経過を示す。
図1〜3における記号の意味は以下のとおりである。 ○ 実施例1 △ 比較例1 □ 比較例2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 11/08 C12N 11/08 B (72)発明者 岡崎 正樹 東京都中央区日本橋3丁目8番2号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 長田 司郎 大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 株式会社クラレ内 (72)発明者 野木 一男 神奈川県横浜市磯子区滝頭1−2−15 横浜市環境科学研究所内 (72)発明者 下村 光一郎 神奈川県横浜市磯子区滝頭1−2−15 横浜市環境科学研究所内 (56)参考文献 特開 平1−230659(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 29/04 A61L 9/01 - 9/014 B01J 13/00 - 13/22 B01J 31/26 - 31/38 C08K 3/18 - 3/26 C12N 11/08
Claims (2)
- 【請求項1】 酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭
酸カルシウム、フッ化カルシウム、リン酸水素カルシウ
ム、次亜リン酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、リン
酸三カルシウム、ケイ酸カルシウムおよび亜硫酸カルシ
ウムから選ばれるカルシウム化合物、あるいはこれらの
カルシウム化合物を含む汚泥焼却灰、セメント、黒曜石
および石灰石から選ばれる無機化合物ならびにポリビニ
ルアルコールからなるゲル成形物に微生物を担持させた
脱臭用の触媒。 - 【請求項2】 酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭
酸カルシウム、フッ化カルシウム、リン酸水素カルシウ
ム、次亜リン酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、リン
酸三カルシウム、ケイ酸カルシウムおよび亜硫酸カルシ
ウムから選ばれるカルシウム化合物、あるいはこれらの
カルシウム化合物を含む汚泥焼却灰、セメント、黒曜石
および石灰石から選ばれる無機化合物ならびにポリビニ
ルアルコールからなるゲル成形物に微生物を担持させた
排水処理用の触媒。
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JP05002503A JP3109933B2 (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 脱臭用および排水処理用の触媒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05002503A JP3109933B2 (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 脱臭用および排水処理用の触媒 |
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-
1993
- 1993-01-11 JP JP05002503A patent/JP3109933B2/ja not_active Expired - Fee Related
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