JPH09151829A - 燃料デリバリパイプ - Google Patents

燃料デリバリパイプ

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JPH09151829A
JPH09151829A JP7315383A JP31538395A JPH09151829A JP H09151829 A JPH09151829 A JP H09151829A JP 7315383 A JP7315383 A JP 7315383A JP 31538395 A JP31538395 A JP 31538395A JP H09151829 A JPH09151829 A JP H09151829A
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JP
Japan
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fuel
delivery pipe
diaphragm
fuel delivery
housing
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Application number
JP7315383A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Kino
等 木野
Terumitsu Oshima
照光 大島
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性の向上を図り、燃料圧力脈動を一層効果
的に減衰し、コストの低減及び組付作業性の向上の図れ
る燃料デリバリパイプを提供する。 【解決手段】燃料デリバリパイプ11のハウジング12
を各々にフランジ部15,16を有する第1の分割片1
3及び第2の分割片14により構成し、両フランジ部1
5,16間にシール部26を有する端縁部34を挟むよ
うにダイヤフラム19を設け、内部空間を燃料通路21
とガス室22とに仕切る。ダイヤブラム19を主として
変形部31と平行移動部32とから構成する。組付時に
はシール部26の存在により別部材を省略できる。使用
時には、圧力脈動が生じてもダイヤフラム19の変位に
より減衰される。この時、変形部31が応力を受ける
が、ダイヤフラム19は変形部31においてガス室22
側に湾曲変形し、平行移動部32が平板形状を保ち平行
移動して変位するため比較的大きな変位量が確保され、
無理な応力がかからない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば燃料ポンプ
から導入された燃料を複数の燃料噴射弁に分配するため
の燃料デリバリパイプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、多気筒エンジンの燃料供給機構の
一つとして、複数の燃料噴射弁を吸気通路に配置し、各
燃料噴射弁から対応する気筒へ燃料を噴射させるように
したものがある。この機構では、燃料ポンプからの燃料
を各燃料噴射弁に分配するために、通常、燃料デリバリ
パイプが用いられる。例えば、図7に示すように、燃料
デリバリパイプ51のハウジング52には図示しない燃
料通路が貫設されており、その途中の複数箇所には、燃
料噴射弁53を装着するためのソケット部54が形成さ
れている。そして、この燃料デリバリパイプ51が取付
けられたエンジンの作動時には、燃料ポンプからの燃料
はハウジング52の一端から燃料通路へ導入され、同通
路を流れる。この通過の過程で燃料が各燃料噴射弁53
に分配されて、ここからエンジンの各気筒へ噴射され
る。余剰燃料はハウジング52の他端から排出され、リ
ターンパイプ55を介して燃料タンクへ戻される。
【0003】上記従来技術において、燃料デリバリパイ
プ51の下流側には、燃料圧力を略一定に保持するため
のプレッシャレギュレータ56が設けられている。ま
た、燃料デリバリパイプ51の上流側には、燃料の圧力
脈動を減衰させるためのパルセーションダンパ57が設
けられている。
【0004】パルセーションダンパ57は、ダイヤフラ
ム式の圧力弁であり、図8に示すように、移動体58、
ダイヤフラム59等を備えている。そして、このパルセ
ーションダンパ57では、上記プレッシャレギュレータ
56により略一定圧力に調圧された燃料圧力に、燃料噴
射弁53からの燃料噴射により脈動が生じた際、移動体
58及びダイヤフラム59がその圧力脈動に伴って図8
の上下方向に振動することにより、上記圧力脈動を減衰
させている。このように、燃料通路内における圧力脈動
の減衰が図られることにより、空燃比制御の不安定化、
或いは圧力脈動に伴う騒音の発生が未然に防止されてい
る。
【0005】しかし、前記パルセーションダンパ57
は、燃料デリバリパイプ51の一端部、すなわち、圧力
脈動発生源の1つたる燃料噴射弁53から比較的遠い位
置に設けられていた。このため、前記パイプ51に接続
されている燃料噴射弁53の燃料噴射に伴う圧力波を効
果的に減衰させることが困難であった。
【0006】さらに、パルセーションダンパ57は燃料
デリバリパイプ51のハウジング52に対し外方に突出
した状態で設けざるを得なかったため、スペース上著し
い不利を招いていた。その結果、例えば当該パルセーシ
ョンダンパ57の設置場所には別の部材を設置できない
という不具合が生じていた。
【0007】かかる不具合を解消するべく、例えば米国
特許第4649884号においては、図9に示すよう
に、燃料デリバリパイプ61の内部に、圧力脈動減衰機
構を設けるようにしている。すなわち、燃料デリバリパ
イプ61のハウジング62は、第1の分割片63及び第
2の分割片64により構成され、両分割片63,64の
フランジ状の端縁部同士が接合されている。また、これ
ら両端縁部によって、ステンレス鋼製のダイヤフラム6
5が、Oリング66を介して挟持固定されている。この
ダイヤフラム65の存在によって、ハウジング62の内
部空間が、燃料室67と空気室68とに仕切られてい
る。
【0008】かかる技術によれば、密閉された空気室6
8及び変位可能なダイヤフラム65の存在によって、燃
料噴射弁の燃料噴射に伴う圧力波が効果的に減衰され
る。また、このように燃料デリバリパイプ61の内部
に、圧力脈動減衰機構が設けられることとなり、外部に
パルセーションダンパ等を設ける必要がなくなることか
ら、スペース的な不利が解消されうる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、次に記すような問題があった。すなわち、
まず第1に、燃料デリバリパイプ61の内部空間に位置
するダイヤフラム65は、その端縁側部分において最も
変形応力がかかるのであるが、上記従来技術におけるダ
イヤフラム65は単に平板状に形成されているだけであ
ったため、その最も応力がかかる部分において損傷され
やすいという問題があった。
【0010】また、第2に、ダイヤフラム65は平板状
に形成されていることから、変形可能な量(変位量)が
限られていた。このため、比較的大きな圧力脈動が起こ
った場合に、当該圧力脈動を効果的に減衰させることが
困難であった。
【0011】さらに、第3に、上記従来技術では、平板
状のダイヤフラム65の端縁部を強固に固定してシール
性を高めるために、Oリング66等のシール材を別途介
在させる必要があった。そのため、部品点数の増大を招
き、コスト高及び組付作業性の悪化を招来していた。
【0012】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、耐久性の向上を図ると
ともに、燃料圧力脈動をより一層効果的に減衰させるこ
とができ、しかも、部品点数の低減によりコストの低減
及び組付作業性の向上を図ることのできる燃料デリバリ
パイプを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、それぞれがフラ
ンジ部を有する第1の分割片及び第2の分割片よりな
り、両フランジ部同士が相互に合わされた状態で固定さ
れることにより構成され、少なくとも燃料の導入口及
び、燃料噴射弁が取付けられる複数のソケット部を有す
るハウジングと、自身の端縁部が前記フランジ部に挟ま
れるようにして前記第1の分割片及び第2の分割片間に
設けられ、前記ハウジングの内部空間を、前記導入口及
びソケット部に連通する燃料通路、並びに、密閉された
ガス室に仕切るためのダイヤフラムと、を備え、前記燃
料通路内に生じる燃料の圧力脈動を前記ダイヤフラムの
変位によって減衰させるようにした燃料デリバリパイプ
であって、前記ダイヤブラムの端縁部には、前記フラン
ジ部同士が相互に合わされた際に潰れ変形するシール部
を一体的に設けるとともに、前記ダイヤブラムのうち、
前記ハウジングの内部空間を前記燃料通路及び前記ガス
室に仕切る部分を、前記端縁部から一旦燃料通路側に湾
曲して延びる変形部と、前記変形部から当該変形部とは
反対方向に突出する略平板状の平行移動部とから構成し
たことをその要旨としている。
【0014】上記請求項1に記載の発明によれば、第1
の分割片及び第2の分割片よりなり、それぞれのフラン
ジ部同士が相互に合わされた状態で固定されてなるハウ
ジング内の燃料通路には、燃料ポンプ等から燃料が導入
口を介して導入される。そして、その燃料は、ソケット
部を介して燃料噴射弁に分配され、当該燃料噴射弁から
所定量の燃料が噴射される。
【0015】この際、前記ハウジング内の燃料通路内に
は、ハウジング内に燃料が導入されるのに伴い、或いは
燃料噴射弁からの燃料噴射に伴い圧力脈動が生じる。し
かしながら、本発明では、ハウジング内には、自身の端
縁部がフランジ部に挟まれるようにして設けられ、ハウ
ジングの内部空間を燃料通路並びに密閉されたガス室に
仕切るダイヤフラムによりその圧力脈動が減衰される。
すなわち、燃料通路内に圧力脈動が生じると、ダイヤフ
ラムに作用する圧力は変化し、同ダイヤフラムは、その
内部空間内において変位する。このように、ダイヤフラ
ムが変位すると、ガス室内に密閉されたガスの減衰作用
により、燃料通路内における燃料の圧力脈動が減衰され
る。
【0016】さて、本発明では、ダイヤブラムの端縁部
にはシール部が一体的に設けられているため、燃料デリ
バリパイプの組付時において、フランジ部同士が相互に
合わされた際に当該シール部が潰れ変形する。この潰れ
変形によって、第1の分割片及びダイヤフラム間、並び
に第2の分割片及びダイヤフラム間がぞれぞれシールさ
れる。従って、従来技術とは異なり、別途Oリング等の
シール部材を設ける必要がなくなる。
【0017】また、本発明では、ダイヤブラムのうち、
ハウジングの内部空間を燃料通路及びガス室に仕切る部
分が、端縁部から一旦燃料通路側に湾曲して延びる変形
部と、その変形部から当該変形部とは反対方向に突出す
る略平板状の平行移動部とから構成されている。このた
め、燃料通路からの圧力がダイヤフラムが受けた場合、
前記変形部が最も応力を受けることとなるのであるが、
ダイヤフラムは当該変形部においてガス室側に湾曲変形
する。そして、平行移動部が、その平板形状を保ったま
まで、平行移動するようにして変位する。従って、比較
的大きな変位量が確保されることとなる。
【0018】また、最も応力を受ける部分の1つたる前
記変形部が一旦燃料通路側に湾曲して延びているため、
ダイヤフラムが応力を受けた場合、当該変形部が容易に
湾曲し、ダイヤフラムが変位する。そのため、ダイヤフ
ラムには、無理な応力がかかることなく、圧力脈動が減
衰されることとなる。
【0019】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の燃料デリバリパイプにおいて、端縁部の肉厚
を、変形部の肉厚よりも大きくするとともに、端縁部と
変形部との境界部分を湾曲面とし、かつ、端縁部から変
形部に向かって肉厚が徐々に小さくなるようにしたこと
をその要旨としている。
【0020】上記の構成によれば、請求項1に記載の作
用に加えて、最も応力を受けやすい部分の1つたる境界
部分が湾曲面で構成され、かつ、端縁部から変形部に向
かって肉厚が徐々に小さくなっているので、応力の集中
が緩和され、境界部分の耐久性が損なわれにくいものと
なる。
【0021】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項1又は2に記載の燃料デリバリパイプにおいて、前記
第1の分割片及び第2の分割片を、共に樹脂材料により
構成したことをその要旨としている。
【0022】上記の構成によれば、請求項1及び2に記
載の発明の作用に加え、ハウジングが比較的軽量なもの
となる。そのため、燃料デリバリパイプ全体としての軽
量化が図られる。
【0023】併せて、請求項4に記載の発明では、請求
項1〜3のいずれかに記載の燃料デリバリパイプにおい
て、前記平行移動部を、前記燃料通路からの圧力が加わ
った場合でも、前記ハウジングの内面に当接しない位置
に配設したことをその要旨としている。
【0024】上記の構成によれば、請求項1〜3に記載
の発明の作用に加え、燃料通路からの圧力がダイヤフラ
ムに加わった場合でも、前記平行移動部が、ハウジング
の内面に当接しない。このため、ダイヤフラムは、その
一部であってもハウジングの内面に当接しないこととな
り、圧力脈動はより効果的に減衰されうる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図6に基づいて説明する。本実施の形態
における燃料デリバリパイプ11は、多気筒エンジンに
おける燃料供給装置の一部を構成しているものであっ
て、取付部10を介して図示しないエンジンのシリンダ
ヘッドに取付けられている。図1,2に示すように、燃
料デリバリパイプ11のハウジング12は、芳香族共重
合耐熱ポリアミドよりなる箱状の第1の分割片13(図
1の左側)及び第2の分割片14(図の右側)によって
構成されている。前記各分割片13,14には、フラン
ジ部15,16が一体的に形成されている。そして、両
フランジ部15,16が合わされた状態で、断面コ字状
の2つのフレーム17が嵌め込まれ、これらがさらに外
方からかしめられている。このかしめにより、第1の分
割片13及び第2の分割片14が相互に固定され、ハウ
ジング12が構成されている。なお、前記取付部10
は、第1の分割片13に対し一体的に成形されている。
【0026】さらに、図1,2に示すように、ハウジン
グ12(第1の分割片13)の一方の端部(図2の右端
部)には接続ポート18が一体的に形成されている。ま
た、ハウジング12の他方の端部(図2の左端部)は閉
塞された状態となっている。すなわち、本実施の形態に
おける燃料デリバリパイプ11としては、リターンパイ
プが接続されない、いわゆるリターンレスタイプのもの
が採用されている。但し、リターンパイプを別途接続し
て余剰燃料を燃料ポンプ(図示しない)に戻すような構
成としてもよい。
【0027】ハウジング12の内部にはその長手方向に
延びる空間が形成され、同空間内には、ダイヤフラム1
9が配設されている。このダイヤフラム19の端縁部3
4を除く部分によって、ハウジング12の内部空間は、
燃料通路21とガス室22とに仕切られている。つま
り、第1の分割片13側の内部空間は、主として燃料通
路21を構成しており、第2の分割片14側の内部空間
は、主としてガス室22を構成している。当該ガス室2
2の内部は空気で満たされており、かつ、密閉された状
態となっている。
【0028】前記接続ポート18は、ハウジング12内
の燃料通路21に開口されており、燃料は、燃料ポン
プ、燃料パイプ、接続ポート18を通り燃料通路21内
へ流入するようになっている。
【0029】ハウジング12(第1の分割片13)の下
部には、その長手方向において所定間隔を隔ててエンジ
ンの気筒数と同数(本実施の形態では4つ)のソケット
部23が形成されている。各ソケット部23は略円筒状
をなし、各ソケット部23の内側には燃料噴射弁24が
「嵌め込み」によって装着されている。各燃料噴射弁2
4は、自身への通電により開弁して燃料を噴射する電磁
弁である。また、ソケット部23には、燃料噴射弁24
や通電用のコネクタ(図示せず)等が位置ずれするのを
抑制するためのストッパ25が一体形成されている。
【0030】さて、本実施の形態においては、前記ダイ
ヤフラム19等に特徴があるため、以下には当該ダイヤ
フラム19等の構成について説明することとする。図
3,4に示すように、ダイヤフラム19は、フッ素ゴム
及びニトリルゴム(NBR)の複合素材により構成さ
れ、自身の端縁部34がフランジ部15,16に挟まれ
るようにして固定されている。この端縁部34には、そ
の一部が厚肉となることによって構成されたシール部2
6が一体的に設けられている。また、フランジ部15,
16には、当該シール部26を収容するための、シール
部26よりも幾分サイズの小さい収容溝27が形成され
ている。そして、フランジ部15,16同士が相互に合
わされ、フレーム17が嵌め込まれ、さらに外方からか
しめられた際には、図1に示すように、シール部26が
潰れ変形するようになっている。なお、当該端縁部34
には、補強用の金属インサート28が埋設されている。
【0031】また、本実施の形態において、ダイヤブラ
ム19のうち、ハウジング12の内部空間に位置する部
分、すなわち、内部空間を、燃料通路21とガス室22
とに仕切る部分は、変形部31と平行移動部32とから
構成されている。変形部31は、前記端縁部34から一
旦燃料通路21側(図1の左側)に湾曲して延びるよう
に形成されている。また、平行移動部32は、変形部2
1から当該変形部21とは反対方向(図1の右側)に突
出するよう略平板状に形成されている。
【0032】さらに、前記端縁部34の肉厚は、変形部
31の肉厚よりも大きく設定されている。また、端縁部
34と変形部31との境界部分は湾曲面とされており、
かつ、端縁部34から変形部31に向かっての肉厚が徐
々に小さくなるように設定されている。
【0033】併せて、前記平行移動部32は、燃料通路
21からの圧力(通常時は約「3kgf/cm2 」)が
加わった場合でも、第2の分割片14の内壁に当接しな
い位置に配設されている。
【0034】加えて、本実施の形態では、図5に示すよ
うに、前記第2の分割片14の裏面(ガス室22側)に
は、格子状のリブ33が一体的に形成されている。そし
て、当該リブ33の存在により、第2の分割片14、ひ
いてはハウジング12が補助的に補強されるようになっ
ている。
【0035】さらにまた、前記第1の分割片13及び第
2の分割片14のうち、各フランジ部15,16と内部
空間との境界部分は湾曲面(コーナーアール)となって
いる。これにより、ダイヤフラム19の端縁部34がフ
ランジ部15,16で挟まれた場合でも、当該ダイヤフ
ラム19が、前記境界部分のエッジの部分で損傷を受け
ないようになっている。
【0036】次に、上記のように構成されてなる本実施
の形態の作用及び効果について説明する。まず、燃料デ
リバリパイプ11の組付時においては、 (イ)ダイヤブラム19の端縁部34に、シール部26
を一体的に設けるようにしたため、当該組付時におい
て、フランジ部15,16同士が相互に合わされた際に
当該シール部26が潰れ変形する。そして、この潰れ変
形によって、第1の分割片13及びダイヤフラム19
間、並びに第2の分割片14及びダイヤフラム19間が
それぞれシールされる。従って、Oリング等のシール部
材を設けていた従来技術とは異なり、当該別途の部材を
設けなくとも、充分なシール性を確保することができ
る。そのため、部品点数及び作業工数の低減を図ること
ができ、その結果、組付に際してのコストの低減及び作
業性の向上を図ることができる。
【0037】(ロ)また、本実施の形態では、第1の分
割片13及び第2の分割片14のうち、フランジ部1
5,16と内部空間との境界部分を湾曲面とするように
した。このため、ダイヤフラム19の端縁部34がフラ
ンジ部15,16で挟まれても、組付時及び使用時にお
いて、当該ダイヤフラム19が、前記境界部分のエッジ
の部分で損傷を受けない。その結果、ダイヤフラム1
9、ひいては、燃料デリバリパイプ11の耐久性の向上
を図ることができる。
【0038】さらに、燃料デリバリパイプ11の使用時
においては、 (ハ)ハウジング12内の燃料通路21には、燃料ポン
プより圧送された燃料(例えばガソリン)が、接続ポー
ト18を通って導入される。そして、その燃料は、燃料
通路21を流れる過程でソケット部23の内側に取付け
られた複数の各燃料噴射弁24に分配され、ひいては当
該噴射弁24から噴射される。
【0039】ここで、ハウジング12内に燃料が導入さ
れるに伴い、或いは燃料噴射弁24からの燃料噴射に伴
い圧力脈動が生じる。しかしながら、本実施の形態で
は、ハウジング12の内部空間を燃料通路21並びに密
閉されたガス室22に仕切るダイヤフラム19を、ハウ
ジング12内に設け、これにより前記圧力脈動を減衰す
るようにした。すなわち、燃料通路21内に圧力脈動が
生じると、ダイヤフラム19に作用する圧力は変化し、
同ダイヤフラム19は、その内部空間内において変位す
る。このように、ダイヤフラム19が変位すると、ガス
室22内に密閉されたガスの減衰作用により、燃料通路
21内における燃料の圧力脈動が減衰される。
【0040】特に、本実施の形態では、ダイヤブラム1
9のうち、内部空間を燃料通路21及びガス室22に仕
切る部分が、上述した形状を有する変形部31と、平行
移動部32とから構成されている。このため、図6に示
すように、燃料通路21からの圧力をダイヤフラム19
が受けた場合、変形部31が最も応力を受けることとな
るのであるが、ダイヤフラム19は当該変形部31にお
いてガス室22側に湾曲変形する。そして、平行移動部
32が、その平板形状を保ったままで、平行移動するよ
うにして変位する。従って、比較的大きな変位量が確保
されることとなり、比較的大きな圧力脈動が発生した場
合でも、当該脈動をより一層効果的に減衰させることが
できる。
【0041】(ニ)また、最も応力を受ける部分の1つ
たる前記変形部31が一旦燃料通路21側に湾曲して延
びているため、ダイヤフラム19が応力を受けた場合、
当該変形部31が容易に湾曲し、ダイヤフラム19が変
位する。そのため、ダイヤフラム19には、無理な応力
がかかることなく、圧力脈動が減衰されることとなる。
従って、ダイヤフラム19、ひいては燃料デリバリパイ
プ11の耐久性のさらなる向上、長寿命化を図ることが
できる。
【0042】(ホ)さらに、本実施の形態では、端縁部
34の肉厚を、変形部31の肉厚よりも大きくするとと
もに、端縁部34と変形部31との境界部分を湾曲面と
し、かつ、端縁部34から変形部31に向かって肉厚が
徐々に小さくなるようにした。このため、最も応力を受
けやすい部分の1つたる境界部分における応力の集中が
緩和され、境界部分の耐久性が損なわれにくいものとな
る。その結果、上記耐久性のさらなる向上、長寿命化と
いった効果をより一層確実に奏せしめることができる。
【0043】(ヘ)併せて、本実施の形態では、ハウジ
ング12を構成する第1の分割片13及び第2の分割片
14を、共に樹脂材料により構成した。このため、ハウ
ジング12を比較的軽量なものとすることができる。従
って、燃料デリバリパイプ11全体としての軽量化を図
ることができる。
【0044】(ト)加えて、本実施の形態では、平行移
動部32を、燃料通路21からの圧力が加わった場合で
も、第2の分割片14の内壁に当接しない位置に配設し
た。従って、ダイヤフラム19は、その一部であっても
第2の分割片14の内壁に当接しないこととなる。その
結果、圧力脈動をより一層確実に、かつ効果的に減衰す
ることができる。
【0045】(チ)さらにまた、本実施の形態では、第
1の分割片13及び第2の分割片14に、それぞれフラ
ンジ部15,16を設け、これらを合わせるようにして
固定することとした。このため、当該フランジ部15,
16が補強用のリブの役目を果たし、結果としてハウジ
ング12の表面に設ける補強用リブの数を低減すること
ができる(なお、本実施の形態では、ハウジング12の
表面に別途設けるリブの数は「0」)。その結果、外観
品質の向上をも図ることができる。
【0046】これに加えて、本実施の形態では、前記第
2の分割片14の裏面(ガス室22側)に、格子状のリ
ブ33を一体的に形成することとした。このため、当該
リブ33の存在により、第2の分割片14、ひいてはハ
ウジング12が補助的に補強されることとなり、上記作
用効果をより一層確実なものとすることができる。
【0047】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものではなく、例えば次の如く構成してもよい。 (1)前記実施の形態では、ソケット部23に、燃料噴
射弁24や通電用のコネクタ(図示せず)等が位置ずれ
するのを抑制するためのストッパ25を一体的に設ける
構成としたが、当該ストッパ25を別体で設けるように
してもよいし、また、ストッパ25を省略する構成とし
てもよい。
【0048】(2)前記実施の形態では、フランジ部1
5,16同士を合わせた状態で、フレーム17を嵌め込
み、これらをさらに外方からかしめるようにしてフラン
ジ部15,16同士を固定するようにした。これに対
し、フレーム17を省略する構成としてもよい。また、
かしめ以外にも、超音波融着、熱融着、振動融着、接着
剤等の手段を用いて固定するようにしてもよい。
【0049】(3)前記実施の形態では、フッ素ゴム及
びニトリルゴム(NBR)の複合素材によりダイヤフラ
ム19を構成するようにしたが、所定の強度を有し、か
つ、ガソリン等の燃料に侵されない素材であれば、例え
ばその他のゴム、樹脂、金属等いかなる素材を用いても
よい。
【0050】また、ハウジング12(第1の分割片13
及び第2の分割片14)を構成する素材についても、上
記実施の形態で例示したポリアミド以外にも、ポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)、フェノール樹脂、硬質
TPU(熱可塑性ポリウレタン)等の樹脂材料や、金属
材料等、いかなるものを用いてもよい。
【0051】(4)前記実施の形態では、ダイヤフラム
19の端縁部34に金属インサート28を設ける構成と
したが、かかる金属インサート28を省略する構成とし
ても差し支えない。
【0052】(5)前記実施の形態では、ダイヤフラム
19端縁部34のシール部26を、単に部分的に厚肉部
を設けることにより構成するようにしたが、その形状に
ついては何ら限定されるものではなく、例えば、細かな
凹凸を設けることによりシール部を構成するようにして
もよい。
【0053】(6)前記実施の形態では、第2の分割片
14の裏側に格子状のリブ33を設ける構成としたが、
当該リブ33を省略する構成としてもよい。また、リブ
は格子状でなくとも線状であってもよい。さらに、第1
の分割片13の裏側に設ける構成としてもよい。
【0054】(6)前記実施の形態では、ガス室22内
に空気を封入する構成としたが、その外にも、窒素、ア
ルゴン等の不活性ガスをはじめ、いかなるガスを封入し
てもよい。
【0055】特許請求の範囲の各請求項に記載されない
ものであって、上記実施の形態から把握できる技術的思
想について以下にその効果とともに記載する。 (a)請求項1〜4に記載の燃料デリバリパイプにおい
て、前記第1の分割片及び第2の分割片の少なくとも一
方には、前記ハウジングの内部空間に突出する補強用リ
ブを設けたことを特徴とする。
【0056】上記の構成とすることにより、ハウジング
が補助的に補強されることとなり、別途ハウジングの表
面に設けられる補強用のリブの低減を図ることができ
お、ひいては外観品質の向上を図ることができる。
【0057】(b)請求項1〜4及び上記付記(a)に
記載の燃料デリバリパイプにおいて、第1の分割片及び
第2の分割片のうち、各フランジ部と内部空間との境界
部分を湾曲面としたことを特徴とする。
【0058】このような構成とすることにより、ダイヤ
フラムの端縁部がフランジ部で挟まれても、当該ダイヤ
フラムが、前記境界部分のエッジの部分で損傷を受けな
いため、さらなる耐久性の向上を図ることができる。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の燃料デリ
バリパイプによれば、耐久性の向上を図ることができる
とともに、燃料圧力脈動をより一層効果的に減衰させる
ことができ、しかも、部品点数の低減によりコストの低
減及び組付作業性の向上を図ることができるという優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態における図2のA−A線端面図で
ある。
【図2】一実施の形態における燃料デリバリパイプを示
す斜視図である。
【図3】一実施の形態におけるダイヤフラムを示す斜視
図である。
【図4】一実施の形態の燃料デリバリパイプを示す分解
断面図である。
【図5】第2の分割片の裏面側を示す部分斜視図であ
る。
【図6】一実施の形態の燃料デリバリパイプの作用を示
す断面図である。
【図7】従来技術の燃料デリバリパイプを示す斜視図で
ある。
【図8】従来技術のパルセーションダンパを示す断面図
である。
【図9】別の従来技術の燃料デリバリパイプを示す断面
図である。
【符号の説明】
11…燃料デリバリパイプ、12…ハウジング、13…
第1の分割片、14…第2の分割片、15…フランジ部
(第1の分割片側)、16…フランジ部(第2の分割片
側)、18…導入口としての接続ポート、19…ダイヤ
フラム、21…燃料通路、22…ガス室、23…ソケッ
ト部、24…燃料噴射弁、26…シール部、31…変形
部、32…平行移動部、34…端縁部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれがフランジ部(15),(1
    6)を有する第1の分割片(13)及び第2の分割片
    (14)よりなり、両フランジ部(15,16)同士が
    相互に合わされた状態で固定されることにより構成さ
    れ、少なくとも燃料の導入口(18)及び、燃料噴射弁
    (24)が取付けられる複数のソケット部(23)を有
    するハウジング(12)と、 自身の端縁部(34)が前記フランジ部(15,16)
    に挟まれるようにして前記第1の分割片(13)及び第
    2の分割片(14)間に設けられ、前記ハウジング(1
    2)の内部空間を、前記導入口(18)及びソケット部
    (23)に連通する燃料通路(21)、並びに、密閉さ
    れたガス室(22)に仕切るためのダイヤフラム(1
    9)と、を備え、前記燃料通路(21)内に生じる燃料
    の圧力脈動を前記ダイヤフラム(19)の変位によって
    減衰させるようにした燃料デリバリパイプであって、 前記ダイヤブラム(19)の端縁部(34)には、前記
    フランジ部(15,16)同士が相互に合わされた際に
    潰れ変形するシール部(26)を一体的に設けるととも
    に、前記ダイヤブラム(19)のうち、前記ハウジング
    (12)の内部空間を前記燃料通路(21)及び前記ガ
    ス室(22)に仕切る部分を、前記端縁部(34)から
    一旦燃料通路(21)側に湾曲して延びる変形部(3
    1)と、前記変形部(31)から当該変形部(31)と
    は反対方向に突出する略平板状の平行移動部(32)と
    から構成したことを特徴とする燃料デリバリパイプ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃料デリバリパイプに
    おいて、 前記端縁部(34)の肉厚を、前記変形部(31)の肉
    厚よりも大きくするとともに、端縁部(34)と変形部
    (31)との境界部分を湾曲面とし、かつ、端縁部(3
    4)から変形部(31)に向かって肉厚が徐々に小さく
    なるようにしたことを特徴とする燃料デリバリパイプ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の燃料デリバリパ
    イプにおいて、 前記第1の分割片(13)及び第2の分割片(14)
    を、共に樹脂材料により構成したことを特徴とする燃料
    デリバリパイプ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の燃料デ
    リバリパイプにおいて、 前記平行移動部(32)を、前記燃料通路(21)から
    の圧力が加わった場合でも、前記ハウジング(12)の
    内面に当接しない位置に配設したことを特徴とする燃料
    デリバリパイプ。
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