JPH09144873A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH09144873A
JPH09144873A JP7301353A JP30135395A JPH09144873A JP H09144873 A JPH09144873 A JP H09144873A JP 7301353 A JP7301353 A JP 7301353A JP 30135395 A JP30135395 A JP 30135395A JP H09144873 A JPH09144873 A JP H09144873A
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JP
Japan
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accelerator
return speed
gear position
vehicle
accelerator return
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JP7301353A
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Koichi Kuroda
浩一 黒田
Hiroshi Takahashi
高橋  宏
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクセル戻し時のアップシフトに伴う空走感
防止用のギヤ位置保持を行うべきかどうかの判定に資す
るアクセル戻し速度設定値が一定だと、運転者の個人差
や環境変化により、ギヤ位置保持が要求時に行われない
ことがある。 【解決手段】 制御部2は、センサ3,4で検出したス
ロットル開度TVOおよび車速VSPから求めた好適ギ
ヤ位置へ自動変速機1を変速させる。演算部7はアクセ
ル戻し速度θを求め、演算部8は一定時間中におけるθ
の平均値および分散の和値をアクセル戻し速度設定値S
Sとし、指令部5はθがSS以上となるアクセルペダル
の急戻し時、ギヤ位置を保持してアクセル戻し操作に伴
うアップシフト変速を行わせず、空走感を防止する。S
Sが一定でなく、一定時間中におけるθの平均的な値か
ら求めるため、必ず要求時にギヤ位置保持を生起させ得

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載した自
動変速機の変速制御装置、特にアクセルペダルの戻し操
作を行うときの変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は、エンジンの運転負荷や、
車速などの走行条件に応じて決定した好適変速段へ自動
的に変速され、エンジンの運転負荷に関しては、これが
小さくなるほど高速側のギヤ位置へアップシフト変速さ
れる傾向にある。
【0003】従って、前方に他の車両が割り込んだ時
や、障害物を回避するなどのために、エンジンの出力を
加減するアクセルペダルを急に戻す操作を行った場合、
自動変速機は高速側のギヤ位置へアップシフト変速され
る。この場合、エンジンブレーキが小さいことから、運
転者は車両の空走感を感じて一瞬不安になることがあ
る。
【0004】この問題を解消するために従来、例えば特
開昭61−249841号公報に記載のごとく、アクセ
ルペダルの戻し速度が設定速度を越えるような操作があ
った時は、該操作の直前におけるギヤ位置を保持して高
速側ギヤ位置へのアップシフト変速を禁じるようにした
自動変速機の変速制御装置が提案された。かかる従来技
術によれば、アクセルペダルの戻し速度が設定速度を越
える時、自動変速機が、該アクセル戻し操作の直前にお
けるギヤ位置に保持されることから、エンジンブレーキ
が小さくなることがなく、従って運転者が空走感を感じ
て不安になるといった弊害を解消することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来は、ギヤ位
置を保持して高速側ギヤ位置へのアップシフト変速を禁
ずるべきか否かを判断するためのアクセル戻し速度の設
定値が固定値であったため、これが運転者によるアクセ
ルペダル操作の個人差や、車両の走行環境によって異な
るアクセルペダル操作を考慮したものであり得ず、以下
に説明するような問題を生ずる懸念があった。
【0006】つまり、普段からアクセルペダルを比較的
素早く操作する運転者が運転している場合、アクセル戻
し速度が上記固定の設定値を越えやすく、必要でもない
のにギヤ位置の保持がなされることがあって、運転者が
不要なエンジンブレーキを煩わしく感じるし、逆に、普
段からアクセルペダルを比較的ゆっくり操作する運転者
が運転している場合、アクセル戻し速度が上記固定の設
定値を越えにくいため、必要であるにもかかわらずギヤ
位置の保持がなされないことがあり、アクセルペダルの
戻し操作に呼応したアップシフト変速がなされて、要求
されるエンジンブレーキが得られずに、車両の一瞬の空
走感を防止するという前記本来の目的を達成できないと
いう問題があった。
【0007】更に付言すれば、同じ運転者であっても、
比較的空いている幹線道路を巡航している時は、アクセ
ルペダルをゆっくり操作することが多く、逆に山岳路の
ようにステアリングホイールを頻繁に切る必要がある道
路では、アクセルペダル操作も比較的素早く行うのが常
である。従って、後者の走行環境の基では、アクセル戻
し速度が上記固定の設定値を越えやすく、必要でもない
のにギヤ位置の保持がなされることがあって、運転者が
不要なエンジンブレーキを煩わしく感じるし、逆に、前
者の走行環境の基では、アクセル戻し速度が上記固定の
設定値を越えにくいため、必要であるにもかかわらずギ
ヤ位置の保持がなされないことがあり、アクセルペダル
の戻し操作に呼応したアップシフト変速がなされて、要
求されるエンジンブレーキが得られずに、車両の一瞬の
空走感を防止するという前記本来の目的を達成できない
という問題があった。
【0008】本発明は、ギヤ位置を保持して高速側ギヤ
位置へのアップシフト変速を禁ずるべきか否かを判断す
るためのアクセル戻し速度の設定値を固定値とせず、こ
れを運転者によるアクセルペダル操作の個人差や、車両
の走行環境によって異なるアクセルペダル操作を考慮し
たものとなるよう可変にして、上述の問題を解消するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的のため、請求項
1に記載した第1発明による自動変速機の変速制御装置
は、自動変速機を介して原動機の回転を車輪に伝達する
車両において、前記原動機の出力を加減するアクセルペ
ダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出手段
と、所定時間中における該手段からのアクセル戻し速度
検出値に基づいて、アクセルペダルの急な戻し操作がな
されたと判断するためのアクセル戻し速度設定値を演算
するアクセル戻し速度設定値演算手段と、これら両手段
からの信号に応答し、アクセルペダル戻し速度検出値が
前記アクセル戻し速度設定値以上であるのを検出するア
クセル急減操作検出手段と、該手段によりアクセルペダ
ルの急な戻し操作が検出されるとき、自動変速機のギヤ
位置を保持するギヤ位置保持手段とを具備して構成した
ことを特徴とするものである。
【0010】かかる構成とした第1発明による変速制御
装置によれば、アクセル急減操作検出手段により前記ア
クセルペダル戻し速度検出値が前記アクセル戻し速度設
定値以上であるのを、つまり、アクセルペダルの急な戻
し操作が検出されるとき、ギヤ位置保持手段は自動変速
機のギヤ位置を保持する。よって当該アクセル急減操作
時は、自動変速機が、この急なアクセル戻し操作直前に
おけるギヤ位置に保持されることとなり、アクセル戻し
操作に呼応して自動変速機が高速側のギヤ位置にアップ
シフト変速されることがない。従って、急なアクセル戻
し操作がなされた時も、自動変速機のアップシフト変速
によってエンジンブレーキが小さくなることがなく、運
転者が空走感を感じて不安になるといった弊害を解消す
ることができる。
【0011】ところで、上記のアクセル戻し速度設定値
を固定値とせず、アクセル戻し速度設定値演算手段によ
り以下のごとく演算により求めることから、つまり、所
定時間中におけるアクセル戻し速度検出手段からのアク
セル戻し速度検出値に基づいて当該設定値を演算するこ
とから、アクセル戻し速度設定値が常時、運転者による
アクセルペダル操作速度の個人差や、車両の走行環境に
よって異なるアクセルペダル操作速度に応じ変化するこ
ととなる。
【0012】これがため、アクセルペダルを素早く操作
する運転者が運転している場合でも、逆にアクセルペダ
ルをゆっくり操作する運転者が運転している場合でも、
必要ないのにギヤ位置の保持がなされて、不要な煩わし
いエンジンブレーキが生じたり、必要であるにもかかわ
らずギヤ位置の保持がなされず、アクセルペダルの戻し
操作に呼応したアップシフト変速でエンジンブレーキが
得られないことにより、車両の一瞬の空走感を防止する
という上記本来の目的を達成できないといった弊害を解
消することができる。
【0013】更に、アクセルペダルをゆっくり操作する
ことが多い幹線道路を巡航している時も、また、アクセ
ルペダル操作を素早く行うことが多い山岳路を走行して
いる時も、必要ないのにギヤ位置の保持がなされて、不
要な煩わしいエンジンブレーキが生じたり、必要である
にもかかわらずギヤ位置の保持がなされず、アクセルペ
ダルの戻し操作に呼応したアップシフト変速でエンジン
ブレーキが得られないことにより、車両の一瞬の空走感
を防止するという上記本来の目的を達成できないといっ
た弊害を解消することができる。
【0014】また、請求項2に記載した第2発明による
自動変速機の変速制御装置は、上記第1発明において、
アクセル戻し速度設定値演算手段を以下の構成とする。
つまり、アクセル戻し速度設定値演算手段は、前記所定
時間中におけるアクセル戻し速度検出値の平均値と、分
散との和値をもって、アクセル戻し速度設定値と定める
よう構成する。
【0015】かかる第2発明の構成になる変速制御装置
によれば、アクセル戻し速度検出値の最も平均的な値を
アクセル戻し速度設定値にすることになるため、ギヤ位
置の保持が要求されるアクセルペダルの急な戻し操作
を、運転者の個体差や、走行環境の違いに係わらず、常
時確実に判定し得ることとなって、上記第1発明の作用
効果を一層確実に達成させることができる。
【0016】請求項3に記載した第3発明による自動変
速機の変速制御装置は、上記第1発明または第2発明に
おいて、アクセル戻し速度設定値演算手段を以下の構成
とする。つまり、アクセル戻し速度設定値演算手段は、
アクセル戻し速度設定値を下限値より低下させることの
ないよう構成する。
【0017】かかる第3発明の構成になる変速制御装置
によれば、以下の作用効果が得られる。つまり、高速道
路などを巡航している間は、アクセルペダルの操作が緩
やかで、前記のようにして演算するアクセル戻し速度設
定値も極端に小さくなる。ここで、市街地走行に移行す
ると、アクセルペダルの操作を素早く行うようになり、
当該移行直後にアクセル戻し速度が、上記の通り小さく
なっているアクセル戻し速度設定値を越えやすく、不要
なギヤ位置の保持がなされる懸念がある。しかし第3発
明によれば、アクセル戻し速度設定値演算手段が、アク
セル戻し速度設定値を下限値より低下させることがない
から、かかる懸念を払拭することができる。
【0018】請求項4に記載した第4発明による自動変
速機の変速制御装置は、上記第1発明乃至第3発明のい
ずれかにおいて、車両が登坂路走行中であるのを検知す
る登坂路走行検知手段と、該手段により登坂路走行中が
検知される間、前記ギヤ位置保持手段によるギヤ位置保
持作用を禁止して、自動変速機の自動変速を許可するギ
ヤ位置保持禁止手段とを付加して設け、前記登坂路走行
検知手段により登坂路走行中が検知される間、前記アク
セル戻し速度設定値演算手段は、アクセル戻し速度設定
値の更新を中止するよう構成したことを特徴とするもの
である。
【0019】かかる第4発明の構成になる変速制御装置
においては、登坂路走行検知手段によって車両の登坂路
走行中が検知される間、ギヤ位置保持禁止手段がギヤ位
置保持手段によるギヤ位置保持作用を禁止して、自動変
速機の自動変速を許可する。同時に、この間アクセル戻
し速度設定値演算手段は、アクセル戻し速度設定値の更
新を中止する。
【0020】ここで、登坂路走行中もギヤ位置保持作用
を行うと、これによる比較的大きなエンジンブレーキ
が、登坂路走行中の車両を一瞬減速させる傾向となっ
て、運転フィーリングの悪化を招くが、第4発明によれ
ば上記のように、登坂路走行中、ギヤ位置保持作用を禁
止することから、かかる弊害を回避することができる。
第4発明においては更に、かようにギヤ位置保持作用を
禁止する登坂路走行中、アクセル戻し速度設定値の更新
を中止することから、当該ギヤ位置保持作用を禁止して
いるにもかかわらず、これを行うかどうかを判断するた
めのアクセル戻し速度設定値の更新がなされて、これが
不正確になるのを防止することができる。
【0021】請求項5に記載した第5発明による自動変
速機の変速制御装置は、上記第1発明乃至第4発明のい
ずれかにおいて、車速が設定車速以上の高速走行中であ
るのを検知する高速走行検知手段と、該手段により高速
走行中が検知される間、前記ギヤ位置保持手段によるギ
ヤ位置保持作用を禁止して、自動変速機の自動変速を許
可するギヤ位置保持禁止手段とを付加して設けたことを
特徴とするものである。
【0022】かかる第5発明の構成になる変速制御装置
においては、高速走行検知手段によって設定車速以上の
高速走行中であると検知される間、ギヤ位置保持禁止手
段がギヤ位置保持手段によるギヤ位置保持作用を禁止し
て、自動変速機の自動変速を許可する。
【0023】ここで、上記設定車速以上の高速走行中で
ある場合、アクセル戻し操作速度を前記設定値以上とす
るアクセル急減操作にともなうアップシフト変速によっ
ても、元々車速が高いことから、空走感を運転者に与え
ることがなく、それにもかかわらずギヤ位置保持作用を
行うと、不要なエンジンブレーキによる減速が生じて運
転性を悪化させるが、第5発明によれば上記の通り、高
速走行中はギヤ位置保持作用を禁止することから、かか
る弊害を回避することができる。
【0024】請求項6に記載した第6発明による自動変
速機の変速制御装置は、上記第1発明乃至第5発明のい
ずれかにおいて、道路が渋滞中であるか否かを検知する
渋滞検知手段を付加して設け、該手段により渋滞中が検
知される時、前記アクセル戻し速度設定値演算手段は、
アクセル戻し速度設定値を低下するよう構成したことを
特徴とするものである。
【0025】かかる第6発明の構成になる変速制御装置
においては、渋滞検知手段によって道路の渋滞中が検知
される時、アクセル戻し速度設定値演算手段はアクセル
戻し速度設定値を低下させる。よって、減速頻度が高く
なる渋滞路では、アクセル戻し速度設定値の低下分だ
け、ギヤ位置の保持がされ易くなり、エンジンブレーキ
の利用でフートブレーキの使用頻度を低下させ、その耐
久性を向上させ得ると共に、運転性も向上させることが
できる。
【0026】請求項7に記載した第7発明による自動変
速機の変速制御装置は、上記第1発明乃至第6発明のい
ずれかにおいて、車両前方の車間距離を検出する車間距
離検出手段を付加して設け、該手段により検出された前
方車間距離が安全車間距離未満である間、前記アクセル
戻し速度設定値演算手段は、アクセル戻し速度設定値を
低下するよう構成したことを特徴とするものである。
【0027】かかる第7発明の構成になる変速制御装置
においては、車間距離検出手段によって検出された車両
前方の車間距離が安全車間距離未満である間、アクセル
戻し速度設定値演算手段はアクセル戻し速度設定値を低
下させる。よって、減速頻度が高くなる安全車間距離未
満の車間距離のもとでは、アクセル戻し速度設定値の低
下分だけ、ギヤ位置の保持がされ易くなり、エンジンブ
レーキの利用でフートブレーキの使用頻度を低下させ、
その耐久性を向上させ得ると共に、運転性も向上させる
ことができる。
【0028】請求項8に記載した第8発明による自動変
速機の変速制御装置は、上記第1発明乃至第7発明のい
ずれかにおいて、車両が湾曲路を走行するのを検出する
湾曲路走行検出手段を付加して設け、該手段により湾曲
路走行が検出される時、前記アクセル戻し速度設定値演
算手段は、アクセル戻し速度設定値を低下するよう構成
したことを特徴とするものである。
【0029】かかる第8発明の構成になる変速制御装置
においては、湾曲路走行検出手段によって湾曲路走行が
検出される時、アクセル戻し速度設定値演算手段はアク
セル戻し速度設定値を低下させる。よって、減速頻度が
高くなる湾曲路走行時は、アクセル戻し速度設定値の低
下分だけ、ギヤ位置の保持がされ易くなり、エンジンブ
レーキの利用でフートブレーキの使用頻度を低下させ、
その耐久性を向上させ得ると共に、運転性も向上させる
ことができる。
【0030】請求項9に記載した第9発明による自動変
速機の変速制御装置は、上記第1発明乃至第8発明のい
ずれかにおいて、車両走行路面が低摩擦路面であるのを
検出する低摩擦路面検出手段を付加して設け、該手段に
より低摩擦路面での走行が検出される時、前記アクセル
戻し速度設定値演算手段は、アクセル戻し速度設定値を
低下するよう構成したことを特徴とするものである。
【0031】かかる第9発明の構成になる変速制御装置
においては、低摩擦路面検出手段によって低摩擦路面が
検出される時、アクセル戻し速度設定値演算手段はアク
セル戻し速度設定値を低下させる。よって、減速頻度が
高くなる低摩擦路走行時は、アクセル戻し速度設定値の
低下分だけ、ギヤ位置の保持がされ易くなり、エンジン
ブレーキの利用でフートブレーキの使用頻度を低下さ
せ、フートブレーキの多用で運転性が悪化したり、車両
姿勢が乱れ易くなるのを防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1および図2は、本発明一
実施の形態になる自動変速機の変速制御装置を示し、先
ず、図1をもとに変速制御装置の構成を説明する。この
図1において、1は自動変速機を示し、この自動変速機
1は有段変速機とし、図示せざる車載エンジン(原動
機)からの回転を選択ギヤ位置に応じ変速して、同じく
図示せざる車輪に伝達するものとする。
【0033】なお、自動変速機1の選択ギヤ位置は、周
知の変速制御部2によりこれを決定し、この際自動変速
機1は、変速制御部2からのギヤ位置指令を受けて、変
速機内の変速油圧回路を介し選択ギヤ位置を、当該指令
に対応したギヤ位置に向け切り換える自動変速を行うも
のとする。
【0034】ここで変速制御部2は、エンジンのスロッ
トル開度TVOを検出するスロットル開度センサ3から
の信号、および車速VSPを検出する車速センサ4から
の信号をそれぞれ入力され、以下のごとくに自動変速機
1のギヤ位置を決定するものとする。つまり変速制御部
2は、センサ3,4で検出したスロットル開度TVOお
よび車速VSPから、予め設定してある変速マップを基
に、車両運転状態にマッチした好適なギヤ位置を検索
し、これをギヤ位置指令として自動変速機1に発する。
【0035】本実施の形態においては、変速制御部2に
接続してギヤ位置保持指令部5を設け、このギヤ位置保
持指令部5は、上記エンジンの出力を加減すべく運転者
が操作するアクセルペダルの急戻し時に、詳しくは後述
するごとき条件が満たされていれば、ギヤ位置保持指令
を変速制御部2に発するためのもので、この指令を入力
されるとき変速制御部2は、前記通常の変速制御に優先
して当該指令を実行し、ギヤ位置を保持するものとす
る。
【0036】ギヤ位置保持指令を発するべきか否かを決
定するために、ギヤ位置保持指令部5には、前記スロッ
トル開度センサ3および車速センサ4からの信号を入力
する外に、自動変速機1の選択ギヤ位置iを検出するギ
ヤ位置センサ6からの信号、本発明におけるアクセル戻
し速度検出手段に相当するアクセル戻し速度演算部7か
らの信号θ、および本発明におけるアクセル戻し速度設
定値演算手段に相当するアクセル戻し速度設定値演算部
8からの信号SSをそれぞれ入力する。
【0037】アクセル戻し速度演算部7は、センサ3で
検出したスロットル開度TVOの微小単位時間毎のスロ
ットル開度変化量を求め、これを上記の微小単位時間で
除算することによりアクセルペダル操作速度とするが、
そのうち、アクセルペダルの戻し方向への操作速度θを
アクセル戻し速度として、ギヤ位置保持指令部5および
アクセル戻し速度設定値演算部8にそれぞれ入力するも
のとする。
【0038】アクセル戻し速度設定値演算部8は、詳し
くは後述するが、アクセルペダルの戻し操作があると
き、例えば1分の一定時間中、アクセル戻し速度θをサ
ンプリングし、サンプリング値の最も平均的な値をもっ
てアクセル戻し速度設定値SSとなし、これをギヤ位置
保持手段5に入力するものとする。
【0039】ギヤ位置保持指令部5は、上記の各種入力
情報を基に図2の制御プログラムを実行して適宜、変速
制御部2へギヤ位置保持指令を発するものとする。なお
ギヤ位置保持指令部5は、アクセル戻し速度演算部7お
よびアクセル戻し速度設定値演算部8と共に、共通なマ
イクロコンピュータで構成することから、図2には、ギ
ヤ位置保持指令部5による処理の他に、アクセル戻し速
度演算部7およびアクセル戻し速度設定値演算部8にお
いて行う処理も、合わせて併記した。
【0040】図2においては、先ずステップ21で車速
VSPを読み込み、次のステップ22,23において、
前記したアクセル戻し速度演算部7およびアクセル戻し
速度設定値演算部8での処理を、以下に詳述するように
して実行する。ステップ22では、前記したようにして
アクセル戻し速度θを算出する共に、過去、例えば1分
の一定時間中におけるアクセル戻し速度θの平均値μお
よび分散σを以下の演算により算出する。
【数1】
【数2】
【0041】そして、次のステップ23では、かように
して求めたアクセル戻し速度θの上記平均値μおよび分
散σを加算し、次式により求まるアクセル戻し速度設定
値SSを演算する。
【数3】SS=μ+σ …(3) かようにして求めたアクセル戻し速度設定値SSは、上
記一定時間中におけるアクセル戻し速度θの最も平均的
な値に対応し、運転者によるアクセルペダル操作速度の
個人差や、車両走行環境によって異なるアクセルペダル
操作速度にかかわらず、自動変速機のギヤ位置を保持す
べきアクセルペダルの急な戻し操作であると判断するた
めのアクセル戻し速度設定値として、常時最適なものと
なる。
【0042】なお、上記のようにアクセル戻し速度設定
値SSを求めるに当たって用いる平均値μは、アクセル
戻し速度θの最頻値や、中央値に置き換えても良いし、
また分散σの代わりに、平均偏差を用いても良いことは
言うまでもない。また、アクセル戻し速度設定値SSは
上記の方法で求める代わりに、一定時間中におけるアク
セル戻し速度θのうち上位10%のものの平均値の80
%に相当する値をもって、アクセル戻し速度設定値SS
とすることもできる。
【0043】次いで、本発明における高速走行検知手段
に相当するステップ24において、車速VSPが設定車
速VSPS 以上か否かを判別する。ここで設定車速VS
Sは、アクセルペダルの急戻しに伴うアップシフト変
速によっても空走感を生ずることのない高車速域の下限
値とし、例えば70km/hに定める。車速VSPが設定車
速VSPS 未満で、アクセルペダルの急戻しを行うと、
これに伴うアップシフト変速によって空走感を生ずる場
合においては、制御を本発明におけるアクセル急減操作
検出手段に対応したステップ25に進め、ここで、上記
の空走感を生ずるようなアクセルペダルの急戻しを行っ
たか否かを、アクセル戻し速度θがアクセル戻し速度設
定値SS以上か否かにより判別する。
【0044】アクセルペダルの急戻しを行ったと判別す
る場合、ステップ26において、選択中のギヤ位置iが
最高速段か否かをチェックする。最高速段であれば、そ
れ以上のアップシフト変速が存在しないから、アップシ
フト変速を行わせないようにして上記の空走感を防止す
るギヤ位置保持制御は意味がない。従って、ステップ2
6でギヤ位置iが最高速段でないと判別する場合に、制
御をステップ27に進め、ここでスロットル開度TVO
が0(アクセルペダル釈放)と判別する時に、本発明に
おけるギヤ位置保持手段に対応したステップ28で、ギ
ヤ位置保持指令を変速制御部2に出力すると共に、この
ことを表すようにフラグFLAGを1にセットする。
【0045】ギヤ位置保持指令を受けると変速制御部2
は、前記した通常の変速制御に関係なく、現在の自動変
速機1のギヤ位置を保持する。以上により、車速VSP
が設定車速VSPS 未満であるときにアクセルペダルの
急戻し(θ≧SS)を行ってスロットル開度TVOを全
閉にした時は、自動変速機1がアクセル戻し操作直前に
おけるギヤ位置に保持されることとなり、上記アクセル
ペダルの戻しに呼応したアップシフト変速を行うことが
ない。従って、当該アクセルペダルの戻し操作に呼応し
たアップシフト変速で、運転者が空走感を感じて不安に
なるといった弊害を解消することができる。
【0046】ところで、ギヤ位置保持制御を行うべき急
なアクセルペダルの戻し操作であるか否かを判定するた
めのアクセル戻し速度設定値SSを固定値とせず、前記
したようにアクセル戻し速度θの一定時間中における最
も平均的な値をもってアクセル戻し速度設定値SSとし
たから、このアクセル戻し速度設定値が常時、運転者に
よるアクセルペダル操作速度の個人差や、車両の走行環
境によって異なるアクセルペダル操作速度に応じ変化す
ることとなる。
【0047】これがため、アクセルペダルを素早く操作
する運転者が運転している場合でも、逆にアクセルペダ
ルをゆっくり操作する運転者が運転している場合でも、
必要ないのに上記ギヤ位置の保持がなされて、不要な煩
わしいエンジンブレーキが生じたり、必要であるにもか
かわらずギヤ位置の保持がなされず、車両の一瞬の空走
感を防止するという本来の目的を達成できないといった
弊害を生ずることがない。
【0048】更に、アクセルペダルをゆっくり操作する
ことが多い幹線道路などを巡航している時も、また、ア
クセルペダル操作を素早く行うことが多い山岳路などを
走行している時も、必要ないのにギヤ位置の保持がなさ
れて、不要な煩わしいエンジンブレーキが生じたり、必
要であるにもかかわらずギヤ位置の保持がなされず、車
両の一瞬の空走感を防止するという本来の目的を達成で
きないといった弊害を生ずることがない。
【0049】ステップ25で、前記アクセルペダルの急
戻しを検出しなくなった場合や、またステップ26にお
いて、ギヤ位置iが最高速段であると判別した場合や、
更にステップ27で、スロットル開度TVOが0(アク
セルペダル釈放)でないと判別した場合は、ステップ2
9で、車速VSPが0以外の走行中であると判別し、且
つ、ステップ30で、スロットル開度TVOが減速意思
を示す設定値TVOS(例えば2/8)未満であると判
別する時、制御をステップ31,32に進めて、以下の
ごとくにギヤ位置保持制御を実行する。つまりステップ
31において、フラグFLAGから前回はギヤ位置保持
状態だったか否かを判別し、ギヤ位置保持状態だった場
合はステップ32で、引き続きギヤ位置保持指令を出力
し、ギヤ位置保持状態でなかった場合は、制御をそのま
ま終了する。従って、ギヤ位置保持制御を前回の状態の
ままに保つ。
【0050】ステップ24で、車速VSPが設定車速V
SPS 以上であると判別する場合や、ステップ29で、
車速VSPが0の停車と判別する場合や、ステップ30
で、スロットル開度TVOが減速意思を示す設定値TV
S 未満でないと判別する場合は、制御をステップ3
3,34に進める。ステップ33でフラグFLAGが1
のあると判別する場合、つまり前回がギヤ位置保持状態
であったと判別する場合、本発明におけるギヤ位置保持
禁止手段に相当するステップ34において、変速制御部
2へのギヤ位置保持指令を解除すると共に、このことを
表すようにフラグFLAGを0にリセットする。ステッ
プ33でフラグFLAGが0のあると判別する場合、制
御をそのまま終了し、いずれにしても、ギヤ位置保持作
用を行わせない。
【0051】かくて、ステップ24で車速VSPが設定
車速VSPS 以上の高車速であると判別する場合は、本
発明におけるギヤ位置保持禁止手段に相当するステップ
34でギヤ位置保持作用を禁止することとなる。ところ
で、かかる高車速のもとでギヤ位置保持作用を行うと、
前記の通りこれが不要であり無駄であるだけでなく、大
きなエンジンブレーキが作用して運転性を悪化させる
が、高車速のもとでギヤ位置保持作用を上記の通り禁止
する本実施の形態においては、かかる弊害を回避するこ
とができる。
【0052】図3は、本発明の他の実施の形態を示し、
本実施の形態においては、図1におけると同様の構成を
踏襲するも、アクセル戻し速度設定値演算部8が、図2
に付加して図3のステップ41,42における処理を行
うものとする。
【0053】ステップ41では、ステップ23において
算出したアクセル戻し速度設定値SSが下限値SSmin
未満か否かを判定し、アクセル戻し速度設定値SSが下
限値SSmin 未満になったら、ステップ42で、アクセ
ル戻し速度設定値SSを下限値SSmin にセットする。
つまり、アクセル戻し速度設定値SSを下限値SSmi n
よりも小さくすることのないようにする。
【0054】ここで下限値SSmin は、例えば前記した
アクセル戻し速度θの平均値μおよび分散σを利用し
て、
【数4】SSmin =μ−σ …(4) のように、前者から後者を差し引いた差値(μ−σ)を
当該下限値SSmin と定める。かように、アクセル戻し
速度設定値SSが下限値SSmin よりも小さくなること
のないようにした本実施の形態によれば、以下の作用効
果を達成することができる。
【0055】つまり、高速道路などを巡航している間
は、アクセルペダルの操作が緩やかで、前記のようにし
て演算するアクセル戻し速度設定値SSも極端に小さく
なる。ここで、高速道路巡航走行から市街地走行に移行
すると、アクセルペダルの操作を素早く行うようにな
り、当該移行直後にアクセル戻し速度θが、上記の通り
小さくなっているアクセル戻し速度設定値SSを越えや
すく、不要なギヤ位置の保持がなされる懸念がある。し
かし本実施の形態によれば、高速道路巡航走行中も、ア
クセル戻し速度設定値SSを下限値SSmin より低下さ
せることがないから、かかる懸念を払拭することができ
る。
【0056】図4および図5は、本発明による更に他の
実施の形態を示し、本実施の形態においては、図4に示
すように登坂路走行検知部11を、図1の構成に付加し
て設ける。この登坂路走行検知部11は、本発明におけ
る登坂路走行検知手段に相当し、車両が所定勾配以上の
登坂路を所定時間以上に亘って継続的に走行中である
時、このことをギヤ位置保持指令部5に付加的に情報す
るもので、車両に設置した周知の傾斜角センサで構成し
たり、或いはナビゲーションシステムの道路勾配情報を
読み込むもの等、種々のものが考えられる。
【0057】なお、勾配抵抗を次式、つまり勾配抵抗=
駆動力−加速抵抗−空力抵抗−転がり抵抗の演算により
求め、これから路面勾配を算出することも考えられる。
ここで、上式における駆動力は、エンジンの性能線図を
もとにスロットル開度TVOおよびエンジン回転数から
容易に求めることができ、加速抵抗も、車速VSPの変
化量および車両重量から計算により容易に求めることが
でき、空力抵抗および転がり抵抗はそれぞれ、車速VS
Pに応じた0%ロード・ロード線から容易に求めること
ができる。
【0058】本実施の形態における制御のプログラムは
図5に示すごときもので、先ず、ステップ51におい
て、図4の登坂路走行検知部11から登坂路走行中の信
号があるか否かで、登坂路走行中か否かを判別する。登
坂路走行中でなければステップ52において、図2また
は図3の制御プログラムを実行することにより前記した
ギヤ位置保持制御を行い、登坂路走行中であれば、本発
明におけるギヤ位置保持禁止手段に相当するステップ5
3において、ステップ52におけるギヤ位置保持制御を
禁止する。
【0059】この登坂路走行中は、図2または図3にお
けるステップ22,23,ステップ41,42も当然実
行されないことから、アクセル戻し速度設定値SSの更
新も禁止されること勿論である。
【0060】かように本実施の形態によれば、登坂路走
行中である間は、前記のギヤ位置保持制御を禁止したこ
とから、自動変速機1のギヤ位置を変速制御部2による
通常の変速制御に任せることとなる。よって登坂路走行
中においては、上記の急なアクセル戻し操作がなされて
も、自動変速機1をこのアクセル戻し操作直前における
ギヤ位置に保持する制御がなされず、自動変速機はアク
セル戻し操作に呼応して高速側のギヤ位置にアップシフ
ト変速され得る。
【0061】これがため、登坂路走行中にもかかわら
ず、アクセル急減操作(θ≧SS)に呼応した前記のギ
ヤ位置保持制御がなされて、大きなエンジンブレーキが
作用するといったようなことがなくなり、登坂路走行中
の車両がこの大きなエンジンブレーキにより一瞬減速さ
れて、登坂路走行車両の運転性が大きく損われるといっ
た問題の発生を回避することができる。
【0062】更に、かようにギヤ位置保持作用を禁止す
る登坂路走行中、アクセル戻し速度設定値SSの更新も
上記のように中止することから、当該ギヤ位置保持作用
を禁止しているにもかかわらず、これを行うかどうかを
判断するためのアクセル戻し速度設定値SSの更新がな
されて、これが不正確になるのを防止することができ
る。
【0063】図6および図7は、本発明による更に他の
実施の形態を示し、本実施の形態においては、図6に示
すように渋滞検知部12を、図1の構成に付加して設け
る。この渋滞検知部12は、本発明における渋滞検知手
段に相当し、これによる検知結果をギヤ位置保持指令部
5に付加的に入力するものとする。
【0064】なお渋滞検知部12としては、ナビゲーシ
ョンシステムや、FM多重放送からの渋滞情報を判定
し、判定結果をギヤ位置保持指令部5に入力するものが
考えられる。
【0065】本実施の形態における制御のプログラムは
図7に示すごときもので、この制御プログラムは、図2
の制御プログラムに対して、ステップ23,24間にス
テップ61,62を付加したものである。ステップ61
においては、図6の渋滞検知部12から渋滞中を示す信
号が入力されているか否かにより、渋滞中か否かを判別
する。渋滞中であればステップ62において、アクセル
戻し速度設定値SSを所定値ΔSSだけ低下させたり
(例えば1/2にしたり)、0にする変更を行い、渋滞
中でなければステップ62をスキップすることにより、
アクセル戻し速度設定値SSの当該変更を行わない。
【0066】よって、減速頻度が高くなる渋滞中はアク
セル戻し速度設定値SSが低下されたり、0にされるこ
とから、その分、前記ギヤ位置の保持がされ易くなり、
エンジンブレーキの利用でフートブレーキの使用頻度を
低下させ、その耐久性を向上させ得ると共に、運転性も
向上させることができる。
【0067】図8および図9は、本発明による更に他の
実施の形態を示し、本実施の形態においては、図8に示
すように車間距離検出部13を、図1の構成に付加して
設ける。この車間距離検出部13は、本発明における車
間距離検出手段に相当し、これにより検出した車間距離
Lに係わる信号をギヤ位置保持指令部5に付加的に入力
するものとする。
【0068】なお車間距離検出部13としては、レーダ
波や超音波を発射し、反射波を受信するまでの時間から
車間距離Lを計測したり、カメラで撮影した画像を用い
て前方走行車両までの車間距離Lを算出する型式のもの
でよい。
【0069】本実施の形態における制御のプログラムは
図9に示すごときもので、この制御プログラムは、図2
の制御プログラムに対して、ステップ23,24間にス
テップ71,72を付加したものである。ステップ71
においては、図8の車間距離検出部13からの信号をも
とに車間距離Lが、図10のように車速VSPごとに予
め設定してある安全車間距離LS 未満であるか、以上で
あるかを判別する。安全車間距離LS 未満であればステ
ップ72において、アクセル戻し速度設定値SSを所定
値ΔSSだけ低下させたり(例えば1/2にしたり)、
0にする変更を行い、安全車間距離LS 以上であればス
テップ72をスキップすることにより、アクセル戻し速
度設定値SSの当該変更を行わない。
【0070】よって、減速頻度が高くなる安全車間距離
未満の車間距離のもとではアクセル戻し速度設定値SS
が低下されたり、0にされることから、その分、ギヤ位
置保持がされ易くなり、エンジンブレーキの利用でフー
トブレーキの使用頻度を低下させ、その耐久性を向上さ
せ得ると共に、運転性も向上させることができる。
【0071】図11および図12は、本発明による更に
他の実施の形態を示し、本実施の形態においては、図1
1に示すように湾曲路検出部14を、図1の構成に付加
して設ける。この湾曲路検出部14は、本発明における
湾曲路検出手段に相当し、これにより湾曲路走行中が検
出される時、対応した信号をギヤ位置保持指令部5に付
加的に入力するものとする。
【0072】なお湾曲路検出部14としては、車体に取
着した周知の横加速度検出センサや、ステアリングホイ
ール操舵角センサからの信号をもとに、湾曲路走行中を
検出したり、ナビゲーションシステムからの地図情報を
基に湾曲路走行であるのを検出するものが考えられる。
【0073】本実施の形態における制御のプログラムは
図12に示すごときもので、この制御プログラムは、図
2の制御プログラムに対して、ステップ23,24間に
ステップ81,82を付加したものである。ステップ8
1においては、図11の湾曲路検出部14からの信号を
もとに湾曲路走行であるか否かを判別する。湾曲路走行
であればステップ82において、アクセル戻し速度設定
値SSを所定値ΔSSだけ低下させたり(例えば1/2
にしたり)、0にする変更を行い、湾曲路走行でなけれ
ばステップ82をスキップすることにより、アクセル戻
し速度設定値SSの当該変更を行わない。
【0074】よって、減速頻度が高くなる湾曲路走行中
はアクセル戻し速度設定値SSが低下されたり、0にさ
れることから、その分、ギヤ位置保持がされ易くなり、
エンジンブレーキの利用でフートブレーキの使用頻度を
低下させ、その耐久性を向上させ得ると共に、運転性も
向上させることができる。
【0075】図13および図14は、本発明による更に
他の実施の形態を示し、本実施の形態においては、図1
3に示すように低摩擦路面検出部15を、図1の構成に
付加して設ける。この低摩擦路面検出部15は、本発明
における低摩擦路面検出手段に相当し、これにより低摩
擦路面であることが検出される時、対応した信号をギヤ
位置保持指令部5に付加的に入力するものとする。
【0076】なお低摩擦路面検出部15としては、外気
温度センサからの信号およびウインドシールドワイパー
の作動信号から低温時にワイパー作動中である時をもっ
て低摩擦路面と判断したり、駆動車輪回転速度と従動輪
回転速度との回転速度差が設定値よりも大きい時をもっ
て低摩擦路面と判断するものが考えられる。
【0077】本実施の形態における制御のプログラムは
図14に示すごときもので、この制御プログラムは、図
2の制御プログラムに対して、ステップ23,24間に
ステップ91,92を付加したものである。ステップ9
1においては、図13の低摩擦路面検出部15からの信
号をもとに低摩擦路走行であるか否かを判別する。低摩
擦路走行であればステップ92において、アクセル戻し
速度設定値SSを所定値ΔSSだけ低下させたり(例え
ば1/2にしたり)、0にする変更を行い、低摩擦路走
行でなければステップ92をスキップすることにより、
アクセル戻し速度設定値SSの当該変更を行わない。
【0078】よって、減速頻度が高くなる低摩擦路走行
時はアクセル戻し速度設定値SSが低下されたり、0に
されることから、その分、ギヤ位置保持がされ易くな
り、エンジンブレーキの利用でフートブレーキの使用頻
度を低下させ、フートブレーキの多用で運転性が悪化し
たり、車両姿勢が乱れ易くなるのを防止することができ
る。
【0079】なお、特には説明しなかったが、各実施の
形態における技術思想は、単独でなく任意に組み合わせ
て用いることができ、如何なる組み合わせによっても、
単独で用いたと同様の作用効果を奏することができる。
【0080】また、何れの実施の形態においても、自動
変速機1が有段の自動変速機である場合について説明し
たが、無段変速機においても、ギヤ位置保持指令部5を
ギヤ比保持指令部とし、ギヤ位置センサ6をギヤ比セン
サにすることで、アクセル急減操作時における同様な優
れた変速制御を実現することができることは言うまでも
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施の形態になる自動変速機の変速制
御装置を示す機能別ブロック線図である。
【図2】同変速制御装置が実行すべき変速制御プログラ
ムを示すフローチャートである。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す変速制御プログ
ラムのフローチャートである。
【図4】本発明による他の実施の形態になる自動変速機
の変速制御装置を示す機能別ブロック線図である。
【図5】同変速制御装置による変速制御のメインルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図6】本発明による更に他の実施の形態になる自動変
速機の変速制御装置を示す機能別ブロック線図である。
【図7】同変速制御装置が実行すべき変速制御プログラ
ムを示すフローチャートである。
【図8】本発明による更に他の実施の形態になる自動変
速機の変速制御装置を示す機能別ブロック線図である。
【図9】同変速制御装置が実行すべき変速制御プログラ
ムを示すフローチャートである。
【図10】車速ごとの安全車間距離を示す線図である。
【図11】本発明による更に他の実施の形態になる自動
変速機の変速制御装置を示す機能別ブロック線図であ
る。
【図12】同変速制御装置が実行すべき変速制御プログ
ラムを示すフローチャートである。
【図13】本発明による更に他の実施の形態になる自動
変速機の変速制御装置を示す機能別ブロック線図であ
る。
【図14】同変速制御装置が実行すべき変速制御プログ
ラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動変速機 2 変速制御部 3 スロットル開度センサ 4 車速センサ 5 ギヤ位置保持指令部 6 ギヤ位置センサ 7 アクセル戻し速度演算部(アクセル戻し速度検出手
段) 8 アクセル戻し速度設定値演算部(アクセル戻し速度
設定値演算手段) 11 登坂路走行検知部(登坂路走行検知手段) 12 渋滞検知部(渋滞検知手段) 13 車間距離検出部(車間距離検出手段) 14 湾曲路検出部(湾曲路走行検出手段) 15 低摩擦路面検出部(低摩擦路面検出手段)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機を介して原動機の回転を車輪
    に伝達する車両において、 前記原動機の出力を加減するアクセルペダルの戻し速度
    を検出するアクセル戻し速度検出手段と、 所定時間中における該手段からのアクセル戻し速度検出
    値に基づいて、アクセルペダルの急な戻し操作がなされ
    たと判断するためのアクセル戻し速度設定値を演算する
    アクセル戻し速度設定値演算手段と、 これら両手段からの信号に応答し、アクセルペダル戻し
    速度検出値が前記アクセル戻し速度設定値以上であるの
    を検出するアクセル急減操作検出手段と、 該手段によりアクセルペダルの急な戻し操作が検出され
    るとき、自動変速機のギヤ位置を保持するギヤ位置保持
    手段とを具備してなることを特徴とする自動変速機の変
    速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記アクセル戻し速
    度設定値演算手段は、前記所定時間中におけるアクセル
    戻し速度検出値の平均値と、分散との和値をもって、前
    記アクセル戻し速度設定値と定めるよう構成したことを
    特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記アクセ
    ル戻し速度設定値演算手段は、アクセル戻し速度設定値
    を下限値より低下させることのないよう構成したことを
    特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、車両が登坂路走行中であるのを検知する登坂路走行
    検知手段と、 該手段により登坂路走行中が検知される間、前記ギヤ位
    置保持手段によるギヤ位置保持作用を禁止して、自動変
    速機の自動変速を許可するギヤ位置保持禁止手段とを付
    加して設け、 前記登坂路走行検知手段により登坂路走行中が検知され
    る間、前記アクセル戻し速度設定値演算手段は、アクセ
    ル戻し速度設定値の更新を中止するよう構成したことを
    特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、車速が設定車速以上の高速走行中であるのを検知す
    る高速走行検知手段と、 該手段により高速走行中が検知される間、前記ギヤ位置
    保持手段によるギヤ位置保持作用を禁止して、自動変速
    機の自動変速を許可するギヤ位置保持禁止手段とを付加
    して設けたことを特徴とする自動変速機の変速制御装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項におい
    て、道路が渋滞中であるか否かを検知する渋滞検知手段
    を付加して設け、 該手段により渋滞中が検知される時、前記アクセル戻し
    速度設定値演算手段は、アクセル戻し速度設定値を低下
    するよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制
    御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項におい
    て、車両前方の車間距離を検出する車間距離検出手段を
    付加して設け、 該手段により検出された前方車間距離が安全車間距離未
    満である間、前記アクセル戻し速度設定値演算手段は、
    アクセル戻し速度設定値を低下するよう構成したことを
    特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項におい
    て、車両が湾曲路を走行するのを検出する湾曲路走行検
    出手段を付加して設け、 該手段により湾曲路走行が検出される時、前記アクセル
    戻し速度設定値演算手段は、アクセル戻し速度設定値を
    低下するよう構成したことを特徴とする自動変速機の変
    速制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項におい
    て、車両走行路面が低摩擦路面であるのを検出する低摩
    擦路面検出手段を付加して設け、 該手段により低摩擦路面での走行が検出される時、前記
    アクセル戻し速度設定値演算手段は、アクセル戻し速度
    設定値を低下するよう構成したことを特徴とする自動変
    速機の変速制御装置。
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