JP2009185870A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不要なダウンシフトを行なわないようにギヤ比を制御して、ドライバに与える違和感を低減する。
【解決手段】定常走行時の無段変速機の目標入力軸回転数NINOPTおよびリニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEが設定される。オフアップ制御時に、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTおよびリニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEのうちの小さい方が、最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定される。無段変速機のギヤ比は、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINCになるように制御される。
【選択図】図12

Description

本発明は、無段変速機の制御装置に関し、特に、不要なダウンシフトを行なわないように無段変速機のギヤ比を制御する技術に関する。
従来より、ギヤ比を無段階に変化させる無段変速機が知られている。無段変速機においては、燃費が最適になるようにエンジン回転数を制御することが可能である。たとえば、加速時において、トルクと燃費とのバランスがよい回転数までエンジン回転数(無段変速機の入力軸回転数)を上昇させるようにダウンシフトし、その後、エンジン回転数を一定に保ちながら車両を加速させるようにアップシフトすることができる。
しかしながら、このような加速方法は、ギヤ比が段階的に変化する自動変速機などを搭載した車両での加速方法と異なる。無段変速機に特有の加速方法によりドライバに与える加速感はラバーバンドフィールと呼ばれ、エンジン回転数とともに車速が増大する加速感を求めるドライバにとって不自然な感覚を与える。したがって、ドライバビリティを向上するためには、無段変速機においても加速時にエンジン回転数とともに車速が増大するようにギヤ比を制御することが望ましい。
特開2005−61428号公報(特許文献1)は、燃費を重視しつつ、加速全域および加速終了後に運転者が感じる違和感を解消する変速比(ギヤ比)制御を行なう無段変速機の制御装置を開示する。特許文献1に記載の制御装置は、内燃機関たるエンジンと駆動結合する無段変速機の変速比の切り替えを行なう無段変速機の制御装置において、運転者のアクセル操作量および車両の走行環境に基づき、燃料消費率の最も良い作動点たるエンジン回転数を算出し、エンジン回転数を無段変速機の目標入力回転数とし、運転者のアクセル操作量および車両の走行環境に基づき、加速走行達成後一定速走行に安定する収束車速を推定し、収束車速を実現するために必要な、無段変速機の目標出力回転数を算出し、加速過渡中の無段変速機の入力回転数および出力回転数の組み合わせから、目標入力回転数および目標出力回転数の組み合わせまで、略直線的に遷移するよう、無段変速機の変速比を切り替えることを特徴とする。
この公報に記載の制御装置によれば、無段変速機の入力回転数との関係において、車速が、アクセル増大操作前の車速からアクセル増大操作後一定速走行における車速へ無駄なく略直線的に上昇する。そのため、特開2005−61428号公報の図16に示すように、燃費を優先して入力軸回転数を定めた変速制御に比べて無段変速機の入力軸回転数が遅れて、車速とともに上昇する。その結果、切り替え制御に伴う違和感を解消することができる。
特開2005−61428号公報
特開2005−61428号公報に記載の制御装置のように、加速時には、燃費を優先して入力軸回転数を定める変速制御とは異なる変速制御を実行すると、加速中において無段変速機の入力軸回転数が比較的低くなるように制御される。そのため、たとえば加速中にアクセル開度が減少したことにより、加速時の変速制御から燃費を優先して入力軸回転数を定める変速制御に戻る際、燃費が最適になる回転数まで入力軸回転数を上昇させるために、アクセル開度が減少しているにも関わらず、ダウンシフトが行なわれ得る。そのため、アクセル開度の減少とともにアップシフトを求めるドライバにとって、不自然な感覚を与え得る。しかしながら、特開2005−61428号公報には、このような課題に関する開示も示唆もない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ドライバに与える違和感を低減することができる無段変速機の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る無段変速機の制御装置は、車両に搭載された無段変速機の制御装置である。この制御装置は、第1のモードで無段変速機の第1の目標入力軸回転数を設定するための第1の設定手段と、第1のモードとは異なる第2のモードで無段変速機の第2の目標入力軸回転数を設定するための第2の設定手段と、第1の目標入力軸回転数および第2の目標入力軸回転数のうちの小さい方を第3の目標入力軸回転数として設定するための第3の設定手段と、無段変速機の入力軸回転数が第3の目標入力軸回転数になるように無段変速機のギヤ比を制御するための手段とを備える。
この構成によると、第1のモードで設定された第1の目標入力軸回転数および第2のモードで設定された第2の目標入力軸回転数のうちの小さい方が第3の目標入力軸回転数として設定される。無段変速機の入力軸回転数が第3の目標入力軸回転数になるように無段変速機のギヤ比が制御される。これにより、たとえば、第2のモードによる変速制御から第1のモードによる変速制御へ切換える際に、ダウンシフトしないように無段変速機のギヤ比を制御することができる。そのため、アップシフトを求めるドライバの意思に沿うように無段変速機を制御することができる。その結果、ドライバに与える違和感を低減することができる無段変速機の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る無段変速機の制御装置は、第1の発明の構成に加え、アクセル開度の変化率を検出するための手段と、予め定められた正のしきい値以上の変化率でアクセル開度が増大した場合、第2の目標入力軸回転数を第3の目標入力軸回転数として設定することを開始するための手段とをさらに備える。第3の設定手段は、第2の目標入力軸回転数が第3の目標入力軸回転数として設定されている状態において予め定められた負のしきい値以下の変化率でアクセル開度が減少した場合、第1の目標入力軸回転数および第2の目標入力軸回転数のうちの小さい方を第3の目標入力軸回転数として設定することを開始するための手段を含む。
この構成によると、予め定められた正のしきい値以上の変化率でアクセル開度が増大した場合、第2のモードで設定された第2の目標入力軸回転数を第3の目標入力軸回転数として設定することが開始される。これにより、車両の加速時には、無段変速機の入力軸回転数が第2のモードで設定された第2の目標入力軸回転数になるように制御することができる。第2の目標入力軸回転数が第3の目標入力軸回転数として設定されている状態において予め定められた負のしきい値以下の変化率でアクセル開度が減少した場合、第1の目標入力軸回転数および第2の目標入力軸回転数のうちの小さい方を第3の目標入力軸回転数として設定することが開始される。これにより、第2のモードによる変速制御から第1のモードによる変速制御へ切換える際に、ダウンシフトしないように無段変速機のギヤ比を制御することができる。そのため、アクセル開度の減少とともにアップシフトを求めるドライバの意思に沿うように無段変速機を制御することができる。
第3の発明に係る無段変速機の制御装置は、第1または2の発明の構成に加え、アクセル開度を検出するための手段と、車速を検出するための手段とをさらに備える。第1の設定手段は、車速およびアクセル開度をパラメータに有する第1のマップに従って第1の目標入力軸回転数を設定するための手段を含む。第2の設定手段は、車速およびアクセル開度をパラメータに有し、第1のマップとは異なる第2のマップに従って第2の目標入力軸回転数を設定するための手段を含む。
この構成によると、車速およびアクセル開度をパラメータに有する第1のマップに従って第1の目標入力軸回転数が設定される。車速およびアクセル開度をパラメータに有する第2のマップに従って第2の目標入力軸回転数が設定される。これにより、車両の運転状態およびドライバの操作に応じて適切な目標入力軸回転数を設定することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を搭載した車両について説明する。この車両に搭載された駆動装置100のエンジン200の出力は、トルクコンバータ300および前後進切換装置400を介して、ベルト式の無段変速機500に入力される。無段変速機500の出力は、減速歯車600および差動歯車装置700に伝達され、左右の駆動輪800へ分配される。駆動装置100は、後述するECU(Electronic Control Unit)900により制御される。なお、ベルト式の無段変速機500の代わりに、チェーン式もしくはトロイダル式の無段変速機を用いるようにしてもよい。
トルクコンバータ300は、エンジン200のクランク軸に連結されたポンプ翼車302と、タービン軸304を介して前後進切換装置400に連結されたタービン翼車306とから構成されている。ポンプ翼車302およびタービン翼車306の間にはロックアップクラッチ308が設けられている。ロックアップクラッチ308は、係合側油室および解放側油室に対する油圧供給が切換えられることにより、係合または解放されるようになっている。
ロックアップクラッチ308が完全係合させられることにより、ポンプ翼車302およびタービン翼車306は一体的に回転させられる。ポンプ翼車302には、無段変速機500を変速制御したり、ベルト挟圧力を発生させたり、各部に潤滑油を供給したりするための油圧を発生する機械式のオイルポンプ310が設けられている。
前後進切換装置400は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。トルクコンバータ300のタービン軸304はサンギヤ402に連結されている。無段変速機500の入力軸502はキャリア404に連結されている。キャリア404とサンギヤ402とはフォワードクラッチ406を介して連結されている。リングギヤ408は、リバースブレーキ410を介してハウジングに固定される。フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は油圧シリンダによって摩擦係合させられる。フォワードクラッチ406の入力回転数は、タービン軸304の回転数、すなわちタービン回転数NTと同じである。
フォワードクラッチ406が係合させられるとともに、リバースブレーキ410が解放されることにより、前後進切換装置400は前進用係合状態となる。この状態で、前進方向の駆動力が無段変速機500に伝達される。リバースブレーキ410が係合させられるとともにフォワードクラッチ406が解放されることにより、前後進切換装置400は後進用係合状態となる。この状態で、入力軸502はタービン軸304に対して逆方向へ回転させられる。これにより、後進方向の駆動力が無段変速機500に伝達される。フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410が共に解放されると、前後進切換装置400は動力伝達を遮断するニュートラル状態になる。
無段変速機500は、入力軸502に設けられたプライマリプーリ504と、出力軸506に設けられたセカンダリプーリ508と、これらのプーリに巻き掛けられた伝動ベルト510とから構成される。各プーリと伝動ベルト510との間の摩擦力を利用して、動力伝達が行われる。
各プーリは溝幅が可変であるように、油圧シリンダから構成されている。プライマリプーリ504の油圧シリンダの油圧が制御されることにより、各プーリの溝幅が変化する。これにより、伝動ベルト510の掛かり径が変更され、ギヤ比GR(=プライマリプーリ回転数NIN/セカンダリプーリ回転数NOUT)が連続的に変化させられる。
図2に示すように、ECU900には、エンジン回転数センサ902、タービン回転数センサ904、車速センサ906、スロットル開度センサ908、冷却水温センサ910、油温センサ912、アクセル開度センサ914、フットブレーキスイッチ916、ポジションセンサ918、プライマリプーリ回転数センサ922およびセカンダリプーリ回転数センサ924が接続されている。
エンジン回転数センサ902は、エンジン200の回転数(エンジン回転数)NEを検出する。タービン回転数センサ904は、タービン軸304の回転数(タービン回転数)NTを検出する。車速センサ906は、車速Vを検出する。スロットル開度センサ908は、電子スロットルバルブの開度θ(TH)を検出する。冷却水温センサ910は、エンジン200の冷却水温T(W)を検出する。油温センサ912は、無段変速機500などの油温T(C)を検出する。アクセル開度センサ914は、アクセルペダルの開度A(CC)を検出する。フットブレーキスイッチ916は、フットブレーキの操作の有無を検出する。ポジションセンサ918は、シフトポジションと対応する位置に設けられた接点がONであるかOFFであるかを判別することにより、シフトレバー920のポジションP(SH)を検出する。プライマリプーリ回転数センサ922は、無段変速機500の入力軸回転数(プライマリプーリ504の回転数)NINを検出する。セカンダリプーリ回転数センサ924は、無段変速機500の出力軸回転数(セカンダリプーリ508の回転数)NOUTを検出する。各センサの検出結果を表す信号が、ECU900に送信される。タービン回転数NTは、フォワードクラッチ406が係合された前進走行時にはプライマリプーリ回転数NINと一致する。車速Vは、セカンダリプーリ回転数NOUTと対応した値になる。
ECU900は、CPU(Central Processing Unit)、メモリおよび入出力インターフェースなどを含む。CPUはメモリに記憶されたプログラムに従って信号処理を行なう。これにより、エンジン200の出力制御、無段変速機500の変速制御、ベルト挟圧力制御、フォワードクラッチ406の係合/解放制御およびリバースブレーキ410の係合/解放制御などを実行する。
エンジン200の出力制御は電子スロットルバルブ1000、燃料噴射装置1100、点火装置1200などによって行なわれる。無段変速機500の変速制御、ベルト挟圧力制御、フォワードクラッチ406の係合/解放制御およびリバースブレーキ410の係合/解放制御は、油圧制御回路2000によって行なわれる。
図3を参照して、油圧制御回路2000の一部について説明する。なお、以下に説明する油圧制御回路2000は一例であって、これに限らない。
オイルポンプ310が発生した油圧は、ライン圧油路2002を介してプライマリレギュレータバルブ2100、モジュレータバルブ(1)2310およびモジュレータバルブ(3)2330に供給される。
プライマリレギュレータバルブ2100には、SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210のいずれか一方から選択的に制御圧が供給される。本実施の形態において、SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリ
ニアソレノイドバルブ2210の両方は、ノーマルオープン(非通電時に出力される油圧が最大になる)のソレノイドバルブである。なお、SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210がノーマルクローズ(非通電時に出力される油圧が最小(「0」)になる)であるようにしてもよい。
プライマリレギュレータバルブ2100のスプールは、供給された制御圧に応じて上下に摺動する。これにより、オイルポンプ310で発生した油圧がプライマリレギュレータバルブ2100により調圧(調整)される。プライマリレギュレータバルブ2100により調圧された油圧がライン圧PLとして用いられる。本実施の形態においては、プライマリレギュレータバルブ2100に供給される制御圧が高いほど、ライン圧PLがより高くなる。なお、プライマリレギュレータバルブ2100に供給される制御圧が高いほど、ライン圧PLがより低くなるようにしてもよい。
SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210には、ライン圧PLを元圧としてモジュレータバルブ(3)2330により調圧された油圧が供給される。
SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210は、ECU900から送信されたデューティ信号(デューティ値)によって決まる電流値に応じて制御圧を発生させる。
SLTリニアソレノイドバルブ2200の制御圧(出力油圧)およびSLSリニアソレノイドバルブ2210の制御圧(出力油圧)うち、プライマリレギュレータバルブ2100へ供給される制御圧は、コントロールバルブ2400により選択される。
コントロールバルブ2400のスプールが図3において(A)の状態(左側の状態)にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200からプライマリレギュレータバルブ2100へ制御圧が供給される。すなわち、SLTリニアソレノイドバルブ2200の制御圧に応じて、ライン圧PLが制御される。
コントロールバルブ2400のスプールが図3において(B)の状態(右側の状態)にある場合、SLSリニアソレノイドバルブ2210からプライマリレギュレータバルブ2100へ制御圧が供給される。すなわち、SLSリニアソレノイドバルブ2210の制御圧に応じて、ライン圧PLが制御される。
なお、コントロールバルブ2400のスプールが図3において(B)の状態にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200の制御圧は、後述するマニュアルバルブ2600に供給される。
コントロールバルブ2400のスプールは、スプリングにより一方向へ付勢される。このスプリングの付勢力に対向するように、変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520から油圧が供給される。
変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520は、ECU900から送信されたデューティ信号(デューティ値)によって決まる電流値に応じた油圧(制御圧)を出力する。
変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520の両方からコントロールバルブ2400に油圧が供給された場合、コントロールバルブ2400のスプールは図3において(B)の状態になる。
変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520の少なくともいずれか一方からコントロールバルブ2400に油圧が供給されていない場合、コントロールバルブ2400のスプールは、スプリングの付勢力により図3において(A)の状態になる。
変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520には、モジュレータバルブ(4)2340により調圧された油圧が供給される。モジュレータバルブ(4)2340は、モジュレータバルブ(3)2330から供給された油圧を一定の圧力に調圧する。
モジュレータバルブ(1)2310は、ライン圧PLを元圧として調圧された油圧を出力する。モジュレータバルブ(1)2310から出力された油圧は、セカンダリプーリ508の油圧シリンダに供給される。セカンダリプーリ508の油圧シリンダには、伝動ベルト510が滑りを生じないような油圧が供給される。
モジュレータバルブ(1)2310には、軸方向へ移動可能なスプールおよびそのスプールを一方へ付勢するスプリングが設けられている。モジュレータバルブ(1)2310は、ECU900によりデューティ制御されるSLSリニアソレノイドバルブ2210の出力油圧をパイロット圧として、モジュレータバルブ(1)2310に導入されるライン圧PLを調圧する。モジュレータバルブ(1)2310により調圧された油圧は、セカンダリプーリ508の油圧シリンダに供給される。モジュレータバルブ(1)2310からの出力油圧に応じてベルト挟圧力が増減させられる。
SLSリニアソレノイドバルブ2210は、アクセル開度A(CC)およびギヤ比GRをパラメータとしたマップに従い、ベルト滑りが生じないベルト挟圧力になるように制御される。具体的には、SLSリニアソレノイドバルブ2210に対する励磁電流をベルト挟圧力に対応するデューティ比で制御する。なお、加減速時などに伝達トルクが急に変化する場合には、ベルト挟圧力を増大補正してベルト滑りを抑制してもよい。
セカンダリプーリ508の油圧シリンダに供給される油圧は、プレッシャセンサ2312により検出される。
図4を参照して、マニュアルバルブ2600について説明する。マニュアルバルブ2600は、シフトレバー920の操作に従って機械的に切換えられる。これにより、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は係合させられたり、解放させられたりする。
シフトレバー920は、駐車用の「P」ポジション、後進走行用の「R」ポジション、動力伝達を遮断する「N」ポジション、前進走行用の「D」ポジションおよび「B」ポジションへ操作される。
「P」ポジションおよび「N」ポジションでは、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410内の油圧は、マニュアルバルブ2600からドレンされる。これにより、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は解放される。
「R」ポジションでは、マニュアルバルブ2600からリバースブレーキ410に油圧が供給される。これによりリバースブレーキ410が係合させられる。一方、フォワードクラッチ406内の油圧がマニュアルバルブ2600からドレンされる。これによりフォワードクラッチ406が解放される。
コントロールバルブ2400が図4において(A)の状態(左側の状態)にある場合、図示しないモジュレータバルブ(2)から供給されたモジュレータ圧PMが、コントロールバルブ2400を介してマニュアルバルブ2600に供給される。このモジュレータ圧PMによりリバースブレーキ410が係合状態に保持される。
コントロールバルブ2400が図4において(B)の状態(右側の状態)にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200により調圧された油圧が、マニュアルバルブ2600に供給される。SLTリニアソレノイドバルブ2200により油圧を調圧することにより、リバースブレーキ410が緩やかに係合され、係合時のショックが抑制される。
また、コントロールバルブ2400が図4において(B)の状態(右側の状態)にある場合において、SLTリニアソレノイドバルブ2200のデューティ比を100%にし、通電量を最大にすると、SLTリニアソレノイドバルブ2200から油圧が出力されなくなり、リバースブレーキ410に供給される油圧が「0」になる。すなわち、SLTリニアソレノイドバルブ2200を介してリバースブレーキ410から油圧がドレンされ、リバースブレーキ410が解放される。
「D」ポジションおよび「B」ポジションでは、マニュアルバルブ2600からフォワードクラッチ406に油圧が供給される。これによりフォワードクラッチ406が係合させられる。一方、リバースブレーキ410内の油圧がマニュアルバルブ2600からドレンされる。これによりリバースブレーキ410が解放される。
コントロールバルブ2400が図4において(A)の状態(左側の状態)にある場合、図示しないモジュレータバルブ(2)から供給されたモジュレータ圧PMが、コントロールバルブ2400を介してマニュアルバルブ2600に供給される。このモジュレータ圧PMによりフォワードクラッチ406が係合状態に保持される。
コントロールバルブ2400が図4において(B)の状態(右側の状態)にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200により調圧された油圧が、マニュアルバルブ2600に供給される。SLTリニアソレノイドバルブ2200により油圧を調圧することにより、フォワードクラッチ406が緩やかに係合され、係合時のショックが抑制される。
SLTリニアソレノイドバルブ2200は、通常はコントロールバルブ2400を介してライン圧PLを制御する。SLSリニアソレノイドバルブ2210は、通常はモジュレータバルブ(1)2310を介してベルト挟圧力を制御する。
一方、シフトレバー920が「D」ポジションである状態で車両が停止した(車速が「0」になった)という条件を含むニュートラル制御実行条件が成立した場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200は、フォワードクラッチ406の係合力が低下するように、フォワードクラッチ406の係合力を制御する。SLSリニアソレノイドバルブ2210は、モジュレータバルブ(1)2310を介してベルト挟圧力を制御するとともに、SLTリニアソレノイドバルブ2200に代わって、ライン圧PLを制御する。
シフトレバー920が「N」ポジションから「D」ポジションまたは「R」ポジションへ操作されるガレージシフトが行なわれた場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200は、フォワードクラッチ406もしくはリバースブレーキ410が緩やかに係合するように、フォワードクラッチ406もしくはリバースブレーキ410の係合力を制御する。SLSリニアソレノイドバルブ2210は、モジュレータバルブ(1)2310を介してベルト挟圧力を制御するとともに、SLTリニアソレノイドバルブ2200に代わって、ライン圧PLを制御する。
車両の前進走行中に(車速が復帰速度V(R)以上である場合に)シフトレバー920が「R」ポジションへ操作された場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200は、リバースブレーキ410を解放するように制御される。
図5を参照して、変速制御を行なう構成について説明する。変速制御は、プライマリプーリ504の油圧シリンダに対する油圧の供給および排出を制御することにより行なわれる。プライマリプーリ504の油圧シリンダに対する作動油の給排は、レシオコントロールバルブ(1)2710およびレシオコントロールバルブ(2)2720を用いて行なわれる。
プライマリプーリ504の油圧シリンダには、ライン圧PLが供給されるレシオコントロールバルブ(1)2710と、ドレンに接続されたレシオコントロールバルブ(2)2720とが連通されている。
レシオコントロールバルブ(1)2710は、アップシフトを実行するためのバルブである。レシオコントロールバルブ(1)2710は、ライン圧PLが供給される入力ポートとプライマリプーリ504の油圧シリンダに連通された出力ポートとの間の流路をスプールによって開閉するように構成されている。
レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールの一端部にはスプリングが配置されている。スプールを挟んでスプリングとは反対側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(1)2510からの制御圧が供給されるポートが形成されている。また、スプリングが配置されている側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(2)2520からの制御圧が供給されるポートが形成されている。
変速制御用デューティソレノイド(1)2510からの制御圧を高くするとともに、変速制御用デューティソレノイド(2)2520から制御圧を出力しないようにすると、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが図5において(D)の状態(右側の状態)になる。
この状態では、プライマリプーリ504の油圧シリンダに供給される油圧が増加してプライマリプーリ504の溝幅が狭くなる。そのため、ギヤ比が低下する。すなわちアップシフトする。またその際の作動油の供給流量を増大させることにより、変速速度が速くなる。
レシオコントロールバルブ(2)2720は、ダウンシフトを実行するためのバルブである。レシオコントロールバルブ(2)2720のスプールの一端部にはスプリングが配置されている。スプリングが配置されている側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(1)2510からの制御圧が供給されるポートが形成されている。スプールを挟んでスプリングとは反対側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(2)2520からの制御圧が供給されるポートが形成されている。
変速制御用デューティソレノイド(2)2520からの制御圧を高くするとともに、変速制御用デューティソレノイド(1)2510から制御圧を出力しないようにすると、レシオコントロールバルブ(2)2720のスプールが図5において(C)の状態(左側の状態)になる。同時に、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが図5において(C)の状態(左側の状態)になる。
この状態では、レシオコントロールバルブ(1)2710およびレシオコントロールバルブ(2)2720を介して、プライマリプーリ504の油圧シリンダから作動油が排出される。そのため、プライマリプーリ504の溝幅が広くなる。その結果、ギヤ比が増大する。すなわちダウンシフトする。またその際の作動油の排出流量を増大させることにより、変速速度が速くなる。
ギヤ比を制御する際において、変速制御用デューティソレノイド(1)2510から出力される油圧(制御圧)および変速制御用デューティソレノイド(2)2520から出力される油圧(制御圧)は、ECU900から各変速制御用デューティソレノイドに送信されたデューティ値に応じた値となる。
本実施の形態においては、デューティ値が高いほど、変速制御用デューティソレノイドの制御圧がより高くなる。デューティ値は、無段変速機500の入力軸502の実際の回転数と後述するマップ等にしたがって設定される目標入力軸回転数との差に応じて定められる。入力軸502の実際の回転数と目標入力軸回転数との差が大きいほど、デューティ値がより高く設定される。
レシオコントロールバルブ(1)2710において、変速制御用デューティソレノイド(1)2510から出力される油圧によりスプールに作用する力が、変速制御用デューティソレノイド(2)2520から出力される油圧によりスプールに作用する力およびスプリングの付勢力の和よりも小さいと、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが(C)の状態(左側の状態)になる。
レシオコントロールバルブ(2)2720において、変速制御用デューティソレノイド(2)2520から出力される油圧によりスプールに作用する力が、変速制御用デューティソレノイド(1)2510から出力される油圧によりスプールに作用する力およびスプリングの付勢力の和よりも小さいと、レシオコントロールバルブ(2)2720のスプールが(D)の状態(右側の状態)になる。
したがって、変速制御用デューティソレノイド(1)2510およびレシオコントロールバルブ(2)2720の両方から制御圧を出力しないようにすると、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが(C)の状態(左側の状態)になると同時に、レシオコントロールバルブ(2)2720のスプールが(D)の状態(右側の状態)になる。
この状態では、レシオコントロールバルブ(2)2720に接続されたバイパスコントロールバルブ2800により調圧された油圧がプライマリプーリ504の油圧シリンダに供給される。すなわち、バイパスコントロールバルブ2800により、プライマリプーリ504の油圧シリンダに供給される作動油の流量が制御される。
バイパスコントロールバルブ2800のスプールの一端部にはスプリングが配置されている。このスプリングは、ライン圧PLが供給される入力ポートと、最終的にプライマリプーリ504の油圧シリンダに供給される油圧(バイパスコントロールバルブ2800で調圧した油圧)PBYを出力する出力ポートとを接続する方向にスプールを付勢する。
スプリングが配置されている側の端部に、モジュレータバルブ(1)2310からの出力油圧POUTが供給されるポートが形成されている。スプールを挟んでスプリングとは反対側の端部に、バイパスコントロールバルブ2800から出力された油圧POUTがフィードバックされるフィードバックポートが形成されている。
ここで、バイパスコントロールバルブ2800における、フィードバックポート側の断面積をA(1)、モジュレータバルブ(1)2310からの油圧POUTが供給されるポート側の断面積をA(2)、スプリングの付勢力をWとすると、このバイパスコントロールバルブ2800においては、以下の式で平衡状態になる。
PBY×A(1)=POUT×A(2)+W…(1)
この式(1)を変形すると、バイパスコントロールバルブ2800から出力される油圧PBYは、
PBY={A(2)/A(1)}×POUT+W/A(1)…(2)
となる。
すなわち、レシオコントロールバルブ(2)2720には、{A(2)/A(1)}×POUTという項を有する式(2)で表わされる油圧が入力される。
そのため、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが(C)の状態(左側の状態)にあり、かつレシオコントロールバルブ(2)2720のスプールが(D)の状態(右側の状態)にある場合においては、ベルト挟圧力を制御するために出力される油圧POUTに応じた油圧を、最終的にプライマリプーリ504の油圧シリンダに供給することができる。
油圧制御回路や油圧制御機器などから作動油の漏洩が生じてプライマリプーリ504の油圧シリンダの油圧が低下した場合には、バイパスコントロールバルブ2800からプライマリプーリ504の油圧シリンダに作動油が僅かずつ供給される。そのため、変速の状態としては、僅かながらアップシフト傾向となり、ギヤ比が僅かずつ低下する緩速のアップシフトとなる。
以下、図6を参照して、ECU900の機能について説明する。なお、以下に説明する機能は、ソフトウェアにより実現するようにしてもよく、ハードウェアにより実現するようにしてもよい。ECU900は複数のECUに分割するようにしてもよい。
ECU900は、アクセル開度検出部930と、変化率検出部932と、車速検出部934と、第1設定部941と、第2設定部942と、定常走行制御部950と、リニアシフト制御部952と、オフアップシフト制御部954と、ギヤ比制御部956とを備える。
アクセル開度検出部930は、アクセル開度センサ914から送信された信号に基づいて、アクセル開度A(CC)を検出する。
変化率検出部932は、アクセル開度A(CC)の変化率を検出(算出)する。アクセル開度A(CC)が増大する場合、変化率は正値で表わされる。アクセル開度A(CC)が減少する場合、変化率は負値で表わされる。車速検出部934は、車速センサ906から送信された信号に基づいて車速Vを検出する。
第1設定部941は、定常走行時の無段変速機500の目標入力軸回転数NINOPTを設定する。本実施の形態において、定常走行とは、たとえば車速が一定である走行状態もしくは加速度がしきい値以下である緩加速状態を意味する。定常走行時には、目標入力軸回転数NINOPTが最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定され、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINCになるように無段変速機500のギヤ比が制御される。ただし、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTは常時設定される。
定常走行時の目標入力回転数NINOPTは、定常走行に適した目標入力軸回転数であり、たとえば燃費を優先して定められる。定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTは、図7に示すように、車速Vおよびアクセル開度A(CC)をパラメータに有するマップに従って設定される。
第2設定部942は、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEを設定する。本実施の形態において、リニアシフト制御とは、一旦ダウンシフトした後、無段変速機500の入力軸回転数NINを車速Vに比例して増大させる変速制御を意味する。リニアシフト制御は、たとえば、アクセル開度A(CC)が予め定められた正のしきい値以上であり、かつ予め定められた正のしきい値以上の変化率でアクセル開度A(CC)が増大した場合に実行される。
リニアシフト制御時には、目標入力軸回転数NINLINEが最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定され、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINCになるように無段変速機500のギヤ比が制御される。ただし、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEは常時設定される。
リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEは、車速、アクセル開度およびアクセル開度の変化率をパラメータに有するマップに従って設定される。より具体的には、リニアシフト制御を開始する時点での目標入力軸回転数NILINEの初期値が、車速、アクセル開度およびアクセル開度の変化率をパラメータに有するマップに従って設定される。初期値は、ダウンシフト後における駆動力および応答性などを考慮して設定される。初期値の設定後、目標入力軸回転数NINLINEは、図8に示すように、車速Vの上昇勾配(出力軸回転数NOUTの上昇勾配)ΔαNOUTに比例して設定される。
リニアシフト制御の実行中において、予め定められた負のしきい値以下の変化率でアクセル開度A(CC)が減少した場合、目標入力軸回転数NINLINEは、図9に示すように、車速Vおよびアクセル開度A(CC)をパラメータに有するマップに従って設定される。
定常走行制御部950は、定常走行時において、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTを最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定する。
リニアシフト制御部952は、アクセル開度A(CC)が予め定められた正のしきい値以上であり、かつ予め定められた正のしきい値以上の変化率でアクセル開度A(CC)が増大した場合、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEを最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定することを開始する。すなわち、リニアシフト制御が開始される。
オフアップシフト制御部954は、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEが最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定されている状態、すなわちリニアシフト制御の実行中において、予め定められた負のしきい値以下の変化率でアクセル開度A(CC)が減少した場合、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTおよびリニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEのうちの小さい方を、最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定することを開始する。これにより、オフアップシフト制御が開始される。本実施の形態において、オフアップシフト制御とは、アクセル開度が減少した場合にアップシフトするように無段変速機500のギヤ比を制御する変速制御を意味する。
ギヤ比制御部956は、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINCになるように無段変速機500のギヤ比を制御する。
図10および図11を参照して、ECU900が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、ECU900により実行されるプログラムをCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記録して市場に流通させてもよい。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU900は、リニアシフト実行フラグがオンであるか否かを判定する。リニアシフト実行フラグがオンであると(S100にてYES)、処理はS124に移される。リニアシフト実行フラグがオフであると(S100にてNO)、処理はS102に移される。
S102にて、ECU900は、オフアップ実行フラグがオンであるか否かを判定する。オフアップ実行フラグがオンであると(S102にてYES)、処理はS130に移される。オフアップ実行フラグがオフであると(S102にてNO)、処理はS110に移される。
S110にて、ECU900は、アクセル開度A(CC)が正のしきい値以上であるか否かを判定する。アクセル開度A(CC)が正のしきい値以上であると(S110にてYES)、処理はS112に移される。もしそうでないと(S110にてNO)、処理はS132に移される。
S112にて、ECU900は、アクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた正のしきい値以上であるか否かを判定する。アクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた正のしきい値以上であると(S112にてYES)、処理はS120に移される。もしそうでないと(S112にてNO)、処理はS132に移される。
S120にて、ECU900は、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEを最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定することを開始する。すなわち、リニアシフト制御が開始される。S122にて、ECU900は、リニアシフト実行フラグをオンにする。
S124にて、ECU900は、アクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた負のしきい値以下であるか否かを判定する。アクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた負のしきい値以下であると(S124にてYES)、処理はS126に移される。もしそうでないと(S124にてNO)、処理はS130に移される。
S126にて、ECU900は、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTおよびリニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEのうちの小さい方を、最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定することを開始する。すなわち、オフアップシフト制御が開始される。
S128にて、ECU900は、リニアシフト実行フラグをオフにするとともに、オフアップ実行フラグをオンにする。
S130にて、ECU900は、車両が定常走行状態であるか否かを判定する、車両が定常走行状態であると(S130にてYES)、処理はS132に移される。もしそうでないと(S130にてNO)、処理はS140に移される。
S132にて、ECU900は、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTを最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定する。S134にて、ECU900は、リニアシフト実行フラグおよびオフアップ実行フラグをオフにする。
S140にて、ECU900は、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINCになるように無段変速機500のギヤ比を制御する。その後、処理はS100に戻される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置の動作について説明する。
リニアシフト実行フラグがオフであり(S100にてNO)、オフアップ実行フラグがオフであると(S102にてNO)、アクセル開度A(CC)が正のしきい値以上であるか否かが判定される(S110)。
図12の時間T1において、アクセル開度A(CC)が正のしきい値以上であり(S110にてYES)、かつアクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた正のしきい値以上になると(S112にてYES)、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEを最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定することが開始されるとともに(S120)、リニアシフト実行フラグがオンにされる(S122)。無段変速機500のギヤ比は、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINCになるように制御される(S140)。
これにより、図12に示すように、車速Vの上昇勾配ΔαNOUTに比例して無段変速機500の入力軸回転数NINを上昇させることができる。そのため、車両の加速時において、車速Vとともにエンジン回転数NEを増大することができる。その結果、ラバーバンドフィールを低減することができる。
リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEが最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定されている状態、すなわちリニアシフト制御の実行中、時間T2において、アクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた負のしきい値以下になると(S124にてYES)、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTおよびリニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEのうちの小さい方を、最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定することが開始される(S126)。すなわち、オフアップシフト制御が開始される。リニアシフト実行フラグがオフにされるとともに、オフアップ実行フラグがオンにされる(S128)。
無段変速機500のギヤ比は、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINCになるように制御される(S140)。
これにより、ダウンシフトしないように無段変速機500のギヤ比を制御することができる。そのため、アクセル開度A(CC)の減少とともにアップシフトを求めるドライバの意思に沿うように無段変速機500のギヤ比を制御することができる。その結果、リニアシフト制御を中止して定常走行時の変速制御へ移行する際にドライバに与え得る違和感を低減することができる。
車両が定常走行状態であると(S130にてYES)、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTが最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定され(S132)、リニアシフト実行フラグおよびオフアップ実行フラグがオフにされる(S134)。無段変速機500のギヤ比は、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINCになるように制御される(S140)。これにより、燃費が最適な状態で車両を走行させることができる。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置によれば、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTおよびリニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEのうちの小さい方が、最終的な目標入力軸回転数NINCとして設定される。これにより、たとえばリニアシフト制御から定常走行時の変速制御へ切換える際に、ダウンシフトしないように無段変速機のギヤ比を制御することができる。そのため、アップシフトを求めるドライバの意思に沿うように無段変速機のギヤ比を制御することができる。その結果、ドライバに与える違和感を低減することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置を示す制御ブロック図である。 油圧制御回路を示す図(その1)である。 油圧制御回路を示す図(その2)である。 油圧制御回路を示す図(その3)である。 ECUの機能ブロック図である。 目標入力軸回転数NINOPTを設定するために用いられるマップを示す図である。 目標入力軸回転数NINLINEなどを示す図である。 目標入力軸回転数NINLINEを設定するために用いられるマップを示す図である。 ECUが実行するプログラムの制御構造を示す図(その1)である。 ECUが実行するプログラムの制御構造を示す図(その2)である。 目標入力軸回転数NINCなどを示す図である。
符号の説明
100 駆動装置、200 エンジン、300 トルクコンバータ、310 オイルポンプ、400 前後進切換装置、402 サンギヤ、404 キャリア、406 フォワードクラッチ、408 リングギヤ、410 リバースブレーキ、500 無段変速機、502 入力軸、504 プライマリプーリ、506 出力軸、508 セカンダリプーリ、510 伝動ベルト、600 減速歯車、700 差動歯車装置、800 駆動輪、900 ECU、902 エンジン回転数センサ、904 タービン回転数センサ、906 車速センサ、908 スロットル開度センサ、910 冷却水温センサ、912 油温センサ、914 アクセル開度センサ、916 フットブレーキスイッチ、918 ポジションセンサ、920 シフトレバー、922 プライマリプーリ回転数センサ、924 セカンダリプーリ回転数センサ、930 アクセル開度検出部、932 変化率検出部、934 車速検出部、941 第1設定部、942 第2設定部、950 定常走行制御部、952 リニアシフト制御部、954 オフアップシフト制御部、956 ギヤ比制御部、1000 電子スロットルバルブ、1100 燃料噴射装置、1200 点火装置、2000 油圧制御回路、2002 ライン圧油路、2100 プライマリレギュレータバルブ、2200 SLTリニアソレノイドバルブ、2210 SLSリニアソレノイドバルブ、2310 モジュレータバルブ(1)、2330 モジュレータバルブ(3)、2340 モジュレータバルブ(4)、2312 プレッシャセンサ、2400 コントロールバルブ、2510 変速制御用デューティソレノイド(1)、2520 変速制御用デューティソレノイド(2)、2600 マニュアルバルブ、2710 レシオコントロールバルブ(1)、2720 レシオコントロールバルブ(2)、2800 バイパスコントロールバルブ。

Claims (3)

  1. 車両に搭載された無段変速機の制御装置であって、
    第1のモードで前記無段変速機の第1の目標入力軸回転数を設定するための第1の設定手段と、
    前記第1のモードとは異なる第2のモードで前記無段変速機の第2の目標入力軸回転数を設定するための第2の設定手段と、
    前記第1の目標入力軸回転数および前記第2の目標入力軸回転数のうちの小さい方を第3の目標入力軸回転数として設定するための第3の設定手段と、
    前記無段変速機の入力軸回転数が前記第3の目標入力軸回転数になるように前記無段変速機のギヤ比を制御するための手段とを備える、無段変速機の制御装置。
  2. アクセル開度の変化率を検出するための手段と、
    予め定められた正のしきい値以上の変化率でアクセル開度が増大した場合、前記第2の目標入力軸回転数を前記第3の目標入力軸回転数として設定することを開始するための手段とをさらに備え、
    前記第3の設定手段は、前記第2の目標入力軸回転数が前記第3の目標入力軸回転数として設定されている状態において予め定められた負のしきい値以下の変化率でアクセル開度が減少した場合、前記第1の目標入力軸回転数および前記第2の目標入力軸回転数のうちの小さい方を第3の目標入力軸回転数として設定することを開始するための手段を含む、請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  3. アクセル開度を検出するための手段と、
    車速を検出するための手段とをさらに備え、
    前記第1の設定手段は、車速およびアクセル開度をパラメータに有する第1のマップに従って前記第1の目標入力軸回転数を設定するための手段を含み、
    前記第2の設定手段は、車速およびアクセル開度をパラメータに有し、前記第1のマップとは異なる第2のマップに従って前記第2の目標入力軸回転数を設定するための手段を含む、請求項1または2に記載の無段変速機の制御装置。
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