JPH08145133A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

Info

Publication number
JPH08145133A
JPH08145133A JP29266994A JP29266994A JPH08145133A JP H08145133 A JPH08145133 A JP H08145133A JP 29266994 A JP29266994 A JP 29266994A JP 29266994 A JP29266994 A JP 29266994A JP H08145133 A JPH08145133 A JP H08145133A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift control
target value
control target
shift
acceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29266994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3389709B2 (ja
Inventor
Yutaka Suzuki
裕 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP29266994A priority Critical patent/JP3389709B2/ja
Publication of JPH08145133A publication Critical patent/JPH08145133A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3389709B2 publication Critical patent/JP3389709B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無段変速機搭載車の大加速時に、機関回転数
が上昇するのみで、加速が遅れるとの違和感をなくす変
速制御を、負荷に応じた適切なものとする。 【構成】 コントローラ4は、スロットル開度TVOか
らキックダウンを検知すると、通常の目標入力回転数よ
りも低い加速時目標入力回転数を基準にして、当該検知
からの走行距離Dに応じ徐々に増大する修正目標入力回
転数を、通常の目標入力回転数に代えて変速モータ3に
出力し、これに基づくキックダウン時変速制御を実行す
る。当該入力回転の抑制分が加速性能の向上に振り向け
られ、キックダウン当初に車両が加速されない違和感を
なくせる。また、高負荷ほど低車速において通常の変速
に戻るため、加速性能の向上に振り向けられる絶対的な
駆動力の犠牲量が少なく、高負荷で絶対的な駆動力の不
足を生ずることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクセルペダルを大き
く踏み込むような加速時における無段変速機搭載車両の
運転性を向上することを狙った無段変速機の変速制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トロイダル無段変速機や、Vベルト式無
段変速機等の無段変速機は通常、予め定めた変速パター
ンを基に、現在の運転状態を表すエンジンスロットル開
度および車速に応じた変速制御目標値(通常は、エンジ
ン回転数や、変速機入力回転数等、変速機入力側回転数
の目標値であるが、これに等価な変速比の場合もある)
を求め、この変速制御目標値が達成されるよう変速制御
される。
【0003】ここで無段変速機の変速パターンは、例え
ば図13に示すようなもので、無段変速機の制御限界内
においてスロットル開度TVOおよび車速VSPによ
り、変速機入力回転数目標値Ni * (車速VSPと、目
標入力回転数Ni * とで、対応する目標変速比が判る)
として予め定められている。
【0004】ところで、或る車速おいてアクセルペダル
を大きく踏み込むキックダウンによりエンジンの加速操
作を行った結果、運転条件が同図の例えばx点からy点
に変化することになった場合を考察するに、目標入力回
転数Ni * がy点に対応した高い回転数であることか
ら、無段変速機は先ず、入力回転数をこの高い回転数に
上昇させるようなダウンシフト変速を行い、その後に初
めて車速VSPが矢αで示すように上昇する。従って、
当初の間上記のキックダウンによってもエンジン回転数
が上昇するだけで、車両が加速されないといった、車両
の加速性能に関する違和感を生ずる。
【0005】この点に関する無段変速機の変速制御技術
としては従来、例えば特開昭59−208253号公報
に記載の如きものがある。この変速制御技術は、機関の
低速あるいは低負荷状態から車両を加速する場合、加速
初期の所定時間中は変速比を加速前の変速比に固定する
ようにしたものである。この変速制御技術によれば、加
速操作に伴う機関の回転上昇が上記の所定時間中に、加
速性能の向上に振り向けられることとなり、予定の変速
パターンから外れた制御故に絶対的な駆動力は犠牲にな
るものの、加速性能が向上されて、上記の加速性能に関
する違和感を解消することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来の
変速制御装置によれば、加速初期の所定時間中は変速比
を不変に保つというものであることから、この所定時間
中における予定の変速パターンからの乖離、つまり加速
性能の向上に振り向けられる絶対的な駆動力の犠牲量
が、機関運転負荷(路面勾配の違いや、積載量の違い
等)にかかわらず同じである。従って、高負荷運転中に
加速性能の向上に振り向けられる絶対的な駆動力の犠牲
量が多過ぎて、高負荷運転中の絶対的な駆動力の不足を
生じたり、大きな駆動力を必要としない低負荷運転中
に、加速性能の向上に振り向ける絶対的な駆動力の犠牲
量が少な過ぎて、低負荷運転中に十分な加速性能向上効
果が得られないといった事態が懸念される。
【0007】この問題解決のためには、機関運転負荷を
変化させる要因である走行条件を逐一検出し、この検出
結果に応じて、加速初期の所定時間中に不変に保つとい
う変速比を異ならせるような制御を付加することも考え
られるが、この場合、走行条件を検出する手段が別途に
必要であったり、制御が複雑になるなどの理由から、変
速制御装置のコスト高を招き、実際的でない。
【0008】本発明は、このようなコスト高を招くこと
なく、加速性能の向上効果に振り向けられる絶対的な駆
動力の犠牲量が運転負荷に応じ、理にかなった通りに変
化するような変速制御を実現可能な装置を提案すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
による無段変速機の変速制御装置は、図1に概念を示す
ように、予定の変速パターンを基に決定される、運転条
件に応じた変速制御目標値が達成されるよう変速アクチ
ュエータにより変速制御される無段変速機を介し、機関
出力を車輪に伝達するようにした車両において、機関の
一定以上の加速操作を検知する加速操作検知手段と、該
加速操作検知時に、この加速操作に対応した前記変速制
御目標値よりも変速機入力側回転数が小さくなる、予定
の加速時変速制御目標値を記憶する加速時変速制御目標
値記憶手段と、前記加速操作検知時からの車両走行距離
を計測する走行距離計測手段と、前記加速操作検知時以
後、前記加速時変速制御目標値記憶手段により記憶した
加速時変速制御目標値を基準にして、前記走行距離計測
手段により計測した加速後における走行距離の増大に応
じ徐々に変速機入力側回転数を上昇させるように変化す
る修正変速制御目標値を、前記変速パターンに基づき決
定される変速制御目標値に代えて、前記変速アクチュエ
ータに指令する変速制御目標値修正手段とを具備するこ
とを特徴とするものである。
【0010】また第2発明による無段変速機の変速制御
装置は、前記変速制御目標値修正手段からの修正変速制
御目標値が、前記変速パターンに基づき決定される変速
制御目標値と同じ値まで上昇したところで、変速制御目
標値修正手段による変速制御目標値の修正を終了させ
て、変速パターンに基づき決定される変速制御目標値を
前記変速アクチュエータに指令するようになす変速制御
目標値修正終了手段を付加したことを特徴とするもので
ある。
【0011】更に第3発明による無段変速機の変速制御
装置は、車速を検出する車速検出手段を付加し、該手段
からの信号にも応答して前記変速制御目標値修正手段
は、前記加速後の走行距離の増大に応じ変速機入力側回
転数を高車速ほど高い割合で上昇させるように変化する
修正変速制御目標値を、前記変速アクチュエータに指令
するよう構成したことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】第1発明において無段変速機は、運転条件に応
じた変速制御目標値を予定の変速パターンを基に決定
し、これが達成されるよう変速アクチュエータにより変
速制御され、車両はこの無段変速機を介し機関出力を車
輪に伝達されて走行される。
【0013】ここで加速操作検知手段は、機関の一定以
上の加速操作を検知し、加速時変速制御目標値記憶手段
は、この加速操作検知時に、当該加速操作に対応した前
記変速制御目標値よりも、変速機入力側回転数が小さく
なる予定の加速時変速制御目標値を記憶し、また走行距
離計測手段は、当該加速操作検知時からの車両走行距離
を計測する。そして変速制御目標値修正手段は、上記の
加速操作検知時以後、加速時変速制御目標値記憶手段に
より記憶した加速時変速制御目標値を基準にして、走行
距離計測手段により計測した加速後における走行距離の
増大に応じ徐々に変速機入力側回転数を上昇させるよう
に変化する変速制御目標値を修正変速制御目標値とし
て、前記変速パターンに基づき決定される変速制御目標
値に代え、変速アクチュエータに指令する。
【0014】これがため第1発明においては、上記の加
速操作時に、変速制御目標値がいきなりこの加速操作に
対応した変速制御目標値になるような変速を行うことが
なく、この変速制御目標値よりも変速機入力側回転数が
小さくなる、予定の加速時変速制御目標値から、上記走
行距離の増大に応じ徐々に変速機入力側回転数を上昇さ
せるように変化する修正変速制御目標値を達成するよう
な変速を行うこととなる。従って上記の加速操作時当初
に、機関回転数が上昇するのみで、車両が加速されない
といった、加速性能に関する違和感をなくすことができ
る。
【0015】そして修正変速制御目標値を、上記走行距
離の増大に応じ徐々に変速機入力側回転数を上昇させる
ように変化する変速制御目標値としたから、以下の作用
効果も奏し得られる。つまり同じ距離だけ走行した時の
車速を考察するに、高負荷時は低負荷時よりも当然車速
が低く、これにより、高負荷時は低負荷時よりも低車速
において予定の変速パターンに一致した変速に戻ること
となり、高負荷時は低負荷時よりも当該予定の変速パタ
ーンからの乖離、つまり加速性能の向上に振り向けられ
る絶対的な駆動力の犠牲量が少ない。従って、機関運転
負荷(路面勾配の違いや、積載量の違い等)に応じて、
高負荷運転中は加速性能の向上に振り向けられる絶対的
な駆動力の犠牲量が少なく、高負荷運転中の絶対的な駆
動力の不足を生ずることがなくなり、逆に大きな駆動力
を必要としない低負荷運転中は、加速性能の向上に振り
向ける絶対的な駆動力の犠牲量が多くなって、低負荷運
転中は十分な加速性能向上効果が得られるといったよう
に、加速性能向上効果に振り向けられる駆動力の犠牲量
が理にかなったものとなるような変速制御を実現させる
ことができる。
【0016】しかも、機関運転負荷を左右する走行条件
を一切検出することなしに、上記のような機関運転負荷
に応じた変速制御が可能であることから、走行条件検出
手段を付加する必要がなく、制御が複雑になることもな
い等の理由によって、安価に上記の作用効果を達成する
ことができる。
【0017】第2発明においては、前記変速制御目標値
修正手段からの修正変速制御目標値が、前記変速パター
ンに基づき決定される変速制御目標値と同じ値まで上昇
したところで、変速制御目標値修正終了手段が、変速制
御目標値修正手段による変速制御目標値の修正を終了さ
せて、変速パターンに基づき決定される変速制御目標値
を前記変速アクチュエータに指令するようになす。この
場合、変速制御目標値の上記修正が的確に終了されて、
変速パターンから不所望な側に外れた変速制御がなされ
るのを回避することができる。
【0018】第3発明において前記変速制御目標値修正
手段は、車速検出手段が検出した車速にも応答して、前
記加速後の走行距離の増大に応じ変速機入力側回転数を
高車速ほど高い割合で上昇させるように変化する修正変
速制御目標値を、前記変速アクチュエータに指令する。
この場合、高車速ほど短距離で変速制御目標値を変速パ
ターンに対応したものに戻す駆動力重視の変速制御を行
うこととなって、高負荷であることが多い高車速走行に
適した変速制御を実現させることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図2は、本発明による無段変速機の変速制御
装置を例示するもので、1は機関としてのエンジン、2
は無段変速機を示す。ここで無段変速機2は、例えば本
願出願人が先に提案済みの特開平2−292562号公
報に記載されたごときものとし、変速アクチュエータと
しての変速モータ3により図示せざる変速制御弁をスト
ロークさせることで、変速制御目標値を達成すべく変速
制御されるものとする。ここで、変速制御目標値は詳し
くは後述するが、変速機の目標入力回転数とし、基本的
には図13に実線で示すように、スロットル開度TVO
と車速VSPとで決まる予定の変速パターンとして与え
ておくものとする。
【0020】変速モータ3は、変速機コントローラ4に
よりこれを制御し、これがため変速機コントローラ4に
は、エンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロ
ットル開度センサ5からの信号、車速VSPを検出する
車速検出手段に相当する車速センサ6からの信号、およ
び車両の走行距離Dを検出する距離センサ7からの信号
を入力する。なお走行距離Dに関しては、車速センサ6
からのパルス信号をカウントアップすることによっても
検出可能で、この場合、距離センサ7を省略することが
できる。
【0021】コントローラ4はこれら入力情報をもと
に、図3の制御プログラムを実行してモータ3を介した
無段変速機2の変速制御を以下の如くに行う。先ずステ
ップ11において、スロットル開度TVO、車速VSP
および走行距離Dを読み込み、次のステップ12で、図
13の実線で示す変速パターンをもとにスロットル開度
TVOおよび車速VSPに対応した目標入力回転数Ni
* を検索する。
【0022】ステップ13では、キックダウン用の変速
制御中であることを示すようにフラグFLAGが1であ
るかどうかをチェックし、未だキックダウン用の変速制
御中でない場合、加速操作検知手段に相当するステップ
14でキックダウン操作(加速操作)があったか否かを
チェックする。このキックダウン操作(加速操作)の判
定に当たっては、図4乃至図7の判定方式が考えられ
る。
【0023】図4の判定方式は、スロットル開度TVO
を制御用メモリTVO1にセットし、この制御用メモリ
TVO1が所定値以上である時、キックダウン操作があ
ったと判定し、制御用メモリTVO1が所定値未満であ
る時、キックダウン操作でないと判定するものである。
【0024】図5の判定方式は、制御用メモリTVO1
を制御用メモリOLDTVOに記憶し、スロットル開度
TVOを制御用メモリTVO1に記憶し、これらから1
演算サイクル中におけるスロットル開度変化量dTVO
をdTVO=TVO1−OLDTVOにより算出した
後、このスロットル開度変化量dTVOが所定値以上で
ある時、キックダウン操作があったと判定し、スロット
ル開度変化量dTVOが所定値未満である時、キックダ
ウン操作でないと判定するものである。
【0025】図6の判定方式は、目標入力回転数Ni *
を制御用メモリT.Ni に記憶し、この制御用メモリ
T.Ni が所定値以上である時、キックダウン操作があ
ったと判定し、制御用メモリT.Ni が所定値未満であ
る時、キックダウン操作でないと判定するものである。
【0026】図7の判定方式は、制御用メモリT.Ni
を制御用メモリOLDT.Ni に記憶し、目標入力回転
数Ni * を制御用メモリT.Ni に記憶し、これらから
1演算サイクル中における目標入力回転数変化量dNi
* をdNi * =T.Ni −OLDT.Ni により算出し
た後、この目標入力回転数変化量dNi * が所定値以上
である時、キックダウン操作があったと判定し、目標入
力回転数変化量dNi * が所定値未満である時、キック
ダウン操作でないと判定するものである。
【0027】以上の判定により、キックダウン操作でな
いと判定する場合、図3のステップ23で、ステップ1
2における目標入力回転数Ni * をそのまま図2のモー
タ3に指令して、この目標入力回転数Ni * が達成され
るよう無段変速機2を変速制御する。
【0028】ステップ14でキックダウン操作があった
と判定する場合、ステップ15において、図8の制御プ
ログラムを実行することにより、走行距離読み込み値D
をキックダウン操作時の走行距離Dkdとして記憶する。
そして、加速時変速制御目標値記憶手段に相当するステ
ップ16で、図9の制御プログラムを実行することによ
り、図13に破線で示すキックダウン用の加速時目標入
力回転数特性をもとに車速VSPに対応したキックダウ
ン用加速時目標入力回転数Nikd * を、テーブルルック
アップ方式により検索する。ここで、加速時目標入力回
転数(Nikd *)特性は、キックダウン時において前記
の加速性能向上効果が達成されるよう、キックダウン操
作に対応した目標入力回転数(Ni * )特性よりも低い
回転数に設定する。なお、前記したようにx点からy点
へのキックダウン操作を行った場合、加速時目標入力回
転数Nikd * はz点における回転数となる。
【0029】次いでステップ17において、キックダウ
ン用の変速制御中であることを示すように前記のフラグ
FLAGを1にセットする。これにより、以後はステッ
プ13がステップ14〜17をスキップして、制御をス
テップ18に進めるようになることから、ステップ15
〜17はキックダウン操作があった時、1回だけ実行さ
れるものである。
【0030】ステップ18は変速制御目標値修正手段に
相当するもので、ここでは図10の制御プログラムを実
行して、修正目標入力回転数Ni **を算出する。この算
出に際しては、図10に示すように先ず、現在の走行距
離読み込み値Dから、ステップ15で記憶したキックダ
ウン時走行距離Dkdを差し引いて(この処理が走行距離
計測手段に相当する)、キックダウン操作があった時か
らの走行距離aを算出する。次いで、図11のマップか
ら車速VSPに対応した定数Cを検索する。ここで定数
Cは後述の目的のため、車速VSPの上昇につれて2次
曲線的に上昇させる。そして、修正目標入力回転数Ni
**をNi **=C・a+Nikd * の演算により求める。
【0031】図3のステップ19では、ステップ12に
おける目標入力回転数Ni * と、上記修正目標入力回転
数Ni **との大小比較を行う。修正目標入力回転数Ni
**が目標入力回転数Ni * と同じ値に増大するまでの間
は、ステップ20で修正目標入力回転数Ni **を目標入
力回転数Ni * に代えて変速制御目標値とし、ステップ
23でこれをモータ3に指令することにより、修正目標
入力回転数Ni **が達成されるようなキックダウン用の
変速制御を実行する。
【0032】そして、ステップ19で、修正目標入力回
転数Ni **が目標入力回転数Ni *を越えたと判別した
後は、ステップ21において変速制御目標値を、修正目
標入力回転数Ni **から目標入力回転数Ni * に戻すと
共に、キックダウン用の変速制御が終了したことを示す
ようにステップ22で前記のフラグFLAGを0にリセ
ットし、以後ステップ23の実行により目標入力回転数
i * が達成されるような通常の変速パターンにもとづ
く変速制御を行わせる。
【0033】上記の作用によれば、図12に示すような
スロットル開度操作によるキックダウンがあった場合に
ついて説明すると、キックダウン時の走行距離読み込み
値D kdから走行が進むにつれて、エンジン回転数の上昇
が実線で示すように、破線で示す無制御の場合に較べて
抑制されるような変速制御を行うこととなり、このエン
ジン回転抑制分が、絶対的な駆動力の低下生ずるもの
の、加速性能の向上に振り向けられて、キックダウン操
作があった時にエンジン回転数が上昇するのみで車両が
加速されないといった、加速性能に関する違和感を解消
することができる。
【0034】しかも、キックダウン操作から同じ距離走
行した時の車速を考察するに、高負荷時は低負荷時より
も当然車速が低く、これにより、高負荷時は例えば図1
3にβで示すように、低負荷時(γで示す)よりも低車
速において予定のキックダウン用変速パターン(αで示
す)に一致した変速に戻ることとなり、高負荷時は低負
荷時よりも当該予定のキックダウン用変速パターンαか
らの乖離、つまり加速性能の向上に振り向けられる絶対
的な駆動力の犠牲量が少ない。従って、運転負荷(路面
勾配の違いや、積載量の違い等)に応じて、高負荷運転
中は加速性能の向上に振り向けられる絶対的な駆動力の
犠牲量が少なく、高負荷運転中の絶対的な駆動力の不足
を生ずることがなくなり、逆に大きな駆動力を必要とし
ない低負荷運転中は、加速性能の向上に振り向ける絶対
的な駆動力の犠牲量が多くなって、低負荷運転中は十分
な加速性能向上効果が得られるといったように、加速性
能向上効果に振り向けられる駆動力の犠牲量が理にかな
ったものとなるような変速制御を実現させることができ
る。
【0035】加えて、上記したごとくキックダウン操作
からの走行距離に応じた制御とするだけで、従って運転
負荷を左右する走行条件を一切検出することなしに、上
記のような運転負荷に応じた理にかなった変速制御が実
現されるものであり、何等コスト高を招くことなしに上
記の作用効果を達成することができる。
【0036】なお、修正目標入力回転数Ni **を算出す
るに当たって用いる定数Cを、図11に示すように車速
VSPの上昇につれて大きくすることから、修正目標入
力回転数Ni **が高車速ほど短距離で予定のキックダウ
ン用変速パターンに対応した目標入力回転数Ni * と同
じ値に上昇することになる。結果として図12のエンジ
ン回転数変化から明らかなように、車速VSPが高いほ
ど、破線で示す本発明の制御を行わない場合の変速特性
に接近し、高負荷になる高車速ではこれに適した駆動力
重視の変速制御をを実現させることができる。
【0037】
【発明の効果】かくして第1発明による無段変速機の変
速制御装置は、請求項1に記載のごとく、機関の一定以
上の加速操作がある時、この加速操作に対応した通常の
変速制御目標値よりも、変速機入力側回転数が小さくな
る加速時変速制御目標値を基準にして、加速後の走行距
離の増大に応じ徐々に変速機入力側回転数を上昇させる
ように変化する修正変速制御目標値を、上記通常の変速
制御目標値に代えて用いる構成としたから、上記の加速
操作時に、変速制御目標値がいきなりこの加速操作に対
応した変速制御目標値になるような変速を行うことがな
く、この変速制御目標値よりも変速機入力側回転数が小
さくなる加速時変速制御目標値から、上記走行距離の増
大に応じ徐々に変速機入力側回転数を上昇させるように
変化する修正変速制御目標値を達成するような変速を行
うこととなる。従って上記の加速操作時当初に、機関回
転数が上昇するのみで、車両が加速されないといった、
加速性能に関する違和感をなくすことができる。
【0038】そして修正変速制御目標値を、上記走行距
離の増大に応じ徐々に変速機入力側回転数を上昇させる
ように変化する変速制御目標値としたから、以下の作用
効果も奏し得られる。つまり同じ距離だけ走行した時の
車速を考察するに、高負荷時は低負荷時よりも当然車速
が低く、これにより、高負荷時は低負荷時よりも低車速
において予定の変速パターンに一致した変速に戻ること
となり、高負荷時は低負荷時よりも当該予定の変速パタ
ーンからの乖離、つまり加速性能の向上に振り向けられ
る絶対的な駆動力の犠牲量が少ない。従って、機関運転
負荷(路面勾配の違いや、積載量の違い等)に応じて、
高負荷運転中は加速性能の向上に振り向けられる絶対的
な駆動力の犠牲量が少なく、高負荷運転中の絶対的な駆
動力の不足を生ずることがなくなり、逆に大きな駆動力
を必要としない低負荷運転中は、加速性能の向上に振り
向ける絶対的な駆動力の犠牲量が多くなって、低負荷運
転中は十分な加速性能向上効果が得られるといったよう
に、加速性能向上効果に振り向けられる駆動力の犠牲量
が理にかなったものとなるような変速制御を実現させる
ことができる。
【0039】しかも、機関運転負荷を左右する走行条件
を一切検出することなしに、上記のような機関運転負荷
に応じた変速制御が可能であることから、走行条件検出
手段を付加する必要がなく、制御が複雑になることもな
い等の理由によって、安価に上記の作用効果を達成する
ことができる。
【0040】また第2発明による無段変速機の変速制御
装置は、請求項2に記載のごとく、上記修正変速制御目
標値が、変速パターンに基づき決定される変速制御目標
値と同じ値まで上昇したところで、上記変速制御目標値
の修正を終了させて、変速パターンに基づき決定される
変速制御目標値を変速アクチュエータに指令する構成と
したから、変速制御目標値の上記修正が的確に終了され
て、変速パターンから不所望な側に外れた変速制御がな
されるのを回避することができる。
【0041】更に第3発明による無段変速機の変速制御
装置は、請求項3に記載のごとく、修正変速制御目標値
が、加速後の走行距離の増大に応じ変速機入力側回転数
を高車速ほど高い割合で上昇させるように変化するもの
としたから、高車速ほど短距離で変速制御目標値を変速
パターンに対応したものに戻す駆動力重視の変速制御を
行うこととなって、高負荷であることが多い高車速走行
に適した変速制御を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による無段変速機の変速制御装置を示す
概念図である。
【図2】本発明変速制御装置の一実施例を示す無段変速
機の制御システム図である。
【図3】同例における変速機コントローラが実行する変
速制御プログラムのメインルーチンを示すフローチャー
トである。
【図4】同メインルーチンにおけるキックダウン判別プ
ログラムに関したサブルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図5】同キックダウン判別プログラムに関した他の例
を示すフローチャートである。
【図6】同キックダウン判別プログラムに関した更に他
の例を示すフローチャートである。
【図7】同キックダウン判別プログラムに関した更に別
の例を示すフローチャートである。
【図8】図3のメインルーチンにおけるキックダウン時
走行距離の記憶処理を示すフローチャートである。
【図9】図3のメインルーチンにおける加速時目標入力
回転数の検索処理を示すフローチャートである。
【図10】図3のメインルーチンにおける修正目標入力
回転数の算出処理を示すフローチャートである。
【図11】同修正目標入力回転数の算出処理において用
いる定数の変化特性図である。
【図12】キックダウン操作を行った場合における図3
の変速制御動作タイムチャートである。
【図13】同変速制御動作を、無段変速機の変速パター
ン上に示した線図である。
【符号の説明】
1 エンジン(機関) 2 無段変速機 3 変速モータ(変速アクチュエータ) 4 変速機コントローラ 5 スロットル開度センサ 6 車速センサ(車速検出手段) 7 距離センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予定の変速パターンを基に決定される、
    運転条件に応じた変速制御目標値が達成されるよう変速
    アクチュエータにより変速制御される無段変速機を介
    し、機関出力を車輪に伝達するようにした車両におい
    て、 機関の一定以上の加速操作を検知する加速操作検知手段
    と、 該加速操作検知時に、この加速操作に対応した前記変速
    制御目標値よりも変速機入力側回転数が小さくなる、予
    定の加速時変速制御目標値を記憶する加速時変速制御目
    標値記憶手段と、 前記加速操作検知時からの車両走行距離を計測する走行
    距離計測手段と、 前記加速操作検知時以後、前記加速時変速制御目標値記
    憶手段により記憶した加速時変速制御目標値を基準にし
    て、前記走行距離計測手段により計測した加速後におけ
    る走行距離の増大に応じ徐々に変速機入力側回転数を上
    昇させるように変化する修正変速制御目標値を、前記変
    速パターンに基づき決定される変速制御目標値に代え
    て、前記変速アクチュエータに指令する変速制御目標値
    修正手段とを具備することを特徴とする無段変速機の変
    速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記変速制御目標値
    修正手段からの修正変速制御目標値が、前記変速パター
    ンに基づき決定される変速制御目標値と同じ値まで上昇
    したところで、変速制御目標値修正手段による変速制御
    目標値の修正を終了させて、変速パターンに基づき決定
    される変速制御目標値を前記変速アクチュエータに指令
    するようになす変速制御目標値修正終了手段を付加した
    ことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、車速を検出
    する車速検出手段を付加し、該手段からの信号にも応答
    して前記変速制御目標値修正手段は、前記加速後の走行
    距離の増大に応じ変速機入力側回転数を高車速ほど高い
    割合で上昇させるように変化する修正変速制御目標値
    を、前記変速アクチュエータに指令するよう構成したこ
    とを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
JP29266994A 1994-11-28 1994-11-28 無段変速機の変速制御装置 Expired - Lifetime JP3389709B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29266994A JP3389709B2 (ja) 1994-11-28 1994-11-28 無段変速機の変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29266994A JP3389709B2 (ja) 1994-11-28 1994-11-28 無段変速機の変速制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08145133A true JPH08145133A (ja) 1996-06-04
JP3389709B2 JP3389709B2 (ja) 2003-03-24

Family

ID=17784773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29266994A Expired - Lifetime JP3389709B2 (ja) 1994-11-28 1994-11-28 無段変速機の変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3389709B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007040332A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機の変速制御装置
JP2009185870A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Toyota Motor Corp 無段変速機の制御装置
JP2015232345A (ja) * 2014-06-09 2015-12-24 本田技研工業株式会社 無段変速機の制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007040332A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機の変速制御装置
JP2009185870A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Toyota Motor Corp 無段変速機の制御装置
JP2015232345A (ja) * 2014-06-09 2015-12-24 本田技研工業株式会社 無段変速機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3389709B2 (ja) 2003-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7011602B2 (en) Shift control for continuously-variable transmission
US5613920A (en) Torque feedback shift control device and method
US4282780A (en) Electric control apparatus for automatic transmissions
USRE38241E1 (en) Continuously variable transmission control method and apparatus
KR890002299B1 (ko) 차량용 자동변속장치
USRE37469E1 (en) Continuously variable transmission control apparatus
US6574543B2 (en) Method and apparatus for maintaining a vehicle speed at a predetermined vehicle speed
JP4954058B2 (ja) ブレーキ動作を補助するために使用される自動式トランスミッションまたは自動化トランスミッションのシフトダウンを制御する方法
US20020082759A1 (en) Vehicle drive system
JP3453269B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JPH04272568A (ja) 自動変速機制御装置
US20020065597A1 (en) Vehicle drive force control
US5514051A (en) Method and an arrangement for controlling an automatic transmission
JP3389709B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
EP1034961A2 (en) Driving force control for automotive vehicle
JP4348065B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP3492843B2 (ja) 車両の自動変速装置
US6308128B1 (en) Driving force control for automotive vehicle
US11796057B2 (en) Control method and control apparatus for continuously variable transmission
JPH0514133B2 (ja)
JP2004183854A (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP3066517B2 (ja) シフトパターン連続可変式変速制御装置
JPH10110816A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPS5940052A (ja) 自動変速方法
JP4340434B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100117

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100117

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130117

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130117

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140117

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term