JPH09141669A - エアバッグカバー用成形型 - Google Patents

エアバッグカバー用成形型

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JPH09141669A
JPH09141669A JP7307573A JP30757395A JPH09141669A JP H09141669 A JPH09141669 A JP H09141669A JP 7307573 A JP7307573 A JP 7307573A JP 30757395 A JP30757395 A JP 30757395A JP H09141669 A JPH09141669 A JP H09141669A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天井壁部や側壁部に損傷を与えること無く離
型させることができ、自動取り出しも簡単に行なえるエ
アバッグカバー用成形型を提供すること。 【解決手段】 天井壁部2の表面側を成形する第1割型
11と、天井壁部2の裏面側及び側壁部4を成形する第
2割型12と、を備える。第2割型12は、複数の押出
ピン14、中抜きコア15、本体13を備える。押出ピ
ン14は、型開き時に天井壁部2の裏面側における側壁
部4の外側部位2bに先端を当接させて、型開き方向と
平行に押出動作を行なう。中抜きコア15は、側壁部4
の内側面4bを成形し、第1・2割型11・12の型開
き時、型開き方向と平行に、押出ピン14の押出動作よ
りも先に、引き抜かれる。本体13は、第2割型12で
成形する部分の内で、押出ピン14と中抜きコア15と
の当接部以外を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用のエアバッ
グ装置に使用される合成樹脂製のエアバッグカバーを成
形するための成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂製のエアバッグカバー
は、折り畳まれたエアバッグを覆うように配設され、エ
アバッグを突出させるためにエアバッグの膨張時に破断
する部位を備えた天井壁部と、天井壁部の裏面側におけ
る破断部位の周囲に設けられる側壁部と、を備えて構成
されていた(実開平3−16557号公報等参照)。
【0003】側壁部は、エアバッグカバーをエアバッグ
装置に組み付ける部位となるとともに、エアバッグの側
部を覆うように、四角筒形状に形成されていた。
【0004】そして、このようなエアバッグカバーを成
形する成形型は、天井壁部の表面側を成形する第1割型
と、天井壁部の裏面側及び側壁部を成形する第2割型
と、を備えて構成され、さらに、単に第2割型に離型用
の多数の押出ピンを配設するだけでは、離型時におい
て、天井壁部に押出ピンの押圧による変形を生じさせた
り、側壁部の破損を生じさせる虞れがあることから、特
開平7−125008号公報に記載されている構造とす
る場合があった。
【0005】すなわち、第2割型に、押出ピンの代わり
に、側壁部の端面と内周面とを成形するとともに、天井
壁部の裏面側における側壁部の近傍部位を成形する押出
ブロックを設ける構造であった。
【0006】このような押出ブロックを設ければ、型開
き時に、押出ブロックが側壁部の端面と天井壁部の裏面
側における側壁部近傍とに当接してエアバッグカバーを
押し出し、側壁部の破損を防止でき、また、天井壁部の
裏面に当接する面積として、押出ブロックの方が押出ピ
ンよりも広く採れることから、天井壁部の変形を抑える
ことができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記押出ブロ
ックを設けた成形型では、押出ブロックが側壁部の内周
側に配設され、この側壁部には、成形後の成形収縮によ
り、内周側に収縮力が作用している。
【0008】そのため、押出ブロックが側壁部の内周側
に配設されていると、最終的に押出ブロックから側壁部
を離型させる際、ある程度の力が必要となり、自動取り
出しできるように、例えば、エアを吹き付けて行なおう
とすれば、高い圧力が必要となってしまう。あるいは、
自動取り出しできるように、ロボットに把持させて行な
おうとすれば、慎重な動作が必要となって、取り出し作
業が素早く行ない難かった。
【0009】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、天井壁部や側壁部に損傷を与えること無く離型させ
ることができ、自動取り出しも簡単に行なえるエアバッ
グカバー用成形型を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る成形型は、
天井壁部と、該天井壁部裏面の中央を囲むように前記天
井壁部裏面から延びる側壁部と、を備えた合成樹脂製の
エアバッグカバーを成形するエアバッグカバー用成形型
であって、前記天井壁部の表面側を成形する第1割型
と、前記天井壁部の裏面側及び前記側壁部を成形する第
2割型と、を備え、該第2割型が、前記第1・2割型の
型開き時に前記天井壁部の裏面側における前記側壁部の
外側部位に先端を当接させて、型開き方向と平行に押出
動作を行なう複数の押出ピンと、前記側壁部の内側面を
成形し、前記第1・2割型の型開き時、前記型開き方向
と平行に、前記押出ピンの押出動作よりも先に、引き抜
かれる中抜きコアと、前記押出ピンと前記中抜きコアと
の当接部以外を成形する本体と、を備えて構成されてい
ることを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】本発明に係る成形型では、第1割型と第
2割型とが離れるように型開きする際、まず、中抜きコ
アが引き抜かれる。その際、中抜きコアは、成形された
側壁部の内側面と摺動することとなり、側壁部が内側に
収縮力を作用させていても、側壁部の端面が第2割型の
本体に支持されることから、円滑に側壁部の内側面から
離脱でき、側壁部や天井壁部を変形させる虞れが無い。
【0012】その後、押出ピンが押し出されれば、天井
壁部と天井壁部に連結された側壁部とが、第2割型の本
体から離れる。その際、側壁部の内側面側には、既に中
抜きコアが離脱して、空間が形成されていることから、
単に、側壁部の外側面が第2割型本体と摺動して、円滑
に離脱されることとなる。
【0013】そして、押出ピンが押し出された後、成形
されたエアバッグカバーは、収縮力等が作用して押出ピ
ンから離脱し難いような態様でなく、単に、天井壁部の
裏面側に先端を当接させた押出ピンで支持されているだ
けであり、低圧のエアを吹き付けたり、ロボットで把持
したりして、素早く簡単に自動取り出しを行なうことが
できる。
【0014】したがって、本発明に係る成形型では、天
井壁部や側壁部に損傷を与えること無く離型させること
ができ、さらに、エアバッグカバーに損傷を与えること
なく、自動取り出しを素早く簡単に行なうことができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0016】図2に示す実施形態の成形型10は、図1
に示すような車両のステアリングホイールに配置される
エアバッグカバー1を射出成形で成形するものであり、
水平方向に開閉する第1割型11と第2割型12とを備
えて構成されている。
【0017】エアバッグカバー1は、スチレン系・オレ
フィン系等の熱可塑性エラストマーや軟質塩化ビニル等
の合成樹脂製として、天井壁部1と、天井壁部1の裏面
の中央を囲むように天井壁部1の裏面から延びる四角筒
形状の側壁部4と、を備えて構成されている。天井壁部
1の側壁部4で囲まれた部位には、エアバッグの膨張時
に破断し易いように、薄肉部3が形成されている。実施
形態の場合には、薄肉部3は、天井壁部1の裏面側に凹
溝を形成して構成されるとともに、天井壁部1の上方か
ら見た際、H字形状に配設されている。
【0018】なお、符号5は、側壁部4に設けられた取
付孔であり、取付孔5は、エアバッグカバー1をエアバ
ッグ装置に取り付けるためのものであり、成形型10か
ら離型させて取り出した後に、孔開け加工されて形成さ
れることとなる。
【0019】第1割型11は、射出成形機の固定側定盤
に取り付けられ、天井壁部2の表面2a側を成形する型
面11aを備えている。
【0020】第2割型12は、射出成形機の可動側定盤
に取り付けられ、天井壁部2の裏面2b・2c側及び側
壁部4を成形できるように、本体13と、4本の押出ピ
ン14と、中抜きコア15と、から構成されている。
【0021】中抜きコア15は、天井壁部2における側
壁部4で囲まれた裏面2c側を成形する型面15aと、
側壁部4の内側面4bを成形する型面15bと、を備え
て構成されるとともに、型開き時には、型開き方向と平
行として、第2割型本体13から引き抜く方向に、押出
ピン14の押出動作よりも先に、移動できるように構成
されている。
【0022】各押出ピン14は、図2・5に示すよう
に、天井壁部2における側壁部4の外側部位の裏面2b
に先端を当接可能に配設されるとともに、型開き時に
は、型開き方向と平行に押出動作ができるように構成さ
れている。
【0023】そして、本体13は、天井壁部2の裏面2
b・2c側及び側壁部4を成形する第2割型12の型面
の内、押出ピン14と中抜きコア15とで成形する部分
以外の部分を成形する型面13aを備えている。すなわ
ち、型面13aは、側壁部4の端面4c、側壁部4の外
側面4a、及び、天井壁部2における側壁部4の外側部
位の裏面2bでの押出ピン14との当接部位以外、を成
形することとなる。
【0024】なお、型締め時の成形型10のキャビティ
10aに成形材料Mを注入するためのゲート10bは、
図5に示すように、天井壁部2の外周縁の側面に配置さ
れている。
【0025】実施形態の成形型10を使用してエアバッ
グカバー1を成形する場合には、まず、型締めした成形
型10のキャビティ10a内に、ゲート10bを経て、
成形材料Mが注入され、図2に示すように、エアバッグ
カバー1が成形される。
【0026】その後、型開き時には、第1割型11から
第2割型12が離れるように型開きする際、図3に示す
ように、中抜きコア15が引き抜かれる。その際、中抜
きコア15は、成形された側壁部4の内側面4bと摺動
することとなり、側壁部4が内側に収縮力を作用させて
いても、側壁部4の端面4cが第2割型本体13の型面
13aにおける段部13bに支持されていることから、
円滑に側壁部内側面4bから離脱でき、側壁部4や天井
壁部2を変形させる虞れが無い。
【0027】その後、図4に示すように、各押出ピン1
4が押し出されれば、天井壁部2と天井壁部2に連結さ
れた側壁部4とが、第2割型本体13の型面13aから
離れる。その際、側壁部4の内側面4b側には、既に中
抜きコア15が離脱して、空間が形成されていることか
ら、単に、側壁部4の外側面4aが第2割型本体13の
型面13aと摺動して、円滑に離脱されることとなる。
【0028】そして、エアノズル17を、押し出された
エアバッグカバー1の天井壁部裏面2bにおける押出ピ
ン14と干渉しない位置に自動的に挿入させ、エアノズ
ル17からエアAを吐出させれば、各押出ピン14から
エアバッグカバー1が離脱し、成形型10の下方に配置
させた図示しない受皿にエアバッグカバー1を収納する
ことができる。この自動取出時、成形されたエアバッグ
カバー1は、収縮力等が作用して押出ピン14から離脱
し難いような態様でなく、単に、天井壁部裏面2b側に
先端を当接させた各押出ピン14で支持されているだけ
であり、低圧のエアAを吹き付けるだけで、損傷を与え
ることなく、素早く簡単に取り出されることとなる。
【0029】なお、実施形態では、エアAで自動取り出
しできるものを示したが、他に、ロボットのハンドで把
持して、自動取り出しできるようにしても良い。
【0030】また、実施形態の成形型10では、中抜き
コア15を、天井壁部2の側壁部4bで囲まれた裏面2
c側の全面に配置させた場合を示したが、図6に示すよ
うに、側壁部4の内側面4bと天井壁部2の裏面2cに
おける側壁部4近傍側とを成形できるような、四角筒形
状として、中抜きコア15を配設させても、実施形態と
同様な作用・効果を得ることができる。
【0031】さらに、成形するエアバッグカバー1とし
て、実施形態では、側壁部4が四角筒形状としたものを
示したが、側壁部4が完全な筒形状に連続するものでな
く、部分的に分離して、複数の側壁から構成されるエア
バッグカバーでも、成形後には、側壁の内側方向に収縮
力が作用するため、本発明の成形型で成形すれば、損傷
することなく、素早く簡単に自動取り出しを行なうこと
ができ、側壁部4が部分的に分離しているエアバッグカ
バーを成形するようにしても良い。
【0032】さらにまた、実施形態では、ステアリング
ホイールに配置されるエアバッグ装置のエアバッグカバ
ーを成形する成形型10を例示したが、天井壁部2と側
壁部4とを備えて型成形(射出成形・反応射出成形等)
される合成樹脂製のエアバッグカバーであれば、ステア
リングホイールに配置されるエアバッグ装置ばかりでな
く、車両のインストルメントパネル・ドア・シート等に
配置されるエアバッグ装置のエアバッグカバー用の成形
型に、本発明を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の成形型で成形するエアバ
ッグカバーを示す斜視図である。
【図2】同実施形態の成形型を使用した成形時の断面図
であり、成形材料の注入時を示し、図5のII−II部位に
対応する。
【図3】同実施形態の成形型を使用した成形時の断面図
であり、図2の状態から中抜きコアが引き抜かれた状態
を示す。
【図4】同実施形態の成形型を使用した成形時の断面図
であり、図3の状態から押出ピンが押し出された状態を
示す。
【図5】同実施形態で成形したエアバッグカバーの底面
図である。
【図6】同実施形態の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…エアバッグカバー、 2…天井壁部、 4…側壁部、 10…成形型、 11…第1割型、 12…第2割型、 13…本体、 14…押出ピン、 15…中抜きコア。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井壁部と、該天井壁部裏面の中央を囲
    むように前記天井壁部裏面から延びる側壁部と、を備え
    た合成樹脂製のエアバッグカバーを成形するエアバッグ
    カバー用成形型であって、 前記天井壁部の表面側を成形する第1割型と、前記天井
    壁部の裏面側及び前記側壁部を成形する第2割型と、を
    備え、 該第2割型が、 前記第1・2割型の型開き時に前記天井壁部の裏面側に
    おける前記側壁部の外側部位に先端を当接させて、型開
    き方向と平行に押出動作を行なう複数の押出ピンと、 前記側壁部の内側面を成形し、前記第1・2割型の型開
    き時、前記型開き方向と平行に、前記押出ピンの押出動
    作よりも先に、引き抜かれる中抜きコアと、 前記押出ピンと前記中抜きコアとの当接部以外を成形す
    る本体と、を備えて構成されていることを特徴とするエ
    アバッグカバー用成形型。
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