JP2548157Y2 - 蛇腹成形品の離型装置 - Google Patents

蛇腹成形品の離型装置

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JP2548157Y2
JP2548157Y2 JP6731091U JP6731091U JP2548157Y2 JP 2548157 Y2 JP2548157 Y2 JP 2548157Y2 JP 6731091 U JP6731091 U JP 6731091U JP 6731091 U JP6731091 U JP 6731091U JP 2548157 Y2 JP2548157 Y2 JP 2548157Y2
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弘幸 小宮山
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キーパー株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、蛇腹状の胴部を有する
成形品の離型装置に関する。更に詳述すると、本考案
は、成形品に含まれる材料注入部近傍の不要部分(以下
本明細書ではバリとも称する)を離型時に除去する離型
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蛇腹形状の中空部を有する成形品は一般
に成形中子(以下コア金型という)が用いられて成形さ
れる。例えば、コア金型を割型から成る外金型で包囲し
てそれらの間に蛇腹形状の円筒状のキャビティを形成す
るようにしている。かかる型構造では、外金型からの成
形品の取出しは型割りによって容易に行えるが、コア金
型から成形品を変形させずに取出すには非常に困難であ
る。
【0003】そこで、コア金型より成形品に歪みを与え
ないように瞬間的に成形品を取出す手段として、コア金
型内に突出しピンを設け、この突出しピンの作用と突出
しピンが突出した後に生じた噴出口より空気を噴射さ
せ、成形品を付着せしめるコア金型面との間に空気を圧
入し、成形品をコア金型面から離脱せしめる方法が提案
されている(特公昭33-5123 号公報及び実公昭46-9353
号公報)。
【0004】ところが、この離型方法は、成形品の内面
の構造が例えば円筒のように滑らかなものにおいては効
果があるが、内面の構造が平滑でない成形品即ち蛇腹成
形品においては、コア金型より噴出した空気がコア金型
表面と成形品との間に全体に均一に充満せず、成形品が
部分的に膨らんでコア金型より離脱できなかったり、た
とえ離脱できても瞬間的に離脱できないので変形が残り
均一な製品を得ることができない欠点があった。
【0005】そこで、図2の(A)及び(B)に示すよ
うに、成形品101の外径よりやや大き目の内径を有す
る有底円筒102を成形品101の外にあてがった状態
で成形品101を空気圧力で膨らませて有底円筒102
で保持しつつ有底円筒102の底部をピン104で突き
出して有底円筒102と成形品101とを同時にコア金
型103より離脱させる方法が提案されている(特公昭
52-11331号)。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、成形品
には最終製品に不要な材料注入部などのバリが必ず含ま
れる。このバリは、従来の離型方法では離型と同時に取
除くことができないので、コア金型から成形品を取出し
た後に人手などによって切離すようにしている。このた
め、製造工程が1工程増え、製造に手間がかかると共に
製造コストが高くなる。
【0007】また、図示していないが、金型の材料注入
部と製品部との間に食切り部(薄肉部)を設け、この食
切り部を成形品取出し時に押出しピン及び取出し用空気
の圧力で破ってバリを吹飛ばして取除くことも考えられ
るが、この方法によるとバリが成形装置周辺に飛散して
しまい現場が汚れてしまう問題がある。また、型が摩耗
して食切り部が厚くなると押出しピンの動きと空気圧力
だけではバリが取除けなくなる等の問題がある。
【0008】本考案は、成形品を金型から取出す際に成
形品の不要部分例えば材料注入部近傍の不要部分等を簡
単に切離すことができる蛇腹成形品の離型装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本考案は、材料注入部と製品部との間に食切り部が
設けられて成形される蛇腹成形品を成形中子から取出す
離型装置において、前記成形中子から吹出される取出し
用エアーによって膨らむ成形品を保持する成形品取出し
筒と、成形品の材料注入部を掴持する成形品係止手段
と、前記成形品係止手段と軸方向に相対移動可能に前記
成形品取出し筒の内側に固定あるいは移動可能に設けら
れ成形品を軸方向に相対的に押圧する押出し手段とから
構成するようにしている。
【0010】
【作用】したがって、外金型からコア金型と共に取出さ
れた成形品は離型装置の成形品取出し筒内に挿入されて
材料注入部が成形品係止手段によって掴持されて固定さ
れる。そして、コア金型内から取出し用空気を吹出すと
同時に離型装置全体を成形金型から後退させあるいは成
形装置を後退させ、コア金型から成形品を取外す。この
とき、成形品は成形品取出し筒によって保持されている
ため全体にある一定の大きさの筒形状に維持されて弾性
変形内にとどめられ塑性変形が防がれる。次いで、係止
手段と押出し手段との間の軸方向への相対移動によって
成形品の製品部分と材料注入部分とが食切り部から切離
され、製品は成形品取出し筒の外に押し出される。ま
た、材料注入部とその近傍の不要部分は成形品係止手段
の開放によって回収される。
【0011】
【実施例】以下、本考案の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0012】図1に本考案の離型装置の一実施例を示
す。この離型装置は、エアー吹出しによる成形品取出し
時に成形品4を保持する成形品取出し筒1と、成形品4
の材料注入部41を掴持する成形品係止手段2と、成形
品取出し筒1の内側で軸方向に移動可能に設けられて成
形品4を軸方向に押圧する押出し手段3とから主に構成
されている。本実施例の場合、成形品取出し筒1と成形
品係止手段2とが固定され、押出し手段3が移動可能に
設けられている。尚、この離型装置は、成形品取出し筒
1などを成形金型に対し接近、離反可能に搭載してい
る。
【0013】成形品取出し筒1はコア金型から吹き出さ
れる空気の圧力によって膨らむ成形品4を保持し、塑性
変形しない弾性変形の範囲に膨張を止めるものである。
この成形品取出し筒1は、例えば一端を開口し他端を有
底とした円筒が採用され、その内径は成形品4がコア金
型の外径よりも大きく膨らむことを可能としかつ成形品
4の変形が残る程に大きく変形させない空間をコア金型
との間に形成する大きさ、例えば成形品4の外径よりも
やや大き目に設定されている。この成形品取出し筒1
は、例えば塩化ビニル、6−ナイロン等の樹脂で形成さ
れ、必要に応じてバリ落下用の穴11が設けられてい
る。このバリ落下用の穴11には例えば材料注入部・バ
リ41を集める集積場などと連結された排出管が接続さ
れている。
【0014】成形品係止手段2は、成形品4の食切り部
43の外のバリ部分即ち材料注入部41を掴持するため
のものである。例えば本実施例の場合、図1に示すよう
な成形品4の径方向に開閉動作するチャック21とこれ
を駆動するアクチュエータ22とから構成されている。
アクチュエータ22としてはその構成を特に図示してい
ないが、例えば油圧シリンダや空気シリンダ等の流体圧
シリンダや電磁チャック、モータ駆動によって逆ねじを
切ったねじ棒を回転させてチャックを開閉させる機構等
が採用可能である。チャック21には例えば材料注入部
41を確実に把持するため波形の凹凸23が設けられて
いる。この成形品係止手段2は円筒状の成形品取出し筒
1の底部に固定され、成形品取出し筒1と共に離型装置
のベース(図示省略)に固定されている。
【0015】押出し手段3は蛇腹状成形品の食切り部4
3の近傍の製品部42を押圧して成形品係止手段2との
間で食切り部43を破って製品部42を成形品取出し筒
1の外に押し出すものである。この押出し手段3は、例
えば材料注入部41寄りの小径の円筒状固定端部44と
蛇腹状胴部46の立上り部との境界部分を押圧する駒3
1とこれを支持して成形品取出し筒1内に出入り自在な
支持フレーム32とこの支持フレーム32を成形品取出
し筒1と平行に移動させる流体圧シリンダ33によって
構成されている。また、押出し手段3の製品部42と当
接する部分即ち駒31には製品を傷付けない形状あるい
は材質、例えば6−ナイロンが使用されている。
【0016】尚、成形品4の製品部42と材料注入部4
1との間に形成される食切り部43の肉厚は0.1mm
以下が食切りを容易にし、また仕上りを良好なものとす
る上で好ましい。また、図中符号45は大径側の円筒状
固定端部である。
【0017】以上のように構成されているので、成形完
了後に外型を開いて成形品4をコア金型ごと取出した
後、次のようにして成形品4をコア金型から取出すと同
時に材料注入部41を製品部分42から切離すことがで
きる。
【0018】まず、離型装置の成形品取出し筒1をコア
金型に被せられたままの成形品4に被せる。そして、成
形品係止手段2で成形品4の材料注入部41を掴持す
る。そして、コア金型から取出し用の空気を吹出して成
形品4を膨張させて成形品取出し筒1に保持させた状態
でコア金型を成形品4から抜き出す。このとき、離型装
置が成形金型から後退し材料注入部41を成形品係止手
段2で引出す。その後、押出し手段3を作動させて材料
注入部41を掴持する成形品係止手段2との間で食切り
部43を引きちぎり製品部分42のみを成形品取出し筒
1の外に押し出し、成形品4からバリ即ち材料注入部4
1近傍の不要部分を除去する。更に、成形品係止手段2
を開放しバリ落下用の穴11からバリ・材料注入部41
を落下させる。これによって、コア金型からの成形品の
取出しと同時に製品部42に不要なバリ・材料注入部4
1が切離されかつ回収される。
【0019】尚、上述の実施例は本考案の好適な実施の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本考案の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、本実施例では成形品取出し筒1と成形品係
止手段2とを固定し、押出し手段3を移動させるように
しているが特にこれに限定されるものではなく、固定さ
れた押出し手段3に対して成形品取出し筒1及び成形品
係止手段2を移動させるようにしても良い。また、固定
された成形品取出し筒1内に突起(図示省略)などから
成る押出し手段3を固定・設置し成形品係止手段2を移
動させることも可能である。更に、成形品取出し筒1及
び押出し手段3を移動可能に設け成形品係止手段2を固
定させるようにしても良い。
【0020】更に、成形品係止手段2は図示の如く材料
注入部41に食込んで保持する方法に特に限定されるも
のではない。例えば、図示していないが材料注入部41
側に突起や溝を設け、この突起や溝に係合する溝や突起
を成形品係止手段2に設けることも可能である。更に、
本実施例においては射出ブロー成形方法後の成形品取出
しについて主に説明したが、これに特に限定されるもの
ではなく射出成形やダイレクトブロー成形等においても
実施可能である。また、ブーツ材料についても樹脂に特
に限定されず、ゴムブーツも対象とできる。
【0021】
【考案の効果】以上の説明より明らかなように、本考案
の離型装置は、離型時の成形品を成形品取出し筒で保持
しつつ成形品係止手段と押出し手段とで製品部と材料注
入部とを互いに逆方向に引張って食切り部を破るように
しているので、成形品の離型と同時に製品部と材料注入
部即ちバリとが確実に分離される。しかも、本装置は、
バリを成形品係止手段に掴持した状態で製品部をコア金
型から取外して成形品取出し筒の外に押し出すようにし
ているので、バリが飛散することがなく、一定の場所に
集めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の蛇腹状成形品の離型装置の一実施例を
示す概略説明図である。
【図2】従来の成形品の離型装置を示す説明図で、
(A)は取出し前、(B)は取出し時を示す。
【符号の説明】
1 成形品取出し筒 2 成形品係止手段 3 押出し手段 4 成形品 41 材料注入部(バリ) 42 製品部 43 食切り部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料注入部と製品部との間に食切り部が
    設けられて成形される蛇腹成形品を成形中子から取出す
    離型装置において、前記成形中子から吹出される取出し
    用エアーによって膨らむ成形品を保持する成形品取出し
    筒と、成形品の材料注入部を掴持する成形品係止手段
    と、前記成形品係止手段と軸方向に相対移動可能に前記
    成形品取出し筒の内側に固定あるいは移動可能に設けら
    れ成形品を軸方向に相対的に押圧する押出し手段とから
    成ることを特徴とする蛇腹成形品の離型装置。
JP6731091U 1991-07-31 1991-07-31 蛇腹成形品の離型装置 Expired - Lifetime JP2548157Y2 (ja)

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JPH0513726U JPH0513726U (ja) 1993-02-23
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