JPH09140669A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JPH09140669A
JPH09140669A JP7309202A JP30920295A JPH09140669A JP H09140669 A JPH09140669 A JP H09140669A JP 7309202 A JP7309202 A JP 7309202A JP 30920295 A JP30920295 A JP 30920295A JP H09140669 A JPH09140669 A JP H09140669A
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tube
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outer periphery
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Hideki Tsujitani
英樹 辻谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的とするところはコーティングのム
ラがなく、接続部等の微細な隙間にも十分な膜厚の形成
が確保でき、しかも、滑り性や耐薬性にすぐれ、作業性
も良いコーティングを行うことができる内視鏡を提供す
ることにある。 【解決手段】本発明は可撓性を有する挿入部を具備する
内視鏡において、前記挿入部の外表面にポリパラキシリ
レン樹脂を化学蒸着したことを特徴とする内視鏡であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特に挿入部に耐薬品
性及び滑り性をもたせた内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】可撓性のある挿入部を有した内視鏡では
一般に挿入部が樹脂チューブで構成された可撓管部と、
この先端に接続された首振り可能な湾曲管部とから構成
されている。この種の内視鏡では前記可撓管部や湾曲管
部を被覆する樹脂チューブの外表面に極薄の膜厚樹脂を
コーティングしていた。このコーティングを施す目的は
挿入部の滑り性を向上して患者に与える苦痛を軽減する
ことや、内視鏡を繰り返し使用するために行う消毒・滅
菌の際に使用する薬剤によって樹脂が劣化し、挿入部が
劣化損傷しないように耐薬性を向上することにある。
【0003】このコーティングの材質としては様々なも
のが提案されており、そのコーティング方法としては特
開平7−39511号公報に開示されているように、ス
プレーによる吹き付け、ハケ等による塗布、コーティン
グ液への浸漬等の方法が従来より行われていたが、いず
れにしても液状のコーティング剤を塗り付けるものであ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
(従来技術の欠点)液状コーティング剤は一般的な特性
として、液体の表面張力等の影響により均一な膜厚にコ
ントロールすることが困難であったり、微細な隙間の中
にはコーティング剤が入り込まず、均質にコーティング
することが不可能であった。また従来はコーティング作
業の手順上、可撓管部と湾曲管部の樹脂チューブを単品
状態で別々にコーティングし、その後、可撓管部と湾曲
管部を接続せざるを得なかった。このような事情から製
造上の作業性が悪い上、可撓管部及び湾曲管部の樹脂チ
ューブの可撓性や耐薬性にムラが生じたり、可撓管と湾
曲管部の接続部分から薬剤が浸透して接続強度が劣化す
ることがあった。 (本発明の目的)本発明は前記課題に着目してなされた
もので、その目的とするところはコーティングのムラが
なく、接続部等の微細な隙間にも十分な膜厚の形成が確
保でき、しかも、滑り性や耐薬性にすぐれ、作業性も良
いコーティングを行うことができる内視鏡を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は挿入部を具備す
る内視鏡において、前記挿入部の外表面にポリパラキシ
リレン樹脂を化学蒸着したことを特徴とする内視鏡であ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明の一実施
形態に係る内視鏡を説明する。 (構成)図1はコーティングを施す前の状態の内視鏡挿
入部の部組を示す断面図である。内視鏡挿入部は可撓管
部1と湾曲管部2を接続部材3で接続して構成されてい
る。
【0007】前記可撓管部1はポリアミドやポリウレタ
ン等の可撓性を有する樹脂製管4の肉厚の中に、耐キン
ク性や耐潰れ性を向上させるための補強部材5を一体的
に埋没するように成型して形成されている。補強部材5
としては例えば金属板を螺旋状に巻いた螺旋管と金属素
線を網管状に編んだ網状管とを積層したものや、金属板
を網管状に編んだものが適している。また、この樹脂製
管4を筒状の外装被覆部材としてこれの内側に別の筒状
の芯材を付加的に配設する構成のものとしてもよい。
【0008】この可撓管部1の先端部外周には外装樹脂
部分を全周にわたって剥ぎ取った段差部6が形成されて
いる。この段差部6には筒状の接続部材3の手元側端部
が密に嵌合して接着固定されており、可撓管部1と接続
部材3の両者はその外径を太くすることなく等径で外周
面が面一な関係で接続されている。
【0009】前記接続部材3はその内周面に湾曲操作ワ
イヤー7を挿通するためのワイヤーガイド管8が少なく
とも1本以上固着されている。ワイヤーガイド管8は例
えば密巻きのコイル部材によって構成されている。
【0010】前記湾曲管部2は複数の節輪11をピン1
2で回動自在に接続してなり、その外周に樹脂チューブ
13を被覆して構成されている。樹脂チューブ13はポ
リアミドやポリウレタン、フッ素ゴム等の可撓性を有す
る樹脂製であり、その肉厚の中には金属素線を網管状に
編んだ網状管14を一体的に埋没して成形することによ
り構成されている。網状管14を補強部材として設けて
いるため、湾曲管部2は前記樹脂チューブ13を鉗子等
によって把持するようにしても、それが破断し難い。従
って、水漏れ故障を引き起こす危険が少ない。なお、網
状管14の代わりに金属板を螺旋状に巻いた螺旋管(フ
レックス管)を用いて補強するようにしてもよい。
【0011】前記接続部材3の先端側端部内には前記湾
曲管部2の最後端の節輪11の後端部分が密に嵌入し、
その両者を接着により固定している。この接着固定する
際に湾曲管部2と接続部材3との回転方向の位置決めを
するため、接続部材3の先端部には図2で示すように半
月状の切欠き15を設け、節輪11の外周面には前記切
欠き15と同じ位置にその長手軸方向に沿ってけがき線
16を設けている。
【0012】そして、湾曲管部2と接続部材3を組み付
ける際、その切欠き15とけがき線16の位置を合わせ
て回転方向の位置決めを行う。このため、その位置決め
作業効率がよくなる。また、接続部材3にはけがき線や
マジック印等ではなく切欠き15を設けるため、これを
露出させる形式でも外観は悪化しない。なお節輪11の
けがき線16は接続部材3の中に隠れる範囲に設ける。
【0013】前記樹脂チューブ13の後端部内周面は最
も後端側の節輪11の外周面に被嵌して接着固定されて
いる。また、樹脂チューブ13の先端部内周面は最も先
端側の節輪11の外周面に被嵌して接着固定されてい
る。
【0014】前記湾曲管部2の節輪11には湾曲操作ワ
イャー7を挿通してガイドするためのガイド部17が切
り起こして形成されており、湾曲操作ワイヤー7の先端
は最も先端側の節輪11に固着され、湾曲操作ワイヤー
7の手元側部分は前記ガイド部17および上記ワイヤー
ガイド管8を通ってそのワイヤーガイド管8より手元側
に延出している。湾曲操作ワイヤー7は内視鏡操作部に
設けられた湾曲操作装置に連結され、その湾曲操作装置
により個別的に牽引される。そして、牽引した向きに前
記湾曲管部2を湾曲するようになっている。
【0015】以上のような内視鏡挿入部の部組状態でそ
の全外周にはコーティングが施される。すなわち、例え
ばポリパラキシリレン樹脂を化学蒸着する。ポリパラキ
シリレン樹脂にはポリモノクロロパラキシリレン(poly
-monochloro-para-xylylene)、ポリパラキシリレン(p
oly-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(p
oly-dichloro-para-xylylene )等があり、それぞれ性
質が適するものを選択または組み合わせてコーティング
剤とする。
【0016】コーティング処理は組み付け完了した挿入
部部組を化学蒸着装置のチャンバー内に入れて減圧した
後、チャンバー内に気化したポリパラキシリレン樹脂を
送り込んで所定時間その雰囲気中に放置することで行わ
れる。コーティング厚は樹脂雰囲気中での放置時間で調
節可能である。
【0017】なお、挿入部部組の形態は、上述のものに
限られるものではなく、湾曲管部2の先端側に後述する
挿入部先端部の先端枠を接続し、イメージガイドファイ
バーやライトガイドファイバー等の挿入部内蔵物を組み
込んだ状態で、その部組の周面にコーティングを施して
もよい。また、コーティングをしたくない部分があれば
その部分をテープ等でマスキングをしておく。
【0018】図3は挿入部先端部20を示す断面図であ
り、図4は図3中のA−A線に沿う断面図である。挿入
部先端部20は先端枠21を備え、この先端枠21には
イメージガイドファイバー22、ライトガイドファイバ
ー23、鉗子チャンネル用チューブ24を接続固定する
ための接続孔25,26,27が設けられている。各接
続孔25,26,27を加工する際、先端枠21の外周
面との間の壁が切れてバリが発生しないよう予め切欠き
28,29,30を設けてある。
【0019】ライトガイドファイバー23の先端面には
水密および耐薬性を確保するためのカバーガラス31が
設置されている。このカバーガラス31は平板状であ
り、しかも、ライトガイドファイバー23とほぼ同外径
に設けられている。これによりライトガイドファイバー
23の出射端の部分の細径化が図れるとともに液密確保
が容易である。
【0020】前記湾曲管部2の外周の樹脂チューブ13
の最先端部分は先端枠21の後端部外周面を全周にわた
って削り落とした小径の段差部32に被嵌して接着剤に
よって固定されている。樹脂チューブ13の外周に糸を
巻き付けて接着する固定方式に比べて外周の細径化が図
れる。また、湾曲管部2から挿入部先端部20にわたり
同外径で面一に形成できる。
【0021】図5は内視鏡操作部内の、前記ワイヤーガ
イド管8の後端部近傍を示す断面図である。ワイヤーガ
イド管8の後端部は内視鏡操作部内に設けられて調整ね
じ部材を兼ねた円筒状のストッパー部材41の孔42に
嵌め込まれている。ストッパー部材41には孔42の一
端部において連通し、かつ同軸に設けられ、その孔42
よりも内径の小さい小孔43が設けられている。前記ワ
イヤーガイド管8の後端部には小孔43へのワイヤーガ
イド管8の落ち込みを防止するためのパイプ44が被嵌
固定されている。前記湾曲操作ワイヤー7は前記ワイヤ
ーガイド管8及び小孔43を通って図示しない湾曲操作
装置に接続されている。
【0022】(効果)内視鏡挿入部の部組状態でその全
外周に施すコーティングが化学蒸着法で行うので、液状
コーティングに比べて膜厚のムラが非常に少なく、従っ
て、可撓性や耐薬性に偏りがない。
【0023】接続部材3と可撓管部1および湾曲管部2
の接続部等の微細な隙間にも十分コーティングが施され
るので、確実に水密が確保できると同時に隙間に薬剤が
浸透しないので、接着強度劣化を起こす心配がない。
【0024】化学蒸着法で行うコーティングは気化した
コーティング剤の雰囲気中に内視鏡挿入部の部組を放置
しておくだけなので、その挿入部部組状態でのコーティ
ングが可能であり、きわめて作業性がよい。
【0025】化学蒸着に使用するポリパラキシリレン樹
脂はその特性として滑り性がよく、耐薬性もよい。 [付記] (1)可撓性を有する挿入部を具備する内視鏡におい
て、前記挿入部の外表面にポリパラキシリレン樹脂を化
学蒸着したことを特徴とする内視鏡。
【0026】(2)樹脂よりなる可撓管の先端側に、樹
脂チューブを被覆した湾曲部を接続した内視鏡におい
て、前記可撓管と前記湾曲部を接続した後、一体的に外
表面にポリパラキシリレン樹脂を化学蒸着したことを特
徴とする内視鏡。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、挿入部外周のコーティ
ングにムラがなく、また接続部等の微細な隙間にも十分
な膜厚の形成が確保できる。しかも、挿入部外周の滑り
性や耐薬性にすぐれる。また、コーティングを行う作業
性もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーティングを施す前の状態の内視鏡挿入部の
部組を示す断面図。
【図2】接続部材と湾曲管部の節輪との組み付ける際の
位置決め状況の説明図。
【図3】挿入部先端部を示す断面図。
【図4】図3中のA−A線に沿う断面図。
【図5】ワイヤーガイド管の後端部近傍を示す断面図。
【符号の説明】
1…可撓管部 2…湾曲管部 3…接続部材 6…段差部 7…湾曲操作ワイヤー 11…節輪 13…樹脂チューブ 14…網状管 20…挿入部先端部 21…先端枠

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 挿入部を具備する内視鏡において、前記
    挿入部の外表面にポリパラキシリレン樹脂を化学蒸着し
    たことを特徴とする内視鏡。
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