JPH0838613A - カテーテルの操作具 - Google Patents

カテーテルの操作具

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Publication number
JPH0838613A
JPH0838613A JP7061448A JP6144895A JPH0838613A JP H0838613 A JPH0838613 A JP H0838613A JP 7061448 A JP7061448 A JP 7061448A JP 6144895 A JP6144895 A JP 6144895A JP H0838613 A JPH0838613 A JP H0838613A
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JP
Japan
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reel
catheter
housing
braking member
wire
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JP7061448A
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English (en)
Inventor
Itaru Okubo
到 大久保
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】操作具1は、ワイヤーの牽引によりカテーテル
100の先端部を湾曲操作するもので、リール3と、該
リール3を収納するハウジング6と、リール3を回動操
作する操作レバー4と、リール3の回転を抑制する制動
部材5とを有している。リール3は、ワイヤー120、
130をそれぞれ逆方向に巻き取るリール本体33と、
両ワイヤーの基端を固定する固定部36と、回転軸31
とからなる。ハウジング6には、回転軸31が通過する
軸孔が形成され、回転軸31の軸孔より突出した部分に
操作レバー4が嵌合される。制動部材5は、リング状の
弾性体よりなり、ハウジング内面とリール本体33との
間に挟まれて圧縮され、リール本体3に密着し、その摩
擦力により制動力を得る。 【効果】簡単な構造で、多機能かつ操作性に優れ、組み
立ても容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば内視鏡を構成す
るカテーテルの先端部をワイヤーの牽引により湾曲させ
る操作を行うカテーテルの操作具に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用の内視鏡は、体外から挿入して、
消化器系、気管支系、血管、胆管、尿道管、子宮のよう
な管状器官等の身体腔内の観察を行い、さらにその内壁
への薬液の投与、レーザー光線の照射といった医療処置
を行うことができるため、近年注目され、その開発が進
んでいる。
【0003】このような内視鏡を用いて身体腔内の観察
を行うに際しては、内視鏡の先端部を目的部位まで到達
させるため、あるいは観察における視野を選択、変更す
るために、内視鏡を構成するカテーテルの先端部を湾曲
(または屈曲)させる必要がある。
【0004】体外位置からカテーテルの先端部を湾曲さ
せる方法としては、カテーテルの先端部を複数の節輪を
回動自在に順次連結した構成とし、カテーテル内にワイ
ヤーを配設し、その先端をカテーテルの先端付近に固定
し、カテーテルの基端側(手元側)に装着された操作具
により前記ワイヤーを牽引して、カテーテルの先端部を
所望の方向に湾曲させる方法がある(特公昭60−21
734号、実公昭62−23442号、実公昭62−2
3447号)。また、最近では、内視鏡の細径化の要請
に伴い、節輪を有しない構造のカテーテルチューブが提
案されており、このカテーテルにおいても同様に手元側
でワイヤーを牽引してカテーテルの先端部を湾曲させて
いる(特開平2−1292号)。
【0005】ところで、このようなワイヤーの牽引によ
りカテーテル先端部を湾曲させる場合、カテーテル先端
部の湾曲角度(湾曲状態)を維持するための湾曲角度維
持機構、ワイヤーの過度の牽引によるワイヤーの切断を
防止する機構、あるいは組立時、使用時にワイヤーが弛
緩したときにワイヤーの張力を調節する調整機構等を設
け、より操作性を向上することが考えられているが、こ
れらの各機構をそれぞれ独立して設置すると、部品点数
の増大とともに、操作具の構造が極めて複雑となり、大
型化、重量増大を招くばかりでなく、製造時や前記調整
時における操作具の組み立てを困難にする要因となると
いう問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡単
な構造で、多機能かつ操作性に優れ、組み立ても容易な
カテーテルの操作具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(14)の本発明により達成される。
【0008】(1) 少なくとも1本のワイヤーを牽引
してカテーテルの先端部を湾曲させる操作具であって、
回転して前記ワイヤーの巻き取りを行うリール本体と、
前記ワイヤーの一端部を固定する固定部とを備えたリー
ルと、前記リールの回転中心に設置された回転軸と、前
記リールを収納し、前記回転軸が通過する軸孔を有する
ハウジングと、前記回転軸の前記ハウジングより露出し
た部分に設置され、前記リールを回動操作する操作レバ
ーと、前記ハウジングと前記リールとの間に設置され、
摩擦力により前記リールの回転を抑制する制動部材とを
有し、前記回転軸は、前記リールおよび前記操作レバー
の一方に固定又は一体化されており、他方に前記回転軸
を装着することにより、前記制動部材が前記リールに密
着し、制動力を得るよう構成したことを特徴とするカテ
ーテルの操作具。
【0009】(2) 前記回転軸は、前記リールに固定
又は一体化されており、前記操作レバーを前記回転軸の
前記ハウジングより露出した部分に装着することによ
り、前記制動部材が前記リールに密着し、制動力を得る
ものである請求項1に記載のカテーテルの操作具。
【0010】(3) 前記回転軸は、前記操作レバーに
固定又は一体化されており、前記リールを前記回転軸の
前記ハウジング内に突入した部分に装着することによ
り、前記制動部材が前記リールに密着し、制動力を得る
ものである請求項1に記載のカテーテルの操作具。
【0011】(4) 前記制動部材が発生する制動力を
調節可能な制動力調節手段を有する請求項1ないし3の
いずれかに記載のカテーテルの操作具。
【0012】(5) 前記リールを貫通する孔部と、該
孔部に挿通され、前記回転軸に接続するとともに、径方
向に膨出する膨出部を有する連結体と、前記リールに設
けられ、該膨出部と当接する当接部とを有しており、該
連結体の前記回転軸に対する接続位置を変化して、前記
制動部材が発生する制動力を調節できるよう構成されて
いる請求項3に記載のカテーテルの操作具。
【0013】(6) 前記制動部材は、前記ハウジング
内を液密に保つためのシール機能を有するものである請
求項1ないし5のいずれかに記載のカテーテルの操作
具。
【0014】(7) 前記制動部材は、弾性または粘弾
性を有する材料で構成されリングである請求項1ないし
6のいずれかに記載のカテーテルの操作具。
【0015】(8) 前記固定部は、前記ワイヤーの張
力を調節可能にワイヤーを固定する張力調節機能を有す
るものである請求項1ないし7のいずれかに記載のカテ
ーテルの操作具。
【0016】(9) 前記リールの回転角度範囲を規制
する回転角規制手段を有する請求項1ないし8のいずれ
かに記載のカテーテルの操作具。
【0017】(10) 前記操作レバーは、L字状に屈曲
した屈曲部を有し、操作レバーの回動に際し、前記屈曲
部が前記ハウジングの外面に当接して操作レバーの回転
角度範囲を規制するよう構成されている請求項1ないし
9のいずれかに記載のカテーテルの操作具。
【0018】(11) 2本のワイヤーが前記リール本体
に互いに逆方向に巻き付けられている請求項1ないし1
0のいずれかに記載のカテーテルの操作具。
【0019】(12) 前記カテーテルには、カテーテル
の中心軸を介して互いに対向する2本のワイヤーが設置
され、各ワイヤーが前記リール本体に互いに逆方向に巻
き付けられている請求項1ないし11のいずれかに記載
のカテーテルの操作具。
【0020】(13) 前記カテーテルの先端部は、柔軟
性および自己復元力を有するものである請求項1ないし
12のいずれかに記載のカテーテルの操作具。
【0021】(14) 前記カテーテルは、内視鏡を構成
するものである請求項1ないし13のいずれかに記載の
カテーテルの操作具。
【0022】
【実施例】以下、本発明のカテーテルの操作具を添付図
面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明のカテーテルの操作具を示
す平面図、図2は、図1に示す操作具の縦断面図、図3
は、図2中のIII −III 線での拡大断面図、図4は、図
1中のIV−IV線での断面図である。なお、以下の説明に
おいては、図1および図2中の左側を「基端」または
「後」、右側を「先端」または「前」と呼ぶ。
【0024】図1に示すように、本発明のカテーテルの
操作具(以下単に「操作具」という)1は、カテーテル
100の基端部102に装着されて使用されるものであ
る。本実施例におけるカテーテル100は、内視鏡を構
成するものであり、カテーテル本体101を有してい
る。
【0025】カテーテル本体101には、用途、機能の
異なる種々のルーメンが形成されている。すなわち、図
4に示すようにカテーテル本体101には、そのほぼ全
長にわたって第1ルーメン104、第2ルーメン10
5、第3ルーメン106および第4ルーメン107が形
成されている。
【0026】第1ルーメン104には、例えば、消化
管、器官、血管、胆管、尿道管、子宮等の管状器官のよ
うな体腔内を観察する観察器具(ファイバースコープ)
としての光ファイバー束108が収納されている。光フ
ァイバー束108は、送光用ファイバー(ライトガイ
ド)109と、受光用ファイバー(イメージファイバ
ー)110とで構成されており、これらの各光ファイバ
ーを例えばエポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン
ゴム等で固めて束状としたものである。
【0027】第2ルーメン105は、カテーテル本体1
01の先端部103へ開放し、その開口より体腔内等に
流体を注入し、あるいは体腔内等から流体を吸引するの
に使用される。また、第2ルーメン105は、後述する
ような医療処置器具を挿通する医療処置器具挿通用チャ
ンネルとして用いることもできる。
【0028】第3ルーメン106および第4ルーメン1
07は、それぞれ、カテーテル本体101の先端部10
3を湾曲させるためにカテーテル本体2の先端を牽引す
るワイヤー120および130を収納するためのもので
ある。第3ルーメン106および第4ルーメン107
は、カテーテル本体101の横断面上でカテーテル本体
の中心軸を介して互いに対向する位置に形成されてい
る。
【0029】また、これらのルーメン106、107の
先端開口は、例えば充填材により封止され、この充填材
により、両ワイヤー120、130の先端がカテーテル
本体101の先端において、カテーテル本体の横断面上
でカテーテル本体の中心軸を介して互いに対向する位置
に固定されている。これにより、図1中の一点鎖線で示
すように、一方のワイヤー120を牽引すると、先端部
103はそのワイヤー先端が固定されている方向(図1
中上方)に湾曲し、他方のワイヤー130を牽引する
と、先端部103はそのワイヤー先端が固定されている
方向(図1中下方)に湾曲する。
【0030】この先端部103の湾曲に伴って、第1ル
ーメン104内の光ファイバー束108の先端部が湾曲
し、カテーテル100を挿入した体腔の観察または医療
処置が可能となる。
【0031】なお、本願明細書において「湾曲」とは、
カテーテル本体101が屈曲、すなわち1段または2段
以上の折れ線上に折れ曲がること、または曲線状に連続
的に湾曲することを含む概念である。
【0032】カテーテル本体101の構成材料として
は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリテトラフルオ
ロエチレン、シリコーンゴム、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等の可撓性を有する高分子材料が挙げられる。こ
の場合、カテーテル本体101の先端部103は、容易
に湾曲し得る程度の柔軟性を有するとともに、ワイヤー
120、130の牽引を解除したとき、ほぼ元の形状に
戻る程度の自己復元性を有するものであるのが好まし
い。
【0033】具体的には、先端部103の曲げ弾性率
(JIS K7203−1982「硬質プラスチックの
曲げ試験方法」での三点曲げ試験結果)が0.05〜
0.3kgf/mm2程度であるのが好ましく、この範囲であ
れば、柔軟性と自己復元性とを兼ね備えることができ
る。
【0034】ワイヤー120、130は、後述する牽引
操作により断線を生じることがない程度の引っ張り強度
を有するものであり、その構成材料としては、例えば、
ステンレス鋼、超弾性合金、アモルファス合金等の金
属、芳香族ポリアミド、ポリアリレート、ポリエチレン
テレフタレートのようなポリエステル、ポリイミド等の
各種樹脂、カーボンファイバー等による単線や繊維束、
撚糸等を挙げることができる。
【0035】このようなカテーテル100の基端部10
2には、本発明の操作具1が装着されている。この操作
具1は、前方の湾曲操作部2と後方の把持部7とから構
成される。把持部7を把持しつつ、湾曲操作部2を操作
することによりカテーテル本体101の先端部103を
遠隔的に湾曲させることができる。
【0036】また、操作具1は、先端側に形成されたマ
ニホールド部61および基端側に形成されたコネクタ部
22を有するハウジング本体60と、マニホールド部6
1およびコネクタ部22を除きハウジング本体60とほ
ぼ対称な形状のカバー66とを接合してなるハウジング
6を有している。
【0037】湾曲操作部2には、マニホールド部61
と、ハウジング6のリール収納部62内に収納されたリ
ール3と、リール3を回動操作する操作レバー4と、摩
擦力によりリール3の回転を抑制する制動部材5とが設
置されている。以下、図2および図3を参照しつつ、こ
れらの構成について説明する。
【0038】ハウジング6のマニホールド部61内に
は、カテーテル本体101の基端部102が挿入、固定
されている。また、ハウジング6のリール収納部62に
は、後述するリール3の回転軸31をハウジング6の外
部に突出させるための軸孔63が形成されている。図示
の構成では、軸孔63は、ハウジング本体60側に形成
されている。
【0039】リール3は、リール本体33と、リール本
体33の回転中心に例えば接着剤等による固着やネジに
よる螺合等によって固定、または一体化された回転軸3
1とで構成されている。
【0040】リール本体33は、円盤状の部材であっ
て、その外周に沿って、ワイヤー120、130が挿通
する溝35が形成されている。カテーテル本体101基
端の第3ルーメン106および第4ルーメン107の開
口からハウジング6の内部空間に露出したワイヤー12
0、130は、図2中上下に分かれ、それぞれ、対向す
る溝35内でリール本体33に互いに逆方向に巻き付け
られている。
【0041】また、リール本体33の両側部には、それ
ぞれ、溝35を覆うようにガイド部材34が設置されて
いる。このガイド部材34は、ワイヤー120、130
が溝35から離脱するのを防止する機能を有し、例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等よりなるプラスチ
ックシートで構成されている。
【0042】なお、溝35の横断面形状は、図示のごと
き四角形に限らず、例えばV字状や円弧状であってもよ
い。
【0043】リール本体33の基端部には、ワイヤー1
20および130の基端をリール3に固定するための固
定部36が設けられている。本実施例における固定部3
6は、ワイヤー120、130の張力を調節可能にこれ
らの基端を固定する張力調整手段を有するものであり、
リール本体33に螺合された固定ネジ37および38で
構成されている。すなわち、固定ネジ37、38には、
それぞれ、リール本体33に巻き付けられたワイヤー1
20、130の基端が固定され、固定ネジ37、38を
回転することにより、対応するワイヤー120、130
が巻き取られまたは巻き出されて、その張力が調整され
る。
【0044】なお、図2および図3に示す状態では、カ
テーテル本体101の先端部103は、直線状態(図1
注実線で示す)であり、この状態を以下「基本位置状
態」という。
【0045】回転軸31は、軸孔63よりハウジング6
外へ突出しており、この突出部には、回転軸31の径方
向に貫通するレバー嵌合孔からなる装着部32が形成さ
れている。
【0046】このようなリール3は、適度な強度(剛
性)を有し、低摩擦材料で耐摩耗性に優れる材料で構成
されているのが好ましい。このような材料としては、例
えば、ステンレス鋼、銅合金、アルミニウム、アルミニ
ウム合金等の各種金属、ポリエチレン(特に中ないし高
密度)、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリ
ル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体、芳香族または脂肪族ポリアミド、ポリアセター
ル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリイミド、フッ素樹脂等の各種樹脂、アルミナ等
の各種セラミックスが挙げられる。
【0047】リール3が上述した材料で構成されている
場合、リール3の回転に際し、回転軸31外面と軸孔6
3内面との摺動や、リール本体33とワイヤー120、
130との摺動が円滑になされ、耐久性も向上し、摩耗
粉の発生も防止されるので好ましい。
【0048】また、回転軸31の外周であって、リール
本体33の上面39とハウジング6の上部内面64との
間には、リング状の制動部材5が設置されている。
【0049】この制動部材5の構成材料としては、例え
ば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリル
ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、
エチレン−プロピレンゴム、アクリル系ゴム、ウレタン
ゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の
各種ゴムまたはこれらのブレンド物や、ポリウレタンエ
ラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエ
ラストマー、ポリスチレンエラストマー、フッ素系エラ
ストマー等の各種熱可塑性エラストマー等の弾性材料、
さらには、例えば、軟質ポリ塩化ビニルのような柔軟性
に富む樹脂材料を主とするものが挙げられる。また、前
記各種ゴムは、加硫ゴムに限らず、未加硫または半加硫
ゴム(加硫係数が100%未満)のような粘弾性材料で
あってもよい。
【0050】なお、制動部材5の設置位置は、図示のも
のに限らず、例えば、軸孔63と回転軸31との間に設
置されていてもよい。
【0051】前記装着部32には、操作レバー4の一端
部が嵌合される。この場合、操作レバー4を装着部32
に嵌合すると、操作レバー4の摺動面(下面)42がハ
ウジング6の軸孔63の周囲に突出した凸部65の上面
に係止、圧着され、その反力によってリール3が図3中
上方へわずかに移動し、停止する。これにより、制動部
材5がリール本体33の上面39とハウジング6の上部
内面64との間に挟まれて圧縮され、それらの面39、
64に密着し、その摩擦力により、リール3の回転に際
しての制動力を生じる。
【0052】この場合、図3に示すように、操作レバー
4の装着部32への嵌合状態における上面39と上部内
面64との距離Lは、制動部材5の自然状態(圧縮力等
の外力が加わらない状態)での厚さの50〜99%程度
とするのが好ましく、75〜96%程度とするのがより
好ましい。更に好ましくは79〜96%である。このよ
うな範囲において、適度な制動力が得られるからであ
る。
【0053】また、本実施例の場合、制動部材5は、シ
ール機能をも有している、すなわち、リール3の回動時
および非回動時において、制動部材5がリール本体33
の上面39とハウジング6の上部内面64の双方に密着
しているため、軸孔63より液体が侵入しても、制動部
材5に遮断され、ハウジング6の内部空間が液密に保た
れる。
【0054】操作レバー4は、その途中でL字状に屈曲
し、図3中上下方向に伸びる屈曲部43を有している。
操作レバー4は、主にこの屈曲部43に手をあてて回動
操作される。従って、屈曲部43の外側表面には、滑り
防止手段として、微小な凹凸、あるいは前記弾性または
粘弾性材料による被覆層が形成されているのが好まし
い。また、このような滑り防止手段は、操作レバー4の
上面に施されていてもよい。
【0055】このような操作レバー4は、前述したリー
ル3と同様の材料で構成されているのが好ましい。これ
により、操作レバー4の回動操作に際し、摺動面42と
凸部65の上面との摺動が円滑になされ、摩耗も抑制さ
れる。
【0056】以上のような操作具1は、リール3の回転
角度範囲を規制する回転角規制手段82を有する。
【0057】本実施例における回転角規制手段8は、図
1に示すように、前述した操作レバー4の屈曲部43
と、該屈曲部43がハウジング6の外面に当接する当接
部81、82とで構成されている。操作レバー4の回動
に際し、図1の実線で示す基本位置状態から、操作レバ
ー4を基端側へ例えば45°回動すると、屈曲部43が
当接部81に当接して停止し、逆に、操作レバー4を基
本位置状態から先端側へ例えば45°回動すると、屈曲
部43が当接部81に当接して停止する。これにより、
操作レバー4の回転角度範囲(最大回転角度)が基本位
置状態を中心に左右45°ずつに規制され、ワイヤー1
20、130の引き過ぎによる破断や、カテーテル本体
101の先端部103の曲げ過ぎによる光ファイバー束
108等の破損を防止することができる。
【0058】このような操作具1では、単一の制動部材
5によりリール3の制動がなされ、また、リール3の回
転角度範囲の規制も、別途専用の部材等を設置すること
なく、リール3の回転操作用の屈曲部43とハウジング
6の外面に形成された当接部81、82とを利用して行
われるため、極めて簡易な構成で、制動機能を得、回転
角度範囲を規制することができる。
【0059】また、操作具1の組み立ては、例えば、制
動部材5が回転軸31に予め挿入されたリール3の回転
軸31を、ハウジング本体60の内側から軸孔63に挿
通して、装着部32をハウジング6の外側へ露出させ、
次いで、操作レバー4の一端部を装着部32に嵌合し、
接着剤等で固定した後、ワイヤー120、130をリー
ル3へ巻き付け、固定および張力の調整を適宜行い、チ
ューブ24をコネクタ部22に装着し、チューブ20、
コネクタ10をカバー66に装着後、ハウジング本体6
0とカバー66とを貼り合わせることにより行うことが
でき、極めて簡単に組み立てを行うことができる。
【0060】把持部7の基端側には、図1中斜め上方に
突出するよう分岐する分岐部71を有し、この分岐部7
1の基端には、コネクタ10が嵌合され、接着、固定さ
れる。このコネクタ18の先端部とカテーテル本体10
1の第2ルーメン105の基端部とは、チューブ20に
より接続されている。
【0061】なお、コネクタ10は、内径が先端に向け
て漸減するテーパ状内面を有するいわゆるルアーテーパ
コネクタであり、図示しない三方活栓やシリンジの先端
等を液密に接続することができる。例えば、コネクタ1
0にシリンジの先端を接続し、シリンジ内の液体をコネ
クタ10およびチューブ20を介して第2ルーメン10
5内に供給することができる。また、コネクタ10から
は、例えば、鉗子類、細胞診ブラシ、注射針、クリップ
装置、ガイドワイヤー、高周波、超音波、電気水圧衝撃
波、レーザー光等を発するプローブ類、洗浄、吸引等の
チューブ類、メジャーのような各種医療処置器具を挿入
することもできる。
【0062】なお、第2ルーメン105の基端部とチュ
ーブ20とは、その内面同士が無段差になるよう接続さ
れているのが好ましく、同様に、コネクタ10の狭小部
11の内径とそこに接続されたチューブ20の内径とを
同一とし、その内面同士を無段差接続とすることが好ま
しい。これにより、例えばガイドワイヤー等の医療処置
器具の挿入または抜去を、引っかかりを生じることなく
円滑に行え、さらには、コネクタ10からに限らず、カ
テーテル本体101の先端部103から、医療処置器具
の挿入または抜去を円滑に行うこともできる。
【0063】把持部7の基端には、ファイバースコープ
挿入用の中空のコネクタ部22が形成されている。この
コネクタ部22の内腔の先端部とカテーテル本体101
の第1ルーメン104の基端部とは、チューブ24によ
り接続されている。第1ルーメン104内の光ファイバ
ー束108は、チューブ24内を通り、コネクタ部22
の内腔に挿入されている。
【0064】また、コネクタ部22の内腔が拡径した拡
径部23には、例えばシリコーンゴムのような弾性材料
で構成された中空の光ファイバー固定部材25が嵌入さ
れている。さらに、コネクタ22の基端には、中空の弁
キャップ26が螺合されている。
【0065】図2に示すように、光ファイバー束108
が光ファイバー固定部材25および弁キャップ26内に
挿通された状態で、弁キャップ26を回転してその先端
部をコネクタ部22内にねじ込んでいくと、弁キャップ
26の先端面が光ファイバー固定部材25を押圧し、光
ファイバー固定部材25が変形して、光ファイバー固定
部材25の中空部が閉塞し、光ファイバー束108に密
着する、これにより、その中空部を挿通している光ファ
イバー束108はその軸方向に移動しないように固定さ
れる。このような光ファイバー束108の固定は、光フ
ァイバー束108の軸方向の位置を所望に調整した後、
行われる。
【0066】なお、このような操作具1において、操作
レバー4の回転量等を示す目盛り(図示せず)を、操作
レバー4またはハウジング6の外面等に設け、ワイヤー
120、130の引張長さ、すなわち先端部103の湾
曲の程度(角度)を認識し得るようにしておくこともで
きる。また、例えば、軸孔63付近に、リール3が段階
的に回転するいわゆるクリック機構を設けることもでき
る。
【0067】次に、図示の操作具1の使用方法および作
用について説明する。
【0068】操作具1においては、把持部7を手で把持
しつつ、その手の親指を屈曲部43にあて、前後方向に
移動することにより操作レバー4を回動操作してリール
3を回動し、カテーテル本体101の先端部103を湾
曲させる。
【0069】以下詳述すると、カテーテル本体101の
先端部103を図1中上方向に湾曲させるときは、図2
および図3に示す基本位置状態から、図1中一点鎖線で
示すように、操作レバー4を後方へ回動操作する。これ
により、リール3が図2中反時計回りに回動し、固定ネ
ジ37にその基端が固定されているワイヤー120は、
引っ張られてリール本体33に巻き付けられるととも
に、固定ネジ38にその基端は固定されているワイヤー
130は繰り出される。このため、一方のワイヤー12
0が第3ルーメン106内でカテーテル本体基端側に牽
引され、他方のワイヤー130が第4ルーメン107内
で弛緩し、よって、カテーテル本体101の先端部10
3が図1中上方向に湾曲する。
【0070】同様の原理により、操作レバー4を図2お
よび図3に示す基本位置状態から、前方に回動操作すれ
ば、ワイヤー130が第4ルーメン107内へカテーテ
ル本体基端側に牽引され、ワイヤー120が第3ルーメ
ン106内でカテーテル本体先端側に繰り出され、カテ
ーテル本体101の先端部103が図1中下方向に湾曲
する。
【0071】操作レバー4の回転角度は、ワイヤー12
0、130の牽引移動量に対応しているため、操作レバ
ー4の回転角度を適宜調整することにより、先端部10
3の湾曲角度を所望に調整することができる。
【0072】この場合、操作レバー4の回転角度範囲
は、前述した回転角規制手段8により規制されているの
で、ワイヤー120、130の引き過ぎによる破断や、
先端部103の曲げ過ぎによる光ファイバー束108等
の破損を防止することができる。
【0073】操作レバー4の操作によりカテーテル本体
101の先端部103を湾曲させると、その復元力によ
り、リール3に対し、逆方向に回転しようとする反力が
作用するが、前述した制動部材5による制動力により、
操作レバー4から手を離してもリール3の逆回転は生じ
ず、その姿勢(回転角度)がそのままに保持され(ロッ
ク状態)、よって、先端部103の湾曲状態が維持され
る。このロック状態は、操作レバー4を再度回転操作す
るまで維持される。
【0074】操作具1の組み立ての際あるいは上記先端
部103の湾曲操作を繰り返し行うと、ワイヤー12
0、130が弛緩し、その程度によっては、操作レバー
4を回動しても先端部103に所望の湾曲角度が得られ
なくなることがある。この場合には、次のようにしてワ
イヤー120、130の張力を一定にするための調整を
行う。
【0075】例えば、ワイヤー130が弛緩していると
きは、カバー66とハウジング本体60とを分離し、例
えばドライバーを用いて固定ネジ38を図3中時計回り
に回転させる。これにより、ワイヤー130は、固定ネ
ジ38に巻き取られ、張力が発生し、ワイヤー130の
弛緩を除去できる。逆に、ワイヤー130の張力が大き
すぎるときは、固定ネジ38を前記と逆方向に回転させ
る。これにより、ワイヤー130は、固定ネジ38から
繰り出され、張力を適当な大きさまで減少させること
で、同様の調整を行うことができる。
【0076】なお、前記基本位置状態では、ワイヤー1
20、130の張力がほぼ等しくなるように調整されて
いるのが好ましい。
【0077】図5は、本発明の他の実施例を示す断面
図、図6は、図5に示す実施例の一部の部品を分解して
示す説明図、図7(a)は、図6のV−V線での断面
図、図7(b)は、図6のVI−VI線での断面図である。
以下、これらの図に基づいて本発明の操作具1Aの構成
について説明するが、前記操作具1と同様の事項につい
ては、その説明を省略する。
【0078】操作具1Aは、前記操作具1とほぼ同様の
構成であるが、回転軸が、リール3ではなく操作レバー
4に固定または一体化されている点で相違している。
【0079】具体的には、操作具1Aのリール3は、後
述する回転軸41に装着される装着部32を有してい
る。この装着部32は、リール本体33の上面39の、
リール3の回転中心に設置されており、図6に示すよう
に、後述する回転軸41の嵌入部46が嵌入する凹部3
21を有している。この凹部321の横断面形状は、図
7(b)に示すように、四角形形状をなしている。
【0080】また、リール本体33には、凹部321か
らリール本体33を貫通する孔部322と、後述するネ
ジ51と当接する当接部323が形成されている。本実
施例において、当接部323は、凹部321から反対側
にかけての途中が拡径して段差状となった孔部322の
内面により構成されている。また、孔部322は、その
全体にわたって、内径が少なくとも後述する固定ネジ5
1が挿通可能な程度の大きさとなっている。
【0081】なお、当接部323は、図示のごとき形状
に限定されず、例えば、孔部322を全体にわたって略
一定の内径とし、リール本体33の図6中下面を当接部
323として機能させてもよい。
【0082】本実施例において、操作レバー4は、屈曲
部43と反対側の端部が直角に屈曲しており、この屈曲
した部分が回転軸41となっている。なお、回転軸41
は、例えば接着剤等による固着やネジによる螺合などに
よって操作レバー4に固定した構造であってもよい。
【0083】回転軸41は、軸孔63よりハウジング6
内に突入し、この突入部には、リール3の凹部321に
嵌入する嵌入部46が一体的に形成されている。嵌入部
46は、図7(a)に示すように、凹部321とほぼ同
一の横断面形状を有する角柱状をなしており、嵌入部4
6を凹部321にほぼ隙間なく嵌入することができる。
【0084】これにより、嵌入部46は、凹部321へ
の挿入深さにかかわらず、軸方向には相対的に移動でき
るが、凹部321に対し回転することはできない。した
がって、操作レバー4の回動力は、嵌入部46および凹
部321を介してリール3に伝達され、これらの全体が
回転する。
【0085】また、嵌入部46には、回転軸41の軸方
向に、ネジ孔45が形成されている。このネジ孔45
は、嵌入部46を凹部321に嵌入したとき、リール3
の孔部322と同軸上となるように設けられている。
【0086】リール3の孔部322には、リール3と回
転軸41とを連結する連結体として機能する固定ネジ5
1が挿通され、回転軸41のネジ孔45に螺合される。
図7(a)に示すように、固定ネジ51の端部には、固
定ネジ51の径方向に膨出する膨出部511が形成され
ている。
【0087】そして、回転軸41の外周であって、リー
ル本体33の上面39とハウジング6の上部内面64と
の間には、リング状の制動部材5が設置されている。な
お、制動部材5の設置位置は、図示のものに限らず、例
えば、軸孔63と回転軸41との間に設置されていても
よい。
【0088】ハウジング6の軸孔63に回転軸41を挿
通し、その嵌入部46をリール3の凹部321に嵌入し
たあと、固定ネジ51をリール3の孔部322に当接部
323側から挿入し、回転軸41のネジ孔45に例えば
ドライバー等で螺合させ、リール3を回転軸41に装着
すると、固定ネジ51の膨出部511がリール3の当接
部323に接触、当接する。この螺合により、リール3
と回転軸41とが固定ネジ51を介して強固に連結する
とともに、操作レバー4の摺動面(下面)42がハウジ
ング6の軸孔63の周囲に突出した凸部65の上面に係
止、圧着され、その反力によってリール3が図6中上方
へわずかに移動し、停止する。これにより、制動部材5
がリール本体33の上面39とハウジング6の上部内面
64との間に挟まれて圧縮され、それらの面39、64
に密着し、その摩擦力により、リール3の回転に際して
の制動力を生じる。
【0089】また、本実施例の操作具1Aは、制動部材
5の制動力を調整する制動力調整手段を有している。こ
の制動力調整手段は、リール3と回転軸41とを連結す
る連結体として機能する前記固定ネジ51、膨出部51
1、回転軸41のネジ孔45、リール3の孔部322お
よび当接部323とで構成されている。すなわち、固定
ネジ51を孔部322に挿通し、ネジ孔45と固定ネジ
51とを螺合した状態で、固定ネジ51を回転すること
により、固定ネジ51のネジ孔45への挿入深さ、言い
換えれば、連結体(固定ネジ51)と回転軸41との接
続位置が変化し、これにより、当接部323において膨
出部511に当接したリール3の上面39とハウジング
6の上部内面64との距離Lが広げられまたは狭められ
て、制動部材5の制動力が調整される。
【0090】なお、上記連結体としては、図示の固定ネ
ジ51に限定されるものではなく、例えば、連結体を内
面に雌ネジを有する筒状体とし、回転軸41の外周面に
雄ネジを形成して、これらを螺合させる構成等、回転軸
41との接続位置を変化できればいかなるものでもよ
い。
【0091】操作具1Aの組み立ては、例えば、操作レ
バー4に固定または一体化された回転軸41を、ハウジ
ング本体60の外側から軸孔63に挿通して、嵌入部4
6をハウジング6の内側に露出させる。制動部材5を回
転軸41に挿入した後、リール3の凹部321に嵌入部
46を嵌合させる。孔部322より固定ネジ51を挿
入、リール3が回転軸41から脱落しない程度に固定ネ
ジ51をネジ孔45に螺合させ、リール3と回転軸41
を仮固定した後、ワイヤー120、130をリール3に
巻き付け、固定および張力の調整を適宜行う。この仮固
定において、前記距離Lを広く確保して、リール3にワ
イヤー120、130を巻き付ける際の手指の自由度を
大きくでき、巻き付けを容易に行うことができる。
【0092】その後、固定ネジ51をさらに回転し、制
動部材5による制動力の調整を適宜行う。チューブ24
をコネクタ部22に装着し、チューブ20、コネクタ1
0をカバー60に装着してから、ハウジング本体60と
カバー66とを貼り合わせることにより行うことによ
り、極めて簡単に組み立てを行うことができる。
【0093】上記のように制動力調整手段を設けること
により、上記のようにリール3と回転軸41との仮固定
を行えるため、製造時や調整時における操作具の組み立
てが容易となる。さらに、リール3、回転軸41、制動
部材5等の各部品の寸法精度を落とすことができ、各部
品の製造が容易となるとともに、カテーテル100の使
用条件、用途等に応じて、カテーテル100を湾曲する
先端部103の柔軟性が異なるカテーテルに交換し、制
動部材5の制動力を交換されたカテーテルに合うように
変更することもできる。
【0094】本実施例の操作具1Aにおいては、操作レ
バー4に回転軸41を予め固定または一体化し、連結体
(固定ネジ51)をハウジング6内に設置した構造とし
たため、ハウジング6の外側にはネジ等の固定手段が露
出せず、操作具1Aを把持、操作する手指の損傷等を防
止できる。
【0095】なお、凹部321および嵌入部46の横断
面形状は、図示のごとき形状に限定されず、例えば、三
角形、六角形、半円形、一文字状、十文字状、L字状等
の非円形のものであってもよい。このように、嵌入部4
6が非円形の横断面形状をなしていれば、操作レバー4
の回動力(回転力)を確実にリール3に伝達できる。
【0096】また、固定ネジ51を設ける代わりに、接
着剤等で回転軸41とリール3を固着してもよい。ま
た、固定ネジ51を回転軸41に螺合した後、接着剤等
で固定ネジ51をリール3に固着することにより、固定
ネジ51の緩みを防止してもよい。また、例えば凹部3
21の周囲をゴム等の弾性材料で形成し、凹部321の
横断面形状を嵌入部46に対して若干小さく形成して、
弾性力により嵌入部46と凹部321とを強固に嵌合さ
せたり、あるいは上記接着剤等により両者を固着させる
ことにより、回転軸41にリール3を強固に装着できる
場合は、凹部322と嵌入部46の横断面形状は、円形
でもよい。
【0097】また、回転軸41とリール3との装着は、
図8に示すようにしてもよい。
【0098】図8は、本発明の他の実施例を示す部分拡
大断面図、図9は、図8に示す実施例のリールおよび回
転軸の構造を分解して示す説明図である。以下、これら
の図に基づいて本発明の操作具1Bの構成について説明
するが、前記操作具1、1Aと同様の事項については、
その説明を省略する。
【0099】操作レバー4には、回転軸41が固定また
は一体化されている。この回転軸41には、回転軸41
の径方向に貫通する嵌合孔47が形成されている。
【0100】一方、リール3は、ほぼ左右対称な略半円
盤状の部材であるリール本体33L、33Rを合体して
構成されている。これらのリール本体33L、33R
の、互いに対向する面には、それぞれ切欠部324L、
324Rが形成されている。リール本体33L、33R
を合体すると、この切欠部324L、324Rが繋がっ
て、回転軸41が挿通される挿通孔を形成する。さら
に、切欠部331L、331Rには、それぞれ、回転軸
41の嵌合孔47に両側から嵌入可能な突出部325
L、325Rが突出して形成されている。これらの切欠
部324L、324Rおよび突出部325L、325R
により、リール3が回転軸41に装着される装着部32
が構成される。
【0101】リール本体33L、33Rの外周側の側部
には、それぞれ、前記と同様のワイヤー120、130
が挿通する溝35が形成され、これらの溝35を覆うよ
うにガイド部材34が設置されている。
【0102】また、本操作具1Bにおいて、ハウジング
6のハウジング本体60およびカバー66との接合位置
は、回転軸41を軸孔63に挿通した際に、ハウジング
本体60に邪魔されることなくリール本体33L、33
Rを両側から回転軸41に装着できるように、リール3
の上面39よりも上側となっている。
【0103】操作具1Bの組み立ては、例えば、操作レ
バー4に固定または一体化された回転軸41を、ハウジ
ング本体60の外側から軸孔63に挿通して、嵌入部4
6をハウジング6の内側に露出させる。制動部材5を回
転軸41に挿入した後、リール本体33L、33Rの突
出部325L、325Rを、回転軸41の嵌合孔47に
左右両側から嵌入し、接着剤等によってリール本体33
L、33Rを合体状態で固着する。後の組み立ては、前
記操作具1と同様である。
【0104】また、回転軸41とリール3との装着は、
図10のようにしてもよい。
【0105】図10は、本発明の他の実施例を示す説明
図、図11は、図10のVII −VII線における横断面図
である。以下、これらの図に基づいて本発明の操作具1
Cの構成について説明するが、前記操作具1、1A、1
Bと同様の事項については、その説明を省略する。
【0106】操作具1Cの操作レバー4には、回転軸4
1が固定または一体化されている。この回転軸41の、
ハウジング6内に突入した端部には、横断面形状が例え
ば四角形をなす嵌入部46が形成されており、さらに、
この嵌入部46の図9中における下側端部には、後述す
るワッシャ52が取り付けられるワッシャ取付溝48が
形成されている。
【0107】一方、リール3の回転中心には、装着部3
2が設置されている。この装着部32は、リール3のリ
ール本体33の上面39から下面へと貫通し、嵌入部4
6とほぼ同一の横断面形状を有する装着孔326から構
成されている。
【0108】ワッシャ52は、図11に示すように、C
字状の硬質の部材であり、このワッシャ52は、例えば
ステンレス鋼、鉄等の金属材料などで形成することがで
きる。
【0109】操作具1Cの組み立ては、例えば、操作レ
バー4に固定または一体化された回転軸41を、ハウジ
ング本体60の外側から軸孔63に挿通して、嵌入部4
6をハウジング6の内側に露出させる。制動部材5を回
転軸41に挿入した後、リール3の装着孔326に嵌入
部46を挿入し、ワッシャ取付溝48をリール3の反対
側に露出させ、ワッシャ52をワッシャ取付溝48に嵌
め込む。これにより、リール3が回転軸41から脱落す
ることなく、リール3が回転軸41に装着される。後の
組み立ては、前記操作具1と同様である。
【0110】以上、本発明のカテーテルの操作具を図示
の実施例に基づいて説明したが、本発明は、これに限定
されるものではない。例えば、ワイヤー基端の固定部
は、1つの固定ネジに両ワイヤ120、130の基端を
固定し、それらを固定ネジに互いに逆方向に巻き付けた
構成であってもよい。さらに、ワイヤーの本数は、1本
または3本以上であってもよい。
【0111】また、リール3の回転角規制手段は、操作
レバーの屈曲部43と、ハウジング外面の当接部81、
82とで構成されたものに限らず、例えば、ハウジング
の図3中上面(例えば凸部65の上面)に突起が立設さ
れ、該突起が操作レバー4に係止してその回転角度範囲
を規制するような構成であってもよい。また、リール3
の回転角規制手段は、ハウジング6の内部に設けられて
いてもよい。
【0112】また、制動部材5の制動力調整手段は、図
5に示す構成に限定されず、例えば、図10に示す例に
おいて、2つ以上のワッシャ溝を回転軸41の長手方向
に所定長離間して形成し、ワッシャ52をこれらの溝の
いずれかに嵌め込んで調整を行う構成や、図5における
嵌入部46の代わりに、回転軸41の外面にラチェット
溝を設けるとともに、リール3の装着部32に、該ラチ
ェット溝と係合可能な爪手段を設けて、リール3と回転
軸41とを直接接続し、これらのラチェット溝および爪
手段の係合によってリール3と回転軸41との接続位置
を調整する構成であってもよい。
【0113】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のカテーテル
の操作具によれば、制動機能、さらには回転角度範囲規
制作用等を保持しつつ、部品点数が少なく、構造を簡素
化することができ、操作具全体の小型化、軽量化が図れ
るとともに、製造時や調整時における組み立ても容易で
ある。特に、制動力を得るための機構が極めて簡単であ
り、組み立ての際、操作レバーあるいはリールを回転軸
に装着するだけで制動力が得られる。
【0114】また、操作レバーの手動操作だけでカテー
テル先端部の湾曲を行うことができ、制動部材の作用に
より、操作レバーから手を離してもそのままの姿勢が維
持され、姿勢維持のための特別の操作も必要としないこ
とから、操作性が極めて優れている。
【0115】また、固定部がワイヤーの張力調整手段を
有するものである場合には、例えばワイヤーが弛緩した
とき等に容易に適正な張力に調整することができる。ま
た、リールの回転角規制手段を有する場合には、ワイヤ
ーの引き過ぎによる破断や、カテーテル先端部の曲げ過
ぎによる光ファイバー等の破損を防止することができ
る。
【0116】また、前記制動部材が発生する制動力を調
節可能な制動力調節手段を有する場合には、制動部材に
よる制動力を必要に応じて適宜調整でき、製造時や調整
時における組み立ても一層容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカテーテルの操作具の実施例を示す平
面図である。
【図2】図1に示す操作具の縦断面図である。
【図3】図2中のIII −III 線での断面図である。
【図4】図1中のIV−IV線での断面図である。
【図5】本発明のカテーテルの操作具の他の実施例を示
す要部断面図である。
【図6】図5に示す操作具の一部の部品を分解して示す
説明図である。
【図7】図7(a)は、図6のV−V線での断面図、図
7(b)は、図6のVI−VI線での断面図である。
【図8】本発明のカテーテルの操作具の他の実施例を示
す部分拡大断面図である。
【図9】図8に示す実施例のリールおよび回転軸の構造
を分解して示す説明図である。
【図10】本発明のカテーテルの操作具の他の実施例を
示す説明図である。
【図11】図10のVII −VII 線での断面図である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C 操作具 2 湾曲操作部 3 リール 31 回転軸 32 装着部 321 凹部 322 孔部 323 当接部 33、33L、33R リール本体 324L、324R 切欠部 325L、325R 突出部 326 装着孔 34 ガイド部材 35 溝 36 固定部 37、38 固定ネジ 39 上面 4 操作レバー 41 回転軸 42 摺動面 43 屈曲部 45 ネジ孔 46 嵌入部 47 嵌合孔 48 ワッシャ取付溝 5 制動部材 51 固定ネジ 52 ワッシャ 511 膨出部 6 ハウジング 60 ハウジング本体 61 マニホールド部 62 プーリー収納部 63 軸孔 64 上部内面 65 凸部 66 カバー 7 把持部 71 分岐部 8 回転角規制手段 81、82 当接部 10 コネクタ 11 狭小部 20 チューブ 22 コネクタ部 23 拡径部 24 チューブ 25 光ファイバー固定部材 26 弁キャップ 100 カテーテル 101 カテーテル本体 102 基端部 103 先端部 104 第1ルーメン 105 第2ルーメン 106 第3ルーメン 107 第4ルーメン 108 光ファイバー束 109 送光用ファイバー 110 受光用ファイバー 120、130 ワイヤー

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1本のワイヤーを牽引してカ
    テーテルの先端部を湾曲させる操作具であって、 回転して前記ワイヤーの巻き取りを行うリール本体と、
    前記ワイヤーの一端部を固定する固定部とを備えたリー
    ルと、 前記リールの回転中心に設置された回転軸と、 前記リールを収納し、前記回転軸が通過する軸孔を有す
    るハウジングと、 前記回転軸の前記ハウジングより露出した部分に設置さ
    れ、前記リールを回動操作する操作レバーと、 前記ハウジングと前記リールとの間に設置され、摩擦力
    により前記リールの回転を抑制する制動部材とを有し、 前記回転軸は、前記リールおよび前記操作レバーの一方
    に固定又は一体化されており、他方に前記回転軸を装着
    することにより、前記制動部材が前記リールに密着し、
    制動力を得るよう構成したことを特徴とするカテーテル
    の操作具。
  2. 【請求項2】 前記回転軸は、前記リールに固定又は一
    体化されており、前記操作レバーを前記回転軸の前記ハ
    ウジングより露出した部分に装着することにより、前記
    制動部材が前記リールに密着し、制動力を得るものであ
    る請求項1に記載のカテーテルの操作具。
  3. 【請求項3】 前記回転軸は、前記操作レバーに固定又
    は一体化されており、前記リールを前記回転軸の前記ハ
    ウジング内に突入した部分に装着することにより、前記
    制動部材が前記リールに密着し、制動力を得るものであ
    る請求項1に記載のカテーテルの操作具。
  4. 【請求項4】 前記制動部材が発生する制動力を調節可
    能な制動力調整手段を有する請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のカテーテルの操作具。
  5. 【請求項5】 前記リールを貫通する孔部と、該孔部に
    挿通され、前記回転軸に接続するとともに、径方向に膨
    出する膨出部を有する連結体と、前記リールに設けら
    れ、該膨出部と当接する当接部とを有しており、該連結
    体の前記回転軸に対する接続位置を変化して、前記制動
    部材が発生する制動力を調整できるよう構成されている
    請求項3に記載のカテーテルの操作具。
  6. 【請求項6】 前記制動部材は、前記ハウジング内を液
    密に保つためのシール機能を有するものである請求項1
    ないし5のいずれかに記載のカテーテルの操作具。
  7. 【請求項7】 前記制動部材は、弾性または粘弾性を有
    する材料で構成されリングである請求項1ないし6のい
    ずれかに記載のカテーテルの操作具。
  8. 【請求項8】 前記固定部は、前記ワイヤーの張力を調
    整可能にワイヤーを固定する張力調整機能を有するもの
    である請求項1ないし7のいずれかに記載のカテーテル
    の操作具。
  9. 【請求項9】 前記リールの回転角度範囲を規制する回
    転角規制手段を有する請求項1ないし8のいずれかに記
    載のカテーテルの操作具。
  10. 【請求項10】 前記操作レバーは、L字状に屈曲した
    屈曲部を有し、操作レバーの回動に際し、前記屈曲部が
    前記ハウジングの外面に当接して操作レバーの回転角度
    範囲を規制するよう構成されている請求項1ないし9の
    いずれかに記載のカテーテルの操作具。
  11. 【請求項11】 2本のワイヤーが前記リール本体に互
    いに逆方向に巻き付けられている請求項1ないし10の
    いずれかに記載のカテーテルの操作具。
  12. 【請求項12】 前記カテーテルには、カテーテルの中
    心軸を介して互いに対向する2本のワイヤーが設置さ
    れ、各ワイヤーが前記リール本体に互いに逆方向に巻き
    付けられている請求項1ないし11のいずれかに記載の
    カテーテルの操作具。
  13. 【請求項13】 前記カテーテルの先端部は、柔軟性お
    よび自己復元力を有するものである請求項1ないし12
    のいずれかに記載のカテーテルの操作具。
  14. 【請求項14】 前記カテーテルは、内視鏡を構成する
    ものである請求項1ないし13のいずれかに記載のカテ
    ーテルの操作具。
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