JP2008086465A - 生体器官拡張器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 生体器官拡張器具1は、先端側チューブ2と、このチューブ2の基端部に固定された基端側チューブ4と、基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材5と、ステント収納用筒状部材5内に収納された自己拡張型のステント3と、ステント収納用筒状部材5を基端側に移動させるための牽引ワイヤ6を備える。ステント収納用筒状部材5は、軸方向の中間部の内面より内方にかつ基端方向に突出する突出部51aと、突出部51aとステント収納用筒状部材5の内面間により形成される空隙部53とを備え、ワイヤ6の先端部69は、空隙部53内に侵入し固定されている。
【選択図】 図3
Description
上記生体器官拡張器具を構成するステントとしては、機能および留置方法によって、バルーン拡張型ステントと自己拡張型ステントとがある。
このタイプのステントは上記のようなステントの拡張作業が必要であるが、収縮したバルーンにステントを直接取り付けて留置することもできるので、留置に関してはさほど問題がない。しかし、ステント自身に拡張力がないため、血管の圧力等によって経時的に径が小さくなり、再狭窄が生じる可能性が高い。
このタイプのステントは、ステント自身が拡張力を有しているので、バルーン拡張型ステントのような拡張作業は必要なく、血管の圧力等によって径が次第に小さくなり再狭窄を生じるといった問題もない。
ステントの生体内留置術を行う場合には、ステントデリバリーシステムとして、外径、ステントの拡張時(放出後)外径などが異なる複数のものを準備する。そして、第1のステントデリバリーシステムの血管内への挿入後に、他のシステムに交換する場合がある。オーバーザワイヤタイプは、ガイドワイヤルーメンが最先端から最後端まで貫通しており、システムを体内に導入するためにはシステム全長の2倍以上のガイドワイヤが必要になる。このためシステムの交換に時間がかかる。
特許文献1および2のものでは、生体内に挿入され湾曲した内側シャフト全体を基端方向に移動させることが必要であり、この操作性は良好なものではない。
そこで、本発明の目的は、自己拡張型ステントを用いる生体器官拡張器具であって、ステント放出のための外管の移動が容易であり、ステント留置作業を容易かつ確実に行うことができる生体器官拡張器具を提供するものである。
(1) ガイドワイヤルーメンを有する先端側チューブと、該先端側チューブの基端部に先端部が固定された基端側チューブと、前記先端側チューブの先端側を被包しかつ先端側チューブの基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材と、該ステント収納用筒状部材内に収納されたステントと、前記ステント収納用筒状部材に一端部が固定され、前記基端側チューブ内を延びるとともに該基端側チューブの基端側に牽引することにより、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための牽引ワイヤとを備える生体器官拡張器具であって、
前記先端側チューブは、該先端側チューブの基端側にて開口し前記ガイドワイヤルーメンと連通する基端側開口と、該先端側チューブの先端側に位置し、前記ステント収納用筒状部材内に収納された前記ステントの基端と当接し、該ステントの基端側への移動を規制するステント係止部とを備えるものであり、前記ステントは、略円筒形状に形成され、中心軸方向に圧縮された状態にて前記ステント収納用筒状部材内に収納され、前記ステント収納用筒状部材からの排出時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元するものであり、そして、前記ステント収納用筒状部材は、該ステント収納用筒状部材の軸方向の中間部の内面より内方にかつ基端方向に突出する突出部と、該突出部と前記ステント収納用筒状部材の内面間により形成される空隙部とを備え、前記牽引ワイヤの先端部は、前記空隙部内に侵入し、該空隙部において前記ステント収納用筒状部材に固定されている生体器官拡張器具。
(3) 前記生体器官拡張器具は、基端部において前記基端側チューブの先端部と固定された接続チューブを備え、該接続チューブは、前記先端側チューブの基端部を前記基端側開口が該接続チューブの側面にて露出するように固定されている上記(1)または(2)に記載の生体器官拡張器具。
(4) 前記接続チューブは、先端方向に伸びかつ前記ステント収納用筒状部材の基端側への移動時に、該ステント収納用筒状部材内に侵入可能な中間チューブ部を備え、かつ、該中間チューブ部は、前記ステントの全長より長いものとなっている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(6) 前記ガイドチューブ部の一端部は、前記ステント収納用筒状部材の前記突出部より若干先端側に位置し、かつ、該ガイドチューブ部は、前記ステントの全長より長いものとなっている上記(5)に記載の生体器官拡張器具。
(7) 前記牽引ワイヤは、2本設けられている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(9) 前記剛性付与体の先端部は、前記ステント収納用筒状部材の基端部内に位置し、かつ、前記先端側チューブの前記ガイドチューブ部より基端側となる位置にて前記先端側チューブに固定されている上記(8)に記載の生体器官拡張器具。
(11) 前記操作部は、操作部ハウジングを備え、前記牽引ワイヤ巻取機構は、前記操作部ハウジングより露出する部分を有する操作用回転ローラを備え、該回転ローラを回転させることにより前記牽引ワイヤを基端側にて巻き取るものである上記(10)に記載の生体器官拡張器具。
(12) 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機構の回転を解除可能にロックするロック機構を備えている上記(10)または(11)に記載の生体器官拡張器具。
(13) 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機能の前記牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構を備えている上記(10)ないし(12)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(14) 前記牽引ワイヤ巻取機構は、操作用回転ローラと、該操作用回転ローラと同軸的かつ一体的に設けられるとともに、該操作用回転ローラ部より小径の巻取シャフト部を備え、該巻取シャフト部に前記牽引ワイヤの基端部が固定されている上記(10)ないし(13)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
図1は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の部分省略外観図である。図2は、図1の生体器官拡張器具の先端部の拡大外観図である。図3は、図2のA−A線断面図である。図4は、図2のB−B線断面拡大図である。図5は、図2のC−C線断面拡大図である。
本発明の生体器官拡張器具1は、ガイドワイヤルーメン21を有する先端側チューブ2と、先端側チューブ2の基端部に先端部が固定された基端側チューブ4と、先端側チューブ2の先端側を被包しかつ先端側チューブ2の基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材5と、ステント収納用筒状部材5内に収納されたステント3と、ステント収納用筒状部材5に一端部が固定され、基端側チューブ4内を延びるとともに基端側チューブの基端側に牽引することにより、ステント収納用筒状部材5を基端側に移動させるための移動手段を構成する牽引ワイヤ6とを備える。
そして、ステント収納用筒状部材5は、ステント収納用筒状部材5の軸方向の中間部の内面より内方にかつ基端方向に突出する突出部51aと、突出部51aとステント収納用筒状部材5の内面間により形成される空隙部53とを備える。牽引ワイヤ6(6a、6b)の先端部69(69a,69b)は、空隙部53内に侵入し、空隙部53においてステント収納用筒状部材5に固定されている。
そして、この実施例の生体器官拡張器具1は、基端側チューブ4の基端部には、牽引ワイヤ6を巻き取り、ステント収納用筒状部材5を基端側に移動させるための牽引ワイヤ巻取機構を備えている。
そして、この実施例の生体器官拡張器具1では、基端部において基端側チューブ4の先端部と固定された接続チューブ7を備え、この接続チューブ7は、先端側チューブ2の基端部を基端側開口23が接続チューブ7の側面にて露出するように固定している。
先端側チューブ2は、図に示すように、先端から基端まで貫通したガイドワイヤルーメン21を有するチューブ体である。先端側チューブ2としては、外径が0.3〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.5mmであり、内径が0.2〜1.5mm、好ましくは0.3〜1.2mm、長さが、20〜600mm、好ましくは30〜450mmである。
なお、先端部材(先端部)25の最先端部の外径は、0.5mm〜1.8mmであることが好ましい。また、先端部材(先端部)25の最大径部の外径は、0.8〜4.0mmであることが好ましい。さらに、先端側テーパー部の長さは、2.0〜20.0mmが好ましい。
基端側チューブ4としては、長さが300mm〜1500mm、より好ましくは、1000〜1300mmであり、外径が0.5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1.3mmであり、内径が0.3〜1.4mm、好ましくは0.5〜1.2mmである。
基端側チューブ4の中心軸と先端側チューブ2の中心軸とのずれの距離としては、0.1〜2.0mmが好ましく、特に、0.5〜1.5mmが好ましい。
そして、接続チューブ7は、先端方向に伸びかつステント収納用筒状部材5の基端側への移動時に、ステント収納用筒状部材5内に侵入可能な中間チューブ部47を備えている。そして、中間チューブ部47の長さは、ステント3の全長より長いものとなっている。なお、この実施例の生体器官拡張器具1では、接続チューブ7の先端部に、接続チューブより小径の中間チューブ部を構成する中間チューブ部47が固定された状態となっている。なお、中間チューブ部47は、接続チューブと一体に形成されたものであってもよい。なお、中間チューブ部47の外径は、後述するステント収納用筒状部材5内に侵入可能な外径を有するものとなっている。また、中間チューブ部47は、図3に示すように、ほぼ同一外径および内径にて延びる筒状部となっている。
ステント収納用筒状部材5の長さとしては、20mm〜400mm程度が好ましく、特に、30mm〜300mmが好ましい。また、外径としては、1.0〜4.0mm程度が好ましく、特に、1.5〜3.0mmが好ましい。また、ステント収納用筒状部材5の内径としては、1.0〜2.5mm程度が好ましい。
そして、上述したように、接続チューブ7は、中間チューブ部47を備えている。中間チューブ部47の先端部は、ステント収納用筒状部材5の基端内部に侵入している。また、図2および図3に示すように、この生体器官拡張器具1では、複数(具体的には、2本)の牽引ワイヤ6a,6bを備えており、牽引ワイヤ6a、6bは、上述した筒状部材5が備える空隙部53において、固定点69a、69bにより、ステント収納筒状部材5の内側に固定されている。また、牽引ワイヤ6a,6bおよびこの固定点69a、69bは、所定長離間している。
また、ステント収納用筒状部材5は、上記のようなポリマーの2層構造(例えば、外面はナイロン、内面はPTFE)の組み合わせで形成しても良い。
ステント3としては、いわゆる自己拡張型ステントであればどのようなものであってもよい。例えば、ステント3としては、図13(拡張して圧縮前の形状に復元した状態を示している)に示すような形状を有しているものが好適に使用できる。この例のステント3は、円筒状フレーム体30と、この円筒状フレーム体30を構成するフレーム36a,36bにより区画(囲撓)された開口34およびフレーム36aにより区画された切欠部35を有しており、フレーム体30は両端部33a,33bを有している。
なお、ステントの形状は、図13に示すものに限られず、例えば両端部に台形状の切欠部が形成されるとともに、中央部にハニカム状に複数の六角形の開口が形成されているもの、また、両端部に長方形状の切欠部が形成され、中央部に複数の長方形状(切欠部の二倍の長さを有する)の開口が形成されているものなどであってもよい。さらに、ステント3の形状は、挿入時に縮径可能であり、かつ、体内放出時に拡径(復元)可能なものであればよく、上述の形状に限定されるものではない。例えば、コイル状のもの、円筒状のもの、ロール状のもの、異形管状のもの、高次コイル状のもの、板バネコイル状のもの、カゴまたはメッシュ状のものでもよい。
また、本発明の生体器官拡張器具に使用されるステントは、略円筒形状に形成された縮径可能なステント本体と、ステント本体の側面を封鎖する筒状カバー(図示せず)を備えるものであってもよい。
牽引ワイヤの構成材料としては、線材もしくは複数本の線材を撚ったものが好適に使用できる。また、牽引ワイヤの線径は、特に限定されないが、通常、0.01〜0.55mm程度が好ましく、0.1〜0.3mm程度がより好ましい。
また、牽引ワイヤ6の形成材料としては、ステンレス鋼線(好ましくは、バネ用高張力ステンレス鋼)、ピアノ線(好ましくは、ニッケルメッキあるいはクロムメッキが施されたピアノ線)、または超弾性合金線、Ni−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属により形成された線材や、ポリアミド、ポリイミド、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等の比較的高剛性の高分子材料、あるいは、これらを適宜組み合わせたものが挙げられる。
また、剛性付与体11の先端側チューブ2への固定位置11aは、中間チューブ部47より若干先端側となっている。また、剛性付与体11の先端側チューブ2への固定位置11aは、ガイドチューブ49の基端より若干基端側となっている。そして、剛性付与体11は、基端部にて基端側チューブ4の基端部もしくは後述する操作部10に固定されていることが好ましい。このような剛性付与体11を設けることにより、牽引部材(牽引ワイヤ)の牽引時における生体器官拡張器具の変形を抑制できる。また、剛性付与体11の先端部11bは、固定部材11aによる固定を確実にするために、平坦部となるように形成してもよい。さらに、側面に波状部分を形成して固定部材からの抜け止めを設けてもよい。
また、剛性付与体11としては、本体側部分(具体的には、基端側チューブ内となる部分)が剛性が高く(例えば、線径が太い)、先端側部分が剛性が低い(具体的には、線径が細い)ものであることが好ましい。さらに、両者の変化点は、線径がテーパー状に変形するテーパー部11cとなっていることが好ましい。
また、剛性付与体11の形成材料としては、ステンレス鋼線(好ましくは、バネ用高張力ステンレス鋼)、ピアノ線(好ましくは、ニッケルメッキあるいはクロムメッキが施されたピアノ線)、または超弾性合金線、Ni−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属により形成された線材が挙げられる。また、剛性付与体11は、牽引部材(牽引ワイヤ)より、硬質であることが好ましい。
図8は、本発明の生体器官拡張器具の操作部付近の拡大正面図である。図9は、図8に示した生体器官拡張器具の操作部付近の拡大背面図である。図10は、図8に示した生体器官拡張器具の操作部の内部構造を説明するための説明図である。図11は、図8に示した生体器官拡張器具の操作部分のみの右側面図である。図12は、図8に示した生体器官拡張器具の操作部の内部構造を説明するための説明図である。
操作部10は、図8ないし図12に示すように、操作部ハウジング50を備える。操作部ハウジング50は、第1ハウジング50aと第2ハウジング50bにより構成されている。操作部ハウジング50は、基端側および中央部が屈曲しかつ丸みを帯びた形状となっており、把持しやすく、かつ、把持した状態におけるローラの操作を容易なものとしている。
そして、この実施例では、巻取シャフト部63は、回転ローラ61と同軸となるように一体化されている。さらに、図8、図10および図11に示すように、巻取シャフト部63は、回転ローラ61の一方の側面側に設けられている。そして、回転ローラ61を回転させることにより、巻取シャフト部63も同時に回転する。そして、回転ローラの回転操作量に比べて、牽引ワイヤの巻取量が少ないことが好ましい。このようにすることにより、ゆっくりとした巻取を行うことができ、ステント収納用筒状部材の基端側への移動もゆっくりかつ良好なものとなる。この実施例では、巻取シャフト部の外径は、回転操作用ローラ部より小径となっているため、回転ローラの回転操作量に比べて、牽引ワイヤの巻取量が少ないものとなっている。
なお、回転ローラと巻取シャフト部は、このような一体的なものに限定されるものではなく、回転ローラが回転することにより、追従して回転する別部材により構成したものであってもよい。回転ローラの回転の伝達方式としては、ギア形式のもの、ベルト形式などどのようなものであってもよい。また、ローラ61の操作する際に接触する可能性のある表面部位は、滑りにくい表面となっていることが好ましい。例えば、ローラ61の操作する際に接触する可能性のある表面部位には、ローレット処理、エンボス処理、高摩擦材料被覆などを行うことが好ましい。
そして、この実施例の操作部10は、牽引ワイヤ巻取機構の回転を解除可能にロックするロック機構、牽引ワイヤ巻取機能の牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構を備えている。
また、操作用回転ローラ61は、部分的に開口部より露出しており、この部分が操作部となる。そして、回転ローラは、一方の側面(具体的には、歯車部の側面)に設けられた回転軸の他端64aおよび他方の側面(具体的には、巻取シャフトの側面)に設けられた回転軸の一端64bを備えている。
さらに、この実施例の操作部では、上記の付勢手段80と上述した歯車部62により、牽引ワイヤ巻取機能の牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構が構成されている。
操作部10内には、図8ないし図10に示すように、逆回転規制機構を備えているいる。この操作部10では、付勢部材80に逆回転規制機構が設けられており、付勢部材80は、逆回転規制部材でもある。逆回転規制機構は、逆回転規制部材(付勢部材でもある)80先端部の上記操作用回転ローラ61の歯車部62と向かい合う部分に設けられ、歯車部と噛合可能な噛合部84と、弾性変形可能部82と、ハウジングへの装着部83を備えている。また、第1ハウジング50aは、内面に形成された第1の突出部(軸受部)75および第2の突出部76を備えている。第1の突出部75は、逆回転規制部材(付勢部材)80の弾性変形可能部82内に侵入するとともに、弾性変形可能部82の内面形状に対応した外面形状を有するものとなっている。具体的には、弾性変形可能部82の内面形状は、円弧状となっており、第1の突出部75は、その円弧形状に対応した円筒状となっている。そして、逆回転規制部材(付勢部材)80の装着部83は、第1ハウジング50aに形成された第1の突出部75と第2の突出部76間に装着可能な形状となっている。そして、逆回転規制部材(付勢部材)80は、その収納部83が、第1ハウジング50aの第1の突出部75と第2の突出部76間に装着されることにより、回動不能に装着されるとともに、弾性変形可能部82の弾性力により、操作用回転ローラ61を開口部58方向に付勢するものとなっている。また、逆回転規制部材(付勢部材)80の装着部83は、カラー部材12に設けられた円盤状の突出部13aにより、側面方向への移動が規制されている。
歯車部62は、回転ローラより小径のものとなっており、歯車部62の外径としては、10〜60mm程度が好適であり、特に、15〜50mmが好ましく、歯数としては、4〜200程度が好適であり、特に、4〜70が好ましい。
まず、図1および図2に示す生体器官拡張器具の先端部材の開口部24に、多くの場合は既に体内に留置されているガイドワイヤの末端を挿入し、基端側開口23にガイドワイヤ(図示せず)を出す。次に、生体内に挿入されているガイディングカテーテル(図示せず)内に挿入し、ガイドワイヤに沿わせて生体器官拡張器具1を押し進め、目的とする狭窄部内にステント収納用筒状部材5のステント収納部位を位置させる。
次に、操作部10の操作用回転ローラ61を押圧した後、ローラを図10の矢印方向に回転させる。これにより、牽引ワイヤ6は、巻取シャフト63の外周面に巻き取られるとともに、ステント収納用筒状部材5は、軸方向基端側に移動する。この時、ステント3はその後端面が先端側チューブ2のステント係止部22の先端面に当接し係止されるので、ステント収納用筒状部材5の移動に伴って、ステント収納用筒状部材5の先端開口より放出される。この放出により、ステント3は、図7に示すように、自己拡張し狭窄部を拡張するとともに狭窄部内に留置される。
2 先端側チューブ
3 ステント
4 基端側チューブ
5 ステント収納用筒状部材
6(6a,6b) 牽引ワイヤ
10 操作部
11 剛性付与体
Claims (14)
- ガイドワイヤルーメンを有する先端側チューブと、該先端側チューブの基端部に先端部が固定された基端側チューブと、前記先端側チューブの先端側を被包しかつ先端側チューブの基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材と、該ステント収納用筒状部材内に収納されたステントと、前記ステント収納用筒状部材に一端部が固定され、前記基端側チューブ内を延びるとともに該基端側チューブの基端側に牽引することにより、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための牽引ワイヤとを備える生体器官拡張器具であって、
前記先端側チューブは、該先端側チューブの基端側にて開口し前記ガイドワイヤルーメンと連通する基端側開口と、該先端側チューブの先端側に位置し、前記ステント収納用筒状部材内に収納された前記ステントの基端と当接し、該ステントの基端側への移動を規制するステント係止部とを備えるものであり、前記ステントは、略円筒形状に形成され、中心軸方向に圧縮された状態にて前記ステント収納用筒状部材内に収納され、前記ステント収納用筒状部材からの排出時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元するものであり、そして、前記ステント収納用筒状部材は、該ステント収納用筒状部材の軸方向の中間部の内面より内方にかつ基端方向に突出する突出部と、該突出部と前記ステント収納用筒状部材の内面間により形成される空隙部とを備え、前記牽引ワイヤの先端部は、前記空隙部内に侵入し、該空隙部において前記ステント収納用筒状部材に固定されていることを特徴とする生体器官拡張器具。 - 前記突出部は、前記ステント収納用筒状部材の軸方向の中間部の内面より内方にかつ基端方向に突出する環状突出部であり、前記空隙部は、前記環状突出部と前記ステント収納用筒状部材の内面間により形成される基端側が開口した環状空隙部である請求項1に記載の生体器官拡張器具。
- 前記生体器官拡張器具は、基端部において前記基端側チューブの先端部と固定された接続チューブを備え、該接続チューブは、前記先端側チューブの基端部を前記基端側開口が該接続チューブの側面にて露出するように固定されている請求項1または2に記載の生体器官拡張器具。
- 前記接続チューブは、先端方向に伸びかつ前記ステント収納用筒状部材の基端側への移動時に、該ステント収納用筒状部材内に侵入可能な中間チューブ部を備え、かつ、該中間チューブ部は、前記ステントの全長より長いものとなっている請求項1ないし3のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記先端側チューブは、前記ステント係止部より基端側に一端を有し基端方向に伸び、かつ、該先端側チューブを部分的に被包もしくは拡径するガイドチューブ部を備えている請求項1ないし4のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記ガイドチューブ部の一端部は、前記ステント収納用筒状部材の前記突出部より若干先端側に位置し、かつ、該ガイドチューブ部は、前記ステントの全長より長いものとなっている請求項5に記載の生体器官拡張器具。
- 前記牽引ワイヤは、2本設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記生体器官拡張器具は、前記基端側チューブ内を通り、前記ステント収納用筒状部材内に侵入する剛性付与体を備え、該剛性付与体の先端部は、前記先端側チューブに固定されている請求項1ないし7のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記剛性付与体の先端部は、前記ステント収納用筒状部材の基端部内に位置し、かつ、前記先端側チューブの前記ガイドチューブ部より基端側となる位置にて前記先端側チューブに固定されている請求項8に記載の生体器官拡張器具。
- 前記基端側チューブの基端部には、前記牽引ワイヤを巻き取り、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための牽引ワイヤ巻取機構を備える操作部を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記操作部は、操作部ハウジングを備え、前記牽引ワイヤ巻取機構は、前記操作部ハウジングより露出する部分を有する操作用回転ローラを備え、該回転ローラを回転させることにより前記牽引ワイヤを基端側にて巻き取るものである請求項10に記載の生体器官拡張器具。
- 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機構の回転を解除可能にロックするロック機構を備えている請求項10または11に記載の生体器官拡張器具。
- 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機能の前記牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構を備えている請求項10ないし12のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記牽引ワイヤ巻取機構は、操作用回転ローラと、該操作用回転ローラと同軸的かつ一体的に設けられるとともに、該操作用回転ローラ部より小径の巻取シャフト部を備え、該巻取シャフト部に前記牽引ワイヤの基端部が固定されている請求項10ないし13のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
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