JP5171472B2 - 生体器官拡張器具 - Google Patents
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Description
上記生体器官拡張器具を構成するステントとしては、機能および留置方法によって、バルーン拡張型ステントと自己拡張型ステントとがある。
このタイプのステントは上記のようなステントの拡張作業が必要であるが、収縮したバルーンにステントを直接取り付けて留置することもできるので、留置に関してはさほど問題がない。
このタイプのステントは、ステント自身が拡張力を有しているので、バルーン拡張型ステントのような拡張作業は必要なく、血管の圧力等によって径が次第に小さくなり再狭窄を生じるといった問題もない。
この生体器官拡張器具1は、ガイドワイヤルーメン21を有する先端側チューブ2と、先端側チューブ2の基端部に固定された基端側チューブ4と、先端側チューブ2の先端側を被包しかつ基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材5と、筒状部材5内に収納されたステント3と、筒状部材5を基端側に移動させるための牽引ワイヤ6とを備える。先端側チューブ2は、先端側チューブ2の基端側にて開口する基端側開口23と、ステントの基端側への移動を規制するステント係止部22と、牽引ワイヤ巻取機構およびワイヤ巻取量規制機構を備える操作部を有する。
さらに、この生体器官拡張器具1は、先端側チューブ2の基端側およびステント収納用筒状部材5の基端側を被包し、基端部にて先端側チューブ2の基端部および基端側チューブ4の先端部と固定された中間チューブ7を備えている。中間チューブ7は、ステント収納用筒状部材5の基端側への移動を規制することなく被包するものであり、牽引ワイヤ6の一端部は、中間チューブ7内にてステント収納用筒状部材5と固定されており、牽引ワイヤ6は、中間チューブ7と先端側チューブ2との間を通り、基端側チューブ4内へ延びるものとなっている。
そこで、本発明の目的は、自己拡張型ステントを用いる生体器官拡張器具であって、ステント放出のための外管の移動が容易であり、ステント留置作業を容易かつ確実に行うことができるとともに、生体内への挿入操作中に基端部において付与した捻り力のステント収納用筒状部材への伝達を抑制し、ステント収納用筒状部材に収納されているステントに捻り力が付与されることが極めて少ない生体器官拡張器具を提供するものである。
(1) ガイドワイヤルーメンを有する先端側チューブと、基端側チューブと、前記先端側チューブの基端部および前記基端側チューブの先端部が固定されるとともに前記ガイドワイヤルーメンと連通する開口を備える固定チューブと、前記先端側チューブの先端側を被包しかつ前記先端側チューブの基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材と、該ステント収納用筒状部材内に収納されたステントと、前記ステント収納用筒状部材に一端部が固定され、前記基端側チューブ内を延びるとともに該基端側チューブの基端側に牽引することにより、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための少なくとも一つの牽引ワイヤとを備える生体器官拡張器具であって、
前記先端側チューブは、該先端側チューブの先端側に位置し、前記ステント収納用筒状部材内に収納された前記ステントの基端と当接し、該ステントの基端側への移動を規制するステント基端部係止部を備え、
前記ステントは、略円筒形状に形成され、中心軸方向に圧縮された状態にて前記ステント収納用筒状部材内に収納され、前記ステント収納用筒状部材からの放出時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元するものであり、
前記生体器官拡張器具は、前記ステント収納用筒状部材の基端に近接するように配置されたスライドチューブを備え、かつ、前記固定チューブは、前記スライドチューブを基端側より収納可能もしくは前記スライドチューブが基端側より被嵌可能であり、前記スライドチューブは、前記牽引ワイヤの牽引により前記ステント収納用筒状部材とともに基端側に移動可能であり、かつ、前記ステント収納用筒状部材に固定されていないものとなっており、さらに、前記スライドチューブは、スライドチューブ本体と、該スライドチューブ本体の先端部に固定され、前記スライドチューブ本体の先端を覆い、かつ前記スライドチューブ本体の先端より前記生体器官拡張器具の先端側に延びる先端側筒状部材とを備え、該先端側筒状部材は、該先端側筒状部材の先端と基端間に位置しかつ少なくとも内径が縮径した縮径部を有する一体成形筒状体である生体器官拡張器具。
(3) 前記リング状部材は、前記スライドチューブ本体および前記先端側筒状部材のいずれにも固定されておらず、前記スライドチューブ本体の先端と前記先端側筒状部材の前記縮径部間に回動可能に収納されている上記(2)に記載の生体器官拡張器具。
(4) 前記縮径部の内径は、前記先端側チューブの外径より大きく、かつ、前記リング状部材の外径より小さいものとなっている上記(2)または(3)に記載の生体器官拡張器具。
(5) 前記リング状部材と、前記スライドチューブ本体間には、樹脂リングが配置されている上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(6) 前記スライドチューブ本体の先端部と前記先端側筒状部材の基端部は、接着剤により固定されており、さらに、前記リング状部材と、前記スライドチューブ本体間には、前記リング状部材側への前記接着剤の流入を防止するための樹脂リングが配置されている上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(7) 前記縮径部の内径は、前記スライドチューブ本体の内径とほぼ等しいまたは若干大きいもしくは若干小さいものとなっている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(9) 前記ステント収納用筒状部材は、基端部に設けられた小径部を備え、前記牽引ワイヤの先端部は、前記小径部の外面にて固定されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(10) 前記ステント収納用筒状部材は、基端部に設けられた小径部を備え、前記牽引ワイヤの先端部は、前記小径部の外面に取り付けられた金属リングにより固定されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(11) 前記固定チューブは、前記スライドチューブ本体を基端側より収納可能であるととともに、前記先端側チューブは、前記固定チューブ内に位置し、前記スライドチューブ本体の基端が当接可能なスライドチューブ係止部を備えている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(12) 前記生体器官拡張器具は、前記基端側チューブ内を通り、前記固定チューブ内に侵入する線状剛性付与体を備え、該線状剛性付与体の先端部は、前記スライドチューブ係止部に固定されている上記(11)に記載の生体器官拡張器具。
(13) 前記固定チューブは、前記スライドチューブ係止部より基端側に設けられた剛性付与体固定部を備えている上記(11)または(12)に記載の生体器官拡張器具。
(15) 前記操作部は、操作部ハウジングを備え、前記牽引ワイヤ巻取機構は、前記操作部ハウジングより露出する部分を有する操作用回転ローラを備え、該回転ローラを回転させることにより前記牽引ワイヤを基端側にて巻き取るものである上記(14)に記載の生体器官拡張器具。
(16) 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機構の回転を解除可能にロックするロック機構を備えている上記(14)または(15)に記載の生体器官拡張器具。
(17) 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機能の前記牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構を備えている上記(14)ないし(16)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(18) 前記牽引ワイヤ巻取機構は、操作用回転ローラと、該操作用回転ローラと同軸的かつ一体的に設けられるとともに、該操作用回転ローラより小径の巻取シャフト部を備え、該巻取シャフト部に前記牽引ワイヤの基端部が固定されている上記(14)ないし(17)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
図1は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の部分省略外観図である。図2は、図1の生体器官拡張器具の先端部の拡大外観図である。図3は、図1の生体器官拡張器具の先端部の拡大断面図である。図4は、図2のA−A線断面図である。図5は、図2のB−B線断面拡大図である。図6は、図2のC−C線断面拡大図である。図7は、図2のD−D線断面拡大図である。図8は、図1の生体器官拡張器具のステント収納用筒状部材の基端部およびスライドチューブの先端部付近の拡大断面図である。図9は、図1の生体器官拡張器具の固定チューブの基端側部分付近の拡大断面図である。図10は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の作用を説明するための説明図である。
そして、先端側チューブ2は、先端側に位置し、ステント収納用筒状部材5内に収納されたステント3の基端と当接し、ステント3の基端側への移動を規制するステント基端部係止部22を備える。
そして、生体器官拡張器具1は、ステント収納用筒状部材5の基端に近接するように配置されたスライドチューブ7を備え、固定チューブ8は、スライドチューブ7を基端側より収納可能もしくはスライドチューブ7が基端側より被嵌可能であり、スライドチューブ7は、牽引ワイヤ6の牽引によりステント収納用筒状部材5とともに基端側に移動可能であり、かつ、ステント収納用筒状部材5に固定されていないものとなっている。さらに、スライドチューブ7は、スライドチューブ本体71と、スライドチューブ本体71の先端部に固定され、スライドチューブ本体71の先端を覆い、かつスライドチューブ本体71の先端より生体器官拡張器具1の先端側に延びる先端側筒状部材72とを備えている。そして、先端側筒状部材72は、先端側筒状部材72の先端と基端間に位置しかつ少なくとも内径が縮径した縮径部73を有する一体成形筒状体となっている。
そして、この実施例の生体器官拡張器具1は、基端側チューブ4の基端部には、牽引ワイヤ6を巻き取り、ステント収納用筒状部材5を基端側に移動させるための牽引ワイヤ巻取機構を備えている。
この実施例の生体器官拡張器具1は、先端側チューブ2、ステント3、基端側チューブ4、ステント収納用筒状部材5、牽引ワイヤ6、スライドチューブ7,固定チューブ8および牽引ワイヤ6の巻取機構を有する操作部10を備えている。そして、固定チューブ8は、先端側チューブ2と基端側チューブ4を接続するとともに、先端側チューブ2の基端部と連通する開口23を備えている。
先端側チューブ2は、図に示すように、先端から基端まで貫通したガイドワイヤルーメン21を有するチューブ体である。先端側チューブ2としては、外径が0.3〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.5mmであり、内径が0.2〜1.5mm、好ましくは0.3〜1.2mm、長さが、20〜600mm、好ましくは30〜450mmである。
なお、先端部材(先端部)25の最先端部の外径は、0.5mm〜1.8mmであることが好ましい。また、先端部材(先端部)25の最大径部の外径は、0.8〜4.0mmであることが好ましい。さらに、先端側テーパー部の長さは、2.0〜20.0mmが好ましい。
基端側チューブ4としては、長さが300mm〜1500mm、より好ましくは、1000〜1300mmであり、外径が0.5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1.3mmであり、内径が0.3〜1.4mm、好ましくは0.5〜1.2mmである。
基端側チューブ4の中心軸と先端側チューブ2の中心軸とのずれの距離としては、0.1〜2.0mmが好ましく、特に、0.5〜1.5mmが好ましい。
ステント収納用筒状部材5の長さとしては、20mm〜400mm程度が好ましく、特に、30mm〜300mmが好ましい。また、外径としては、1.0〜4.0mm程度が好ましく、特に、1.5〜3.0mmが好ましい。また、ステント収納用筒状部材5の内径としては、1.0〜2.5mm程度が好ましい。
なお、ステント収納用筒状部材5としては、上述したような筒状部材本体部51と基端側筒状部52からなるものに限定されるものではなく、一体物であってもよい。
そして、本発明の生体器官拡張器具1では、図2ないし図8に示すように、スライドチューブ7は、スライドチューブ本体71と、スライドチューブ本体71の先端部に固定され、スライドチューブ本体71の先端を覆い、かつスライドチューブ本体71の先端より生体器官拡張器具1の先端側に延びる先端側筒状部材72とを備えている。そして、先端側筒状部材72は、先端側筒状部材72の先端と基端間に位置しかつ少なくとも内径が縮径した縮径部73を有する一体成形筒状体となっている。そして、この実施例では、縮径部73の内径は、スライドチューブ本体71の内径とほぼ等しいまたは若干大きいもしくは若干小さいものとなっている。さらに、この実施例の生体器官拡張器具1では、図2ないし図8に示すように、先端側筒状部材72は、少なくとも縮径部73以外の部分の外径および内径が、スライドチューブ本体71より大きいものとなっている。そして、縮径部73は、先端側筒状部材72の先端と基端間、具体的には、先端より若干基端側に位置するものとなっている。
そして、この実施例における生体器官拡張器具1では、スライドチューブ本体71の先端と先端側筒状部材72の縮径部73間に、リング状部材75が収納されている。そして、牽引ワイヤ6a,6bは、リング状部材75に固定されている。そして、先端側筒状部材72の縮径部73の内径は、先端側チューブ2の外径より大きいものとなっている。このため、先端側筒状部材72は、先端側チューブ2に接触することなく、基端側に移動可能となっている。また、先端側筒状部材72の縮径部73の内径は、リング状部材75の外径より小さいものとなっている。このため、リング状部材75の先端方向への移動を規制する。そして、牽引ワイヤ6a,6bが基端側に牽引されることにより、スライドチューブ7は、リング状部材75とともに基端側に移動する。また、リング状部材75は、スライドチューブ本体71および先端側筒状部材72のいずれにも固定されておらず、スライドチューブ本体71の先端と先端側筒状部材72の縮径部73間に回動可能に収納されている。スライドチューブ7の先端側筒状部材72は、リング状部材75の回動を許容し、かつ軸方向への大きな移動を縮径部73とスライドチューブ本体71の先端により、実質的に阻止している。このように、リング状部材75が、スライドチューブ7に対して、回動可能であることにより、先端側筒状部材72(スライドチューブ7)の回動に対して、リング状部材75、牽引ワイヤの固定部および牽引ワイヤ自体も追従しにくいものとなる。また、リング状部材75と、スライドチューブ本体71の先端間には、樹脂リング76を配置してもよい。このような樹脂リングを配置することにより、リング状部材75の回動がより容易なものとなる。樹脂リングとしては、摩擦抵抗の少ないものが好ましい。樹脂リングとしては、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどが好適に使用できる。
また、スライドチューブ本体71の先端部は、先端側筒状部材72の基端部内に侵入するとともに、縮径部73と所定距離離間している。これにより、スライドチューブ本体71の先端部と先端側筒状部材72の縮径部73間に、リング状部材保持部を構成する環状凹部が形成されている。そして、リング状部材保持部であるこの環状凹部内に、リング状部材75が、収納されている。リング状部材75は、スライドチューブ本体71および先端側筒状部材72のいずれにも固定されていないため、回動可能である。しかし、スライドチューブ7内における軸方向への移動は、クリアランスを除き不能となっている。リング状部材75としては、金属リングが好適である。そして、牽引ワイヤ6a,6bは、図8に示すように、リング状部材75の内面に固定部75a、75bにより固定されている。固定部としては、溶接、接着剤などが好ましい。そして、このリング状部材75に牽引ワイヤ6a,6bが固定されているため、牽引ワイヤ6a,6bを牽引することにより、リング状部材75も牽引され、そして、リング状部材75により先端側より押されることにより、スライドチューブ7も生体器官拡張器具1の基端側に移動する。
さらに、この実施例では、スライドチューブ本体71の全体にわたり補強層78を備えている。このような補強層を設けることにより、耐キンク性が向上し、スライドチューブ7のスライドが良好なものとなる。補強層は、網目状の補強層であることが好ましい。網目状の補強層は、ブレード線で形成することが好ましい。例えば、ワイヤブレードであり、線径0.01〜0.2mm、好ましくは0.03〜0.1mmのステンレス、弾性金属、超弾性合金、形状記憶合金等の金属線で形成することができる。または、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維で形成してもよい。
この実施例のように、スライドチューブ7が、固定チューブ8内にスライド収納されるタイプのものであることが好ましいが、これに限定されるものではなく、スライドチューブを基端側にスライドすることにより、固定チューブがスライドチューブにより被嵌されるタイプのものであってもよい。
先端側チューブ2の基端部には、その基端部を収納した筒状固着部材83が設けられており、また、基端チューブ4の先端には、筒状固定部材84が設けられている。そして、図7および図9に示すように、基端側固定チューブ82に、筒状固着部材83および筒状固定部材84が固着されている。
さらに、ステント収納用筒状部材5の外面には、潤滑性を呈するようにするための処理を施すことが好ましい。このような処理としては、例えば、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーをコーティング、または固定する方法などが挙げられる。また、ステント収納用筒状部材5の内面に、ステント3の摺動性を良好なものにするため、上述のものをコーティング、または固定してもよい。
また、ステント収納用筒状部材5は、上記のようなポリマーの2層構造(例えば、外面はナイロン、内面はPTFE)の組み合わせで形成しても良い。
そして、図1、図2、図5ないし図8および図10に示すように、この生体器官拡張器具1では、複数(具体的には、2本)の牽引ワイヤ6a,6bを備えており、牽引ワイヤ6a、6bは、かなりステントに近い部分に設けられた固定点69a、69bにより、ステント収納用筒状部材5の基端部に固定されている。また、牽引ワイヤ6a,6bおよびこの固定点69a、69bは、所定距離離間するように配置されている。
牽引ワイヤの構成材料としては、線材もしくは複数本の線材を撚ったものが好適に使用できる。また、牽引ワイヤの線径は、特に限定されないが、通常、0.01〜0.55mm程度が好ましく、0.1〜0.3mm程度がより好ましい。
また、牽引ワイヤ6の形成材料としては、ステンレス鋼線(好ましくは、バネ用高張力ステンレス鋼)、ピアノ線(好ましくは、ニッケルメッキあるいはクロムメッキが施されたピアノ線)、または超弾性合金線、Ni−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属により形成された線材や、ポリアミド、ポリイミド、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等の比較的高剛性の高分子材料、あるいは、これらを適宜組み合わせたものが挙げられる。
また、牽引ワイヤの側面に滑性を増加させる低摩擦性樹脂を被覆してもよい。低摩擦性樹脂としては、フッ素系樹脂、ナイロン66、ポリエーテルエーテルケトン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。この中でも、フッ素系樹脂がより好ましい。フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン、パーフロロアルコキシ樹脂等が挙げられる。またシリコンや各種親水性樹脂によるコーティングであってもよい。
そして、剛性付与体11は、基端部にて基端側チューブ4の基端部もしくは後述する操作部10に固定されていることが好ましい。このような剛性付与体11を設けることにより、牽引部材(牽引ワイヤ)の牽引時における生体器官拡張器具の変形を抑制できる。また、剛性付与体11の先端11aは、スライドチューブ係止部24による固定を確実にするために、平坦部となるように形成してもよい。さらに、側面に波状部分を形成して固定部材からの抜け止めを設けてもよい。
また、剛性付与体11としては、本体側部分(具体的には、基端側チューブ内となる部分)が剛性が高く(例えば、線径が太い)、先端側部分が剛性が低い(具体的には、線径が細い)ものであることが好ましい。さらに、両者の変化点は、線径がテーパー状に変形するテーパー部となっていることが好ましい。
また、剛性付与体11の形成材料としては、ステンレス鋼線(好ましくは、バネ用高張力ステンレス鋼)、ピアノ線(好ましくは、ニッケルメッキあるいはクロムメッキが施されたピアノ線)、または超弾性合金線、Ni−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属により形成された線材が挙げられる。また、剛性付与体11は、牽引部材(牽引ワイヤ)より、硬質であることが好ましい。
ステント3としては、いわゆる自己拡張型ステントであればどのようなものであってもよい。例えば、ステント3としては、図16(拡張して圧縮前の形状に復元した状態を示している)に示すような形状を有しているものが好適に使用できる。この例のステント3は、円筒状フレーム体30と、この円筒状フレーム体30を構成するフレーム36a,36bにより区画(囲撓)された開口34およびフレーム36aにより区画された切欠部35を有しており、フレーム体30は両端部33a,33bを有している。
フレーム体30は、外径が2.0〜30mm、好ましくは、2.5〜20mm、内径が1.4〜29mm、好ましくは1.6〜28mmのものであり、長さは、10〜150mm、より好ましくは15〜100mmである。
また、本発明の生体器官拡張器具に使用されるステントは、略円筒形状に形成された縮径可能なステント本体と、ステント本体の側面を封鎖する筒状カバー(図示せず)を備えるものであってもよい。
この実施例の生体器官拡張器具20では、固定チューブ8は、上述した生体器官拡張器具1のように、先端側固定チューブ81と基端側固定チューブ82とを備えるものではなく、一体に形成された固定チューブ8aを備えるものとなっている。そして、図11に示すように、固定チューブ8aは、先端側より、スライドチューブ係止部24の配置付近までのびる補強層85を備えている。補強層は、上述したものと同じである。
この実施例の生体器官拡張器具30では、牽引ワイヤ6a、6bの先端部(69a,69b)は、ステント収納用筒状部材5の小径部の51aに固定された金属リング54により、固定されている。そして、金属リング54の外面には、樹脂等により形成された被覆部55が設けられており、金属リング54および牽引ワイヤ6a、6bの先端を露出しないものとしている。この実施例の生体器官拡張器具30では、生体器官拡張器具1が備えるステント収納用筒状部材5の小径部の51aを被包する筒状部52を持たないものとなっている。
また、上述したすべての実施例において、図12に示す生体器官拡張器具30のスライドチューブ係止部24cのように、牽引ワイヤ6a、6bを貫通するための通路を備えず、牽引ワイヤ6a、6bが、スライドチューブ係止部24cの外側を通過するものであってもよい。
この実施例の生体器官拡張器具40では、上述のようなリング状部材75を持たず、牽引ワイヤ6a、6bは、スライドチューブ7aの内面に固定されている。この場合、牽引ワイヤ6a、6bは、スライドチューブの先端側筒状部材72の内面に固定することが好ましい。特に、牽引ワイヤ6a、6bは、先端側筒状部材72の縮径部73の内面に固定することが好ましい。
具体的には、図13に示すように、スライドチューブ7aの先端側部材72は、先端部74と基端部と、先端部と基端部間(具体的には、先端より若干に基端側となる位置)に設けられた縮径部73を備えている。この実施例では、縮径部73は、外径および内径ともに縮径している。なお、縮径部73は、内径のみ縮径するものであってもよい。また、先端側筒状部材72の基端部は、接着剤77により、スライドチューブ本体71の先端部に固定されている。
そして、牽引ワイヤ6a,6bは、図13に示すように、先端側筒状部材72の縮径部73の内面に、固定部72a,72bにより固定されている。固定部としては、接着剤が好ましい。この実施例の生体器官拡張器具40では、牽引ワイヤ6a、6bは、固定部72a,72bにより、直接、スライドチューブ7aに固定されている。この実施例においても、牽引ワイヤ6a,6bの牽引時の力は、固定点69a、69bとスライドチューブ7aとの固定部72a,72bに分散されるため、固定点69a、69bにおける牽引ワイヤ6a,6bとステント収納用筒状部材5間の固定が解除されることを確実に防止する。また、縮径部73は、所定長ほぼ同じ内径にて軸方向に延びるものとなっている。このため、先端側筒状部材72への牽引ワイヤの固定を容易なものとしており、また、牽引ワイヤの牽引時(言い換えれば、先端側筒状部材72の基端側への移動時)における先端側筒状部材72の変形を少なくし、良好な移動を可能としている。
なお、この実施例の生体器官拡張器具40では、牽引ワイヤ6a,6bは、先端側筒状部材72の縮径部73の内面に、固定部72a,72bにより固定されているが、上述した生体器官拡張器具1と同様に、スライドチューブ7aの先端部を構成する先端側筒状部材72は、ステント収納用筒状部材5に固定されていない。このため、生体器官拡張器具の基端部にて付与された捻り力が、スライドチューブに伝達されたとしても、ステント収納用筒状部材に伝達されることは極めて少ないものとなり、ステント収納用筒状部材に収納されているステントに捻り力が付与されることが極めて少ない。また、牽引ワイヤによる牽引時におけるステント収納用筒状部材の変形が少なく、さらに、牽引ワイヤのスライドチューブの先端部内での変形も少なく、ステント収納用筒状部材の基端方向への移動が良好であり、ステント放出のための外管の移動が容易となり、ステント留置作業を容易かつ確実に行うことができる。
この実施例の生体器官拡張器具60では、上述のようなリング状部材75を持たないものとなっている。また、牽引ワイヤ6a、6bは、スライドチューブ7bの内面にも固定されていない。
具体的には、図14に示すように、スライドチューブ7bの先端側部材72は、先端部74と基端部と、先端部と基端部間(具体的には、先端より若干に基端側となる位置)に設けられた縮径部73を備えている。この実施例では、縮径部73は、外径および内径ともに縮径している。なお、縮径部73は、内径のみ縮径するものであってもよい。また、先端側筒状部材72の基端部は、接着剤77により、スライドチューブ本体71の先端部に固定されている。
そして、牽引ワイヤ6a,6bは、図14に示すように、スライドチューブ7bに固定されることなく、スライドチューブの先端側部材72およびスライドチューブ本体71を通過するものとなっている。また、この実施例においても、縮径部73は、所定長ほぼ同じ内径にて軸方向に延びるものとなっている。このため、牽引ワイヤの牽引時(言い換えれば、先端側筒状部材72の基端側への移動時)における先端側筒状部材72の変形を少なくし、良好な移動を可能としている。
上述した実施例の生体器官拡張器具では、固定チューブ8は、牽引時において、スライドチューブ7を基端側より収納するタイプ、言い換えれば、スライドチューブ7のスライドチューブ本体71が、基端より、固定チューブ8内に侵入するタイプのものとなっている。
これに対して、この実施例の生体器官拡張器具100では、牽引時において、スライドチューブ7が基端側より固定チューブ8を被嵌するタイプ、言い換えれば、スライドチューブ7のスライドチューブ本体71aが、基端より、固定チューブ8の先端側固定チューブ81cを被包するものとなっている。
このため、スライドチューブ本体71aの内径は、固定チューブ8の先端側固定チューブ81cの外径とほぼ等しい、もしくは、若干大きいものとなっている。先端側固定チューブ81cは、固定部81bにより、その基端部において、基端側固定チューブ82の先端部に固定されている。また、この実施例では、部材24は、スライドチューブ係止部として機能しない。
図17は、本発明の生体器官拡張器具の操作部付近の拡大正面図である。図18は、図17に示した生体器官拡張器具の操作部付近の背面図である。図19は、図17に示した生体器官拡張器具の操作部の内部構造を説明するための説明図である。図20は、図17に示した生体器官拡張器具の操作部分のみの右側面図である。図21は、図17に示した生体器官拡張器具の操作部の内部構造を説明するための説明図である。
この実施例の生体器官拡張器具1における操作部10は、牽引ワイヤ巻取機構に加えて、牽引ワイヤ巻取機構の回転を解除可能にロックするロック機構および牽引ワイヤ巻取機能の牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構を備えている。
そして、図19に示すように、基端側チューブ4の基端には、筒状コネクタ45の先端部が固定されている。また、操作部ハウジング50内には、コネクタ45の基端部に接続されたシール機構が収納されている。このシール機構は、図19に示すように、コネクタ45の後端部に固定される先端部を備えるシール機構筒状本体部材70と、筒状本体部材70の基端に固定されたキャップ部材70aと、筒状本体部材70とキャップ部材70a間に配置されたシール部材70bと、筒状本体部材内に収納された剛性付与体固定用部材70cを備えている。本体部材70およびキャップ部材70aは、貫通する開口部を備えている。シール部材70bは、牽引ワイヤ6(6a,6b)を液密状態かつ摺動可能に貫通させるための孔部もしくはスリットを備えている。また、剛性付与体固定用部材70cには、剛性付与体11の基端部が固定されている。そして、剛性付与体固定用部材70cは、筒状本体部材70内に固定されている。
そして、この実施例では、巻取シャフト部63は、回転ローラ61と同軸となるように一体化されている。さらに、図17、図19および図20に示すように、巻取シャフト部63は、回転ローラ61の一方の側面側に設けられている。そして、回転ローラ61を回転させることにより、巻取シャフト部63も同時に回転する。そして、回転ローラの回転操作量に比べて、牽引ワイヤの巻取量が少ないことが好ましい。このようにすることにより、ゆっくりとした巻取を行うことができ、ステント収納用筒状部材の基端側への移動もゆっくりかつ良好なものとなる。この実施例では、巻取シャフト部の外径は、回転操作用ローラより小径となっているため、回転ローラの回転操作量に比べて、牽引ワイヤの巻取量が少ないものとなっている。
なお、回転ローラと巻取シャフト部は、このような一体的なものに限定されるものではなく、回転ローラが回転することにより、追従して回転する別部材により構成したものであってもよい。回転ローラの回転の伝達方式としては、ギア形式のもの、ベルト形式などどのようなものであってもよい。また、ローラ61の操作する際に接触する可能性のある表面部位は、滑りにくい表面となっていることが好ましい。例えば、ローラ61の操作する際に接触する可能性のある表面部位には、ローレット処理、エンボス処理、高摩擦材料被覆などを行うことが好ましい。
操作用回転ローラ61は、図17ないし図19に示すように、同軸にかつ一体的に回動するように設けられた歯車部62を備えている。さらに、図18、図20に示すように、歯車部62は、回転ローラ61の他方の側面側(言い換えれば、巻取シャフト部63が設けられた面と反対側の面)に設けられている。よって、歯車部62と巻取シャフト部63は、操作用ローラ部が構成する壁により仕切られた状態となっている。
また、操作用回転ローラ61は、部分的に開口部より露出しており、この部分が操作部となる。そして、回転ローラは、一方の側面(具体的には、歯車部の側面)に設けられた回転軸の他端64aおよび他方の側面(具体的には、巻取シャフトの側面)に設けられた回転軸の一端64bを備えている。
操作部10内には、図17ないし図19に示すように、逆回転規制機構を備えている。この操作部10では、付勢部材80に逆回転規制機構が設けられており、付勢部材80は、逆回転規制部材でもある。逆回転規制機構は、逆回転規制部材(付勢部材でもある)80の先端部の上記操作用回転ローラ61の歯車部62と向かい合う部分に設けられ、歯車部と噛合可能な噛合部88と、弾性変形可能部86と、ハウジングへの装着部87を備えている。また、第1ハウジング50aは、内面に形成された第1の突出部(軸受部)59および第2の突出部79を備えている。第1の突出部59は、逆回転規制部材(付勢部材)80の弾性変形可能部86内に侵入するとともに、弾性変形可能部86の内面形状に対応した外面形状を有するものとなっている。具体的には、弾性変形可能部86の内面形状は、円弧状となっており、第1の突出部59は、その円弧形状に対応した円筒状となっている。そして、逆回転規制部材(付勢部材)80の装着部87は、第1ハウジング50aに形成された第1の突出部59と第2の突出部79間に装着可能な形状となっている。そして、逆回転規制部材(付勢部材)80は、その装着部87が、第1ハウジング50aの第1の突出部59と第2の突出部79間に装着されることにより、回動不能に装着されるとともに、弾性変形可能部86の弾性力により、操作用回転ローラ61を開口部58方向に付勢するものとなっている。また、逆回転規制部材(付勢部材)80の装着部87は、カラー部材12に設けられた円盤状の突出部13aにより、側面方向への移動が規制されている。
そして、操作部10が備えるカラー部材12は、一端部がピン13により軸支されているとともに、他端側のカラー部14は、巻取シャフト部63を収納するとともに、巻取シャフト部63との間に環状空間を形成する。この環状空間はあまり大きな空間ではなく、巻き取ったワイヤの外面間により狭小な環状空間を形成するものである。
まず、図1および図2に示す生体器官拡張器具の先端部材の開口部25aに、多くの場合は既に体内に留置されているガイドワイヤの末端を挿入し、開口23よりガイドワイヤ(図示せず)を出す。次に、生体内に挿入されているガイディングカテーテル(図示せず)内に挿入し、ガイドワイヤに沿わせて生体器官拡張器具1を押し進め、目的とする狭窄部内にステント収納用筒状部材5のステント収納部位を位置させる。
次に、操作部10の操作用回転ローラ61を押圧した後、ローラを図19の矢印方向に回転させる。これにより、牽引ワイヤ6は、巻取シャフト63の外周面に巻き取られるとともに、ステント収納用筒状部材5およびスライドチューブ7は、軸方向基端側に移動する。この時、ステント3はその後端面が先端側チューブ2のステント基端部係止部22の先端面に当接し係止されるので、ステント収納用筒状部材5の移動に伴って、ステント収納用筒状部材5の先端開口より放出される。この放出により、ステント3は、図10に示すように、自己拡張し狭窄部を拡張するとともに狭窄部内に留置される。
2 先端側チューブ
3 ステント
4 基端側チューブ
5 ステント収納用筒状部材
6(6a,6b) 牽引ワイヤ
7 スライドチューブ
8 固定チューブ
10 操作部
11 剛性付与体
71 スライドチューブ本体
72 先端側筒状部材
Claims (18)
- ガイドワイヤルーメンを有する先端側チューブと、基端側チューブと、前記先端側チューブの基端部および前記基端側チューブの先端部が固定されるとともに前記ガイドワイヤルーメンと連通する開口を備える固定チューブと、前記先端側チューブの先端側を被包しかつ前記先端側チューブの基端方向に摺動可能であるステント収納用筒状部材と、該ステント収納用筒状部材内に収納されたステントと、前記ステント収納用筒状部材に一端部が固定され、前記基端側チューブ内を延びるとともに該基端側チューブの基端側に牽引することにより、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための少なくとも一つの牽引ワイヤとを備える生体器官拡張器具であって、
前記先端側チューブは、該先端側チューブの先端側に位置し、前記ステント収納用筒状部材内に収納された前記ステントの基端と当接し、該ステントの基端側への移動を規制するステント基端部係止部を備え、
前記ステントは、略円筒形状に形成され、中心軸方向に圧縮された状態にて前記ステント収納用筒状部材内に収納され、前記ステント収納用筒状部材からの放出時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元するものであり、
前記生体器官拡張器具は、前記ステント収納用筒状部材の基端に近接するように配置されたスライドチューブを備え、かつ、前記固定チューブは、前記スライドチューブを基端側より収納可能もしくは前記スライドチューブが基端側より被嵌可能であり、前記スライドチューブは、前記牽引ワイヤの牽引により前記ステント収納用筒状部材とともに基端側に移動可能であり、かつ、前記ステント収納用筒状部材に固定されていないものとなっており、さらに、前記スライドチューブは、スライドチューブ本体と、該スライドチューブ本体の先端部に固定され、前記スライドチューブ本体の先端を覆い、かつ前記スライドチューブ本体の先端より前記生体器官拡張器具の先端側に延びる先端側筒状部材とを備え、該先端側筒状部材は、該先端側筒状部材の先端と基端間に位置しかつ少なくとも内径が縮径した縮径部を有する一体成形筒状体であることを特徴とする生体器官拡張器具。 - 前記生体器官拡張器具は、前記スライドチューブ本体の先端と前記先端側筒状部材の前記縮径部間に収納されたリング状部材を備え、前記牽引ワイヤは、前記リング状部材に固定されている請求項1に記載の生体器官拡張器具。
- 前記リング状部材は、前記スライドチューブ本体および前記先端側筒状部材のいずれにも固定されておらず、前記スライドチューブ本体の先端と前記先端側筒状部材の前記縮径部間に回動可能に収納されている請求項2に記載の生体器官拡張器具。
- 前記縮径部の内径は、前記先端側チューブの外径より大きく、かつ、前記リング状部材の外径より小さいものとなっている請求項2または3に記載の生体器官拡張器具。
- 前記リング状部材と、前記スライドチューブ本体間には、樹脂リングが配置されている請求項2ないし4のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記スライドチューブ本体の先端部と前記先端側筒状部材の基端部は、接着剤により固定されており、さらに、前記リング状部材と、前記スライドチューブ本体間には、前記リング状部材側への前記接着剤の流入を防止するための樹脂リングが配置されている請求項2ないし4のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記縮径部の内径は、前記スライドチューブ本体の内径とほぼ等しいまたは若干大きいもしくは若干小さいものとなっている請求項1ないし6のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記ステント収納用筒状部材は、基端部に設けられた小径部を備え、前記スライドチューブの前記先端側筒状部材は、前記ステント収納用筒状部材の前記小径部の基端部を被包している請求項1ないし7のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記ステント収納用筒状部材は、基端部に設けられた小径部を備え、前記牽引ワイヤの先端部は、前記小径部の外面にて固定されている請求項1ないし8のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記ステント収納用筒状部材は、基端部に設けられた小径部を備え、前記牽引ワイヤの先端部は、前記小径部の外面に取り付けられた金属リングにより固定されている請求項1ないし8のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記固定チューブは、前記スライドチューブ本体を基端側より収納可能であるととともに、前記先端側チューブは、前記固定チューブ内に位置し、前記スライドチューブ本体の基端が当接可能なスライドチューブ係止部を備えている請求項1ないし10のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記生体器官拡張器具は、前記基端側チューブ内を通り、前記固定チューブ内に侵入する線状剛性付与体を備え、該線状剛性付与体の先端部は、前記スライドチューブ係止部に固定されている請求項11に記載の生体器官拡張器具。
- 前記固定チューブは、前記スライドチューブ係止部より基端側に設けられた剛性付与体固定部を備えている請求項11または12に記載の生体器官拡張器具。
- 前記基端側チューブの基端部には、前記牽引ワイヤを巻き取り、前記ステント収納用筒状部材を基端側に移動させるための牽引ワイヤ巻取機構を備える操作部を有する請求項1ないし13のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記操作部は、操作部ハウジングを備え、前記牽引ワイヤ巻取機構は、前記操作部ハウジングより露出する部分を有する操作用回転ローラを備え、該回転ローラを回転させることにより前記牽引ワイヤを基端側にて巻き取るものである請求項14に記載の生体器官拡張器具。
- 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機構の回転を解除可能にロックするロック機構を備えている請求項14または15に記載の生体器官拡張器具。
- 前記操作部は、前記牽引ワイヤ巻取機能の前記牽引ワイヤの巻取方向と逆方向への回転を規制する逆回転規制機構を備えている請求項14ないし16のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
- 前記牽引ワイヤ巻取機構は、操作用回転ローラと、該操作用回転ローラと同軸的かつ一体的に設けられるとともに、該操作用回転ローラより小径の巻取シャフト部を備え、該巻取シャフト部に前記牽引ワイヤの基端部が固定されている請求項14ないし17のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
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