JPH09136902A - 光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ - Google Patents

光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ

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JPH09136902A
JPH09136902A JP24362996A JP24362996A JPH09136902A JP H09136902 A JPH09136902 A JP H09136902A JP 24362996 A JP24362996 A JP 24362996A JP 24362996 A JP24362996 A JP 24362996A JP H09136902 A JPH09136902 A JP H09136902A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体親和性及び適合性に優れ、又、非常に高い
保水性及び酸素透過性を有する光架橋ヒアルロン酸コン
タクトレンズを提供することであり、それらコンタクト
レンズを治療用コンタクトレンズ、角膜保護材(角膜バ
ンデージ)、視力矯正用コンタクトレンズ、薬剤徐放性
コンタクトレンズ、紫外線防護用コンタクトレンズとし
て提供すること。 【解決手段】ヒアルロン酸に光反応性架橋基を結合さ
せた光反応性ヒアルロン酸誘導体の光架橋ヒアルロン酸
誘導体からなり、該光反応性架橋基がスペーサー基を介
してヒアルロン酸の官能基に導入されたものであり、該
コンタクトレンズの含水率が80%〜99%であり、眼
部に対する形状適合性及び組織親和性を有する光架橋ヒ
アルロン酸コンタクトレンズ、 に記載の光反応性
ヒアルロン酸誘導体を眼部に適合する形状に成形した
後、光線を照射して光反応性架橋基同志を架橋する光架
橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光架橋ヒアルロン
酸誘導体より成るコンタクトレンズに関するものであ
り、特にヒアルロン酸自体に特有の組織親和性及び高い
保水性を保持したコンタクトレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズ(CL)は、その素材
の柔軟性によりハードコンタクトレンズ(HCL)及び
ソフトコンタクトレンズ(SCL)の2つに大別され
る。現在、HCLに関しては高い酸素透過性を有する連
続装用可能なものが開発され、一方、SCLに関しては
含水性高分子が使用され、酸素透過性を有するものも開
発されている。しかし、CLの長時間連続装用化、ある
いは治療用コンタクトレンズへの要求に伴い、これまで
以上に高い組織親和性あるいは適合性に加え、更に高い
酸素透過性を持つ材料の使用が求められている。
【0003】従来、組織親和性を指向したCL材料とし
ては、コラーゲンが知られており(特公昭62−424
87号公報、米国特許第4,223,984号、米国特
許第4,260,228号、米国特許第4,264,1
55号)、コラーゲンレンズ(米国,ボシュロム社製)
として製品化されている。また、特公昭62−4248
7号公報にはコラーゲンに、コンドロイチン硫酸等のム
コ多糖(グリコサミノグリカン)を混合して成形したC
Lが開示されている。しかしながら、コラーゲンは蛋白
質であるため、抗原性を有するという欠点がある。眼
は、特に異物に対して感受性が強く、特に抗原性のある
場合は炎症を起こしたりすることもある。
【0004】また、CL等の眼部装着材の素材として、
ポリビニルアルコールを骨格材料とするゲルにコンドロ
イチン硫酸等の酸性多糖類を含む素材(特公昭51−1
1139号公報)、キチンまたはキトサン(特開昭56
−94322号公報、特表昭61−501729号公
報、特開昭63−50816号公報、特開平4−176
459号公報、特開平4−275346号公報等)、グ
ルコマンナン(特開平5−163384号公報)、絹フ
ィブロイン(特開平5−313105号公報)等が知ら
れているが、何れも主たる素材は生体(脊椎動物)由来
の成分ではなく、組織適合性の点で問題があり、CLの
素材としてグリコサミノグリカンを含むものもあるが、
本質的にグリコサミノグリカン、特にヒアルロン酸のみ
からなるCLではなかった。
【0005】ヒアルロン酸の水酸基にケイ皮酸をエステ
ル結合で導入し、紫外線照射によって光架橋、硬化する
性質を応用したコンタクトレンズの調製が行われている
(日本眼科紀要45:484−489,1994)。こ
れは本発明に先駆けて行われ、本発明の基礎となったも
のであるがヒアルロン酸の繰り返し2糖単位当たりに1
個以上のケイ皮酸を導入した高いケイ皮酸導入率の光架
橋ヒアルロン酸コンタクレンズであり(ヒアルロン酸繰
り返し2糖あたり最大4個のケイ皮酸が導入でき
る。)、このため保水性は低く、形状および物性はHC
L状であり、用途として治療用CLより視力矯正用CL
として適していた。しかし、該光架橋ヒアルロン酸コン
タクトレンズの保水性を向上させようとケイ皮酸導入率
を下げると形状安定性が低下し、水可溶性となってしま
うため、その適用に制限があった。
【0006】上記の文献に記載された従来の光架橋ヒア
ルロン酸コンタクトレンズは概ね以下の性質を有するも
のである。
【0007】
【表1】
【0008】このようなことから保水性および酸素透過
性が高く、治療用CLとしても使用できる柔軟性に富ん
だSCL状のヒアルロン酸コンタクトレンズの開発に
は、その素材自身からの開発が必要であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、生体親和性及び適合性に優れ、又、非常に高い保水
性及び酸素透過性を有する光架橋ヒアルロン酸コンタク
トレンズを提供することであり、第2に第1の目的達成
のために有効なスペーサー構造を結合した光反応性架橋
基を導入した光反応性ヒアルロン酸誘導体に光照射する
ことによって架橋させて得られる架橋ヒアルロン酸誘導
体より構成されるコンタクトレンズを提供することであ
り、第3にそれらコンタクトレンズを治療用コンタクト
レンズ、角膜保護材(角膜バンデージ、角膜シール
ド)、紫外線防護用コンタクトレンズ、薬剤徐放性コン
タクトレンズ、視力矯正用コンタクトレンズ等として提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、上記課題を以下の構成によって達成することに成
功した。 (1)ヒアルロン酸に光反応性架橋基を結合させた光反
応性ヒアルロン酸誘導体の該架橋基同志が光照射により
架橋シクロブタン環を形成することにより得られる光架
橋ヒアルロン酸誘導体からなる光架橋ヒアルロン酸コン
タクトレンズにおいて、該光反応性架橋基がスペーサー
基を介してヒアルロン酸の官能基に導入されたものであ
り、該コンタクトレンズの含水率が80%〜99%であ
り、眼部に対する形状適合性及び組織親和性を有するこ
とを特徴とする光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ。 (2)酸素透過係数(Dk値)が、40×10-11〜1
00×10-11(cm2/sec)・(ml O2/ml・mmHg)である
(1)記載の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ。 (3)該光反応性架橋基がケイ皮酸またはその誘導体に
由来するものであり;該光反応性架橋基と官能基を少な
くとも2つ有するスペーサー化合物の1つの官能基が結
合した光反応性架橋基結合スペーサー基とヒアルロン酸
の官能基との結合により、ヒアルロン酸に光反応性架橋
基が導入されて光反応性ヒアルロン酸誘導体が構成され
ており;ヒアルロン酸と結合するスペーサー基の官能基
はアミノ基であり;該アミノ基とヒアルロン酸のカルボ
キシル基とのアミド結合によって光反応性架橋基結合ス
ペーサー基が導入されていることを特徴とする(1)記
載の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ。 (4)該スペーサー化合物がアミノアルコールであるこ
とを特徴とする(3)記載の光架橋ヒアルロン酸コンタ
クトレンズ。 (5)該アミノアルコールが、アミノエタノール、アミ
ノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノー
ル、アミノヘキサノール、アミノオクタノールおよびア
ミノドデカノールからなる群から選ばれたものである
(4)記載の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ。 (6)該光反応性架橋基がヒアルロン酸構成2糖単位当
たり平均0.2〜5モル%ヒアルロン酸に導入されてい
ることを特徴とする(1)〜(5)の何れかに記載の光
架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ。 (7)角膜保護作用を有する(1)〜(6)の何れかに
記載の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ。 (8)眼に有害な紫外線を吸収、カットする(1)〜
(6)の何れかに記載の光架橋ヒアルロン酸コンタクト
レンズ。 (9)レンズ中に、生理学的に有用且つ活性な物質を保
持し、該物質がレンズ装着中に徐々に放出される(1)
〜(6)の何れかに記載の光架橋ヒアルロン酸コンタク
トレンズ。 (10)視力矯正作用を有する(1)〜(6)の何れか
に記載の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ。 (11)(1)に記載の光反応性ヒアルロン酸誘導体を
眼部に適合する形状に成形した後、光線を照射して該光
反応性ヒアルロン酸誘導体の光反応性架橋基同志を架橋
することを特徴とする光架橋ヒアルロン酸コンタクトレ
ンズの製造法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
ヒアルロン酸はヒトを含む動物組織等に存在し、β−D
−N−アセチルグルコサミンとβ−D−グルクロン酸よ
り成る2糖の繰り返し構造を持ち、非抗原性、非毒性、
生体再吸収性等の生体親和性及び適合性には不可欠な性
質を有し、それ自体でも薬剤、化粧品として利用されて
いる。又、ヒアルロン酸は非常に高い保水性を有し、自
重の1000倍近い水を保水出来るとされており、その
溶液は高い粘性を有する。
【0012】本発明のコンタクトレンズに材料として用
いられている光架橋ヒアルロン酸誘導体は、ヒアルロン
酸を母体高分子として用いており、ヒアルロン酸の持つ
優れた生体親和性及び適合性、又、高い保水性等の特性
をコンタクトレンズに成形加工後も保持していること、
および溶液状の光反応性ヒアルロン酸誘導体を任意の形
状に成形加工した後に紫外線等の光照射によって架橋
し、不溶化するので眼部の形状に適合した成形が容易で
あるから、組織親和性及び眼部に対する形状適合性に優
れ、高い保水性及び高い酸素透過性を持つコンタクトレ
ンズの提供が可能である。
【0013】本発明の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレ
ンズは、ヒアルロン酸の官能基に光反応性架橋基をスペ
ーサー基を介して導入した光反応性ヒアルロン酸誘導体
を適当な方法でコンタクトレンズ状に成形し、それに光
線照射、特に紫外線照射することにより架橋ヒアルロン
酸コンタクトレンズとして調製される。なお、後述する
ように光架橋後にコンタクトレンズ状に成形してもよ
い。ヒアルロン酸の平均分子量は、10万〜500万程
度が好ましく、60万〜300万がより好ましい。
【0014】光反応性架橋基は、光線照射によって二量
化するビニレン基を有するものが好ましく、このような
光反応性架橋基を有する化合物(以下、光反応性化合物
ということもある)としては、ケイ皮酸あるいはその誘
導体、1−カルボキシアルキルチミン、7−クマリロキ
シ酢酸等が好ましく、特にその中でもケイ皮酸あるいは
その誘導体が毒性、光反応性からも好ましい。本発明に
おいては、光反応性架橋基をスペーサー基を介してヒア
ルロン酸の官能基に導入し、光反応性ヒアルロン酸誘導
体を得るが、光反応性架橋基にスペーサー基を結合さ
せ、この光反応性架橋基結合スペーサー基とヒアルロン
酸を結合させることが好ましい。このスペーサー基とし
てはケイ皮酸あるいはその誘導体のカルボキシル基とヒ
アルロン酸のカルボキシル基あるいは水酸基とをつなげ
ることが可能な2つの官能基を有する基が好ましい。
【0015】このようなスペーサー基としては、アミノ
基と水酸基を有するもの、アミノ基とカルボキシル基を
有するもの、カルボキシル基と水酸基を有するもの、2
つのアミノ基を有するもの、2つの水酸基を有するもの
などが挙げられるが、反応の選択性を考慮すると、異な
る2つの官能基を有するものが好ましい。なお、スペー
サー基の官能基は2つに限定されるものではなく、光反
応性基とヒアルロン酸の両方に結合する官能基が少なく
とも2つ存在すればよく、2以上の官能基を有するスペ
ーサー基を使用することができる。
【0016】具体的にはスペーサー基としてアミノ酸ま
たはその誘導体、ペプチド、アミノアルコール類、ジア
ミン類、オリゴ糖、ジオール類、ヒドロキシ酸等のスペ
ーサー化合物に由来する基、より好ましくはアミノ酸ま
たはその誘導体、ペプチド、アミノアルコール類、ジア
ミン類に由来する基が挙げられ、最も好ましいのはアミ
ノアルコール類由来の基である。
【0017】アミノアルコール類は、スペーサー化合物
としての機能を有するかぎり、炭素数、分枝の有無等そ
の構造は限定されないが、好ましいのはアミノエタノー
ル、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペ
ンタノール、アミノヘキサノール、アミノオクタノール
およびアミノドデカノールからなる群から選ばれるもの
である。
【0018】ヒアルロン酸の官能基、すなわちカルボキ
シル基あるいは水酸基のどちらにスペーサー基を介して
光反応性架橋基を導入するかにより、スペーサー基とヒ
アルロン酸の官能基との結合様式あるいはスペーサー基
を結合した光反応性架橋基の導入方法は異なるが、ヒア
ルロン酸のカルボキシル基に光反応性架橋基結合スペー
サー基を導入することが好ましく、更にヒアルロン酸と
結合するスペーサー基の官能基はアミノ基であり、その
結合様式がアミド結合であることがより好ましい。光反
応性ヒアルロン酸誘導体の製造方法としては、まず、予
めケイ皮酸あるいはケイ皮酸誘導体等の光反応性化合物
とスペーサー化合物を結合させ、得られた光反応性架橋
基結合スペーサー基を有する化合物とヒアルロン酸を反
応させて、ヒアルロン酸の官能基に光反応性架橋基結合
スペーサー基を導入することが好ましい。
【0019】光反応性ヒアルロン酸誘導体の具体的製造
法としては、ヒアルロン酸のカルボキシル基とアミド結
合出来るように光反応性架橋基結合スペーサー基がアミ
ノ基を有するものである場合、ヒアルロン酸を水単独あ
るいは水溶性有機溶媒(例えば、ジオキサン、ジメチル
ホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトアミド、
アルコール(メタノール、エタノール等)またはピリジ
ン等)を含んだ水溶液に溶解させ、水溶性カルボジイミ
ド(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミドメチオシド、1−シクロヘキシル−3−(2
−モルフォリノエチル)カルボジイミド塩酸塩等)と縮
合補助剤の存在下、予め光反応性架橋基を結合したスペ
ーサー化合物のアミノ基とヒアルロン酸のカルボキシル
基を反応させることにより製造出来る。該縮合補助剤と
しては、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキ
シベンゾトリアゾール等、カルボキシル基を活性化する
ばかりでなく、不要なO→Nアシル転移を防ぐ機能を有
した化合物が挙げられる。上記の光反応性ヒアルロン酸
誘導体の原料および試薬等として精製度の高い、エンド
トキシン含量の低いものを使用し、反応容器、反応環境
の無菌化および清浄化に配慮することによって、エンド
トキシン含量の極めて低い(例えば、1.2pg/mg程度以
下)光反応性ヒアルロン酸誘導体を得ることができる。
また、このような光反応性ヒアルロン酸誘導体を使用し
て後述するような成形および光架橋を行うことによっ
て、極めて刺激性の低い光架橋ヒアルロン酸コンタクト
レンズを製造することができる。
【0020】光反応性架橋基の導入率を調整することに
より水可溶性の光反応性ヒアルロン酸誘導体を合成する
ことが出来、該誘導体を眼部の形状に適合する望ましい
形状(例えば、コンタクトレンズのように球面を有する
形状)に成形した後、紫外線等の光線を照射すれば架橋
基同志が二量化し、ヒアルロン酸鎖が三次元網目構造を
構築するため、不溶性の光架橋ヒアルロン酸誘導体から
なる本発明のコンタクトレンズを製造することができ
る。
【0021】また、光反応性ヒアルロン酸誘導体を適当
な形状に成形し、紫外線等の光線を照射して架橋し、不
溶性の架橋ヒアルロン酸を調製した後、切削研磨、型押
し(プレス)等の方法で眼部の形状に適合する形状に加
工してもよい。光反応性架橋基の導入率(Degree of Su
bstitution、以下DS)は、構成2糖単位当たりの導入
モル%で表され、例えばDS100%ならば構成2糖1
個当たりに光反応性架橋基が1個導入されており、1%
ならば構成2糖100個当たり、つまり200糖当たり
に1個の光反応性架橋基が導入されていることになる。
光反応性ヒアルロン酸誘導体のDSとしては、0.2〜
5モル%が好ましく、0.5〜2モル%がより好まし
く、0.7〜1.5モル%が更に好ましい。
【0022】光反応性架橋基に上記スペーサー基を導入
しない場合、不溶性の光架橋ヒアルロン酸誘導体を形成
するためには非常に高いDS(DS100モル%以上、
ヒアルロン酸の水酸基にケイ皮酸を直接導入した公知の
光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの場合、170%
または290%であった。)が必要となるが、スペーサ
ー基を導入することにより、非常に低いDSでも光反応
性ヒアルロン酸誘導体から光照射によって不溶性の光架
橋ヒアルロン酸誘導体の形成が可能になり、このことに
より母体高分子のヒアルロン酸の特性を十分残すことが
可能になった。
【0023】本発明のコンタクトレンズ材料である光架
橋ヒアルロン酸誘導体は、前記の光反応性ヒアルロン酸
誘導体に紫外線等の光線を照射することにより形成され
る架橋シクロブタン環によってヒアルロン酸鎖が三次元
網目構造を構成することによって得られ、この網目構造
のため巨大分子を形成し、水等の溶媒に対し不溶性とな
る。光架橋のために照射する光線は、光二量化反応可能
な波長であって、ヒアルロン酸鎖の開裂等により低分子
化するような悪影響を及ぼさない波長、エネルギーおよ
び光源の種類であれば特に制限はないが、波長としては
200〜600nm、好ましくは200〜450nm、
更に好ましくは250〜300nmの紫外線が良く、光
源としては高圧水銀ランプあるいはメタルハライドラン
プが好ましい。また、照射時間は1〜30分程度、好ま
しくは2〜10分程度である。照射方法は特に限定され
ないが、例えば成形した光反応性ヒアルロン酸誘導体を
適当な速度でベルトコンベア上で移動させながら紫外線
等の光線を照射し、連続的に光架橋することもできる。
【0024】光架橋ヒアルロン酸の架橋している割合
は、架橋率として算出される。架橋率は下記式によって
定義される。 架橋率(%)=(二量化体モル数×2/導入光反応性化
合物モル数)×100 具体的方法として、光架橋ヒアルロン酸誘導体からケイ
皮酸等の光反応性化合物あるいはその二量化体を化学的
方法により切断、抽出し、得られた抽出物をゲル浸透ク
ロマトグラフィー(GPC)分析することにより、その
分子量の差から光反応性化合物とその二量化体を分離す
ることが出来、それぞれのモル数を求めることにより上
記式から架橋率が算出する方法を用いることができる。
【0025】架橋点は下記式により算出出来る。 架橋点(%)=架橋率×DS/100 架橋率は、導入されたケイ皮酸等の光反応性化合物に対
する百分率であるが、架橋点は上記式より、ヒアルロン
酸繰り返し2糖単位当たりの二量化体のモル%として表
現できる。例えば、DS1.0%(2糖単位100個当
たりに1個の光反応性化合物を導入)の光反応性ヒアル
ロン酸誘導体が、架橋率10%で架橋した場合、その架
橋点は0.1%(構成2糖単位1000個当たり1個の
光反応性化合物が二量化している)として表せる。
【0026】眼部の形状に適合する球面状の形状、例え
ば通常のコンタクトレンズの形状への材料の成形は光線
照射による光架橋前あるいは後どちらで行っても良い
が、水等の溶媒に可溶性の照射前の光反応性ヒアルロン
酸誘導体を加工する方が容易である。本発明のCLの成
形加工法として公知の方法(特表昭61−501729
号公報、特開昭63−50816号公報、特開平5−9
3889号公報)である切削研磨法、スピンキャスト法
(遠心鋳造法)、プレス法、モールド法等の一般的加工
法を適用して行うことができる。中でもモールド法、ス
ピンキャスト法が好ましく、特にその簡便さにおいてモ
ールド法が好ましい。モールド法、スピンキャスト法で
成形加工する場合、通常、光反応性ヒアルロン酸誘導体
の溶媒を除去して目的とする形状の固形物を得ることで
成形加工を行う。
【0027】モールド法による成形は、具体的には、例
えば図1の様な球面の一部を切り取った形状とする場合
は、光反応性ヒアルロン酸誘導体の水性溶液を目的とす
る形状の内壁面を有する容器(例えば、底が試験管状の
容器、時計皿等)に注入し、一定温度で静置乾燥させる
という簡便な方法により行うことが出来る。型となる容
器に関しては、その最終製品形状に応じて任意に変える
ことが可能であり、特にコンタクトレンズ状の成形に
は、半球状の形状の内壁底面を持つような容器、例えば
試験管のような容器が適している。このような容器を使
用する場合、その大きさ、特に半球部分の径を調整する
ことにより眼球に適した形状のコンタクトレンズを成形
することが可能になる。通常、コンタクトレンズのベー
スカーブ(図1の外壁面の半径(r))は、容器内壁面
の径(乾燥時のレンズのベースカーブに相当)と湿潤時
の膨潤率で決定される。通常ヒトの前眼部(角膜)の曲
率半径は、約6〜9mm程度、より限定的には約7〜
8.5mmとされているので、そのような曲率半径のレ
ンズが得られるように型を選択する。
【0028】上記容器の素材には、特に制限はないが、
水との親和性の高すぎる素材では該容器の内壁に多くの
光反応性ヒアルロン酸誘導体水溶液が付着してしまうた
め好ましくなく、逆に溌水性が高すぎると好ましくない
形状で乾燥してしまう。具体的には、加工容易なプラス
チックが好ましく、更に具体的にはポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリエチレンが好ましく、特にポリプロピ
レンが好ましい。
【0029】光反応性ヒアルロン酸誘導体水溶液の濃度
及び液量を調整することにより適当なレンズの厚さにコ
ントロールすることが出来る。厚さとしては、乾燥時の
コンタクトレンズで50〜300μm、好ましくは10
0〜150μmとなるように濃度、液量等を調整する。
このような厚さのコンタクトレンズを調製するために
は、例えばベースカーブ6〜9mmのレンズに成形する
場合は、光反応性ヒアルロン酸誘導体水溶液の濃度を約
3〜20mg/ml程度、好ましくは約5〜15mg/
ml、更に好ましくは約10mg/mlとすればよい。
【0030】容器に該誘導体水溶液を注入した後、十分
に脱気を行うと気泡の無い均一なレンズが成形できる。
乾燥時の温度は、ヒアルロン酸鎖の開裂(低分子化)
等、材料の性質に悪い影響を及ぼさない範囲であれば良
いが、通常35〜50℃が好ましく、温度の設定は一定
である方が均一に乾燥できるので好ましい。乾燥は急激
に行わずゆっくり徐々に行うのが好ましく、このため減
圧や送風による強制的な乾燥は好ましくない。
【0031】上記のように成形後、型上で、あるいは型
から分離した後、紫外線照射すると光架橋したヒアルロ
ン酸コンタクトレンズが出来、必要であればこれを更に
目的の形状に切削する事も出来る。このように光架橋し
たヒアルロン酸コンタクトレンズは、非常に低いDSで
も十分に不溶化し、65%以上のゲル化率が得られる。
尚、ゲル化率は、下記式で表される。 ゲル化率(%)=(コンタクトレンズの再乾燥重量/コ
ンタクトレンズの乾燥重量)×100 但し、コンタクトレンズの再乾燥重量は、コンタクトレ
ンズ乾燥重量に対して1万倍量の水に室温で24時間コ
ンタクトレンズを浸した後、コンタクトレンズを濾取、
減圧乾燥して得られる重量。コンタクトレンズの乾燥重
量は、コンタクトレンズを湿潤させる前に減圧乾燥して
得られる重量。
【0032】含水率は、平衡吸水させたコンタクトレン
ズの重量(Ww)及び未膨潤時の重量(Wd)を室温で
測定し、(Ww−Wd)/Wwを100倍した値であ
る。本発明の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズは、
非常に低いDSの光架橋ヒアルロン酸誘導体を材料とし
ているため、十分な強度を備えつつも母体高分子である
ヒアルロン酸の特性である高保水性の性質を維持してい
る。ヒアルロン酸の分子量、DS、紫外線照射時間等を
コントロールすることにより含水率を80〜99%に保
つことが出来、しなやかさ、柔らかさを有し、且つSC
Lの性質を保持している。
【0033】上述の成形法で加工して得られた、眼球の
角膜曲率半径に近似したベースカーブを持つ光架橋ヒア
ルロン酸コンタクトレンズは、その高保水性に由来する
しなやかさ、柔軟性のため眼部組織に対し高い生体親和
性を示すとともに、高い酸素透過性を示し、結膜炎症、
表層角膜炎、角膜糜爛等として表れる刺激性は4日〜1
週間程度の装着では観察されない。角膜への装着に際
し、CLのベースカーブは角膜曲率半径より僅かに大き
い方が眼内保持能が向上し、約6〜9mm程度、より好
ましくは約7〜8.5mm程度が好適である。
【0034】CLには、その用途にもよるが透明性、水
濡れ性、酸素透過性、適切な屈折率等が求められる。透
明性に関しては、視力矯正用に用いなければ視界を妨げ
ない程度に透明であればよい。波長550nmでの光線
透過率が約50%以上、特に無色透明を期待する場合、
約80%以上であることが好ましい。
【0035】本発明において、光線透過率は上記波長の
可視透過率を室温で島津自記分光光度計UV−2200
(島津製作所(株)製)を用いて測定した値である。水
濡れ性に関しては表面物性的親和性(材料表面が高い水
濡れ性を有すること)と関連しており、接触角をもって
表すことが出来る。光架橋ヒアルロン酸コンタクトレン
ズの低い接触角は、レンズ表面の高い親水性を示してい
る。また、内側の表面粗さは、型の表面粗さを調整する
こと等により所望の値に制御することができる。
【0036】本発明における、接触角は、コンタクトレ
ンズと同一の素材のフィルムを用いてFACE接触角計
(CA−A型、協和界面科学(株)製)を用い、水液滴
法で測定した値である。乾燥したコンタクトレンズを湿
潤させた時の膨張率は形状安定性の指標となり、線膨張
率の範囲は、用途によって異なるが、通常、約1〜80
%程度である。比較的硬質のものの場合、約1〜10%
程度、好ましくは約2〜5%程度であり、比較的軟質な
ものの場合、約10〜80%程度、好ましくは約15〜
75%程度である。本発明は比較的軟質なものを主目的
としているので、約10〜80%の線膨張率のものが好
ましい。
【0037】なお、線膨張率は、平衡吸水させたコンタ
クトレンズと同一素材のフィルムの直径(Dw)および
未膨潤時の直径(Dd)を室温で測定し、(Dw−D
d)/Ddを100倍した値である。本発明の光架橋ヒ
アルロン酸コンタクトレンズは、1週間の連続装用にお
いても角膜糜爛等の重篤な前眼部症状を惹起しないこと
から、良好な酸素透過性を有すると考えられ、又、公知
のコンタクトレンズと比較して含水率を増加させたこと
により酸素透過性を向上させることができたと考えられ
る。本発明のコンタクトレンズにおける酸素透過性は、
溶存酸素計:DU-25A型と電極:OE-2111(共に東亜電波
工業(株))をコンタクトレンズ用に改良したものを用
い、35℃電極法により、酸素透過係数(Dk値)とし
て測定、算出した。通常、2−ヒドロキシエチルメタク
リレートの重合体を用いた公知のSCL(含水率約38
%)のDk値は、約9×10-11(cm2/sec)・(ml O2/ml
・mmHg)であるが、本発明のコンタクトレンズは高含水
率、高酸素透過性を目的としているため、Dk値は40
×10-11〜100×10-11(cm2/sec)・(ml O2/ml・m
mHg)、特に60×10-11〜90×10-11(cm2/sec)・
(ml O2/ml・mmHg)であるものが好ましい。
【0038】CLを治療用用途に使用する場合は、必ず
しも特定の屈折率を要求されないが、視力矯正用として
使用する場合は、通常使用されている矯正用CLと同様
の屈折率であることが望ましい。通常、約1.3〜1.
6程度であり、好ましくは1.3〜1.5程度である。
本発明において、屈折率の測定にはコンタクトレンズと
同一素材のフィルムを用いアッベ屈折計(アタゴ社製)
を用い測定した。
【0039】本発明の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレ
ンズの光反応性架橋基は紫外領域の光を吸収することが
可能であり、眼部に悪影響を及ぼす紫外線を吸収、カッ
トすることが出来る。通常、光反応性ヒアルロン酸誘導
体を光架橋させた場合、全ての光反応性架橋基が架橋シ
クロブタン環を形成するわけでなく一部は未架橋体とし
て存在し、これらは十分に紫外線を吸収する能力を有す
る。
【0040】本発明の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレ
ンズの形状は、特に制限は無く、いわゆるコンタクトレ
ンズ状でなくともその用途に応じて任意に変えることが
出来る。例えば下眼瞼内に挿入するために適した半月状
または長円状で、挿入部位の眼球形状に適用し得る形状
及び大きさを有するものであってもよい。長軸方向の長
さは4〜10mm、短軸方向の長さは2〜5mmであ
る。このものは、屈折矯正効果や角膜保護効果を期待す
るものではなく、種々の薬剤を含有させ、これらの薬剤
の徐放化基材として使用することが出来るCLである。
【0041】本発明の材料である光架橋ヒアルロン酸誘
導体の母体高分子であるヒアルロン酸はそれ自体で組織
非接着性、生分解性、保湿効果(保水効果)、角膜上皮
創傷治療促進作用(角膜上皮層伸展促進作用)等の作用
効果を有しており(ヒアルロン酸のこの様な作用につい
ては特公平7−23317(特開平1−238530)
号公報参照)、本発明のCLはヒアルロン酸自体の本来
の効果をも保持しているので治療用CLとして十分に活
用できる。
【0042】本発明の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレ
ンズはそれ自体で高い眼部組織への生体親和性及び適合
性、高い保水性ならびに高い酸素透過性等を持っており
角膜保護材として十分に使用し得る。角膜の損傷に対
し、コンタクトレンズをその保護材として用いる場合、
損傷部を覆うことが出来る被覆性、あるいはその素材自
体は、少なくとも無刺激であることが求められる。その
様な意味からも本発明の光架橋ヒアルロン酸コンタクト
レンズは、高い生体親和性及び適合性の他にその柔軟
性、しなやかさにおいても十分に角膜保護材として適用
し得る。
【0043】光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ内に
生理学的に有用かつ活性な化合物(薬理効果を有する化
合物;薬剤)を含有させれば、それらを一定放出速度で
一定時間放出させる徐放機能を有し、角膜の損傷、角膜
潰瘍、手術後の角膜の保護、眼内への薬剤の投与、粘膜
を経由する体内への薬剤の投与等の治療的用途に使用す
ることが出来る。
【0044】具体的には、例えば点状表層角膜塩、びま
ん性表層角膜炎(KSD)、遅延性角膜上皮欠損、角膜
潰瘍等の角膜上皮障害の治癒促進;屈折矯正手術、白内
障手術、眼外傷手術、緑内障手術等の手術後の角膜治療
促進;涙液分泌不全症の症状緩和;ヒアルロン酸(未架
橋、未修飾)、抗ウイルス剤(アシクロビル、イドクス
ウリジン、5−ブロモビニルアラビノフラノシルウラシ
ル、アデニンアラビノシド、ポリIC等)、抗生物質
(カナマイシン、ベカナマイシン、アミカシン、ゲンタ
マイシン、ミクロノマイシン、クロラムフェニコール、
コリスチン、ポリミキシンB等)、抗真菌剤(アンフォ
テリシンB、ミコナゾール等)、抗原虫剤、抗緑内障剤
(チモロール、β−遮断剤等)、抗炎症剤、ステロイ
ド、抗ヒスタミン剤、縮瞳剤、抗コリン作動剤、散瞳剤
(ミドリン P等)、鬱血除去剤、ホルモン(インスリ
ン、グルカゴン等)等の薬剤(具体例は、特開平1−2
38530、特開平1−279836、特表昭61−5
01729、特開平4−230636、特開平5−93
889号各公報参照)を材料中に含有させ、これら薬剤
の徐放化に使用することができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。参考例
において、Bocはt−ブトキシカルボニルを、−Ci
nは−COCH=CH−Ph(ここで、Phはフェニル
基を示す)を示す。 参考例1 1−1:Boc−NH(CH2 2 O−Cin〔化合物
(1−1)〕の合成 t−ブトキシカルボニル−2−アミノエタノール464
μl(3mmol)にクロロホルム3mlを加え、氷冷
下、トリエチルアミン417μl(3mmol)、ケイ
皮酸クロリド431μl(3mmol)、4−ジメチル
アミノピリジン183mg(1.5mmol)を順次加
えた。室温で20分攪拌した後、この反応液に酢酸エチ
ルを加え、5%クエン酸水溶液で2回、水、5%炭酸水
素ナトリウム水溶液で2回、水、飽和食塩水で分液洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナト
リウムを濾取し、濾液を減圧濃縮し、析出した白色固体
をヘキサンで洗浄した。これを減圧乾燥し、化合物(1
−1)527mg(収率60%)を得た。1 H−NMR(CDCl3) δ(ppm)=1.45 9H s (Boc−) 3.55 2H m (−NHCH 2CH2O−) 4.25 2H m (−NHCH 2CH2 O−) 4.85 1H br(CONH−) 6.45 1H d (−CH:CHCO−) 7.45 4H dd(Aromatic H) 7.75 1H d (−CH:CHCO−) 1−2:ケイ皮酸2−アミノエチルエステル塩酸塩〔化
合物(1−2):HCl・H2 N(CH2 2 O−Ci
n〕の合成 化合物(1−1)291mg(1mmol)に4M塩化
水素/ジオキサン溶液2mlを氷冷下加え35分攪拌し
た。エーテルを加え、析出した結晶を濾取しエーテルで
洗浄した。これを減圧乾燥し、白色結晶として化合物
(1−2)を173mg(収率76%)得た。 参考例2 2−1:Boc−NH(CH2 6 O−Cin〔化合物
(2−1)〕の合成 参考例1−1に準じ、標記化合物を合成した。収率99
%。
【0046】2−2:ケイ皮酸6−アミノヘキシルエス
テル塩酸塩〔化合物(2−2):HCl・H2 N(CH
2 6 O−Cin〕の合成 参考例1−2に準じ、標記化合物を合成した。収率86
%。融点98.8−100.4℃1 H-NMR(400MHz,D2O)δ(ppm)=1.48-1.53(4H,m,H2NCH2CH2
(CH2 )2CH2CH2O-),1.63-1.83(4H,m,H2NCH 2CH2 (CH2) 2CH2 C
H2O-),3.02(2H,t,H2NCH2 (CH2)5O-),4.28(2H,t,H2N(CH2)
5CH2 O-),6.60(1H,d,-CH=CHCO-),7.53(3H,m,Aromatic H
3,4,5位),7.68(2H,d,Aromatic H 2,6位),7.76(1H,d,-CH
=CHCO-) 実施例1 1−1.ケイ皮酸が6−アミノヘキサノール由来のスペ
ーサー基を介してヒアルロン酸のカルボキシル基に導入
された光反応性ヒアルロン酸誘導体(DS 1.21
%)の調製 7.5gのヒアルロン酸ナトリウム(生化学工業(株)
製・分子量約100万)(18.75mmol 2糖単
位)を1.125リットル(l)の注射用水に溶解させ
た後、562.5mlの1,4ージオキサンを添加し十分
撹拌した。次いで氷冷下、431.5mg(3.75mm
ol)/50ml N−ヒドロキシスクシンイミド水溶
液、359.3mg(1.875mmol)/50ml
N−エチル−N′−3−ジメチルアミノプロピルカルボ
ジイミド塩酸塩水溶液、532.5mg(1.875mm
ol)/50mlケイ皮酸6−アミノヘキシルエステル
塩酸塩水溶液の順に添加した後、室温で4時間撹拌し
た。10g 塩化ナトリウムを添加し、溶解させた該溶
液を4.5リットル(l)エタノール中に添加し、白色
沈澱を析出させた。沈澱を遠心分離し、得られた沈澱に
ついて1.8リットル(l)80%エタノール洗浄を3
回、エタノール洗浄を1回行った。該沈澱を真空デシケ
ーター中で乾燥させて白色綿状の光反応性ヒアルロン酸
誘導体を得た(収量7.49g)。物性値はDS 1.2
1%、エンドトキシン含量は1.2pg/mgであっ
た。 1−2.光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの調製 実施例1−1で得た光反応性ヒアルロン酸誘導体300
mgを30ml 注射用水に溶解させ、1mlずつポリ
プロピレンチューブ(φ1.6cm×15cm)に分注
したものを27本調製した。これを真空デシケーター中
で脱気し、遠心分離法で成形した後、50℃で2日間乾
燥した。レンズ状となったサンプルをチューブから取り
出し、パイレックガラスに挟んで片面4分ずつ紫外線
(光源:メタルハライドランプ 3kW,照射距離:1
25mm,コンベア速度:1m/分)を照射した。照射
後得られたレンズを生理食塩水で膨潤させ、φ1.4c
mの金属円筒でカットし、図1に断面図を示すような光
架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズを得た。
【0047】サイズはレンズ径(l)1.4cm、レン
ズ高(h)0.4cm、レンズ厚(d)0.2mmで、物
性値は含水率81.3%(水、室温)、線膨潤率23%
であった。 実施例2 2−1.光反応性ヒアルロン酸誘導体(DS 0.53
%)の調製 ヒアルロン酸ナトリウム(生化学工業(株)製・分子量
約100万)10g(25mmol 2糖単位)を水
1.5リットル(l)に溶解させた後、1,4−ジオキ
サンを750ml加えた。氷冷下、N−ヒドロキシスク
シンイミド288mg(2.5mmol)水溶液50
ml、N−エチル−N′−3−ジメチルアミノプロピル
カルボジイミド240mg(1.25mmol)水溶液
50ml、ケイ皮酸6−アミノヘキシルエステル塩酸塩
355mg(1.25mmol)水溶液50mlを5分
毎に順次加えた。室温で8時間攪拌した後、塩化ナトリ
ウム10g水溶液を加え、1時間攪拌した後、溶液をエ
タノール5lに注いだ。目的物を沈澱させ、遠心分離し
た(4000R.P.M.×15分)。80%エタノール洗浄を3
回、エタノール洗浄を1回した後、得られた沈澱を乾燥
し、9.73gの光反応性ヒアルロン酸誘導体の白色固
体を得た(DS0.53%、エンドトキシン0.8pg
/mg) 2−2.光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの調製 実施例2−1で得た光反応性ヒアルロン酸誘導体300
mgを30mlの注射用水に溶解させ、1mlずつポリ
プロピレンチューブ(φ1.6cm×15ml)に分注
したものを27本調製した。これを真空デシケーター中
で脱気し、遠心分離法で成形した後、50℃で2日間乾
燥した。レンズ状となったサンプルをチューブから取り
出し、パイレックガラスに挟んで片面4分ずつ紫外線
(光源:メタルハライドランプ 3kW,照射距離:1
25mm,コンベア速度:1m/分)を照射した。照射
後得られたレンズを生理食塩水で膨潤させ、φ1.4c
mの金属円筒でカットし、光架橋ヒアルロン酸コンタク
トレンズを得た。
【0048】実施例1及び2で調製したコンタクトレン
ズの物性を表2にまとめた。
【0049】
【表2】
【0050】実施例3 光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの光透過性 島津自記分光光度計UV−2200(島津製作所(株)
製)を使用し、実施例1及び2で製造した光架橋ヒアル
ロン酸コンタクトレンズならびに4種の市販品のコンタ
クトレンズ〔クリスタルカラー(クラレ、含水率:3
8.6%)、Breth−O(東レ、含水率:78%、
素材:メチルメタクリレートとN−ビニルピロリドンか
らなる重合体)、PLANO−T(ボシュロム・ジャパ
ン、含水率:39%、素材:ポリメタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル)、SeeQuence(ボシュロム・ジ
ャパン、含水率:38.6%、素材:ポリメタクリル酸
2−ヒドロキシエチル)〕について200〜800nm
の波長の光線の光透過性を観測した。
【0051】波長−透過率のチャートを図2〜7(実施
例1〜2:図2〜3、市販品:図4〜7)に記すが、本
発明の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズは市販品4
種に較べ明らかに眼に悪影響を及ぼす紫外領域(300
〜200nm)の光の吸収率が高く、280nm付近で
は、特に実施例1の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレン
ズ(DS1.21%、図2)は湿潤状態で85%以上
を、実施例2のDSの低いコンタクトレンズ(DS0.
53%、図3)でも湿潤状態で35%以上の紫外線を吸
収していた。 実施例4 光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの酸素透過係数の
測定 実施例1で調製された光架橋ヒアルロン酸コンタクトレ
ンズの酸素透過係数を電極法により測定した。 4−1.材料および方法 1.被験物質 3枚の実施例1で調製した光架橋ヒアルロン酸コンタク
トレンズを使用した。使用するまで生理食塩液中で保存
した。使用した光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ
(DS1.21%)の厚さは0.2mmとした。また、
既存のソフトコンタクトレンズとして、ボシュロム社の
PLANO-T(中心厚:0.18mm,含水率:39%)を
使用した。 2.測定方法 光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズを測定用のチャン
バ−内にセットし、温度35℃で、電極法により測定し
た。測定に際しては、東亜電波工業株式会社の溶存酸素
計(DU−25A型)と電極(OE−2111)をコン
タクトレンズ用に改良したものを使用した。 4−2.結果 測定結果を表3に示す。含水率の高い光架橋ヒアルロン
酸コンタクトレンズはPLANO-Tの約7倍の酸素透過係数
を示した。
【0052】
【表3】
【0053】実施例5 光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの装着実験 実施例1で調製された光架橋ヒアルロン酸コンタクトレ
ンズの装着性と眼刺激性をウサギ眼を用いて検討した。 5−1.材料及び方法 動物 体重約4Kgのウサギ(JW系、雌、Conv.グレード)4
匹を使用した。
【0054】被験物質 8枚の実施例1で調製した光架橋ヒアルロン酸コンタク
トレンズを使用した。使用するまで生理食塩水中で保存
した。 光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの装着 塩酸ケタミン(ケタラール )5mg/kg及び塩酸キシラジ
ン(セラクタール)2mg/kgの静脈内投与による全身麻酔
下で上記コンタクトレンズを角膜とフィットするように
装着した。ウサギが眼を擦らないように、頸部にエリザ
ベスカラーを装着し、2日間観察した。その後、エリザ
ベスカラーをはずして4日間(都合6日間)観察を続け
た。観察は1日1回午後行った。
【0055】観察項目 上記コンタクトレンズの脱落の有無、脱落がなかった場
合のコンタクトレンズの眼瞼内における位置、刺激性に
ついて観察した。 5−2. 結果および考察 装着及び刺激性の結果を表4に記す。
【0056】
【表4】
【0057】光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの装
着性は良好で、4日後まで脱落は認められず、5日後で
も挿入時に切れ目が入った1例のみの脱落であった。6
日後にはさらに2枚脱落していた。従って、今回検討し
たコンタクトレンズの装着期間は最長5日であると思わ
れるが、角膜との適合性を改良することにより、さらに
延ばすことは可能である。また、1眼において刺激性が
観察されたが、これは膜が破れたため、もしくは端の浮
きによる刺激と考えられ、完全な形状でフィットしたコ
ンタクトレンズであれば、刺激性は全くないものと思わ
れた。 実施例6 光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの薬剤徐放効果の
検討 実施例1で調製された光架橋ヒアルロン酸コンタクトレ
ンズの薬剤徐放性基材としての有用性を検討するため、
散瞳剤であるミドリン P(参天製薬(株);商品名)
を浸透させたコンタクトレンズをウサギ眼に装着し、散
瞳効果の持続時間を点眼時と比較した。ミドリン Pは
副交感神経抑制作用を有するトロピカミドと交感神経興
奮作用を有する塩酸フェニレフリンを含有し、トロピカ
ミドの瞳孔括約筋の弛緩作用と、塩酸フェニレフリンの
瞳孔散大筋の収縮作用により、散瞳を示す薬剤である。
添加剤としてイプシロン-アミノカプロン酸、塩化ベン
ザルコニウム、クロロブタノール、ホウ酸といった防腐
剤を含有する。 6−1. 材料及び方法 光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ 実施例1で調製した光架橋ヒアルロン酸コンタクトレン
ズを使用した。
【0058】実験動物 JW系の雌性ウサギ(体重2.79〜3.22kg)を
12匹使用した。 散瞳剤 徐放性の効果を検討するための薬剤として、散瞳剤を選
定した。経時的に瞳孔径を測定することにより、簡単に
薬剤の徐放効果を検討できることが、選定の理由であ
る。散瞳剤であるミドリン Pはトロピカミド(分子量
284)を0.5%と、塩酸フェニレフリン(分子量2
04)を0.5%を含有する無色〜微黄色澄明の水溶性
点眼液で、診断及び治療を目的とする散瞳と、調節麻痺
に使用される。
【0059】ミドリン P含有光架橋ヒアルロン酸コ
ンタクトレンズの調製 光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズを各々1mlのミ
ドリン P(トロピカミド・フェニレフリン点眼液)中
に20時間浸し、使用時に余剰の液を切って使用した。 ミドリン P含有光架橋ヒアルロン酸コンタクトレン
ズの装着 塩酸ケタミン(ケタラール )5mg/kg及び塩酸キシラジ
ン(セラクタール)2mg/kgの静脈内投与による全身麻酔
下、ハンドスリットランプ(ナイツ)で眼を照らして縮
瞳することを確認し、前眼部の写真を撮影した。片眼に
ミドリン P含有光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ
を角膜とフィットするように装着し、コンタクトレンズ
群とした。点眼群にはミドリン Pを1滴(50μl)点眼
した。使用する眼は片眼とし、同一個体の両眼は使用し
なかった。1群6匹のウサギを使用した。
【0060】観察 ウサギを固定器に固定した状態で、全身麻酔下におい
て、前眼部を観察した。ハンドスリットランプで眼を照
らし、瞳孔径の変動、コンタクトレンズの位置、刺激性
を観察した後、前眼部の写真を撮影した。写真はコンタ
クトレンズ装着または点眼の直前、1時間後と20時間
後に撮影した。
【0061】瞳孔径の測定 写真上から長軸の瞳孔径を計測した。コンタクトレンズ
装着または点眼の1時間後および20時間後における瞳
孔径を比較して薬剤徐放効果の指標とした。 6−2.結果 表5に瞳孔径を示す。
【0062】
【表5】
【0063】点眼群とコンタクトレンズ群のいずれにお
いても、1時間後に10mm以上の瞳孔径が計測され、
最大散瞳に近い状態であった。20時間後でも直前値に
比べ、有意に大きい瞳孔径であった。点眼群とコンタク
トレンズ群の瞳孔径を比較した場合、直前と1時間後で
は有意な差異は認められなかったが、20時間後では、
コンタクトレンズ群の瞳孔径は点眼群に比べて有意に大
きかった。
【0064】ミドリン P含有光架橋ヒアルロン酸コン
タクトレンズの装着状態は良好で、移動は観察されなか
った。しかし、軽度の虹彩充血、角膜混濁が観察され
た。 6−3. 考察 調製された光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの薬剤
の徐放性基材としての有用性を検討するため、散瞳剤で
あるミドリン Pを浸透させたコンタクトレンズをウサ
ギ眼に装着し、散瞳効果の状態を点眼時と比較した。両
群共20時間後において散瞳状態は維持されていたが、
コンタクトレンズ群の瞳孔径は点眼群より有意に大きか
った。また、正常眼への装着実験(実施例5)で刺激性
は観察されなかったことより、本実施例で観察された虹
彩の充血と角膜混濁は、ミドリン Pの神経作用や添加
物に由来すると考えられた。従って、光架橋ヒアルロン
酸コンタクトレンズは薬剤の徐放性基材として十分使用
可能であると考えられた。
【0065】
【発明の効果】本発明は、ヒトを含む動物組織等の生体
内に存在するヒアルロン酸を主構成素材として利用し、
これにスペーサー基を導入した光反応性架橋基を結合
し、光架橋したものを使用するため、非常に低いDSの
光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズを得ることが出
来、このことによりヒアルロン酸が本来持つ特性である
組織親和性、生体適合性及び生体親和性あるいは高保水
性といった特性をもち、且つ更に酸素透過性の優れたコ
ンタクトレンズを提供出来、視力矯正用の他、治療用の
コンタクトレンズ、角膜保護材、薬剤徐放性コンタクト
レンズ、紫外線防護用コンタクトレンズ等目的に応じた
種々の用途で提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズの断面を
示す図である。
【図2】実施例1の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレン
ズの透過率と波長との関係を示す図である。
【図3】実施例2の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレン
ズの透過率と波長との関係を示す図である。
【図4】クリスタルカラー(クラレ)の透過率と波長と
の関係を示す図である。
【図5】Breth−O(東レ)の透過率と波長との関
係を示す図である。
【図6】PLANO−T(ボシュロム・ジャパン)の透
過率と波長との関係を示す図である。
【図7】SeeQuence(ボシュロム・ジャパン)
の透過率と波長との関係を示す図である。
【符号の説明】
r ベースカーブ、l レンズ径、h レンズ高、d
レンズ厚

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒアルロン酸に光反応性架橋基を結合さ
    せた光反応性ヒアルロン酸誘導体の該架橋基同志が光照
    射により架橋シクロブタン環を形成することにより得ら
    れる光架橋ヒアルロン酸誘導体からなる光架橋ヒアルロ
    ン酸コンタクトレンズにおいて、該光反応性架橋基がス
    ペーサー基を介してヒアルロン酸の官能基に導入された
    ものであり、該コンタクトレンズの含水率が80%〜9
    9%であり、眼部に対する形状適合性及び組織親和性を
    有することを特徴とする光架橋ヒアルロン酸コンタクト
    レンズ。
  2. 【請求項2】 酸素透過係数(Dk値)が、40×10
    -11〜100×10- 11(cm2/sec)・(ml O2/ml・mmHg)で
    ある請求項1記載の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレン
    ズ。
  3. 【請求項3】 該光反応性架橋基がケイ皮酸またはその
    誘導体に由来するものであり;該光反応性架橋基と官能
    基を少なくとも2つ有するスペーサー化合物の1つの官
    能基が結合した光反応性架橋基結合スペーサー基とヒア
    ルロン酸の官能基との結合により、ヒアルロン酸に光反
    応性架橋基が導入されて光反応性ヒアルロン酸誘導体が
    構成されており;ヒアルロン酸と結合するスペーサー基
    の官能基はアミノ基であり;該アミノ基とヒアルロン酸
    のカルボキシル基とのアミド結合によって光反応性架橋
    基結合スペーサー基が導入されていることを特徴とする
    請求項1記載の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ。
  4. 【請求項4】 該スペーサー化合物がアミノアルコール
    であることを特徴とする請求項3記載の光架橋ヒアルロ
    ン酸コンタクトレンズ。
  5. 【請求項5】 該アミノアルコールが、アミノエタノー
    ル、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペ
    ンタノール、アミノヘキサノール、アミノオクタノール
    およびアミノドデカノールからなる群から選ばれたもの
    である請求項4記載の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレ
    ンズ。
  6. 【請求項6】 該光反応性架橋基がヒアルロン酸構成2
    糖単位当たり平均0.2〜5モル%ヒアルロン酸に導入
    されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項
    に記載の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレンズ。
  7. 【請求項7】 角膜保護作用を有する請求項1〜6の何
    れか1項に記載の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレン
    ズ。
  8. 【請求項8】 眼に有害な紫外線を吸収、カットする請
    求項1〜6の何れか1項に記載の光架橋ヒアルロン酸コ
    ンタクトレンズ。
  9. 【請求項9】 レンズ中に、生理学的に有用且つ活性な
    物質を保持し、該物質がレンズ装着中に徐々に放出され
    る請求項1〜6の何れか1項に記載の光架橋ヒアルロン
    酸コンタクトレンズ。
  10. 【請求項10】 視力矯正作用を有する請求項1〜6の
    何れか1項に記載の光架橋ヒアルロン酸コンタクトレン
    ズ。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の光反応性ヒアルロン
    酸誘導体を眼部に適合する形状に成形した後、光線を照
    射して該光反応性ヒアルロン酸誘導体の光反応性架橋基
    同志を架橋することを特徴とする光架橋ヒアルロン酸コ
    ンタクトレンズの製造法。
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