WO2016104705A1 - 眼の自覚症状を改善する剤および方法 - Google Patents

眼の自覚症状を改善する剤および方法 Download PDF

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Abstract

 本発明は、桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したヒアルロン酸を含有する、ヒトの眼における自覚症状の改善剤を提供する。

Description

眼の自覚症状を改善する剤および方法
 本発明は、ヒトの眼の自覚症状を改善する剤および方法に関する。
 従来、眼の異常の改善は、外部的な観察や評価(他覚所見)が中心として判断され、眼の不快感や違和感(自覚症状)といった患者の主観的視点からの評価は重視されていなかった。例えば、眼の異常の1つであるドライアイの改善効果は、涙液量の正常化や、角結膜上皮の障害部位の減少といった、他覚所見を中心に評価されてきている。実際、日本ではヒアルロン酸ナトリウム、ジクアホソルナトリウム、レバミピドが、米国ではシクロスポリンが、各々ドライアイの処方点眼薬として承認されているが、他覚所見の改善に加え、自覚症状の改善を満たすものとして承認されたものはない。
 ドライアイなどの眼の異常に対する疎水基が結合したヒアルロン酸(例えば、特表2009-511423号公報参照)の効果が知られているが、その効果は、前記のとおりもっぱら「他覚所見」に基づくものであり、自覚症状の改善ないし治療といった視点での評価自体、行われていなかった。
特表2009-511423号公報
 他覚所見と自覚症状は必ずしも同様の傾向を示すわけではなく、他覚所見は良好でも自覚症状は不良、逆に自覚症状はなくても他覚所見は不良ということもある。また、既存のドライアイ処方の点眼薬は、患者においてその薬効が発現するまで長期間の投与が必要であり、症状の強いドライアイ患者では同じ点眼薬を根気強く長期間継続して投与する意思・意欲自体が失われるという問題があり、投与開始後初期から薬効を発現する薬剤の提供が望まれていた。
 本発明は、ヒトの眼の自覚症状を改善するための剤および方法の提供を課題とする。
 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ヒアルロン酸(以下「HA」ともいう。)に桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合した化合物が、ヒトの眼における自覚症状を改善する効果を発揮することを見出し、本発明に至った。
 すなわち本発明は、桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したHAを含有する、ヒトの眼における自覚症状の改善剤(以下「本発明製剤」ともいう。)を提供する。この製剤は、溶液であり、かつ、桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したHAが0.3%(w/v)の濃度で含有されていることが好ましい。またこれが投与されるヒトは、ドライアイを伴っているヒトであることが好ましい。
 また本発明は、桂皮酸アミノプロピルが共有結合したHAをヒトの眼に投与するステップを含む、ヒトの眼における自覚症状の改善方法(以下「本発明方法」という。)を提供する。この桂皮酸アミノプロピルが共有結合したHAは、その0.3%(w/v)の溶液で投与されることが好ましい。また投与されるヒトは、ドライアイを伴っているヒトであることが好ましい。
 本発明により、ヒトの眼の自覚症状を改善するHAベースの製剤、およびHAベースの化合物を用いたヒトの眼の自覚症状の改善方法が提供される。
製剤をモデル動物の眼に1日1回投与した場合のフルオレセイン染色の程度を示す。 製剤をモデル動物の眼に1日6回投与した場合のフルオレセイン染色の程度を示す。 製剤をヒト患者の眼に投与した場合の自覚症状(眼の不快感)の推移を示す。 製剤をヒト患者の眼に投与した場合の自覚症状(乾燥感)の推移を示す。 製剤をヒト患者の眼に投与した場合の自覚症状(ザラザラ感)の推移を示す。 製剤をヒト患者の眼に投与した場合の各種自覚症状のうち最も悪いものの推移を示す。 製剤をヒト患者の眼に投与した場合の全自覚症状の平均値の推移を示す。 製剤をヒト患者の眼に投与した場合の自覚症状(眼の不快感、乾燥感)の平均値の推移を示す。 製剤をヒト患者の眼に投与した場合のフルオレセイン染色の程度を示す。
 本明細書において「ステップ」との語は、独立したステップだけではなく、他のステップと明確に区別できない場合であってもそのステップの所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
 以下、本発明の実施の形態について説明する。
(1)本発明製剤
 本発明製剤は、桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したHA(以下「本化合物」という。)を含有する、ヒトの眼における自覚症状の改善剤ないし改善用医薬である。
(1-1)本化合物
 本発明製剤の有効成分である本化合物は、桂皮酸アミノアルキルエステルとHAとが共有結合した化合物(ヒアルロン酸誘導体)である。「桂皮酸アミノアルキルエステル」としては、例えば、桂皮酸アミノエチルエステル、桂皮酸アミノプロピルエステル等を挙げることができる。なかでも桂皮酸2-アミノエチルエステルや、桂皮酸3-アミノプロピルエステルが好ましく、特に桂皮酸3-アミノプロピルエステルが好ましい。以下の説明を含め、本明細書における「桂皮酸アミノアルキルエステル」の語は、これらの具体的な、ないし好ましい桂皮酸エステルを包含し、これに置換できることは、容易に理解されることであろう。
 このような「桂皮酸アミノアルキルエステル」が共有結合することとなるHAは、N-アセチル-D-グルコサミンとD-グルクロン酸とがβ1,3結合で結合してなる二糖単位を構成単位とし、当該二糖単位がβ1,4結合により繰り返し結合することにより構成されているグリコサミノグリカンである限りにおいて特に限定されない。また塩を形成しない遊離状態であっても、薬学的に許容されうる塩を形成していても構わない。
 HAの薬学的に許容されうる塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属イオン塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属イオン塩、アンモニウム塩等の無機塩基との塩、ジエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、アミノ酸等の有機塩基との塩が例示される。HA塩としては、アルカリ金属イオンとの塩がより好ましく、ナトリウムイオンとの塩が特に好ましい。
 HAは、鶏冠、臍帯、軟骨、皮膚など生体の一部から抽出し得られる天然物由来のもの、化学合成されたもの、微生物の培養又は遺伝子工学的手法により生産させたものの何れでも構わない。なお本化合物は生体に投与されるので、本化合物は勿論、その原料となるHAも、医薬として混入が許されない物質を実質的に含まない高純度のものが好ましい。
 HAの重量平均分子量は特に限定されないが、例えば1万~500万が挙げられる。HAの重量平均分子量は、好ましくは20万~300万であり、より好ましくは50万~250万が例示される。なおHAの重量平均分子量は、極限粘度法で測定することができる。
 このようなHAと、桂皮酸アミノアルキルエステルとを共有結合させることにより、本化合物を製造することができる。この共有結合の様式も限定されないが、桂皮酸アミノアルキルエステルのアミノ基とHAのカルボキシ基とがアミド結合している様式のものが好ましい。以下、この共有結合がアミド結合である本化合物を例として挙げ、説明する。
 本化合物において、HAにおけるカルボキシ基のすべてが、桂皮酸アミノアルキルエステルとアミド結合している必要はなく、その一部がアミド結合していてもよい。以下、HAに存在する全カルボキシ基のうち、アミド結合を形成している割合を「導入率」(DS)という。DSは、HAの構成二糖単位当たりの桂皮酸アミノアルキルエステル残基の導入の割合(%)で計算される。例えば、構成二糖単位当たり1個の桂皮酸アミノアルキルエステル残基が導入されたHA誘導体、及び、200糖(構成二糖単位として100個)当たり1個の桂皮酸アミノアルキルエステル残基が導入されたHA誘導体のDSは、各々、100%及び1%である。
 本化合物における好ましいDSとしては、3~30%を、より好ましくは10~20%を、さらに好ましくは12~18%を例示することができる。
 本化合物は、桂皮酸アミノアルキルエステルを構成するアミノアルカノール(例えば、アミノエタノール(2-アミノエタノールなど)や、アミノプロパノール(3-アミノプロパノールなど))由来のアミノ基を、HAのカルボキシ基とアミド結合させることにより製造することができる。
 かかる桂皮酸アミノアルキルエステルは、桂皮酸のカルボキシ基とアミノアルカノールの水酸基とがエステル結合により結合しているエステル化合物である。なお桂皮酸アミノアルキルエステルを構成する桂皮酸は、置換基を有している置換桂皮酸でも構わない。
 本化合物は、特開2002-249501号公報、WO2008/069348号パンフレットなどに記載されている方法に準じて製造することができる。
 製造方法は例えば、桂皮酸アミノアルキルエステルとHAとをアミド結合により化学的に結合させうる方法であれば特に限定されない。製造方法としては例えば、水溶性カルボジイミド(例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)、1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリノエチル)カルボジイミド-メト-p-トルエンスルホン酸塩)等の水溶性の縮合剤を使用する方法、N-ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)等の縮合補助剤と上記の縮合剤とを使用する方法、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMT-MM)等の縮合剤を用いる方法、活性エステル法、酸無水物法などが挙げられる。
 本化合物は、予め桂皮酸とアミノアルカノール(例えば、3-アミノプロパノール。以下同じ。)を反応させて桂皮酸アミノアルキルエステル(例えば、桂皮酸3-アミノプロピルエステル。以下同じ。)を調製し、この桂皮酸アミノアルキルエステルのアミノ基とHAのカルボキシ基とをアミド結合させて調製してもよく、アミノアルカノールのアミノ基とHAのカルボキシ基とをアミド結合させてアミノアルカノールが導入されたHAを調製し、その後、桂皮酸のカルボキシ基と、前記アミノアルカノールが導入されたHAにおけるアミノアルカノール由来の水酸基とをエステル結合させて調製してもよい。
(1-2)製剤化
 本発明製剤は、桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したHAを含有させ、製剤化することで製造することができる。製剤化の方法は、ヒトの眼に投与される製剤ないし医薬とすることができる限りにおいて特に限定されないが、溶液形態であることが好ましい。この溶液は、眼用溶液ないし点眼溶液であることが好ましい。
 また本化合物は、後述するとおり、0.3%(w/v)の濃度で顕著ないし異質な効果を奏することから、本発明製剤は、溶液でありかつ本化合物が0.3%(w/v)の濃度で含有されている形態が特に好ましい。
 このような製剤化にあたり、必要に応じ薬学的に許容される担体を添加すること、滅菌すること、ヒトの眼への投与に適した容器に充填することなどは、当業者が適宜実施することができる。
 本発明製剤には例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、イプシロン-アミノカプロン酸などの緩衝化剤;塩化ナトリウム、塩化カリウム、濃グリセリンなどの等張化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの界面活性剤;塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤などを必要に応じて選択し、添加することができる。
 また本発明製剤のpHは、眼科製剤として許容される範囲内にあればよいが、pH5~6の範囲であることが好ましい。
(1-3)本発明製剤の使用方法
 本発明製剤は、これをヒトの眼に投与することにより使用することができる。本発明製剤のヒトの眼への投与は、ヒトの眼への投与として医学的に許容される態様で行われ、かつ本発明の効果を発揮できるものである限りにおいて特に限定されない。
 投与の具体的方法は特に限定されず、製剤形態に応じて適宜投与すればよいが、点眼を好ましく例示することができる。
 また本発明製剤の投与の回数・頻度等は特に限定されないが、1日1~6回、1日4回程度の投与、毎日の投与、14日以上の毎日の連続投与、28日以上の毎日の連続投与などが好ましく例示され、これらの組み合わせ(例えば、1日4回程度かつ毎日の投与や、1日4回程度かつ14日以上の毎日の連続投与、1日4回程度かつ28日以上の毎日の連続投与)がより好ましく例示される。また1回の投与量として、1、2ないし3滴の投与量を例示することができる。
 本発明製剤をヒトの眼に投与することで、ヒトの眼の自覚症状を改善することができる。投与の対象となるヒトは、眼の自覚症状があるヒトであれば特に限定されない。また投与の目的も、ヒトの眼の自覚症状の改善を目的とする限りにおいて特に限定されない。
 本明細書における「眼の自覚症状」は特に限定されず、眼の不快感(Ocular discomfort)(製剤の眼への投与それ自体による物理的刺激等の不快感は含まない。例えば、ドライアイ患者が通常感じる不快感は含まれる。)、乾燥感(dryness)(眼が乾いた感じがすることである。)、灼熱感(burning)(眼が熱くてひりひりするような感覚である。)、異物感(foreign body)(瞬きのときに何かが当たるような違和感や眼がゴロゴロする感覚である。)、ザラザラ感(grittiness)(眼の表面が滑らかでない感じがすることであり、たとえば砂が眼に入っているかのような感覚である。)、チクチク感(stinging)(針で刺すような痛みを感じることをいう。)、ショボショボ感、かゆみ、光がまぶしい、物がかすんで見える、物がぼやけて見えるなどの症状を例示することができ、これらの1又は2以上の症状に対して本発明製剤を適用することができる。
 本発明製剤は特に、眼の不快感、乾燥感、灼熱感、ザラザラ感、チクチク感からなる群から選ばれる1又は2以上の自覚症状、なかでも眼の不快感、乾燥感、灼熱感、ザラザラ感からなる群から選ばれる1又は2以上の自覚症状、とりわけ眼の不快感、乾燥感、ザラザラ感からなる群から選ばれる1又は2以上の自覚症状に対して効果的であることから、これらの自覚症状があるヒトに投与されることが好ましく、またこれらの症状の改善を目的に投与されることが好ましい。
 本発明製剤は、特に投与開始後すみやかに自覚症状の改善効果を発揮し、投与開始後初期における自覚症状の改善に効果的であることから、このような投与開始後初期における自覚症状改善の目的に用いられることも好ましい。本明細書において「投与開始後初期」とは、投与開始後数週間までの期間を例示することができ、投与開始日を0日目として、13日目程度までの期間を好ましく例示することができ、6日目程度までの期間をさらに好ましく例示することができる。
 また本明細書において「投与開始直後」とは、投与開始の翌日を意味する。
 ヒトの眼の自覚症状の中でも眼の不快感及び乾燥感はドライアイ患者の主訴として最も多く、全体の約80%を占める。この症状を投与開始後初期に、特に投与開始直後から改善することにより、ドライアイ患者による自発的な投与の継続を促し、期待される治療効果を確実に発揮させることができる。後述する実施例に示すとおり、本発明製剤は、これらの自覚症状スコアの平均値の解析において、投与開始直後及び投与後初期から薬効を発現したことから、本発明製剤は患者自身による自発的な投与の継続と治療効果が期待できる。
 また本発明製剤は、特に前記の自覚症状を強く感じているヒト(自覚症状の強いヒト、例えば、最も強い自覚症状の平均スコアが2.5以上を示すヒト。)における、当該症状の改善に効果的であることから、このようなヒトに、このような目的で投与されることも好ましい。ここにいう「スコア」とは、後述する実施例で説明するとおり、投与されたヒト自身が、自己の知覚したところに従って前記の各種感覚を評価した0(自覚症状がない)~5(自覚症状が最も強い)の点数を意味する。その各種の感覚についてのスコアのうち、最も高い点数が平均2.5以上であるヒトが「最も強い自覚症状の平均スコアが2.5以上を示すヒト」である。また本発明製剤が投与されるヒトは、ドライアイ(本明細書において、ドライアイ疾患、ドライアイ症候群と同じ意味である。)を伴っているヒトであることが好ましい。
 本発明製剤は、例えば、一日中眼が酷使され、自覚症状が最も強く現れると考えられる就寝前(before bedtime)の自覚症状の改善に特に効果的であることから、このような就寝前における自覚症状の改善を目的に用いることができる。
 本明細書において自覚症状の「改善」とは、自覚症状の減少を意味する。自覚症状の改善は、自覚症状のスコアの減少によって定量的に評価することができる。
(2)本発明方法
 本発明方法は、本化合物(本発明製剤の形態であるものも当然に含まれる。)をヒトの眼に投与するステップを含む、ヒトの眼における自覚症状の改善方法である。本発明方法は、前記「(1)本発明製剤」の説明にしたがって同様に実施することができる。したがって、例えば、本化合物を0.3%(w/v)の溶液で投与することが好ましいこと、投与されるヒトはドライアイを伴っていることが好ましいことなども、前記と同様である。
 本発明は、本化合物のヒトの眼における自覚症状の改善における使用、及び本発明製剤のヒトの眼における自覚症状の改善における使用を包含する。
 以下、本発明を実施例によって説明する。しかしながら、これにより本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
[実施例1]桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したHAの調製
 重量平均分子量88万(極限粘度法で測定)のHAを出発原料とし、特開2002-249501号公報の実施例2に記載の方法に準じて、桂皮酸アミノプロピルエステルが共有結合したHAを調製した。以下、この「桂皮酸アミノプロピルエステルが共有結合したHA」を「HA-3APC」と略記する。製造されたHA-3APCを、特開2002-249501号公報の実施例に記載の方法で分析した結果、HA繰返し二糖単位当たりの桂皮酸アミノプロピルエステルの導入率は15.3%であった。
[実施例2]点眼薬の調製1
 実施例1で調製したHA-3APC(被験物質)に、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)を加えて、HA-3APCの0.5w/v%、0.3w/v%及び0.1w/v%の各溶液を調製した後、0.22μmフィルターにてろ過滅菌し、これらを点眼薬とした。以下これらの点眼薬を、それぞれ0.5%被験物質溶液、0.3%被験物質溶液、0.1%被験物質溶液という。
[参考例1]ドライアイ疾患モデル動物を用いた試験
(1)モデル動物の作製
 7週齢のSD系雄性ラット(SPF)をジエチルエーテルで軽麻酔した後、イソフルラン吸入麻酔下で左右両側の頬部の毛を刈った。
 毛を刈った部分を70%エタノール水溶液で消毒した後、耳の下方約7mmの部分を縦方向に約7mm切開し、両眼の眼窩外涙腺を摘出した。次いで切開創部分に抗菌剤(タリビット(登録商標)眼軟膏)を塗布し、創部を縫合した後、縫合部を10%ポビドンヨード液で消毒した。
 この涙腺摘出から2か月後、イソフルラン吸入麻酔下で、両眼の角膜上皮をフローレス(登録商標)試験紙(昭和薬品化工株式会社)を用いてフルオレセイン染色した。これにより、角膜上皮の欠損部分(障害部分)が、フルオレセインで染色されることとなる。
 スリットランプ(SL-D7、TOPCON CORPORATION社製)点灯下で角膜全体を肉眼的に上から3分割し、その各部分ごとに、以下の基準で角膜上皮障害の程度をスコア化した(1眼あたり9点満点となる)。各個体のスコアは両眼の平均値で表示した。またスコア化した各個体の角膜全体を、デジタル撮影ユニットを用いて撮影した。
(基準)
0点:点状染色がない
1点:疎(点状のフルオレセイン染色が離れている)
2点:中間(疎と密の中間)
3点:密(点状のフルオレセイン染色のほとんどが隣接している)
(2)群分け
 上記のとおり作製しスコア化したモデル動物を、群間の平均スコアが同じになるように、表1に示す9つの群に分けた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
(3)試験方法
 各群に、表1にしたがって投与物質を投与した。投与は、連続分注器(マルチペットプラス、Eppendorf社製)を用い、点眼により行った。なお1日6回投与する群は1.5時間間隔で1日計6回、1日1回投与する群については1日6回投与する群の初回投与に合わせて1日1回、それぞれ投与し、これを計21日間(3週間)継続した。投与開始直後(0週間目)、3日目、1週間目、2週間目及び3週間目に、それぞれ角膜上皮障害の程度を評価した。評価は、前記の基準にしたがい、ブラインド下でスコア化することにより行った。
 各群の結果は平均値±標準誤差で示した。被験物質溶液を投与した群の、各評価時点における各群のスコアについて、Shirley-Williams検定及びJonckheere-Terpstra検定によって用量反応性を確認した。いずれも危険率5%未満を有意とした。
(4)試験結果
 結果を図1及び図2に示す。Shirley-Williams検定による用量反応性検定において、1日1回投与した群(図1)では、0.5%を投与した群については3日目以降のすべての評価時点において、0.1%を投与した群及び0.3%を投与した群については1週間目及び3週間目において、それぞれ対照(1日1回)群に対し有意であった。また、1日6回投与した群(図2)では、被験物質を投与したすべての群について、3日目以降のすべての評価時点において、対照(1日6回)群に対し有意であった。
 また、Jonckheere-Terpstra検定による用量反応性の傾向検定において、1日1回投与した群(図1)では、3日目、2週間目及び3週間目において、1日6回投与した群(図2)では、すべての評価時点において、ヨンキー統計量が有意であった。
 1日1回投与、1日6回投与ともに、最終評価時点である3週間目において両検定とも有意であったことから、1日の投与回数にかかわらず用量反応性があることが示された。
[実施例3]点眼薬の調製2
 実施例1で調製したHA-3APCに、基材(等張化剤として塩化ナトリウム、塩化カリウム、緩衝剤としてリン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、安定化剤としてエデト酸二ナトリウム及び防腐剤として0.003%の塩化ベンザルコニウム)を添加し、pH5.0~6.0となるように調整して、0.5w/v%及び0.3w/v%の各HA-3APC水溶液を調製した後、0.22μmフィルターにてろ過滅菌し、これを点眼薬とした。以下、これらを、それぞれ0.5%点眼薬、0.3%点眼薬という。また、HA-3APCを含有しない基材水溶液をプラセボとした。
[実施例4]ドライアイ患者を対象としたCAE(登録商標)モデルを用いた臨床試験
(1)被験者
 下記条件A)~C)をすべて満たす者を被験者とした。
A)18歳以上である
B)書面でのインフォームドコンセントに同意した
C)両眼ともにドライアイの既往歴がある
 ただし、以下のa)~d)のいずれか1つにでも該当する者は、試験から除外した。
a)コンタクトレンズを使用している者
b)制御不良な全身性疾患の患者
c)制御不良な精神疾患、薬物又はアルコール依存症の患者
d)授乳中、妊娠中又は妊娠を計画している女性
(2)試験方法
 湿度が低く維持され、温度、風の流れ、照明、及び眼を使う作業が制御された環境下で試験が行われる、眼科分野での確立した治療評価系であるCAE(登録商標)モデル(Controlled Adverse Environment(CAE(登録商標))モデル、Ora, Inc, Andover, MA, USA)(George W. Ousler et al. Ann Allergy Asthma Immunol. 2004;93:460-464参照)の下で、多施設共同無作為化二重盲検比較試験を行った。
 まず試験への導入として、被験者の両眼の各々に、プラセボを、1回あたり1滴で、1日4回(朝、正午、午後、夜就寝前)点眼し、これを導入期間(2週間)の間継続した。被験者には、この点眼期間中の毎日、就寝時(就寝前の点眼前)に、眼の自覚症状(眼の不快感、乾燥感、灼熱感、ザラザラ感及びチクチク感)の各々につき、自己の知覚に従ってスコアをつけさせ、これを日誌に記録させた。スコアは、0(自覚症状がない)~5(自覚症状が最も強い)とした。
(3)点眼薬の投与
 その後、被験者の両眼の各々に、実施例3で調製した0.5%点眼薬、0.3%点眼薬又はプラセボを、1回あたり1滴で、1日4回(朝、正午、午後、夜就寝前)点眼し、これを4週間継続した。被験者には、点眼期間中の毎日、就寝時(就寝時における点眼前)に前記と同様にスコアをつけさせ、これを日誌に記録させた。
(4)結果
 点眼薬投与開始の直前期(点眼薬投与開始の7日前~1日前の期間)の自覚症状を強く感じている(最も強い(点数が高い)自覚症状スコア(Worst symptom score)の平均が2.5以上であった)被験者について評価し、投与期間中の経時変化をグラフ化した。
 この評価には、各投与群における第0日目に行われる点眼の直前期(点眼薬投与開始の7日前~1日前の期間)の自覚症状スコア平均値(ベースライン)からの差を用いた。またこの評価には、各評価時点における、各投与群の、各自覚症状についてのスコアの平均値を用いた。結果を図3~図8に示す。
 なお、これらの結果は、1日中眼を使い続けた疲労の蓄積した時点である「就寝時(就寝時における点眼前)」におけるものであり、自覚症状が最も強く出ることが考えられ、睡眠にも大きく影響しうる時点のものである。すなわち以下の結果は、自覚症状が強い患者について、1日のうちで最も症状の強く出ると思われる時点で評価したものである。
 なお、0.5%点眼薬、0.3%点眼薬、プラセボ、を投与した各群の数は、それぞれ23、26、26であった。
(4-1)眼の不快感
 結果を図3に示す。解析の結果、0.3%点眼薬群では、以下の期間においてプラセボ群に対し統計学的に有意な自覚症状の減少がみられた。
・第0日目~第6日目(P=0.0219、t-test;P=0.0249、ANCOVA)
・第0日目~第13日目(P=0.0143、t-test;P=0.0210、ANCOVA)
・第0日目~第20日目(P=0.0387、t-test)
・第7日目~第13日目(P=0.0233、t-test;P=0.0407、ANCOVA)
 一方、0.5%点眼薬群は、第21日目~第27日目の期間においてのみ、プラセボ群に対し統計学的に有意な差がみられた(P=0.0306、検定手法:t-test)。
 このように、0.3%点眼薬は、ヒトの眼の自覚症状(眼の不快感)に対し、点眼薬投与開始後初期(第0日目~第20日目)に改善効果を発現し、かつその効果は0.5%点眼薬よりも優れているという驚くべき結果を示した。
(4-2)乾燥感
 結果を図4に示す。解析の結果、0.3%点眼薬群では、以下の期間においてプラセボ群に対し統計学的に有意な自覚症状の減少がみられた。
・第0日目~第6日目(P=0.0480、t-test)
・第0日目~第13日目(P=0.0173、t-test;P=0.0259、ANCOVA)
・第0日目~第20日目(P=0.0466、t-test)
・第7日目~第13日目(P=0.0140、t-test;P=0.0240、ANCOVA)
・第0日目~第27日目(P=0.0365、Wilcoxon rank sum)
 一方、0.5%点眼薬群では、統計学的有意差がみられなかった。
 このように、0.3%点眼薬は、ヒトの眼の自覚症状(乾燥感)に対し、点眼薬投与開始後初期(第0日目~第27日目)に改善効果を発現し、かつその効果は0.5%点眼薬よりも優れているという驚くべき結果を示した。
(4-3)ザラザラ感
 結果を図5に示す。解析の結果、0.3%点眼薬群では、第0日目~第13日目の期間においてプラセボ群に対し統計学的に有意な自覚症状の減少がみられた(P=0.0286、Wilcoxon rank sum)
 一方、0.5%点眼薬群では、統計学的有意差がみられなかった。
 このように、0.3%点眼薬は、ヒトの眼の自覚症状(ザラザラ感)に対し、点眼薬投与開始後初期(第0日目~第13日目)に改善効果を発現し、かつその効果は0.5%点眼薬よりも優れているという驚くべき結果を示した。
(4-4)最も強い自覚症状スコア
 図6は、各患者における各自覚症状(眼の不快感、灼熱感、乾燥感、ザラザラ感及びチクチク感)のうち、最も強いもの(症状スコアが高いもの)の結果を示したものである。
 解析の結果、0.3%点眼薬群では、以下の期間においてプラセボ群に対し統計学的に有意な自覚症状の減少がみられた。
・第0日目~第13日目(P=0.0232、t-test;P=0.0324、ANCOVA)
・第7日目~第13日目(P=0.0204、t-test;P=0.0308、ANCOVA)
 一方、0.5%点眼薬群では、統計学的有意差がみられなかった。
 このように、0.3%点眼薬は、ヒトの眼の自覚症状のうち最も強いものに対し、点眼薬投与開始後初期(第0日目~第13日目)に改善効果を発現し、かつその効果は0.5%点眼薬よりも優れているという驚くべき結果を示した。
(4-5)自覚症状スコアの平均値
 図7は、各患者における各自覚症状(眼の不快感、灼熱感、乾燥感、ザラザラ感及びチクチク感)のスコアの平均値について解析した結果である。
 0.3%点眼薬群では、以下の期間においてプラセボ群に対し統計学的に有意な自覚症状の減少がみられた。
・第0日目~第6日目(P=0.0481、t-test)
・第0日目~第13日目(P=0.0404、t-test;P=0.0422、ANCOVA)
・第7日目~第13日目(P=0.0148、Wilcoxon rank sum)
 一方、0.5%点眼薬群では、統計学的有意差がみられなかった。
 このように、0.3%点眼薬は、ヒトの眼の自覚症状全般に対し、点眼薬投与開始後初期(第0日目~第6日目)に改善効果を発現し、かつその効果は0.5%点眼薬よりも優れているという驚くべき結果を示した。
(4-6)自覚症状スコア(眼の不快感、乾燥感)の平均値
 図8は、各患者における各自覚症状(眼の不快感、乾燥感)のスコアの平均値について解析した結果である。
 0.3%点眼薬群では、以下の期間及び日においてプラセボ群に対し統計学的に有意な自覚症状の減少がみられた。
・第0日目~第13日目(P=0.0111、t-test;P=0.0080、Wilcoxon rank sum;P=0.0138、ANCOVA)
・第1、4、5、8、9、10日目(それぞれ、P=0.0235、0.0066、0.0046、0.0018、0.0313、0.0145、t-test)
 一方、0.5%点眼薬群では、統計学的有意差がみられなかった。
 このように、0.3%点眼薬は、ヒトの眼の自覚症状のうち、患者からの訴えが特に多い自覚症状である、眼の不快感、乾燥感の平均値に対し、点眼薬投与開始直後(驚くべきことに、点眼薬投与の開始翌日)に効果があり、また、点眼薬投与開始後初期(第0日目~第13日目)に改善効果を発現し、かつその効果は0.5%点眼薬よりも優れているという驚くべき結果を示した。
(5)CAE(登録商標)前後のフルオレセイン染色スコアの変化
 第28日目の各被験者に対し、CAE(登録商標)の前後における、角膜全体及び角結膜全体のフルオレセイン染色(角結膜上皮障害部位の染色)スコアの変化を評価した。結果を図9に示す。
 解析の結果、0.3%点眼薬群では、角膜全体及び角結膜全体の双方において、プラセボ群に対し、統計学的に有意な染色スコアの減少がみられた。
 一方、0.5%点眼薬群では、角膜全体及び角結膜全体のいずれについても、統計学的有意差がみられなかった。
 このように、0.3%点眼薬は、ヒトの眼の角結膜上皮障害の発生を低減させる効果を発現し、かつその効果は0.5%点眼薬よりも優れているという驚くべき結果を示した。
(6)安全性評価
 0.3%点眼薬群、0.5%点眼薬群とプラセボ群間で、全身性の有害事象発現率、眼部の有害事象発現率及び副作用発現率のいずれについても統計学的に有意な差はみられず、HA-3APCの安全性が懸念される事象は見られなかった。
 日本国特許出願2001-385072号(出願日:2001年12月18日)、日本国特許出願2008-519554号(出願日:2006年10月12日)及び日本国特許出願2014-263710号(出願日:2014年12月26日)の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
 本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。
 本発明製剤はヒトの眼の自覚症状を改善する製剤として、本発明方法はHAベースの化合物を用いたヒトの眼の自覚症状の改善方法として、産業上利用することができる。

Claims (9)

  1.  桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したヒアルロン酸を含有する、ヒトの眼における自覚症状の改善剤。
  2.  溶液であり、かつ、桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したヒアルロン酸が0.3%(w/v)の濃度で含有されている、請求項1に記載の剤。
  3.  ヒトが、ドライアイを伴っているヒトである、請求項1又は2に記載の剤。
  4.  桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したヒアルロン酸をヒトの眼に投与するステップを含む、ヒトの眼における自覚症状の改善方法。
  5.  桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したヒアルロン酸を、その0.3%(w/v)の溶液で投与する、請求項4に記載の方法。
  6.  ヒトが、ドライアイを伴っているヒトである、請求項4又は5に記載の方法。
  7.  桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したヒアルロン酸のヒトの眼における自覚症状の改善における使用。
  8.  桂皮酸アミノアルキルエステルが共有結合したヒアルロン酸を、その0.3%(w/v)の溶液で投与する、請求項7に記載の使用。
  9.  ヒトが、ドライアイを伴っているヒトである、請求項7又は8に記載の使用。
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