JPH09136504A - 自動二輪車用タイヤ - Google Patents

自動二輪車用タイヤ

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JPH09136504A
JPH09136504A JP8271081A JP27108196A JPH09136504A JP H09136504 A JPH09136504 A JP H09136504A JP 8271081 A JP8271081 A JP 8271081A JP 27108196 A JP27108196 A JP 27108196A JP H09136504 A JPH09136504 A JP H09136504A
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ジョージ ノック ナイジェル
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    • Y10T152/10765—Characterized by belt or breaker structure

Abstract

(57)【要約】 【課題】レースサーキットの形態に合わせて走行性能を
向上できる。 【解決手段】トレッドゴム２は、夫々各トレッド縁３、
４からタイヤ赤道ＣＬ側にのびるとともにジョイント面
２４で接合される２つのトレッド部分２Ｌ、２Ｒからな
り、かつトレッド部分２Ｌ、２Ｒは、配合の異なるゴム
基材が用いられるとともに、前記ジョイント面２４のジ
ョイント巾ＪＷを、前記トレッド縁３、４間のトレッド
巾ＴＷよりも小とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車用タイ
ヤ、特にレース用のハイパフォーマンスタイヤとして好
適に採用しうる自動二輪車用タイヤに関する。
【０００２】
【従来の技術】レース等に用いられる自動二輪車用タイ
ヤは、車体が旋回時に大きく傾いた際に路面との良好な
接地性を得るように、タイヤ軸を含む断面において明瞭
に湾曲する極めて広巾のトレッド面を具える。
【０００３】このような自動二輪車用タイヤのトレッド
は、レーシングタイヤ特有の高発熱と厳しい条件とによ
ってタイヤがスポンジ状に熱分解しないように、優れた
耐久性、耐摩耗性、耐損傷性が要求されるばかりでな
く、超高速での旋回走行を許容する高いグリップ性も要
求される。
【０００４】一般に、グリップ性のよいゴムはtan δが
大きく発熱が高いため、前述した２つの要求は、大きく
矛盾するゴム特性の組合わせとなり、トレッドゴムの組
成は、最良の特性バランスを与える折衷物でなければな
らない。
【０００５】一方、自動二輪車レース用のサーキットの
形態は、カーブ、コーナ、直進路の独特の組合わせであ
り、多くのレース用サーキットにおいて、自動二輪車
は、短い時間の直立走行によって中断されつつ左から右
へ車体を傾かせるような絶え間ない方向転換が要求され
る。
【０００６】従って、レース用サーキット上で、自動二
輪車用タイヤは、サーキットの各１周の間において、そ
のトレッド面の全ての部分でほぼ均等に走行する。この
ような条件下でトレッドの全体がほぼ均一な温度に達
し、ライダーに運転操作の自信をもたせて走行させるた
めの全トレッドに亘る不変の路面との接触特性、すなわ
ちグリップ性を示すわけである。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レース
路には、タイヤのトレッドの全体に亘る均一な特性を促
すことには不利な形態のものもある。例えばそのような
レース路は、サーキットの大半を占める同じ方向のカー
ブの連続と、サーキットの残りの小さな部分を構成する
反対方向の少ないが鋭いカーブとを具える。
【０００８】このようなサーキットでは、タイヤは比較
的長時間の一方のショルダ部での走行を余儀なくされ、
このショルダ部が発熱により高温になるが、他方のショ
ルダ部は急な傾きのみによる走行であるため比較的低温
のままであり、従ってタイヤはグリップ性の低下として
明白となる実質的に異なる路面との接触特性を有するこ
ととなる。
【０００９】このような難しいサーキットでは、トレッ
ド面の一方のショルダ部での超高速走行による継続した
高温に耐えるための耐久性、耐摩耗性、耐損傷性がトレ
ッドゴムに必要とされるが、このトレッドゴムではグリ
ップ性が低下してしまい、ハイパフォーマンスタイヤと
しての特性を阻害するという問題点がある。
【００１０】つまり低温に起因するグリップ性の低下に
加えて、低発熱性のトレッドゴム固有の低いグリップ性
のもとで鋭いコーナをうまく回らなければならない。
【００１１】本発明は、以上に述べた問題点を解決しう
る自動二輪車用タイヤの提供を目的としている。
【００１２】
【課題を解決するための手段】本発明は、正規内圧を充
填した状態においてキャンバー量Ｃ／Ｌが０．５〜０．
７でありかつトレッド面のタイヤ軸方向両側のトレッド
縁（３）（４）がタイヤ最大巾位置をなす自動二輪車用
タイヤであって、タイヤ軸を含む断面において、トレッ
ド面をなすトレッドゴムは、夫々前記各トレッド縁
（３）（４）からタイヤ赤道ＣＬ側にのびるとともにジ
ョイント面（２４）で接合される２つのトレッド部分
（２Ｌ）（２Ｒ）からなり、かつトレッド部分（２Ｌ）
（２Ｒ）は、配合の異なるゴム基材が用いられるととも
に、前記ジョイント面（２４）のタイヤ軸方向両端間の
トレッド面に沿う長さであるジョイント巾ＪＷを、前記
トレッド縁（３）（４）間のトレッド面に沿う長さであ
るトレッド巾ＴＷよりも小とし、しかも前記ジョイント
面（２４）に沿って、補強コードを有する挿入プライ
（２３）を配したことを特徴としている。
【００１３】なおキャンバー量Ｃ／Ｌとは、トレッド面
のタイヤ軸方向の端縁をなすトレッド縁とトレッド面の
タイヤ赤道上の中央点との間のタイヤ軸方向の距離Ｌに
対する、前記中央点とトレッド縁との間の半径方向の距
離Ｃの比Ｃ／Ｌの値を意味する。
【００１４】又前記ジョイント面（２４）の前記ジョイ
ント巾ＪＷを、前記トレッド巾ＴＷの１０〜４０％と
し、かつ前記挿入プライ（２３）のタイヤ軸方向両端の
トレッド面に沿う長さであるプライ巾ＦＷを、前記ジョ
イント巾ＪＷの５０％よりも大とするとともに、ジョイ
ント面（２４）のタイヤ軸方向中央点を、ほぼタイヤ赤
道ＣＬ上に位置させることが、トレッド部の耐久性を増
し、かつハイパフォーマンスタイヤとしての高いグリッ
プ性を確実に確保しうる点で望ましい。
【００１５】さらに前記挿入プライ（２３）の前記補強
コードを、有機繊維コードから形成し、かつタイヤ周方
向に対して１５〜４０°の角度で傾斜させることが、タ
イヤ重量の増加を抑えつつトレッド部を効果的に補強で
き、かつ挿入プライを容易に形成しうる点で望ましい。
【００１６】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の一例を
図面に基づき説明する。図１において本発明の自動二輪
車用タイヤ１は、一対のサイドウォール部８、９とその
半径方向内端部に形成されるビード部１０、１１とを具
える。各ビード部１０、１１は、非伸張性の環状のビー
ドコア１２、１３によって補強されている。
【００１７】又ビード部１０、１１間には、各ビード部
１０、１１でビードコア１２、１３の周りを折返されて
折返し部１５、１６を形成したカーカスプライ１４から
なるカーカスが架け渡されている。
【００１８】前記カーカスプライ１４と折返し部１５、
１６との間には、各ビードコア１２、１３に固定され半
径方向外方に先細状にのびる硬質ゴムからなるビードエ
ーペックス１７、１８が設けられている。
【００１９】前記カーカスプライ１４は、本形態ではナ
イロンコードをラジアル配列した単一のプライからな
る。
【００２０】なお前記ビードエーペックス１７、１８の
半径方向外端１９、２０は、前記カーカスプライ１４
と、前記サイドウォール部８、９を形成するサイドウォ
ールゴム２１、２２との間に介在する。
【００２１】又自動二輪車用タイヤ１は、正規内圧を充
填した状態においてキャンバー量Ｃ／Ｌが０．５〜０．
７、本形態では０．６でありかつ半径方向外方に円弧状
に凸るトレッド面を有するトレッド部を具えるととも
に、前記トレッド面のタイヤ軸方向両側のトレッド縁
３、４がタイヤ最大巾位置をなしている。
【００２２】前記トレッド部には、カーカスプライ１４
の半径方向外側に配されかつアラミドコードファブリッ
クを用いた２枚のブレーカプライ６、７からなるブレー
カ５が設けられ、トレッド部を補強している。
【００２３】前記ブレーカプライ６、７のコードは、タ
イヤ周方向に対してほぼ２５°の角度で互いに交差する
如く反対方向に傾斜している。
【００２４】前記ブレーカ５の半径方向外側に配されか
つ前記トレッド面をなすトレッドゴム２は、夫々前記各
トレッド縁３、４からタイヤ赤道ＣＬ側にのびるととも
にタイヤ軸方向中央点をほぼタイヤ赤道ＣＬ上に位置さ
せたジョイント面２４で接合される２つのトレッド部分
２Ｌ、２Ｒからなる。
【００２５】なお本形態では、前記２つのトレッド部分
２Ｌ、２Ｒは先細状のテーパ部を半径方向に重ねること
により、前記ジョイント面２４を形成している。
【００２６】前記ジョイント面２４のタイヤ軸方向両端
間のトレッド面に沿う長さであるジョイント巾ＪＷは、
前記トレッド縁３、４間のトレッド面に沿う長さである
トレッド巾ＴＷよりも小、好ましくは１０〜４０％、本
形態ではジョイント巾ＪＷを５０mmとしてトレッド巾Ｔ
Ｗの２２％としている。
【００２７】前記ジョイント巾ＪＷがトレッド巾ＴＷの
１０％よりも小さくなると、２つのトレッド部分２Ｌ、
２Ｒの接合面積が過小となり、タイヤ破壊を招くなど、
構造的に不安定となりがちになる一方、逆に４０％をこ
えて大きくなると、タイヤ軸を含む断面において、トレ
ッド面の左右のショルダ部を前記２つのトレッド部分２
Ｌ、２Ｒによって夫々形成することが困難となる。又ジ
ョイント面２４のタイヤ軸方向中央点が、タイヤ赤道Ｃ
Ｌ上から大きく外れて位置すると、２つのトレッド部分
２Ｌ、２Ｒを左右にバランスよく配置できなくなり、前
記左右のショルダ部の該２つのトレッド部分２Ｌ、２Ｒ
を用いた形成が難しくなる。
【００２８】又前記ジョイント面２４に沿って、補強コ
ードを有する挿入プライ２３がタイヤ周方向に連続して
配設され、ジョイント面２４においてトレッド部を補強
している。
【００２９】前記挿入プライ２３は、そのタイヤ軸方向
両端のトレッド面に沿う長さであるプライ巾ＦＷが、前
記ジョイント巾ＪＷの５０％よりも大に設定される。
【００３０】なお本形態では、挿入プライ２３の前記プ
ライ巾ＦＷを４５mmとするとともに、挿入プライ２３
は、タイヤ軸を含む断面において、ジョイント面２４の
半径方向内端からトレッド面上のジョイント面２４の半
径方向外端の５mm以内の位置までのびる。
【００３１】前記プライ巾ＦＷがジョイント巾ＪＷの５
０％未満であると、挿入プライ２３によってジョイント
面２４を十分に補強できなくなる危険がある。
【００３２】又挿入プライ２３の前記補強コードは、ポ
リアミドコード等の有機繊維コード、本形態では２／９
４ＴＥＸのナイロンコードからなり、重量増加を抑制し
ているとともに、該ナイロンコードはゴムコーティング
され、ジョイント面２４における接着性を高め、耐久性
を確保している。
【００３３】さらに前記補強コードは、タイヤ周方向に
対して好ましくは１５〜４０°の角度、本形態ではほぼ
２６°の角度で傾斜して互いに平行に配列されている。
なお補強コードの傾斜方向は、最外側の前記ブレーカプ
ライ６のコードと交差するように定められ、これによっ
て挿入プライ２３によるトレッド部の補強効果を高めう
るとともに、補強コードの密度は、好ましくは７０〜１
３０本／１０cm、本形態では１００本／１０cmに設定さ
れる。
【００３４】前記補強コードのタイヤ周方向に対する角
度が１５°よりも小さいと、ブレーカ５のコードと協働
した補強効果が低下しがちになる一方、逆に４０°より
も大きいと、補強コードによるタガ効果が低減し、トレ
ッド部を十分に補強できなくなる危険がある。
【００３５】又補強コードの密度が７０本／１０cmより
も小さいと、挿入プライ２３によるトレッド部の補強効
果が低下しがちになる一方、逆に１３０本／１０cmより
も大きくすると、タイヤ重量の不必要な増大を招く。
【００３６】そして本発明では、前記２つのトレッド部
分２Ｌ、２Ｒを、配合の異なるゴム基材を用いて形成し
ている。２つのトレッド部分２Ｌ、２Ｒのゴム配合は、
例えば自動二輪車用タイヤ１が用いられるレースサーキ
ットの形態に合わせて異なる特性に設定される。
【００３７】例えば長い緩やかな左方へのカーブと少な
いが急な右方へのコーナとを具えるサーキットを走行す
るために設計された自動二輪車用タイヤ１にあっては、
左側のトレッド部分２Ｌは長い高温走行に対する耐久
性、耐摩耗性、耐損傷性を十分に発揮するようなゴム配
合に設定されるとともに、右側のトレッド部分２Ｒは比
較的低温で高いグリップ性を十分に発揮するようなゴム
配合に設定され、これによって該サーキットに適合され
る。
【００３８】
【発明の効果】叙上の如く本発明の自動二輪車用タイヤ
は、トレッドゴムを、各トレッド縁からタイヤ赤道にの
びジョイント面で接合される２つのトレッド部分から形
成し、かつ２つのトレッド部分に、配合の異なるゴム基
材を用いているため、難しいレースサーキットでの走行
特性を向上でき、レース用として好適に採用しうるとと
もに、ジョイント面に沿って配される挿入プライによっ
てトレッド部を効果的に補強しうる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態の一例を示すタイヤ軸を含
む断面図である。
【符号の説明】
２ トレッドゴム ２Ｌ、２Ｒ トレッド部分 ３、４ トレッド縁 ２３ 挿入プライ ２４ ジョイント面
フロントページの続き (72)発明者 ナイジェル ジョージ ノック イギリス国 イングランド ウェストミッ ドランド ビー76 １エックスアール サ ットン コールドフィールド ウォームリ ィー 23コレヴィレ ロード (72)発明者 マイケル ジャクソン イギリス国 イングランド バーミンガム ビー26 ２エルディー ヤードリィー 32ウェルフォード アヴェニュー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】正規内圧を充填した状態においてキャンバ
    ー量Ｃ／Ｌが０．５〜０．７でありかつトレッド面のタ
    イヤ軸方向両側のトレッド縁（３）（４）がタイヤ最大
    巾位置をなす自動二輪車用タイヤであって、 タイヤ軸を含む断面において、トレッド面をなすトレッ
    ドゴムは、夫々前記各トレッド縁（３）（４）からタイ
    ヤ赤道ＣＬ側にのびるとともにジョイント面（２４）で
    接合される２つのトレッド部分（２Ｌ）（２Ｒ）からな
    り、かつトレッド部分（２Ｌ）（２Ｒ）は、配合の異な
    るゴム基材が用いられるとともに、 前記ジョイント面（２４）のタイヤ軸方向両端間のトレ
    ッド面に沿う長さであるジョイント巾ＪＷを、前記トレ
    ッド縁（３）（４）間のトレッド面に沿う長さであるト
    レッド巾ＴＷよりも小とし、 しかも前記ジョイント面（２４）に沿って、補強コード
    を有する挿入プライ（２３）を配したことを特徴とする
    自動二輪車用タイヤ。
  2. 【請求項２】前記ジョイント面（２４）の前記ジョイン
    ト巾ＪＷを、前記トレッド巾ＴＷの１０〜４０％とし、
    かつ前記挿入プライ（２３）は、タイヤ軸方向両端のト
    レッド面に沿う長さであるプライ巾ＦＷを前記ジョイン
    ト巾ＪＷの５０％よりも大とするとともに、ジョイント
    面（２４）のタイヤ軸方向中央点を、ほぼタイヤ赤道Ｃ
    Ｌ上に位置させたことを特徴とする請求項１記載の自動
    二輪車用タイヤ。
  3. 【請求項３】前記挿入プライ（２３）の前記補強コード
    は、有機繊維コードからなり、かつタイヤ周方向に対し
    て１５〜４０°の角度で傾斜していることを特徴とする
    請求項１又は２記載の自動二輪車用タイヤ。
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