JPH0913271A - 衣料用処理剤組成物及び衣料用処理物品並びに衣料の処理方法 - Google Patents

衣料用処理剤組成物及び衣料用処理物品並びに衣料の処理方法

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JPH0913271A
JPH0913271A JP16411195A JP16411195A JPH0913271A JP H0913271 A JPH0913271 A JP H0913271A JP 16411195 A JP16411195 A JP 16411195A JP 16411195 A JP16411195 A JP 16411195A JP H0913271 A JPH0913271 A JP H0913271A
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博 出島
Junichi Inokoshi
淳一 猪腰
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a) セルロース誘導体、スルホン酸基を含有
するビニル系モノマーを(共)重合して得られる(コ)
ポリマー及びその塩、重合性芳香族系モノマーを必須と
する1種以上の重合性モノマーを重合して得たポリマー
をスルホン化して得られるポリマー又はその塩、低級脂
肪酸ビニルエステルと不飽和カルボン酸又はこれらと共
重合可能なモノマーとを共重合することによって得られ
る水性エマルジョン等の、水溶性ポリマーもしくは水性
エマルジョンを0.01〜20重量%、(b) エタノール、炭素
数1〜4の多価アルコール等を0.1 〜30重量%、及び
(c)分散粒子の平均粒子径が0.01〜10μmの水不溶性シ
リコーンを0.01〜10重量%含有する衣料処理剤組成物。 【効果】 衣料に適度な風合い、肌ざわりを与え、かつ
脱水時に機械的に生じる「シワ」を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衣料用処理剤組成物及び
衣料用処理物品並びに衣料の処理方法に関し、更に詳し
くは、衣料に適度な風合い、肌ざわりを与え、かつ洗濯
脱水後等の衣料が濡れた状態で処理することで、脱水時
に機械的に生じる「シワ」を抑制する衣料用処理剤組成
物及び衣料用処理物品並びに衣料の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
知られている衣類の処理剤としては、液状の糊剤・柔軟
剤及びスプレー糊、あるいはスプレー式の帯電防止剤等
があるが、洗濯脱水時に生じる「シワ」を積極的に取り
除くことを目的としたものはない。また、乾燥している
衣類に生じたシワを取り除くことを目的とした、シワの
ばしスプレー(特開平1−292184、特開平1−292185)
では脱水後の濡れた衣類に致してはその効果が十分でな
い。
【0003】しかしながら、近年、衣生活の多様化に伴
い、綿、麻のような天然繊維に対する嗜好性が高まって
いることや、有職主婦等の職業を持つ女性の増加といっ
たようなライフスタイルの変化により従来のように脱水
により生じるシワに対し、アイロンがけ等の面倒な作業
を必要としない簡単に衣料のシワを取り除くことができ
るような処理剤に対する要求は高まってきている。
【0004】しかしながら、従来のスプレー式糊剤で
は、原則としてアイロンがけが不可欠であり、非常に面
倒であり、かつ衣類を硬く仕上げるため、多様な衣類に
使用できない。帯電防止剤では衣類のシワを充分に取り
除くことはできない。
【0005】従って、本発明が解決しようとする課題
は、衣料に適度な風合い、肌触りを与え、かつ洗濯脱水
時に機械的に生じるシワを抑制する衣料用処理剤組成物
及び衣料用処理物品並びに衣料用処理方法を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、特定の水溶性ポリマ
ー或いは水性エマルジョンと、特定のアルコール系化合
物とカルボン酸系化合物と、分散粒子の平均粒子径が特
定範囲にある水不溶性シリコーンとを、それぞれ特定範
囲で配合して組成物を得、さらにはこの組成物を処理さ
れるべき衣料が湿潤状態にあるときに適用することによ
り、上記目的を達成し得ることを見い出し本発明を完成
するに至った。
【0007】即ち、本発明は下記(a) 成分、(b) 成分、
(c) 成分を含有することを特徴とする衣料用処理剤組成
物を提供するものである。
【0008】(a) 成分:下記 (i)〜(xi)からなる群より
選ばれる1種又は2種以上の水溶性ポリマー及び/又は
水性エマルジョン 0.01〜20重量% ポリマー (i) ;化工澱粉及びその誘導体 ポリマー (ii) ;セルロース誘導体 ポリマー (iii);ポリ酢酸ビニルの鹸化物及びその誘導
体 ポリマー (iv) ;スルホン酸基を含有するビニル系モノ
マー(A) を重合して得られるポリマー及びその塩並びに
該モノマー(A) の2種以上を重合して得られるコポリマ
ー及びその塩 ポリマー (v) ;スルホン酸基を含有するビニル系モノ
マー(A) の1種又は2種以上とその他のビニル系モノマ
ー(B) の1種又は2種以上を重合して得られる、前記モ
ノマー(A) の割合が30mol %以上であるコポリマー及び
その塩 ポリマー (vi) ;重合性芳香族系モノマーを必須成分と
する1種又は2種以上の重合性モノマーを重合して得た
ポリマーをスルホン化して得られるポリマー又はその塩 ポリマー (vii);N−ビニル−2−ピロリドン(C) のホ
モポリマー ポリマー(viii);前記モノマー(C)と、モノマー(C)と共
重合し得るビニル系モノマー(D) の1種又は2種以上を
重合して得られるコポリマー及びその塩(但し、コポリ
マー及びその塩のモノマー組成においてモノマー(C) の
モル分率は30%以上である) ポリマー (ix) ;アクリル酸又はメタクリル酸のホモポ
リマー及びコポリマー並びにこれらの塩 エマルジョン (x);低級脂肪酸ビニルエステル(E) と不
飽和カルボン酸(F) 又は該(E),(F) とこれらと共重合可
能なモノマー(G) とを共重合することによって得られる
水性エマルジョン エマルジョン(xi);重合性芳香族系モノマー(H) と該
(H) と共重合可能なモノマーとを共重合することによっ
て得られる水性エマルジョン (b) 成分:下記の(イ)〜(ニ)からなる群より選ばれ
る水溶性化合物の1種又は2種以上 0.1〜30.0重量% (イ);エタノール及び2−プロパノール (ロ);炭素数1〜4の多価アルコール (ハ);下式(1)で表わされる水溶性化合物
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1, R3はH 又は炭素数1〜12のア
ルキル基、R2はH 又はCH3 、n は2以上の正の整数であ
る。) (ニ);下式(2)で表わされる水溶性化合物
【0011】
【化4】
【0012】(式中、X はOH又はCl、R4は同一か異なっ
ていてもよいH 又は炭素数1〜12のアルキル基、M はH
又はアルカリ金属塩である。) (c) 成分:分散粒子の平均粒子径が0.01〜10μmの範囲
にある水不溶性シリコーン0.01〜10重量% また、本発明は該衣料用処理剤組成物を、その内部に充
填した液体をその外部へ噴霧する装置を具備した容器の
中へ充填してなる衣料用処理物品を提供するものであ
る。さらに本発明は上記本発明の衣料用処理剤組成物
を、濡れた状態にある衣料に噴霧することを特徴とする
衣料の処理方法を提供するものである。以下、本発明に
ついて詳細に説明する。
【0013】〔(a) 成分〕本発明組成物に使用される
(a) 成分は、下記 (i)〜(xi)からなる群より選ばれる1
種又は2種以上の水溶性ポリマー及び/又は水性エマル
ジョンである。
【0014】<ポリマー(i);化工澱粉及びその誘導体
>化工澱粉としては、ヒドロキシアルキル化澱粉(例え
ば、ヒドロキシエチル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱
粉等)、カルボキシアルキル化澱粉(例えばカルボキシ
メチル化澱粉等)、第4級アンモニウム基を有するカチ
オン化澱粉又はこれらを酸化剤(例えばH2O2、NaClO
等)又は酵素により低粘度化したものが使用される。
【0015】この場合において、澱粉に対し置換基(ヒ
ドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、カチオン
基等)が導入される割合を示す置換度(澱粉の全水酸基
数に対し、置換基が導入される水酸基数の割合)は、0.
08〜0.8 、好ましくは 0.1〜0.4 である。置換度が0.08
未満では、化工澱粉の変性により、長期間保存すると沈
澱物が生成し、色物の衣類に使用した時に白化現象が起
こる。また、置換度が0.8 より大きいものを用いた場
合、衣料の風合いの低下が認められるため好ましくな
い。
【0016】ポリマー(i) として好ましいものは、ヒド
ロキシエチル化澱粉及び第4級アンモニウム基を有する
カチオン化澱粉であり、その平均分子量は 5,000〜500,
000が好ましい。
【0017】<ポリマー(ii);セルロース誘導体>セ
ルロース誘導体としては、ヒドロキシアルキルセルロー
ス(例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、
アルキルセルロース(例えばメチルセルロース、エチル
セルロース等)、カルボキシメチルセルロース、第4級
アンモニウム基を有するカチオン化セルロース等が使用
される。この場合において、セルロースに対し置換基
(ヒドロキシアルキル基、アルキル基、カルボキシメチ
ル基、カチオン基等)が導入される割合を示す。置換度
(セルロースの全水酸基数に対し、置換基が導入される
水酸基数の割合)は、 0.5〜1.5 、好ましくは 0.6〜1.
0 である。
【0018】ポリマー(ii)として好ましいものは、カ
チオン化セルロースでありその平均分子量は10,000〜50
0,000 が好ましい。
【0019】<ポリマー(iii);ポリ酢酸ビニルの鹸化
物及びその誘導体>ビニルアルコールのホモポリマー
は、ポリ酢酸ビニルを100mol%鹸化して得られる。ポリ
酢酸ビニルを不完全に鹸化すれば、ビニルアルコールと
酢酸ビニルとのコポリマー状態のものが得られる。
【0020】(a) 成分として使用する場合、ポリ酢酸ビ
ニルを70〜100mol%、好ましくは85〜100mol%鹸化した
ものが好適である。又、このような範囲の鹸化度のポリ
マーに対しカルボン酸変性、カチオン変性を行い、変性
ポリビニルアルコールとして使用することができる。ポ
リマー(iii) の平均分子量としては 5,000〜500,000が
好ましい。
【0021】<ポリマー(iv)>本発明組成物に用いられ
るポリマー(iv)は、スルホン酸基を含有するビニル系モ
ノマー(A) を重合して得られるポリマーもしくはその
塩、又は該モノマー(A)の2種以上を重合して得られる
コポリマーもしくはその塩である。
【0022】本発明組成物の(a)成分として使用される
ポリマー(iv)の分子量は、1000〜600万が好ましく、更
に好ましくは5000〜100 万、特に好ましくは1万〜50万
の範囲である。分子量が1000よりも小さい場合には衣類
の風合いの低下が認められ、また 600万よりも大きい場
合には粘性が高く使用が困難になるために好ましくな
い。
【0023】上記のポリマー若しくはコポリマーを構成
するスルホン酸基を含有するビニル系モノマー(A) とし
ては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニル
スルホン酸、メタリルスルホン酸、スルホプロピルメタ
クリレート及びこれらモノマーの塩からなる群から選ば
れる1種又は2種以上を用いるのが好ましい。この中で
もポリスチレンスルホン酸が特に好ましい。塩として
は、1価の塩としてリチウム、ナトリウム、カリウム等
の金属塩、アンモニウム塩、又はモノ、ジあるいはトリ
エタノールアミン、モルホリン、エチルアミン、ブチル
アミン等の有機アミン塩が挙げられ、2価の塩としてカ
ルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金
属塩、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の
有機アミン塩があり、3価の塩としてはアルミニウム
塩、ジエチレントリアミン等の有機アミン塩、又はポリ
エチレンイミン等の多価有機アミン等が挙げられる。塩
としては特にナトリウム塩が好ましい。
【0024】<ポリマー(v)>本発明組成物に用いられ
るポリマー(v) は、スルホン酸基を含有するビニル系モ
ノマー(A) の1種又は2種以上とその他のビニル系モノ
マー(B) の1種又は2種以上を重合して得られる、前記
モノマー(A) の割合が30 mol%以上であるコポリマー又
はその塩である。
【0025】本発明組成物の(a) 成分として使用される
ポリマー(v) の分子量は<ポリマー(iv)>で述べた範囲
が好ましく、その範囲が好ましい理由も<ポリマー(iv)
>と同じである。また、ここで使用されるモノマー(A)
の種類も<ポリマー(iv)>で述べた通りである。この場
合において、モノマー(A) の共重合相手であるモノマー
(B) としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリル酸、ヒ
ドロキシエチルメタクリル酸等の水溶性モノマー及びこ
れらのモノマーの塩、エチレン、プロピレン、n−ブチ
レン、イソブチレン、n−ペンテン、イソプレン、2−
メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−
ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1
−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン等のオ
レフィンが挙げられる。これらの中でも特にアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ヒド
ロキシエチルアクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリル
酸等の水溶性モノマー及びこれらのモノマーの塩が好ま
しい。なかでも、特にアクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸及びそれらの塩とスチレンが好ましい。コポリマ
ー中のモノマー(A) の比率は 30mol%以上、好ましくは
50mol%以上である。また、(A) と(B) との組合せで
は、スチレンスルホン酸とアクリル酸ナトリウム、スチ
レンスルホン酸とスチレンの組合せがより好ましい。
【0026】ここで使用されるコポリマーは塩として使
用することもでき、そのときの塩の種類は、<ポリマー
(iv)>で述べた通りである。
【0027】<ポリマー(vi)>本発明組成物に用いられ
るポリマー(vi)は、重合性芳香族系モノマーを必須成分
とする1種又は2種以上の重合性モノマーを重合して得
たポリマーをスルホン化して得られるポリマー又はその
塩である。
【0028】このポリマー(vi)の原料となる重合性モノ
マーは、1種でも2種以上を用いてもよいが、このうち
少なくとも1種は芳香族系のモノマーである。この芳香
族系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、インデ
ン等が挙げられる。また芳香族以外のモノマーとして
は、エチレン、ブテン、ブタジエン、ジイソブチレン、
シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等が挙げら
れる。芳香族系モノマーの全モノマー中に占める割合は
60〜100 モル%、特に85〜100 モル%とすることが好ま
しい。
【0029】このようなモノマーから得られるポリマー
の具体例としては、ポリスチレン、スチレン・エチレン
コポリマー、スチレン・ジイソブチレンコポリマー、ス
チレン・ジシクロペンタジエンコポリマー、スチレン・
ビニルトルエン・α−メチルスチレン・インデンコポリ
マーのようなポリマーが挙げられる。就中、最も好まし
いものはポリスチレンであり、これは、スチレンをラジ
カル重合、イオン重合、熱重合等常法により重合するこ
とで得られる。
【0030】このようにして得られたポリマーは、更に
スルホン化する必要がある。スルホン化は、無水硫酸、
クロルスルホン酸、無水硫酸・ルイス塩基錯体等のスル
ホン化剤を用い、任意のスルホン化方法を適用すること
により行うことができる。スルホン化率(スチレン骨格
1個に対してスルホン酸基が1個ついている場合がスル
ホン化率 100%)が60%に満たないと、水溶性が低下
し、洗濯時に除去しにくくなるため好ましくない。好ま
しいスルホン化率は85%以上である。
【0031】このようにスルホン化したポリマー(vi)
は、そのまま本発明組成物中に含有せしめることができ
るが、更に塩として用いることができる。このような塩
としては、<ポリマー(iv)> にて述べたものと同じで
ある。このようにして得られた重合体は、その重量平均
分子量が5000〜100 万、好ましくは5万〜50万であるも
のが好ましい。
【0032】<ポリマー(vii)>本発明組成物に用いら
れるポリマー(vii)は、N−ビニル−2−ピロリドン(C)
のホモポリマーである。
【0033】このポリマー(vii) はモノマー(C) の重合
物であり、その重量平均分子量は、1,000 〜6,000,000
が好ましく、更に好ましくは 2,000〜1,000,000 であ
る。ポリマーの分子量が 1,000より小さい場合、衣料の
風合いの低下が認められ、又、6,000,000 より大きい場
合には、粘性が高く使用が困難となる。
【0034】モノマー(C) の重合物として、例えばアイ
エスピー・ジャパン(株)のPVP Kホモポリマーシリー
ズ PVP K-15, K-30, K-60, K-90 (いずれも商標)等が
挙げられる。これらの化学構造は例えば次のようであ
る。
【0035】
【化5】
【0036】<ポリマー(viii)>本発明組成物に用いら
れるポリマー(viii)は、前記モノマー(C) と、モノマー
(C) と共重合し得るビニル系モノマー(D) の1種又は2
種以上を重合して得られるコポリマー又はその塩(但
し、コポリマー又はその塩のモノマー組成においてモノ
マー(C) のモル分率は30%以上である)である。この場
合、コポリマーの分子量の好ましい範囲及び好ましい理
由については<ポリマー(vii)>にて述べた通りであ
る。
【0037】モノマー(D) として使用し得るモノマーと
しては水溶性ビニルモノマー、水不溶性ビニルモノマー
又は両者の混合モノマーが挙げられる。
【0038】ここで水溶性ビニルモノマーとしては、具
体的には下記 (1)〜(11)からなるモノマー群より選ばれ
る1種又は2種以上が使用される。
【0039】(1) アクリル酸及びその塩 (2) メタクリル酸及びその塩 (3) マレイン酸及びその塩 (4) 無水マレイン酸 (5) 2−ヒドロキシエチルアクリル酸及びその塩 (6) 2−ヒドロキシエチルメタクリル酸及びその塩 (7) 2−ヒドロキシプロピルアクリル酸及びその塩 (8) 2−ヒドロキシプロピルメタクリル酸及びその塩 (9) アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N −ジアル
キルアクリルアミド及びN,N−ジアルキルメタクリルア
ミド(アルキル基:炭素数1〜4のアルキル基) (10)一般式(3)で表されるモノマー、並びにその酸塩
及びその第4級アンモニウム塩
【0040】
【化6】
【0041】〔式中、 R5:水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。 R6,R7:同一又は異なって水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピ
ル基を示す。 x :1〜5の数を示す。〕 この場合において一般式(3)で表されるモノマーの具
体例として、N,N −ジメチルアミノプロピルアクリル酸
(またはメタクリル酸)アミド、N,N −ジメチルアミノ
メチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N
−ジメチルアミノエチルアクリル酸(またはメタクリル
酸)アミド、N,N −ジメチルアミノブチルアクリル酸
(またはメタクリル酸)アミド等が挙げられる。
【0042】一般式(3)で表されるモノマーを酸塩で
使用する場合、例えばHCl 、H2SO4、H3PO4 等の無機酸
塩、又はp−トルエンスルホン酸塩、グリコール酸、ク
エン酸、コハク酸等の有機酸塩が使用され、又、第4級
アンモニウム塩として使用する場合、一般式(3)で表
されるモノマーを従来公知の方法でCH3Cl、(CH
SO等のアルキル化剤にて、第4級アンモニウム塩
化したものが使用される。
【0043】(11)一般式(4)で表されるモノマ
ー、並びにその酸塩及びその第4級アンモニウム塩
【0044】
【化7】
【0045】〔式中、 R5,R6,R7:前記の意味を示す。 y :1〜5の数を示す。〕 一般式(4)で表されるモノマーの例として、アクリル
酸−N,N −ジメチルアミノエチル、アクリル酸−N,N −
ジメチルアミノメチル、アクリル酸−N,N −ジメチルア
ミノブチル、アクリル酸−N,N −ジメチルアミノプロピ
ル、メタクリル酸−N,N −ジメチルアミノエチル、メタ
クリル酸−N,N −ジメチルアミノメチル、メタクリル酸
−N,N −ジメチルアミノブチル、メタクリル酸−N,N −
ジメチルアミノプロピル、アクリル酸−N,N −ジエチル
アミノエチル、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノメチ
ル、アクリル酸−N,N −ジエチルアミノブチル、アクリ
ル酸−N,N −ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸−
N,N −ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−N,N −ジ
エチルアミノメチル、メタクリル酸−N,N −ジエチルア
ミノブチル、メタクリル酸−N,N −ジエチルアミノプロ
ピル等が挙げられる。
【0046】更に、一般式(4)で表されるモノマー
は、一般式(3)で表されるモノマーの場合と同様に酸
塩又は第4級アンモニウム塩として使用し得る。
【0047】このうち、モノマー(D) として用いられる
水溶性ビニルモノマーとしては、上記の(1) ,(2) ,
(5) ,(6) ,(9) ,(10),(11)のモノマーが好ましく、
より好ましくは(1) ,(2) ,(10),(11)のモノマーであ
る。
【0048】また、モノマー(D) における水不溶性モノ
マーとしては、例えば、酢酸ビニル、N−ビニル−2−
カプロラクタム、エチレン、プロピレン、n−ブチレ
ン、イソブチレン、n−ペンテン、イソプレン、2−メ
チル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、2−エチル−1−ブテン等が挙げられる。こ
の中で、特に酢酸ビニル、N−ビニル−2−カプロラク
タムが好ましい。
【0049】上記のような2種のモノマーからなるコポ
リマーのモノマー組成において、モノマー(C) のモル分
率は30%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは
50%以上である。コポリマーのモノマー組成においてモ
ノマー(C) のモル分率が30%未満の共重合物又はその塩
の場合、良好な水への溶解性が達成されず、結果として
糊剤組成物において本発明の目的を達成することが出来
ない。
【0050】モノマー(D) としては、水溶性ビニルモノ
マー、水不溶性ビニルモノマー又は両者の混合モノマー
が使用されるが、水溶性ビニルモノマーを使用する方
が、共重合物又はその塩の水に対する良好な溶解性を達
成する為好ましい。
【0051】本発明の糊剤の主成分であるコポリマー
は、モノマー(C) とモノマー(D) の共重合物の塩を用い
ることができる。
【0052】このような塩としては、<ポリマー(iv)>
で述べたものと同じものが使用し得る。
【0053】モノマー(C) とモノマー(D) のコポリマー
は、常圧下又は加圧下での従来公知のラジカル重合等に
より得ることができる。重合触媒としてアセトン等が、
又重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル等が
使用できる。重合温度及び時間は、使用する重合溶媒や
モノマーの組み合わせによって異なるが、一般的には40
〜90℃で5〜20時間が適当である。
【0054】また本発明で使用されるコポリマーは市販
品として入手することも出来、例えばアイエスピー・ジ
ャパン(株)のPVP/VAコポリマーシリーズPVP/VA735
(いずれも商標)等が挙げられ、化学構造は例えば次の
ようである。
【0055】
【化8】
【0056】また、同社のコポリマーシリーズ Copolym
er 845, Copolymer 937, copolymer958(いずれも商
標)等が挙げられ、化学構造は例えば次の様である。
【0057】
【化9】
【0058】さらにGAFQUAT 734, GAFQUAT 755N (いず
れもアイエスピー・ジャパン(株)製、商標)等も挙げ
られ、化学構造は例えば次の様である。
【0059】
【化10】
【0060】又、次のものも例示される(いずれもアイ
エスピー・ジャパン(株)製、商標)。
【0061】
【化11】
【0062】<ポリマー(ix)>本発明組成物に用いられ
るポリマー(ix)は、アクリル酸又はメタクリル酸のホモ
ポリマー及びアクリル酸又はメタクリル酸のコポリマー
並びにこれらの塩である。以下、アクリル酸又はメタク
リル酸を(メタ)アクリル酸として表記する。
【0063】このポリマー(ix)は(メタ)アクリル酸も
しくはその塩のポリマー、又は(メタ)アクリル酸と無
水マレイン酸とのコポリマー、又はアクリル酸とメタク
リル酸とのコポリマー等であり、平均分子量は1,000〜
6,000,000、好ましくは 2,000〜1,000,000 である。
【0064】<エマルジョン(x) >本発明組成物に用い
られるエマルジョン(x) は、低級脂肪酸ビニルエステル
(E) と不飽和カルボン酸(F) 又は該(E),(F) とこれらと
共重合可能なモノマー(G)とを共重合することによって
得られる水性エマルジョンである。
【0065】低級脂肪酸ビニルエステル(E) としては、
酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニルが使用さ
れるが、好ましくは酢酸ビニルである。
【0066】不飽和カルボン酸(F) としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、アコニチン酸、ソルビン酸、ケイ皮
酸、α−クロロソルビン酸、シトラコン酸、p−ビニル
安息香酸等の他、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸の
ような不飽和カルボン酸のアルキル半エステル、部分エ
ステル又は部分アミドが使用される。これらの不飽和カ
ルボン酸のうち好ましい例示としてはアクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸が挙げられる。また、不飽和ポリ
カルボン酸のアルキル半エステルの例としては、イタコ
ン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、フマル酸モノ
メチル、フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル等
の炭素数1〜6の低級アルキル半エステルが挙げられ
る。
【0067】上記(E),(F) と共重合可能なモノマー(G)
としては、下記の (G-1)〜(G-7) に示されるものが使用
される。 (G-1) α, βのエチレン性不飽和ジカルボン酸のジエス
テル、例えばジブチルマレエート、ジエチルマレエー
ト、およびこれに相当するフマレート、イタコネート、
シトラコネート (G-2) エチレン (G-3) 塩化ビニルのようなハロゲン化ビニル (G-4) 塩化ビニリデンのようなハロゲン化ビニリデン (G-5) 低級脂肪酸ビニルエステル(E) と異なる低級脂肪
酸ビニルエステル (G-6) N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキルの炭
素数は1〜12) (G-7) 上記 (G-1)〜(G-6) に示されるものの中から選ば
れる2種以上の化合物 以上から選ばれる1種又は2種以上を乳化重合すること
によって水性エマルジョンを得る。
【0068】共重合体の平均分子量としては 1,000〜1,
000,000 が好ましく、より好ましくは10,000〜200,000
である。(E),(F),(G) の組合せとしては、(E) 酢酸ビニ
ル、(F) アクリル酸、メタクリル酸、(G)(G-5)(G-6) が
好ましく、より好ましくは、(E) 酢酸ビニル、(F) メタ
クリル酸、(G)(G-6)である。
【0069】<エマルジョン(xi)>本発明に用いられる
エマルジョン(xi)は、重合性芳香族系モノマー(H) と該
(H) と共重合可能なモノマー(I) から選ばれる1種又は
2種以上を共重合することによって得られる水性エマル
ジョンである。
【0070】重合性芳香族系モノマー(H) としては、例
えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、ビニルナフタレン、インデン等が使用される。
【0071】モノマー(H) と共重合可能なモノマー(I)
としては、下記の (I-1)〜(I-7) に示されるものが使用
される。 (I-1) α,βのエチレン性不飽和ジカルボン酸のジエス
テル、例えばジブチルマレエート、ジエチルマレエー
ト、およびこれに相当するフマレート、イタコネート、
シトラコネート (I-2) スチレン、エチレン (I-3) 塩化ビニルのようなハロゲン化ビニル (I-4) 塩化ビニリデンのようなハロゲン化ビニリデン (I-5) 先に使用した(H) と異なる重合性芳香族系モノマ
ー (I-6) N,N −ジアルキルアクリルアミド(アルキルの炭
素数1〜12) (I-7) 上記 (I-1)〜(I-6) に示されるものの中から選ば
れる2種以上の化合物 以上から選ばれる1種又は2種以上を乳化重合すること
によって水性エマルジョンを得る。
【0072】共重合体の平均分子量としては、 1,000〜
1,000,000 が好ましく、より好ましくは10,000〜200,00
0 である。(H) と(I) の組合せとしては、(H) スチレン
ビニルトルエン、(I)(I-5),(I-6)が好ましく、より好ま
しくは(H) スチレン、(I)(I-6)である。
【0073】本発明の(a) 成分としては、以上 (i)〜
(xi)の水溶性ポリマーもしくは水性エマルジョンのう
ち、(ii), (iv), (v), (vi), (ix), (x), (xi)が好まし
く、より好ましくは(ii), (iv), (v), (vi), (ix), (x)
であり、更に好ましくは(ii),(iv), (v), (vi)である。
【0074】(a) 成分は組成物中に0.01〜20重量%、好
ましくは0.1 〜5重量%配合される。なお水性エマルジ
ョンの場合はエマルジョン中のポリマー純分がこの範囲
となるように配合する。
【0075】〔(b) 成分〕本発明組成物に使用される
(b) 成分は下記(イ)〜(ニ)からなる群より選ばれる
1種又は2種以上の水溶性化合物である。 (イ);エタノール及び2−プロパノール (ロ);炭素数1〜4の多価アルコール (ハ);式(1)で表わされる水溶性化合物
【0076】
【化12】
【0077】(式中、R1, R3はH 又は炭素数1〜12のア
ルキル基、好ましくはCH3 、R2はH 又はCH3 、n は2以
上、好ましくは5〜100 の正の整数である。) (ニ);式(2)で表わされる水溶性化合物
【0078】
【化13】
【0079】(式中、X はOH又はCl、R4は同一か異なっ
ていてもよいH 又は炭素数1〜12のアルキル基、M はH
又はアルカリ金属塩である。R4としてはH,CH3,C2H5が好
ましく、X はOHが良い。M はH かNaがよい。) 上記の(ロ)としては、例えば、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,2 −ブタンジオール、1,3 −
ブタンジオール、グリセリンが使用される。好ましくは
プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリ
ン、1,2 −ブタンジオールであり、さらに好ましくはプ
ロピレングリコール、1,2 −ブタンジオールである。
【0080】上記の(ハ)としては、例えば、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレン
グリコールジブチルエーテル、ポリプロピレングリコー
ルモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデシル
エーテルが使用される。好ましくは、ジプロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール(n =2〜1000)であ
る。
【0081】上記の(ニ)としては、例えば、グリコー
ル酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル酪酸、2−クロロプロピオン酸及びこれらのNa塩が使
用される。好ましくは、グリコール酸、2−ヒドロキシ
酪酸である。
【0082】(b) 成分は組成物中に 0.1〜30.0重量%、
好ましくは1〜10重量%配合されるが、 0.1重量%未満
だと脱水により生じるシワを抑制することができない。
また30.0重量%を超えて配合してもその効果が向上しな
い。
【0083】(b) 成分として、以上の(イ)〜(ニ)の
中ではシワを抑制する上で(ロ)、(ハ)が好ましく、
より好ましくは(ロ)である。
【0084】〔(c) 成分〕本発明組成物に使用される
(c)成分は、分散粒子の平均粒子径が、0.01〜10μmの
範囲にある水不溶性シリコーンである。
【0085】水不溶性シリコーンとしては、ジメチルポ
リシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル
ハイドロジェンポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキ
サン、アミド変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシ
ロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、ポリエーテ
ル変性ポリシロキサン等が使用されるが、好ましくはジ
メチル変性シロキサン、アミノ変性シロキサンである。
【0086】かかるシリコーンの平均分子量は 1,000〜
1,000,000 が好ましく、より好ましくは 2,000〜100,00
0 である。
【0087】これらの水不溶性シリコーンは、分散粒子
の平均粒子径が0.01〜10μmであり、好ましくは0.01〜
0.5 μm、より好ましくは0.05〜0.1 μmである。平均
粒子径が10μmを超える粒子の場合は、組成物中で分離
を生じるおそれがあり、好ましくない。また、水不溶性
シリコーンは、上記粒子が分散された水性エマルジョン
の形態で配合するのが好ましい。
【0088】シリコーンの平均粒子径は、電気泳動光散
乱光度計(ELS-800, OTSUKA ELECTRONICS Co.Ltd. )及
びレーザー式回折/散乱式粒度測定装置(LA−700 HORI
BA製)を用いて測定した。
【0089】(c) 成分は、組成物中に0.01〜10重量%、
好ましくは0.03〜1重量%配合されるが、0.01重量%未
満だと風合い、肌触り、シワ抑制すべてに効果が足り
ず、10重量%を超えると風合い、肌触りの低下が認めら
れる。
【0090】〔任意成分〕さらに、本発明の衣料用処理
剤組成物中には必要に応じて、ジブチルフタレート、ジ
ブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、リン酸ト
リクレジル、ブチルフタリルグリコール酸ブチルのよう
な可塑剤(組成物中に0〜3重量%)、第4アンモニウ
ム塩のような柔軟剤(組成物中に0〜5重量%)、その
他、香料、殺菌・抗菌剤、防腐剤、顔料等を添加するこ
とができる。
【0091】本発明の衣料用処理剤組成物は、上記した
(a) 、(b) 、(c) 成分及び必要に応じて配合される任意
成分を上記した割合で含有するが、残部は通常水であ
る。
【0092】〔衣料用処理物品〕以上説明した本発明の
衣料用処理剤組成物は、 衣類を浸漬する方法、スプレ
ー装置等でスプレーして処理する方法等種々の方法で用
いることができるが、衣料用処理組成物をより効率的か
つ衣料のムラ付き、抑制部分処理を可能にさせる点で、
その内部に充填した液体をその外部へ噴霧する装置を具
備した容器の中へ、充填してなる衣料用処理物品の形態
で衣料用処理に使用されるのが好ましい。このような本
発明の衣料用処理物品を用いることにより、一層処理時
のムラ付きを抑制し、かつ部分的に処理をされる衣料に
対し極めて有効に処理を行うことができる。
【0093】本発明の衣料用処理物品に用いられる、内
部に充填した液体を外部へ噴霧する装置を具備した容器
としては、例えばエアゾル式容器、トリガー式容器又は
手動式ポンプ容器等が例示される。例えば本発明の衣料
用処理剤組成物をエアゾル式容器に充填してなる衣料用
処理物品は、常法に従い、エアゾル缶に噴射剤と共に本
発明の衣料用処理剤組成物を充填することにより得られ
る。噴射剤としては、液化プロパン、液化ブタン及びジ
メチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一
種、又はこれらとCO2又はN2の組み合わせを使用するの
が良い。噴射剤と本発明の衣料用処理剤組成物との重量
比率は、噴射剤/本発明の衣料用処理剤組成物=3/97
〜50/50が好ましく、さらに好ましくは5/95〜40/60
である。
【0094】〔衣料の処理方法〕本発明の衣料の処理方
法は、上記した本発明の衣料用処理剤組成物を、湿った
状態にある処理されるべき衣料(以下、対象物という)
に対して噴霧し、衣料用処理剤組成物を対象物の表面に
ムラなく塗布することにより行われる。その際、上記し
たような特定の容器に充填した衣料用処理物品にてかか
る処理を行なうのが好適である。なお「濡れた状態にあ
る」とは洗濯工程において脱水後から乾燥が終了するま
での間の湿った状態をいう。
【0095】対象物としては特に限定されないが、例え
ば脱水によりシワが生じやすい、綿、麻、羊毛のような
天然繊維織物等に対し特に有効である。この他、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリビニルアセタール、ポリアク
リロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンの如き
種々の合成繊維、レーヨン、アセテートの如き半合成繊
維にも使用できる。
【0096】また、対象物に対して本発明の衣料用処理
剤組成物は10〜150 重量%程度噴霧される。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、衣類に適度な風合い・
肌触りを与え、かつ、洗濯脱水時に生じるシワを抑制す
る衣料用処理剤組成物及び衣料用処理物品並びに衣料の
処理方法を提供することができる。
【0098】
【実施例】以下、実施例にて本発明を説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0099】実施例1〜50及び比較例1〜10 (a) 成分として、表1〜7に示すポリマーもしくは水性
エマルジョン、(b) 成分として表8に示す化合物、(c)
成分として表9に示す不溶性シリコーンを添加して表10
〜12に示す衣料用処理剤組成物を調製した。この組成物
をトリガー式容器に充填し、衣料用処理物品を調製し
た。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】
【表5】
【0105】
【表6】
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】
【表9】
【0109】
【表10】
【0110】
【表11】
【0111】
【表12】
【0112】<性能評価>上記の方法で得られた本発明
の衣料用処理物品及び比較物品について以下に示す方法
により、風合い、肌ざわり、シワ抑制を評価した。
【0113】(1) 風合い・肌ざわり 20cm×20cmの木綿ブロード#60からなる試験片を作成
し、洗濯機(水容量40〜70リットル、回転羽根の回転速
度65〜90rpm 、回転角度 180〜240 °、脱水槽の回転速
度 500〜720rpm、内径40〜55cm)とJIS K3371(衣料用合
成洗剤)に規定の洗剤を用い自動洗濯操作(洗濯12分→
排水2分→脱水及びスプレー2分→給水3〜5分→すす
ぎ2分→排水2分→脱水及びスプレー2分→遠心脱水3
分)を行った。この試験片に対し、試験片の乾燥時の重
量に対し50%o.w.f.となるよう処理剤組成物を噴霧し、
ドリップ乾燥した。即ち、試験片を脱水することなく縦
方向が垂直になるように数カ所つかみ、室温で風通しの
ないところでつるして乾燥した。このように作成した処
理試験片を未処理布を対照として、一対比較法により感
触テストにより風合いと肌ざわりを評価した。評価は比
較対照物に対し、実施例(本発明品)の方が +2:非常によい +1:やや良い 0:どちらとも言えない −1:ややわるい −2:非常に悪い と答えた人数を示す。風合い及び肌ざわりの評価結果を
表13〜15にそれぞれ示す。
【0114】
【表13】
【0115】
【表14】
【0116】
【表15】
【0117】(2) シワ抑制 シワ抑制効果については、次の2通りで評価した。その
結果を表16〜18に示す。 (2-1)(1) の風合い・肌ざわり試験と同様に作成した処
理試験片を下記に示す基準で判定した。 判定値 判定基準 5 シワがない 4 シワが目立たない 3 僅かにシワが残っている 2 相当シワが残っている 1 著しくシワが残っている (2-2)20cm×20cmの木綿ブロード#60からなる試験片を
二つ折りにし、 105℃、30秒プレスを3回繰り返し、シ
ワを作成した。その試験片に水を 100% o.w.f噴霧し、
脱水後の衣類のシワのモデルとした。この試験片に対
し、試験片乾燥時の重量に対し、50%o.w.f.となるよう
処理剤組成物を噴霧し、ドリップ乾燥した。このように
作成した処理試験片を水平な場所に広げ、両端に200 g
の荷重をかけてシワの高さを図1に示すように測定し
た。
【0118】
【表16】
【0119】
【表17】
【0120】
【表18】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例でのシワ抑制効果の試験方法を示す略示
【符号の説明】
1 試験布 h しわ高さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a) 成分、 (b)成分及び(c) 成分を
    含有することを特徴とする衣料用処理剤組成物。 (a) 成分:下記 (i)〜(xi)からなる群より選ばれる1種
    又は2種以上の水溶性ポリマー及び/又は水性エマルジ
    ョン 0.01〜20重量% ポリマー (i) ;化工澱粉及びその誘導体 ポリマー (ii) ;セルロース誘導体 ポリマー (iii);ポリ酢酸ビニルの鹸化物及びその誘導
    体 ポリマー (iv) ;スルホン酸基を含有するビニル系モノ
    マー(A) を重合して得られるポリマー及びその塩並びに
    該モノマー(A) の2種以上を重合して得られるコポリマ
    ー及びその塩 ポリマー (v) ;スルホン酸基を含有するビニル系モノ
    マー(A) の1種又は2種以上とその他のビニル系モノマ
    ー(B) の1種又は2種以上を重合して得られる、前記モ
    ノマー(A) の割合が30mol %以上であるコポリマー及び
    その塩 ポリマー (vi) ;重合性芳香族系モノマーを必須成分と
    する1種又は2種以上の重合性モノマーを重合して得た
    ポリマーをスルホン化して得られるポリマー又はその塩 ポリマー (vii);N−ビニル−2−ピロリドン(C) のホ
    モポリマー ポリマー(viii);前記モノマー(C)と、モノマー(C)と共
    重合し得るビニル系モノマー(D) の1種又は2種以上を
    重合して得られるコポリマー及びその塩(但し、コポリ
    マー及びその塩のモノマー組成においてモノマー(C) の
    モル分率は30%以上である) ポリマー (ix) ;アクリル酸又はメタクリル酸のホモポ
    リマー及びコポリマー並びにこれらの塩 エマルジョン (x);低級脂肪酸ビニルエステル(E) と不
    飽和カルボン酸(F) 又は該(E),(F) とこれらと共重合可
    能なモノマー(G) とを共重合することによって得られる
    水性エマルジョン エマルジョン(xi);重合性芳香族系モノマー(H) と該
    (H) と共重合可能なモノマーとを共重合することによっ
    て得られる水性エマルジョン (b) 成分:下記の(イ)〜(ニ)からなる群より選ばれ
    る水溶性化合物の1種又は2種以上 0.1〜30.0重量% (イ);エタノール及び2−プロパノール (ロ);炭素数1〜4の多価アルコール (ハ);下式(1)で表わされる水溶性化合物 【化1】 (式中、R1, R3はH 又は炭素数1〜12のアルキル基、R2
    はH 又はCH3 、n は2以上の正の整数である。) (ニ);下式(2)で表わされる水溶性化合物 【化2】 (式中、X はOH又はCl、R4は同一か異なっていてもよい
    H 又は炭素数1〜12のアルキル基、M はH 又はアルカリ
    金属塩である。) (c) 成分:分散粒子の平均粒子径が0.01〜10μmの範囲
    にある水不溶性シリコーン0.01〜10重量%
  2. 【請求項2】 (a) 成分が、前記(ii)、(iv)、(v) 又は
    (vi)である請求項1記載の衣料用処理剤組成物。
  3. 【請求項3】 (b) 成分が、前記(ロ)である請求項1
    又は2記載の衣料用処理剤組成物。
  4. 【請求項4】 (b) 成分が、プロピレングリコール、グ
    リセリン、エチレングリコール又は 1,2−ブタンジオー
    ルである請求項1〜3の何れか1項記載の衣料用処理剤
    組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項記載の衣料用
    処理剤組成物を、その内部に充填した液体をその外部へ
    噴霧する装置を具備した容器の中へ充填してなる衣料用
    処理物品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4の何れか1項記載の衣料用
    処理剤組成物を、濡れた状態にある衣料に噴霧すること
    を特徴とする衣料の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102455688B1 (ko) * 2022-08-19 2022-10-20 조윤주 구김 방지 성능을 갖는 기능성 섬유 원단으로 형성된 한복

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KR102455688B1 (ko) * 2022-08-19 2022-10-20 조윤주 구김 방지 성능을 갖는 기능성 섬유 원단으로 형성된 한복

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