JPH07216744A - スプレー型糊剤組成物及び糊剤物品 - Google Patents

スプレー型糊剤組成物及び糊剤物品

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JPH07216744A
JPH07216744A JP1164494A JP1164494A JPH07216744A JP H07216744 A JPH07216744 A JP H07216744A JP 1164494 A JP1164494 A JP 1164494A JP 1164494 A JP1164494 A JP 1164494A JP H07216744 A JPH07216744 A JP H07216744A
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JP
Japan
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polymer
monomer
component
salt
vinyl
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Pending
Application number
JP1164494A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Hasegawa
美貴 長谷川
Yasushi Yoshida
靖 吉田
Miyuki Nakamura
美由紀 中村
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a) 化工澱粉、セルロース誘導体、ポリ酢酸
ビニルの鹸化物、スルホン酸基を含有するビニル系モノ
マーを重合して得られるポリマー及びその塩並びに前記
ビニル系モノマーの2種以上を重合して得られるコポリ
マー及びその塩、重合性芳香族系モノマーを必須成分と
する1種又は2種以上の重合性モノマーを重合して得た
ポリマーをスルホン化して得られるポリマー又はその塩
等の水溶性ポリマーを 0.1〜20重量%、(b) イソプレン
グリコール、プロピレングリコール、エチレングリコー
ル等の炭素数2〜12の多価アルコールを 0.1〜10重量
%、及び (c)バランス量の水を含有するスプレー型糊剤
組成物、及び該組成物を使用した糊剤物品。 【効果】 張り性能に優れ、凍結後に再融解した場合で
も溶液の分離、沈澱、凝集等が生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスプレー型糊剤組成物及
び該組成物を使用した糊剤物品に関する。更に詳しく
は、凍結融解時の溶液の回復性が良好なスプレー型糊剤
組成物及び糊剤物品に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】糊剤、特にスプレー型の糊
剤は、手軽に使用することができるので便利である。従
来のスプレー型糊剤は、処理衣料を着用後、通常の家庭
洗濯で、糊剤を完全に洗い落とせるよう水溶性のポリマ
ーを配合したものが主であった。
【0003】しかしながら、そのようなポリマーは一度
凍結させた後に再融解させた時に溶液の外観・粘性が凍
結前の状態に回復しないことがある。例えば、分離、凝
集、沈澱のような現象である。
【0004】そこで、本発明の課題は、凍結融解時の溶
液の回復性が良好でかつ衣料に対し優れた張りを付与す
ることができるスプレー型糊剤組成物を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する為、鋭意検討した結果、水溶性ポリマーを配
合したスプレー型糊剤組成物に、多価アルコールを配合
することにより、凍結融解時の溶液の回復性を良好にす
ることができることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明は下記(a) 成分、 (b)成分及
び(c) 成分を含有するスプレー型糊剤組成物を提供する
ものである。 (a) 成分:下記ポリマー(i) 〜(ix)からなる群より選ば
れる1種又は2種以上の水溶性ポリマー 0.1〜20重量
% ポリマー (i) ;化工澱粉 ポリマー (ii) ;セルロース誘導体 ポリマー (iii);ポリ酢酸ビニルの鹸化物 ポリマー (iv) ;スルホン酸基を含有するビニル系モノ
マー(A) を重合して得られるポリマー及びその塩並びに
該モノマー(A) の2種以上を重合して得られるコポリマ
ー及びその塩 ポリマー (v) ;スルホン酸基を含有するビニル系モノ
マー(A) の1種又は2種以上とその他のビニル系モノマ
ー(B) の1種又は2種以上を重合して得られる、前記モ
ノマー(A) の割合が30mol %以上であるコポリマー及び
その塩 ポリマー (vi) ;重合性芳香族系モノマーを必須成分と
する1種又は2種以上の重合性モノマーを重合して得た
ポリマーをスルホン化して得られるポリマー又はその塩 ポリマー (vii);N−ビニル−2−ピロリドン(C) のホ
モポリマー ポリマー(viii);前記モノマー(C)と、モノマー(C)と共
重合し得るモノマー(C)以外のビニル系モノマー(D) の
1種又は2種以上を重合して得られるコポリマー及びそ
の塩(但し、コポリマー及びその塩のモノマー組成にお
いてモノマー(C) のモル分率は30%以上である) ポリマー (ix) ;アクリル酸又はメタクリル酸のホモポ
リマー及びコポリマー並びにこれらの塩 (b) 成分:炭素数2〜12の多価アルコール 0.1〜10重量
% (c) 成分:水。
【0007】更に本発明は、該糊剤組成物を、その内部
に充填した液体をその外部へ噴霧する装置を具備した容
器の中へ、充填してなるスプレー型糊剤物品を提供する
ものである。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】〔(a) 成分〕本発明組成物に使用される
(a) 成分は、上記ポリマー (i)〜(ix)からなる群より選
ばれる1種又は2種以上の水溶性ポリマーが使用され
る。
【0010】<ポリマー(i);化工澱粉>化工澱粉とし
ては、ヒドロキシアルキル化澱粉(例えば、ヒドロキシ
エチル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉等)、カルボ
キシアルキル化澱粉(例えばカルボキシメチル化澱粉
等)、第4級アンモニウム基を有するカチオン化澱粉又
はこれらを酸化剤(例えばH2O2、NaClO3等)又は酵素に
より低粘度化したものが使用される。
【0011】この場合において、澱粉に対し置換基(ヒ
ドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、カチオン
基等)が導入される割合を示す置換度(澱粉の全水酸基
に対し、置換基が導入される割合)は、0.08〜0.3 好ま
しくは 0.1〜0.2 である。置換度が0.08未満では、化工
澱粉の変性により、長期間保存すると沈澱物が生成し、
色物の衣類に使用した時に白化現象が起こる。また、置
換度が0.3 より大きいものを用いた場合、張り強度の低
下が認められるため好ましくない。
【0012】前述の如く、化工澱粉の水溶液の粘度は、
過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤又は酵素
で分解することにより低下可能である。例えば、5重量
%水溶液の粘度が40センチポイズ(以下cpとする。20
℃)以下である化工澱粉が好ましく、これ以上の粘度で
はスプレー性が良好でない。
【0013】上記の中で炭素数2〜3のヒドロキシアル
キル基を有するヒドロキシアルキル化澱粉が特に好まし
い。
【0014】<ポリマー(ii);セルロース誘導体>セ
ルロース誘導体としては、ヒドロキシアルキルセルロー
ス(例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、
アルキルセルロース(例えばメチルセルロース、エチル
セルロース等)、カルボキシメチルセルロース、第4級
アンモニウム基を有するカチオン化セルロース等が使用
される。この場合において、セルロースに対し置換基
(ヒドロキシアルキル基、アルキル基、カルボキシメチ
ル基、カチオン基等)が導入される割合を示す。置換度
(セルロースの全水酸基に対し、置換基が導入される割
合)は、 0.4〜1.6 、好ましくは 0.6〜1.2 である。
又、本発明組成物で使用されるセルロース誘導体は、20
℃にて1重量%の水溶液としたとき100cp 以下、好まし
くは50cp以下であることが望ましい。この理由は<ポリ
マー(i)>において述べたのと同じである。上記の中で
特にカルボキシメチルセルロースが好ましい。
【0015】<ポリマー(iii);ポリ酢酸ビニルの鹸化
物>ビニルアルコールのホモポリマーは、ポリ酢酸ビニ
ルを100mol%鹸化して得られる。ポリ酢酸ビニルを不完
全に鹸化すれば、ビニルアルコールと酢酸ビニルとのコ
ポリマー状態のものが得られる。
【0016】(a) 成分として使用する場合、ポリ酢酸ビ
ニルを70〜100mol%、好ましくは85〜99 mol%
鹸化したものが好適である。又、このような範囲の鹸化
度のポリマーに対しカルボン酸変性、カチオン変性を行
い、変性ポリビニルアルコールとして使用することがで
きる。
【0017】以上のようなポリビニルアルコール又はこ
れらの変性物は、20℃にて4重量%水溶液としたとき20
0cp 以下、好ましくは100cp 以下であることが望まし
い。
【0018】<ポリマー(iv)>本発明組成物に用いられ
るポリマー(iv)は、スルホン酸基を含有するビニル系モ
ノマー(A) を重合して得られるポリマーもしくはその
塩、又は該モノマー(A)の2種以上を重合して得られる
コポリマーもしくはその塩である。
【0019】本発明組成物の(a)成分として使用される
ポリマー(iv)の分子量は、1000〜600万が好ましく、更
に好ましくは5000〜100 万、特に好ましくは1万〜50万
の範囲である。分子量が1000よりも小さい場合には十分
な張り性能が得られないし、また 600万よりも大きい場
合にはスプレー性が良好でなくなるために好ましくな
い。
【0020】上記のポリマー若しくはコポリマーを構成
するスルホン酸基を含有するビニル系モノマー(A) とし
ては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニル
スルホン酸、メタリルスルホン酸、スルホプロピルメタ
クリレート及びこれらモノマーの塩からなる群から選ば
れる1種又は2種以上を用いるのが好ましい。この中で
もスチレンスルホン酸が特に好ましい。塩としては、1
価の塩としてリチウム、ナトリウム、カリウム等の金属
塩、アンモニウム塩、又はモノ、ジあるいはトリエタノ
ールアミン、モルホリン、エチルアミン、ブチルアミン
等の有機アミン塩が挙げられ、2価の塩としてカルシウ
ム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属塩、
エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の有機ア
ミン塩があり、3価の塩としてはアルミニウム塩、ジエ
チレントリアミン等の有機アミン塩、又はポリエチレン
イミン等の多価有機アミン等が挙げられる。塩としては
特にナトリウム塩が好ましい。
【0021】<ポリマー(v)>本発明組成物に用いられ
るポリマー(v) は、スルホン酸基を含有するビニル系モ
ノマー(A) の1種又は2種以上とその他のビニル系モノ
マー(B) の1種又は2種以上を重合して得られる、前記
モノマー(A) の割合が30 mol%以上であるコポリマー又
はその塩である。
【0022】本発明組成物の(a) 成分として使用される
ポリマー(v) の分子量は<ポリマー(iv)>で述べた範囲
が好ましく、その範囲が好ましい理由も<ポリマー(iv)
>と同じである。また、ここで使用されるモノマー(A)
の種類も<ポリマー(iv)>で述べた通りである。この場
合において、モノマー(A) の共重合相手であるモノマー
(B) としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリル酸、ヒ
ドロキシエチルメタクリル酸等の水溶性モノマー及びこ
れらのモノマーの塩、エチレン、プロピレン、n−ブチ
レン、イソブチレン、n−ペンテン、イソプレン、2−
メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−
ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1
−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン等のオ
レフィンが挙げられる。これらの中でも特にアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ヒド
ロキシエチルアクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリル
酸等の水溶性モノマー及びこれらのモノマーの塩が好ま
しい。コポリマー中のモノマー(A) の比率は 30mol%以
上、好ましくは 50mol%以上である。
【0023】ここで使用されるコポリマーは塩として使
用することもでき、そのときの塩の種類は、<ポリマー
(iv)>で述べた通りである。
【0024】<ポリマー(vi)>本発明組成物に用いられ
るポリマー(vi)は、重合性芳香族系モノマーを必須成分
とする1種又は2種以上の重合性モノマーを重合して得
たポリマーをスルホン化して得られるポリマー又はその
塩である。
【0025】このポリマー(vi)の原料となる重合性モノ
マーは、1種でも2種以上を用いてもよいが、このうち
少なくとも1種は芳香族系のモノマーである。この芳香
族系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、インデ
ン等が挙げられる。また芳香族以外のモノマーとして
は、エチレン、ブテン、ブタジエン、ジイソブチレン、
シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等が挙げら
れる。芳香族系モノマーの全モノマー中に占める割合は
60〜100 モル%、特に85〜100 モル%とすることが好ま
しい。
【0026】このようなモノマーから得られるポリマー
の具体例としては、ポリスチレン、スチレン・エチレン
コポリマー、スチレン・ジイソブチレンコポリマー、ス
チレン・ジシクロペンタジエンコポリマー、スチレン・
ビニルトルエン・α−メチルスチレン・インデンコポリ
マーのようなポリマーが挙げられる。就中、最も好まし
いものはポリスチレンであり、これは、スチレンをラジ
カル重合、イオン重合、熱重合等常法により重合するこ
とで得られる。
【0027】このようにして得られたポリマーは、更に
スルホン化する必要がある。スルホン化は、無水硫酸、
クロルスルホン酸、無水硫酸・ルイス塩基錯体等のスル
ホン化剤を用い、任意のスルホン化方法を適用すること
により行うことができる。スルホン化率(スチレン骨格
1個に対してスルホン酸基が1個ついている場合がスル
ホン化率 100%)が60%に満たないと、水溶性が低下
し、洗濯時に除去しにくくなるため好ましくない。好ま
しいスルホン化率は85%以上である。
【0028】このようにスルホン化したポリマー(vi)
は、そのまま本発明組成物中に含有せしめることができ
るが、更に塩として用いることができる。このような塩
としては、<ポリマー(iv)> にて述べたものと同じで
ある。このようにして得られた重合体は、その重量平均
分子量が5000〜100 万、好ましくは5万〜50万であるも
のが好ましい。
【0029】<ポリマー(vii)>本発明組成物に用いら
れるポリマー(vii)は、N−ビニル−2−ピロリドン(C)
のホモポリマーである。
【0030】このポリマー(vii) はモノマー(C) の重合
物であり、その重量平均分子量は、1,000 〜6,000,000
が好ましく、更に好ましくは2,000 〜1,000,000 であ
る。ポリマーの分子量が1,000 より小さい場合、糊剤処
理された衣料において、十分な張り性能が得られず、
又、6,000,000 より大きい場合には、得られる糊剤をス
プレーする際、スプレー性(スプレーした場合の霧の状
態)が良好でなく、その結果、糊剤が被処理体である衣
料にむら付きする等の現象が生じる為、好ましくない。
【0031】モノマー(C) の重合物として、例えばアイ
エスピー・ジャパン(株)のPVP Kホモポリマーシリー
ズ PVP K-15, K-30, K-60, K-90 (いずれも商標)等が
挙げられる。これらの化学構造は例えば次のようであ
る。
【0032】
【化1】
【0033】〔式中、p ;重合度を示す。〕 <ポリマー(viii)>本発明組成物に用いられるポリマー
(viii)は、前記モノマー(C) と、モノマー(C) と共重合
し得るモノマー(C) 以外のビニル系モノマー(D) の1種
又は2種以上を重合して得られるコポリマー又はその塩
(但し、コポリマー又はその塩のモノマー組成において
モノマー(C) のモル分率は30%以上である)である。
【0034】また、(a) 成分として、モノマー(C) とモ
ノマー(D) のコポリマー又はその塩も使用し得る。この
場合、コポリマーの分子量の好ましい範囲及び好ましい
理由については<ポリマー(vii)>にて述べた通りであ
る。
【0035】モノマー(D) として使用し得るモノマーと
しては水溶性ビニルモノマー、水不溶性ビニルモノマー
又は両者の混合モノマーが挙げられる。
【0036】ここで水溶性ビニルモノマーとしては、具
体的には下記 (1)〜(11)からなるモノマー群より選ばれ
る1種又は2種以上が使用される。 (1) アクリル酸及びその塩 (2) メタクリル酸及びその塩 (3) マレイン酸及びその塩 (4) 無水マレイン酸 (5) 2−ヒドロキシエチルアクリル酸及びその塩 (6) 2−ヒドロキシエチルメタクリル酸及びその塩 (7) 2−ヒドロキシプロピルアクリル酸及びその塩 (8) 2−ヒドロキシプロピルメタクリル酸及びその塩 (9) アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N −ジアル
キルアクリルアミド及びN,N−ジアルキルメタクリルア
ミド(アルキル基:炭素数1〜4のアルキル基) (10)一般式(I)で表されるモノマー、並びにその酸塩
及びその第4級アンモニウム塩
【0037】
【化2】
【0038】〔式中、R :水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基を示す。R1,R2:同一又は異なって水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシエチル基、
又はヒドロキシプロピル基を示す。x :1〜5の数を示
す。〕 この場合において一般式(I)で表されるモノマーの具
体例として、N,N −ジメチルアミノプロピルアクリル酸
(またはメタクリル酸)アミド、N,N −ジメチルアミノ
メチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N
−ジメチルアミノエチルアクリル酸(またはメタクリル
酸)アミド、N,N −ジメチルアミノブチルアクリル酸
(またはメタクリル酸)アミド等が挙げられる。
【0039】一般式(I)で表されるモノマーを酸塩で
使用する場合、例えばHCl 、H2SO4、H3PO4 等の無機酸
塩、又はp−トルエンスルホン酸塩、グリコール酸、ク
エン酸、コハク酸等の有機酸塩が使用され、又、第4級
アンモニウム塩として使用する場合、一般式(I)で表
されるモノマーを従来公知の方法でCH3Cl、(CH3)2SO4
のアルキル化剤にて、第4級アンモニウム塩化したもの
が使用される。
【0040】(11)一般式(II)で表されるモノマー、並び
にその酸塩及びその第4級アンモニウム塩
【0041】
【化3】
【0042】〔式中、R ,R1,R2:前記の意味を示す。
y :1〜5の数を示す。〕 一般式(II)で表されるモノマーの例として、アクリル
酸−N,N −ジメチルアミノエチル、アクリル酸−N,N −
ジメチルアミノメチル、アクリル酸−N,N −ジメチルア
ミノブチル、アクリル酸−N,N −ジメチルアミノプロピ
ル、メタクリル酸−N,N −ジメチルアミノエチル、メタ
クリル酸−N,N −ジメチルアミノメチル、メタクリル酸
−N,N −ジメチルアミノブチル、メタクリル酸−N,N −
ジメチルアミノプロピル、アクリル酸−N,N −ジエチル
アミノエチル、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノメチ
ル、アクリル酸−N,N −ジエチルアミノブチル、アクリ
ル酸−N,N −ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸−
N,N −ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−N,N −ジ
エチルアミノメチル、メタクリル酸−N,N −ジエチルア
ミノブチル、メタクリル酸−N,N −ジエチルアミノプロ
ピル等が挙げられる。
【0043】更に、一般式(II)で表されるモノマー
は、一般式(I)で表されるモノマーの場合と同様に酸
塩又は第4級アンモニウム塩として使用し得る。
【0044】また、モノマー(D) における水不溶性モノ
マーとしては、例えば、酢酸ビニル、N−ビニル−2−
カプロラクタム、エチレン、プロピレン、n−ブチレ
ン、イソブチレン、n−ペンテン、イソプレン、2−メ
チル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、2−エチル−1−ブテン等が挙げられる。こ
の中で、特に酢酸ビニル、N−ビニル−2−カプロラク
タムが好ましい。
【0045】上記のような2種のモノマーからなるコポ
リマーのモノマー組成において、モノマー(C) のモル分
率は30%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは
50%以上である。コポリマーのモノマー組成においてモ
ノマー(C) のモル分率が30%未満の共重合物又はその塩
の場合、良好な水への溶解性が達成されず、結果として
糊剤組成物において本発明の目的を達成することが出来
ない。
【0046】モノマー(D) としては、水溶性ビニルモノ
マー、水不溶性ビニルモノマー又は両者の混合モノマー
が使用されるが、水溶性ビニルモノマーを使用する方
が、共重合物又はその塩の水に対する良好な溶解性を達
成する為好ましい。
【0047】本発明の糊剤の主成分であるコポリマー
は、モノマー(C) とモノマー(D) の共重合物の塩を用い
ることができる。
【0048】このような塩としては、<ポリマー(iv)>
で述べたものと同じものが使用し得る。
【0049】モノマー(C) とモノマー(D) のコポリマー
は、常圧下又は加圧下での従来公知のラジカル重合等に
より得ることができる。重合触媒としてアセトン等が、
又重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル等が
使用できる。重合温度及び時間は、使用する重合溶媒や
モノマーの組み合わせによって異なるが、一般的には40
〜90℃で5〜20時間が適当である。
【0050】また本発明で使用されるコポリマーは市販
品として入手することも出来、例えばアイエスピー・ジ
ャパン(株)のPVP/VAコポリマーシリーズPVP/VA735
(いずれも商標)等が挙げられ、化学構造は例えば次の
ようである。
【0051】
【化4】
【0052】〔式中、q, r: q+r は重合度を示す。〕 また、同社のコポリマーシリーズ Copolymer 845, Copo
lymer 937, copolymer958(いずれも商標)等が挙げら
れ、化学構造は例えば次の様である。
【0053】
【化5】
【0054】〔式中、s,t : s+t は重合度を示す。〕 さらにGAFQUAT 734, GAFQUAT 755N (いずれもアイエス
ピー・ジャパン(株)製、商標)等も挙げられ、化学構
造は例えば次の様である。
【0055】
【化6】
【0056】〔式中、 s,t:前記の意味を示す。〕 又、次のものも例示される(いずれもアイエスピー・ジ
ャパン(株)製、商標)。
【0057】
【化7】
【0058】<ポリマー(ix)>本発明組成物に用いられ
るポリマー(ix)は、アクリル酸又はメタクリル酸のホモ
ポリマー及びコポリマー並びにこれらの塩である。以
下、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸
として表記する。
【0059】このポリマー(ix)は(メタ)アクリル酸も
しくはその塩のポリマー、又は(メタ)アクリル酸と無
水マレイン酸とのコポリマー、又はアクリル酸とメタク
リル酸とのコポリマー等であり、分子量は 1,000〜6,00
0,000 、好ましくは 2,000〜1,000,000 である。
【0060】〔(b) 成分〕本発明組成物中、(b) 成分と
して炭素数2〜12の多価アルコールが使用される。これ
らの例として、エチレングリコール、グリセリン、プロ
ピレングリコール、イソプレングリコール、1,3 −ブタ
ンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
この中でも水溶性の高い、2価アルコール又は3価アル
コールが好ましい。さらに好ましくはイソプレングリコ
ールである。
【0061】〔糊剤組成物〕本発明組成物において、
(a) 成分は、組成物中0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜
10重量%、さらに好ましくは 0.2〜7.5 重量%配合され
る。(a) 成分の配合量が 0.2重量%未満の場合、糊剤と
しての十分な張り性能が得られない。一方、(a) 成分の
配合量が7.5 重量%を超える場合には粘度が高くなり、
良好なスプレー状態が得られない。
【0062】又、(b) 成分は、組成物中 0.1〜10重量
%、好ましくは 0.5〜7.5 重量%、さらに好ましくは
1.0〜5.0 重量%配合される。(b) 成分の配合量が0.1
重量%未満の場合、凍結溶解時の溶液の回復性が良好で
なく、分離・凝集・沈澱等のような現象が起こる。一
方、(b) 成分の配合量が10重量%を超える場合には、良
好な張り性が得られない。
【0063】尚、(c) 成分の水は残部としてバランス量
が配合される。
【0064】本発明組成物において、クエン酸、リンゴ
酸、安息香酸、酒石酸等の有機酸を組成物中0〜10重量
%、シリコーンの如きアイロン滑り剤又は消泡剤を組成
物中0〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%。塩化カ
ルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナ
トリウム等の無機塩を組成物中 0.1〜10重量%、好まし
くは 0.2〜10重量%、エチルアルコール、プロピルアル
コール等の低級アルコールを組成物中0〜20重量%、ポ
リオキシエチレンアルキル(炭素数6〜22)エーテルの
如き浸透剤を組成物中0〜20重量%を配合することがで
きる。又、その他の蛍光染料、殺菌剤、抗菌剤、香料を
更にエアゾールとして使用する場合には、缶腐食防止剤
の如き添加剤を加えることができる。
【0065】〔糊剤物品〕以上説明した本発明糊剤組成
物は、好ましくはその内部に充填した液体をその外部へ
噴霧する装置を具備した容器の中へ充填してなる糊剤物
品の形で糊剤処理に使用される。このような本発明の糊
剤物品を用いることにより、一層、糊剤処理時のむら付
きを抑制し、且つ部分的に糊剤処理をされる対象物に対
し、極めて有効に糊剤処理を行うことができる。
【0066】本発明の糊剤物品に用いられる、内部に充
填した液体を外部へ噴霧する装置を具備した容器として
は、例えば、トリガー式容器、エアゾール式容器、又は
手動式ポンプ容器等が例示される。本発明組成物をエア
ゾール容器に充填して使用する場合、噴射剤としては液
化プロパン、液化ブタン、及びそれらの混合物、あるい
はジメチルエーテルを使用するのが良い。噴射剤と本発
明の組成物との重量比率は噴射剤:本発明組成物=3:
97〜40:60が好ましく、更に好ましくは5:95〜30:70
である。
【0067】〔本発明の効果〕本発明によれば凍結融解
時の溶液の回復性が良好で、かつ衣料に対し優れた張り
を付与するスプレー型糊剤組成物を提供することができ
る。
【0068】〔実施例〕実施例1〜46,比較例1〜10
(a) 成分として表1〜7に示す水溶性ポリマー(b) 成分
として表8〜10に示す多価アルコールを水に溶解、分散
させ、表8〜10に示す糊剤組成物を調製し、下記に示す
試験を行った。
【0069】<凍結融解時の溶液の回復性>上記のよう
に、調整した糊剤組成物を、50mlのガラスびんに入れ、
1サイクルが−20℃に12時間保存後、次いで20℃に12時
間保存する行程からなるサイクルを3回繰り返した後の
外観変化を25℃静置品と比較した。
【0070】○:分離、凝集、沈澱等が全く観察されな
い。
【0071】×:分離、凝集、沈澱等が観察される。
【0072】<張り性能の評価>上記のように調製した
糊剤組成物をトリガー式容器に充填し、綿 100%ブロー
ド# 60に 100% o.w.f (on the weight of fabrics) と
なるように均一にスプレーし、アイロンの温度目盛りを
綿としてアイロンがけをして乾燥させた。20℃、65%相
対湿度の条件で12時間調湿し、試験布を得、張り性能
を、カンチレバー法(JIS L 1096)により測定した。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a) 成分、 (b)成分及び(c) 成分を
    含有するスプレー型糊剤組成物。 (a) 成分:下記ポリマー (i)〜(ix)からなる群より選ば
    れる1種又は2種以上の水溶性ポリマー 0.1〜20重量
    % ポリマー (i) ;化工澱粉 ポリマー (ii) ;セルロース誘導体 ポリマー (iii);ポリ酢酸ビニルの鹸化物 ポリマー (iv) ;スルホン酸基を含有するビニル系モノ
    マー(A) を重合して得られるポリマー及びその塩並びに
    該モノマー(A) の2種以上を重合して得られるコポリマ
    ー及びその塩 ポリマー (v) ;スルホン酸基を含有するビニル系モノ
    マー(A) の1種又は2種以上とその他のビニル系モノマ
    ー(B) の1種又は2種以上を重合して得られる、前記モ
    ノマー(A) の割合が30mol %以上であるコポリマー及び
    その塩 ポリマー (vi) ;重合性芳香族系モノマーを必須成分と
    する1種又は2種以上の重合性モノマーを重合して得た
    ポリマーをスルホン化して得られるポリマー又はその塩 ポリマー (vii);N−ビニル−2−ピロリドン(C) のホ
    モポリマー ポリマー(viii);前記モノマー(C)と、モノマー(C)と共
    重合し得るモノマー(C)以外のビニル系モノマー(D) の
    1種又は2種以上を重合して得られるコポリマー及びそ
    の塩(但し、コポリマー及びその塩のモノマー組成にお
    いてモノマー(C) のモル分率は30%以上である) ポリマー (ix) ;アクリル酸又はメタクリル酸のホモポ
    リマー及びコポリマー並びにこれらの塩 (b) 成分:炭素数2〜12の多価アルコール 0.1〜10重量
    % (c) 成分:水
  2. 【請求項2】 (a) 成分が炭素数2〜3のヒドロキシア
    ルキル基を有するヒドロキシアルキル化澱粉である請求
    項1記載のスプレー型糊剤組成物。
  3. 【請求項3】 (b) 成分が2価アルコール又は3価アル
    コールである請求項1又は2記載のスプレー型糊剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項記載のスプレ
    ー型糊剤組成物を、その内部に充填した液体をその外部
    へ噴霧する装置を具備した容器の中へ、充填してなるス
    プレー型糊剤物品。
  5. 【請求項5】 前記容器がトリガー式のスプレー容器で
    ある請求項4記載のスプレー型糊剤物品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000001876A3 (en) * 1998-07-01 2002-01-10 Du Pont Poly(vinyl alcohol) copolymer ionomers, their preparation and use in textile sizes
JP2009242991A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Kao Corp 繊維製品用張り付与剤組成物

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