JPH09127053A - 過酸化水素の測定方法、その方法を用いた過酸化水素測定センサーおよびその製造方法 - Google Patents

過酸化水素の測定方法、その方法を用いた過酸化水素測定センサーおよびその製造方法

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JPH09127053A
JPH09127053A JP7281603A JP28160395A JPH09127053A JP H09127053 A JPH09127053 A JP H09127053A JP 7281603 A JP7281603 A JP 7281603A JP 28160395 A JP28160395 A JP 28160395A JP H09127053 A JPH09127053 A JP H09127053A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度良く液体試料中の過酸化水素濃度を測定
する方法、それに使用するセンサーおよびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 過酸化水素と測定電極との間で電子伝達
メディエータとして作用する物質を使用する、液体試料
中の過酸化水素の濃度を測定する方法において、液体試
料中の過酸化水素により電子伝達メディエータを酸化し
て、測定電極により酸化された電子伝達メディエータを
電気化学的に還元してその際に得られる還元電流または
電気量を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液または分散
液、例えば血液、尿等の生体試料や食品試料等の液体試
料中の成分の測定に使用できる過酸化水素の濃度の測定
方法、およびそれに使用する過酸化水素測定センサーと
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶液中のある特定の物質(被測定物質)
の量(従って、その濃度)を測定する方法として、試薬
や酵素等を用いて、それと被測定物質との反応に関与す
る過酸化水素の量を測定することによって、間接的に被
測定物質の量(従って、その濃度)を測定する方法が広
く知られている。例えば、下記の式(1)の反応を触媒
する酸化酵素を用いて、基質(S)を酸化し、生成した
過酸化水素(H22)の量を測定することにより、基質
(S)の量を測定することができる。式(1)中、Pは
Sからの生成物である。
【0003】また、生成する過酸化水素の量の測定方法
としては、過酸化水素測定センサーを用いて過酸化水素
を酸化し、その時の酸化電流値を測定する、電気化学的
方法が知られている。従来の過酸化水素測定センサー
は、銀/塩化銀電極(飽和KCl)の参照電極に対して
0.6V程度の一定の電位を、白金よりなる測定電極
(アノード)に印加し、過酸化水素を測定電極で酸化し
て、得られる酸化電流を測定している。しかし、この測
定方法では、過酸化水素を酸化することができる電位を
印加するため、その印加電位以下の電位で測定電極上で
酸化される物質、従って、過酸化水素の酸化電位以下の
電位で測定電極上で酸化される物質、例えばアスコルビ
ン酸や尿酸等の物質が被測定液体試料中に共存している
場合、これら共存物質も同時に酸化され、その酸化電流
により、測定される過酸化水素量に誤差が含まれるとい
う問題点がある。
【0004】前記問題点を回避する方法として、例え
ば、特公平3−38540号公報に開示されているよう
に、過酸化水素に対して選択性の透過膜で測定電極を被
覆し、過酸化水素以外の測定電極により酸化され得る物
質が測定電極に到達することを防ぎ、共存物質の酸化電
流による妨害を防ぐことが可能である。しかしながら、
このような過酸化水素選択性透過膜で測定電極を被覆す
る方法では、その膜がある種の抵抗層の作用をするので
過酸化水素に対する電極の感度低下が起こるという問題
点がある。また、従来の過酸化水素測定センサーは、電
極材料に高価な白金を使用するので、電極の製造コスト
が高くなる問題点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、これらの問題点を解決し、過酸化水素の酸化電位以
下の電位で測定電極上で酸化される他の物質が被測定液
体試料中に共存していても、それら共存物質の妨害を受
けることなく、過酸化水素に対しても感度低下を起こす
ことなく高感度であり、また、精度良く過酸化水素を測
定できる、被測定液体試料中の過酸化水素の量の測定方
法、その測定方法に用いる過酸化水素測定センサー、お
よびその過酸化水素測定センサーの安価で簡易な製造方
法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨にお
いて、上記課題は、過酸化水素と測定電極との間で電子
伝達メディエータとして作用する物質を使用する、液体
試料中の過酸化水素の濃度を測定する方法であって、液
体試料中の過酸化水素により電子伝達メディエータを酸
化して、測定電極により酸化された電子伝達メディエー
タを電気化学的に還元してその際に得られる還元電流ま
たは電気量を測定することを特徴とする過酸化水素濃度
の測定方法により解決できることが見いだされた。
【0007】本明細書において、「電気化学的に還元し
てその際に得られる還元電流または電気量を測定する」
こと自体は当業者に周知の工程であり、基本的には、物
質(本発明においては、酸化された電子伝達メディエー
タ)の電気化学的還元に際して生成する還元電流または
電気量が存在する物質の量に依存することを利用して、
試料中のその物質の存在量を測定する方法を意味する。
このような電気化学的測定方法は、例えばポテンシャル
ステップクロノアンペロメトリーやダブルポテンシャル
ステップクロノアンペロメトリー等のクロノアンペロメ
トリー、パルスアンペロメトリー、ノーマルパルスボル
タンメトリー、デファレンシャルパルスボルタンメトリ
ー、サイクリックボルタンメトリー、カソーディクボル
タンメトリー、ポーラログラフィー、ポテンシャルステ
ップクロノクーロメトリーやダブルポテンシャルステッ
プクロノクーロメトリー等のクロノクーロメトリー等の
方法を用いることができる。
【0008】尚、本発明の方法では、電気化学的測定方
法により測定の直接の対象となる物質は、過酸化水素自
体ではなく、液体試料中に存在する過酸化水素により酸
化された電子伝達メディエータである。この酸化された
電子伝達メディエータの量は、測定すべき液体試料中の
過酸化水素の濃度と一定の依存関係(通常、過酸化水素
の濃度が高い程、酸化された電子伝達メディエータの濃
度が高くなる傾向にある)を有する。従って、酸化され
た電子伝達メディエータを還元することができる電位を
測定電極に印加してその際に得られる還元電流または電
気量を測定することによって、酸化された電子伝達メデ
ィエータの量が判り、上記依存関係に基づいて液体試料
中の過酸化水素濃度を求めることができる。
【0009】具体的には、本発明の方法に基づく過酸化
水素濃度の測定に際して、測定すべき液体試料と同じ系
であって、過酸化水素濃度が既知の試料(通常、過酸化
水素濃度が異なる複数の試料)を用いて、過酸化水素濃
度と電子伝達メディエータの酸化および電気化学的な還
元により得られる電流との関係(いわゆる検量線であ
り、この関係は、電子伝達メディエータを媒介とする過
酸化水素濃度と還元電流との関係である)を予め求めて
おく。次に、濃度が未知の試料についても同様に得られ
る還元電流または電気量を測定する。そして、この測定
電流または電気量と上記関係から、測定すべき試料中の
過酸化水素濃度を求めることができる。最終的に過酸化
水素濃度の値を得るには、検量線のグラフから読み取る
ことによりマニュアル的に行うこともでき、また、マイ
コンを用いる一般的なデータ処理法により実施すること
もできる。
【0010】本明細書において、液体試料とは、測定す
べき物質、例えば過酸化水素を含む液体や酵素反応の基
質となる物質を含む試料やそれらの希釈液であり、これ
は、溶液であっても、あるいは分散液であってもよい。
具体的には、血液、尿、血清、血漿、漂白剤、殺菌剤、
洗浄剤、果汁、清涼飲料水、それらの希釈液などを例示
できる。従って、本発明において、「電子伝達メディエ
ータ」(以下、単に「メディエータ」とも呼ぶ)とは、
過酸化水素により化学的に酸化され、かつ、電極におい
て還元される物質のことを意味する。
【0011】本発明の方法では、還元電流を測定するの
で、過酸化水素の酸化電位以下の電位で測定電極にて酸
化される物質が液体試料中に共存していても、これら共
存物質の酸化電流による妨害を受けることなく、また、
過酸化水素選択性膜で測定電極を被覆する必要がないた
め、その膜による過酸化水素に対する感度低下を起こす
ことなく、高感度で、精度良く過酸化水素を測定するこ
とができる。特に、生体に由来する液体試料は、電気化
学的に酸化される物質を比較的多く含み、他方、電気化
学的に還元される物質をそれほど含まないので、還元電
流を測定する本発明の方法には好都合である。
【0012】尚、本発明の方法において還元電流または
電気量を測定する際には、液体試料液中に含まれている
酸素が還元され、その還元電流または電気量の影響を受
けることが有り得る。そのような場合、測定電極による
酸素の還元反応の起こらない範囲の電位にて還元電流ま
たは電気量を測定すれば、この問題点を回避できる。液
体試料中の酸素を測定する場合には、標準水素電極に対
して−0.4Vより小さい電位が用いられている現状を
考慮すると、標準水素電極に対する電位として−0.4
Vより高い(即ち、−0.4Vより正側)範囲の電位、
例えば、−0.2〜+0.5V、好ましくは0〜+0.
4V、より好ましくは+0.2〜+0.3Vの範囲の電
位で還元電流または電気量を測定するのが好ましい。
【0013】例えば、25℃にて参照電極に銀/塩化銀
電極(飽和KCl)を用いた時には、銀/塩化銀電極
(飽和KCl)の電位は、標準水素電極に対して+0.
199Vであるので、銀/塩化銀電極(飽和 KCl)
の参照電極に対して−0.599V以上、例えば、−
0.399〜+0.301V、好ましくは−0.199
〜+0.201V、より好ましくは+0.001〜+
0.101Vの範囲の電位で還元電流または電気量を測
定するのが望ましい。後述する実施例を参照すると、銀
/塩化銀電極(飽和KCl)の参照電極に対して+0.
02Vの電位で還元電流または電気量を測定すれば十分
である。
【0014】また、25℃にて参照電極に飽和カロメル
電極(以下SCEと略す)を用いた時には、SCEの電
位は標準水素電極に対して+0.2412Vであるの
で、SCEの参照電極に対して−0.6412V以上、
例えば−0.4412〜+0.2588V、好ましくは
−0.2412〜+0.1588V、より好ましくは−
0.0412〜+0.0588Vの範囲の電位で、還元
電流または電気量を測定するのが望ましい。後述する実
施例を参照すると、SCEの参照電極に対して0Vの電
位で還元電流または電気量を測定すれば十分である。
【0015】本発明に用いられるメディエータとして
は、過酸化水素により化学的に酸化され、測定電極にお
いて、還元できる物質であれば特に制限はない。しかし
ながら、銅化合物がメディエータとして適していること
が見いだされた。種々の銅化合物を検討した結果、中で
も、プリン誘導体と銅の錯体またはピリミジン誘導体と
銅の錯体が、過酸化水素との反応性および電極反応の可
逆性が良く、本発明のメディエータとしては特に好まし
い。とりわけ、銅とアデニン誘導体の錯体または銅とグ
アニン誘導体の錯体は、安定性も顕著に良く、メディエ
ータとして特に適していることも見い出された。
【0016】これらのメディエータは、単独でも、ある
いは2以上の混合物の形態でも使用することも可能であ
る。本発明において、プリン誘導体としては、アデニ
ン、グアニン、尿酸、カフェイン、テオブロミン、テオ
フィリン、キサンチン、ヒポキサンチン、プリン、プリ
ンヌクレオシド、プリンヌクレオチドなどを例示できる
が、銅と錯体を形成し、過酸化水素と電極間の電子伝達
メディエータとして作用する物質となるプリン誘導体で
あれば、特に限定されることはない。
【0017】本発明において、ピリミジン誘導体として
は、シトシン、ウラシル、チミン、5−メチルシトシ
ン、オキシメチルシトシン、ピリミジン、ピリミジンヌ
クレオシド、ピリミジンヌクレオチドなどを例示できる
が、銅と錯体を形成し、過酸化水素と電極間の電子伝達
メディエータとして作用する物質となるピリミジン誘導
体であれば、特に限定されることはない。
【0018】本発明において、アデニン誘導体として
は、7−メチルアデニン、9−メチルアデニン、3−メ
チルアデニン、アデニンなどを例示できるが、銅と錯体
を形成し、過酸化水素と電極間の電子伝達メディエータ
として作用する物質となるアデニン誘導体であれば、特
に限定されることはない。本発明において、グアニン誘
導体としては、7−メチルグアニン、9−メチルグアニ
ン、3−メチルグアニンなどを例示できるが、銅と錯体
を形成し、過酸化水素と電極間の電子伝達メディエータ
として作用する物質となるグアニン誘導体であれば、特
に限定されることはない。
【0019】上述の銅との錯体に加えて、本発明におい
てメディエータとして使用できる銅化合物としては、テ
トラキス(アセトニトリル)銅ヘキサフルオロリン酸
塩、テトラキス(アセトニトリル)銅過塩素酸塩、ジプ
ロペニル銅酸リチウム、銅t−ブチルアセチリド、メチ
ルビス(トリフェニルホスフィン)銅、メチル(2,
2’−ビピリジン)銅、ビス(2,2’−ビピリジン)
銅過塩素酸塩、メシチル銅、テトラキス(トリメチルシ
リルメチル)四銅、テトラクロロテトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)四銅、ヒドリド(トリフェニルホスフ
ィン)銅、ニトラトビス(トリフェニルホスフィン)
銅、テトラヒドロホウ酸ビス(トリフェニルホスフィ
ン)銅、シクロペンタジエニル(トリエチルホスフィ
ン)銅、シクロペンタジエニル(トリフェニルホスフィ
ン)銅、ペンタメチルシクロペンタジエニル(トリフェ
ニルホスフィン)銅、シクロペンタジエニル(イソシア
ン化t−ブチル)銅、ビス{ビス(トリメチルシリル)
アセチレン}ジクロロ二銅、(シクロペンタジエニル)
{ビス(トリメチルシリル)アセチレン}銅、カルボニ
ル{ヒドロトリス(ピラゾリル)ホウ酸}銅、カルボニ
ル(ジエチレントリアミン)銅テトラフェニルホウ酸
塩、(エチレン)(ジ−2−ピリジルアミン)銅過塩素
酸塩、ビス(1,5−シクロオクタジエン)銅過塩素酸
塩、ジクロロ(1,3−ブタジエン)二銅、ビス(1−
メチルピラゾール)銅テトラフルオロホウ塩、テトラキ
ス(ピリジン)銅過塩素酸塩、ペンタクロロ銅酸ヘキサ
アンミンクロム、ヘキサニトロ銅酸鉛カリウム、ジカル
ボナト銅酸ナトリウム三水和物、ビスオキサラト銅酸カ
リウム二水和物、トリス(μ−イソチオシアナト)ジア
ンミン銅銀、テトラアンミン銅硫酸塩一水和物、テトラ
アンミン銅硝酸塩、トリス(エチレンジアミン)銅硫酸
塩、トリス(エチレンジアミン)銅硝酸塩二水和物、ビ
ス(エチレンジアミン)銅硝酸塩二水和物、ビス(エチ
レンジアミン)銅硫酸塩二水和物、塩化ビス(エチレン
ジアミン)銅二水和物、エチレンジアミンアクア銅硫酸
塩一水和物、テトラキス(イミダゾール)銅過塩素酸
塩、テトラキス(イミダゾール)銅硫酸塩、テトラキス
(ピリジン)銅硝酸塩、ヘキサキス(ピリジン N−オ
キシド)銅過塩素酸塩、テトラキス(ピリジン N−オ
キシド)銅過塩素酸塩、ジクロロビス(ピリジン N−
オキシド)銅、テトラキス(トリメチルホスフィンオキ
シド)銅過塩素酸塩、ジクロロビス(トリフェニルホス
フィンオキシド)銅等の銅錯体や、フッ化銅、フッ化銅
二水和物、塩化銅、塩化銅二水和物、塩素酸銅六水和
物、過塩素酸銅六水和物、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、
水酸化銅、硫化銅、硫酸銅、硫酸銅五水和物、セレン化
銅、セレン化銅五水和物、アジ化銅、硝酸銅三水和物、
リン化銅、リン酸銅三水和物、ヒ化銅、ヒ酸銅四水和
物、炭酸銅、炭酸二水酸化二銅、シアン化銅、チオシア
ン酸銅、ヘキサフルオロケイ酸銅四水和物、テトラフル
オロホウ酸銅四水和物、テトラクロロ銅酸アンモニウ
ム、酢酸銅、酢酸銅一水和物、シュウ酸銅一水和物、ビ
ス(オキサラト)銅酸カリウム二水和物、ビス(2,4
−ペンタンジオナト)銅、ビス(グリシナト)銅一水和
物、テトラアンミン銅硫酸塩一水和物、ビス(エチレン
ジアミン)銅硫酸塩二水和物、ヨード(ピリジン)銅、
クロロトリス(トリフェニルホスフィン)銅、テトラシ
アノ銅酸カリウム、ジメチル銅酸リチウム、フェニル
銅、(フェニルエチニル)銅、などを例示できるが、過
酸化水素と電極間の電子伝達メディエータとして作用す
る銅化合物であれば、特に限定されることはない。
【0020】メディエータは、測定電極により電気的に
還元され得る位置に存在する必要がある。より好ましい
態様では、メディエータは測定電極に実質的に隣接して
いるのが好ましい。本発明の方法は、後述する本発明の
過酸化水素センサーを既存の電気化学的測定システムに
組み込んで、センサーを測定すべき液体試料に浸けるこ
とにより実施するのが好ましい。メディエータが測定電
極に隣接して配置されることにより、従来技術のセンサ
ーのように過酸化水素に対して抵抗となる層が実質的に
存在しないので、センサーの測定感度および精度が向上
する。
【0021】本発明の測定方法は、過酸化水素の酸化電
流を測定して直接的に過酸化水素の量を求めるのではな
く、メディエータを介在させることによって酸化された
メディエータの還元電流を電気化学的に測定する(従っ
て、間接的に過酸化水素の量を求める)ことに特徴があ
り、この方法の実施に当たって必要となるその他の技術
的事項(例えばセンサーを除く電気化学的方法による測
定システム、測定条件等)は、当業者に知られた事項で
あり、本明細書においては省略する。第2の要旨におい
て、本発明は、上記第1の要旨の過酸化水素の測定方法
に使用する、メディエータが測定電極に隣接して配置さ
れている過酸化水素測定センサーを提供する。
【0022】本発明のセンサーにおいて、測定電極の電
極材料として使用する材料は、電子伝導性物質から形成
された集電性材料であれば特に制限はない。具体的に
は、カーボン材料、白金、金、パラジウム、オスミウ
ム、銀、イリジウム等を使用できる。種々の材料を検討
した結果、カーボン材料が、安価であり、また、電位窓
が広く、更に、化学的にも安定であるので、本発明の過
酸化水素測定センサーの電極材料としては、カーボン材
料が特に好ましいことが見い出された。
【0023】使用できるカーボン材料は、特に限定され
るものではなく、従来からカーボン電極において使用さ
れているものであればよい。例えば、グラファイト、パ
イロリティクグラファイト(熱分解黒鉛)、グラッシー
カーボン、カーボンペースト、カーボンファイバーを使
用できる。
【0024】メディエータは、多孔性膜に担持されるの
が好ましく、この多孔性膜が電極に隣接して配置され、
その結果、メディエータが測定電極に隣接して配置され
る。本発明のセンサーに用いられる多孔性膜としては、
メディエータを担持でき、メディエータと過酸化水素と
の反応を阻害せず、また、測定電極とメディエータとの
電気化学的還元を阻害しない微細孔を有する膜であれば
特に制限はない。通常、孔径0.01〜100μm、好
ましくは0.1〜10μmの微細孔を有する膜であるこ
とが望ましい。後述するように、メディエータはこの多
孔膜の主として微細孔内および露出表面に担持(例えば
吸着)される。
【0025】膜の厚さは、メディエータが過酸化水素に
より酸化され、また、還元されるために測定電極に実質
的に隣接することが望ましい点を考慮すると、使用に際
して強度的に問題が生じない範囲で薄いのが好ましく、
例えば、1〜1000μm、好ましくは10〜200μ
m程度の厚さの膜を使用するのが好ましい。
【0026】尚、本発明において、「メディエータが測
定電極に隣接して配置される」における「隣接」とは、
メディエータが測定電極に直接的に接触している状態お
よび還元電流を測定できる範囲内の距離で測定電極から
離れている状態の双方またはいずれかの状態を含む。こ
の接触状態においては、少なくとも一部分のメディエー
タが電極に接触していれば十分であり、全てのメディエ
ータが測定電極に接触する必要は必ずしもない。また、
この離れた状態においては、少なくとも一部分のメディ
エータが測定電極から離れていれば十分であり、全ての
メディエータが測定電極から離れている必要はなく、メ
ディエータの還元電流を測定できる状態であればよい。
従って、メディエータの一部分が測定電極と接触し(即
ち、測定電極により担持され)、残りのメディエータが
測定電極から離れている態様も本願発明における「メデ
ィエータが測定電極に隣接して配置される」状態に含ま
れる。
【0027】従って、多孔性膜を測定電極上に配置した
場合、測定電極側と反対側の主表面および膜の孔内に担
持されているメディエータは測定電極には接触していな
いが、この場合であっても、還元電流を測定できる限
り、本発明では、メディエータが測定電極に隣接して配
置されている状態に含まれる。別法では、メディエータ
を測定電極に直接的に担持して使用することができる。
【0028】種々の材質の多孔性膜を検討した結果、本
発明のセンサーに使用する多孔性膜の材質としては、ポ
リエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)、セルロースアセ
テート、ニトロセルロース、ポリアクリロニトリル、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン等の高分子素材が適していた。
【0029】1つの好ましい態様の本発明の過酸化水素
測定センサーを、図1に模式的に断面図にて示す。本発
明のセンサー10は、銅リード線12が接続されたカー
ボン電極14をガラス管16内に有して成り、カーボン
電極14の露出面に隣接してメディエータを担持した多
孔性膜18が配置されている。この多孔性膜18は、い
ずれかの適当な手段、例えば弾性材料(例えばテフロン
材料)の環状キャップ20によってガラス管16の端部
にて電極14に隣接した状態で保持されている。
【0030】図示した態様では、判り易くするために、
電極14と多孔性膜18との間、また、ガラス管16と
多孔性膜18との間に空隙が存在するように描いている
が、これらの空隙は実際には実質的に存在しない。図示
した態様からも明らかなように、本発明に基づけば、過
酸化水素測定センサーの構造を非常に簡単なものにする
ことができ、しかも、測定に際して、メディエータは液
体試料に接触し、また、メディエータは測定電極に隣接
しているので、従来技術のセンサーの膜の存在による問
題点は解決される。
【0031】第3の要旨において、本発明は、第2の要
旨の過酸化水素測定センサーの製造方法であって、メデ
ィエータを多孔性膜に担持させ、この多孔性膜を測定電
極に隣接して配置して、それによって、センサーの使用
に際して、測定電極が過酸化水素により酸化されたメデ
ィエータを電気化学的に還元できるようにすることを特
徴とする過酸化水素測定センサー、特に精度および安定
性の良い過酸化水素測定センサーの製造方法を提供す
る。
【0032】メディエータを多孔性膜に担持させるに
は、いずれの適当な方法を用いてもよい。特に好ましい
方法では、メディエータを含む溶液または分散液に多孔
性膜を浸漬し、必要に応じて洗浄し、その後、膜を乾燥
するか、メディエータを含む溶液または分散液を多孔性
膜に塗布もしくは滴下し、その後、膜を乾燥することに
より、メディエータを多孔性膜の主として微細孔内およ
びその露出表面に担持させる、即ち、メディエータを多
孔性膜に結合、例えば吸着させる。
【0033】メディエータを含む溶液または分散液に使
用する溶媒は、メディエータを溶解または均一に分散で
きるのであれば特に限定されないが、例として、水、メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセ
トニトリル、アセトンを挙げることができる。また、メ
ディエータを含む溶液または分散液中のメディエータの
含有量も特に限定されるものではなく、適当に選択でき
る。通常、0.01〜50wt/v%、好ましくは 0.1〜
10wt/v%、例えば2.0wt/v%の溶液を使用すれば
十分である。分散液となる場合は、メディエータは、多
孔性膜の孔内への担持までもが十分となるように微細な
粉末であることが好ましい。
【0034】このようにメディエータを担持させるため
に溶液または分散液を使用する場合、多孔性膜は、使用
する溶媒に対して耐性を有するのが好ましく、また、長
期保存安定性を有するのが好ましい。このような観点か
らも、一般的には上述のような多孔性膜材料が好まし
い。
【0035】本発明のセンサーの製造方法では、メディ
エータを多孔性膜に担持させて、それを測定電極に隣接
して配置することによって、測定電極とメディエータを
実質的に隣接関係で容易に保持することができるという
利点がある。従って、上述のような本発明の過酸化水素
測定センサーおよびその製造方法に基づけば、簡単な構
造のセンサーが容易にできるので、安価に電極を提供す
ることが可能である。
【0036】本発明は、過酸化水素を含む液体試料中の
過酸化水素の濃度の測定に用いることができる他に、前
記の式(1)の反応を触媒する酸化酵素を用いて、液体
試料中の基質を酸化し、その際に生成した過酸化水素
(H22)量を測定し、測定された過酸化水素濃度に基
づいて、液体試料中の基質濃度(従って、基質量)を測
定することに利用できる。即ち、過酸化水素を生成する
基質の濃度を測定することに利用できる。これは、過酸
化水素濃度と基質濃度との間には特定の関係があり、従
って、この関係を予め求めておけば、測定された過酸化
水素濃度から一義的に基質濃度を推定できるからであ
る。このような関係は、先に説明した過酸化水素濃度と
還元されるメディエータとの関係と同様である。実際的
には、過酸化水素濃度を媒介変数とすることにより、基
質濃度と還元されるメディエータ量(従って、還元電流
または電気量)との間で直接的な一義的な関係を、基質
濃度が既知の試料について測定を実施して、予め検量線
として求めておく。その後、基質濃度が未知の試料につ
いて、還元電流または電気量を測定し、測定値と検量線
から基質濃度を求める。
【0037】このような基質と酵素との組み合わせの例
としては、グルコースとグルコースオキシダーゼ、コレ
ステロールとコレステロールオキシダーゼ、尿素とウリ
カーゼ、乳酸と乳酸オキシダーゼ、アルコールとアルコ
ールオキシダーゼ、ピルビン酸とピルビン酸オキシダー
ゼ、D−アミノ酸とD−アミノ酸オキシダーゼ、L−ア
ミノ酸とL−アミノ酸オキシダーゼ、ガラクトースとガ
ラクトースオキシダーゼ、NADHとNADHオキシダ
ーゼ等があげられるが、過酸化水素を生成する酵素と基
質との反応であれば、制限されることはない。
【0038】更に、本発明の過酸化水素の測定方法を利
用して、過酸化水素を生成または消失する反応を触媒す
る酵素の酵素活性を、生成または消失した過酸化水素を
測定することにより評価することもできる。その他に
も、本発明は、試薬や酵素等を用いて、被測定物質の反
応に関与する過酸化水素を測定することによって、間接
的に被測定物質の濃度を測定することに利用することが
できる。
【0039】
【実施例】添付図面を参照して、実施例により本発明を
更に具体的に説明する。実施例1 (アデニン銅錯体の合成) 14.8mmolのアデニンを150mlの0.1N−NaO
H水溶液に溶解した溶液に、50mlの0.2N−CuS
4水溶液を少しづつ撹拌しながら加えた。室温で1日
放置後、ガラス濾過器を用いて吸引濾過して、生成した
結晶を分離した。得られた結晶を水とエタノール(1:
1体積比)の混合溶媒で再結晶し、アデニン銅錯体の結
晶を得た。
【0040】実施例2(アデニン銅錯体を吸着させた多
孔性膜の作製) 孔径1μmのPTFE製メンブランフィルター材料(厚
さ100μm、日本ミリポアリミテッド社製、商品名:
オムニポアメンブレン JAWP 047 00)上
に、実施例1にて得たアデニン銅錯体の2.0wt/v%エ
タノール溶液5μlを滴下して浸透させた後、常温で乾
燥して、過酸化水素と電極間の電子伝達メディエータと
して作用するアデニン銅錯体をフィルター材料表面およ
びその孔内に吸着させた多孔性膜を得た。
【0041】実施例3(過酸化水素測定電極の作製) 図1に模式的に示す本発明に係る過酸化水素測定センサ
ー10を作製した。内径3mmガラス管16の中に、銅リ
ード線12を接続した電極としてのグラッシーガーボン
(東海カーボン社製、商品名:GC−30S)14を配
置し、その先端に、実施例2において作製した多孔性膜
18をテフロンキャップ20を用いて装着し、アデニン
銅錯体を電極に隣接して配置した過酸化水素測定センサ
ー10を得た。
【0042】実施例4(過酸化水素に対する電極の応答
性の確認) 実施例3において作製した過酸化水素測定センサーを、
0.5Mの硝酸カリウムを含むpH5.0のBritton−Ro
binsonの緩衝液(25℃)に入れ、電位掃引速度5mV
/秒でサイクリックボルタモグラムを測定した結果を図
2の(a)に示す(参照電極:銀/塩化銀電極(飽和K
Cl))。尚、センサーを除いて、電気化学的に還元電
流を測定するシステムとして、ポテンショスタット(扶
桑製作所社製、商品名:MODEL 312)、電位走
査ユニット(扶桑製作所社製、商品名:MODEL 1
104)、X−Yレコーダ(グラフテック社製、商品
名:WX2400)を用いた。
【0043】次に、0.5mMの過酸化水素と0.5M
の硝酸カリウムを含むpH5.0のBritton−Robinnson
の緩衝液(25℃)を用いて、上記(a)の場合と同様
にしてサイクリックボルタモグラムを測定した結果を図
2の(b)に示す。図2から明らかなように、過酸化水
素の添加により還元電流が増加することが認められる。
また、曲線(b)から還元ピーク電位は、銀/塩化銀電
極(飽和KCl)の参照電極に対して+0.02Vであ
った。
【0044】実施例5(過酸化水素の検量線の作成) 実施例3において作製した過酸化水素測定センサーを、
0〜3mMの種々の濃度の過酸化水素と0.5Mの硝酸
カリウムを含むpH5.0のBritton−Robinsonの緩衝
液(25℃)に入れ、実施例4と同様にしてサイクリッ
クボルタモグラムを測定し、還元電流のピーク電流値
(応答電流)と過酸化水素濃度との関係を求めた結果を
図3に示す。この際、検量線の作成に用いた電流値の測
定電位は、参照電極に対して+0.02Vであった。
【0045】図3から明らかなように、過酸化水素濃度
に依存した応答電流が得られており、実施例3において
作製した過酸化水素測定センサーが、過酸化水素測定用
のセンサーとして機能していることが判る。即ち、アデ
ニン銅錯体が、過酸化水素の濃度に依存して化学的に酸
化され、それを還元して得られる還元電流は、過酸化水
素の濃度に対応している。
【0046】実施例6(グルコースの測定) 実施例3において作製した過酸化水素測定センサーを0
〜10mMのグルコースとSigma Chemical Company社製
グルコースオキシダーゼ タイプII(EC1.1.3.
4.)2500U/mlと0.5Mの硝酸カリウムを含
むpH6.0の酢酸緩衝液(25℃)に入れ、電位掃引
速度10mV/秒でサイクリックボルタモグラムを測定
し、SCEの参照電極に対して0Vにおける電流値とグ
ルコース濃度との関係を求めた結果を図4に示す。グル
コース濃度に依存した応答電流が得られており、実施例
3において作製した過酸化水素測定センサーにより、グ
ルコース濃度を測定することができることが分かる。す
なわち、下記の式(2)の反応を触媒するグルコースオ
キシダーゼを用いて、グルコースを酸化し、生成した過
酸化水素(H22)を実施例3において作製した過酸化
水素測定センサーで測定することにより、グルコース濃
度を測定することができる。
【0047】尚、前記実施例では、電極材料としてグラ
ッシーカーボンを用い、メディエータとしてアデニン銅
錯体を用い、多孔性膜として孔径1μmのPTFE製メ
ンブランフィルターを用いたが、先に例示した他の電極
材料、メディエータ、多孔性膜を前記のような実施例に
おいて使用することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、被測定液中の共存物質
の影響を受けることなく、過酸化水素に対しても感度低
下を起こすことなく高感度であり、精度良く、過酸化水
素の濃度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の過酸化水素測定センサーの
模式的断面図である。
【図2】 図2は、実施例4にて測定したサイクリック
ボルタモグラムの結果である。
【図3】 図3は、実施例5にて測定した過酸化水素応
答の結果を示すグラフである。
【図4】 図4は、実施例6にて測定したグルコース濃
度と測定電流の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…センサー、12…リード線、14…電極、16…
ガラス管、18…多孔性膜、20…キャップ。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化水素と測定電極との間で電子伝達
    メディエータとして作用する物質を使用する、液体試料
    中の過酸化水素の濃度を測定する方法であって、 液体試料中の過酸化水素により電子伝達メディエータを
    酸化して、 測定電極により酸化された電子伝達メディエータを電気
    化学的に還元してその際に得られる還元電流または電気
    量を測定することを特徴とする過酸化水素濃度の測定方
    法。
  2. 【請求項2】 還元電流または電気量を測定する方法
    が、酸素の還元反応が起こらない範囲の電位で、還元電
    流または電気量を測定する方法であることを特徴とする
    請求項1記載の過酸化水素の測定方法。
  3. 【請求項3】 還元電流または電気量を測定する方法
    が、標準水素電極に対する電位として−0.4Vより高
    い範囲の電位で、還元電流または電気量を測定する方法
    であることを特徴とする請求項1または2記載の過酸化
    水素の測定方法。
  4. 【請求項4】 過酸化水素と測定電極との間で電子伝達
    メディエータとして作用する物質が、銅化合物から選択
    される少なくとも1種から成ることを特徴とする請求項
    1〜3記載の過酸化水素の測定方法。
  5. 【請求項5】 前記銅化合物が、プリン誘導体と銅の錯
    体およびピリミジン誘導体と銅の錯体から選択される少
    なくとも1種から成ることを特徴とする請求項4記載の
    過酸化水素の測定方法。
  6. 【請求項6】 前記プリン誘導体が、アデニン誘導体お
    よびグアニン誘導体から選択される少なくとも1種から
    成ることを特徴とする請求項5記載の過酸化水素の測定
    方法。
  7. 【請求項7】 電子伝達メディエータとして作用する物
    質が測定電極に隣接するように配置されていることを特
    徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法に使用
    できる過酸化水素測定センサー。
  8. 【請求項8】 測定電極が、カーボン、白金、金などの
    材料からなることを特徴とする請求項7記載の過酸化水
    素測定センサー。
  9. 【請求項9】 電子伝達メディエータが多孔性膜に担持
    されていることを特徴とする請求項7または8の過酸化
    水素測定センサー。
  10. 【請求項10】 電子伝達メディエータが測定電極に直
    接的に担持されていることを特徴とする請求項7または
    8の過酸化水素測定センサー。
  11. 【請求項11】 電子伝達メディエータとして作用する
    物質を担持させた多孔性膜を測定電極上に装着し、それ
    により、電子伝達メディエータとして作用する物質を測
    定電極に隣接するように配置することを特徴とする請求
    項7〜9のいずれかに記載の過酸化水素測定センサーの
    製造方法。
  12. 【請求項12】 電子伝達メディエータとして作用する
    物質を含む溶液または分散液を多孔性膜に塗布もしくは
    滴下し、乾燥して、電子伝達メディエータとして作用す
    る物質を担持させることを更に含むことを特徴とする請
    求項11記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 電子伝達メディエータとして作用する
    物質を含む溶液中に多孔性膜を浸漬し、必要に応じて洗
    浄を行い、乾燥して、電子伝達メディエータとして作用
    する物質を担持させることを更に含むことを特徴とする
    請求項11記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 多孔性膜が、高分子素材からなること
    を特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 高分子素材が、ポリテトラフルオロエ
    チレン(PTFE)セルロースアセテート、ニトロセル
    ロース、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホ
    ン、ポリエーテルスルホンおよびポリオレフィンから選
    択される少なくとも1種から成ることを特徴とする請求
    項14記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜6のいずれかの方法および
    /または請求項7〜10のいずれかのセンサーを用い
    て、酵素を用いた酵素反応によって液体試料中の基質を
    酸化することにより生成した過酸化水素濃度を測定する
    ことにより、液体試料中の基質の濃度を測定することを
    特徴とする基質濃度の測定方法。
  17. 【請求項17】 酵素がグルコースオキシダーゼで、基
    質がグルコースであることを特徴とする請求項16記載
    の基質濃度の測定方法。
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