JP2010060375A - 電気化学測定装置用電極およびバイオセンサ用電極 - Google Patents

電気化学測定装置用電極およびバイオセンサ用電極 Download PDF

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Abstract

【課題】金、白金ならびにイリジウムと同様に溶液に含まれる特定成分に対して電流出力を生じさせることができ、安価でかつ耐久性に優れた安価な電極を提供する。
【解決手段】溶液中の特定成分の濃度を測定する電気化学測定装置3に用いられる作用電極9(電気化学測定装置用電極1)は、イリジウムとニッケルを含む合金が用いられており、作用電極9は溶液中に含まれる特定成分を検出可能に構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学測定装置用電極および電気化学測定装置用電極を用いた電気化学測定装置、バイオセンサ用電極およびバイオセンサ用電極を用いたバイオセンサ、電気化学測定装置用電極の製造方法、バイオセンサ用電極の製造方法、電気化学測定装置を用いた測定方法、バイオセンサを用いた測定方法に関する。
多種多様な溶液に含まれる各種成分の分析は、電極表面で生じる電気化学反応を測定する方法や、同反応と特定のタンパク質が持つ触媒反応とを組み合わせた測定方法が広く用いられている。
前述の例としては、洗浄液等に使用されている溶液中の過酸化水素濃度は、カーボン電極、あるいは白金等の貴金属電極を用い、印加時に得られる過酸化水素の酸化電流値を測定することによって算出することができる。
この理由は印加時に過酸化水素の濃度に応じた酸化電流が発生するためである。
後述の例としては、溶液中の化学物質を酵素の触媒機能により、過酸化水素に変換し、この過酸化水素を酸化還元反応により計測するバイオセンサが汎用化している。
具体的には、グルコースバイオセンサの場合、グルコースをグルコースオキシダーゼによって酸化すると、グルコノラクトンと過酸化水素が生成される。
生成される過酸化水素はグルコース濃度に比例することから、この過酸化水素の生成量を測定することによって試料中のグルコース量を定量することが可能になる。
この過酸化水素の生成量は、前述したように電極表面で生じる電気化学反応を測定することによって算出されている。
ここで、この種の電極においては、過酸化水素に対する酸化能力の高い材料として貴金属が使用される場合が多い。
例えば特許文献1の図1に示されている電極材料は、白金が好ましく用いられると記載されている(特許文献1)。
また、非特許文献1のFigure2に示されている作用極の材料は白金であり、両電極共に、過酸化水素に対する印加後の電流値を測定することによってグルコース量を測定するものであった(非特許文献1)。
さらに、非特許文献2で公開されている電極材料は酸化イリジウムである(非特許文献2)。
一方、貴金属以外の電極としては、例えば特許文献2に記載されているカーボン電極がある(特許文献2)。
また、この種の電極としてはアプタマーを用いたバイオセンサ用の電極として金が使用されている。
例えば、非特許文献3の図1には、コカインセンサーの電極として金を使用した旨記載されている。
特開2001−116716号公報 実開平6−7057号公報 G.Piechotta,J.Albers and R.Hintsche",Novel micromachined silicon sensor for continuous glucose monitoring",Biosensors and Bioelectronics,Volume21,Issue5, Elsevier B.V,(Netherlands),15 novemember 2005,p.802-808 Faming Tian and Guoyi Zhu,"Sol-gel derived iridium composite glucouse biosensor",Sensors and Actuators B:Chemical,Elsevier B.V, (Netherlands),Volume86,September 2002,p.266-270 Brian R. Baker, Rebecca Y. Lai, McCall S. Wood, Elaine H. Doctor, Alan J. Heeger, and Kevin W. Plaxco" An Electronic, Aptamer-Based Small-Molecule Sensor for the Rapid, Label-Free Detection of Cocaine in Adulterated Samples and Biological Fluids",Journal of the American Chemical Society 128, 2006, p3138-3139
特許文献1、非特許文献1、3のような金や白金を用いた電極は、過酸化水素の検出用電極およびそれを用いた電気化学測定装置やバイオセンサ用の電極としては有用である。
しかしながら、金や白金を電極材料に用いて製作された電流検出型の過酸化水素センサの場合においては、金や白金は希少金属であるために、非常に高価になってしまうという問題があった。
一方で、非特許文献2のように、イリジウムを電極材料に用いた場合、金や白金よりも安価であるものの、さらにコストを下げる工夫が要求されている。
他方で、特許文献2のようなカーボンを電極材料に用いて製作された同センサの場合においては、材料費が安価であるが、電極の安定性が低く、長期間の使用に耐えられないという問題があった。
この傾向は特に酵素電極に用いた場合顕著に認められ、安定して高い測定精度を維持することは極めて困難であった。
また、カーボン電極は貴金属と比べて損傷しやすいため、カーボンが剥離するなどの損傷が生じないような、慎重な取り扱いが要求されるという問題もあった。
本発明は上記理由に鑑みてなされたものであり、その目的は、金、白金、イリジウムならびにカーボンの代替材料を用いた電気化学測定装置用電極を提供することである。
より詳しくは、白金ならびにイリジウムと同様に溶液に含まれる特定成分に対して電流出力を生じさせることができ、安価でかつカーボンよりも耐久性に優れた安価な電気化学測定装置用電極、およびこれを用いて製作される電気化学測定装置、並びに電気化学測定装置用電極を用いたバイオセンサ用電極、バイオセンサ用電極を用いたバイオセンサを提供することである。
もしくはこれらと同様に抗体およびアプタマーが光源と反応する際の電子の授受を電流値として効率的に検出できるバイオセンサを提供することにある。
前述した目的を達成するために、第1の発明は、溶液中に含まれる特定成分を検出可能な組成となるようにイリジウムとニッケルを含有していることを特徴とする電気化学測定装置用電極である。
第2の発明は、第1の発明に記載の電気化学測定装置用電極を有することを特徴とする電気化学測定装置である。
第3の発明は、第1の発明に記載の電気化学測定装置用電極の表面に、固定化触媒層を設けてなることを特徴とするバイオセンサ用電極である。
第4の発明は、第3の発明に記載のバイオセンサ用電極を有することを特徴とするバイオセンサである。
第5の発明は、溶液中に含まれる特定成分を検出可能な組成となるようにイリジウムとニッケルを含む合金を、アーク放電法、蒸着法、スパッタリング法のいずれかで製造する工程を有することを特徴とする電気化学測定装置用電極の製造方法である。
第6の発明は、第1の発明に記載の電気化学測定装置用電極の表面に固定化触媒層を設ける工程を有することを特徴とするバイオセンサ用電極の製造方法である。
第7の発明は、第2の発明に記載の電気化学測定装置を用い、電流検出方式により、溶液中の過酸化水素の濃度を測定することを特徴とする測定方法である。
第8の発明は、第4の発明に記載のバイオセンサを用い、電流検出方式により、溶液中の特定成分の濃度を測定することを特徴とする測定方法である。
本発明によれば、金、白金、イリジウムならびにカーボンの代替材料を用いた電気化学測定装置用電極を提供することができる。
以下、図面に基づいて本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る電気化学測定装置用電極1を有する電気化学測定装置3の構成を説明する。
ここでは、電気化学測定装置3として、溶液15中に含まれる特定成分としての過酸化水素の濃度を測定する電気化学測定装置が例示されている。
図1に示された電気化学測定装置3は、溶液15中の過酸化水素を酸化する作用電極9(電気化学測定装置用電極1)、電位の基準となる電極である参照電極5、および必要に応じて設けられる対極7を有している。
さらに、電気化学測定装置3は、測定の際の電位の印加等の制御および酸化電流を計測して過酸化水素濃度の測定を行う測定装置13、各電極と測定装置13を接続する配線11を有している。
電気化学測定装置3は、作用電極9、対極7、参照電極5を過酸化水素を含む溶液15中に浸漬し、測定装置13を介して定電位を印加し、作用電極9の表面で過酸化水素が酸化される際に得られる酸化電流の値を測定することにより、溶液15中の過酸化水素濃度を測定する装置である。
即ち、電気化学測定装置3は、電流検出方式により、溶液中の過酸化水素の濃度を測定する。
ここで、前述の通り、作用電極9は、金、白金ならびにイリジウムと同様に過酸化水素に対して効率よく電流出力を生じさせることができ、安価で、かつ、カーボンよりも耐久性に優れた構造、材料であることが望ましい。
上記問題に対して、発明者らは鋭意検討の結果、電極に、少なくともイリジウムとニッケルを含み、かつ、イリジウムとニッケルとを、過酸化水素に対して電流出力を生じさせることが可能な組成となるように含有した合金を用いることにより、白金やイリジウムのみを用いた電極よりも安価で、かつ、カーボンを用いた電極よりも耐久性に優れた電極とすることが可能であることを見出した。
以下、合金中の各物質についてより詳細に説明する。
イリジウムは、過酸化水素に対する高い酸化力を有し、かつ従来の作用電極の材料として用いられる白金と比べて、安価で加工性に優れた材料であり、かつカーボンよりも耐久性があり、溶液15中の過酸化水素を酸化するために必須である。
ニッケルは白金やイリジウムと比べて安価な元素であり、かつ、カーボンよりも耐久性があり、必須である。
ここで、合金中のニッケルの含有率は、合金中のイリジウムとニッケルの原子比率が50:50〜5:95の範囲であることが望ましく、40:60〜10:90の範囲であることがより望ましい。
上記組成範囲外では、十分な過酸化水素に対する選択性が得られなくなり、電位窓が狭まるという問題を生じる。
これは、イリジウムとニッケルの比率によって、酸化性や電位窓が影響を受けるためであると考えられる。
なお、合金をイリジウムとニッケルのみで構成してもよい。
上記合金は、例えばアーク放電法、蒸着法、スパッタリング法によって製造されるが、材料を無駄なく利用できる点において、アーク放電法によって製造されるのが好ましい。
なお、参照電極5としては公知の電極を用いることができ、例えばガラス複合電極が挙げられる。
また、対極7としても公知の電極を用いることができ、例えば白金電極が挙げられる。
ここで、電気化学測定装置3を用いた、溶液15中の過酸化水素の濃度の測定方法について詳細に説明する。
まず、作用電極9、対極7、参照電極5を、過酸化水素を含まない溶液15中に浸漬する。
各電極が溶液15中に浸漬されると、測定装置13を用いて定電位を印加し、電流値が定常状態になってから過酸化水素を添加する。
電位の印加により、作用電極9の表面では過酸化水素が酸化され、酸化電流が生じる。
測定装置13は定常状態の電流値から酸化電流の差を元に、溶液15中の過酸化水素濃度を算出する。
溶液15に過酸化水素が添加された溶液としては、例えば食品製造に用いられる洗浄液が該当する。
なお、測定方法は上記方法に限定されるものではない。
測定法としては、サイクリックボルタンメトリ法、パルスボルタンメトリ法(ノーマルパルスボルタンメトリ法、微分パルスボルタンメトリ法、方形波ボルタンメトリ法を含む)等、種々の測定法を使用してもよい。好ましくは最も測定精度に優れた方形波ボルタンメトリ法が好ましい。
このように、第1の実施形態によれば、電気化学測定装置3は、作用電極9、対極7、参照電極5、測定装置13を有し、作用電極9は、イリジウムとニッケルを含み、かつ、イリジウムとニッケルとを、過酸化水素に対して電流出力を生じさせることが可能な組成となるように含有した合金が用いられている。
そのため、作用電極9は、金、白金やイリジウムのみを用いた電極よりも安価で、かつ、カーボンを用いた電極よりも耐久性に優れており、金、白金、イリジウム、カーボン電極の代替電極として用いることができる。
次に、第2の実施形態について、図2を参照して説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態において、作用電極9aを、表面が触媒機能を有する生体高分子を固定化した固定化触媒層6で覆われたバイオセンサ用電極4とし、装置全体をバイオセンサ3aとしたものである。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の効果を奏する要素については同一の番号を付し、説明を省略する。
図2(a)に示すように、バイオセンサ3aの構成は電気化学測定装置3と同様であるが、表面が固定化触媒層6で覆われた作用電極9a(バイオセンサ用電極4)を有している。
さらに、バイオセンサ3aは、測定の際の電位の印加等の制御および酸化電流を計測して、測定対象物質の濃度を測定する測定装置13aを有している。
図2(b)に示すように、バイオセンサ用電極4は、電気化学測定装置用電極1と、電気化学測定装置用電極1の表面に設けられた固定化触媒層6を有している。
電気化学測定装置用電極1の構造、組成は、第1の実施形態に係る電気化学測定装置用電極1と同様であり、イリジウムとニッケルを含み、かつ、イリジウムとニッケルとを、過酸化水素に対して電流出力を生じさせることが可能な組成となるように含有した合金が用いられている。
固定化触媒層6は、例えば固定化酵素層または固定化抗体層である。
固定化酵素層は、測定対象物質を過酸化水素に変換する酵素を含む層である。
固定化触媒層6が固定化酵素層の場合、バイオセンサ3aは、固定化触媒層6の酵素が測定対象物質を過酸化水素に変換し、得られた過酸化水素が電気化学測定装置用電極1の表面で酸化される際に生じる酸化電流を測定することにより、溶液15a中の測定対象物質の濃度を測定することができる。
即ち、バイオセンサ3aは、電流検出方式により、溶液中の過酸化水素の濃度を測定することにより、溶液中の測定対象物質の濃度を測定することができる。
酵素としては、測定対象物質の触媒反応の生成物として過酸化水素を生成する、または酸素を消費する酵素である必要があり、測定対象物質に応じて乳酸酸化酵素、グルコース酸化酵素、尿酸酸化酵素、尿素酸化酵素、アルコール酸化酵素等が用いられる。
また、2種類以上の酵素を同時に用いてもよい。例えば、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、およびサルコシンオキシダーゼがこれに該当する。
これらの酵素を用いることによってクレアチニンの検出が可能になる。
さらに、酵素と補酵素を含んでいてもよい。
酵素を電気化学測定装置用電極1の表面に固定する方法としては、公知の方法を用いることができるが、例えば架橋反応を利用したものが挙げられる。
具体的には、酵素溶液、グルタルアルデヒド等の蛋白質の架橋剤、およびアルブミン等のタンパク質を含む溶液を、電気化学測定装置用電極1の表面に滴下することにより電気化学測定装置用電極1の表面に酵素が固定され、固定化触媒層6としての固定化酵素層が形成される。
一方、固定化触媒層6が固定化抗体層の場合、抗体と溶液中の抗原とが反応する際に電子の授受が行われるため、バイオセンサ3aは、その際に例えば方形波ボルタンメトリ測定を行うことにより、この電子の授受に起因して生じる電流を測定することができ、溶液中の特定物質の濃度を測定することができる。
抗体としては、測定対象物質に応じて、ダイオキシン抗体としてポリ塩化ジベンゾパラジオキシンの抗体、内分泌攪乱物質の抗体としてビスフェノールAの抗体、残留農薬の抗体等としてジクロルホスの抗体が好ましく用いられる。
また、固定化触媒層6はアプタマーを有しても良い。
アプタマーはDNAアプタマー、RNAアプタマー、ペプチドアプタマー等が挙げられる。
具体的にはコカインアプタマー、トロンビンアプタマー、トリニトロトルエンアプタマーなどが好ましく用いられる。
また、抗体やアプタマーの固定方法としては、例えば、電気化学測定装置用電極1の表面にチオール基を導入してから両者を固定する方法や、電気化学測定装置用電極1の表面にカルボキシル基を導入後、アミノカップリング薬処理後に抗体を固定化して、固定化抗体層を形成する方法が挙げられる。
なお、アプタマーを用いる場合はアプタマーの合成時にチオール基を導入しもよい。
このように合成することにより、合金表面にチオール基を形成する行程を省くことが可能になる。
なお、固定化触媒層6は酵素を含む場合、測定対象物質を過酸化水素に変換する機能を持つ構成、抗体やアプタマーを含む場合、特定の印加電位において電子の授受が発生し、出力として電流値を生じる構成であれば、特に限定されない。
ここで、バイオセンサ3aを用いた溶液15a中の測定対象物質の濃度の測定方法について詳細に説明する。
まず、作用電極9a、対極7、参照電極5を、測定対象物質を含まない溶液15a中に浸漬する。
ここで、固定化触媒層6が固定化酵素層の場合は、各電極が溶液15a中に浸漬されると、測定装置13aを介して定電位を印加し、定常状態になってから測定対象物質を添加する。
各電極が測定対象物質が添加された溶液15a中に浸漬されると、溶液15a中の測定対象物質は作用電極9aの固定化酵素層と接触し、触媒反応により、過酸化水素に変換される。
得られた過酸化水素は、電位の印加により、作用電極9aの電気化学測定装置用電極1の表面で酸化され、酸化電流が生じる。
測定装置13aは酸化電流から定常状態の電流値の差から過酸化水素濃度を算出する。
さらに、測定装置13aは測定した過酸化水素濃度をもとに、溶液15a中の測定対象物質の濃度を測定する。
固定化触媒層2が固定化抗体層の場合は、各電極が溶液15a中に浸漬されると、抗体と測定対象物質が反応するため、測定装置13aを介して、例えば方形波ボルタンメトリ法にて、反応により得られる電流値を測定し、電流値をもとに、溶液15a中の測定対象物質の濃度を測定する。
なお、測定法は方形波ボルタンメトリ法に限定されるものではない。
例えばボルタンメトリ法としてはノーマルパルスボルタンメトリ法、微分パルスボルタンメトリ法等を用いても良いし、あるいはサイクリックボルタンメトリ法を用いてもよいが、高い測定精度を得られるという点で方形波ボルタンメトリ法が好ましい。
このように、第2の実施形態によれば、バイオセンサ3aは、作用電極9a、対極7、参照電極5、測定装置13aを有し、作用電極9aの電気化学測定装置用電極1は、イリジウムとニッケルを含む合金が用いられており、上記合金は過酸化水素に対して電流出力を生じさせることが可能な組成となっている。
そのため、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
次に、第3の実施形態について図3および図4を参照して説明する。
第3の実施形態におけるバイオセンサ3bは、第2の実施形態において、電気化学測定装置用電極1を絶縁基板23上に設け、電気化学測定装置用電極1と固定化触媒層6の間に結合層24をさらに設けて作用電極25a(バイオセンサ用電極4a)を構成したものである。
図3および図4に示すように、作用電極25a(バイオセンサ用電極4a)は絶縁基板23、絶縁基板23の表面に設けられた電気化学測定装置用電極1を有している。
また、図4に示すように、作用電極25a(バイオセンサ用電極4a)は、図4における電気化学測定装置用電極1の上方に固定化触媒層6が設けられている。
さらに、作用電極25aは、電気化学測定装置用電極1と固定化触媒層6の間に設けられ、かつ電気化学測定装置用電極1を覆うように絶縁基板23および電気化学測定装置用電極1上に設けられた結合層24を有している。
結合層24上には、固定化触媒層6が設けられている。
なお、電気化学測定装置用電極1、固定化触媒層6、結合層24で電極部10を構成している。
絶縁基板23は電極部10を保持する部材であり、耐水性、耐熱性、耐薬品性、絶縁性および電気化学測定装置用電極1との密着性に優れた材料であることが好ましい。
このような要件を満たす材料としては、例えばセラミックス、ガラス、石英、プラスチックスが挙げられる。
結合層24は、固定化触媒層6と絶縁基板23および電気化学測定装置用電極1との密着性(結合性)を向上させるために設けられるものである。
また、結合層24は、絶縁基板23の表面のぬれ性を改善し、固定化触媒層6を形成する際の膜厚の均一性を向上させる効果も有している。
結合層24を構成する材料としては、例えばシランカップリング剤が挙げられる。
シランカップリング剤の種類としては、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシランが挙げられるが、このうち、密着性の観点から、アミノシランの一種であるγ−アミノプロピルトリエトキシシランがより好ましい。
結合層24は例えばシランカップリング剤溶液をスピンコートすることにより絶縁基板23および電気化学測定装置用電極1上に形成することができる。
この際、シランカップリング剤濃度は1v/v%(体積/体積%)程度とすることが好ましい。この濃度であれば、アルコキシル基が十分に水和し、十分な密着性が発揮されるからである。
なお、図4では一枚の絶縁基板23上に1つの電極部10が設けられているが、一枚の絶縁基板23上に複数の電極部10を設けてもよい。
また、図3では対極7および参照電極5も別々の絶縁基板23上に形成されているが、全ての電極を一枚の絶縁基板23上に形成してもよい。
ここで、作用電極25aの製造方法について、簡単に説明する。
まず、絶縁基板23上に、電気化学測定装置用電極1を蒸着法、またはスパッタリング法等を用いて設ける。
次に、絶縁基板23および電気化学測定装置用電極1上に、電気化学測定装置用電極1を覆うようにして結合層24をスピンコートにより設ける。
次に、結合層24上に、酵素溶液、グルタルアルデヒド等の蛋白質の架橋剤、およびアルブミンを含む溶液を、滴下することにより固定化触媒層6としての固定化酵素層が形成され、作用電極25aが完成する。
なお、バイオセンサ3bを用いた、溶液中15a中の測定対象物質の濃度の測定方法については、第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
このように、第3の実施形態によれば、バイオセンサ3bは、作用電極25a、対極7、参照電極5、測定装置13aを有し、作用電極25aの電気化学測定装置用電極1は、イリジウムとニッケルを含む合金が用いられており、上記合金は過酸化水素に対して電流出力を生じさせることが可能な組成となっている。
そのため、第2の実施形態と同様の効果を奏する。
また、第3の実施形態によれば、作用電極25aは、電気化学測定装置用電極1を絶縁基板23上に設け、電気化学測定装置用電極1と固定化触媒層6の間に結合層24をさらに設けた構造を有している。
そのため、第2の実施形態と比較して、固定化触媒層6と電気化学測定装置用電極1との密着性(結合性)を向上させることができ、また、固定化触媒層6を形成する際の膜厚の均一性を向上させることができる。
次に、具体的な実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示す電気化学測定装置3をイリジウム−ニッケル合金の電極を用いて作製し、指示電解質溶液に対するサイクリックボルタンメトリ測定を行い、イリジウムおよびニッケルのみで構成された電極を用いた場合と比較した。
まず、作用電極9(電気化学測定装置用電極1)の製作を以下のように行った。
はじめに、イリジウムパウダとニッケル(共にフルウチ化学社製)を用意し、アーク放電によってイリジウム−ニッケル合金およびイリジウム、ニッケル単体のサンプルを製造した。
具体的には、イリジウムとニッケルの原子比率が100:0、95:5、75:25、50:50、25:75、0:100の6種類のサンプルを製造した。
次に、製造したサンプルを、プリント配線が施されたフレキシブル基板に接着剤を用いて固定化し、ワイヤボンデングによって結線した後、信越化学社製のシリコーン封止剤で防水処理を施し、作用電極9(電気化学測定装置用電極1)とした。
なお、作用電極9の電極面積は8mm(8×10−6)とした。
次に、参照電極5として既存のガラス複合電極(東亞ディーケーケー(株)社製、GST−5741C)を用意し、対極7として既存の白金電極(BAS社製、002233)を用意した。
次に、溶液15として、指示電解質溶液(100mM(100mol/m)のエヌ−トリス(ハイドロキシ−メチル)−メチル−2−アミノエタンサルフォニックアシッド(同仁化学研究所製pH緩衝液、pHを7に調整済み、150mM(150mol/m)の塩化ナトリウム(和光純薬工業社製)を含む)を用意し、溶液15に作用電極9、参照電極5、対極7を浸漬し、配線11を通じてこれらの電極を測定装置13としてのIvium社製CompactStatに接続し、電気化学測定装置3を作製した。
測定は指示電解質溶液に対するサイクリックボルタンメトリ測定を行った。
測定条件は−0.3V〜+1.2Vの範囲を0.01V/sで1回掃引するものである。
得られた結果を図5に示す。
図5に示すように、イリジウムとニッケルの原子比率が25:75のときに電位窓が最も拡大することが確認された。
以上の結果から、イリジウムの含有量を減らし、その分、価格の安いニッケルを添加できるため低コストで過酸化水素を検出可能(過酸化水素に対して電流出力を生じさせることが可能)な電極を提供できることがわかった。
(実施例2)
イリジウムとニッケルの原子比率が100:0(イリジウム単体)、25:75、および白金単体の電極をそれぞれ実施例1と同様に製作し、同様に作用電極9として実験に供試した。なお、白金電極の白金はフルウチ社製の白金ワイヤを用いた。
次に、参照電極として既存のガラス複合電極(東亞ディーケーケー(株)社製、GST−5741C)、と対極として既存の白金電極(BAS社製、002233)を用意した。
続いて、実施例1の指示電解質に終濃度として2.47mM(2.47mol/m)の過酸化水素(関東化学社製)および10mM(10mol/m)のアスコルビン酸(和光純薬工業社製)に対する定電位測定を行った。測定は前述の作用電極9を前述の指示電解質に浸漬し、0.7Vの電位を印加後、定常状態となるまで放置した(約5分間)。
その後、終濃度として前述の濃度となるように過酸化水素ならびにアスコルビン酸をそれぞれ添加した。
応答電流値は過酸化水素ならびにアスコルビン酸から得られる電流値から定常状態の電流値の差とした。結果を図6に示す。
図6のグラフは縦軸にマイクロアンペアの応答電流値が、横軸に作用電極9の組成がそれぞれ示されている。
その結果、本実施例のイリジウム−ニッケル合金の作用電極9は、イリジウム単体および白金単体と同様に過酸化水素とアスコルビン酸に反応することがわかった。
即ち、ニッケルを添加することにより、過酸化水素およびアスコルビン酸の応答電流値が増加することがわかった。
以上の結果から、イリジウムとニッケルの合金が、アンペロメトリック型のバイオセンサの電極として白金を用いた電極と同等に好適に使用できることがわかった。
(実施例3)
実施例2で用いた電極のうち、イリジウムとニッケルの原子比率が25:75の電極を用意し、0.1M(100mol/m)の硫酸ナトリウム溶液中で電気化学クリーニングを行った。
クリーニング条件は−1.5V〜+1.5Vの範囲を0.5V/sで100回掃引するものである。
続いて、純水で1v/v%に希釈したガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製)を電極表面にスピンコートし、110℃で乾燥させた。
続いて、前出した指示電解質溶液で調整した牛アルブミン溶液(和光純薬工業社製)と純水で0.5v/v%に調整したグルタルアルデヒド溶液(アルドリッチ社製)、および376.7U/μlに調整したグルコース酸化酵素を混合し、すみやかに同様にスピンコートし、グルコース酵素センサ(バイオセンサ用電極)を製作した。
続いて、終濃度として10mg/dl(0.1×10−3kg/l)グルコース(和光純薬工業社製)に対する定電位測定を行った。
測定はグルコース酵素センサを作用極、既存のガラス複合電極(東亞ディーケーケー(株)社製、GST−5741C)を参照電極、そして既存の白金電極(BAS社製、002233)を対極とする3電極法で実施した。
具体的には、これらの電極を指示電解質に浸漬し、0.7Vの電位を印加後、定常状態となるまで放置した(約5分間)。
その後、終濃度として前述の濃度となるようにグルコース溶液を添加した。
グルコースの添加後に得られる電流値から定常状態の電流値の差とした。
なお、印加電位は0.7Vとした。
上記測定を10回繰り返し、以下の式を用いて繰り返し再現性の値を計算し、比較を行った。

繰り返し再現性の値(%)=(電流値の標準偏差/電流値の平均値)×100…(式)
その結果、繰り返し再現性は、4%以下を示し、酵素が電極表面に強固に固定され、酵素のセンサ特性の低下が全く生じないことが示された。
(実施例4)
初めに実施例2で記載したイリジウムとニッケル比が25:75の電極を用意し、0.1Mの硫酸ナトリウム溶液中で電気化学クリーニングを行った。
クリーニング条件は−1.5V〜+1.5Vの範囲を0.5V/sで100回掃引するものである。
続いて、シグマ(株)製の、以下の配列のアプタマーを用意した。
配列:5’-HS-(CH2)6-TAAGTTCATCTCCCCGGTTGGTGTGGTTGGT-(CH2)3-MB-3’
このアプタマーはトロンビンに応答するアプタマーである。
続いて、pHを7.4に調整した100mM(100mol/m)のトリスバッファー中に0.1μM(0.1mol/m)の前述のアプタマーと0.1μM(0.1mol/m)のトリス−(2−カルボキシメチル)ホスフィンハイドロクロライドを溶解させた溶液に、前述の電極を約20時間の浸漬させた。
続いて、1mM(1mol/m)の6−メルカプトヘキサノールに前述の電極を3時間浸漬し、その後トリスバッファーで十分に洗浄し、トロンビンアプタマー電極とした。
測定はこのアプタマー電極を作用極、実施例3の参照極と対極とした3電極によるACボルタンメトリ法で行った。
その結果、実施例3の指示電解質に溶解させたトロンビンに対し、−0.26V付近に電流値のピークを持つ電流電位曲線を示した。
また、得られる電流値はトロンビン濃度と比例することもわかった。
以上の結果から、イリジウム−ニッケル電極はアプタマー電極のトランスデューサとして適用できる材料であることがわかった。
(実施例5)
初めにイリジウムとニッケルの原子比率が25:75の電極をアーク放電法で製作し、ガラス基板上に接着剤で固定した。次に、電極基板と結線し、シリコーンシール材で封止した。
電極面積は4.9mm(4.9×10−6)であった。
続いて、0.1M(100mol/m)の硫酸ナトリウム溶液中で電気化学クリーニングを行った。
クリーニング条件は−1.5V〜+1.5Vの範囲を0.5V/sで100回掃引するものである。
続いて、自己組織化単分子膜用のチオール分子としてMUA(11-メルカプトウンデカン酸)を少量のエタノールに溶解させ、最終濃度が1mMとなるように蒸留水で調製した。
次に、この溶液の1mlを電極表面に滴下し、約1時間静置後、エタノールで洗浄した。
続いて、内乱攪乱物質の一つであるビスフェノールAのモノクローナル抗体(コスモ・バイオ(株)社製)を200マイクログラム/ml(pH7.4の10mM(10mol/m)のリン酸緩衝液と、0.2w/v%の牛血清アルブミンと、0.09w/v%アジ化ナトリウムを含む)を40マイクロリットル分注し、電極表面に滴下した。
そして、1時間室温下で乾燥させた後、1w/v%のポリビニルアルコール中に1時間浸漬し、さらに、1時間室温下で乾燥させた。
この電極を作用極とし、実施例3の参照極と対極とした3電極による方形波ボルタンメトリ法で溶液中のビスフェノールAに対する応答電流を測定した。
測定条件は0.1−1.2V掃引範囲、40mVのパルス電位、4Hzの周波数、10mVのステップ電位である。
その結果、1ppbのビスフェノールAに対してμAオーダーの応答電流が得られることを確認した。
以上のように、本発明によれば、金、白金電極またはイリジウム単体の電極(もしくはカーボン電極)の代替材料としてイリジウム−ニッケル合金の電極が適用できることがわかった。
また、この電極を用いてバイオセンサ用電極を製作した場合、金、白金電極またはイリジウム単体の電極(もしくはカーボン電極)と同様に測定できるバイオセンサを提供できることもわかった。
上記した実施形態および実施例では、イリジウムとニッケルを含有する電極を、過酸化水素濃度を測定する電気化学測定装置3に適用した場合について説明したが、本発明は、何等、これに限定されることなく、イリジウムとニッケルを含有する電極に対して選択的酸化性を有する全ての物質の濃度の測定装置に適用できる。
電気化学測定装置3を示す模式図である。 図2(a)は、バイオセンサ3aを示す模式図であって、図2(b)は、図2(a)の作用電極9a(バイオセンサ用電極4)の縦断面図を示す図である。 バイオセンサ3bを示す模式図である。 図3のバイオセンサ用電極4aのA方向から見た断面図である。 実施例1の実験結果を示す図である。 実施例2の実験結果を示す図である。
符号の説明
1…………電気化学測定装置用電極
3…………電気化学測定装置
3a………バイオセンサ
3b………バイオセンサ
4…………バイオセンサ用電極
5…………参照電極
6…………固定化触媒層
7…………対極
9…………作用電極
11………配線
13………測定装置
15………溶液
23………絶縁基板
24………結合層

Claims (31)

  1. 溶液中に含まれる特定成分を検出可能な組成となるようにイリジウムとニッケルを含有していることを特徴とする電気化学測定装置用電極。
  2. イリジウムとニッケルとを、過酸化水素に対して電流出力を生じさせることが可能な組成となるように含有した合金で構成されていることを特徴とする請求項1記載の電気化学測定装置用電極。
  3. 前記合金は、イリジウムとニッケルの原子比率が50:50〜5:95の範囲であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電気化学測定装置用電極。
  4. 前記合金は、イリジウムとニッケルの原子比率が40:60〜10:90の範囲であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電気化学測定装置用電極。
  5. 前記合金は、
    イリジウム−ニッケル合金であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の電気化学測定装置用電極。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学測定装置用電極を有することを特徴とする電気化学測定装置。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学測定装置用電極の表面に、固定化触媒層を設けてなることを特徴とするバイオセンサ用電極。
  8. 前記固定化触媒層は、固定化酵素層であり、
    前記固定化酵素層は、
    前記特定成分を、過酸化水素に変換可能な少なくとも1つの種類の酵素を有し、
    前記固定化酵素層が変換した過酸化水素を前記電気化学測定装置用電極が検出することにより、前記特定成分を検出することを特徴とする請求項7記載のバイオセンサ用電極。
  9. 前記酵素は、
    乳酸酸化酵素、グルコース酸化酵素、尿酸酸化酵素、尿素酸化酵素、アルコール酸化酵素、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、サルコシンオキシダーゼのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項8記載のバイオセンサ用電極。
  10. 前記固定化触媒層は、固定化抗体層であり、
    前記固定化抗体層は、
    前記特定成分と反応可能な少なくとも1つの種類の抗体を有し、
    前記固定化抗体層中の前記抗体と前記特定成分との反応により生じる電流を、前記電気化学測定装置用電極が検出することにより、前記特定成分を検出することを特徴とする請求項7記載のバイオセンサ用電極。
  11. 前記抗体は、
    ダイオキシン抗体、内分泌攪乱物質の抗体、残留農薬の抗体のいずれかであることを特徴とする請求項10記載のバイオセンサ用電極。
  12. 前記固定化触媒層は、アプタマーを有する層であることを特徴とする、請求項7記載のバイオセンサ用電極。
  13. 前記アプタマーは、DNAアプタマー、RNAアプタマー、ペプチドアプタマーのいずれかであることを特徴とする請求項12記載のバイオセンサ用電極。
  14. 前記アプタマーは、コカインアプタマー、トロンビンアプタマー、トリニトロトルエンアプタマーのいずれかであることを特徴とする請求項12記載のバイオセンサ用電極。
  15. 前記電気化学測定装置用電極を保持する絶縁基板と、
    前記電気化学測定装置用電極と前記固定化触媒層の間に設けられ、かつ前記電気化学測定装置用電極を覆うように、前記絶縁基板および電気化学測定装置用電極上に設けられた結合層と、
    をさらに有することを特徴とする請求項7記載のバイオセンサ用電極。
  16. 請求項7〜15のいずれかに記載のバイオセンサ用電極を有することを特徴とするバイオセンサ。
  17. 溶液中に含まれる特定成分を検出可能な組成となるようにイリジウムとニッケルを含む合金を、アーク放電法、蒸着法、スパッタリング法のいずれかで製造する工程を有することを特徴とする電気化学測定装置用電極の製造方法。
  18. 前記工程は、イリジウムとニッケルとを、過酸化水素に対して電流出力を生じさせることが可能な組成となるように含有した合金を製造する工程であることを特徴とする請求項17記載の電気化学測定装置用電極の製造方法。
  19. 前記工程は、イリジウムとニッケルの原子比率が50:50〜5:95の範囲である合金を製造する工程であることを特徴とする請求項17または18のいずれかに記載の電気化学測定装置用電極の製造方法。
  20. 前記合金は、イリジウムとニッケルの原子比率が40:60〜10:90の範囲である合金を製造する工程であることを特徴とする請求項17または18のいずれかに記載の電気化学測定装置用電極の製造方法。
  21. 請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学測定装置用電極の表面に固定化触媒層を設ける工程を有することを特徴とするバイオセンサ用電極の製造方法。
  22. 前記工程は、
    固定化触媒層として、前記特定成分を、過酸化水素に変換可能な少なくとも1つの酵素を前記電気化学測定装置用電極の表面に固定して固定化酵素層を設ける工程であることを特徴とする請求項21記載のバイオセンサ用電極の製造方法。
  23. 前記工程は、
    乳酸酸化酵素、グルコース酸化酵素、尿酸酸化酵素、尿素酸化酵素、アルコール酸化酵素、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、サルコシンオキシダーゼのうち、少なくとも1つを前記電気化学測定装置用電極の表面に固定して固定化酵素層を設ける工程であることを特徴とする請求項22記載のバイオセンサ用電極の製造方法。
  24. 前記工程は、
    固定化触媒層として、前記特定成分と反応可能な少なくとも1つの抗体を前記電気化学測定装置用電極の表面に固定して固定化抗体層を設ける工程であることを特徴とする請求項21記載のバイオセンサ用電極の製造方法。
  25. 前記工程は、
    ダイオキシン抗体、内分泌攪乱物質の抗体、残留農薬の抗体のうちのいずれかを前記電気化学測定装置用電極の表面に固定して固定化抗体層を設ける工程であることを特徴とする請求項24記載のバイオセンサ用電極の製造方法。
  26. 前記工程は、
    固定化触媒層として、前記特定成分と反応可能な少なくとも1つのアプタマーを前記電気化学測定装置用電極の表面に固定する工程であることを特徴とする請求項21記載のバイオセンサ用電極の製造方法。
  27. 前記工程は、コカインアプタマー、トロンビンアプタマー、トリニトロトルエンアプタマーのうちのいずれかを前記電気化学測定装置用電極の表面に固定する工程であることを特徴とする請求項26記載のバイオセンサ用電極の製造方法。
  28. 請求項6記載の電気化学測定装置を用い、電流検出方式により、溶液中の過酸化水素の濃度を測定することを特徴とする測定方法。
  29. 請求項16記載のバイオセンサを用い、電流検出方式により、溶液中の特定成分の濃度を測定することを特徴とする測定方法。
  30. 少なくともサイクリックボルタンメトリ法とパルスボルタンメトリ法のいずれか一方の測定方法を実施することを特徴とする請求項28または29記載の測定方法。
  31. 前記パルスボルタンメトリ法は、ノーマルパルスボルタンメトリ法、微分パルスボルタンメトリ法、方形波ボルタンメトリ法のいずれかであることを特徴とする請求項30記載の測定方法。
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