JPH09124579A - 2−クロロアクリロニトリルの改良製造方法 - Google Patents

2−クロロアクリロニトリルの改良製造方法

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JPH09124579A
JPH09124579A JP8299251A JP29925196A JPH09124579A JP H09124579 A JPH09124579 A JP H09124579A JP 8299251 A JP8299251 A JP 8299251A JP 29925196 A JP29925196 A JP 29925196A JP H09124579 A JPH09124579 A JP H09124579A
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dichloropropionitrile
acrylonitrile
pyridine
chlorination
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Franz-Josef Mais
フランツ−ヨゼフ・マイス
Thomas Essert
トマス・エツセルト
Helmut Dr Fiege
ヘルムート・フイーゲ
Friedrich Duerholz
フリードリヒ・デユルホルツ
Guido Dipl Chem Dr Steffan
グイド・シユテフアン
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C255/00Carboxylic acid nitriles
    • C07C255/01Carboxylic acid nitriles having cyano groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C255/10Carboxylic acid nitriles having cyano groups bound to acyclic carbon atoms containing cyano groups and halogen atoms, or nitro or nitroso groups, bound to the same acyclic carbon skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2−クロロアクリロニトリルの改良製造方
法。 【解決手段】 アクリロニトリルを塩素化した後その生
じた2,3−ジクロロプロピオニトリルを熱で開裂させ
ることによる2−クロロアクリロニトリルの製造を、こ
のアクリロニトリルの塩素化をジメチルホルムアミドと
ピリジンおよび/またはピリジン誘導体を含む触媒系の
存在下で行いそしてその結果として生じた粗2,3−ジ
クロロプロピオニトリルにさらなる触媒を添加すること
なく同じ触媒系の存在下で熱開裂を受けさせることによ
る特に有利で工業的に容易に実施可能な様式で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、アクリロニトリルに元素状塩素
を付加させた後その生じた2,3−ジクロロプロピオニ
トリルに熱開裂を受けさせることによって2−クロロア
クリロニトリルを製造する方法に関する。
【0002】2−クロロアクリロニトリルは、例えば植
物保護用製品の製造において価値有る中間体である(米
国特許第5 145 986号参照)。
【0003】アクリロニトリルに塩素を付加させると
2,3−ジクロロプロピオニトリルが生じることは公知
である。米国特許第2 390 470号には、塩素に
よるアクリロニトリルの塩素化を光の作用下で直接行う
ことが記述されており、そこでの2,3−ジクロロプロ
ピオニトリル収率は最良で80%である。ドイツ特許出
願公開第1 568 161号には、例えば水素燐酸塩
を添加して上記反応を行うことが請求されている。しか
しながら、90%以上の良好な収率が達成されるのは反
応温度を0℃以下にした時のみである。加うるに、その
反応混合物に含まれる不均一な無機成分を次の使用に先
立って濾過で除去する必要があり、汚染された無機廃棄
物が生じる。
【0004】米国特許第2 429 031号には、塩
化水素を触媒量で存在させてアクリロニトリルの塩素化
を行うことが記述されている。しかしながら、遊離ハロ
ゲン化水素を存在させた時の主要生成物は2,2,3−
トリクロロプロピオニトリルであることから、その実験
で得られた結果は誤って解釈されていた。
【0005】Angrew.Chem.60、311か
ら312(1948)には、触媒としてピリジンを存在
させてアクリロニトリルの塩素化を行うことが記述され
ている。その結果として生じる2,3−ジクロロプロピ
オニトリルを後で処理して2−クロロアクリロニトリル
を生じさせることが同様に記述されている。しかしなが
ら、これを行うには最初に2,3−ジクロロプロピオニ
トリルを蒸留する必要がある。そこに示されている2,
3−ジクロロプロピオニトリルの収率である95%は、
その反応の再実施で実証不能であった(J.Org.C
hem.26、2325から2327(1961)参
照)。この後者の文献にはまた粗(即ちピリジンを含有
する)2,3−ジクロロプロピオニトリルの熱開裂で2
−クロロアクリロニトリルを生じさせることも記述され
ている。しかしながら、純粋な2−クロロアクリロニト
リルの収率は満足されない60%のみである。
【0006】特開昭56 087 548号には、酸ア
ミド、例えばジメチルホルムアミドなどの存在下でアク
リロニトリルの塩素化を行うことが請求されており、そ
こでは蒸留で2,3−ジクロロプロピオニトリルを90
%の収率で得ている。
【0007】数多くの特許出願(ヨーロッパ特許出願公
開第30 869、59 033、特開昭57−064
656、57−254 156、57−136 55
6および01−258 653号)には、不均一触媒の
存在下でアクリロニトリルを塩素化して2,3−ジクロ
ロプロピオニトリルを得ることが記述されている。用い
られた触媒の例は、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金
属の水素炭酸塩、アルカリ金属の水素燐酸塩および二水
素燐酸塩、任意に置換されていてもよいピリジンとアル
カリ金属炭酸塩の組み合わせ、並びに炭酸カリウムとポ
リビニルピリジンの組み合わせである。その収率は一般
に良好で、しばしば95%を越えており、そして粗生成
物の純度は約98%である。このような不均一触媒を用
いると、さらなる反応を行う前、例えば2−クロロアク
リロニトリルに開裂させる前に、その触媒を濾過で除去
する必要があることで非常に汚染された固体状廃棄物が
生じ、これを処分するのは困難である。その後、その粗
生成物の蒸留が行われており、一般にこの過程中2−ク
ロロアクリロニトリルへの開裂は生じない(例えばヨー
ロッパ特許出願公開第30 869、実施例2参照)。
【0008】特開昭56−100 754号には、粗
2,3−ジクロロプロピオニトリルを直接分解させて2
−クロロアクリロニトリルを生じさせる目的でアクリロ
ニトリルの塩素化を行うことが記述されている。しかし
ながら、その方法は重大な欠点を有する。塩素化用の不
均一無機「触媒」、一般にアルカリ金属もしくはアルカ
リ土類金属の水素燐酸塩もしくは二水素燐酸塩を、アク
リロニトリルを基準にして120モル%の量で用いる必
要がある。更に、その反応温度を0℃付近に維持する必
要がある。言い換えれば、高い発熱を起こす塩素付加反
応の熱を消散させる必要があるが、高価である。2−ク
ロロアクリロニトリルの収率(塩素化、熱開裂および蒸
留後)は80.2%のみである(53gのアクリロニト
リルから70.2gの2−クロロアクリロニトリル)。
しかしながら、そのような方法が有する最大の欠点は、
その工程段階全部を不調和に多量の燐酸塩を存在させて
実施する必要がある点である。これにより、熱開裂中、
特に最終的な蒸留過程中、反応および蒸留装置の底でひ
どい突沸が起こる。生成物を留出させるには、そのホス
フェートを含有する残渣を蒸発乾固させる必要があり、
これを産業規模で実施するのは本質的に不可能である。
【0009】既に述べた引用文献とは別に、2,3−ジ
クロロプロピオニトリルから塩化水素を除去することも
また他のいくつかの出版物から公知である。塩化水素の
除去では非常に幅広く多様な試薬が記述されており、例
えば米国特許第2 385550号では第二級および第
三級アミン類が用いられており(蒸留後の収率85
%)、ドイツ特許第883 891号ではポリカルボン
酸の塩が水系媒体中で用いられており(2,3−ジクロ
ロプロピオニトリルの開裂に関する実施例は記述されて
いない)、米国特許第2 862 963号では酸性試
薬、例えば芳香族スルホン酸およびポリマー状のスルホ
ン酸塩が用いられており(2,3−ジクロロプロピオニ
トリルの開裂に関する実施例4には収率が示されていな
い)、米国特許第2 870 192号では濃硫酸が用
いられており(実施例2を参照、但し収率は示されてい
ない)、米国特許第3 361 786号ではフッ化カ
リウムが用いられており(収率は83.5%以下、表3
参照)、並びにドイツ特許出願公開第1 768 80
7号および米国特許第3 845 095号ではアルカ
リ金属の水素燐酸塩およびアルカリ金属の二水素燐酸塩
が入っている水溶液が用いられている。この後者の方法
は非常に複雑であり、水相から相分離させることで得ら
れる材料の収率は最良で87.5%である(ドイツ特許
出願公開第1768 807号の実施例1)。しかしな
がら、そのような湿った形態で2−クロロアクリロニト
リルを産業的に用いるのは不可能であり、その結果とし
て、骨が折れかつ収率を低くする乾燥操作を追加的に行
う必要がある。ドイツ特許第1287 854号には、
アンモニア水で塩化水素を除去することが記述されてお
り、その実施例2に従う収率は80%である。
【0010】ドイツ特許第1 150 381号には、
触媒として鉄、アルミニウムまたはそれらの塩化物を存
在させて2,3−ジクロロプロピオニトリルの熱開裂を
行う方法が請求されている。その収率は良好で95%で
あり、本質的に有利な方法である。しかしながら、高純
度の2,3−ジクロロプロピオニトリルを用いる必要が
あり、その場合、それを予め中間的に処理しておく必要
がありかつ塩素化用触媒を存在させてはならない。
【0011】最後に、米国特許第2 231 363号
には直接気相方法が記述されており、その方法では、2
00から500℃でアクリロニトリルと塩素から2,3
−ジクロロプロピオニトリルを生成させインサイチュー
で開裂させる1段階で2−クロロアクリロニトリルを得
ることができる。しかしながら、その収率は40%のみ
である。
【0012】この引用した従来技術の明らかな欠点は、
数多くの方法において、アクリロニトリルの塩素化で
2,3−ジクロロプロピオニトリルを生じさせた後にそ
の触媒を除去する必要があり(大きな廃棄問題を伴い得
る)かつ更に蒸留で2,3−ジクロロプロピオニトリル
を精製する必要があると言った点である。次に2−アク
リロニトリルを生じさせる開裂で用いることができる
2,3−ジクロロプロピオニトリルは高純度のものであ
る。粗触媒または他の試薬を含有する2,3−ジクロロ
プロピオニトリルを用いることを記述している出版物は
いくつか存在するが、その収率は満足されないほど低
く、ある場合には産業規模で実行するのはほとんど不可
能である。
【0013】従って、2−クロロアクリロニトリルを高
収率で製造することができかつまた産業規模で容易に実
施可能で簡潔な方法が引き続いて求められている。
【0014】ここに、アクリロニトリルを塩素化した後
その生じた2,3−ジクロロプロピオニトリルを熱で開
裂させることで2−クロロアクリロニトリルを製造する
方法を見い出し、この方法は、アクリロニトリルの塩素
化をジメチルホルムアミドとピリジンおよび/またはピ
リジン誘導体を含む触媒系の存在下で行いそしてその結
果として生じた粗2,3−ジクロロプロピオニトリルに
さらなる触媒を添加することなく同じ触媒系の存在下で
熱開裂を受けさせることを含む。
【0015】本発明に従う方法では、商業的に普通に入
手可能なアクリロニトリルを第一段階(塩素化)で用い
ることができる。そのようなアクリロニトリルはしばし
ば重合禁止剤、例えばヒドロキノン、ヒドロキノンのモ
ノメチルエーテル、フェノチアジン、第三ブチル化フェ
ノールおよび/またはクレゾールを例えば40から10
0ppmの量で含有する。重合禁止剤がそのような量で
存在していても本発明に従う方法は障害を受けない。ま
た、重合禁止剤を含まないアクリロニトリルを用いるこ
とも可能である。
【0016】本発明に従う方法の第一段階、即ちアクリ
ロニトリルの塩素化は、液相中、溶媒の添加有り無しで
実施可能である。適切な溶媒は、反応条件下で塩素の攻
撃を受けない溶媒であり、その例は四塩化炭素、パーク
ロロエチレンおよび他の塩化炭化水素である。好適には
溶媒を添加しない。
【0017】使用する塩素化剤は気体状の塩素であって
もよい。この塩素化剤の量は、使用するアクリロニトリ
ル1モル当たり例えば0.9から1.1モルの範囲であ
ってもよい。この量は好適には0.95から1.05モ
ル、特に0.99から1.05モルである。
【0018】本発明に従う方法の必須特徴は、ジメチル
ホルムアミド(DMF)とピリジンおよび/または1種
以上のピリジン誘導体を含む触媒系を用いることであ
る。ジメチルホルムアミドはアクリロニトリルを基準に
して例えば0.1から20モル%の量で使用可能であ
る。この量は好適には0.5から10モル%、特に好適
には1から7.5モル%である。
【0019】上記ピリジン成分はアクリロニトリルを基
準にして例えば0.05から10モル%の量で使用可能
である。この量は好適には0.1から7.5モル%、特
に好適には0.5から5モル%である。
【0020】ピリジンおよびピリジン誘導体は各々単独
で使用可能であるか或は互いの望ましい任意混合物とし
て使用可能である。以下の本文ではまたピリジンおよび
ピリジン誘導体を一緒にピリジン成分と呼ぶ。
【0021】このピリジン成分は、例えば、式(I)
【0022】
【化1】
【0023】[式中、R1、R2およびR3は、互いに独
立して各々、水素、直鎖、分枝もしくは環状のC1−C6
−アルキル、フェニルまたはベンジルであり、また上記
基R1、R2およびR3の2つが隣接している場合、これ
らは一緒になって−(CH23−または−(CH24
基であってもよい]で表される化合物を包含し得る。
【0024】直鎖、分枝もしくは環状のC1−C6−アル
キルは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、t−ブチルまたはシクロヘキシルなどであ
る。好適には、R1、R2およびR3は、互いに独立して
各々、水素、直鎖もしくは分枝C1−C4−アルキル、フ
ェニルまたはベンジルであり、特に好適には水素、メチ
ルまたはエチルである。
【0025】このジメチルホルムアミドとピリジン成分
のモル比は例えば20:1から0.5:1の範囲であっ
てもよい。この比は好適には10:1から1:1、特に
7.5:1から2:1である。
【0026】この塩素化の反応温度は例えば10から6
0℃であってもよい。これは好適には20から50℃、
特に25から45℃である。
【0027】この塩素化は大気圧下、減圧下または加圧
下で実施可能である。大気圧か或は装置を用いる結果と
して生じる若干過剰な圧力が好適である。
【0028】本発明に従い、粗2,3−ジクロロプロピ
オニトリルの熱開裂の実施ではさらなる触媒を添加しな
い。
【0029】本発明に従う方法の第二段階(熱開裂)も
同様に液相中で実施可能である。この場合、溶媒、好適
には高沸点溶媒で希釈してか或は溶媒の添加なしに操作
を行うことができる。適切な高沸点溶媒は、反応条件下
で塩化水素の攻撃もアクリロニトリルの攻撃もそれの塩
素化生成物の攻撃も受けない溶媒であり、例えば多塩化
ベンゼン類、例えば1,2−ジクロロベンゼンおよび
1,2,4−トリクロロベンゼンなど、高沸点鉱油、平
均分子量が例えば300から400のポリエチレングリ
コール類、ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロ
リドンなどである。
【0030】この熱開裂を好適には溶媒の添加なしに実
施する。
【0031】その生じる2−クロロアクリロニトリルが
熱開裂条件下で重合しないようにする目的で、その開裂
混合物に通常の重合禁止剤を添加してもよい。挙げるこ
とができる例はヒドロキノン、ヒドロキノンのモノメチ
ルエーテルおよびフェノチアゾンである。
【0032】この開裂反応では、アクリロニトリルの塩
素化で生じる2,3−ジクロロプロピオニトリルを含有
する反応混合物を直接用いることができる。この熱開裂
中、その生じる2−クロロアクリロニトリルおよび生じ
る塩化水素を留出させる。この開裂反応は例えば80か
ら160℃、好適には90から140℃、特に好適には
90から110℃で実施可能である(各場合とも液相中
で測定)。この熱開裂は大気圧下、減圧下または加圧下
で実施可能である。大気圧か或は装置を用いる結果とし
て生じる若干過剰な圧力が好適である。
【0033】本発明に従う方法はいろいろな変法で実施
可能であり、それを下記で例示する。この方法の第一段
階、即ちアクリロニトリルの塩素化は連続式もしくはバ
ッチ式で実施可能である。典型的な1つの態様は下記の
通りである:最初にアクリロニトリルを塩素化用容器に
入れ、上記2種触媒成分を加え、そして所望の反応温度
で塩素を流し込む。短期間撹拌した後、その材料を開裂
反応で直接用いるか、或はしばらくの間貯蔵してもよ
い。第二段階、即ち触媒を含有する2,3−ジクロロプ
ロピオニトリルの開裂も同様にいろいろな変法で実施可
能である。典型的な態様の例は下記の通りである:最初
に2,3−ジクロロプロピオニトリルの全量を容器の中
に入れた後、開裂が始まるまで加熱する。生じる生成
物、即ち2−クロロアクリロニトリルと塩化水素を短い
コンデンサに通す。望まれるならば、精製を行う目的
で、本質的に2−クロロアクリロニトリルから成る凝縮
物を再び蒸留してもよい。
【0034】別の態様は下記の通りである:粗2,3−
ジクロロプロピオニトリルの一部を開裂が始まるまで蒸
留釜内で加熱する。適宜取り付けた分離用カラムに通し
て、生じた2−クロロアクリロニトリルと塩化水素を留
出させる。同じ割合になるように計量して残りの粗2,
3−ジクロロプロピオニトリルを液相に入れる。終了
後、開裂反応が静まるまで後加熱を短期間実施する。特
に分離用カラムを用いると、得られる2−クロロアクリ
ロニトリルは既に充分な純度を有しており、さらなる処
理を行うことなく公知使用に回すことができる。このよ
うな場合にはさらなる蒸留を行う必要は特にない。
【0035】本発明に従う方法の極めて驚くべき特徴
は、ジメチルホルムアミドとピリジン成分の組み合わせ
が両段階で触媒作用を示すことと、塩素化および熱開裂
の両方で高収率を実現化し得ることであり、これは公知
従来技術で予測されていなかったことである。2,3−
ジクロロプロピオニトリルを中間的に精製する必要がな
いことと、高度に汚染し濾過で除去する必要がある無機
剤を用いる必要がないことが、主要な技術的進展であ
る。2−クロロアクリロニトリルの収率は高く、両反応
段階に渡る収率は一般に85から95%であると考え
る。
【0036】以下に示す実施例では本発明に従う方法を
例示するが、本発明をそこに挙げる態様に制限するもの
でない。
【0037】
【実施例】実施例1から6 最初に、光から保護した塩素化用ビーカーにアクリロニ
トリルを2650g入れた後、塩素化用触媒を添加し
た。撹拌しながら塩素ガスを計量して液面下に入れた。
続いて発熱反応が起こった。所望の反応温度になるよう
に有効な冷却システムを装備して温度が更に上昇しない
ようにした。
【0038】全体で3550gの塩素を10時間かけて
送り込んだ。その後、反応温度で混合物を更に1時間撹
拌した。
【0039】得られた反応混合物を開裂反応に直接送り
込むことで2−クロロアクリロニトリルと塩化水素を生
じさせることができた。実施例1から6の詳細および結
果を表1に見ることができる。
【0040】
【表1】
【0041】実施例7 最初に、1mの鏡被覆Vigreuxカラムを取り付け
た2000mLの多口フラスコに実施例3で得た生成物
を1312g(10.0モル)入れた後、ヒドロキノン
を10g加えた。その混合物を撹拌しながら加熱すると
約100℃になって開裂が始まり、そして撹拌を125
から130℃で継続し、その過程中、上記カラムに通し
て2−クロロアクリロニトリルと塩化水素を留出させ
た。このカラムの頭部に位置させたコンデンサで塩化水
素を取り除いた。還流比を1:1にして、凝縮物を熱落
下させて受け槽に入れた。塔頂温度は85℃であった。
純度が99%(GC)の2−クロロアクリロニトリルの
収率は760gであった。これは、両反応段階に渡って
86.9%に相当する。
【0042】実施例8 最初に、1mの鏡被覆Vigreuxカラムを取り付け
た500mLの多口フラスコに実施例3で得た生成物を
131g(1.0モル)入れた後、ヒドロキノンを5g
加えた。その混合物を撹拌しながら125から130℃
で加熱した。上記カラムに通して2−クロロアクリロニ
トリルと塩化水素を留出させた。実施例7と同様に、こ
のカラムの頭部に位置させたコンデンサで塩化水素を取
り除いた。還流比を1:1にして、2−クロロアクリロ
ニトリル留出物を取り出した。塔頂温度は85℃であっ
た。次に、開裂によって2,3−ジクロロプロピオニト
リルが液相から消費される割合で計量して実施例3の生
成物1181g(9.0モル)を10時間かけて加え
た。130から135℃の後加熱段階を30分間行った
後、純度が約99%の2−クロロアクリロニトリルを全
体で810g得た。これは、両反応段階に渡る収率が9
2.6%であることに相当する。
【0043】実施例9 実施例2で得た生成物を1281g(10.0モル)用
いて実施例7の過程を繰り返した。純度が98.5%の
2−クロロアクリロニトリルを745g得た(=両反応
段階に渡って85.1%)。
【0044】本発明の特徴および態様は以下のとうりで
ある。
【0045】1. アクリロニトリルを塩素化した後そ
の生じた2,3−ジクロロプロピオニトリルを熱で開裂
させることで2−クロロアクリロニトリルを製造する方
法であって、アクリロニトリルの塩素化をジメチルホル
ムアミドとピリジンおよび/またはピリジン誘導体を含
む触媒系の存在下で行いそしてその結果として生じた粗
2,3−ジクロロプロピオニトリルにさらなる触媒を添
加することなく同じ触媒系の存在下で熱開裂を受けさせ
ることを含む方法。
【0046】2. ジメチルホルムアミドをアクリロニ
トリルを基準にして0.1から20モル%の量で用いる
第1項記載の方法。
【0047】3. ピリジンおよび/またはピリジン誘
導体をアクリロニトリルを基準にして0.05から10
モル%の量で用いる第1項記載の方法。
【0048】4. ピリジンおよび/または式(I)
【0049】
【化2】
【0050】[式中、R1、R2およびR3は、互いに独
立して各々、水素、直鎖、分枝もしくは環状のC1−C6
−アルキル、フェニルまたはベンジルであり、また上記
基R1、R2およびR3の2つが隣接している場合、これ
らは一緒になって−(CH23−または−(CH24
基であってもよい]で表される1種以上のピリジン誘導
体を用いる第1項記載の方法。
【0051】5. R1、R2およびR3が互いに独立し
て各々水素、直鎖もしくは分枝C1−C 4−アルキル、ベ
ンジルまたはフェニルである式(I)で表される1種以
上のピリジン誘導体および/またはピリジンを用いる第
4項記載の方法。
【0052】6. 該アクリロニトリルの塩素化を10
から60℃で実施する第1項記載の方法。
【0053】7. 塩素をアクリロニトリル1モル当た
り0.9から1.1モル用いて該アクリロニトリルの塩
素化を実施する第1項記載の方法。
【0054】8. 該粗2,3−ジクロロプロピオニト
リルの熱開裂を80℃から160℃の温度で実施する第
1項記載の方法。
【0055】9. 該ジメチルホルムアミドとピリジン
および/またはピリジン誘導体のモル比を20:1から
0.5:1の範囲にする第1項記載の方法。
【0056】10. 該塩素化を20から50℃で実施
しそして該開裂を90から140℃で実施する第1項記
載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘルムート・フイーゲ ドイツ51373レーフエルクーゼン・バルタ ー−フレツクス−シユトラーセ23 (72)発明者 フリードリヒ・デユルホルツ ドイツ42897レムシヤイト・クヌストヘー エ40 (72)発明者 グイド・シユテフアン ドイツ51519オーデンタール・イムヘルツ オゲンフエルト52

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリルを塩素化した後その生
    じた2,3−ジクロロプロピオニトリルを熱で開裂させ
    ることで2−クロロアクリロニトリルを製造する方法で
    あって、アクリロニトリルの塩素化をジメチルホルムア
    ミドとピリジンおよび/またはピリジン誘導体を含む触
    媒系の存在下で行いそしてその結果として生じた粗2,
    3−ジクロロプロピオニトリルにさらなる触媒を添加す
    ることなく同じ触媒系の存在下で熱開裂を受けさせるこ
    とを含む方法。
JP8299251A 1995-10-30 1996-10-24 2−クロロアクリロニトリルの改良製造方法 Pending JPH09124579A (ja)

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