JPH09122369A - 垂直全回転かま - Google Patents

垂直全回転かま

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JPH09122369A
JPH09122369A JP7282030A JP28203095A JPH09122369A JP H09122369 A JPH09122369 A JP H09122369A JP 7282030 A JP7282030 A JP 7282030A JP 28203095 A JP28203095 A JP 28203095A JP H09122369 A JPH09122369 A JP H09122369A
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hook
thread
bobbin
needle
outer hook
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Hiromitsu Shimizu
浩充 清水
Zengo Tsukuda
善悟 佃
Masuo Takami
益夫 高見
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Hirose Manufacturing Co Ltd
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Hirose Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前進縫いまたは後進縫いにかかわらず、縫着
されるべき布にヒッチステッチを形成することなくパー
フェクトステッチの縫目を形成する。 【解決手段】 垂直全回転かま25は、回転軸線Lまわ
りに回転駆動される外かま26と、外かま26内に収納
される内かま27と、内かま27内に装着され、ボビン
糸34が巻回されるボビン30を収納するボビンケース
28とから構成される。外かま26の外周には針糸36
を捕捉する剣先31が形成される。ボビン糸案内部材4
6は、ボビンケース28に固定される基部50と糸挿通
孔52が形成される案内部とを有し、ボビン糸34を、
糸挿通孔52を介して剣先の移動経路よりも半径方向外
方かつ針の移動経路Mよりも回転方向A下流側におい
て、内かま27の開放端から外かま26の基端部26a
寄りに案内する。したがって後進縫いにおいても、パー
フェクトステッチの縫目を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布を縫着するため
に用いられる家庭用ミシンおよび工業用ミシンなどに備
えられる垂直全回転かまに関する。
【0002】
【従来の技術】図8は典型的な先行技術の垂直全回転か
ま1を示す斜視図であり、図9はその垂直全回転かま1
に備えられる外かま2を示す斜視図である。この垂直全
回転かま1は、駆動軸5に固定される外かま2と、この
外かま2に収納される内かま3と、内かま3内に着脱自
在に装着され、ボビン糸7が巻回されたボビンを収納し
て保持するボビンケース4とから成る。
【0003】外かま2の基端部2aには駆動軸5が固定
され、外かま2は駆動軸5によって回転軸線L1まわり
に回転駆動される。外かま2の外周には、針11に挿通
された針糸10を捕捉する剣先6が設けられ、剣先6よ
りも外周には外かま2の外周に沿ってばね8が設けられ
る。
【0004】内かま3は、外かま2の回転に伴う回転が
阻止された状態で、外かま2に回転自在に収納される。
内かま3の開放端側にはフランジ12が形成され、この
フランジ12の、外かま2の基端部2a側には針11が
挿入される針落ち孔9が形成される。
【0005】針11は、外かま2の回転軸線L1にほぼ
垂直に、針落ち孔9を介して上下に往復動される。外か
ま2は、外かま2の開放端側から見たとき、矢符A1に
示すように左まわり(反時計まわり)に回転駆動され、
外かま2の回転によって剣先6は、針11の移動経路に
関して外かま2の基端部2a側で針糸10を捕捉し、ボ
ビン糸7と針糸10とによって縫目を形成する。
【0006】図10は、縫着されるべき2枚の布15,
16が、前進縫いされるときの縫目の形成過程を模式的
に示す図である。なお、図10では外かま2および内か
ま3は省略する。各布15,16が前進縫い、すなわち
剣先6が針糸10を捕捉するときの移動方向と同じ向き
である矢符B1方向に、各布15,16が送られて縫着
されるとき、針糸10は、図10(1)に示すように、
外かま2の基端部2a寄りかつボビン糸7よりも外かま
2の回転方向A1上流側から剣先6によって捕捉され
る。剣先6によって捕捉された針糸10は針糸ループを
形成し、針糸10の供給側張架部分10aは、剣先6の
回転に従ってボビンケース4を収納する内かま3と、外
かま2との間に内かま3に巻掛けるように導かれ、針糸
10の縫目側張架部分10bは、内かま3の開放端側の
ボビンケース4の表面に導かれ、図10(2)に示すよ
うに針糸ループは糸越しする。
【0007】このようにして糸越しをする針糸ループ
は、垂直全回転かま1の上方に設けられ図示しない天秤
によって針糸10の供給側張架部分10aが引上げら
れ、針糸ループが小さくなり、図10(3)に示すよう
にボビン糸7に巻掛けられる。この針糸10の供給側張
架部分10aが前記天秤によってさらに引上げられるこ
とによって、2枚の布15,16の合わせ目付近でボビ
ン糸7と針糸10とが相互に巻掛けるように係合されて
縫目が形成される。このような一連の縫目の形成過程が
繰返されることによって、図10(4)に示すように、
連続したパーフェクトステッチ18が形成される。
【0008】図11は、各布15,16が後進縫いされ
るときの縫目の形成過程を模式的に示す図である。な
お、図11では外かま2および内かま3は省略する。
【0009】縫着される2枚の布15,16が後進縫
い、すなわち剣先6が針糸10を捕捉するときとは反対
方向である矢符C1方向に、各布15,16が送られな
がら縫着されるとき、針糸10は、前進縫いするときと
同様に剣先6によって捕捉される。この際、ボビン糸7
は矢符C1方向に送られる各布15,16によって矢符
C1方向になびいているので、図11(1)に示すよう
に針糸10は、ボビン糸7よりも外かま2の回転方向A
1下流側から剣先6によって捕捉される。捕捉された針
糸10は針糸ループを形成し、図11(2)に示すよう
に針糸10の供給側張架部分10aがボビンケース4を
収納する内かま3と、外かま2との間に導かれ、縫目側
張架部分10bが内かま3の開放端側のボビンケース4
の表面に導かれ、糸越しする。
【0010】このとき天秤によって針糸10の供給側張
架部分10aが引上げられることによって、図11
(3)に示すようにボビン糸7のまわりを1周するよう
に巻込んで、針糸ループが小さくなる。この針糸10の
供給側張架部分10aが天秤によってさらに引上げられ
ることによって、図11(4)に示すように針糸10は
下方の布16の下面で、矢符C1の上流側から下流側へ
見たとき、ボビン糸7に関して左まわりに係着して巻掛
けられ、下方の布16の下面から上方の布15の上面に
挿通されて縫目が形成される。このような縫目形成過程
が繰返されることによって図11(5)に示すようにヒ
ッチステッチ17が連続して形成される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のような先行技術
の垂直全回転かま1では、縫着されるべき2枚の布1
5,16が後進縫いされる場合にはヒッチステッチ(絡
み縫目)17が形成されるので、連続した縫目の中で、
図10(4)に示すパーフェクトステッチ18と図11
(5)に示すヒッチステッチ17とが混在すると、縫目
の直線性を乱したり、ヒッチステッチ17の部分での糸
締まり不良が発生し、縫製品質を著しく損なうという問
題が生じる。
【0012】したがって本発明の目的は、前進縫いまた
は後進縫いのどちらの縫い方であっても、縫着されるべ
き布にヒッチステッチを形成することなくパーフェクト
ステッチの縫目を形成することができる垂直全回転かま
を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、往復動される
針の移動経路に垂直な回転軸線まわりに回転駆動される
外かまと、外かま内に回転自在に収納される内かまと、
内かまに着脱自在に装着されボビン糸が巻回されるボビ
ンと、ボビンを内かま内に保持する保持手段とを備え、
前記外かまには、針によって供給される針糸を針の移動
経路よりも外かまの基端部側から捕捉する剣先が形成さ
れる垂直全回転かまにおいて、前記保持手段には、ボビ
ン糸を内かまの開放端から、前記剣先の移動経路よりも
半径方向外方でかつ針の移動経路よりも外かまの回転方
向下流側で、前記外かまの基端部寄りに導くボビン糸案
内部材が設けられることを特徴とする垂直全回転かまで
ある。 本発明に従えば、ボビン糸が内かまの開放端から、前記
剣先の移動経路よりも半径方向外方でかつ針の移動経路
よりも外かまの回転方向下流側で、前記外かまの基端部
寄りに導かれるので、前進縫いまたは後進縫いのいずれ
であってもヒッチステッチを形成することなく、連続し
たパーフェクトステッチで布を縫着することができる。
【0014】また本発明の前記ボビン糸案内部材は、保
持手段に基端部が固定され、遊端部が剣先の移動経路よ
りも半径方向外方で外かまの基端部側へ屈曲し、少なく
とも遊端部にはボビン糸を挿通する糸挿通孔が形成さ
れ、外かまの開放端側外周部において、外かまの回転時
に前記ボビン糸案内部材が周方向に通過する部分は、外
かまの基端部寄りに退避して形成されることを特徴とす
る。 本発明に従えば、ボビン糸案内部材の少なくとも遊端部
にはボビン糸を挿通する糸挿通孔が形成されているの
で、ボビン糸を内かまの開放端から前記挿通孔を介して
外かまの基端部寄りに確実に導くことができる。また外
かまの開放端側外周部は、基端部寄りに退避して形成さ
れるので、外かまの回転時においてボビン糸案内部材の
遊端部が外かまに干渉することなく、外かまは安定して
回転することができる。
【0015】また本発明の内かまの開放端には、前記ボ
ビン糸案内部材の一部が嵌まり込む嵌合溝が形成される
ことを特徴とする。 本発明に従えば、内かまには嵌合溝が形成されるので、
この嵌合溝に前記ボビン糸案内部材の基端部側が嵌まり
込むことによって、剣先によって捕捉される針糸の一部
が内かまの開放端を通過するときに、ボビン糸案内部材
の一部が前記針糸の通過を妨げることなく、針糸はスム
ーズに通過することができる。
【0016】また本発明の内かまの開放端には、外かま
の回転軸線を中心として前記嵌合溝よりも外かまの回転
方向下流側に角度120°以下の範囲内で、内かまの底
部から開放端部に向かうにつれて半径方向内方に傾斜す
る針糸案内面が形成されることを特徴とする。 本発明に従えば、内かまには針糸案内面が形成されるの
で、剣先によって捕捉される針糸の一部が、内かまの開
放端を通過して糸越しされる際、前記針糸の一部を針糸
案内面に沿って滑らかに半径方向内方に案内することが
でき、スムーズに糸越しを行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある垂直全回転かま25を示す断面図である。垂直全回
転かま25は、回転軸線Lまわりに回転駆動する駆動軸
29と、この駆動軸29に止めねじ38によって基端部
26aが固定される外かま26と、外かま26内に回転
自在に収納される内かま27と、内かま27内に着脱自
在に装着され、ボビン糸34が巻回されたボビン30を
収納して保持する保持手段であるボビンケース28とか
ら構成される。
【0018】外かま26の内周面に形成された軌溝39
には、内かま27の外周面に形成された軌条40が嵌ま
り込み、内かま27は、外かま26の回転にともなう回
転が阻止された状態で、外かま26に対して軸線Lまわ
りに回転自在に保持される。
【0019】外かま26は、開放端側(図1の右方)か
ら見たとき、矢符Aで示すように左回り(反時計まわ
り)に回転駆動される。
【0020】内かま27の底部54には、内かま27の
開放端側(図1の右方)に向けて、回転軸線L上に軸線
を有するスタッド37が立設される。ボビンケース28
は、このスタッド37に挿通される筒部64を有し、ボ
ビン30は、この筒部64が挿通される筒体41と、筒
体41の両端部に固定される一対のフランジ42,43
とを有する。このようなボビン30は、筒体41まわり
にボビン糸34が巻回され、ボビンケース28内に収納
された状態で、ボビンケース28とともに内かま27内
に装着される。
【0021】外かま26は、外周に先細状の剣先31が
形成され、この剣先31は回転軸線Lまわりに回転駆動
される外かま26の回転によって、針糸36を捕捉す
る。
【0022】このような垂直全回転かま25は、針板4
4の下方に設けられ、この針板44には、外かま26回
転軸線Lに垂直に交わる移動経路Mに沿って上下に往復
動する針35が挿通する針孔45が形成される。針板4
4上には、縫着されるべき布48,49が載置される。
【0023】内かま27の、開放端側の上方には外向き
フランジ32が形成され、この外向きフランジ32の背
後側、すなわち図1の左方には略長円形の針落ち孔33
が形成され、上下に往復動する針35が挿通される。
【0024】ボビンケース28の、内かま27の開放端
側の一表面(図1の右方)28aには、ボビン糸案内部
材46が固定される。ボビン糸案内部材46は、基端部
である基部50と、遊端部でありボビン糸34が挿通さ
れて案内する案内部51とから成る。このボビン糸案内
部材46の基部51の一端部は、ボビンケース28に固
定され、他端部は、剣先31の移動経路よりも半径方向
外方かつ針11の移動経路Mよりも回転方向下流側にお
いて、外かま26の基端部26a側へ、回転軸線Lにほ
ぼ平行に屈曲して案内部51が形成される。このボビン
糸案内部材46の案内部51には、ボビン糸34が挿通
する糸挿通孔52が形成され、ボビンケース28から導
出されたボビン糸34は、この糸挿通孔52を介して内
かま27の開放端側から外かま26の基端部26a側に
案内される。糸挿通孔52の、ボビン糸34が導出され
る出口部53は、剣先31の移動経路よりも外かま26
の基端部26a側まで延びているので、ボビン糸34が
震動などの張力変化によって垂れ下がるなどしたとして
も、剣先31によってボビン糸34が捕捉されることが
防がれ、糸切れまたは糸の損傷などが防がれる。
【0025】針35の先端部付近には、針糸36が挿通
される針糸挿通孔47が形成され、針板44の上方から
供給される針糸36は、この針糸挿通孔47に、外かま
26の開放端側から基端部26a側に挿通され、この針
糸36の端部側は、各布48,49に縫目を形成する。
【0026】このように構成される垂直全回転かま25
は、縫着されるべき布48,49が図1の手前側に送ら
れるとともに、各布48,49を介して降下された針3
5の針糸36を、外かま26の回転によって回転する剣
先31によって捕捉し、内かま27の外周面に沿って案
内して糸越しを行い、ボビン糸34に巻掛けて、各布4
8,49において、図1の手前側に縫目を形成する。
【0027】図2は、垂直全回転かま25を示す斜視図
である。内かま27の開放端側に形成される外向きフラ
ンジ32には、ボビン糸案内部材46の基部50が嵌合
する嵌合溝60が形成される。この嵌合溝60に前記基
部50が嵌合した状態では、内かま27の開放端側とな
る基部50の一表面50aは、内かま27の開放端側と
なる外向きフランジ32の一表面32aとほぼ同一の平
面に形成されるので、ボビン糸案内部材46の基部50
が内かま27の開放端から突出せず、内かま27の開放
端側を通過する針糸36はボビン糸案内部材46に干渉
されることなく滑らかに通過することができる。
【0028】内かま27の開放端には、外かまの回転軸
線Lを中心として前記嵌合溝60よりも外かま26の回
転方向下流側に角度120°の範囲にわたって、内かま
27の底部54から開放端に向かうにつれて半径方向内
方に傾斜する針糸案内面61が形成される。したがっ
て、剣先31によって捕捉された針糸36が内かま27
の開放端側を通過するときに、針糸案内面61によって
滑らかに針糸36をボビンケース28の一表面上に案内
することができる。
【0029】図3は、外かま26の斜視図である。外か
ま26の外周面には、外周面に沿ってばね62が取付け
られる。外かま26の開放端側の外周部63において、
外かま26の回転時に前記ボビン糸案内部材46の案内
部51が周方向に通過する部分は、外かま26の基端部
26a寄りに退避して形成される。すなわち、外かま2
6の開放端側の、ばね62を有する外周部63は、外か
ま26の回転時に、ボビン糸案内部材46の案内部51
が、回転軸線Lまわりに描く軌跡よりも退避させて、図
3に示すように段部が形成される。したがって、外かま
26の回転時にボビン糸案内部材46の案内部51は、
外かま26に干渉することがないので、外かま26は安
定して回転駆動される。
【0030】図4は、内かま27、ボビン30およびボ
ビンケース28の分解斜視図である。ボビンケース28
には、内かま27のスタッド37が挿通される筒状の筒
部64が設けられる。この筒部64には、ボビン30の
筒体41が嵌まり込み、ボビン30はボビンケース28
内に回転自在に保持される。このボビン30に巻回され
るボビン糸34は、ボビン糸34の張力を調整する調子
ばね65を介してボビン糸の出口66から導出され、ボ
ビン糸案内部材46の挿通孔52に、内かま27の開放
端側から内かま27の底部54側に挿通される。
【0031】ボビン30を回転自在に保持して収納した
ボビンケース28は、ボビン糸案内部材46の基部50
が、内かま27の嵌合溝60に嵌合するように内かま2
7に着脱可能に装着される。ボビンケース28に固定さ
れるボビン糸案内部材46の基部50は、一表面50a
がボビンケースの一表面28aとほぼ同一の平面に形成
されるので、ボビンケースの一表面50a上を通過する
針糸36はボビン糸案内部材46に干渉されることなく
スムーズに通過することができる。
【0032】図5は、垂直全回転かま25を用いて2枚
の布48,49を前進縫いするときの縫目の形成過程を
模式的に示す図である。なお、図5では外かま26、内
かま27およびボビン糸案内部材46は省略する。
【0033】針糸36は、上方から図示しない天秤を介
して供給され、針35の挿通孔47に、外かま26の開
放端側(図5の紙面に対して手前側)から外かま26の
基端部26a側(図5の紙面に対して奥行き側)に挿通
され、上方の布48の上面に導かれる。ボビン糸34
は、ボビンケース28のボビン糸の出口66から導出さ
れ、ボビン糸案内部材46によって剣先31の移動経路
よりも半径方向外方かつ、内かま27の開放端から外か
ま26の基端部26a寄りへ案内され、下方の布49の
下面に導かれる。
【0034】縫着されるべき各布48,49は矢符B方
向に送られ、前進縫いが行われる。図5(1)に示すよ
うに、上下に往復動される針35が降下してきたとき、
矢符A方向に回転駆動される剣先31が、針35より外
かま26の基端部26a側(図5の紙面に対して奥行き
側)かつ、ボビン糸34よりも外かま26の回転方向A
上流側から針糸36を捕捉し、針糸ループを形成する。
外かま26の回転に従って針糸36の供給側張架部分3
6aは、内かま27の底部54側に導かれ、針糸36の
縫目側張架部分36bは内かま27の開放端側(図5の
紙面に対して手前側)のボビンケース28の一表面に導
かれ、図5(2)に示すように針糸ループは内かま27
の糸越しする。針糸36の縫目側張架部分36aが、内
かま27の開放端からボビンケース28の一表面28a
に導かれる際、針糸34は前述の針糸案内面61に沿っ
てボビンケース28の一表面28aに滑らかに案内され
る。
【0035】針糸ループが内かま27の糸越しするとと
もに、天秤は針糸36の供給側張架部分36aを引上げ
て針糸ループは小さくなり、図5(3)に示すように針
糸36はボビン糸34に巻掛けられる。天秤がさらに上
昇することによって、図5(4)に示すように各布4
8,49の合わせ目付近でボビン糸34と針糸36とが
巻掛けるように係合されて縫目が形成される。このよう
な一連の縫目の形成過程が繰返されることによって、2
枚の布48,49は連続したパーフェクトステッチ70
によって縫着される。
【0036】図6は、垂直全回転かま25を用いて2枚
の布48,49を後進縫いするときの縫目の形成過程を
模式的に示す図である。
【0037】ボビン糸34は、ボビン糸案内部材46に
よって、剣先31の移動経路よりも半径方向外方かつ針
35の移動経路よりも外かまの回転方向A下流側で、内
かま27の開放端から外かま26の基端部26a寄りに
案内されて下方の布49の下面に導かれる。したがって
各布48,49を後進縫いする際、各布48,49が剣
先31が針糸36を捕捉するときの移動方向とは逆方向
(矢符C)に送られたとしても、図6(1)に示すよう
に、針糸36は前述の前進縫いと同様に、ボビン糸34
よりも外かまの回転方向A上流側において剣先31によ
って捕捉され、針糸ループを形成する。
【0038】捕捉された針糸36は、剣先31の回転に
従って針糸36の供給側張架部分36aが内かま27の
底部54に導かれ、針糸36の縫目側張架部分36bが
内かま27の開放端側のボビンケースの一表面28aに
導かれ、針糸ループは内かま27の糸越しする。
【0039】針糸ループが内かま27の糸越しするとと
もに、天秤は針糸36の供給側張架部分36aを上方に
引上げるので、図6(3)に示すように針糸ループは小
さくなり、図6(4)に示すように針糸36はボビン糸
34に巻掛けられる。
【0040】このような状態からさらに天秤によって針
糸36の供給側張架部分36aが引上げられることによ
って、図6(5)に示すように2枚の布48,49の合
わせ目付近で針糸36とボビン糸34とが相互に係合す
るように縫目が形成される。このような縫目の形成過程
が繰返されることによって、図6(5)に示すような連
続した縫目が形成される。このような一連の縫目の形成
過程が繰り返されることによって連続したパーフェクト
ステッチ70が形成される。
【0041】このように、本発明の実施の一形態である
垂直全回転かま25を用いることによって、後進縫いの
際においてもヒッチステッチが形成されることなくきれ
いなパーフェクトステッチを形成することができる。し
たがって、前進縫い、または後進縫いにかかわらず各布
48,49を確実にパーフェクトステッチによって縫着
することができるので、品質および美観の向上された縫
製製品を得ることができる。
【0042】図7は、本発明の実施の他の形態の垂直全
回転かまに備えるボビン糸案内部材75を示す斜視図で
ある。ボビン糸案内部材75は、ステンレス鋼線などを
コイル状に巻回したばね材から成る案内部77と、この
案内部77から連なり一直線状に延びる基部76とから
構成される。案内部77は、外径Dが約1.5mmのコ
イル状に、適宜定める間隔を有して巻回されるので、案
内部77内の糸挿通孔78に挿通されるボビン糸34
は、案内部77に挟まれることなく、滑らかに案内され
る。
【0043】基部76の先端部は180°反転して折返
し部分79が形成され、この折返し部分79と先端部と
が溶接などによってボビンケース28に固定される。基
部76は、ボビン糸案内部材46と同様に、嵌合溝60
に嵌まり込むので、針糸36に干渉することが防がれ
る。
【0044】案内部77の、ボビン糸34の出口部80
は、ボビン糸案内部材46と同様に剣先31の移動経路
Mより外かま26の基端部26a側まで延びており、案
内部77は、ボビン糸34に引張られることによって内
かま27の開放端側に屈曲しない程度の剛性を有してい
る。
【0045】したがってボビン糸34は、糸挿通孔78
および案内部77を介して剣先31の移動経路よりも半
径方向外方かつ針の移動経路Mよりも外かま26の回転
方向A下流側で、内かま27の開放端から外かま26の
基端部26a寄りに案内される。したがって、ボビン糸
案内部材75を備える垂直全回転かまは、本発明の実施
の一形態の垂直全回転かま25と同様に、前進縫いまた
は後進縫いにかかわらずパーフェクトステッチ70を形
成することができる。
【0046】このような案内部77は、コイル状に形成
されるので、微細な糸挿通孔52を有する案内部51に
比べて形成が容易である。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、垂直全回
転かまにはボビン糸案内部材が設けられるので、前進縫
いまたは後進縫いにかかわらず縫着されるべき布をパー
フェクトステッチによって縫着することができる。した
がって、布の送り方向にかかわらずヒッチステッチを形
成することなく、連続したパーフェクトステッチによっ
て縫着することができるので、品質の向上された美しい
縫製製品を得ることができる。
【0048】前記ボビン糸案内部材の遊端部には糸挿通
孔が形成されるので、剣先の移動経路よりも半径方向外
方でかつ針の移動経路よりも外かまの回転方向下流側に
おいて、ボビン糸を確実に外かまの基端部寄りに導くこ
とができる。したがって、確実にパーフェクトステッチ
を形成することができる。また外かまの外周部は外かま
の基端部寄りに退避して形成されているので、外かまの
回転時にボビン糸案内部材が外かまに干渉することな
く、外かまは安定して回転駆動される。
【0049】また内かまには嵌合溝が形成されているの
で、この嵌合溝にボビン糸案内部材の一部を嵌め込むこ
とによって、ボビン糸案内部材は、内かまの開放端側を
通過する針糸に干渉することが妨げられ、針糸は内かま
の開放端側をスムーズに通過することができる。
【0050】内かまの開放端には針糸案内面が形成され
ているので、剣先に捕捉され内かまの開放端に案内され
る針糸は、内かまの開放端において針糸案内面上を半径
方向内方に滑らかに案内され、確実に糸越しを行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である垂直全回転かま2
5を示す断面図である。
【図2】垂直全回転かま25を示す斜視図である。
【図3】外かま26を示す斜視図である。
【図4】内かま27、ボビン30およびボビンケース2
8の分解斜視図である。
【図5】垂直全回転かま25を用いて前進縫いするとき
の縫目の形成過程を模式的に示す図である。
【図6】垂直全回転かま25を用いて後進縫いするとき
の縫目の形成過程を模式的に示す図である。
【図7】本発明の実施の他の形態の垂直全回転かまに備
えられるボビン糸案内部材75を示す斜視図である。
【図8】典型的な先行技術である垂直全回転かま1を示
す斜視図である。
【図9】垂直全回転かま1に備えられる外かま2を示す
斜視図である。
【図10】先行技術の垂直全回転かま1を用いて前進縫
いするときの縫目の形成過程を模式的に示す図である。
【図11】先行技術の垂直全回転かま1を用いて後進縫
いするときの縫目の形成過程を模式的に示す図である。
【符号の説明】
25 垂直全回転かま 26 外かま 26a 外かまの基端部 27 内かま 28 ボビンケース 29 駆動軸 30 ボビン 31 剣先 34 ボビン糸 35 針 36 針糸 46,75 ボビン糸案内部材 48,49 布 50,76 基部 51,77 案内部 52,78 糸挿通孔 54 内かまの底部 60 嵌合溝 61 針案内面 63 外かまの外周部 70 パーフェクトステッチ A 外かまの回転方向 B 前進縫いするときの布の送り方向 C 後進縫いするときの布の送り方向 L 回転軸線 M 針の移動経路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 往復動される針の移動経路に垂直な回転
    軸線まわりに回転駆動される外かまと、外かま内に回転
    自在に収納される内かまと、内かまに着脱自在に装着さ
    れボビン糸が巻回されるボビンと、ボビンを内かま内に
    保持する保持手段とを備え、前記外かまには、針によっ
    て供給される針糸を針の移動経路よりも外かまの基端部
    側から捕捉する剣先が形成される垂直全回転かまにおい
    て、 前記保持手段には、ボビン糸を内かまの開放端から、前
    記剣先の移動経路よりも半径方向外方でかつ針の移動経
    路よりも外かまの回転方向下流側で、前記外かまの基端
    部寄りに導くボビン糸案内部材が設けられることを特徴
    とする垂直全回転かま。
  2. 【請求項2】 前記ボビン糸案内部材は、保持手段に基
    端部が固定され、遊端部が剣先の移動経路よりも半径方
    向外方で外かまの基端部側へ屈曲し、少なくとも遊端部
    にはボビン糸を挿通する糸挿通孔が形成され、 外かまの開放端側外周部において、外かまの回転時に前
    記ボビン糸案内部材が周方向に通過する部分は、外かま
    の基端部寄りに退避して形成されることを特徴とする請
    求項1記載の垂直全回転かま。
  3. 【請求項3】 内かまの開放端には、前記ボビン糸案内
    部材の一部が嵌まり込む嵌合溝が形成されることを特徴
    とする請求項1または2記載の垂直全回転かま。
  4. 【請求項4】 内かまの開放端には、外かまの回転軸線
    を中心として前記嵌合溝よりも外かまの回転方向下流側
    に角度120°以下の範囲内で、内かまの底部から開放
    端に向かうにつれて半径方向内方に傾斜する針糸案内面
    が形成されることを特徴とする請求項3記載の垂直全回
    転かま。
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