JPH0912184A - 巻取紙搬送車と巻取紙の給紙方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 巻取紙を輪転機の給紙部へ搬入し、これを輪
転機の巻取紙支持装置へ自動的に装着できるようにした
経済性に優れた巻取紙搬送車を提供する。 【構成】 互に独立して正転並びに逆転が可能な一対の
電動機付駆動輪と台枠の下面四隅に取付けた補助輪を備
え、巻取紙搬送経路に沿って自動走行するバッテリー駆
動型搬送台車と、搬送台車に設けられた巻取紙を積載す
る架台と、搬送台車と架台間に介設され、架台を昇降可
能に支持する伸縮自在な架台用リンク機構と、架台用リ
ンク機構を伸縮動作させるネジ機構とこれを作動させる
電動機を備えた架台昇降用駆動装置と、搬送台車に設け
られた残芯受けと、搬送台車と残芯受け間に介設され、
残芯受けを昇降可能に支持する伸縮自在な残芯受け用リ
ンク機構と、残芯受け用リンク機構を伸縮動作させるネ
ジ機構とこれを作動させる電動機を備えた残芯受け昇降
用駆動装置とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、新聞印刷工場等で使用
されるものであり、紙庫から巻取紙を輪転機の給紙部へ
搬入する巻取紙搬送車と、輪転機の巻取紙支持装置へ巻
取紙を自動的に装着する方法の改良に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、輪転機への巻取紙の給紙には、
オートリールローダーが広く利用されている（特開平１
−１９７２５７号公報及び特開平２−７０６４５号公報
等）。即ち、前記オートリールローダは、図１２に示す
如く、オートリールローダーの架台２２上へ巻取紙２６
を載置したトロッコ２１を引き入れ、その後台車２０を
移動して残芯受け２４を巻取紙支持装置２７の下方へ位
置させた後、残芯受け昇降機構２５により残芯受け２４
を上昇させ、巻取紙支持装置２７に残っている残芯Ａを
受け取る。次に台車２０を移動させ、巻取紙２６を巻取
紙支持装置２７の下方へ移動した後、架台用昇降機構２
３により架台２２を上昇させ、巻取紙２６を巻取紙支持
装置２７へ装着する。その後、起伏機構により残芯受け
２４を傾斜せしめて残芯受け２４上の残芯Ａをトロッコ
２１上に載せ、最後に台車２０を最初の位置へ戻して、
架台２２上に引き入れたトロッコ２１を紙庫につながる
走行レール上へ戻すように構成されている。従って、前
記オートリールローダーを使用すれば、残芯の回収や巻
取紙２６の装着を自動化でき、作業能率や安全性の向上
等を図ることができる。

【０００３】しかし、上述の如き給紙方式では、巻取紙
２６を輪転機の巻取紙支持装置２７へ装着するのにオー
トリールローダーとトロッコ２１の二種類の機器を必要
とし、印刷設備の製造コストが高騰すると云う問題があ
った。そのため、トロッコ２１を直接に巻取紙支持装置
２７の下方へ送り込み、オートリールローダを不要とす
ることにより印刷設備コストの低減を図る方法が開発さ
れた。

【０００４】図１３はその一例を示すものであり、トロ
ッコ２１の架台２２上に、巻取紙２６をその軸芯を進行
方向に合致せしめた姿勢（以下縦向き姿勢と呼ぶ）で積
載し、トロッコ２１が巻取紙支持装置２７の近傍Ｂまで
来ると、ここでトロッコ２１の架台２２をロック機構を
介して地面に対して固定する。次に、台車２０のみを９
０°回転させて矢印イ方向への進行を可能にし、その後
前記架台２２のロック固定を解いて、トロッコ２１を巻
取紙支持装置２７の下方へ進行させることにより、巻取
紙２６を給紙するものである（特願平５−２８０９４４
号）。

【０００５】前記図１３の方式は、オートリールローダ
を用いることなしに巻取紙２６を巻取紙支持装置２７の
下方へ搬入できるため、印刷設備コストをある程度引下
げすることができる。しかし、トロッコ２１を台車２０
に対して架台２２が回動自在な構造のものにすると共
に、架台２２を地面へ固定するロック機構を別途に必要
とし、トロッコ２１の構造そのものが複雑化して設備費
の大幅な削減を図れないと云う問題がある。

【０００６】一方、上述の如き問題を解決するため、出
願人は先きに図１４及び図１５に示す如き互に独立して
正転並びに逆転が可能な一対の駆動輪２９を備えた搬送
台車２８を用い、両駆動輪２９の回転制御を行なうこと
により架台３０上に横向きに載置した巻取紙２６を直接
に巻取紙支持装置２７の下方へ搬入する方法を開発し、
これを公開している（特願平６−３４９０９号）。

【０００７】上記図１４及び図１５の方法は両駆動輪２
９の回転制御により比較的円滑に巻取紙２６を巻取紙支
持装置２７の下方へ搬入することが出来るものの、搬送
台車の方向転換を必要とするうえ、残芯Ａの真下に残芯
受け２４が来る位置で搬送台車２８を一旦停止させ、残
芯Ａを受け取った後再度搬送台車２８を前進させ、巻取
紙２６を支持装置２７の真下へ位置させるようにしなけ
ればならず、巻取紙の搬入をより迅速に行えないと云う
難点がある。特に、場所的な制約により図１５に示す如
く点Ｂや点Ｃに於いて搬送台車２８の方向を９０度転換
しなければならないような場合には、巻取紙の搬入に相
当の時間を必要とすると云う問題がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は従前の巻取紙
搬送車及びこれを用いた巻取紙の給紙方法に於ける上述
の如き問題、即ち搬送車の進行方向の転換や残芯受け取
り位置に於ける搬送台車の停止を必要とし、巻取紙の搬
入に時間がかかり過ぎると云う問題を解決せんとするも
のであり、巻取紙のより円滑且つ迅速な搬入を可能にし
た巻取紙搬送車とこれを用いた巻取紙の給紙方法を提供
するものである。

【０００９】

【問題を解決するための手段】本願発明は、巻取紙搬送
車に巻取紙を縦向きに積載し、これを直接に巻取紙支持
装置の下方へ搬入することを基本とするものであり、請
求項１に記載の発明は台枠８と、台枠８の中央に配設し
た互いに独立して正転並びに逆転が可能な一対の電動機
付駆動輪１１と、台枠８の下面四隅に取り付けた補助輪
１２とを備え、巻取紙１５の搬送経路に沿って自動走行
するバッテリー駆動型の搬送台車１と，搬送台車１に設
けられ、その上面に進行方向と同方向の縦向き姿勢で積
載した巻取紙１５の係止機構２ａを備えた架台２とを発
明の基本構成とするものである。

【００１０】請求項２に記載の発明は、台枠８と、台枠
８の横幅方向の中央より一側寄りに進行方向に間隔を置
いて一直線上に配設した互に独立して正転及び逆転が可
能な一対の電動機付駆動輪１１と、台枠８の横幅方向の
中央より他側寄りの下面に取り付けられた補助輪１２と
を備え、巻取紙１５の搬送経路に沿って自動走行するバ
ッテリー駆動型の搬送台車１と，搬送台車１に設けら
れ、その上面に進行方向と同方向の縦向き姿勢で積載し
た巻取紙１５の係止機構２ａを備えた架台２を発明の基
本構成とするものである。

【００１１】請求項３に記載の発明は、台枠８と、台枠
８の中央に配設した互に独立して正転及び逆転が可能な
一対の電動機付駆動輪１１と、台枠８の下面四隅に取り
付けられた補助輪１２とを備え、巻取紙１５の搬送経路
に沿って自動走行するバッテリー駆動型の搬送台車１
と，搬送台車１に設けられ、巻取紙１５を積載する架台
２と，搬送台車１と架台２との間に介設され、架台２を
昇降可能に支持する伸縮自在な架台用リンク機構３と，
架台用リンク機構３を伸縮させるネジ機構４ａとこれを
作動させる電動機４ｂとから成る架台昇降用駆動装置４
と，搬送車１に設けられた残芯受け５と，搬送台車１と
残芯受け５との間に介設され、残芯受け５を斜め方向へ
昇降可能に支持する伸縮自在な残芯受け用リンク機構６
と，残芯受け用リンク機構６を伸縮させるネジ機構７ａ
とこれを作動させる電動機７ｂから成る残芯受け昇降用
駆動装置７とを発明の基本構成とするものである。

【００１２】請求項４に記載の発明は台枠８と、台枠８
の横幅方向の中央より一側寄りに進行方向に間隔を置い
て一直線上に配設した互に独立して正転並びに逆転が可
能な一対の電動機付駆動輪１１と、台枠８の横幅方向の
中央より他側寄りの下面に取り付けた補助輪１２とを備
え、巻取紙１５の搬送経路に沿って自動走行するバッテ
リー駆動型の搬送台車１と，搬送台車１に設けられ、巻
取紙１５を積載する架台２と，搬送台車１と架台２との
間に介設され、架台２を昇降可能に支持する伸縮自在な
架台用リンク機構３と，架台用リンク機構３を伸縮させ
るネジ機構４ａとこれを作動させる電動機４ｂから成る
架台昇降用駆動装置４と，搬送台車１に設けられた残芯
受け５と，搬送台車１と残芯受け５との間に介設され、
残芯受け５を斜め方向へ昇降可能に支持する伸縮自在な
残芯受け用リンク機構６と，残芯受け用リンク機構６を
伸縮動作させるネジ機構７ａとこれを作動させる電動機
７ｂから成る残芯受け昇降用駆動装置７とを発明の基本
構成とするものである。

【００１３】請求項５に記載の発明は、搬送台車１の架
台２上に、巻取紙１５を横向き姿勢でその軸芯が搬送台
車１の進行方向と直角になるように積載し、互に独立し
て正転並びに逆転が可能な複数の駆動輪１１の回転制御
により、前記巻取紙１５をその軸芯が巻取紙支持装置１
９の軸芯と平行となる姿勢で前記巻取紙支持装置１９の
下方まで搬入することを発明の基本構成とするものであ
る。

【００１４】本願請求項６に記載の発明は、搬送台車１
の架台２上に、巻取紙１５を縦向き姿勢でその軸芯が搬
送台車１の進行方向と同一になるように積載し、互に独
立して正転並びに逆転が可能な複数の駆動輪１１の回転
制御により、巻取紙１５をその軸芯が巻取紙支持装置１
９の軸芯と平行となる姿勢で前記巻取紙支持装置１９の
下方まで搬入すると共に、残芯受け用リンク機構６及び
残芯受け昇降用駆動装置７により残芯受け５を斜め方向
に上昇させ、巻取紙支持装置１９の支持軸１９ｂに残っ
ている残芯を受取り、その後、架台用リンク機構３及び
架台昇降用駆動装置４により架台２を上昇させ、巻取紙
１５の軸芯を巻取紙支持装置１９の支持軸軸芯に合致せ
しめて巻取紙１５を支持軸１９ｂへ回動自在に保持させ
ることを発明の基本構成とするものである。

【００１５】

【作用】架台上に巻取紙を進行方向と同方向の縦向き姿
勢（以下縦向き姿勢と呼ぶ）で積載した巻取紙搬送車
は、巻取紙の搬送経路に沿って自動走行し、輪転機の巻
取紙支持装置の下方へ引き入れられる。引き入れられた
巻取紙搬送車は、輪転機の巻取紙支持装置の残芯の真下
に積載した巻取紙が来る位置で一旦停止される。その
後、残芯受けが残芯受け用リンク機構及び残芯受け昇降
用駆動装置により斜め方向に上昇され、巻取紙支持装置
の支持軸に残っている残芯を受け取ったあと、初期の位
置まで下降される。その後、架台が架台用リンク機構及
び架台昇降用駆動装置により真上に上昇され、架台上の
巻取紙の軸芯が巻取紙支持装置の支持軸の軸芯に合致さ
せたあと、この状態で支持軸が巻取紙の芯内へ挿入さ
れ、これにより巻取紙は巻取紙支持装置に回転自在に装
着される。巻取紙の装着が完了すると、架台が下降され
ると共に巻取紙搬送車は後退され、残芯を積載した状態
で巻取紙支持装置の下方から出で行く。本発明の巻取紙
搬送車では、搬送台車が、台枠と、台枠に対して独立し
て正転並びに逆転可能な一対の電動機付駆動輪と、台枠
を支持する補助輪とを備えている為、所定の経路に沿っ
て搬送台車を巻取紙支持装置の支持軸と平行な方向に走
行させてその真下へ位置させることができ、巻取紙の搬
送及び輪転機への給紙が極めて円滑に行える。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１及び図２は、請求項１に記載の発明の
実施例を示す斜面図及び平面図である。図１及び図２に
於いて、１は搬送台車、２は架台、２ａは巻取紙係止機
構、である。前記搬送台車１は台枠８と、台枠８の中央
下面に、進行方向と垂直方向（横幅方向）に間隔を置い
て固設した電動機１０と、電動機により駆動される一対
の駆動輪１１と、台枠８の四隅に設けた四個の補助輪１
２とから形成されている。また、前記架台２は台枠８上
に固設されており、その上面側には巻取紙１５の胴部の
一部が嵌合する受け溝が縦向に形成されており、当該受
け溝が巻取紙１５の係止機構２ａを構成している。

【００１７】尚、前記図１では、受け溝を巻取紙１５の
係止機構２ａとしているが、当該係止機構２ａは巻取紙
１５の回転脱落を防止できるものであれば、如何なるも
のであってもよく、例えば三角形の止め片を架台上にス
ライド自在に固設する形式のものであってもよい。ま
た、本実施例では駆動輪１１を２個としているが、これ
が４個であってもよいことは勿論である。

【００１８】図３は、請求項３に記載の発明の実施例を
示す平面図である。図３に於いて、１は搬送台車、２は
架台、２ａは巻取紙係止機構である。本実施例の搬送台
車１は台枠８と、台枠８の横幅方向の中央（即ち、台枠
８の進行方向の中心軸線）より一側寄りに、進行方向に
間隔を置いて一直線状に配設した互いに独立して正転並
びに逆転が可能な一対の電動機付駆動輪１１と、台枠８
の横幅方向の中央より他側寄りの下面に取り付けた１個
の補助輪１２とから形成されている。尚、架台２の台枠
８上への取り付け機構及び架台２の上面の巻取紙係止機
構２ａ等は、請求項１に記載の搬送台車１の場合と同じ
である。

【００１９】図４乃至図８は請求項３の発明の実施例に
係る巻取紙搬送車を示し、当該巻取紙搬送車は、印刷工
場内の輪転機給紙部と紙庫との間を所定の搬送経路に沿
って自動走行するものであり、紙庫内の巻取紙を積載し
て輪転機給紙部へ搬送し、輪転機の巻取紙支持装置から
残芯を回収すると共に、積載している巻取紙を巻取紙支
持装置へ装着するように構成されている。

【００２０】即ち、巻取紙搬送車は、所定の搬送経路に
沿って自動走行するバッテリー駆動型の搬送台車１と、
搬送台車１に設けた架台２と、架台２を昇降可能に支持
する架台用リンク機構３と、架台２を昇降動させる架台
昇降用駆動装置４と、搬送台車１に設けた残芯受け５
と、残芯受け５を斜め方向へ昇降可能に支持する残芯受
け用リンク機構６と、残芯受け５を斜め方向へ昇降動さ
せる残芯受け昇降用駆動装置７等から構成されている。

【００２１】具体的には、前記搬送台車１は、図４乃至
図６に示す如く、型材及び板材等から成る台枠８と、台
枠８の下面中央位置に取り付けられた電動機１０（減速
機付電動機）付の一対の駆動輪１１と、台枠８の下面四
隅に取り付けられたキャスター構造の四つの補助輪１２
と、台枠８に積載された駆動用バッテリー１３と、台枠
８に積載された制御盤１４と、同じく台枠８に積載され
たピックアップコイル、サーボアンプ、リアクトル（何
れも図示省略）等を備えて居り、本実施例に於いては、
搬送台車１の走行は所謂磁気誘導方式や電磁誘導方式に
よって行われている。即ち、搬送台車１は、印刷工場内
の床面に埋設された誘導線、受信用ループコイル及び送
信用ループコイルから成る誘導ラインに沿って、地上に
設置された制御装置（図示省略）からの制御を受けつつ
自動走行をするように構成されている。尚、搬送台車１
には、図示していないが、走行注意音発信装置や衝突防
止装置、入線・脱線表示装置等の公知の付属装置が配設
されている。

【００２２】而して、前記搬送台車１は、一対の駆動輪
１１を同時に正回転若しくは逆回転させることによって
前進及び後退し、又、一方の駆動輪１１を正回転、他方
の駆動輪１１を逆回転することによってスピンターンを
行うことができる。更に、両車輪の回転速度に差を設け
ることにより曲線上を走行することができる。

【００２３】前記架台２は、搬送台車１に設けられ、巻
取紙１５を積載するものである。具体的には、架台２
は、図４乃至図６に示す如く、台枠８の上面に配置さ
れ、中央部に溝状の凹部を形成した平面形状矩形の架台
本体２ａと、架台本体２ａの凹部に走行可能に配置さ
れ、巻取紙１５を積載する矩形のテーブル２ｂとから構
成されている。又、架台２にはテーブル２ｂを凹部に沿
って移動走行させるテーブル駆動装置１６が配設されて
居り、巻取紙１５の長さに応じてテーブル２ｂの位置を
変えられるように為されている。

【００２４】当該テーブル駆動装置１６は、凹部内にテ
ーブル２ｂの移動方向に沿って配設された回転自在なネ
ジ軸１６ａと、テーブル２ｂの下面側に固定され、ネジ
軸１６ａに螺合する雌ネジ体１６ｂと、架台本体２ａの
下面に設けたテーブル用電動機１６ｃと、ネジ軸１６ａ
とテーブル用電動機１６ｃとを連動連結するベルト伝動
機構等１６ｄから構成されて居り、テーブル用電動機１
６ｃによってネジ軸１６ａを正逆回転させると、これに
伴って雌ネジ体１６ｂがネジ軸１６ａに沿って往復動す
ると共に、雌ネジ体１６ｂに連結されたテーブル２ｂが
凹部に沿って往復移動するようになっている。

【００２５】前記架台用リンク機構３は、上下方向へ伸
縮自在に構成されて居り、搬送台車１と架台２との間に
介設され、架台２を昇降可能に支持するものである。具
体的には、架台用リンク機構３は、図３及び図６に示す
如く、パンタグラフ構造を呈し、台枠８と架台２との間
に一対介設されて居り、一端が台枠８に枢着されると共
に他端が架台本体２ａに設けた長穴に摺動自在に支持さ
れた内側リンク部材３ａと、内側リンク部材３ａの中間
部に枢着され、一端部が台枠８に設けた長穴に摺動自在
に支持されると共に他端部が架台本体２ａに枢着された
一対の外側リンク部材３ｂとから成る。

【００２６】前記架台昇降用駆動装置４は、架台用リン
ク機構３を伸縮動作させて架台２を昇降動させるもので
ある。具体的には、架台昇降用駆動装置４は、図４及び
図７に示す如く、台枠８の両側位置に各架台用リンク機
構３に沿って配設された回転自在なネジ軸４ａ′及びネ
ジ軸４ａ′に螺合して外側リンク部材３ｂの一端部（長
穴に沿って移動する方）に枢着された雌ネジ体４ａ″と
を備えたネジ機構４ａと、台枠８の中央部一端側に配置
された架台用電動機４ｂと、架台用電動機４ｂの出力軸
に連動連結された減速機４ｃと、減速機４ｃの出力軸と
各ネジ軸４ａ′とを連動連結して各ネジ軸４ａ′を同一
方向へ回転させるチェーン伝動機構４ｄとから構成され
ている。尚、本実施例に於いては、各ネジ軸４ａ′は逆
ネジとなっている。而して、架台用電動機４ｂ及びチェ
ーン伝動機構４ｄ等によって各ネジ軸４ａ′を正逆回転
させると、これに伴って雌ネジ体４ａ″がネジ軸４ａ′
に沿って往復動すると共に、雌ネジ体４ａ″に連結され
た架台用リンク機構３が上下方向へ伸縮し、架台用リン
ク機構３に支持された架台２が昇降動する。

【００２７】前記残芯受け５は、図５及び図８に示す如
く搬送台車１の一側に設けたスタンド８ａの上方に傾斜
姿勢で設けられており、輪転機の巻取紙支持装置に残っ
ている残芯を回収するものである。本実施例では、残芯
受け５は、板材により略樋状に形成されている。

【００２８】前記残芯受け用リンク機構６は、上下方向
へ伸縮自在に構成されて居り、搬送台車１に固定したス
タンド８ａと残芯受け５との間に介設され、残芯受け５
を斜め方向へ昇降可能に支持するものである。具体的に
は、残芯受け用リンク機構６は、図３及び図７に示す如
く、パンタグラフ構造を呈し、台枠８に固定したスタン
ド８ａと残芯受け５との間に介設されて居り、一端がス
タンド８ａに枢着されると共に他端が残芯受け５に設け
た長穴に摺動自在に支持された内側リンク部材６ａと、
内側リンク部材６ａの中間部に枢着され、一端部がスタ
ンド８ａに設けた長穴に摺動自在に支持されると共に他
端部が残芯受け５に枢着された一対の外側リンク部材６
ｂとから成る。

【００２９】前記残芯受け昇降用駆動装置７は、残芯受
け用リンク機構６を伸縮動作させて残芯受け５を斜め方
向に昇降動させるものである。具体的には、残芯受け昇
降用駆動装置７は、図３及び図７に示す如く、スタンド
８ａに残芯受け用リンク機構６に沿って配設された回転
自在なネジ軸７ａ′及びネジ軸７ａ′に螺合して外側リ
ンク部材６ｂの一端部（長穴に沿って移動する方）に枢
着された雌ネジ体７ａ″を備えたネジ機構７ａと、スタ
ンド８ａの隅部に配置された残芯受け用電動機７ｂと、
ネジ軸７ａ′と残芯受け用電動機７ｂの出力軸とを連動
連結するベルト伝動機構７ｃ等から構成されている。而
して、残芯受け用電動機７ｂ及びベルト伝動機構ｃ等に
よってネジ軸７ａ′を正逆回転させると、これに伴って
雌ネジ体７ａ″がネジ軸７ａ′に沿って往復動すると共
に、雌ネジ体７ａ″に連結された残芯受け用リンク機構
６が上下方向へ伸縮し、残芯受け用リンク機構６に支持
された残芯受け５が昇降動するようになっている。尚、
残芯受け昇降用駆動装置７は図６に示す如くスタンド８
ａに斜め方向姿勢で固定されており、その結果残芯受け
５は積載した巻取紙１５の頂上近傍へ向けて斜め方向に
昇降動される。

【００３０】前記図４の実施例に於いては、架台８の下
面側に、４個の補助輪１２と、横幅方向に間隔を置いて
対向状に配置した一対の駆動輪１１、１１を有する台車
を使用しているが、当該台車１に代えて、架台８の下面
側に、１個の補助輪１２と、進行方向に対して間隔を置
いて配置した一対の駆動輪１１、１１を有する台車を使
用することも可能である。

【００３１】次に、前記巻取紙搬送車を用いて巻取紙１
５を輪転機の給紙部へ供給する場合について説明する。
図９を参照して、巻取紙１５を縦向きに塔載した搬送台
車１は、磁気誘導ライン又は電磁誘導ライン１８に沿っ
て矢印イ方向へ自動走行し、巻取紙支持装置１９側へ進
行して行く。尚、図９では搬送台車１を電磁誘導ライン
１８に沿って１８０°方向転換させたうえ、巻取紙支持
装置１９の下方へ導入するようにしているが、可能な場
合には、図１０のように最短距離で直接に巻取紙支持装
置の下方へ進行させるようにしてもよい。巻取紙支持装
置１９側へ進行した巻取紙搬送車は、巻取紙１５の軸芯
が三叉アーム１９ａの支持軸１９ｂに残っている残芯の
直下に達した位置で停止する。その後残芯受け５が、残
芯受け用リンク機構６及び残芯受け昇降用駆動装置７に
より斜め上方へ向けて上昇され、残芯の近傍位置まで上
昇される。この状態で残芯を支持する支持軸１９ｂがシ
リンダ１９ｃにより後退して残芯から引き抜かれ、これ
によって、残芯は残芯受け５上に落下する。

【００３２】残芯が残芯受け５に受け取られると、巻取
紙搬送車は、残芯受け５を下降させる。その後架台２が
架台用リンク機構３及び架台昇降用駆動装置４により上
方へ上昇され、巻取紙１５の軸芯と支持軸１９ｂの軸芯
とが合致した時点で架台２の上昇が停止される。この状
態で支持軸１９ｂがシリンダ１９ｃにより前進され、巻
取紙１５の芯内に挿入される。これにより、巻取紙１５
は巻取紙支持装置１９へ回転自在に装着される。

【００３３】巻取紙１５の装着が完了すると、巻取紙搬
送車は、架台２を下降させると共に後退し、残芯を積載
した状態で輪転機の給紙部から出で行く。尚、上記実施
例に於いては、搬送台車１を電磁誘導方式によって自動
走行させるようにしたが、他の実施例に於いては、搬送
台車１を光電誘導方式やラジコン誘導方式、レーザー誘
導方式によって自動走行させるようにしても良い。ま
た、上記実施例に於いては、架台２を、架台本体２ａと
移動可能なテーブル２ｂとから構成したが、常時一定の
大きさの巻取紙を積載する場合には、架台本体２ａとテ
ーブル２ｂとを一体的に形成するようにしても良い。

【００３４】

【発明の効果】請求項１及び請求項２の発明に於いて
は、架台の外表面に巻取紙を縦向き姿勢で安定に保持で
きる係止機構を設けると共に、搬送台車を一対の電動機
付駆動輪の回転制御によって曲線上走行が可能な構成と
している。その結果、架台上に縦向姿勢で積載した巻取
紙を、最短距離で直接に輪転機の巻取紙支持装置の下方
へ、その軸芯を支持軸の軸芯と平行な状態で搬入するこ
とができ、経済的に且つ高能率で輪転機の給紙部へ巻取
紙を供給することができる。

【００３５】又、請求項３及び請求項４の発明に係る巻
取紙搬送車は、自動走行する搬送台車に、巻取紙を積載
する架台及び残芯を受け取る残芯受けを夫々昇降可能に
設け、前記架台を、伸縮自在な架台用リンク機構及びネ
ジ機構と電動機を備えた架台昇降用駆動装置により、
又、前記残芯受けを、伸縮自在な残芯受け用リンク機構
及びネジ機構と電動機を備えた残芯受け昇降用駆動機構
により、夫々昇降動させる構成としている。その結果、
油圧装置を用いる従前のオートリールローダーに比較し
て巻取紙搬送車自体の構造が極めて簡単になり、組立の
簡略化や製造コストの大幅な引下げが可能になると共
に、巻取紙を輪転機の巻取紙支持装置へ装着するのに、
従前のようにオートリールローダーとトロッコの両方を
必要とせず、印刷設備の製造コストの引下げが可能とな
る。

【００３６】更に、本発明の請求項５の発明に於いて
は、巻取紙搬送車を誘導ラインに沿って巻取紙支持装置
の下方へ、巻取紙の軸芯を巻取紙支持装置の軸芯と平行
にした状態で直接搬入するようにしているため、巻取紙
の搬入速度が速くなり、極めて能率的な巻取紙の供給が
行なえる。加えて、請求項６の発明では巻取紙残芯の搬
出を巻取紙の供給と同時に行うことができ、輪転機への
給紙がより効果的に行なえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１の発明の実施例に係る巻取紙搬送車の
斜面図である。

【図２】図１の巻取紙搬送車の平面図である。

【図３】請求項２の発明の実施例に係る巻取紙搬送車の
平面図である。

【図４】請求項３の発明の実施例に係る巻取紙搬送車の
平面図である。

【図５】巻取紙搬送車の正面図である。

【図６】図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図７】巻取紙搬送車の架台用リンク機構部分の縦断面
図である。

【図８】巻取紙搬送車の残芯受け用リンク機構部分の縦
断面図である。

【図９】本発明の巻取紙搬送車を用いて巻取紙を輪転機
の巻取紙支持装置の下方へ搬入する方法の説明図であ
る。

【図１０】巻取紙搬送車を用いて巻取紙を輪転機の巻取
紙支持装置の下方へ搬入する他の方法の説明図である。

【図１１】巻取紙を輪転機の巻取紙支持装置へ供給する
場合の概略正面図である。

【図１２】オートリールローダーを用いて巻取紙を輪転
機の巻取紙支持装置へ供給する場合の概略正面図であ
る。

【図１３】従前の巻取紙搬送車により巻取紙支持装置へ
直接に給紙する場合の給紙方法の説明図である。

【図１４】従前の他の給紙方法の説明図である。

【図１５】従前の更に他の給紙方法の説明図である。

【符号の説明】

１は搬送台車、２は架台、２ａは係止機構、３は架台用
リンク機構、４は架台昇降用駆動装置、４ａは架台用の
ネジ機構、４ｂは架台用の電動機、５は残芯受け、６は
残芯受け用リンク機構、７は残芯受け昇降用駆動装置、
７ａは残芯受け用のネジ機構、７ｂは残芯受け用の電動
機、８は台枠、１１は電動機付駆動輪、１２は補助輪、
１５は巻取紙。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台枠（８）と、台枠（８）の中央に配設
   した互に独立して正転並びに逆転が可能な一対の電動機
   付駆動輪（１１）と、台枠（８）の下面四隅に取り付け
   た補助輪（１２）とを備え、巻取紙（１５）の搬送経路
   に沿って自動走行するバッテリー駆動型の搬送台車
   （１）と，搬送台車（１）に設けられ、その上面に進行
   方向と同方向の縦向き姿勢で積載した巻取紙（１５）の
   係止機構（２ａ）を備えた架台（２）とから構成したこ
   とを特徴とする巻取紙搬送車。
2. 【請求項２】 台枠（８）と、台枠（８）の横幅方向の
   中央より一側寄りに進行方向に間隔を置いて一直線上に
   配設した互に独立して正転並びに逆転が可能な一対の電
   動機付駆動輪（１１）と、台枠（８）の横幅方向の中央
   より他側寄りの下面に取り付けた補助輪（１２）とを備
   え、巻取紙（１５）の搬送経路に沿って自動走行するバ
   ッテリー駆動型の搬送台車（１）と，搬送台車（１）に
   設けられ、その上面に進行方向と同方向の縦向き姿勢で
   積載した巻取紙（１５）の係止機構（２ａ）を備えた架
   台（２）とから構成したことを特徴とする巻取紙搬送
   車。
3. 【請求項３】 台枠（８）と、台枠（８）の中央に配設
   した互に独立して正転並びに逆転が可能な一対の電動機
   付駆動輪（１１）と、台枠（８）の下面四隅に取り付け
   た補助輪（１２）とを備え、巻取紙（１５）の搬送経路
   に沿って自動走行するバッテリー駆動型の搬送台車
   （１）と，搬送台車（１）に設けられ、巻取紙（１５）
   を積載する架台（２）と，搬送台車（１）と架台（２）
   との間に介設され、架台（２）を昇降可能に支持する伸
   縮自在な架台用リンク機構（３）と，架台用リンク機構
   （３）を伸縮させるネジ機構（４ａ）とこれを作動させ
   る電動機（４ｂ）から成る架台昇降用駆動装置（４）
   と，搬送台車（１）に設けられた残芯受け（５）と，搬
   送台車（１）と残芯受け（５）との間に介設され、残芯
   受け（５）を斜め方向へ昇降可能に支持する伸縮自在な
   残芯受け用リンク機構（６）と，残芯受け用リンク機構
   （６）を伸縮動作させるネジ機構（７ａ）とこれを作動
   させる電動機（７ｂ）から成る残芯受け昇降用駆動装置
   （７）とから構成したことを特徴とする巻取紙搬送車。
4. 【請求項４】 台枠（８）と、台枠（８）の横幅方向の
   中央より一側寄りに進行方向に間隔を置いて一直線上に
   配設した互に独立して正転並びに逆転が可能な一対の電
   動機付駆動輪（１１）と、台枠（８）の横幅方向の中央
   より他側寄りの下面に取り付けた補助輪（１２）とを備
   え、巻取紙（１５）の搬送経路に沿って自動走行するバ
   ッテリー駆動型の搬送台車（１）と，搬送台車（１）に
   設けられ、巻取紙（１５）を積載する架台（２）と，搬
   送台車（１）と架台（２）との間に介設され、架台
   （２）を昇降可能に支持する伸縮自在な架台用リンク機
   構（３）と，架台用リンク機構（３）を伸縮させるネジ
   機構（４ａ）とこれを作動させる電動機（４ｂ）から成
   る架台昇降用駆動装置（４）と，搬送台車（１）に設け
   られた残芯受け（５）と，搬送台車（１）と残芯受け
   （５）との間に介設され、残芯受け（５）を斜め方向へ
   昇降可能に支持する伸縮自在な残芯受け用リンク機構
   （６）と，残芯受け用リンク機構（６）を伸縮動作させ
   るネジ機構（７ａ）とこれを作動させる電動機（７ｂ）
   から成る残芯受け昇降用駆動装置（７）とから構成した
   ことを特徴とする巻取紙搬送車。
5. 【請求項５】 搬送台車（１）の架台（２）上に、巻取
   紙（１５）を縦向き姿勢でその軸芯が搬送台車（１）の
   進行方向と同方向になるように積載し、互いに独立して
   正転並びに逆転が可能な複数の駆動輪（１１）の回転制
   御により、前記巻取紙（１５）をその軸芯が巻取紙支持
   装置（１９）の軸芯と平行となる姿勢で前記巻取紙支持
   装置（１９）の下方まで搬入することを特徴とする巻取
   紙の給紙方法。
6. 【請求項６】 搬送台車（１）の架台（２）上に、巻取
   紙（１５）を縦向き姿勢でその軸芯が搬送台車（１）の
   進行方向と同方向になるように積載し、互いに独立して
   正転並びに逆転が可能な複数の駆動輪（１１）の回転制
   御により、巻取紙（１５）をその軸芯が巻取紙支持装置
   （１９）の軸芯と平行となる姿勢で前記巻取紙支持装置
   （１９）の下方まで搬入すると共に、残芯受け用リンク
   機構（６）及び残芯受け昇降用駆動装置（７）により残
   芯受け（５）を斜め方向に上昇させ、巻取紙支持装置
   （１９）の支持軸（１９ｂ）に残っている残芯を受取
   り、その後、架台用リンク機構（３）及び架台昇降用駆
   動装置（４）により架台（２）を上昇させ、巻取紙（１
   ５）の軸芯を巻取紙支持装置（１９）の支持軸軸芯に合
   致せしめて巻取紙（１５）を前記支持軸（１９ｂ）へ回
   動自在に保持させることを特徴とする巻取紙の給紙方
   法。