JP3842910B2 - パレット横送り装置及びこの装置を備えた機械式立体駐車装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パレット横送り装置及びこの装置を備えた機械式立体駐車装置のに関し、特にパレットを効率良く横送りしようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
平面往復式立体駐車装置等の機械式立体駐車装置において車両をパレットに搭載して搬出入する場合、パレットを搬出入過程でパレット横送り装置によって横送りして移載することが行われている。
【0003】
このようなパレット横送り装置として、例えば特公平6−89611号公報に開示されているように、リフト上に移動台を設け、この移動台上に一対の支持アームを基端を回動中心として水平面内で回動可能に並設し、これら支持アーム先端に摩擦車を1個ずつ取り付けたパレット横送り装置が知られている。
【0004】
このパレット横送り装置においてパレットを横送りする要領は、パレットを格納棚から引き出す場合を例に挙げて説明すると、まず、移動台を格納棚に前進させ、格納棚に格納されているパレット下面の送りプレートを2個の摩擦車で両側から挟持し、これに続いてこの2個の摩擦車のうち格納棚側に向かって右側の摩擦車を反時計回りに、左側の摩擦車を時計回りにそれぞれ互いに逆向きに回転させて上記パレットを移動台に引き込みながら移動台をリフト側に後退させることで、パレットを格納棚から引き出してリフト上に横送りして移載するようになっている。
【0005】
この公報例では、2基のパレット横送り装置を対角線上にかつ互い反対向きに設置し、両側の格納棚とリフトとの間でパレットを移載するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の如きパレット横送り装置を移載箇所Aと移載箇所Bとの間に設置し、パレットを移載箇所Aから移載箇所B、あるいはその逆へと一気に横送りする場合、途中でパレットの横送りを一方のパレット横送り装置から他方のパレット横送り装置に切り換える必要があり、この時、2基のパレット横送り装置が同時に作動することがある。この場合、パレットの横送りをスムーズに行うためには、2基のパレット横送り装置で各々の摩擦車の回転を同期させることが必要であるが、これらのパレット横送り装置には摩擦車を回転させる駆動モータがそれぞれ1基ずつ設置され、各パレット横送り装置の摩擦車はそれぞれ別個の専用の駆動モータの起動により回転することから、2基のパレット横送り装置で各々の摩擦車の回転を同期させることが難しく、パレットが斜めに傾いたりするなどの不具合が生ずる。
【0007】
また、上記のパレット横送り装置では、2個の摩擦車はコイルスプリングのばね力により常時互いに圧接しており、この圧接力でパレット下面の送りプレートを両側から挟持するようになっている。したがって、移動台を前進させて送りプレートを挟持する際、送りプレートが2個の摩擦車の間に押し込まれるように割り込んでいくため、割込み時に送りプレートが摩擦車にぶつかって摩擦車が傷付くおそれがある。また、上述の如く2個の摩擦車が互いに圧接して直接押し合っているため、このこと自体によっても、つまり摩擦車が送りプレートを挟持していない状態でも、摩擦車が互いに傷付いたり変形したりする。
【0008】
さらに、パレットの向きを変える持上げ旋回装置の設置場所にパレット横送り装置が設置されている場合、パレットの向きを変えるためにパレットを持上げ旋回装置で持ち上げようとすると、上述の如くパレット下面の送りプレートはパレット横送り装置の2個の摩擦車に挟持されているため、送りプレートを上方に無理矢理力任せに引き抜くことになり、このことによっても摩擦車が傷付くことになる。
【0009】
一方、上記の公報例のパレット横送り装置とはタイプの異なる装置として、本出願人が先に出願しているクランクアーム方式の移載装置(例えば特開平9−125733号公報参照)があるが、この移載装置を用いてパレットをその一方側から他方側に移載する場合には、アームをパレット下面の2つのガイド溝のうち移載方向に向かって手前のガイド溝に掛け替えなければならず、しかも、そのためにはパレットを一旦移載装置上で停止させる必要があり、アームの掛替えに時間が掛かり、結果としてパレットの移載が遅くなる。
【0010】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パレットをパレット横送り装置の両側に一気にしかもスムーズに移載するとともに、パレット下面の送りプレートを挟持する摩擦車を傷付き難くすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、パレット下面の送りプレートを挟持する2個の摩擦車を2組横送り方向に距離を隔てて配置し、しかもこれら2組の摩擦車を1つの駆動源で同期して回転させるようにしたことを特徴とする。
【0012】
具体的には、この発明は、車両をパレットに搭載して搬出入する機械式立体駐車装置において、上記パレットを搬出入過程で横送りするパレット横送り装置及びこの装置を備えた機械式立体駐車装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0013】
すなわち、請求項1又は2に記載の発明は、前者のパレット横送り装置に関するものであり、そのうち請求項1に記載の発明は、移動台上に横送り方向に距離を隔てて配置され、パレット下面に設けられた送りプレートを両側から挟持する2個の摩擦車を1組とする2組の摩擦車と、上記パレット下面の送りプレートを各組の2個の摩擦車で挟持すべく上記移動台を横送り方向に移動させる移動手段と、上記各組の2個の摩擦車に送りプレートが挟持されたパレットを2組の摩擦車の共働で横送り方向に進めるように、2組の摩擦車を同期して回転させるとともに、各組で摩擦車を互いに逆回転させる単一の回転駆動手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、移動台が移動手段の作動によりパレット横送り装置の一方側にあるパレットに接近し、2個の摩擦車を1組とする2組の摩擦車が単一の回転駆動手段の作動により同期して回転すると、上記パレット下面の送りプレートが一方の2個1組の摩擦車間に挿入されて両側から挟持されるとともに、パレットがこの1組の摩擦車の回転によって上記移動台に引き込まれる。その後、移動台が移動手段の作動により上記とは逆方向である送出し方向に移動し、この間、上記パレットが上記一方の1組の摩擦車から他方の1組の摩擦車に送り込まれ、さらに、この他方の1組の摩擦車の回転によって上記パレット横送り装置の他方側である反対側に送り出される。
【0015】
このように、パレットは、1基のパレット横送り装置でしかも単一の回転駆動手段により同期して回転する2組の摩擦車でパレット横送り装置の一方側から他方側に停止することなく連続して横送りされて移載されることから、パレットが一方の1組の摩擦車から他方の1組の摩擦車へと送り込まれる際に斜めに傾いたりせず、パレット横送り装置の両側に一気にしかもスムーズに移載される。また、このパレット横送り装置によれば、クランクアーム方式の移載装置で必要であったアームの掛替えをせずに済むので、その分だけロスタイムがなくなる。
【0016】
また、請求項1に記載の発明は、各組の2個の摩擦車をその間隔が送りプレートの厚みよりも大きくなるように離間させる離間手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、パレットの向きを変える持上げ旋回装置の設置場所にパレット横送り装置が設置されている場合において、パレットの向きを変える際、各組の2個の摩擦車を離間手段の作動により離間させ、互いの間隔を送りプレートの厚みよりも大きくする。これにより、パレット下面の送りプレートの挟持状態が解除され、パレットを持上げ旋回装置で持ち上げても、送りプレートが上方に無理矢理力任せに引き抜かれることはなく、パレットが持上げ旋回装置で何等抵抗なく持ち上げられ、摩擦車が傷付かない。
【0018】
請求項2に記載の発明は、移動台上に横送り方向に距離を隔てて配置され、パレット下面に設けられた送りプレートを両側から挟持する2個の摩擦車を1組とする2組の摩擦車と、上記パレット下面の送りプレートを各組の2個の摩擦車で挟持すべく上記移動台を横送り方向に移動させる移動手段と、上記各組の2個の摩擦車に送りプレートが挟持されたパレットを2組の摩擦車の共働で横送り方向に進めるように、2組の摩擦車を同期して回転させるとともに、各組で摩擦車を互いに逆回転させる単一の回転駆動手段と、上記各組の2個の摩擦車をパレット下面の送りプレートを挟持していない状態で互いに接触しないようにかつ送りプレートの厚みよりも小さい隙間をあけて保持する隙間保持手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
上記の構成により、請求項2に記載の発明では、各組の2個の摩擦車は隙間保持手段によって互いに接触しておらず、パレットを横送りする時以外は摩擦車に負荷が掛からず、摩擦車は傷付いたり変形したりしない。また、パレット下面の送りプレートを挟持する際、送りプレートは2個の摩擦車間の隙間に分け入るように進入するので、摩擦車に対する送りプレートの圧接力や衝突力が隙間がある分だけ弱くなり、摩擦車が傷付き難くなる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、後者の機械式立体駐車装置に関するものであり、装置外部に連絡され、入庫車両が進入する一方、出庫車両が退出する進入・退出部と、この進入・退出部に並設され、入庫車両が進入・退出部から乗り入れる一方、出庫車両が進入・退出部に乗り出す乗入・乗出部と、この乗入・乗出部の下方に昇降リフトによって連絡され、車両をパレットごと格納する格納棚が複数列設されるとともに、搬送台車が格納棚列に沿って走行可能に設けられた格納部とを備え、上記進入・退出部の床面には、パレット搬出入口が進入・退出部と格納部とを連絡するように開口されているとともに、上記乗入・乗出部の床面には、上記昇降リフトが最上昇位置で臨む車両搬出入口が開口され、上記搬送台車には、車両をパレットごと搭載して昇降する台車昇降台が上記パレット搬出入口まで上昇可能に設けられ、上記パレット搬出入口周り及び車両搬出入口周りには、パレットを搬送台車及び昇降リフトから切り離して保持するパレット保持手段がそれぞれ設けられ、上記パレット搬出入口と車両搬出入口との間の床面には、請求項1又は2に記載のパレット横送り装置が設けられ、このパレット横送り装置は、搬送台車と昇降リフト又は乗入・乗出部側のパレット保持手段との間、進入・退出部側のパレット保持手段と昇降リフト又は乗入・乗出部側のパレット保持手段との間で車載パレット又は空パレットを横送りするようになされていることを特徴とする。
【0021】
上記の構成により、請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載のパレット横送り装置が適用される機械式立体駐車装置が具体化される。つまり、この機械式立体駐車装置は、進入・退出部の床面にパレット搬出入口を開口し、入庫が連続する場合には、パレットをパレット搬出入口から乗入・乗出部に搬出して次の入庫に備える一方、出庫が連続する場合には、先行出庫車両が退出したあと乗入・乗出部に残っているパレットを邪魔にならないようにパレット搬出入口から格納部に搬入して次の出庫に備えることで入出庫効率を良くするようにしたものである。そして、パレット横送り装置をパレット搬出入口と車両搬出入口との間の床面に設けるとともに、これらパレット搬出入口及び車両搬出入口の各々にパレット保持手段を設けることで、搬送台車と昇降リフト又は乗入・乗出部側のパレット保持手段との間、進入・退出部側のパレット保持手段と昇降リフト又は乗入・乗出部側のパレット保持手段との間で車載パレット又は空パレットの受渡しが、請求項1のところで記載したように斜めに傾くことなく一気にしかもスムーズに行われる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0023】
図7及び図8は機械式立体駐車装置としての平面往復式地下立体駐車装置の構成を示す。図7及び図8において、1は地上階、2は地下に構築された躯体であって、この躯体2の内部は格納部としての格納階3を構成し、上記地上階1には進入・退出部4が設けられている。この進入・退出部4は出入り口4aを介して装置外部に連絡され、入庫車両Cが装置外部から出入り口4aを経て進入・退出部4に進入する一方、出庫車両Cが進入・退出部4から出入り口4aを経て退出するようになっている。この進入・退出部4の隣には乗入・乗出部5が上記躯体2の地上階1に延出する部分で構成されて並設され、両者は乗入・乗出部5側に設けられた上下開閉式の連絡ドア6によって連通・遮断可能になっており、入庫車両Cが進入・退出部4から連絡ドア6を経て乗入・乗出部5に乗り入れる一方、出庫車両Cが乗入・乗出部5から連絡ドア6を経て進入・退出部4に乗り出すようになっている。
【0024】
上記格納階3は乗入・乗出部5の下方に昇降リフト7によって連絡され、格納階3のほぼ中央には走行路8が設けられ、この走行路8の両側には車両CをパレットPごと格納する格納棚9が前後2列にかつ走行路8に沿って複数列設されているとともに、搬送台車10が格納棚列に沿って走行可能に配置されている。なお、格納棚9は上下方向に3段積上げ式になっているが、昇降リフト7の設置箇所では昇降リフト7が下降停止するところであることから、最上段の格納棚には車両Cを格納せず昇降リフト7の昇降スペースとしている。また、これと走行路8を挟んで対向する最上段の格納棚も空パレットPを仮置きするための仮置きスペースとしている。
【0025】
上記進入・退出部4の床面4bには、パレット搬出入口11が進入・退出部4と格納階3とを連絡するように矩形に開口されているとともに、上記乗入・乗出部5の床面5bには、上記昇降リフト7が最上昇位置で臨む車両搬出入口12が矩形に開口されている。上記パレット搬出入口11周り及び車両搬出入口12周りには、パレット保持手段としてのパレット保持装置13がそれぞれ2基ずつ出退可能に対向して設置され、これら2基のパレット保持装置13によりパレット搬出入口11ではパレットPを搬送台車10から切り離して保持する一方、車両搬出入口12ではパレットPを昇降リフト7から切り離して保持するようになっている。
【0026】
上記各パレット保持装置13はいずれも同じ構成であるので、同一の構成箇所には同一の符号を付している。このパレット保持装置13は平面視略コの字形の支持フレーム14を備え、この支持フレーム14の両端を除く部分には6個のガイドローラ15が転動自在に取り付けられている。この支持フレーム14の内寄りの2箇所にはスライダ16がそれぞれ取り付けられ、このスライダ16には、連結部材17aで連結された平行リンク機構を構成する2本のリンク17の一端が摺動自在に係合され、これらリンク17の他端は床面4b,5bに回動自在に支持され、そのうち一方のリンク17の他端は駆動モータ18の出力軸にチェーンスプロケット機構19によって連結されている。そして、上記パレット搬出入口11周り及び車両搬出入口12周りにそれぞれ対向設置された2基のパレット保持装置13の駆動モータ18を同期して正逆回転駆動することで、上記2基のパレット保持装置13をパレット搬出入口11及び車両搬出入口12に対して出退させ、進出状態でパレットP下面のガイドフレームp1を各ガイドローラ15で下方から保持する一方、後退状態でパレット搬出入口11では搬送台車10の後述する台車昇降台27のパレット搬出入口11に対する昇降を許容し、車両搬出入口12ではパレットPを搭載した昇降リフト7の昇降を許容するようになっている。
【0027】
上記昇降リフト7は、チェーンスプロケット機構20によって昇降する矩形フレームからなるリフト昇降台21を備え、このリフト昇降台21の両側2箇所には、5個のガイドローラ22を転動自在に取り付けた支持フレーム23がそれぞれ配置され、パレットP下面のガイドフレームp1を各ガイドローラ22で下方から保持して車両CをパレットPごとリフト昇降台21つまり昇降リフト7に搭載するようになっている。
【0028】
一方、上記搬送台車10は、四隅に車輪24が設けられた台車本体25を備え、これら車輪24を上記走行路8に敷設された2条のレール26に載せて走行路8を走行するようになっている。上記台車本体25には、車両CをパレットPごと搭載して昇降する矩形フレームからなる台車昇降台27が上記パレット搬出入口11まで上昇可能に設けられ、この台車昇降台27の昇降機構は、図示しないが、例えば本出願人が先に出願している公知のチェーンスプロケット機構(特開平9−125733号公報参照)等である。しかし、特にこれに限定されるものではなく、別のチェーンスプロケット機構やその他の公知の昇降機構を採用することができるものである。この台車昇降台27の両側2箇所にも、上記リフト昇降台21と同様に、5個のガイドローラ28を転動自在に取り付けた支持フレーム29がそれぞれ配置され、パレットP下面のガイドフレームp1を各ガイドローラ28で下方から保持して車両CをパレットPごと台車昇降台27つまり搬送台車10に搭載するようになっている。
【0029】
上記搬送台車10の台車昇降台27には、車両CをパレットPごと横送りして移載するいわゆるダブルクランクアーム方式の移載装置30が搭載されている。つまり、この移載装置30は、駆動モータ31の起動により回転軸32回りに水平面内で回転する第1アーム33を備え、この第1アーム33先端には同じく駆動モータ31の起動により回転軸34回りに水平面内で連動して回転する第2アーム35が取り付けられ、この第2アーム35先端には係合ローラ36が取り付けられている。この係合ローラ36は、車載パレットP又は空パレットPを移載する時、パレットP裏面の2つのガイド溝p2のうち手前のガイド溝p2に係脱可能に係合し、各格納棚9と台車昇降台27との間、又はリフト昇降台21と台車昇降台27との間で車載パレットP又は空パレットPを横送りするようになっている。
【0030】
上記進入・退出部4のパレット搬出入口11と車両搬出入口12との間の床面4bには、5個のガイドローラ37を転動自在に取り付けた2条の横送りレール38が上記昇降リフト7のガイドローラ22列と上記搬送台車10のガイドローラ28列との間に位置してこれらと一直線状になるように配置され、パレットPを昇降リフト7と搬送台車10との間で移載できるようにするとともに、昇降リフト7及び搬送台車10のいずれか一方が待機していないときにパレットPを横送りレール38上に一時的に仮置きできるようになっている。
【0031】
上記2条の横送りレール38間の床面4bには、持上げ旋回装置39が設置され、この持上げ旋回装置39は昇降機能と旋回機能とを備えていて、その動作は、車載パレットPを上方に持ち上げて上記横送りレール38から浮き上がらせ、この状態で車載パレットPを水平面内で180°旋回させて車両Cを前進運転で出庫できるようにし、その後、車載パレットPを下げて横送りレール38に載せるようになっている。
【0032】
この発明の特徴として、上記持上げ旋回装置39と出入り口4a側の横送りレール38との間の床面4bには、パレットPを搬出入過程で横送りするパレット横送り装置40が設置され、このパレット横送り装置40は、搬送台車10と昇降リフト7又は乗入・乗出部5側のパレット保持装置13との間、進入・退出部4側のパレット保持装置13と昇降リフト7又は乗入・乗出部5側のパレット保持装置13との間で車載パレットP又は空パレットPを横送りするようになされている。
【0033】
図1〜6に拡大詳示するように、上記パレット横送り装置40は床面4bに固定された架台41を備え、この架台41上には、横送り方向であるパレット搬出入口11側及び車両搬出入口12側に延びる2条のスライドレール42が敷設され、これら2条のスライドレール42には、矩形フレームからなる移動台43がスライダ44によって移動可能に支持されている。
【0034】
上記移動台43上のほぼ中央には、摩擦車駆動モータ45及び減速機46が軸継手47で連結されて配置され、この減速機46の出力軸46aには駆動スプロケット48が連結され、その隣の上記軸継手47上方にはスプロケットからなるソラセ車49が軸50回りに回動自在にプレート51に支持されて配置されている。
【0035】
上記移動台43上の横送り方向両端である図1及び図2で左右両端には、上方に延びる軸52が2本ずつ上下の軸受53に回転自在に支持されて並設され、これらの軸52上端には第1ギヤ54がそれぞれ固定されている。また、これらの軸52のうち一方の軸52の第1ギヤ54直下には、従動スプロケット55がそれぞれ固定されている。そして、これら2個の第1ギヤ54は動力を伝達できるように互いに噛み合っている。
【0036】
上記各軸52周りの上下の軸受53には、外側方に突出するプレートからなる上下2枚の上側及び下側アーム56a,56bの一端が水平面内で揺動自在に支持され、この上側及び下側アーム56a,56bの他端側には、上方に延びる軸57が取り付けられ、この軸57上端には摩擦車58が、その直ぐ下には第2ギヤ59がそれぞれ回動自在に取り付けられている。そして、この各第2ギヤ59は上記各第1ギヤ54から動力を伝達できるように各第1ギヤ54と互いに噛み合っている。つまり、移動台43上の左右両端には、2個の摩擦車58を1組とする2組の摩擦車58が横送り方向に距離を隔てて配置され、これら2個1組の摩擦車58でパレットP下面のガイドフレームp1よりも内側に設けられた送りプレートp3を両側から挟持するようになっている。
【0037】
上記駆動スプロケット48、ソラセ車49及び左右両端の2個の従動スプロケット55には、エンドレスの駆動チェーン60が巻き掛けられ、上記摩擦車駆動モータ45を単一の回転駆動手段として、この摩擦車駆動モータ45の起動により駆動スプロケット48を正転及び逆転させることにより、駆動チェーン60、ソラセ車49及び従動スプロケット55を正逆回転駆動させ、その動力を第1ギヤ54及び第2ギヤ59に伝達して2組の摩擦車58を同期して回転させるとともに、各組で摩擦車58を互いに逆回転させ、上記各組の2個の摩擦車58に送りプレートp3が挟持されたパレットPを2組の摩擦車58の共働で横送り方向に進めるようになっている。つまり、一方の1組の摩擦車58がパレットPを引き込むように互いに内向きに回転すると、他方の1組の摩擦車58がパレットPを送り出すように互いに外向きに回転するようになっている。
【0038】
上記架台41の側方には、移動用モータ61及び減速機62が設置され、この減速機62の出力軸62aには円形プレート63が固定され、この円形プレート63外周寄りの移動台43側の面には、2個の係合ローラ64が180°反対側に位置するように回転自在に取り付けられている。一方、上記移動台43の側部には、上下方向に延びる断面コの字形の係合溝65aを有する2つの係合部材65が上記両係合ローラ64の間隔に対応して間隔をあけて配置され、上記各係合溝65a下端には係合ローラ64が係合し易いようにテーパ形状のガイド面65bが形成されている。上記両係合ローラ64は、移動台43が横送り方向に移動していない中立位置(図2実線の状態)にあるときには、両係合部材65の係合溝65a下端にそれぞれ係合しているが、移動台43が横送り方向に移動するときには、一方の係合ローラ64だけが係合部材65に係合し、他方の係合ローラ64は係合部材65から離脱している。
【0039】
具体的には、移動台43が中立位置から図2右側(車両搬出入口12側)に横送りされて移動するときには、円形プレート63を移動用モータ61の起動により図2で時計回りに回転させることで、図2左側の係合ローラ64が弧を描きながら図2左側の係合部材65の係合溝65aを上下に摺動して図2で時計回りに180°回転し図2右側に移動する。これに伴い、図2右側の係合ローラ64が係合部材65から離脱する。これにより、車両搬出入口12で上昇待機中の昇降リフト7又はパレット保持装置13上のパレットP下面の送りプレートp3を図2右側の2個の摩擦車58で挟持するようになっている。逆に、移動台43が中立位置から図2左側(パレット搬出入口11側)に横送りされて移動するときには、円形プレート63を移動用モータ61の起動により図2で反時計回りに回転させることで、図2右側の係合ローラ64が弧を描きながら図2右側の係合部材65の係合溝65aを上下に摺動して図2で反時計回りに180°回転し図2左側に移動する。これに伴い、図2左側の係合ローラ64が係合部材65から離脱する。これにより、パレット搬出入口11で上昇待機中の搬送台車10又はパレット保持装置13上のパレットP下面の送りプレートp3を図2左側の2個の摩擦車58で挟持するようになっている。したがって、上記移動用モータ61、円形プレート63、係合ローラ64及び係合部材65により、移動台43を横送り方向に移動させる移動手段としての移動装置66が構成されている。そして、この移動装置66では、移動台43の移動を円形プレート63の回転により弧を描いて移動する係合部材65の係合溝65aに対する摺動により行っているため、移動用モータ61の起動・停止時の衝撃を少なくすることができる。
【0040】
上記移動台43の両側部には、横送り方向に延びる回転軸67が1本ずつその両端寄りをブラケット71aで回転自在に支持して配置されている。これら回転軸67の一端(図1右端)寄りにはスプロケット68がそれぞれ固定され、これらスプロケット68にはエンドレスチェーン69が巻き掛けられ、一方の回転軸67を回転させることでその動力を他方の回転軸67にスプロケット68及びエンドレスチェーン69を介して伝達し、両回転軸67を同期して同じ方向に回転させるようになっている。図1〜4中、70は、上記エンドレスチェーン69の張り具合を調整するためのテンションスプロケットであり、このテンションスプロケット70は、移動台43上に立設されたブラケット71bに高さ可変に取り付けられている。
【0041】
上記移動台43の一方の側部には、アーム開閉駆動モータ72及び減速機73が回転軸67下方に位置するように配置され、この減速機73の出力軸73aには駆動スプロケット74が固定されている。一方、上記アーム開閉駆動モータ72側の回転軸67には従動スプロケット75が固定され、この従動スプロケット75と上記駆動スプロケット74には駆動チェーン76が巻き掛けられ、上記アーム開閉駆動モータ72の起動により両回転軸67を同期して同じ方向に回転させるようになっている。
【0042】
上記各回転軸67の両端には矩形プレート77の一端側が固定され、この矩形プレート77の他端側には、チェーンを連結してなるアーム開閉レバー78の一端が軸79によって回動自在に取り付けられ、このアーム開閉レバー78の他端は、2個1組の摩擦車58をそれぞれ支持する上側アーム56a先端上面に軸80によって回動自在に取り付けられている。その取付け方は、図6に示すように、回転軸67に対するアーム開閉レバー78の取付け姿勢が左右で上下逆になっている。つまり、図6左側のアーム開閉レバー78は回転軸67上方で矩形プレート77を介して回転軸67に連結されているのに対し、図6右側のアーム開閉レバー78は回転軸67下方で矩形プレート77を介して回転軸67に連結されている。これにより、上記アーム開閉駆動モータ72を起動させて両回転軸67を同期して同じ方向に90°回転させると、両アーム開閉レバー78が相反する方向に移動して上側及び下側アーム56a,56bが開閉する。この上側及び下側アーム56a,56bの開閉は、パレットPの向きを変えるために持上げ旋回装置39を作動させるときに行われるものである。
【0043】
具体的には、両回転軸67が図6実線矢印のように反時計回りに90°回転すると、両アーム開閉レバー78が図6実線矢印のように互いに外側方に移動し、これにより、左右の上側及び下側アーム56a,56bが互いに離れて開き、その結果、各組の2個の摩擦車58が互いに離間する方向に移動してその間隔がパレットP下面の送りプレートp3の厚みよりも大きくなり、送りプレートp3に対する両摩擦車58の挟持状態が解除される。この非挟持状態で持上げ旋回装置39を作動させ、パレットPを上方に持ち上げて水平面内で180°旋回させてその向きを変えるようになっている。一方、両回転軸67が図6破線矢印のように時計回りに90°回転すると、両アーム開閉レバー78が図6破線矢印のように互いに内側方に移動し、これにより、左右の上側及び下側アーム56a,56bが互いに接近して閉じ、その結果、各組の2個の摩擦車58が互いに接近する方向に移動してその間隔がパレットP下面の送りプレートp3の厚みよりも小さくなり、送りプレートp3に対する両摩擦車58の挟持態勢を整えるようになっている。したがって、上記回転軸67、アーム開閉駆動モータ72、駆動スプロケット74、従動スプロケット75、駆動チェーン76、矩形プレート77及びアーム開閉レバー78により、各組の2個の摩擦車58をその間隔が送りプレートp3の厚みよりも大きくなるように離間させる離間手段としての離間装置81が構成されている。
【0044】
上記各上側アーム56a先端下面にはブラケット82が垂設され、各組の摩擦車58の下方で並ぶ2本の上側アーム56aの一方(図6右側)のブラケット82には、ロッド83の一端が軸84により回動自在に取り付けられ、他方(図6左側)のブラケット82には切欠部82aが形成され、上記ロッド83がこの切欠部82aに移動自在に挿入されてその大半部分を外側方に突出させている。このロッド83の先端側突出部分つまりロッド83先端とブラケット82との間には、コイルスプリング85が縮装され、ロッド83をこのコイルスプリング85のばね力で先端側に付勢し、これにより、一方(図6右側)の上側アーム56aを引っ張ると同時に他方(図6左側)の上側アーム56aを押し、両上側アーム56aつまり各組の2個の摩擦車58を常時互いに接近させ、ベース43が車両搬出入口12側及びパレット搬出入口11側に移動するだけでパレットP下面の送りプレートp3を自動的に挟持するようになっている。ただし、パレットP下面の送りプレートp3を挟持していない状態では、上記各上側アーム56a先端は互いに接触しているが、各組の2個の摩擦車58は互いに接触しておらず、送りプレートp3の厚みよりも小さい隙間86が形成されるようになっている。したがって、上記上側アーム56a、ロッド83及びコイルスプリング85により、各組の2個の摩擦車58をパレットP下面の送りプレートp3を挟持していない状態で互いに接触しないようにかつ送りプレートp3の厚みよりも小さい隙間86をあけて保持する隙間保持手段としての隙間保持装置87が構成されている。
【0045】
上述の如く構成されたパレット横送り装置40をパレット搬出入口11と車両搬出入口12との間の床面4bに備えた平面往復式地下立体駐車装置により車両Cを入出庫する要領について説明する。
【0046】
<入庫>
(1) 車両Cが前進運転で出入り口4aから進入・退出部4に進入し、パレット搬出入口11で進出状態のパレット保持装置13上の空パレットPに乗り入れる。利用者は車両Cから降車して出入り口4aから退出する。
【0047】
(2) パレット横送り装置40を作動させる。つまり、移動装置66の移動用モータ61を起動させ、移動台43をパレット搬出入口11側に移動させる。これと併行して摩擦車駆動モータ45を起動させ、2組の合計4個の摩擦車58を同期して回転させるとともに、各組で2個の摩擦車58を互いに逆回転させる。これにより、パレット搬出入口11にある車載パレットP下面の送りプレートp3が一方の1組の摩擦車58に挟持されて引き込まれ、車載パレットPが他方の1組の摩擦車58の方に送り込まれる。
【0048】
この際、各組の2個の摩擦車58に対応する左右の2本の上側アーム56aが互いに接触することで、各組の2個の摩擦車58は互いに接触しておらず、車載パレットPの送りプレートp3の厚みよりも小さい隙間をあけている。
【0049】
したがって、パレットPを横送りする時以外は摩擦車58に負荷が掛からず、摩擦車58の傷付きや変形を防止することができる。また、パレットP下面の送りプレートp3を挟持する際、送りプレートp3は2個の摩擦車58間の隙間86に分け入るように進入するので、摩擦車58に対する送りプレートp3の圧接力や衝突力を隙間86がある分だけ弱くすることができ、摩擦車58を傷付き難くすることができる。
【0050】
(3) 車載パレットPの送込みと同時に、上記移動用モータ61を逆方向に起動し、車載パレットPを持上げ旋回装置39上方に移動する。次いで、離間装置81のアーム開閉駆動モータ72を起動させ、各組の2個の摩擦車58に対応する左右2本の上側アーム56aをコイルスプリング85のばね力に抗して開き、各組の2個の摩擦車58を互いの間隔がパレットPの送りプレートp3の厚みよりも大きくなるように離間させて送りプレートp3の挟持状態を解除する。その後、上記持上げ旋回装置39を作動させ、車載パレットPをパレット横送り装置40から上方に持ち上げて水平面内で180°旋回させ、車両Cを前進運転で出庫できるようにその向きを変えた後、車載パレットPを上記パレット横送り装置40上に降ろす。
【0051】
このように、車載パレットPを持上げ旋回装置39で上方に持ち上げる際、送りプレートp3の挟持状態を解除しているので、車載パレットPを持ち上げるときに送りプレートp3を上方に無理矢理力任せに引き抜くことはなく、車載パレットPを持上げ旋回装置39で何等抵抗なく持ち上げることができ、摩擦車58の傷付きを防止することができる。
【0052】
(4) 上記離間装置81のアーム開閉駆動モータ72を起動させ、各組の2個の摩擦車58に対応する左右2本の上側アーム56aを閉じ、各組の2個の摩擦車58をコイルスプリング85のばね力で互いに接近させて方向転換後のパレットPの送りプレートp3を挟持する。次いで、上記移動用モータ61を上記(3)と同方向に起動し、移動台43を車両搬出入口12側に移動させる。これと併行して摩擦車駆動モータ45を起動させ、2組の合計4個の摩擦車58を同期して回転させるとともに、各組で2個の摩擦車58を互いに逆回転させ、車載パレットPを車両搬出入口12で上昇待機中の昇降リフト7のリフト昇降台21に横送りして移載する。昇降リフト7のリフト昇降台21が車両搬出入口12にいないときは、車載パレットPを車両搬出入口12で進出状態のパレット保持装置13に一旦仮置きしておき、その後、上昇してきた昇降リフト7のリフト昇降台21に受け渡すようにする。
【0053】
(5) 上記昇降リフト7を格納階3に下降させ、車載パレットPを最上段の格納棚レベルに位置付ける。搬送台車10はその側方で台車昇降台27を上昇させて待機しており、移載装置30を作動させて車載パレットPを昇降リフト7のリフト昇降台21から台車昇降台27に引き込む。その後、この搬送台車10は走行路8を所定の格納棚9の側方まで走行し、移載装置30を作動させて車載パレットPを格納棚9に格納する。
【0054】
なお、入庫が連続して行われる場合には、先行入庫車両Cが入庫した後に空パレットPを後続入庫車両Cの入庫に備えてパレット搬出入口11に用意する必要があるため、空パレットPをパレット搬出入口11に最も近い最上段の格納棚9に仮置きしておく。そして、先行入庫車両Cが持上げ旋回装置39に横送りされた後、パレット保持装置13をパレット搬出入口11から後退させて空パレットPの受入れ態勢を整える。搬送台車10は台車昇降台27に上記仮置きしていた空パレットPを引き込み、上記台車昇降台27をパレット搬出入口11に上昇させる。空パレットPが上昇してパレット保持装置13の上方に位置すると、パレット保持装置13を進出させ、空パレットPの保持態勢を整える。台車昇降台27を下降させ、空パレットPを台車昇降台27からパレット保持装置13に受け渡して後続入庫車両Cの乗入れに備える。
【0055】
このようにすることで、先行入庫車両Cの搬送台車10への受渡し態勢が整うまでの間に、空パレットPを格納階3から進入・退出部4に通ずるパレット搬出入口11のパレット保持装置13に受け渡して後続入庫車両Cの入庫に備えることができ、後続入庫車両Cをパレット待ちすることなく先行入庫車両Cに引き続いて入庫することができて入庫を効率良く行うことができる。
【0056】
<出庫>
(1) 搬送台車10は走行路8を走行して出庫しようとする車両Cが格納されている格納棚9の側方で停止し、移載装置30を作動させて車載パレットPを台車昇降台27に引き込む。次いで、上記搬送台車10は走行路8を走行して昇降リフト7のところで停止し、上記移載装置30を作動させて最上段の格納棚レベルに下降待機中の昇降リフト7のリフト昇降台21に上記車載パレットPを払い出す。車載パレットPを搭載した昇降リフト7は車両搬出入口12に上昇する。
【0057】
(2) パレット横送り装置40を作動させる。つまり、移動装置66の移動用モータ61を起動させ、移動台43を車両搬出入口12側に移動させる。これと併行して摩擦車駆動モータ45を起動させ、2組の合計4個の摩擦車58を同期して回転させるとともに、各組で2個の摩擦車58を互いに逆回転させる。これにより、車両搬出入口12にある車載パレットP下面の送りプレートp3が一方の1組の摩擦車58に挟持されて引き込まれ、車載パレットPが他方の1組の摩擦車58の方に送り込まれる。
【0058】
この際、各組の2個の摩擦車58に対応する左右2本の上側アーム56aが互いに接触することで、各組の2個の摩擦車58は互いに接触しておらず、車載パレットPの送りプレートp3の厚みよりも小さい隙間をあけている。
【0059】
したがって、この場合においても入庫時と同様に、パレットPを横送りする時以外は摩擦車58に負荷が掛からず、摩擦車58の傷付きや変形を防止することができる。また、パレットP下面の送りプレートp3を挟持する際、送りプレートp3は2個の摩擦車58間の隙間86に分け入るように進入するので、摩擦車58に対する送りプレートp3の圧接力や衝突力を隙間86がある分だけ弱くすることができ、摩擦車58を傷付き難くすることができる。
【0060】
(3) 車載パレットPの送込みと同時に、上記移動用モータ61を逆方向に起動し、持上げ旋回装置39のところで停止せずに一気に移動台43をパレット搬出入口11側に移動させる。これと併行して摩擦車駆動モータ45を起動させ、2組の合計4個の摩擦車58を同期して回転させるとともに、各組で2個の摩擦車58を互いに逆回転させ、車載パレットPをパレット搬出入口11で進出状態のパレット保持装置13に横送りして移載する。利用者が車両Cに乗り込んで前進運転で出入り口4aから退出する。
【0061】
このように、車載パレットPを1基のパレット横送り装置40でしかも2組の摩擦車58を単一の摩擦車駆動モータ45により同期して回転させることでパレット横送り装置40の一方側である車両搬出入口12から他方側であるパレット搬出入口11に連続して横送りして移載するので、車載パレットPが一方の1組の摩擦車58から他方の1組の摩擦車58へと送り込まれる際に斜めに傾くのをなくし、車載パレットPをパレット横送り装置40の両側に一気にしかもスムーズに移載することができる。また、このパレット横送り装置40によれば、搬送台車10に搭載しているようなクランクアーム方式の移載装置の如きアームの掛替えが不要で掛替えに要するロスタイムをなくすことができる。
【0062】
なお、出庫が連続して行われる場合には、先行出庫車両Cが出庫した後に後続出庫車両Cの出庫の邪魔にならないように空パレットPをパレット搬出入口11から取り除く必要がある。そのためには、先行出庫車両Cを昇降リフト7に払い出した後の空の搬送台車10の台車昇降台27をパレット搬出入口11に上昇させ、上記空パレットPをパレット保持装置13から上方に浮き上がらせて受け取った後、パレット保持装置13を空パレットPが下降する際に干渉しないように後退させる。この後退状態で搬送台車10は台車昇降台27を下降させ、空の格納棚9のところまで走行して空パレットPを格納棚9に払い出した後、後続出庫車両Cを迎えに行くか、その余裕がない場合には、空パレットPをパレット搬出入口11に最も近い最上段の格納棚9に一旦仮置きした後、後続出庫車両Cを迎えに行くようにする。
【0063】
このようにすることで、後続出庫車両Cが昇降リフト7によって乗入・乗出部5に乗り入れるまでの間に、空パレットPを進入・退出部4から格納階3に引き入れ、進入・退出部4を空にして後続出庫車両Cの出庫に備えることができ、後続出庫車両Cをパレット排出待ちすることなく先行出庫車両Cの出庫に引き続いて出庫することができて出庫を効率良く行うことができる。
【0064】
なお、この実施の形態では、車両Cを昇降リフト7に対し入出庫するとともに、空パレットP及び車載パレットPを搬送台車10とパレット搬出入口11のパレット保持装置13との間で受け渡すようにしたが、入出庫状況に応じては、これとは逆に、車両Cをパレット搬出入口11から搬送台車10に直接に移載して入庫したり、車両Cを搬送台車10からパレット搬出入口11のパレット保持装置13に受け渡して出庫するようにしてもよい。当然、昇降リフト7も車載パレットPを搬出入するだけでなく、空パレットPの搬出入をしてもよい。
【0065】
また、この実施の形態では、パレット横送り装置40をパレット搬出入口11と車両搬出入口12との間の床面4bに設置した場合を示したが、昇降リフト7のリフト昇降台21に搭載してもよい。また、搬送台車10の台車昇降台27にはダブルクランクアーム方式の移動装置66を搭載しているが、これに代えてパレット横送り装置40を搭載してもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、移動手段により横送り方向に移動するベース上に2個1組の摩擦車を2組横送り方向に距離を隔てて配置し、上記各組の2個の摩擦車に送りプレートが挟持されたパレットを2組の摩擦車の共働で横送り方向に進めるように、単一の回転駆動手段で2組の摩擦車を同期して回転させるとともに、各組で摩擦車を互いに逆回転させるようにしたので、パレットを一方の1組の摩擦車から他方の1組の摩擦車へと送り込む際に斜めに傾かないようにすることができ、パレットを停止させることなく連続してパレット横送り装置の両側に一気にしかもスムーズに移載することができる。また、このパレット横送り装置によれば、クランクアーム方式の移載装置の如きアームの掛替えをすることなくパレットを短時間に移載することができる。
【0067】
さらに、各組の2個の摩擦車をその間隔が送りプレートの厚みよりも大きくなるように離間させる離間手段を設けたので、パレットを持上げ旋回装置で持ち上げる際に、パレット下面の送りプレートの挟持状態を解除してパレットを抵抗なく持ち上げることができ、摩擦車の傷付きを防止することができる。
【0068】
また、各組の2個の摩擦車をパレット下面の送りプレートを挟持していない状態で互いに接触しないようにかつ送りプレートの厚みよりも小さい隙間をあけて保持する隙間保持手段を設けたので、摩擦車に対する負荷をパレット横送り時以外に掛けないようにすることができ、摩擦車の傷付きや変形を防止することができる。また、パレット下面の送りプレートを挟持する際、摩擦車に対する送りプレートの圧接力や衝突力を隙間がある分だけ弱くすることができ、摩擦車を傷付き難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パレット横送り装置の平面図である。
【図2】パレット横送り装置の正面図である。
【図3】図1のIII −III 線における断面図である。
【図4】図1のIV−IV線における断面図である。
【図5】図1のV−V線における断面図であり、かつ移動台が中立位置から移動中において移動装置の係合部材を縦断して示すものである。
【図6】パレット横送り装置を進入・退出部側から見た側面図である。
【図7】平面往復式地下立体駐車装置の概略構成図である。
【図8】平面往復式地下立体駐車装置の地上階の平面図である。
【符号の説明】
3 格納階(格納部)
4 進入・退出部
4b 進入・退出部の床面
5 乗入・乗出部
5b 乗入・乗出部の床面
7 昇降リフト
9 格納棚
10 搬送台車
11 パレット搬出入口
12 車両搬出入口
13 パレット保持装置(パレット保持手段)
27 台車昇降台
40 パレット横送り装置
43 移動台
45 摩擦車駆動モータ(回転駆動手段)
58 摩擦車
66 移動装置(移動手段)
81 離間装置(離間手段)
87 隙間保持装置(隙間保持手段)
C 車両
P パレット
p3 送りプレート
Claims (3)
- 車両をパレットに搭載して搬出入する機械式立体駐車装置において、上記パレットを搬出入過程で横送りするパレット横送り装置であって、
移動台上に横送り方向に距離を隔てて配置され、パレット下面に設けられた送りプレートを両側から挟持する2個の摩擦車を1組とする2組の摩擦車と、
上記パレット下面の送りプレートを各組の2個の摩擦車で挟持すべく上記移動台を横送り方向に移動させる移動手段と、
上記各組の2個の摩擦車に送りプレートが挟持されたパレットを2組の摩擦車の共働で横送り方向に進めるように、2組の摩擦車を同期して回転させるとともに、各組で摩擦車を互いに逆回転させる単一の回転駆動手段と、
上記各組の2個の摩擦車をその間隔が送りプレートの厚みよりも大きくなるように離間させる離間手段とを備えたことを特徴とするパレット横送り装置。 - 車両をパレットに搭載して搬出入する機械式立体駐車装置において、上記パレットを搬出入過程で横送りするパレット横送り装置であって、
移動台上に横送り方向に距離を隔てて配置され、パレット下面に設けられた送りプレートを両側から挟持する2個の摩擦車を1組とする2組の摩擦車と、
上記パレット下面の送りプレートを各組の2個の摩擦車で挟持すべく上記移動台を横送り方向に移動させる移動手段と、
上記各組の2個の摩擦車に送りプレートが挟持されたパレットを2組の摩擦車の共働で横送り方向に進めるように、2組の摩擦車を同期して回転させるとともに、各組で摩擦車を互いに逆回転させる単一の回転駆動手段と、
上記各組の2個の摩擦車をパレット下面の送りプレートを挟持していない状態で互いに接触しないようにかつ送りプレートの厚みよりも小さい隙間をあけて保持する隙間保持手段とを備えたことを特徴とするパレット横送り装置。 - 装置外部に連絡され、入庫車両が進入する一方、出庫車両が退出する進入・退出部と、
この進入・退出部に並設され、入庫車両が進入・退出部から乗り入れる一方、出庫車両が進入・退出部に乗り出す乗入・乗出部と、
この乗入・乗出部の下方に昇降リフトによって連絡され、車両をパレットごと格納する格納棚が複数列設されるとともに、搬送台車が格納棚列に沿って走行可能に設けられた格納部とを備え、
上記進入・退出部の床面には、パレット搬出入口が進入・退出部と格納部とを連絡するように開口されているとともに、上記乗入・乗出部の床面には、上記昇降リフトが最上昇位置で臨む車両搬出入口が開口され、
上記搬送台車には、車両をパレットごと搭載して昇降する台車昇降台が上記パレット搬出入口まで上昇可能に設けられ、
上記パレット搬出入口周り及び車両搬出入口周りには、パレットを搬送台車及び昇降リフトから切り離して保持するパレット保持手段がそれぞれ設けられ、
上記パレット搬出入口と車両搬出入口との間の床面には、請求項1又は2に記載のパレット横送り装置が設けられ、
このパレット横送り装置は、搬送台車と昇降リフト又は乗入・乗出部側のパレット保持手段との間、進入・退出部側のパレット保持手段と昇降リフト又は乗入・乗出部側のパレット保持手段との間で車載パレット又は空パレットを横送りするようになされていることを特徴とするパレット横送り装置を備えた機械式立体駐車装置。
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