JP3319478B2 - 巻取紙搬送車 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、新聞印刷工場等で使用
されるものであり、巻取紙を輪転機の給紙部へ搬入し、
これを輪転機の巻取紙支持装置へ自動的に装着できるよ
うにした巻取紙搬送車に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、輪転機への巻取紙の給紙には、
オートリールローダーが広く利用されている（例えば特
開昭５２−３２７１０号公報、特開平１−１９７２５７
号公報及び特開平２−７０６４５号公報等）。即ち、前
記オートリールローダーは、図９及び図１０に示す如
く、自走式の台車２０と、台車２０の中央位置に設けら
れてトロッコ２１を搭載する架台２２と、架台２２を昇
降動させる架台用昇降機構２３と、台車２０の両側に設
けた残芯受け２４と、残芯受け２４を昇降動させる残芯
受け用昇降機構２５と、残芯受け２４を傾倒させる起伏
機構（図示省略）等から構成されて居り、巻取紙２６を
搬送して来たトロッコ２１を架台２２上に引き入れ、そ
の後台車２０を輪転機の給紙部の所定位置（輪転機の巻
取紙支持装置２７の下方位置）まで移動させ、残芯受け
２４により残芯を回収すると共に、架台２２を上昇させ
て巻取紙２６を巻取紙支持装置２７へ装着するようにし
たものである。

【０００３】より具体的には、図１０（イ）〜（ハ）に
示す如く、オートリールローダーの架台２２上へ巻取紙
２６を載置したトロッコ２１を引き入れ、その後台車２
０を移動して残芯受け２４を巻取紙支持装置２７の下方
へ位置させた後、残芯受け昇降機構２５により残芯受け
２４を上昇せしめて巻取紙支持装置２７に残っている残
芯を受け取り、更に台車２０を移動せしめて巻取紙２６
を巻取紙支持装置２７の下方へ移動した後、架台用昇降
機構２３により架台２２を上昇せしめて巻取紙２６を巻
取紙支持装置２７へ装着し、その後起伏機構により残芯
受け２４を傾斜せしめて残芯受け２４上の残芯をトロッ
コ２１上に載せ、最後に台車２０を最初の位置へ戻し
て、架台２２上に引き入れたトロッコ２１を紙庫につな
がる走行レール上へ戻すようにしたものである。従っ
て、前記オートリールローダーを使用すれば、残芯の回
収や巻取紙２６の装着を自動化でき、作業能率や安全性
の向上等を図ることができる。

【０００４】ところで、前記オートリールローダーにあ
っては、架台２２及び残芯受け２４を昇降動させる各昇
降機構２３，２５が、油圧シリンダやリンク機構等から
構成されて居り、架台２２や残芯受け２４の昇降を油圧
駆動により行っている。その結果、油圧装置（油圧シリ
ンダ、油圧ポンプ、油圧モータ、油圧タンク、配管、各
種制御弁等から成る）が必要となり、オートリールロー
ダー自体の構造が極めて複雑化し、組立の煩雑化やコス
トの高騰等を招くと共に、保守管理にも極めて手数が掛
かると云う問題があった。然も、トロッコ２１にブラシ
集電方式の電動型トロッコや電磁誘導方式のトロッコを
使用した場合には、架台２２にも集電機構や電磁誘導ラ
イン等を設けなければならず、オートリールローダー自
体の構造がより一層複雑化すると云う問題があった。
又、巻取紙２６を輪転機の巻取紙支持装置２７へ装着す
るのにオートリールローダーの他にトロッコ２１を必要
とし、印刷設備の製造コストも高騰すると云う問題があ
った。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従前のオー
トリールローダーに於ける上述の如き問題、即ち架台
及び残芯受け等の駆動に油圧装置を使用している為、オ
ートリールローダー自体の構造が複雑化し、組立の簡略
化やコストの低減等を図れないこと、巻取紙を輪転機
の巻取紙支持用リールへ装着するのにオートリールロー
ダーの他にトロッコを必要とすること、等の問題を解決
せんとするものであり、構造の簡略化を図れると共に、
紙庫より巻取紙を搬送して来て直接に輪転機の巻取紙支
持装置へ装着できるようにした巻取紙搬送車を提供する
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本発明の巻取紙搬送車は、巻取紙の搬送経路に沿っ
て自動走行するバッテリー駆動型の搬送台車と、搬送台
車に設けられ、巻取紙を積載する架台と、搬送台車と架
台との間に介設され、架台を昇降可能に支持する伸縮自
在な架台用リンク機構と、架台用リンク機構を伸縮動作
させるネジ機構及びこれを作動させる電動機を備え、架
台を昇降動させる架台用駆動装置と、搬送台車に設けら
れた残芯受けと、搬送台車と残芯受けとの間に介設さ
れ、残芯受けを昇降可能に支持する伸縮自在な残芯受け
用リンク機構と、残芯受け用リンク機構を伸縮動作させ
るネジ機構及びこれを作動させる電動機を備え、残芯受
けを昇降動させる残芯受け用駆動装置とから構成されて
おり、前記搬送台車が、台枠と、台枠の下面中央位置に
ターンテーブルを介して旋回可能に取り付けられた一対
の電動機付駆動輪と、台枠の下面四隅に取り付けられた
補助輪と、台枠に設けられて台枠を床面に固定支持する
固定支持機構とを備えていることに特徴がある。

【０００７】

【作用】架台上に巻取紙を積載した巻取紙搬送車は、巻
取紙の搬送経路に沿って自動走行し、輪転機の給紙部へ
引き入れられる。このとき、巻取紙搬送車は、巻取紙の
軸芯方向が輪転機の巻取紙支持装置の支持軸の軸芯と並
行になるように給紙部へ引き入れられる。輪転機の給紙
部へ引き入れられた巻取紙搬送車は、搬送台車の姿勢を
変更することなく搬送台車を進入方向と直交する方向へ
走行できるように、駆動輪が搬送台車に対して９０°旋
回せしめられる。即ち、固定支持機構を作動させて搬送
台車を床面側に固定し、この状態で一方の駆動輪を正回
転、他方の駆動輪を逆回転させることによって、駆動輪
は搬送台車に対して９０°旋回せしめられる。駆動輪を
方向転換した巻取紙搬送車は、輪転機の巻取紙支持装置
の下方位置へ移動し、その後残芯受けが残芯受け用リン
ク機構及び残芯受け用駆動装置により上昇せしめられ、
巻取紙支持装置の支持軸に残っている残芯を受け取る。
残芯を受け取った巻取紙搬送車は、更に巻取紙支持装置
側へ移動し、その後架台が架台用リンク機構及び架台用
駆動装置により上昇せしめられ、架台上の巻取紙の軸芯
を巻取紙支持装置の支持軸の軸芯に合致させる。この状
態で支持軸が巻取紙の芯内へ挿入され、これにより巻取
紙は巻取紙支持装置に回転自在に装着される。巻取紙の
装着が完了すると、巻取紙搬送車は最初の位置まで後退
し、この位置で駆動輪を９０°旋回せしめ、残芯を積載
した状態で給紙部から出で行く。

【０００８】前記巻取紙搬送車に於いては、巻取紙を積
載する架台を、伸縮自在な架台用リンク機構並びにネジ
機構及び電動機を備えた架台用駆動装置により、又、残
芯を受け取る残芯受けを、伸縮自在な残芯受け用リンク
機構並びにネジ機構及び電動機を備えた残芯受け用駆動
機構により、夫々昇降動させる構成としている為、従前
のオートリールローダーのように油圧装置を用いたもの
に比較して巻取紙搬送車自体の構造が極めて簡単にな
り、組立の簡略化や製造コストの大幅な引下げが可能に
なると共に保守点検等に要する手数も削減することがで
きる。又、搬送台車が、台枠と、台枠に対して旋回可能
な一対の電動機付駆動輪と、台枠を支持する補助輪と、
台枠を床面に固定支持する固定支持機構とを備えている
為、スピンターンを行うことができると共に、搬送台車
の姿勢を変更することなく搬送台車を最初の進行方向と
直交する方向へ走行させることができ、巻取紙の搬送や
輪転機への給紙の際に極めて好都合である。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１及び図６は本発明の実施例に係る巻取
紙搬送車を示し、当該巻取紙搬送車は、印刷工場内の輪
転機の給紙部と紙庫との間を巻取紙の搬送経路に沿って
自動走行するものであり、紙庫内の巻取紙を積載して輪
転機の給紙部へ搬送し、輪転機の巻取紙支持装置から残
芯を回収すると共に、積載している巻取紙を巻取紙支持
装置へ装着できるように構成されている。

【００１０】即ち、前記巻取紙搬送車は、巻取紙の搬送
経路に沿って自動走行するバッテリー駆動型の搬送台車
１と、搬送台車１に設けた架台２と、架台２を昇降可能
に支持する架台用リンク機構３と、架台２を昇降動させ
る架台用駆動装置４と、搬送台車１に設けた残芯受け５
と、残芯受け５を昇降可能に支持する残芯受け用リンク
機構６と、残芯受け５を昇降動させる残芯受け用駆動装
置７等から構成されている。

【００１１】具体的には、前記搬送台車１は、図１乃至
図４に示す如く、型材及び板材等から成る台枠８と、台
枠８の下面中央位置にターンテーブル９を介して旋回可
能に取り付けられた電動機１０（減速機付電動機）付の
一対の駆動輪１１と、台枠８の下面四隅に取り付けられ
たキャスター構造の四つの補助輪１２と、台枠８の対角
線上位置に設けられ、台枠８を床面に固定支持する一対
の固定支持機構１３と、台枠８に積載された駆動用バッ
テリー１４と、台枠８に積載された制御盤１５と、同じ
く台枠８に積載されたピックアップコイル、サーボアン
プ、リアクトル（何れも図示省略）等を備えて居り、本
実施例に於いては、搬送台車１の走行は所謂電磁誘導方
式によって行われている。即ち、搬送台車１は、印刷工
場内の床面に埋設された誘導線、受信用ループコイル及
び送信用ループコイルから成る電磁誘導ラインに沿っ
て、地上に設置された制御装置（図示省略）からの制御
を受けつつ自動走行をするように構成されている。又、
前記固定支持機構１３には図４に示すように電動式のジ
ャッキ構造のものが使用されて居り、昇降可能な固定ピ
ン１３ａを小型電動機及びギヤー機構から成る駆動部１
３ｂで昇降動させ、固定ピン１３ａを床面に押圧当接さ
せることによって、搬送台車１を床面に対して固定支持
できるようになっている。尚、搬送台車１には、図示し
ていないが、走行注意音発信装置や衝突防止装置、入線
・脱線表示装置等の公知の付属装置が配設されている。

【００１２】而して、前記搬送台車１は、一対の駆動輪
１１を同時に正回転若しくは逆回転させることによって
前進及び後退し、又、一方の駆動輪１１を正回転、他方
の駆動輪１１を逆回転することによってスピンターンを
行うことができる。更に、固定ピン１３ａを床面に押圧
当接して台枠８を床面側に固定し、この状態で一方の駆
動輪１１を正回転、他方の駆動輪１１を逆回転すると、
台枠８が床面に固定され、且つ駆動輪１１がターンテー
ブル９を介して台枠８に取付けられていることとも相俟
って、駆動輪１１は台枠８に対して旋回することにな
る。従って、駆動輪１１を台枠８に対して９０°旋回さ
せることによって、搬送台車１の姿勢を変更することな
く搬送台車１を最初の進行方向と直交する方向へ走行さ
せることができる。

【００１３】前記架台２は、搬送台車１に設けられ、巻
取紙１７を積載するものである。具体的には、架台２
は、図１及び図３に示す如く、台枠８の上面に配置さ
れ、中央部に溝状の凹部を形成した平面形状矩形の架台
本体２ａと、架台本体２ａの凹部に走行可能に配置さ
れ、巻取紙１７を積載する平面形状矩形のテーブル２ｂ
とから構成されている。又、架台２にはテーブル２ｂを
凹部に沿って移動走行させるテーブル駆動装置１６が配
設されて居り、巻取紙１７の長さに応じてテーブル２ｂ
の位置を変えられるように為されている。当該テーブル
駆動装置１６は、凹部内にテーブル２ｂの移動方向に沿
って配設された回転自在なネジ軸１６ａと、テーブル２
ｂの下面側に固定され、ネジ軸１６ａに螺合する雌ネジ
体１６ｂと、架台本体２ａの下面に設けたテーブル用電
動機１６ｃと、ネジ軸１６ａとテーブル用電動機１６ｃ
とを連動連結するベルト伝動機構等１６ｄから構成され
て居り、テーブル用電動機１６ｃによってネジ軸１６ａ
を正逆回転させると、これに伴って雌ネジ体１６ｂがネ
ジ軸１６ａに沿って往復動すると共に、雌ネジ体１６ｂ
に連結されたテーブル２ｂが凹部に沿って往復移動する
ようになっている。

【００１４】前記架台用リンク機構３は、上下方向へ伸
縮自在に構成されて居り、搬送台車１と架台２との間に
介設され、架台２を昇降可能に支持するものである。具
体的には、架台用リンク機構３は、図１及び図５に示す
如く、パンタグラフ構造を呈し、台枠８と架台２との間
に一対介設されて居り、一端が台枠８に枢着されると共
に他端が架台本体２ａに設けた長穴に摺動自在に支持さ
れた内側リンク部材３ａと、内側リンク部材３ａの中間
部に枢着され、一端部が台枠８に設けた長穴に摺動自在
に支持されると共に他端部が架台本体２ａに枢着された
一対の外側リンク部材３ｂとから成る。

【００１５】前記架台用駆動装置４は、架台用リンク機
構３を伸縮動作させて架台２を昇降動させるものであ
る。具体的には、架台用駆動装置４は、図１及び図５に
示す如く、台枠８の両側位置に各架台用リンク機構３に
沿って配設された回転自在なネジ軸４ａ′及びネジ軸４
ａ′に螺合して外側リンク部材３ｂの一端部（長穴に沿
って移動する方）に枢着された雌ネジ体４ａ″とを備え
たネジ機構４ａと、台枠８の中央部一端側に配置された
架台用電動機４ｂと、架台用電動機４ｂの出力軸に連動
連結された減速機４ｃと、減速機４ｃの出力軸と各ネジ
軸４ａ′とを連動連結して各ネジ軸４ａ′を同一方向へ
回転させるチェーン伝動機構４ｄとから構成されてい
る。尚、本実施例に於いては、各ネジ軸４ａ′は逆ネジ
となっている。而して、架台用電動機４ｂ及びチェーン
伝動機構４ｄ等によって各ネジ軸４ａ′を正逆回転させ
ると、これに伴って雌ネジ体４ａ″がネジ軸４ａ′に沿
って往復動すると共に、雌ネジ体４ａ″に連結された架
台用リンク機構３が上下方向へ伸縮し、架台用リンク機
構３に支持された架台２が昇降動するようになってい
る。

【００１６】前記残芯受け５は、搬送台車１の一側に設
けられて居り、輪転機の巻取紙支持装置に残っている残
芯を回収するものである。本実施例では、残芯受け５
は、板材により略樋状に形成されている。

【００１７】前記残芯受け用リンク機構６は、上下方向
へ伸縮自在に構成されて居り、搬送台車１と残芯受け５
との間に介設され、残芯受け５を昇降可能に支持するも
のである。具体的には、残芯受け用リンク機構６は、図
１及び図６に示す如く、パンタグラフ構造を呈し、台枠
８と残芯受け５との間に介設されて居り、一端が台枠８
に枢着されると共に他端が残芯受け５に設けた長穴に摺
動自在に支持された内側リンク部材６ａと、内側リンク
部材６ａの中間部に枢着され、一端部が台枠８に設けた
長穴に摺動自在に支持されると共に他端部が架台本体２
ａに枢着された一対の外側リンク部材６ｂとから成る。

【００１８】前記残芯受け用駆動装置７は、残芯受け用
リンク機構６を伸縮動作させて残芯受け５を昇降動させ
るものである。具体的には、残芯受け用駆動装置７は、
図１及び図６に示す如く、台枠８に残芯受け用リンク機
構６に沿って配設された回転自在なネジ軸７ａ′及びネ
ジ軸７ａ′に螺合して外側リンク部材６ｂの一端部（長
穴に沿って移動する方）に枢着された雌ネジ体７ａ″を
備えたネジ機構７ａと、台枠８の隅部に配置された残芯
受け用電動機７ｂと、ネジ軸７ａ′と残芯受け用電動機
７ｂの出力軸とを連動連結するベルト伝動機構７ｃ等か
ら構成されている。而して、残芯受け用電動機７ｂ及び
ベルト伝動機構ｃ等によってネジ軸７ａ′を正逆回転さ
せると、これに伴って雌ネジ体７ａ″がネジ軸７ａ′に
沿って往復動すると共に、雌ネジ体７ａ″に連結された
残芯受け用リンク機構６が上下方向へ伸縮し、残芯受け
用リンク機構６に支持された残芯受け５が昇降動するよ
うになっている。

【００１９】次に、前記巻取紙搬送車を用いて巻取紙１
７を輪転機の給紙部へ供給する場合について説明する
（図７及び図８参照）。架台２のテーブル２ｂに巻取紙
１７を積載した巻取紙搬送車は、制御装置（図示省略）
からの制御下に印刷工場内の電磁誘導ライン１８に沿っ
て自動走行し、輪転機の給紙部へ引き入れられる。この
とき、巻取紙搬送車は、巻取紙１７の軸芯方向が輪転機
の巻取紙支持装置１９の三叉アーム１９ａの支持軸１９
ｂの軸芯と並行になるように給紙部へ引き入れられる。
尚、輪転機の給紙部へ搬送される巻取紙１７は、予め自
動紙継処理装置等によって紙継ぎ用の処理が施されてい
る。

【００２０】輪転機の給紙部へ引き入れられた巻取紙搬
送車は、搬送台車１の姿勢を変更することなく搬送台車
１を進入方向と直交する方向へ走行できるように、駆動
輪１１が搬送台車１に対して９０°旋回せしめられる。
即ち、固定支持機構１３を作動させて搬送台車１を床面
側に固定し、この状態で一方の駆動輪１１を正回転、他
方の駆動輪１１を逆回転させる。これによって、駆動輪
１１のみが９０°旋回せしめられ、搬送台車１は姿勢を
変更することなく進入方向と直交する方向へ走行するこ
とができる。

【００２１】駆動輪１１を方向転換した巻取紙搬送車
は、巻取紙支持装置１９側へ移動すると共に、残芯受け
５が三叉アーム１９ａの支持軸１９ｂに残っている残芯
の直下に達した位置で停止し、その後残芯受け５が残芯
受け用リンク機構６及び残芯受け用駆動装置７により残
芯の近傍位置まで上昇する。この状態で残芯を支持する
支持軸１９ｂがシリンダ１９ｃにより後退して残芯から
引き抜かれる。これによって、残芯は残芯受け５上に落
下する。

【００２２】残芯が残芯受け５に受け取られると、巻取
紙搬送車は、残芯受け５を下降させ、更に巻取紙支持装
置１９側へ移動してテーブル２ｂ上の巻取紙１７の軸芯
が支持軸１９ｂの軸芯の直下に達した位置で停止し、そ
の後架台２が架台用リンク機構３及び架台用駆動装置４
により上昇し、巻取紙１７の軸芯と支持軸１９ｂの軸芯
とが合致した時点で架台２の上昇が停止する。この状態
で支持軸１９ｂがシリンダ１９ｃにより前進せしめられ
て巻取紙１７の芯内に挿入され、これにより巻取紙１７
は巻取紙支持装置１９へ回転自在に装着される。

【００２３】巻取紙１７の装着が完了すると、巻取紙搬
送車は、架台２を下降させると共に、最初の位置まで後
退し、この位置で再び駆動輪１１を９０°旋回せしめ、
残芯を積載した状態で電磁誘導ライン１８に沿って走行
し、輪転機の給紙部から出で行く。

【００２４】尚、上記実施例に於いては、搬送台車１を
電磁誘導方式によって自動走行させるようにしたが、他
の実施例に於いては、搬送台車１を光電誘導方式によっ
て自動走行させるようにしても良い。

【００２５】上記実施例に於いては、架台２を、架台本
体２ａと移動可能なテーブル２ｂとから構成したが、常
時一定の大きさの巻取紙を積載する場合には、架台本体
２ａとテーブル２ｂとを一体的に形成するようにしても
良い。

【００２６】上記実施例に於いては、搬送台車１の一側
に残芯受け５及び残芯受け用駆動装置７等を設けるよう
にしたが、他の実施例に於いては、搬送台車１の両側に
残芯受け５及び残芯受け用駆動装置７等を夫々設けるよ
うにしても良い。

【００２７】

【発明の効果】上述の通り、本発明の巻取紙搬送車は、
自動走行する搬送台車に、巻取紙を積載する架台及び残
芯を受け取る残芯受けを夫々昇降可能に設け、前記架台
を、伸縮自在な架台用リンク機構並びにネジ機構及び電
動機を備えた架台用駆動装置により、又、前記残芯受け
を、伸縮自在な残芯受け用リンク機構並びにネジ機構及
び電動機を備えた残芯受け用駆動機構により、夫々昇降
動させる構成としている。その結果、架台及び残芯受け
を油圧装置により昇降動させているオートリールローダ
ーに比較して巻取紙搬送車自体の構造が極めて簡単にな
り、組立の簡略化や製造コストの大幅な引下げが可能に
なると共に保守点検等に要する手数も削減することがで
きる。然も、従前のように巻取紙を輪転機の巻取紙支持
装置へ装着するのにオートリールローダーとトロッコの
両方を必要とする云うこともなく、印刷設備の製造コス
トの引下げも図り得る。更に、搬送台車が、台枠と、台
枠に対して旋回可能な一対の電動機付駆動輪と、台枠を
支持する補助輪と、台枠を床面に固定支持する固定支持
機構とを備えている為、スピンターンを行うことができ
ると共に、搬送台車の姿勢を変更することなく搬送台車
を最初の進行方向と直交する方向へ走行させることがで
き、巻取紙の搬送や輪転機への給紙の際に極めて好都合
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る巻取紙搬送車の平面図で
ある。

【図２】巻取紙搬送車の正面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】巻取紙搬送車の要部の縦断面図である。

【図５】巻取紙搬送車の架台用リンク機構部分の縦断面
図である。

【図６】巻取紙搬送車の残芯受け用リンク機構部分の縦
断面図である。

【図７】巻取紙搬送車を用いて巻取紙を輪転機の巻取紙
支持装置へ供給する場合の概略正面図である。

【図８】巻取紙搬送車を用いて巻取紙を輪転機の巻取紙
支持装置へ供給する場合の概略平面図である。

【図９】従前のオートリールローダーの概略正面図であ
る。

【図１０】オートリールローダーを用いて巻取紙を輪転
機の巻取紙支持装置へ供給する場合の概略正面図であ
る。

【符号の説明】

１は搬送台車、２は架台、３は架台用リンク機構、４は
架台用駆動装置、４ａは架台用のネジ機構、４ｂは架台
用の電動機、５は残芯受け、６は残芯受け用リンク機
構、７は残芯受け用駆動装置、７ａは残芯受け用のネジ
機構、７ｂは残芯受け用の電動機、８は台枠、９はター
ンテーブル、１１は電動機付駆動輪、１２は補助輪、１
３は固定支持装置、１７は巻取紙。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−31107（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−164760（ＪＰ，Ａ) 実開 昭49−91681（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65H 19/12

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻取紙（１７）の搬送経路に沿って自動
   走行するバッテリー駆動型の搬送台車（１）と、搬送台
   車（１）に設けられ、巻取紙（１７）を積載する架台
   （２）と、搬送台車（１）と架台（２）との間に介設さ
   れ、架台（２）を昇降可能に支持する伸縮自在な架台用
   リンク機構（３）と、架台用リンク機構（３）を伸縮動
   作させるネジ機構（４ａ）及びこれを作動させる電動機
   （４ｂ）を備え、架台（２）を昇降動させる架台用駆動
   装置（４）と、搬送台車（１）に設けられた残芯受け
   （５）と、搬送台車（１）と残芯受け（５）との間に介
   設され、残芯受け（５）を昇降可能に支持する伸縮自在
   な残芯受け用リンク機構（６）と、残芯受け用リンク機
   構（６）を伸縮動作させるネジ機構（７ａ）及びこれを
   作動させる電動機（７ｂ）を備え、残芯受け（５）を昇
   降動させる残芯受け用駆動装置（７）とから構成した巻
   取紙搬送車であって、前記搬送台車（１）は、台枠
   （８）と、台枠（８）の下面中央位置にターンテーブル
   （９）を介して旋回可能に取り付けられた一対の電動機
   付駆動輪（１１）と、台枠（８）の下面四隅に取り付け
   られた補助輪（１２）と、台枠（８）に設けられて台枠
   （８）を床面に固定支持する固定支持機構（１３）とを
   備えていることを特徴とする巻取紙搬送車。