JPH09120042A - 紫外線吸収コンタクトレンズの製法 - Google Patents
紫外線吸収コンタクトレンズの製法Info
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Abstract
としないUV吸収コンタクトレンズを提供する。 【解決手段】 ヒドロキシル基側鎖を有し、少なくとも
1個の無水物基で置換されたUV吸収剤を分散させて含
有したレンズ形状のポリマーを用意し、該ヒドロキシル
基を該UV吸収剤の無水物基と反応させるのに有効な塩
基性条件に該ポリマーをさらし、それによって該UV吸
収剤を該ポリマーに共有結合させる。
Description
トレンズの製法に関する。より詳細には、本発明はUV
線吸収剤をポリマー材料に共有結合させた親水性コンタ
クトレンズの製法に関する。
ると角膜を損傷し、眼病の原因となることは知られてい
る。この理由から、紫外線に対して目を十分に保護する
ことは大切なことである。そのような保護は、UVにさ
らされ易い人、白内障の外科手術を受けた患者及び光増
感薬物中毒の患者には特に勧められる。
ンズが開発された。例えば、米国特許第4390676
号には、レンズの製造に適したモノマーと紫外線吸収剤
を共重合させてつくられたUV吸収コンタクトレンズが
開示されている。これらの化合物の共重合効率は不十分
であって、レンズの使用前にUV吸収化合物を抽出する
必要があり、この抽出工程には3〜20日間を要するこ
とがある。
UV吸収剤をポリマー材料に共有結合させたUV吸収コ
ンタクトレンズが開示されている。UV吸収剤は、UV
吸収部分で置換されたハロトリアジンを溶解した水性媒
体にレンズを浸漬することによりレンズに加えられる。
しかし、これによってレンズポリマーに取り込まれたト
リアジン分子はレンズの望ましい物理的及び/又は反射
的質に悪影響を与えることが予想される。また、ハロト
リアジンにレンズポリマーとの反応を期待することは生
起する反応の度合いを不確実なものにし、開示の方法に
よりUV吸収剤が結合し得るレンズ材料の範囲が限定さ
れる。実はこの特許は、レンズポリマーを架橋させると
一般にこの方法が有効ではなくなると開示しているが、
よく知られているように、多くのコンタクトレンズ、特
に親水性レンズは架橋ポリマー材料からできているにち
がいない。
コンタクトレンズの製法の改良が求められている。ま
た、比較的短時間で製造できるUV吸収コンタクトレン
ズの製法が求められている。さらに、製造後にUV吸収
剤が浸出する傾向を減少させたコンタクトレンズの製法
が求められている。またさらに、UV吸収剤が重合反応
を妨げないインシトゥ(insitu)重合によってレ
ンズを製造する方法が求められている。
めに、本発明の紫外線吸収コンタクトレンズの製法で
は、UV吸収剤をポリマー材料に共有結合させている。
本発明において、ヒドロキシル基側鎖を有し、少なくと
も1個の無水物基で置換されたUV吸収剤を分散させて
含有したレンズ形状のポリマーが、ヒドロキシル基とU
V吸収剤の無水物基とが反応するように塩基性条件にさ
らされる。その結果、UV吸収剤は共有エステル結合を
形成し、ポリマーに固定される。UV吸収剤は共有結合
しているためにレンズ製造後に浸出することがない。U
V吸収剤がその含有される量でレンズ製造に用いるモノ
マーのUV開始重合を妨害しないことが本発明では重要
である。
に適用できるが、矯正用及び非矯正用のいずれものコン
タクトレンズに関して本発明を説明する。本発明はポリ
マーレンズ材料に共有結合した吸収財を含む紫外線吸収
レンズの製法に関する。このUV吸収剤は少なくとも1
個の無水物基で置換されたUV吸収化合物である。UV
吸収剤がポリマーの側鎖ヒドロキシル基に共有結合でき
るのは無水物基によってである。UV吸収化合物は、2
00〜450nmの範囲の全て又は一部の波長を有する
放射線を吸収しかつ無水物基と結合し得る官能価を有す
る化合物群から選択される。
ウ酸ジアミド類、ヒドロキシフェニルトリアジン類、ベ
ンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類、安息香酸エス
テル類、シアノアクリレート類及びカルボメトキシアク
リレート類が挙げられる。シュウ酸ジアミド類の例とし
て、4,4’−ジオクチロキシオキサニリド、2,2’
−ジオクチロキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサニ
リド、2,2’−ジドデシロキシ−5,5’−ジ−t−
ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキ
サニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピ
ル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’
−エチルオキサニリド及びこれらと2−エトキシ−2’
−エチル−5,4’−ジ−t−ブチルオキサニリドとの
混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの
混合物及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリド
の混合物が挙げられる。
て、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−ト
リアジン類、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキ
シ−4−オクチロキシフェニル)−1,3,5−トリア
ジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシフェニ
ル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−
1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ
フェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル
−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロ
キシ−4−プロピロキシフェニル)−6−(2,4−ジ
メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2
−ヒドロキシ−4−オクチロキシフェニル)−4,6−
ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジ
ン、及び2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシフェ
ニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−
1,3,5−トリアジンが挙げられる。
(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾールの
5’−メチル、3’,5’−ジ−t−ブチル、5’−t
−ブチル、5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)、5−クロロ−3’,5’−ジ−t−ブチル、5−
クロロ−3’−t−ブチル−5’−メチル、3’−s−
ブチル−5’−t−ブチル、4’−オクトキシ、3’,
5’−ジ−t−アミル及び3’,5’−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)各誘導体が挙げられる。
キシベンゾフェノンの4−ヒドロキシ、4−メトキシ、
4−オクトキシ、4−デシロキシ、4−ドデシロキシ、
4−ベンジロキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及
び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ各誘導体が
挙げられる。
して、サリチル酸4−t−ブチルフェニル、サリチル酸
フェニル、サリチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイル
レゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)−
レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−
ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンゾエート及びヘキサデシル3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートが挙げられ
る。
アノ−β−β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル
α−シアノ−β−β−ジフェニルアクリレート、メチル
α−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−
β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シ
アノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチル
α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート及びN
−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メ
チルインドリンが挙げられる。
きるか、当業者にはよく知られた従来の技術により合成
することができる。本発明の方法で使用されるUV吸収
剤は、少なくとも1個の無水物基で置換されたUV吸収
化合物である。好ましいUV吸収剤はベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物である。
本明細書に記載のUV吸収化合物の誘導体を形成するこ
とによって製造される。この合成は当該技術分野でよく
知られた方法を用いて行われる。一般的な合成法とし
て、塩化チオニルを用い、遊離カルボン酸と反応する対
応する塩化アクリロイルを形成することによりカルボン
酸を活性化させること;カルボン酸をハロゲン化亜リン
酸、例えば(PhO)2POClで活性化すること;カ
ルボジイミドを用いてカルボン酸を脱水して無水物とす
ること;及びトリメチルシリルエトキシアセチレン(M
e3 Si−C≡C−OEt)といった脱水剤を用いるこ
とが挙げられる。非対称の無水物を得るよく知られた方
法はカルボン酸の金属塩を酸ハロゲン化物と反応させる
ことである。
が、それは、吸収剤によって吸収が異なり、また、それ
ぞれが十号を妨げないでレンズに添加できる量が異なる
からである。UV吸収剤を、後で重合してレンズを形成
するモノマーの混合物に加えられる場合、添加される量
のUV吸収剤が、コンタクトレンズの製造に用いられる
モノマーのUV開始重合反応を妨げないことが重要であ
る。本発明のこのような態様において、重合を妨げない
でUV吸収能を増大するのに十分な量が選ばれる。
ー混合物に添加される場合の満足できる量はほぼ0.5
〜4.0%であり、重合後のレンズに浸透するように用
いられる場合の満足できる量はほぼ0.5〜5.0%で
ある。これらの範囲は、UV吸収剤無水物誘導体の反応
効率、最終の水和レンズの熱さ及びレンズ中へのUV吸
収剤の分散といった事柄によって変化する。
重合すると必要なヒドロキシル基側鎖をポリマーに与え
る成分がモノマー混合物中に存在するかぎり、さまざま
なものであってよい。そのようなモノマーとして次のも
のが上げられるが、これらに限定されるものではない:
アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸など
といった不飽和酸のヒドロキシアルキル、ヒドロキシア
ルコキシアルキル、ヒドロキシ(ポリアルコキシ)及び
ポリアルコキシアルキル各エステル。
酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などといった
不飽和酸自体;N−ビニルピロリドンといった複素環式
N−ビニルラクタム;N−(1,1−ジメチル−3−オ
キソブチル)−アクリルアミドといった非環式アミド;
2−アミノエチルアクリレート、メタクリレート、フマ
レート及びマレエートといった不飽和酸のアミノアルキ
ルエステルが挙げられる。特に、各アルキル基が1〜3
個の炭素原子を有する、その他の適当なモノマーは当業
者には明らかである。
ノマーを適当な量で用いることが好ましい。親水性ポリ
マーとは、水と接触した時ヒドロゲルを形成することが
できるポリマーである。この理由から、ヒドロキシル置
換親水性モノマーを用いることは一層好ましい。最も好
ましい親水性モノマーは、アルキル基(特に1〜6個の
炭素原子を有する)が1個、2個又はそれより多くのヒ
ドロキシル基で置換されているアクリル酸又はメタクリ
ル酸のエステルである。
て、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒ
ドロキシエチルアクリレート(HEA)、2,3−ジヒ
ドロキシプロピルメタクリレート(グリセリルメタクリ
レート)、ヒドロキシプロピルメタクリレート及びヒド
ロキシプロピルアクリレートが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。最も好ましいヒドロキシエス
テルはHEMAであり、これは「ソフト」ヒドロゲルコ
ンタクトレンズの製造に最も一般的に用いられるモノマ
ーである。HEMAは米国特許第2976576号と米
国再発行特許第27401号に開示されている。満足で
きる「ハード」レンズ材料は酢酸酪酸セルロースであ
る。OH基又はNH基といった活性水素を含むその他の
適当なモノマーは当業者には明らかである。
リル酸(MAA)といった親水性又は疎水性コモノマー
と好ましく共重合される。その上、エチレングリコール
ジメタクリレート(EGDMA)及びトリメチロールプ
ロパントリメタクリレート(TMPTMA)といった、
架橋剤として用いられる多官能モノマーも、レンズの寸
法安定性及びその他の物理的性質を改善するために用い
られる。その他のコモノマー及び架橋コモノマーとし
て、PEGセグメントの分子量が100〜8000であ
るポリエチレングリコール(PEG)のアクリルレート
ジエステル及びメタクリルレートジエステル、一方の又
は各々のジオール末端が1〜20個のエトキシ単位でエ
トキシ化されたビスフェノールA(BPA)のアクリレ
ートジエステル及びメタクリレートジエステル、C1 〜
C6 脂肪族アルコールのアクリレート及びメタクリレー
ト、ペルフルオロC1 〜C6 アルコールメタクリレート
及びペルフルオロC1 〜C6 アルコールアクリレートが
挙げられる。「アクリレートジエステル及びメタクリレ
ートジエステル」とはジアクリレート、ジメタクリレー
ト及び1個のアクリレート部分と1個のメタクリレート
部分とを有するジエステルを意味する。
10モルのエチレンオキシド(EO)でエトキシル化さ
れたもの)、PEG350モノメチルエーテル又はドデ
カノール(いずれも、1モル当量以上のイソシアナート
エチルメタクリレート(IEM)、無水メタクリル酸、
又は塩化メタクリロイルといった末端封鎖基と反応して
いて、カルバメート基又はエステル基といった連結部分
で結合した1個以上の末端メタクリレート基を有する化
合物を生成する)が挙げられる。その他のコモノマー及
び架橋コモノマーは当業者にはよく知られている。
遊離開始剤を、通常は約0.05〜5.0%含む。代表
例として、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、過炭
酸イソプロピル、アゾビスイソブチロニトリル及び、過
硫酸アンモニウムと二亜硫酸ナトリウムとの組み合わせ
といった公知のレドックス系が挙げられる。紫外線、電
子線又は放射線による照射も重合反応の開始に用いるこ
とができ、その際、十号開始剤、例えばベンゾイン又は
そのエステルを任意に添加することができる。UV反応
開始剤であるα−ヒドロキシ−α,α−ジメチルアセト
フェノン(ダロカー(Darocur)1173)を用
いるのが好ましい。その他の開始剤化合物は当業者には
よく知られている。
のいずれの特定の組合せに対して容易に確立できる条件
下で行われる。重合は不活性希釈剤の存在下又は不在下
で行われる。重合が希釈剤の不在下で行われると、生成
ポリマー組成物は、例えば旋盤切断により、所望のレン
ズ形状に形成される。
不活性希釈剤、例えば米国特許代4680336号(引
用により本明細書に組み入れる)に記載の希釈剤の存在
下で行われる。重合はまた、欧州特許出願第94305
394.2号(引用により、本明細書に組み入れる)に
記載のメタノール、エタノール、アセトン及びグリコー
ルといった適当な水置換性不活性希釈剤の存在下で行う
ことができる。好ましい不活性希釈剤は水置換性ホウ酸
エステルである。望ましいホウ酸エステルの特性及び重
合反応混合物中のエステルの好ましい濃度は米国特許第
4495313号(引用により本明細書に組み入れる)
に詳細に記載されている。例えば、適当なホウ酸エステ
ルとして、ホウ酸と3個以上のヒドロキシル基を有する
1種以上のポリヒドロキシル化合物を過熱することによ
り製造されるものが上げられる。適当なポリヒドロキシ
ル化合物として、グリセロール、トリメチロールプロパ
ン、グルコース及びこれらとプロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ブタンジオールといった2個のヒ
ドロキシル基を有する化合物及び/又はソルビトールと
の混合物が挙げられる。
する好ましい方法として、遠心注型と、例えば米国特許
第4565348号に記載の型を用いた流し込み生計及
びこれらの方法と本明細書で一般的に記載されたその他
の方法との組合せが挙げられる。
物基で置換された1種以上のUV吸収化合物)は、ポリ
マー骨格に共有結合する前に、ポリマー全体に分散させ
ねばならない。これは2つの方法で行うことができる。
1つの方法は、レンズの形成に用いるモノマーとその他
の材料との混合物にUV吸収剤を混合することである。
反応混合物は、UV吸収剤が反応しないような条件下で
重合される。生成ポリマーは全体に分散されたUV吸収
剤を含有する。ポリマー全体にUV吸収させる第2の方
法は、UV吸収剤を含有した溶液、好ましくは水溶液
に、すでに生成したポリマーを浸漬することである。溶
媒は、もし水でなければ、UV吸収剤無水物をレンズポ
リマー全体に、無水物基、UV吸収化合物及びポリマー
との反応なしに入れることができなければならない。そ
の他の溶剤として、メタノール、エタノール及びイソプ
ロピルアルコールが挙げられる。この方法により、予備
整形されたコンタクトレンズはUV吸収剤含有溶液に入
れられる。
マーは、ポリマーのヒドロキシル基側鎖によりUV吸収
剤をポリマーに共有結合させる塩基水和を受けるように
処理される。この処理は、米国特許第4891046号
(引用により本明細書に組み入れる)に開示されている
ように、水和の前に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウ
ムといった塩基の水溶液にレンズを接触させる従来の方
法を用いて行われる。好ましい塩基はアルカリ金属又は
アルカリ土類金属の炭酸塩又はリン酸塩であり、必要接
触時間は接触温度と親水性ポリマー組成物の成分によっ
て異なる。UV吸収剤のポリマーへの結合が完了する
と、レンズはその平衡水分に水和される。一般に、レン
ズの水分は約0〜約85重量%、好ましくは30〜60
重量%の範囲である。
本発明を具体的に示すためのものであり、本発明の範囲
を限定するものではない。本発明の範囲と精神を逸脱し
ない多くの付加的態様は当業者には明らかなことであ
る。各実施例のコンタクトレンズの製造に用いる成分に
次の略語を用いる:2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(HEMA)、メタクリル酸(MAA)、エチレング
リコールジメタクリレート(EGMA)、トリメチロー
ルプロパントリメタクリルレート(TMPMA)、グリ
セリンホウ酸エステル(BAE)及びUV反応開始剤で
あるα−ヒドロキシ−α,α−ジメチルアセトフェノン
(ダロカー1173)。すべての実施例で用いるモノマ
ーは不純物が0.1%未満の極めて純度の高いモノマー
である。ホトノール(Photonol)7025は不
活性の水置換性希釈剤として用いられるポリエーテルジ
オールであり、ペンシルベニア州アンブラーのヘンケル
社(Henkel Corporation)から入手
できる。
(BAE)の合成 全量61.83g(1.0モル)のホウ酸を3lの回転
蒸発器用フラスコに入れた。このフラスコに322.3
2g(3.5モル)のグリセリンを加えた。次いでフラ
スコを回転蒸発器の上に置き、圧力を0.5〜1.0m
mHgまでゆっくり下げた。十分な減圧が得られた後、
浴温を20分間に5℃の割合で85℃までゆっくり上げ
た。ホウ酸エステルの生成に従って反応系から水を回収
した。透明な強粘液BAEはそのままで用いた。
合物の製造 HEMA96.81重量%、MAA1.97%、EGD
MA0.78%、TMPTMA0.1%及びダロカー1
173を0.34%用いて混合物を作った。このモノマ
ー混合物48重量%に、不活性の水置換性希釈剤として
BAEを52%加えた。得られた配合物(以後、「反応
性モノマー混合物」又は「RMM」と呼ぶ)を周囲条件
下で十分に混合した後、混合物を減圧下(40mmH
g)で30分間(25℃で)撹拌し、次いでコンタクト
レンズの型に移した。充填された型をUV光(波長=3
00〜380nm、線量=1.2〜1.6ジュール/c
m2)で約50℃で20分間露光した。次に、型を分離
し、70℃の生理的塩類溶液に3.0時間入れて、不活
性希釈剤と残留未反応モノマーを除去した。次いで、レ
ンズを40℃の新鮮な生理的塩類溶液ですすいだ。この
初期水和期間の後、レンズを35℃の新鮮な生理的塩類
溶液の浴中で3時間平衡にさせた。
M)の試料に別々に3,3’,4,4’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物を0.05、0.10、
0.25、0.60、0.80及び1.0%加えた。各
試料を周囲条件下で十分に混合した後、各混合物を減圧
下(40mmHg)、25℃で30分間撹拌した。各試
料を用いて、示差走査熱量計(DSC)によりピーク迄
の時間(TTP)とエンタルピーを求めて、ポリマー中
でのUV吸収剤無水物の溶解度と重合反応に及ぼすUV
吸収剤無水物の影響を測定した。
てホトノール7025を含むモノマー反応混合物の製造 HEMA96.81重量%、MMA1.97%、EGD
MA0.78%、TMPTMA0.1%及びダロカー1
173を0.34%用いて混合物を製造した。このモノ
マー混合物48重量%にホトノール7025を52%加
えた。得られた組成物(以後、「反応性モノマー混合
物」又は「RMM」と呼ぶ)を周囲条件下で十分に混合
した後、この混合物を減圧下(40mmHg)、25℃
で30分間撹拌した。
混合物(RMM)の試料99.0%に3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物1.0
%を加えた。上記試料を周囲条件下で十分に混合した
後、この混合物を減圧下(40mmHg)、25℃で3
0分間撹拌した。この試料を用いて、DSCによりTT
Pとエンタルピーを求めて、ポリ中でのUV吸収剤無水
物の溶解度と重合反応に及ぼすUV吸収剤無水物の影響
を測定した。
ンズの製造 実施例9の反応性モノマー混合物(RMM)の試料9
9.2%に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物0.8%を加えた。上記試料を周囲
条件下で十分に混合した後、減圧下(40mmHg)、
30分間(25℃で)撹拌し、次いでコンタクトレンズ
の型に移した。充填された型をUV光(波長=300〜
380nm、線量=1.2〜1.6ジュール/cm2 )
で約50℃で20分間露光した。次に、型を分離し、7
0℃の生理的塩類溶液に3.0時間入れて、不活性希釈
剤と残留未反応モノマーを除去した。次いで、レンズを
50℃の2重量%の炭酸カリウム水溶液中で60分間水
和させた。この初期水和期間の後、レンズを50℃の新
鮮な生理的塩類溶液で15分間すすいだ。レンズを35
℃の新鮮な生理的塩類溶液で3時間平衡にされ、それか
らすぐに包装できた。
する試験方法は次の通りである。 示差走査光熱量計 試料は5.0ミリグラムの量を用いた。窒素を40ml
/min及び45℃の等温でパージさせた。硬化は2.
5mW/cm2 で10分の時点で開始し、10分間続け
た。同条件で硬化させた「アキュビュ14.0」(”A
cuvue 14.0”)を参照材料として用いた。
と表3(希釈剤としてホトノール7025使用)に示す
結果から分かるように、重合反応はUV吸収剤を含有さ
せても妨害されなかった。含有レベルのUV吸収材料
が、ヒドロゲルの製造に用いたモノマーのUV開始重合
を妨げないことは重要なことである。ピークまでの時間
(TTP)及びエンタルピー(E)の結果は示差走査光
熱量計を用いて得た。TTPは最高の反応熱が発生する
時点であり、それ以後は反応速度が低下する時点であ
る。
1nm/秒、分解能1nm及び走査範囲800〜200
nmのカリーモデル2300(Cary Model
2300)UV−VIS分光計を用いて分析した。6m
mの開口を有するレンズホルダーに留めたレンズを、生
理的塩類溶液で充満した10mmの石英セルに挿入し
た。バックグラウンド補正は、レンズなしで石英セル、
レンズホルダー及び生理的塩類溶液について行った。対
照は実施例2に従って製造した「アキュビュ」であっ
た。図1の結果が示すように、UV吸収剤を含有しない
レンズに比較して、UV吸収剤を含有した試料のUV吸
収能は増大している。表4に示した物理的性質を測定す
る試験方法は次のとおりである。
試験片に切断し、断面積を測定した。次に、この試料を
ロードセルを備えた、定速クロスヘッド運動型の試験機
の上部グリップに取り付けた。試料を定率歪で伸長し、
得られた応力−歪曲線を記録した。結果は表4に示され
ている。伸びはパーセントで表わされ、引張モジュラス
と強さはポンド/平方インチで表わされている。
塩類溶液で平衡となったレンズの重量をまず秤量し、次
に、レンズを減圧下(<5mmHg)、65℃で2時間
乾燥した。乾燥したレンズを秤量し、重量法水分を次の
通り計算した。 水(%)=100×(mwet −mdry )/mwet (式中、mwet は湿潤レンズの質量(ポリマーの質量+
塩類溶液の質量)を表わし、mdry は感想ポリマーの質
量を表わす)
ラトリーズ社(Brookfield Enginee
ring Laboratories, Inc.)の
ブルックフィールド・デジタル・ビスコメーター・DV
−II型(Brookfield Digital V
iscometer Model DV−II)を用い
て測定した。実施例11に従って製造した試料を、フィ
ッシャー・サイエンティフィック(Fisher Sc
ientific)の冷却用循環器(9100型)を用
いて粘度計流体容器中で±0.5℃に平衡させ、オメガ
ー(Omega)マイクロプロセッサー温度計(HH2
3型)で監視した。粘度計から得られる直読値は、使用
したスピンドルと速度に適した因子を掛けて、センチポ
イズ(cps)で表わされる。mPEG2000を用い
た混合物はスピンドル18で、速度は6rpmであっ
た。PEG4500を用いた混合物はスピンドル18
で、速度は3rpmであった。
マティックK−Fタイトリメーター447型(Coul
omatic K−F TitrimeterMode
l 447)を用いて測定した。実施例11に従って製
造した試料を1ccの注射器で反応容器内に注入した。
試料重量は20秒の抽出時間で0.4〜0.6gであっ
た。水分の直読値は重量%で表わした。
ある。 (1)該段階(a)が、少なくとも1種の重合性ヒドロ
キシル置換モノマーを含む1種以上の重合性モノマーを
含む均一なモノマー溶液を用意することを含み、該溶液
が、該UV吸収剤を反応させることなく該1種以上の重
合性モノマーを重合させるのに有効な条件下で該UV吸
収剤を分散させて含有する請求項1記載の方法。 (2)該段階(a)がヒドロキシル基側鎖を有するレン
ズ形状のポリマーを用意すること、及び該UV吸収剤を
該ポリマー内へ浸透させるのに有効な条件下で該ポリマ
ーと該UV吸収剤の溶液とを接触させることを含む請求
項1記載の方法。 (3)該UV吸収剤が3,3’,4,4’−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物である請求項1記載の方
法。 (4)該UV吸収剤が4,4’−ジオクチロキシオキサ
ニリド、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オ
クチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、4−
t−ブチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾル
シノール又は3’−s−ブチル−5’−t−ブチル−2
−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールの
無水物誘導体である請求項1記載の方法。 (5)該モノマー溶液がアクリル酸又はメタクリル酸の
少なくとも1種以上のヒドロキシアルキルエステルを含
む上記実施態様(1)記載の方法。
メタクリレートを含む上記実施態様(1)記載の方法。 (7)該モノマー溶液が、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート及びヒドロキシプロピ
ルアクリレートから成る群から選ばれる1種以上の化合
物である上記実施態様(1)記載の方法。 (8)該モノマー溶液がヒドロキシメチルアクリレート
とメタクリル酸とを含む上記実施態様(1)記載の方
法。 (9)該モノマー溶液がヒドロキシエチルメタクリレー
ト、メタクリル酸及びエチレングリコールジメタクリレ
ートを含む上記実施態様(1)記載の方法。 (10)該モノマー溶液がヒドロキシエチルメタクリレ
ート、メタクリル酸、エチレングリコールジメタクリレ
ート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートを
含む上記実施態様(1)記載の方法。
−α,α−ジメチルアセトフェノンを含む上記実施態様
(1)記載の方法。 (12)ポリマーが、アクリル酸又はメタクリル酸のヒ
ドロキシアルキルエステルの1種以上のヒドロキシアル
キルエステルを含むモノマー混合物を共重合して形成さ
れる上記実施態様(2)記載の方法。 (13)ポリマーが、ヒドロキシエチルメタクリレート
を含むモノマー混合物を共重合して形成される上記実施
態様(2)記載の方法。 (14)ポリマーが、ヒドロキシエチルアクリレート、
2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート及びヒドロキシプロピルア
クリレートを含むモノマー混合物を共重合して形成され
る上記実施態様(2)記載の方法。 (15)ポリマーが、ヒドロキシエチルメタクリレート
とメタクリル酸とを含むモノマー混合物を共重合して形
成される上記実施態様(2)記載の方法。
タクリレート、メタクリル酸及びエチレングリコールジ
メタクリレートを含むモノマー混合物を共重合して形成
される上記実施態様(2)記載の方法。 (17)ポリマーが、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、メタクリル酸、エチレングリコールジメタクリレー
ト及びトリメチロールプロパントリメタクリレートを含
むモノマー混合物を共重合して形成される上記実施態様
(2)記載の方法。 (18)ポリマーが、α−ヒドロキシ−α,α−ジメチ
ルアセトフェノンを含むモノマー混合物を共重合して形
成される上記実施態様(2)記載の方法。 (19)該モノマー溶液が水置換性不活性希釈剤を含む
上記実施態様(1)記載の方法。 (20)該モノマー溶液がホウ酸エステルを含む上記実
施態様(1)記載の方法。
グリコールの分子量が100〜8000であるポリエチ
レングリコールのアクリレートジエステル及びメタクリ
レートジエステル、一方の又は各々のジオール末端が1
〜20個のエトキシ単位でエトキシル化されたビスフェ
ノールAジオールのアクリレートジエステル及びメタク
リレートジエステル、C1 〜C6 脂肪族アルコールのア
クリレート及びメタクリレート及びペルフルオロC1 〜
C6 アルコールのアクリレート及びメタクリレートから
成る群から選ばれる1種以上の化合物を含む上記実施態
様(1)記載の方法。 (22)該モノマー溶液が、イソシアナートエチルメタ
クリレート、無水メタクリル酸又は塩化メタクリロイル
でそれぞれが末端封鎖されたPEG4500、合計10
モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたビスフェ
ノールAジオール、PEG350モノメチルエーテル及
びドデカノールから成る群から選ばれる1種以上の化合
物を含む上記実施態様(1)記載の方法。 (23)該モノマー溶液が水置換性不活性希釈剤を含む
上記実施態様(2)記載の方法。 (24)該モノマー溶液がホウ酸エステルを含む上記実
施態様(2)記載の方法。 (25)該モノマー溶液が、ポリエチレングリコールの
分子量が100〜8000であるポリエチレングリコー
ルのアクリレートジエステル及びメタクリレートジエス
テル、一方又は各々のジオール末端が1〜20個のエト
キシ単位でエトキシル化されたビスフェノールAのアク
リレートエステル及びメタクリレートエステル、C1 〜
C6 脂肪族アルコールのアクリレート及びメタクリレー
ト、ペルフルオロC1 〜C6 アルコールメタクリレート
及びペルフルオロC1 〜C6 アルコールアクリレートか
ら成る群から選ばれる1種以上の化合物を含む上記実施
態様(2)記載の方法。 (26)該モノマー溶液が、イソシアナートエチルメタ
クリレート、無水メタクリル酸又は塩化メタクリロイル
でそれぞれが末端封鎖されたPEG4500、合計10
モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたビスフェ
ノールAジオール及びドデカノールから成る群から選ば
れる1種以上の化合物を含む上記実施態様(2)記載の
方法。
ているのでUV吸収剤がコンタクトレンズ製造用ポリマ
ーの重合を妨げない量で用いられ、UV吸収剤が該ポリ
マーに共有結合されているために、レンズ製造後に浸出
することがなく、従来のレンズでは2〜30日間を要し
たUV化合物の抽出工程が不要となる。
料1−3)の吸光度対波長のプロットを従来のコンタク
トレンズ(アキュビュ)と比較して示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 次の各段階を含むUVコンタクトレンズ
の製法。 (a)ヒドロキシル基側鎖を有し、少なくとも1個の無
水物基で置換されたUV−吸収剤を分散させて含有した
レンズ形状のポリマーを用意する段階及び (b)該ヒドロキシル基を該UV吸収剤の無水物基と反
応させるのに有効な塩基性条件に該ポリマーをさらし、
それによって該UV吸収剤が該ポリマーに共有結合され
る段階。
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