JPH09119463A - 車両における制動装置 - Google Patents

車両における制動装置

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Publication number
JPH09119463A
JPH09119463A JP7280848A JP28084895A JPH09119463A JP H09119463 A JPH09119463 A JP H09119463A JP 7280848 A JP7280848 A JP 7280848A JP 28084895 A JP28084895 A JP 28084895A JP H09119463 A JPH09119463 A JP H09119463A
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JP
Japan
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braking
force
brake
unit
traveling motor
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Application number
JP7280848A
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English (en)
Inventor
Shoji Sugiyama
昭司 杉山
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動部の摩耗の進度に拘わらず制動部の被制
動体に対する圧接力が所定の値まで緩和された時点を検
知する。 【解決手段】 ブレーキペダルと作動連結されたカムピ
ン29は、下方に付勢されたアーム20aの先端部に螺
着されたアジャスタネジ26の底部に当接されている。
ブレーキペダルが踏まれていない状態では、アーム20
aの下面に固定されたブレーキパッドがブレーキディス
クに圧接している。アジャスタネジ26は筒体46と、
筒体46内を上下に移動可能に挿通された押圧部材47
及び被検知部材48と、被検知部材48を下方に付勢す
るように介装されたスプリング49とを備える。被検知
部材48の上面にはアーム20aに支持されたリミット
スイッチの検知ローラ45aが位置している。ブレーキ
ペダルが踏まれてカムピン29が上昇するとスプリング
49が圧縮されて被検知部材48が筒体46に対して上
昇し、検知ローラ45aを押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば制動が掛か
った状態では走行モータを駆動させないように、制動が
掛かっているか否かを検知するための検知器を備えた車
両における制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばリーチ式フォークリフト等の産業
車両においては、制動が掛かった状態では走行モータが
駆動されないように、制動が掛かった状態にあるか否か
を検知する検知器が制動装置に取付けられている。従
来、この種の制動装置として、例えば図8に示すような
ものがあった。
【0003】同図に示すように、走行モータ71の駆動
軸71aに装着されたブレーキディスク72の一端部
(図8の手前側端部)を挟んだ上下には、一対のアーム
73a,73bがブレーキディスク72に対して接近・
離間可能に支軸73を中心に回動可能に設けられてい
る。両アーム73a,73bはコイルバネ74の付勢力
により互いに接近する方向に付勢されており、ブレーキ
ペダル75が踏まれていない状態では、両アーム73
a,73bの対向面にそれぞれ2個ずつ設けられたブレ
ーキパッド76にてブレーキディスク72が押圧された
状態となる。両アーム73a,73bは、ペダルロッド
77,ブレーキシャフトレバー78,リンクレバー7
9,ロッド80,カムレバー81及びカム82等からな
るカムリンク機構を介してブレーキペダル75と作動連
結されている。
【0004】すなわち、ブレーキペダル75が踏まれる
とペダルロッド77が下降し、ブレーキシャフトレバー
78が支軸83を中心に支軸83と共に反時計回りに回
動することにより、この支軸83に固定されたリンクレ
バー79が支軸83を中心に同じく反時計回りに回動し
てその上端に連結されたロッド80が同図における左方
向に押し出される。ロッド80が左方向に押し出される
と、カムレバー81が支軸84を中心に反時計回りに支
軸84と一体に回動し、この支軸84に固定されたカム
82が反時計回りに回動する。カム82が回動すること
により、両アーム73a,73bの先端部に装着された
アジャスタネジ85の底部に当接する状態でカム82に
突設された2本のカムピン86が、両アジャスタネジ8
5をそれぞれ離間する方向に押圧して両アーム73a,
73bが押し広げられ、ブレーキディスク72を挟圧し
ていたブレーキパッド76がブレーキディスク72から
離間し、制動が解除される。
【0005】ここで、ペダルロッド77とブレーキシャ
フトレバー78は、ペダルロッド77の上端に固定され
た支軸87がブレーキシャフトレバー78に形成された
長穴78aに挿通された状態で連結されていた。そし
て、ペダルロッド77がスプリング88により上方に付
勢されて長穴78a内の上端に位置した支軸87がブレ
ーキペダル75を踏んだときに長穴78a内をその下端
に当接するまで移動する間がブレーキペダル75の遊び
となっていた。このようにブレーキペダル75を踏むと
制動が解除されるようになっており、運転中はブレーキ
ペダル75を踏んだ状態で運転操作が行われる。
【0006】ところで、走行モータ71はアクセルレバ
ー(図示せず)が操作されることにより駆動されるよう
になっているが、制動が掛かった状態で走行モータ71
が駆動されると、走行モータ71に過大な負荷がかかる
ことになる。そのため、ブレーキペダル75が踏まれた
ことを検知したときに限り、走行モータ71を駆動させ
る制御を行っている。すなわち、ブレーキペダル75が
踏まれたことを検知器により検知し、検知器が非検知状
態にある制動状態では、アクセルレバーを操作しても走
行モータ71が駆動されないようになっていた。ここ
で、制動解除を検知するタイミングは、検知器が検知す
る検知対象により決まってくる。
【0007】従来、検知器は図9に示すようにブレーキ
シャフトレバー78に取付けられ、ブレーキペダル75
が踏まれたときの遊びの間でのペダルロッド77の位置
変化を拾って制動解除のタイミングを検知していた。同
図に示すように、ブレーキシャフトレバー78の側部に
は略U字状の揺動体89が支軸90にて回動可能に支持
されており、揺動体89はその先端部で長穴78a内に
挿通された支軸87に固定されていた。揺動体89の支
軸90を挟んで支軸87と反対側ではその側部にL字状
の被検知部材91が固定されており、この被検知部材9
1の上面に検知ローラ92aを対向する状態に検知器で
あるリミットスイッチ92がブレーキシャフトレバー7
8に取付けられたブラケット93に支持されていた。
【0008】ペダルロッド77が下降して支軸87が長
穴78a内を下降することにより揺動体89が支軸90
を中心に同図における反時計回りに回動し、その側部に
固定された被検知部材91が上方に変位してリミットス
イッチ92をオンさせる。つまり、ブレーキペダル75
の遊びの過程でリミットスイッチ92はオンし、このと
きアクセルレバーが操作状態にあれば走行モータ71が
駆動される。
【0009】ところで、ペダルロッド77やブレーキシ
ャフトレバー78等のカムリンク機構を構成する各部品
の制動時における姿勢角は、ブレーキパッド76の摩耗
の進行に伴って変化する。しかし、リミットスイッチ9
2はペダルロッド77とブレーキシャフトレバー78の
相対位置関係から制動解除のタイミングを検知している
ので、ブレーキパッド76の摩耗の進度に拘わらず常に
ブレーキペダル75が一定量踏み込まれた時点で制動解
除信号を出力することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ブレーキペダ
ル75の遊びの過程では制動が完全に掛かった状態なの
で、この時点でリミットスイッチ92がオンして走行モ
ータ71が駆動されると走行モータ71に大きな負荷が
かかることになる。例えば、ブレーキペダル75に軽く
足が置かれて遊び分だけブレーキペダルが踏まれた状態
でアクセルレバーが操作された場合には、制動が完全に
掛かった状態で走行モータ71が駆動されるという事態
も起こり得る。また、アクセルレバーが操作された状態
でブレーキペダル75がゆっくり踏まれてその遊び分の
踏み込み時間が比較的長くなった場合にも、制動が完全
に掛かった状態で走行モータ71が駆動されることにな
る。
【0011】これに対し、図8に二点鎖線で示す位置に
例えば走行モータ71に固定された状態で下側のアーム
73bの下面に対向させた状態でリミットスイッチ94
を配置し、ブレーキペダル75の踏み込み時に下降する
アーム73bを検知するようにした制動装置も知られて
いる。しかし、この装置では、アーム73bが一定位置
まで下降して始めてリミットスイッチ94がオンするよ
うになっているため、ブレーキパッド76の摩耗により
制動時におけるアーム73bの位置が上方に変位する
と、アーム73bが制動時の位置からリミットスイッチ
94に接触するまでの移動距離が徐々に長くなり、制動
解除の検知タイミングがブレーキパッド76の摩耗の進
度によって変化してしまうという問題があった。制動解
除の検知タイミングが変化すると、走行モータ71の駆
動開始のタイミングの安定性が損なわれてしまう。例え
ば、ブレーキパッド76の摩耗がある程度進行したとき
に、ブレーキパッド76がブレーキディスク72から離
れた状態にあるにも拘わらず、リミットスイッチ94が
オンしないという事態が起こり得る。なお、これらの問
題はブレーキペダルを踏み込んだときに制動が掛かる制
動装置であっても同様に起こり得る問題である。
【0012】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、完全に制動が掛かった
状態で走行モータが駆動されて走行モータに過大な負荷
がかかる事態を回避でき、しかも制動部の摩耗の進度に
拘わらずいつも一定の踏み込みタイミングで制動解除の
検知をすることができる車両における制動装置を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め請求項1に記載の発明では、車両に設けられた走行モ
ータの駆動力に基づき駆動する被制動体と、該被制動体
に対して圧接・離間する範囲で移動可能に設けられた制
動部と、該制動部を作動させるための操作部と、前記制
動部を移動させるべく該操作部の操作力を前記制動部に
伝達する操作力伝達手段と、前記制動部が前記被制動体
に圧接した制動状態が解除されたことを検知する検知手
段とを備えた車両における制動装置において、前記検知
手段は、前記操作部の操作力が前記操作力伝達手段を伝
わる伝達力から、前記被制動体に対する前記制動部の圧
接力が所定値まで緩和されたことを検知するようにし
た。
【0014】請求項2に記載の発明では、前記検知手段
は、前記圧接力が所定値まで緩和された時に信号を出力
する検知器と、前記操作部の操作力が伝わる伝達経路上
に介在されるとともに前記伝達力を一部吸収して変形可
能な緩衝手段と、該緩衝部材の変形に応じて前記検知器
との相対間隔を変更可能な被検知部とを備えている。
【0015】請求項3に記載の発明では、前記緩衝手段
は、前記伝達力の一部を吸収して弾性変形する弾性部材
を備えている。請求項4に記載の発明では、前記制動部
は、前記操作部が操作されていない状態では前記被制動
体に圧接した状態となるように付勢されている。
【0016】請求項5に記載の発明では、前記検知手段
が接続されるとともに、該検知手段が検知状態にあると
きに限り前記走行モータを駆動させる制御手段を備えて
いる。
【0017】従って、請求項1に記載の発明によれば、
操作部を操作することにより、車両に設けられた走行モ
ータの駆動力に基づき駆動される被制動体に対して制動
部は、圧接・離間する範囲で移動する。制動部が被制動
体に対して圧接した制動時の位置にある操作部が制動部
の圧接力を緩和する方向に操作されると、操作部の操作
力が操作力伝達手段を伝わって伝達されてこの伝達力に
より制動部が被制動体から離間する方向に動こうとす
る。このとき、検知手段により、操作部の操作力に基づ
き操作力伝達手段を伝わる伝達力から、被制動体に対す
る制動部の圧接力が所定値まで緩和されたことが検知さ
れる。そして、検知手段による検知に基づき例えば走行
モータが駆動されたり、クラッチ等が接続されたりする
こにより走行モータの駆動力が被制動体に伝達される。
従って、制動部の圧接力が所定値にまで緩和されてから
走行モータの駆動等が行われるので、走行モータに過大
な負荷がかかることがない。
【0018】また、操作力伝達手段を構成する各部品等
の制動時の位置状態(例えば姿勢角)は、制動部の摩耗
によって変化する。しかし、操作部の操作力に基づく伝
達力の変化から制動部の圧接力が検知されるので、制動
部の摩耗の進度に拘わらずいつも制動部の圧接力が所定
値にまで緩和された時に被検知部が検知器により検知さ
れる。
【0019】請求項2に記載の発明によれば、操作部の
操作力の伝達経路上に介在された緩衝手段は、その伝達
経路を伝わる伝達力を一部吸収して変形する。緩衝手段
の変形に応じて検知器と被検知部との相対間隔が変更
し、制動部の被制動体に対する圧接力が所定値まで緩和
されると、被検知部が検知器に検知されて検知器から検
知信号が出力される。従って、伝達力を直接検知する例
えば圧力センサのような検知器を使用しなくても伝達力
の変化を検知することが可能となる。
【0020】請求項3に記載の発明によれば、操作部の
操作力が伝達経路を伝わる伝達力により弾性部材はその
伝達力の一部を吸収してその伝達力に比例した変位で弾
性変形する。つまり、検知器と被検知部との相対間隔が
伝達力大きさにほぼ比例して変化することになるので、
検知器と被検知部の検知タイミングのための位置調整が
容易となる。また、スプリングやゴム等の一般的な弾性
部材を用いれば構造が簡単となって部品コストが抑えら
れる。
【0021】請求項4に記載の発明によれば、操作部が
操作されていない状態では、制動部は被制動体に圧接し
た状態に付勢されており、操作部が操作されることによ
り制動部が被制動体から離間する方向に動く。この操作
部が操作され始めた時点が検知手段に素早く検知され、
しかも検知手段の検知に基づき直ちに走行モータが駆動
等されても走行モータに過大な負荷がかからない。
【0022】請求項5に記載の発明によれば、検知手段
が検知状態にあるときに制御手段により走行モータの駆
動が許容される制御が行われる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図5に基づいて説明する。図5に示すよ
うに、車両としてのリーチ式フォークリフト1(以下、
単にフォークリフトという)は前二輪で後一輪の後輪駆
動式の三輪車であって、機台後部において車幅やや左寄
りに駆動輪2、その右隣に補助輪であるキャスタ輪(図
示せず)を備えている。
【0024】走行モータ3は、運転者の立席スペース4
の左隣に膨出したフレーム1a内において駆動輪2の上
方位置に配備されており、駆動輪2は走行モータ3の下
部に配備されたサスペンションリンク5及びギヤボック
ス6を介して走行モータ3の駆動軸3a(但し、走行モ
ータ3の下部側への突出端部)と作動連結されている。
ここで、サスペンションリンク5は、走行モータ3とと
もにフレーム1aに対して固定された状態にあり、断面
が略L字形状を有するギヤボックス6はフレーム1aに
対して回動可能に設けられている。ギヤボックス6はス
テアリングテーブル7上に設けられたステアリングホイ
ール8と作動連結された図示しない操舵モータの駆動力
に基づき回動されるようになっており、ステアリングホ
イール8を旋回操作することにより駆動輪2がギヤボッ
クス6と一体に回動して駆動輪2の操舵が行われるよう
になっている。
【0025】フレーム1a内には走行モータ3の前側上
方(図5では左上方)に制御手段としてのコントローラ
9が配設されている。インストルメントパネル10上に
は複数本の荷役レバー11とその右隣にアクセルレバー
12が装着されており、アクセルレバー12は図5に示
す中立位置に付勢された状態で前後方向に操作可能とな
っている。
【0026】コントローラ9にはアクセルレバー12の
中立位置からの操作方向及びその操作量に応じた信号が
入力されるようになっており、これらの入力信号に基づ
きコントローラ9は走行モータ3を駆動制御する。すな
わち、アクセルレバー12が中立位置から前方に操作さ
れると、その操作量に応じた回転数で走行モータ3が正
転駆動されてフォークリフト1が前進し、アクセルレバ
ー12が中立位置から後方に操作されると、その操作量
に応じた回転数で走行モータ3が逆転駆動されてフォー
クリフト1が後進するようになっている。
【0027】走行モータ3の上部には図2〜図5に示す
制動装置13が配設されている。制動装置13は走行モ
ータ3の図2〜図4に示す駆動軸3aに、一体形成され
たブラケット14を介して水平状態に装着された被制動
体としてのブレーキディスク15を備えており、立席ス
ペース4の床面近傍に配設された操作部としてのブレー
キペダル16が操作されることにより作動されるように
なっている。ブレーキペダル16が踏まれていない状態
ではブレーキディスク15に制動部としてのブレーキパ
ッド17が圧接することにより走行モータ3に制動が掛
かるようになっている。従って、フォークリフト1の運
転操作はブレーキペダル16を踏んで走行モータ3に掛
けられた制動を解除した状態で行われる。
【0028】次に、この制動装置13の構造を説明す
る。図2〜図4に示すように、走行モータ3の上部には
支持ブラケット18が複数本のボルト19(図3に示
す)を用いて取付けられている。走行モータ3の駆動軸
3aに装着されたブレーキディスク15の一端部(図4
の手前側端部)を挟んだ上下には、支持ブラケット18
に支持された状態で一対のアーム20a,20bがそれ
ぞれブレーキディスク15に対して接近・離間可能に支
軸21を中心に回動可能に設けられている。両アーム2
0a,20bの対向面にはそれぞれ2個ずつのブレーキ
パッド17が設けられている。各ブレーキパッド17は
ボルト17aによりアーム20a,20bに対して固定
されている。
【0029】両アーム20a,20bの先端側(図4に
おける左側)には支持ロッド22が、その下端がアーム
20bに固定されるとともにアーム20aの上面から突
出する状態に挿通されている。アーム20aの上側には
支持ロッド22に挿通されるとともに2枚の規制板23
に挟まれた状態でコイルバネ24が配設されており、コ
イルバネ24は支持ロッド22に螺着されたナット25
の締結力によりアーム20aの上面との間で押圧された
圧縮状態となっている。このコイルバネ24の付勢力に
より両アーム20a,20bは互いに接近する方向に付
勢されており、ブレーキペダル16が踏まれていない状
態では各ブレーキパッド17がブレーキディスク15の
両面を圧接した状態にある。
【0030】図4に示すように、アーム20a,20b
は上側のものより下側のものの方が長く延びており、そ
れぞれの先端部にはアジャスタネジ26,26がそれぞ
れ対向するように外側から螺着されている。両アジャス
タネジ26,26の近傍には、支持ブラケット18に回
動可能に支持された支軸27の第1端部に固定されたカ
ム28が支軸27を中心に回動可能に配置されている。
カム28の側部には2本のカムピン29,29が水平方
向に突出しており、両カムピン29は各アジャスタネジ
26,26の底部にそれぞれ当接されている。
【0031】カム28が図4における反時計回りに回動
することにより、両カムピン29が両アジャスタネジ2
6をそれぞれ離間する方向に押圧してアーム20a,2
0bが押し広げられるようになっており、両アーム20
a,20bが押し広げられることによりブレーキディス
ク15を挟圧していたブレーキパッド17がブレーキデ
ィスク15から離間して制動が解除されるようになって
いる。このカム28は、ブレーキペダル16の延出部1
6aに固定された支軸30,リンク31,ペダルロッド
32,ブレーキシャフトレバー33,支軸34,リンク
レバー35,ロッド36及びカムレバー37等からなる
リンク機構を介してブレーキペダル16と作動連結され
ており、ブレーキペダル16の操作により回動されるよ
うになっている。
【0032】すなわち、図2,図3に示すように、ブレ
ーキペダル16の延出部16aに固定された支軸30が
リンク31の第1端部に固定されるとともに、リンク3
1の第2端部がペダルロッド32の下端と支軸38を介
して連結されている。つまり、ブレーキペダル16が踏
まれると支軸30を中心にリンク31が回動してリンク
31の第2端部に連結されたペダルロッド32が下降す
るようになっている。
【0033】ペダルロッド32はその上端部に固定され
た支軸39をブレーキシャフトレバー33の第1端部側
に形成された長穴33a(図4に示す)内に挿通するこ
とにより、ブレーキシャフトレバー33と連結されてい
る。ブレーキシャフトレバー33はその第2端部にて支
軸34を中心に回動可能に支持されている。支軸34は
フレーム1aに固定されたブラケット(図示せず)を介
して回動可能に支持されている。また、ペダルロッド3
2には孔40を有する延出部32aが形成されており、
ブレーキシャフトレバー33の第1端部側先端に一端を
掛止したスプリング41の他端が孔40に掛止されてい
る。ブレーキペダル16が踏まれていない状態では、ス
プリング41の付勢力によりペダルロッド32が上方に
変位し、支軸39が長穴33a内の上端面に当接した状
態となるようになっている。
【0034】ブレーキシャフトレバー33の第2端部と
リンクレバー35の下端部はそれぞれ支軸34に対して
固定されている。リンクレバー35の上端部はほぼ水平
に延びるロッド36の第1端部と支軸42を介して連結
されている。ロッド36の第2端部は上下方向に延びて
配置されたカムレバー37の上端部と支軸43を介して
連結されている。カムレバー37の下端部はその第1端
部にカム28が固定された支軸27の第2端部に固定さ
れている。なお、カムリンク機構を構成するアーム20
a,20b,支軸27,アジャスタネジ26,カム2
8,支軸30,リンク31,ペダルロッド32,ブレー
キシャフトレバー33,支軸34,リンクレバー35,
ロッド36及びカムレバー37等により操作力伝達手段
が構成されている。
【0035】また、アーム20aの先端部には支持部材
44が固定されており、この支持部材44に支持された
状態でアーム20aの先端部上方に検知手段を構成する
とともに検知器としてのリミットスイッチ45が配設さ
れている。リミットスイッチ45はその検知ローラ45
aをアジャスタネジ26の上面に対向させた状態で配置
されている。
【0036】図1に示すように、アジャスタネジ26は
筒状に形成された検知手段を構成する筒体46と、筒体
46の内部に上下からそれぞれ挿通された検知手段を構
成する押圧部材47と検知手段を構成するとともに被検
知部としての被検知部材48と、被検知部材48のロッ
ド部48aに挿通された状態に押圧部材47と筒体46
との間に介装され、検知手段を構成するとともに緩衝手
段及び弾性部材としてのスプリング49とを備えてい
る。押圧部材47と被検知部材48は各先端部にて嵌合
状態に固定されている。
【0037】スプリング49の付勢力は、ブレーキペダ
ル16が踏まれていない制動時に押圧部材47に伝達さ
れる力によっては被検知部材48を押し上げるまでには
圧縮されず、ブレーキペダル16が踏まれてその操作力
が押圧部材47に伝達されていた力に加わることによっ
て弾性圧縮して被検知部材48が筒体46に対して上方
へ突出するように設定されている。
【0038】検知ローラ45aと制動時における被検知
部材48の上面との距離は、ブレーキペダル16が踏み
始められてブレーキパッド17のブレーキディスク15
に対する圧接力が所定値にまで緩和されたときに被検知
部材48が検知ローラ45aを押圧してリミットスイッ
チ45がオンされるように設定されている。また、アー
ム20a,20bの開閉タイミングが上下で同じになる
ように下側のアーム20bに螺着されたアジャスタネジ
26も図1と同様の構造のものを使用している。但し、
リミットスイッチ45に当接しない側のアジャストネジ
26には検知ローラ45aは無い。
【0039】リミットスイッチ45は図示しない配線に
よりコントローラ9に接続されている。コントローラ9
は、リミットスイッチ45がオン状態にあるときに限
り、アクセルレバー12の操作を検出する信号に基づき
走行モータ3を駆動するようになっている。つまり、リ
ミットスイッチ45がオフ状態にあれば、たとえアクセ
ルレバー12が操作されていても走行モータ3を駆動さ
せない。なお、ブレーキペダル16を踏んだときに支軸
39が長穴33a内をその下端面に当接するまで移動す
る過程がブレーキペダル16の遊びとなっている。
【0040】次に、この制動装置13の作用を説明す
る。ブレーキペダル16が踏まれていないときにはコイ
ルバネ24の付勢力によりブレーキパッド17がブレー
キディスク15に圧接して制動が掛かった状態にとな
る。このとき、図1に実線で示すように被検知部材48
は下降した状態にあって検知ローラ45aから離間して
おり、リミットスイッチ45がオフ状態にあるので、こ
の状態でアクセルレバー12が操作されても走行モータ
3は駆動されない。つまり、ブレーキペダル16が踏ま
れていない状態では、アクセルレバー12を操作しても
フォークリフト1は発進しない。
【0041】フォークリフト1の運転は、ブレーキペダ
ル16を踏んだ状態で行われる。ブレーキペダル16が
踏まれると、ペダルロッド32が下降し、ブレーキシャ
フトレバー33が支軸34を中心に反時計回りに回動す
ることにより、これと一体固定されたリンクレバー35
が支軸34を中心に同じく反時計回りに回動してその上
端に連結されたロッド36が図4における左方向に押し
出される。ロッド36が左方向に押し出されると、カム
レバー37が支軸27を中心に反時計回りに支軸27と
一体に回動し、この支軸27に固定されたカム28が反
時計回りに回動する。このカム28の回動により2本の
カムピン29,29が、両アーム20a,20bの先端
部に装着された各アジャスタネジ26の底部をそれぞれ
離間する方向に押圧して両アーム20a,20bが押し
広げられる。その結果、ブレーキディスク15を挟圧し
ていたブレーキパッド17がブレーキディスク15から
離間し、制動が解除される。このとき、ブレーキペダル
16の踏み込み初期において、ペダルロッド32の上端
に固定された支軸39が長穴33a内をその下端面に当
接するまで移動する過程がブレーキペダル16の遊びと
なる。
【0042】ブレーキペダル16を操作した操作力(踏
み込み力)は、支軸30,リンク31,ペダルロッド3
2,ブレーキシャフトレバー33,支軸34,リンクレ
バー35,ロッド36,カムレバー37,支軸27,カ
ム28,アジャスタネジ26及びアーム20a,20b
等を伝わって伝達される。すなわち、これらの各部材2
0a,20b,26〜28,30〜37等が操作力の伝
達経路となる。
【0043】ブレーキペダル16が踏まれることにより
その操作力がカム28に伝達されてカム28が図4にお
ける反時計回りに回転すると、カムピン29がアジャス
タネジ26の底部を押圧する。このとき、上側のアジャ
スタネジ26内においてスプリング49が圧縮されなが
ら押圧部材47が押し上げられ、押圧部材47の上昇と
共に被検知部材48が筒体46に対して上方へ突出す
る。
【0044】この過程において、カムピン29が押圧部
材47を押し上げる押圧力はスプリング49を介して筒
体46に伝達され、さらに筒体46が螺着されたアーム
20aに伝達される。そのため、このスプリング49が
圧縮変形する過程においても、アーム20a,20bが
押し広げられ、ブレーキパッド17のブレーキディスク
15に対する圧接力が徐々に緩和される。このとき、カ
ムピン29からの押圧力はスプリング49が圧縮変形す
ることによりその一部が吸収される。
【0045】ブレーキペダル16がその遊びを越えてさ
らに踏み込まれ、ブレーキパッド17のブレーキディス
ク15に対する圧接力が所定値にまで緩和されると、こ
の時点で被検知部材48が筒体46に対して図1に二点
鎖線で示す位置まで上昇する。その結果、被検知部材4
8の上面にて検知ローラ45aが押圧されてリミットス
イッチ45がオンする。なお、本実施の形態では、スプ
リング49の下端の変位に同調して変位する被検知部材
48が伝達力の伝達経路における上流側となり、スプリ
ング49の上端の変位に同調して変位するリミットスイ
ッチ45が伝達力の伝達経路における下流側となる。
【0046】このブレーキペダル16の踏み込み過程に
おいて例えばアクセルレバー12が操作されていれば、
リミットスイッチ45からオン信号を入力したコントロ
ーラ9により、アクセルレバー12の操作位置に応じた
回転方向及び回転数で走行モータ3が駆動される。リミ
ットスイッチ45がオンされた時点ではブレーキパッド
17のブレーキディスク15に対する圧接力が走行モー
タ3に過大な負荷がかからない程度に緩和されているの
で、この時点で走行モータ3が駆動されても走行モータ
3にさほど負荷がかからずに済む。
【0047】例えば、走行モータ3の回転数を検出して
アクセルレバー12の操作量に応じた回転数に達するよ
うに走行モータ3を駆動制御する走行制御が行われた場
合、制動が完全に掛かった状態で走行モータ3が駆動さ
れると、走行モータ3の回転数が指令回転数に達しない
ために過大な駆動電圧が走行モータ3に印加されること
になる。しかし、本実施の形態では制動が走行モータ3
に過大な負荷がかからない程度に緩和されてからでない
と走行モータ3の駆動が開始されないので、前記のよう
な走行制御が行われても走行モータ3に過大な印加電圧
がかかることがない。
【0048】ところで、ブレーキパッド17の摩耗が進
行するに連れて制動時における両アーム20a,20b
の位置が徐々に接近してくる。そのため、カムリンク機
構を構成するその他の部材、すなわちカム28,カムレ
バー37,ロッド36,リンクレバー35,ブレーキシ
ャフトレバー33,ペダルロッド32等の制動時におけ
る位置状態(姿勢角)が変化することになる。
【0049】しかし、これらの各部材20a,20b,
28,32,33,36,37等の位置状態がブレーキ
パッド17の摩耗の進度に応じて徐々に変化しても、共
にアーム20aに固定されているリミットスイッチ45
とアジャスタネジ26の位置関係は変わることはない。
そのため、検知ローラ45aとアジャスタネジ26との
制動時における距離は常に一定に保持される。従って、
ブレーキパッド17の摩耗量に影響されることなく、い
つも制動力が一定の値にまで緩和されたときにリミット
スイッチ45はオンする。
【0050】よって、従来技術で述べたようなリミット
スイッチを一定位置に固定しておき、アームにリミット
スイッチを押圧させる構成の制動装置のように、ブレー
キパッドの摩耗の進度によってリミットスイッチがオン
するタイミングが変化するという不具合が回避される。
【0051】また、フォークリフト1の走行中にブレー
キペダル16が離されたり、弛められたりした場合に
は、リミットスイッチ45がオンした時点で走行モータ
3の駆動が停止される。そのため、走行中における制動
時にも走行モータ3に負荷がかかり難くなる。
【0052】以上詳述したようにこの実施の形態では、
以下に列記する効果が得られる。 (a)ブレーキペダル16の踏み込み力に基づきカム2
8やアーム20a等のカムリンク機構を伝わる伝達力か
ら、ブレーキパッド17の圧接力が所定値まで緩和され
たことをリミットスイッチ45により検知するようにし
たので、ブレーキパッド17の摩耗の進度に拘わらず常
にブレーキパッド17の圧接力が所定値まで緩和された
時点を検知することができる。そのため、走行モータ3
に過大な負荷がかかることを回避することができる。
【0053】(b)ブレーキペダル16の踏み込み力の
伝達経路となるアジャスタネジ26内にスプリング49
を介在させるとともに、スプリング49の弾性変形によ
り相対変位するようにリミットスイッチ45と被検知部
材48とを設けたので、一組のリミットスイッチ45と
被検知部材48という比較的簡単な構成によりカム28
やアーム20a等のカムリンク機構を伝わる伝達力の変
化を検知することができる。例えば圧力センサ等のよう
に伝達力を直接検出することはできるが、比較的高価
で、そのうえ入力信号から検知時を決めるためのしきい
値の設定や、コントローラ内での複雑な信号処理が必要
となる検知器を用いなくて済む。そのため、低コストで
済ませることができる。
【0054】(c)スプリング49を用いたことによ
り、伝達力の大きさにほぼ比例してリミットスイッチ4
5と被検知部材48との相対距離が変化するので、リミ
ットスイッチ45と被検知部材48との距離調整をする
ことにより検知タイミングを簡単に設定することができ
る。また、弾性部材としてスプリングという比較的安価
な部品を用いたうえ、スプリング49を既存の部材であ
るアジャスタネジ26に内蔵したので、部品コストが安
価で済むうえ、カムリンク機構以外に余分な配設スペー
スを設ける必要がなく、制動装置の小型化にも寄与す
る。
【0055】(d)ブレーキペダル16が操作されてい
ない状態が制動状態である本実施の形態では、ブレーキ
ペダル16が踏まれ始めた時点をリミットスイッチ45
にて素早く検知し、走行モータ3を過大な負荷がかから
ない制動解除タイミングで素早く駆動させることができ
る。例えばフォークリフト1が発進時にもたつくことが
ない。
【0056】(e)リミットスイッチ45が検知状態に
あるときに限り走行モータ3を駆動させる制御を行うコ
ントローラ9を備えたので、ブレーキパッド17の圧接
力が所定値にまで緩和された状態でのみ走行モータ3が
駆動され、走行モータ3に過大な負荷がかかることを防
止できる。
【0057】(f)検知器としてリミットスイッチ45
を用いたので、部品コストを低減できる。尚、本発明は
上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨
を逸脱しない範囲で例えば次のように構成することもで
きる。
【0058】(1)緩衝手段あるいは弾性部材が介在さ
れる部位は、操作部の操作力が伝達される伝達経路上で
あれば適宜変更することができる。例えば図6に示すよ
うな構造を有するロッド36としてもよい。すなわち、
同図に示すように、ロッド36を、外筒36aと内筒3
6bとを相対移動可能に嵌合して形成するとともに、各
筒36a,36bの連結部内部に緩衝手段を構成すると
ともに弾性部材としてのスプリング50を介装する。ブ
レーキペダル16が踏まれてロッド36が図4における
左方向に押し出されるときにロッド36にかかる軸方向
の力によりスプリング50を圧縮しながら外筒36aと
内筒36bは相対移動可能となっている。外筒36aの
外周面上にはリミットスイッチ45が固定されており、
内筒36bの外周面上にはリミットスイッチ45の検知
ローラ45aと対向する位置に被検知部51が突設され
ている。また、外筒36aと内筒36bは図示しない規
制部材により相対回転が規制されている。この構成によ
れば、ブレーキペダル16が踏まれてロッド36が図6
における左方向に押し出されると、その軸方向にかかる
力によりスプリング50を圧縮しながら外筒36aが内
筒36bに深く嵌合し、リミットスイッチ45の検知ロ
ーラ45aが被検知部51に当たって押圧される。
【0059】また、ペダルロッド32のようにブレーキ
ペダル16が踏まれたときに引張りの力が伝えられる部
材を図7に示すような構造としてもよい。すなわち、同
図に示すように、ペダルロッド32を、外筒32bと内
筒32cとを相対移動可能に嵌合して形成するととも
に、各筒32b,32cの連結部内部に緩衝手段を構成
するとともに弾性部材としてのスプリング52を介装す
る。外筒32bの外周面上にはリミットスイッチ45が
固定されており、内筒32cの外周面上にはリミットス
イッチ45の検知ローラ45aと対向する位置に被検知
部53が突設されている。ブレーキペダル16が踏まれ
てペダルロッド32が図7における下方向に下降する
と、その軸方向にかかる力によりスプリング52を引っ
張りながら外筒32bと内筒32cがその嵌合を浅くす
るように相対移動し、リミットスイッチ45の検知ロー
ラ45aが被検知部53に当たって押圧される。よっ
て、リミットスイッチ45の検知ローラ45aと被検知
部51,53との距離を適宜に設定すれば図6及び図7
の構成によっても前記実施の形態と同様の効果が得られ
る。
【0060】(2)図6に二点鎖線で示すように円環状
の規制部54を形成し、検知ローラ45aが被検知部5
1に当たってリミットスイッチ45がオンした後には外
筒36aの端面が規制部54に当接して、それ以上に外
筒36aと内筒36bとの嵌合が深くならないように規
制する構成としてもよい。この構成によれば、外筒36
aが規制部54に当接することにより検知ローラ45a
が過大な力で押圧される不具合を防止できる。
【0061】(3)アジャスタネジ26はリミットスイ
ッチ45に当接する側だけを図1の構造としてもよい。
アーム20a,20bが上下で開閉タイミングが同期し
なくなるが制動が確実に行われれば問題はない。
【0062】(4)制動部により被制動体を挟み込む挟
圧式でなく、被制動体の片側面を制動部が押圧する片圧
式であってもよい。 (5)操作力伝達手段は、リンクカム機構に限定されな
い。例えばワイヤや歯車等のその他の部材が介在されて
いてもよい。
【0063】(6)被制動体は走行モータの駆動軸に直
接装着されている必要はない。例えば駆動輪に装着され
たブレーキディスクであってもよい。この構成によって
も、前記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0064】(7)被制動体はブレーキディスク等の板
状に限定されない。例えば球状であっても構わない。ま
た、被制動体の駆動時の動きも回転に限定されない。例
えばスライド動作するブレーキ板に対してブレーキパッ
ドを押圧して制動する構成であってもよい。
【0065】(8)ブレーキペダルを踏み込んだときに
制動が掛かる構成であってもよい。例えばアームを互い
に離間する方向にコイルバネ等により付勢しておき、ブ
レーキペダル等の操作部を操作することによりアームが
接近する方向に作動される構成でもよい。この構成の場
合にも、ブレーキペダルの踏み込みを弛めて制動力が所
定の値まで緩和された時点でリミットスイッチがオンす
るように設定することはでき、前記実施の形態と同様の
効果が得られる。
【0066】(9)検知器はリミットスイッチに限定さ
れない。例えば光学センサや超音波センサ等の非接触式
の検知器とすることもできる。この場合、センサと被検
知部との距離が所定距離に達したときにセンサがオンす
るように設定すればよい。
【0067】(10)操作部の操作力が操作力伝達手段
等を伝わる伝達力を、例えば圧力センサにより検出し、
検出した圧力が所定の値に達したときに走行モータの駆
動を許容する構成としてもよい。例えば、アジャスタネ
ジ26の底部に圧力センサを埋設し、この圧力センサに
よりカムピン29とアジャスタネジ26との接触圧を検
出し、その接触圧がブレーキパッド17のブレーキディ
スク15に対する圧接力が所定値にまで緩和された時点
での接触圧に達したら走行モータ3を駆動させるように
すればよい。この構成によっても、制動力が所定の値に
まで緩和された時点を検知することができ、しかもその
検知タイミングがブレーキパッド17の摩耗進度に影響
されない。
【0068】(11)操作部は足で操作するブレーキペ
ダルに限定されず、例えば手で操作するブレーキレバー
としてもよい。 (12)緩衝手段はスプリング49に限定されない。例
えばゴム等を用いてもよい。また、ダンパとしてもよ
い。操作部の操作力による伝達力に応じて変形し、検知
器と被検知部との相対位置関係を変化させられれば足り
る。また、緩衝手段は必ずしも伝達力に比例した変位で
変形する必要はない。緩衝手段の変位特性に応じて検知
器と被検知部との距離を設定すれば問題はない。
【0069】(13)伝達経路は、操作力伝達手段を構
成する各部材を伝わる伝達経路に限定されず、操作部か
らの操作力が伝達されれば制動部への伝達経路から外れ
ていてもよい。例えば操作部から制動部に至る伝達力の
伝達経路に対して途中で分岐した伝達経路上に緩衝部材
あるいは弾性部材を介在させて本発明を実施することも
できる。
【0070】(14)走行モータと駆動輪とをクラッチ
を介して接続するとともに、クラッチを挟んだ駆動輪側
に被制動体を設け、検知器が検知(オン)してクラッチ
が接続されることにより、駆動中にある走行モータの駆
動力が被制動体に伝達される構成であってもよい。この
構成の場合も、クラッチの接続タイミングを制動力が所
定の値まで緩和された時期に設定することができ、ひい
ては走行モータに過大な負荷がかからないようにするこ
とができる。
【0071】(15)車両はフォークリフト等の産業車
両に限定されず、走行モータにより駆動される方式の車
両全般に本発明を適用することができる。前記実施の形
態から把握され、特許請求の範囲に記載されていない発
明を、その効果とともに以下に記載する。
【0072】(イ)請求項1〜請求項4のいずれか一項
において、前記車両は産業車両である。この構成によれ
ば、制動解除の検知タイミングを制動部の摩耗進度に拘
わらずいつも同じにできるうえ、産業車両の走行モータ
に過大な負荷がかかることを防止できる。
【0073】(ロ)請求項1〜請求項4のいずれか一項
において、前記検知器はリミットスイッチである。この
構成によれば、リミットスイッチを使用することにより
低コストで済ませられる。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、操作部の操作力に基づき操作力伝達手段を
伝わる伝達力から、制動部の圧接力が所定値まで緩和さ
れたことを検知する検知手段を備えるので、制動部の摩
耗に拘わらず制動部の圧接力が所定値まで緩和された時
点をいつも検知することができる。そのため、例えば走
行モータに過大な負荷がかかることを回避することがで
きる。
【0075】請求項2に記載の発明によれば、操作部を
操作した操作力の伝達経路上にその伝達力を一部吸収し
て変形する緩衝手段を介在させるとともに、この緩衝手
段の変形に応じてその相対間隔を変更可能に検知器と被
検知部とを設けたので、制動部の制動力(圧接力)が所
定値まで緩和されたところまで操作部が操作されたタイ
ミングを検知器により検知することができる。また、圧
力センサ等のような伝達力を直接検出する検知器を使用
しなくて済み、走行モータの駆動制御が簡単とすること
ができる。
【0076】請求項3に記載の発明によれば、操作部を
操作した操作力の伝達経路上に弾性部材を介在させて弾
性部材の弾性変形により検知部と被検知部との相対間隔
を変更可能としたので、検知器と被検知部との相対間隔
が伝達力の大きさにほぼ比例することになり、検知器と
被検知部の検知タイミングのための位置調整を容易とす
ることができる。また、スプリングやゴム等の一般的な
弾性部材を用いれば構造を簡単とすることができるうえ
小型化を図ることができ、さらに部品コストを抑えるこ
ともできる。
【0077】請求項4に記載の発明によれば、操作部が
操作されていない状態で制動部が被制動体に圧接した状
態に付勢されている場合に、操作部が操作され始めた時
点が検知手段に素早く検知され、しかも検知手段の検知
に基づき直ちに走行モータが駆動等されても走行モータ
に過大な負荷がかかることを回避できる。
【0078】請求項5に記載の発明によれば、検知手段
が検知状態にあるときに限り走行モータは制御手段によ
り駆動されるので、いつも走行モータを制動部の圧接力
が所定値にまで緩和されてから駆動等させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アジャスタネジの側断面図。
【図2】制動装置の一部破断平面図。
【図3】走行モータに装備された制動装置の正面図。
【図4】制動装置の部分側面図。
【図5】リーチ式フォークリフトの部分斜視図。
【図6】別例のロッドの側断面図。
【図7】別例のペダルロッドの側断面図。
【図8】従来装置の部分側面図。
【図9】従来装置の部分斜視図。
【符号の説明】
1…車両としてのリーチ式フォークリフト、3…走行モ
ータ、9…制御手段としてのコントローラ、13…制動
装置、15…被制動体としてのブレーキディスク、16
…操作部としてのブレーキペダル、17…制動部として
のブレーキパッド、20a,20b…操作力伝達手段を
構成するアーム、26…同じくアジャスタネジ、27…
同じく支軸、28…同じくカム、30…同じく支軸、3
1…同じくリンク、32…同じくペダルロッド、33…
同じくブレーキシャフトレバー、34…同じく支軸、3
5…同じくリンクレバー、36…同じくロッド、37…
同じくカムレバー、45…検知手段を構成するとともに
検知器としてのリミットスイッチ、32b…検知手段を
構成する外筒、32c…検知手段を構成する内筒、36
a…検知手段を構成する外筒、36b…検知手段を構成
する内筒、46…同じく筒体、47…同じく押圧部材、
48…検知手段を構成するとともに被検知部としての被
検知部材、49…検知手段を構成するとともに緩衝手段
及び弾性部材としてのスプリング、50…同じくスプリ
ング、52…同じくスプリング、51,53…検知手段
を構成する被検知部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に設けられた走行モータの駆動力に
    基づき駆動する被制動体と、該被制動体に対して圧接・
    離間する範囲で移動可能に設けられた制動部と、該制動
    部を作動させるための操作部と、前記制動部を移動させ
    るべく該操作部の操作力を前記制動部に伝達する操作力
    伝達手段と、前記制動部が前記被制動体に圧接した制動
    状態が解除されたことを検知する検知手段とを備えた車
    両における制動装置において、 前記検知手段は、前記操作部の操作力が前記操作力伝達
    手段を伝わる伝達力から、前記被制動体に対する前記制
    動部の圧接力が所定値まで緩和されたことを検知する車
    両における制動装置。
  2. 【請求項2】 前記検知手段は、前記圧接力が所定値ま
    で緩和された時に信号を出力する検知器と、前記操作部
    の操作力が伝わる伝達経路上に介在されるとともに前記
    伝達力を一部吸収して変形可能な緩衝手段と、該緩衝部
    材の変形に応じて前記検知器との相対間隔を変更可能な
    被検知部とを備えている請求項1に記載の車両における
    制動装置。
  3. 【請求項3】 前記緩衝手段は、前記伝達力の一部を吸
    収して弾性変形する弾性部材を備えている請求項2に記
    載の車両における制動装置。
  4. 【請求項4】 前記制動部は、前記操作部が操作されて
    いない状態では前記被制動体に圧接した状態となるよう
    に付勢されている請求項1〜請求項3のいずれか一項に
    記載の車両における制動装置。
  5. 【請求項5】 前記検知手段が接続されるとともに、該
    検知手段が検知状態にあるときに限り前記走行モータを
    駆動させる制御手段を備えている請求項1〜請求項4の
    いずれか一項に記載の車両における制動装置。
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CN107601392A (zh) * 2017-09-22 2018-01-19 太仓市高泰机械有限公司 一种带有自动感应及自锁功能的简易式液压车

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