JPH052381Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は補助減速装置を備えた自動車に使用さ
れる流体制動装置を制御するための複式分配器に
関し、特に、制動ペダルを作動することにより移
動可能な制動用押圧部材を内蔵した本体と、この
本体に対する押圧部材の位置を検出するための電
気式センサ手段を備えた流体制御用複式分配器に
関するものである。

＜従来の技術＞ 一般に、大型車両あるいはトレーラ付車両は減
速装置と呼ばれる補助制動装置を備えている。こ
れは、例えば、車両を完全に停止させることなく
長時間下降する場合において、制動ライニングの
過熱及び摩耗を減少させるためである。この減速
装置は一般に電気力学的な渦電流を利用してい
る。

最近の補助減速装置のほとんどは、制動ペダル
を介して運転者が命令を出すことにより、自動的
に制御装置により作動する。このため、制動ペダ
ルあるいは制動ペダルにより制御される部材の位
置を検出することが必要である。

ドイツ特許公報DE−Ａ−2937657が開示してい
る複式分配器によれば、分配器の本体に接続され
たケーシング内に線形電位差計が設けられ、てこ
の作用で、分配器の制動用押圧部材は電位差計の
制御部材に対し作動自在に接続されている。

しかしながら、この従来技術の作動精度は、分
配器と電位差計の機械的構造及び組み立てにおけ
る公差、あるいは、電位差計の抵抗値に影響を与
える電気的公差により、ある程度損なわれてい
る。その結果、同一種類の二つの分配器の制動用
押圧部材が同一位置にあつても、それぞれの電位
差計は異なる指示を示すことがあつた。

＜考案の目的及び構成＞ そこで本考案は、制御すべき減速装置を作動す
るため、簡単かつ容易に、又、より正確に押圧部
材の位置、従つて、制動ペダルの位置を検出する
ことが可能な分配器を提供することを目的とす
る。

上記目的を達成するため、本考案に基づく分配
器は、電気式センサ手段が要部を有する線形電位
差計と、押圧部材の移動に伴い電位差計の作動を
制御するために要部に形成された開口を通し移動
可能な制御部材を備え、電位差計の作動は分配器
本体に対する押圧部材の位置に依存し、分配器は
押圧部材の基準位置に基づき電位差計の抵抗を校
正することが可能な調節手段を備えたことを特徴
とする。

＜実施例＞ 以下、本考案の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。

本考案の複式制御分配器１は、大型車両の運転
台の床面２の下部に設けられている。この分配器
１は支点４の回りに回動可能な制動ペダル３に圧
力が加えられることにより作動するものである。

分配器１は端部部材６，８及びこれに挟持され
る中間部材７により形成された本体５により構成
される。

大略円すい状の押圧部材９は、従来公知の方法
で分配器本体の中間部材７内部に設けられてお
り、この押圧部材９が下方に変位すると、分配器
を作動することとなる。

作動ロツド１０は床面２に形成された開口２ａ
及び分配器本体の上部６の中に延在している。作
動ロツド１０はその下端に、押圧部材９の空所に
嵌入する指部１０ａを備えている。制動ペダル３
は作動ロツド１０の上端面と当接する。

制動ペダル３を押下すると押圧部材９が下方に
移動することとなり、分配器を作動する。分配器
は従来公知のものが使用され、例えば、前後輪の
制動部材と連通する二つの圧力容器のそれぞれの
連結状態を制御する同軸上に配置された二つの弁
により構成される。この種の流体駆動分配器は、
例えば、本願と同じ出願人により1987年10月14日
に発行された欧州特許第0241437号に詳細に開示
されている。

分配器本体の上部６には押圧部材９の一部に面
する座部２０が設けられている。線形電位差計２
１はこの座部に内蔵されており、下端に開口を備
えた要部２２により構成されると共に、この開口
を通してスライドを駆動する作動部材２３が延在
している。図示されていないが、作動部材２３は
下方に弾性的に付勢されており、押圧部材９の上
面と当接している。

電位差計２１の要部２２の下端は、基部に開口
２５ａを備えたコツプ状部材２５上に設けられた
ワツシヤ２４に載置されており、この開口２５ａ
内に作動部材２３は延在している。コツプ状部材
２５の基部とワツシヤ２４の間には、座部２０の
上部壁に向かつてワツシヤ２４及びこれに伴つて
電位差計の要部２２を付勢するコイルばね２６が
介在している。この上部壁にはねじ穴２７が形成
されており、この中にグラブねじ２８がねじ込ま
れている。グラブねじ２８の下端は電位差計要部
２２のストツパとして作用する。グラブねじ２８
の軸方向の位置により、電位差計要部２２の軸方
向の位置は、スライドの動きを制御する作動部材
２３の軸方向の位置に対し変化することとなる。
従つて、グラブねじ２８を適当に位置決めするこ
とにより、電位差計２１の抵抗を校正することが
可能となり、その結果、所定の抵抗値が押圧部材
９の基準位置、例えば、図中に示される停止位置
に対応することとなる。

電位差計２１は３心ケーブル３０により制御装
置（図示せず）に連結されている。

作動中、制動ペダル３が押下されると、前記押
圧部材９が制動ペダル３の押下量に対応して下方
に移動する。その結果、電位差計２１のスライド
を制御する作動部材２３は押圧部材９の移動量に
対応して下方に移動し、こうして減速装置を制御
する装置により読み取られる抵抗値が変化するこ
ととなる。

尚、本考案は前記した実施例に限定されるべき
ものではなく、当業者には種々の変形が考えられ
る。このような変形は、本考案の趣旨から逸脱し
ない限り、本考案の範囲に含まれているものと解
すべきである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案にかかる制御用複式分配器の部分断
面側面図である。 図中、１……分配器、３……制動ペダル、５，
６，７，８……分配器本体、９……押圧部材、１
０……作動ロツド、２０……座部、２１……電位
差計、２２……電位差計要部、２３……作動部
材、２７……ねじ穴、２８……グラブねじ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 制動ペダル３を作動することにより移動可能
   な制動用押圧部材９を内蔵する本体５−８と、
   該本体５−８に対する押圧部材９の位置を検出
   するための電気式センサ手段２１を備えた流体
   制動装置制御用複式分配器において、上記電気
   式センサ手段は要部２２を有する線形電位差計
   ２１と、上記押圧部材９の移動に伴い電位差計
   ２１の作動を制御するために要部２２に形成さ
   れた開口を通し移動可能な制御部材２３を備
   え、電位差計２１の作動は分配器本体５−８に
   対する押圧部材９の位置に依存し、分配器１は
   押圧部材９の基準位置に基づき電位差計２１の
   抵抗を校正することが可能な調節手段２６−２
   ８を備えたことを特徴とする補助減速装置付自
   動車の流体制動装置制御用複式分配器。 (2) 上記電位差計２１は上記押圧部材９の上方で
   上記分配器本体５−８内に設けられていること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に
   記載の補助減速装置付自動車の流体制動装置制
   御用複式分配器。 (3) 上記電位差計２１の上記作動部材２３は上記
   押圧部材９に対し弾性的に付勢されていること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第２項に
   記載の補助減速装置付自動車の流体制動装置制
   御用複式分配器。 (4) 上記電位差計２１の要部２２は上記分配器１
   の本体５−８内部の調節可能な位置に設けられ
   ていることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項に記載の補助減速装置付自動車の流体
   制動装置制御用複式分配器。 (5) 上記電位差計２１の要部２２は上記分配器１
   の本体５−８に形成された座部２０内部におい
   て軸方向に移動可能に設けられ、上記電位差計
   ２１の要部２２を座部２０の上部壁に対し付勢
   する弾性手段と、電位差計２１の要部を軸方向
   における調節可能な位置に固定すべ上部壁にお
   いて軸方向に調節可能に設けられた停止手段２
   ８を更に備えたことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第４項に記載の補助減速装置付自動
   車の流体制動装置制御用複式分配器。 (6) 上記停止手段は上記座部２０の上部壁に形成
   されたねじ穴２７にねじ込まれたグラブねじ２
   ８により構成されていることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第５項に記載の補助減速装
   置付自動車の流体制動装置制御用複式分配器。