JPH09118670A - 1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの製造法 - Google Patents

1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの製造法

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JPH09118670A
JPH09118670A JP27774195A JP27774195A JPH09118670A JP H09118670 A JPH09118670 A JP H09118670A JP 27774195 A JP27774195 A JP 27774195A JP 27774195 A JP27774195 A JP 27774195A JP H09118670 A JPH09118670 A JP H09118670A
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JP
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acid
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hydroxybenzotriazole
mol
sulfonic acid
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JP27774195A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Maekawa
司 前川
Hiroyasu Hayashi
宏康 林
Seiya Nomizu
誠也 野水
Akinori Oka
昭範 岡
Keiichiro Ishikawa
圭一郎 石川
Yoshinobu Abe
吉伸 阿部
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、原料化合物の選択、反応方法、分
離精製手段、回収手段、コスト等の諸項目を含む総合的
な観点から、工業的に極めて有利な1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾールの製造法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ールの製造法は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−
6−スルホン酸に酸を作用させて脱スルホン化すること
を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾールの新規な製造法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾールは、各種金属、特に鋼板の防錆剤として広
く使用され、また医薬品の原料としても使用されている
有用な化合物である。
【0003】従来から、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール(以下特に断わらない限り「1−HOB」という)
は、オルトクロルニトロベンゼンと大過剰(通常5〜1
0倍モル量程度)のヒドラジンヒドラートとを加熱下に
反応させることにより製造されている。この方法によれ
ば、90%以上の収率で1−HOBを得ることができる
が、1−HOBと共にオルトクロルアニリンが副生し、
且つ未反応のヒドラジンヒドラートが多量に残存するた
め、1−HOBの分離精製には非常に煩雑な操作が必要
になる。
【0004】また、ヒドラジンヒドラートが高価な化合
物であるために、通常は回収工程が設けられているが、
回収工程は著しく複雑であり、加えて長時間を要する。
尚、この方法において大過剰のヒドラジンヒドラートを
用いるのは、その使用量が少ないとオルトクロルアニリ
ンが極めて多量に副生し、目的物である1−HOBの収
率が著しく低下したり又はその精製がより一層困難にな
るためである。
【0005】更に、他方の原料であるオルトクロルニト
ロベンゼンはニトロベンゼンを塩素化することにより製
造されるが、その際60%以上の割合でパラクロルニト
ロベンゼンが副生するため、オルトクロルニトロベンゼ
ンの使用は必然的にコストアップにつながる。
【0006】上述したように、従来の1−HOBの製造
法は、収率だけを見れば満足できるが、精製、回収、コ
スト等を含めた総合的な観点からは不十分な方法であ
り、工業的には不利な方法である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、従来の1−HOBの
製造法とは全く異なった方法を見い出し、ここに本発明
を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、1−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール−6−スルホン酸に酸を作用させて脱スルホン
化することを特徴とする1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ールの製造法に係る。
【0009】本発明によれば、1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール−6−スルホン酸(以下特に断わらない限り
「1−HOBS」という)に酸を作用させるという非常
に簡単な方法により、従来法と同様に90%以上の高収
率で1−HOBを製造できる。その上、副生物の生成が
実質的になく1−HOBの分離精製が極めて容易であ
り、且つヒドラジンヒドラートを用いないので、複雑な
精製工程や回収工程を設ける必要がない。また、非常に
安価な化合物から非常に高収率で製造できる1−HOB
Sを原料として用い、且つ前述のように高価なヒドラジ
ンヒドラートやオルトクロルニトロベンゼンを用いない
ので、製造コストが著しく低くなる。従って、本発明の
方法は、原料化合物の選択、反応方法、分離精製手段、
回収手段、コスト等の諸項目を含む総合的な観点から、
工業的に極めて有利な方法である。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明によれば、下記反応行程式
−1に示すように、1−HOBS(2)に酸を作用させ
て脱スルホン化することにより、1−HOB(1)を製
造することができる。
【0011】
【化1】
【0012】1−HOBS(2)と酸との反応は、溶媒
中又は無溶媒下にて、必要に応じて撹拌しながら、加熱
又は加熱還流することにより行われる。
【0013】原料化合物である1−HOBS(2)は、
公知の化合物である。尚、本発明では、1−HOBS
(2)の無機酸塩及び有機酸塩を用いることもできる。
【0014】1−HOBS(2)と反応させる酸として
は特に制限されず、公知の無機酸及び有機酸が使用でき
る。その中でも無機酸が好ましく、硫酸、リン酸、塩酸
等が特に好ましい。酸は濃度が100%のものを用いて
もよいし、又は水等の公知の希釈剤により適当な濃度と
したものを用いてもよい。酸は1種を単独で使用でき又
は2種以上を併用できる。酸の使用量は特に制限され
ず、使用する酸の種類等に応じて広い範囲から適宜選択
できるが、通常1−HOBS(2)の1モルに対して、
0.01〜100モル程度、好ましくは0.1〜20モ
ル程度とすればよい。
【0015】また溶媒を使用する場合、その具体例とし
ては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル
類、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホル
ムアミド等の非プロトン性極性溶媒等や、これらの2種
以上の混合溶媒等を挙げることができる。溶媒の使用量
は特に制限されず、広い範囲から選択できるが、通常1
−HOBS(2)の1モルに対して1〜100モル程
度、好ましくは5〜20モル程度とすればよい。
【0016】更に、本反応には、反応を促進させるため
の触媒を使用することができる。該触媒としては、脱ス
ルホン化に用いられる公知のものが使用でき、例えば、
亜鉛、銅等の金属粉、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸銅等の
金属塩類、臭化ナトリウム、臭化カリウム、沃化ナトリ
ウム等のハロゲン化物等を挙げることができる。該触媒
は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。触
媒の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択で
きるが、経済性等を考慮すると化学量論量付近とすれば
よい。
【0017】本反応における反応温度及び時間は特に制
限されず、広い範囲から適宜選択することができるが、
通常室温〜150℃程度、好ましくは80〜140℃程
度の温度下に行われ、通常0.5〜10時間程度、好ま
しくは1〜3時間程度で終了する。
【0018】このようにして製造される1−HOB
(1)は、塩析、共沈、濾過等の非常に簡便な公知の分
離手段に従って分離精製することができる。尚、本発明
の方法によれば、1−HOBは1水和物の形態で得られ
るが、このものは加熱等の通常の手段により容易に1−
HOBに導くことができる。
【0019】尚、本発明方法の原料化合物である1−H
OBS(2)は、従来の製造法とは異なった新規な方法
によって製造することもできる。該製造法によれば、安
価な原料を用い、非常に簡便な反応方法により、90%
以上の高収率且つ低コストで1−HOBS(2)を製造
することができる。
【0020】即ち該製造法は、下記反応行程式−2に示
すフェニル尿素−4−スルホン酸(4)をニトロ化して
2−ニトロ−フェニル尿素4−スルホン酸(3)を得る
第一工程、下記反応行程式−3に示す2−ニトロ−フェ
ニル尿素−4−スルホン酸(3)を塩素化した後アルカ
リ剤と反応させて1−HOBS(2)を得る第二工程を
包含する。
【0021】
【化2】
【0022】上述のように、第一工程においては、フェ
ニル尿素−4−スルホン酸(4)をニトロ化する。
【0023】原料化合物であるフェニル尿素−4−スル
ホン酸(4)は公知の化合物であり、例えば、アニリン
と尿素を反応させてフェニル尿素を得、これに硫酸等の
スルホン化剤を作用させることにより製造できる。尚、
フェニル尿素−4−スルホン酸(4)は、その無機酸塩
及び/又は有機酸塩を用いることもできる。
【0024】フェニル尿素−4−スルホン酸(4)をニ
トロ化するに際しては、公知の方法が採用でき、例え
ば、ニトロ化剤を反応させる方法等を挙げることができ
る。フェニル尿素−4−スルホン酸(4)とニトロ化剤
との反応は、通常溶媒中又は無溶媒下にて、必要に応じ
て撹拌しながら、加熱又は加熱還流下に行われる。
【0025】ニトロ化剤としては、特に制限されず公知
のものが使用できるが、例えば、硝酸、混酸(例えば硝
酸と硫酸の混合物等)、金属硝酸塩、硝酸アセチル、ニ
トロニウム塩等が特に好ましい。ニトロ化剤として酸を
用いる場合、酸は100%濃度のものを用いてもよく又
は水等の希釈剤で適当な濃度に希釈して用いてもよい。
ニトロ化剤は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用
できる。ニトロ化剤の使用量は特に制限されず、使用す
るニトロ化剤の種類等に応じて広い範囲から適宜選択で
きるが、通常フェニル尿素−4−スルホン酸(4)1モ
ルに対して1〜5モル程度、好ましくは1〜1.5モル
程度とすればよい。
【0026】また溶媒を使用する場合、溶媒の具体例と
しては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール類、1,4−ジオキサン等
のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、塩化メ
チレン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン等の芳香族
炭化水素類等を挙げることができる。
【0027】本反応は、通常0〜100℃程度、好まし
くは0〜30℃程度の温度下に行われ、通常0.5〜2
4時間程度、好ましくは3〜12時間程度で終了する。
【0028】本工程では、2−ニトロ−フェニル尿素−
4−スルホン酸(3)を95%以上の高収率で製造する
ことができる。
【0029】
【化3】
【0030】第二工程では、上記の第一工程で得られる
2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸(3)を塩
素化した後、アルカリ剤と反応させることにより、1−
HOBS(2)を製造する。
【0031】2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン
酸(3)の塩素化は、公知の方法に従って行うことがで
きる。例えば、反応系内に塩素ガスを導入する方法、反
応系に塩素化剤を添加する方法等を挙げることができ
る。塩素ガスを導入する場合、その使用量は特に制限さ
れないが、通常2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホ
ン酸(3)1モルに対して0.1〜1モル程度、好まし
くは0.5〜1モル程度とすればよい。またその際の反
応温度は通常−5〜30℃程度、好ましくは0〜10℃
程度とすればよい。塩素ガス導入により瞬時に反応は終
了するが、反応を完全に進行させるために通常5時間程
度、好ましくは1時間程度そのまま保持しておくのがよ
い。一方塩素化剤を添加する場合、該塩素化剤の具体例
としては、例えば、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、t−
ブチルハイポクロリド、N−クロロスクシンイミド等を
挙げることができ、これらのうちの1種を単独で使用で
き又は2種以上を併用できる。塩素化剤の使用量はその
種類等に応じて広い範囲から適宜選択できるが、通常2
−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸(3)1モル
に対して0.1〜1モル程度、好ましくは0.5〜1モ
ル程度とすればよい。この時、反応は、通常0〜100
℃程度、好ましくは0〜25℃程度の温度下に行われ
る。この反応も、塩素化剤導入により瞬時に反応は終了
するが、反応を完全に進行させるために通常10時間程
度、好ましくは1時間程度そのまま保持しておくのがよ
い。いずれの場合にも、反応は適量の溶媒中又は無溶媒
下に、必要に応じて撹拌しながら行われる。溶媒を用い
る場合、該溶媒としては、例えば、水、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、
1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等
のニトリル類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素
類、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムア
ミド等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができ
る。この反応により、2−ニトロ−フェニルクロル尿素
−4−スルホン酸(3a)が得られる。
【0032】次いで、2−ニトロ−フェニルクロル尿素
−4−スルホン酸(3a)とアルカリ剤とを反応させる
ことにより、化合物(3b)を介して1−HOBS
(2)を製造することができる。本反応は、通常溶媒中
又は無溶媒下に、必要に応じて撹拌しながら、好ましく
は加熱又は加熱還流下に行われる。
【0033】ここで2−ニトロ−フェニルクロル尿素−
4−スルホン酸(3a)には、その有機酸塩及び無機酸
塩も包含される。
【0034】またアルカリ剤としては公知のものが使用
でき、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ
土類金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属
炭酸水素塩、トリエチルアミン、ピリジン等の第三級ア
ミン類等を挙げることができる。アルカリ剤は水等の適
当な希釈剤で適当な濃度に希釈して用いてもよい。アル
カリ剤は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用でき
る。アルカリ剤の使用量は特に制限されず広い範囲から
適宜選択できるが、通常2−ニトロ−フェニルクロル尿
素−4−スルホン酸(3a)1モルに対して、3〜10
モル程度、好ましくは5〜8モル程度とすればよい。
【0035】更に溶媒を用いる場合、その具体例として
は、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール類、1,4−ジオキサン等
のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチ
ルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等等を挙げる
ことができる。
【0036】本反応は、通常0〜100℃程度、好まし
くは25〜50℃程度の温度下に行われる。この反応
は、アルカリ剤と混合した時に瞬時に終了するが、反応
を完全に進行させるために通常10時間程度、好ましく
は1時間程度そのまま保持しておくのがよい。
【0037】上記各行程で得られる目的化合物は、塩
析、共沈、濾過等の分離精製手段により容易に単離精製
することができる。又は、生成した目的化合物を含む反
応混合物をそのまま次行程の原料として用いることもで
きる。
【0038】
【実施例】以下に参考例及び実施例を挙げ、本発明を具
体的に説明する。
【0039】参考例1(フェニル尿素の合成) (A)温度計、還流冷却器及び撹拌機を取り付けた四つ
口フラスコ(500ml)に、尿素90g(1.50モ
ル)、アニリン塩酸塩39g(0.30モル)及び水3
00gを加え、約3時間加熱還流した。反応中に析出す
る白色結晶を熱時に濾別した後、濾液を5℃以下に冷却
した。新たに析出する結晶を濾別し、乾燥することによ
り白色結晶を得た。
【0040】この結晶については、NMR、IR、融
点、マススペクトル、高速液体クロマトグラフィーの分
析を行った結果、別途合成したフェニル尿素標品と一致
し、同定・確認した。この反応の収量は28.56g
(0.21モル)であり、収率は70%であった。収率
はモル%であり、以下同様とする。
【0041】(B)温度計及び撹拌機を取り付けた四つ
口フラスコ(300ml)に、シアン酸ナトリウム2
1.45g(0.33モル)とアニリン27.9g
(0.30モル)及び水150gを加え、50℃に加熱
した。この中に20%塩酸60.2g(0.33モル)
を約1時間かけて滴下し、更に50℃にて約1時間撹拌
した。5℃まで冷却し、析出する結晶を濾別した後、乾
燥することによりフェニル尿素の白色結晶を得た。収量
は36.7g(0.27モル)であり、収率は90%で
あった。
【0042】参考例2〜15(2−ニトロ−フェニル尿
素−4−スルホン酸(3)の合成) 尚、参考例3〜15の収率は、得られた化合物の結晶の
重量及び高速液体クロマトグラフィー分析により算出し
た。
【0043】参考例2 温度計及び撹拌機を取り付けた四つ口フラスコに、98
%硫酸300g(3.00モル)を加え、これにフェニ
ル尿素81.6g(0.6モル)を50℃を越えないよ
う冷却しながら徐々に添加した。50℃にて5時間スル
ホニル化反応した後、20℃以下に冷却し、下記に示す
方法で調製した混酸137.1gを20℃を越えないよ
う冷却しながら徐々に添加した。室温(25℃)にて1
2時間反応した後、析出した黄色微細結晶をガラスフィ
ルターにて濾別し、乾燥することにより黄色結晶を得
た。
【0044】この結晶については、NMR、IR、マス
スペクトルの分析及び下記に示すo−ニトロ−アニリン
への誘導体化により、2−ニトロ−フェニル尿素−4−
スルホン酸であると同定・確認した。この反応の収量は
150.3g(0.58モル)であり、収率は96%で
あった。
【0045】[混酸の調製]混酸は、温度計及び撹拌機
を取り付けた四つ口フラスコ(200ml)に98%硫
酸72.0g(0.72モル)を加え、これに61%硝
酸65.1g(0.63モル)を20℃を越えないよう
冷却しながら徐々に添加して調製した。
【0046】[o−ニトロ−アニリンへの誘導体化法]
温度計、還流冷却器及び撹拌機を取り付けた四つ口フラ
スコ(300ml)に、参考例2で得られた結晶20.
0g(2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸とし
て0.0766モル)及び水50g、更に98%硫酸5
0gを加え、加熱還流下(112℃)にて24時間反応
行った。冷却後、水100gを加え、48%水酸化ナト
リウム水溶液にてpH 9−10まで中和した。析出す
る結晶を濾別し、乾燥することにより黄赤色結晶を得
た。
【0047】この結晶については、NMR、IR、マス
スペクトル、融点、高速液体クロマトグラフィーの分析
を行った結果、別途合成したo−ニトロ−アニリン標品
と一致し、同定・確認した。
【0048】参考例3〜4 混酸中の硫酸使用量を表1に記載している量に変更した
以外は参考例2と同様の方法で反応を行った。得られた
2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸の収率を表
1に併せて示した。
【0049】
【表1】
【0050】参考例5〜6 スルホニル化の反応温度を表2に記載している温度に変
更した以外は参考例2と同様の方法で反応を行った。得
られた2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸の収
率を表2に併せて示した。
【0051】
【表2】
【0052】参考例7〜8 スルホニル化の反応時間を表3に記載している時間に変
更した以外は参考例2と同様の方法で反応を行った。得
られた2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸の収
率を表3に併せて示した。
【0053】
【表3】
【0054】参考例9〜10 混酸中の硝酸使用量を表4に記載している量に変更した
以外は参考例2と同様の方法で反応を行った。得られた
2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸の収率を表
4に併せて示した。
【0055】
【表4】
【0056】参考例11〜12 ニトロ化の反応温度を表5に記載している温度に変更し
た以外は参考例2と同様の方法で反応を行った。得られ
た2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸の収率を
表5に併せて示した。
【0057】
【表5】
【0058】参考例13〜14 ニトロ化の反応時間を表6に記載している時間に変更し
た以外は参考例2と同様の方法で反応を行った。得られ
た2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸の収率を
表6に併せて示した。
【0059】
【表6】
【0060】参考例15 ニトロ化剤として、混酸の代わりに硝酸(60%)を使
用する以外は参考例2と同様の方法で反応を行った(硝
酸使用量は表7に記載した)。得られた2−ニトロ−フ
ェニル尿素−4−スルホン酸の収率を表7に併せて示し
た。
【0061】
【表7】
【0062】参考例16〜36(1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール−6−スルホン酸−7−の合成) 尚、参考例17〜36の収率は、得られた化合物の結晶
の重量及び高速クロマトグラフィー分析により算出し
た。
【0063】参考例16 ガス導入用焼結フィルターと温度計及び撹拌機を取り付
けた四つ口フラスコ(100ml)に、2−ニトロ−フ
ェニル尿素−4−スルホン酸8.61g(0.033モ
ル)及び水50gを加え、5℃以下に冷却した。液中に
塩素ガス2.13g(0.030モル)を5℃を越えな
いよう冷却しながら30分かけて導入し、更に5℃にて
10分間撹拌して塩素化熟成を行った。反応後、得られ
たクロル尿素体溶液をヨウ素滴定にて分析したところ、
有効塩素濃度は3.46%であり、これは収率99%に
相当した。
【0064】次に温度計及び撹拌機を取り付けた四つ口
フラスコ(200ml)に、17.7%水酸化ナトリウ
ム溶液47.5g(0.21モル)を加え、50℃に加
温した。この中へ、上記方法にて合成したクロル尿素体
冷溶液60.74g を30分かけて徐々に滴下し、5
0℃にて1時間撹拌して熟成した。冷却後、98%硫酸
を用いてpHを1以下に調整すると、微褐色結晶が析出
した。これを濾別後、乾燥することにより微褐色結晶を
得た。
【0065】この結晶については、融点、NMR、I
R、UVスペクトル、マススペクトル、高速液体クロマ
トグラフィー、電気泳動の分析を行った結果、別途合成
した1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6−スルホン
酸標品と完全に一致し、同定・確認した。この反応の収
量は6.19g(0.0288モル)であり、収率は9
6%であった。
【0066】参考例17 温度計及び撹拌機を取り付けた四つ口フラスコ(200
ml)に、17.7%水酸化ナトリウム溶液47.5g
(0.21モル)を加え、5℃に冷却した。この中へ、
参考例16と同様方法にて合成したクロル尿素体冷溶液
60.74gを、30分かけて5℃を越えないよう冷却
しながら徐々に滴下した。滴下終了後、四つ口フラスコ
を予め120℃に加熱した油浴へ浸け、短時間昇温し、
加熱還流下にて1時間撹拌した。反応終了後は、参考例
16と同様方法にて処理を行った。得られた1−ヒドロ
キシベンゾトリアゾール−6−スルホン酸の収率は95
%であった。
【0067】参考例18 温度計、加熱還流器及び撹拌機を取り付けた四つ口フラ
スコ(200ml)に、17.7%水酸化ナトリウム溶
液47.5g(0.21モル)を加え、100℃に加温
した。この中へ、参考例25と同様方法にて合成したク
ロル尿素体冷溶液60.74g を瞬時に添加し、加熱
還流下にて1時間撹拌した。反応終了後は、参考例16
と同様方法にて処理を行った。得られた1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール−6−スルホン酸の収率は92%で
あった。
【0068】参考例19 温度計、加熱還流器及び撹拌機を取り付けた四つ口フラ
スコ(200ml)に、参考例16と同様方法にて合成
したクロル尿素体冷溶液60.74gを加え、5℃に冷
却した。この中へ、17.7%水酸化ナトリウム溶液4
7.5g(0.21モル)を30分かけて5℃を越えな
いよう冷却しながら徐々に滴下した。滴下終了後、四つ
口フラスコを予め120℃に加熱した油浴へ浸け、短時
間昇温し、加熱還流下にて1時間撹拌した。反応終了後
は、参考例16と同様方法にて処理を行った。得られた
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6−スルホン酸の
収率は70%であった。
【0069】参考例20 温度計及び撹拌機を取り付けた四つ口フラスコ(100
ml)に、2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸
8.61g(0.033モル)及び水50gを加え、5
℃以下に冷却した。この中に、有効塩素濃度12.68
%次亜塩素酸ナトリウム16.8g(0.030モル)
を5℃を越えないよう冷却しながら30分かけて滴下
し、更に5℃にて10分間撹拌した。反応後、得られた
クロル尿素体溶液をヨウ素滴定にて分析したところ、有
効塩素濃度は2.80%であり、これは収率99%に相
当した。
【0070】次に、温度計及び撹拌機を取り付けた四つ
口フラスコ(200ml)に、17.7%水酸化ナトリ
ウム溶液33.9g(0.15モル)を加え、50℃に
加温した。この中へ、上記方法にて合成したクロル尿素
体冷溶液60.74gを30分かけて徐々に滴下し、5
0℃にて1時間撹拌した。反応終了後は、参考例16と
同様方法にて処理を行った。得られた1−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール−6−スルホン酸の収率は94%であ
った。
【0071】参考例21 温度計及び撹拌機を取り付けた四つ口フラスコ(100
ml)に、2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸
8.61g(0.033モル)及び水50gを加え、5
℃以下に冷却した。この中に、tert−ブチルハイポ
クロライド3.26g(0.030モル)を5℃を越え
ないよう冷却しながら30分かけて滴下し、更に5℃に
て90分間撹拌した。反応後、得られたクロル尿素体溶
液をヨウ素滴定にて分析したところ、有効塩素濃度は
3.41%であり、これは収率99%に相当した。
【0072】次に、温度計及び撹拌機を取り付けた四つ
口フラスコ(200ml)に、17.7%水酸化ナトリ
ウム溶液40.7g(0.18モル)を加え、50℃に
加温した。この中へ、上記方法にて合成したクロル尿素
体冷溶液60.74gを30分かけて徐々に滴下し、5
0℃にて1時間撹拌した。反応終了後は、参考例16と
同様方法にて処理を行った。得られた1−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール−6−スルホン酸の収率は95%であ
った。
【0073】参考例22 アルカリ剤として水酸化ナトリウム溶液に代えて炭酸ナ
トリウム溶液を用い、炭酸ナトリウムの使用量をモル比
(炭酸ナトリウム/酸化剤)7とする以外は参考例16
と同様の方法で反応を行った。得られた1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール−6−スルホン酸の収率は91%で
あった。
【0074】参考例23〜24 2−ニトロ−フェニル尿素−4−スルホン酸(表8にお
いては単に「スルホン酸」という)の使用量を表8に記
載している量に変更した以外は参考例16と同様の方法
で反応を行った。得られた1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール−6−スルホン酸の収率を表8に併せて示した。
【0075】
【表8】
【0076】参考例25〜26 水酸化ナトリウムの使用量を表9に記載している量に変
更した以外は参考例16と同様の方法で反応を行った。
得られた1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6−スル
ホン酸の収率を表9に併せて示した。
【0077】
【表9】
【0078】参考例27〜28 塩素導入時反応温度を表10に記載している温度に変更
した以外は参考例16と同様の方法で反応を行った。得
られた1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6−スルホ
ン酸の収率を表10に併せて示した。
【0079】
【表10】
【0080】参考例29〜30 塩素化熟成時間を、60分(参考例29)又は180分
(参考例30)に変更する以外は参考例16と同様の方
法で反応を行った。得られた1−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール−6−スルホン酸の収率はそれぞれ95%(参
考例29)、94%(参考例30)であった。
【0081】参考例31〜33 クロル尿素体冷溶液を滴下し熟成する温度を70℃(参
考例31)、100℃(参考例32)又は25℃(参考
例33)とする以外は参考例16と同様の方法で反応を
行った。得られた1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−
6−スルホン酸の収率はそれぞれ95%(参考例3
1)、93%(参考例32)、89%(参考例33)で
あった。
【0082】参考例34〜36 クロル尿素体冷溶液を滴下した後の熟成時間を1分(参
考例34)、10分(94%)又は180分(95%)
とする以外は参考例16と同様の方法で反応を行った。
得られた1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6−スル
ホン酸の収率はそれぞれ94%(参考例34)、94%
(参考例35)、95%(参考例36)であった。
【0083】実施例1〜13(1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール(1)の合成) 尚、実施例2〜13の収率については、得られた結晶の
重量及び高速液体クロマトグラフィー分析により求め
た。
【0084】実施例1 温度計、加熱還流器及び撹拌機を取り付けた四つ口フラ
スコ(100ml)に、50%硫酸50.0gと1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール−6−スルホン酸4.30
g(0.02モル)を加え、120℃にて3時間反応し
た。反応終了後、5℃まで冷却すると白色結晶が析出し
た。この結晶を濾別後、乾燥することにより白色結晶を
得た。
【0085】この結晶については、融点、NMR、I
R、UVスペクトル、マススペクトル、高速液体クロマ
トグラフィーの分析を行った結果、別途合成した1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール2.48g(0.0184
モル)標品と完全に一致し、同定・確認した。この反応
の収量は6.19g(0.0288モル)であり、収率
は96%であった。
【0086】実施例2〜3 50%硫酸に代えて70%リン酸(実施例2)又は35
%塩酸(実施例3)を使用する以外は、実施例1と同様
の方法で反応を行った。得られた1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾールの収率はそれぞれ88%(実施例2)、8
5%(実施例3)であった。
【0087】実施例4〜7 触媒として表11に記載した化合物を添加した以外は、
実施例1と同様の方法で反応を行った。尚、触媒の使用
量は0.1(モル比、触媒/原料化合物である1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール−6−スルホン酸)である。
得られた1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの収率を表
11に併せて示した。
【0088】
【表11】
【0089】実施例8〜11 反応温度を表12の通り変更した以外は、実施例1と同
様の方法で反応を行った。得られた1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾールの収率を表12に併せて示した。尚、実
施例11は加圧下に反応を行った。
【0090】
【表12】
【0091】実施例12〜13 反応時間を1時間(実施例12)又は6時間(実施例1
3)とする以外は、実施例1と同様の方法で反応を行っ
た。得られた1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの収率
はそれぞれ85%(実施例12)、92%(実施例1
3)であった。
【0092】実施例14 温度計及び撹拌機を取り付けた四つ口フラスコ(200
ml)に、17.7%水酸化ナトリウム溶液47.5g
(0.21モル)を加え、50℃に加温した。この中
へ、実施例15と同様の方法にて合成したクロル尿素体
冷溶液60.74gを30分かけて徐々に滴下し、50
℃にて1時間撹拌した。続けて、98%硫酸100g
(1.0モル)を添加し、加熱還流下にて3時間反応し
た。反応溶液を5℃まで冷却すると、結晶が析出した。
この結晶を濾別後、乾燥することにより白色結晶を得
た。
【0093】この結晶については、融点、NMR、I
R、UVスペクトル、マススペクトル、高速液体クロマ
トグラフィーの分析を行った結果、別途合成した1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール2.48g(0.0184
モル)標品と完全に一致し、同定・確認した。この反応
の収量は3.60g(0.0267モル)であり、収率
は89%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 昭範 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島工場内 (72)発明者 石川 圭一郎 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島工場内 (72)発明者 阿部 吉伸 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6
    −スルホン酸に酸を作用させて脱スルホン化することを
    特徴とする1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの製造
    法。
  2. 【請求項2】 酸が硫酸、リン酸及び塩酸から選ばれる
    少なくとも1種である請求項1に記載の製造法。
JP27774195A 1995-10-25 1995-10-25 1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの製造法 Pending JPH09118670A (ja)

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