JP4297837B2 - フッ化フェニレンジアミンの製造方法 - Google Patents
フッ化フェニレンジアミンの製造方法 Download PDFInfo
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Description
本発明では、上記式(1)で示すジアミドに対し、水酸化ナトリウムと塩素との混合液の作用によって二酸化炭素を失いアミンを生成するいわゆるホフマン転位を行い、目的物たる式(2)で示すジアミンを製造するものである。ここに、水酸化ナトリウムと塩素との混合液から容易にNaOClが形成される点に着目し、式(1)で示すジアミドに対するNaOCl量と残存するNaOH量との関係、およびホフマン転位におけるNaOClとNaOHとの作用を詳細に調査した結果、NaOX/ジアミド比が2.0〜6.0となる量のNaOXと、NaOH/ジアミド比が1.8〜6.0となる量のNaOHとを反応させる工程を設けることで、式(2)式で示すフッ化フェニレンジアミンを高収率で製造するものである。本発明では、XがClである場合を例にすると、以下の反応式に従って式(1)のジアミドから式(2)のジアミンが形成されると考えられる。なお、下記式において、Y、mおよびlは式(1)の定義と同一である。
1L容の3つ口フラスコに、純水63.08gと98%硫酸1048.74gを入れ攪拌し、92%硫酸を調整した。この溶液を内温が80℃になるまで昇温した後、内温が90から100℃を保つように冷却しながら、テトラフルオロイソフタロニトリル350.13g(1.75mol)を少量ずつ添加した。全量を添加後、内温を90から100℃に保ち1時間攪拌を行った後、30℃まで冷却した。次に、3L容のビーカーに氷を1400g入れ、この反応溶液を、内温が60℃を超えないようにゆっくりと滴下した。滴下終了後20℃まで冷却し、20℃で1時間保持した。析出した白色固体をろ過し、水1000gで洗浄した後、乾燥させ、407.95g(1.73mol)のテトラフルオロイソフタルアミドを白色固体として得た(収率98.8%)。
テトラフルオロイソフタロニトリルの替わりに、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル757.92g(3.5mol)を用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、876.45g(3.47mol)の5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタルアミドを白色固体として得た(収率99.0%)。
1L容の三ツ口フラスコに、水197gと25%NaOH26.91g(168.2mmol)を入れ、0℃まで冷却した。さらに24.95%NaClO83.53g(280mmol)を入れ、0℃まで冷却した。次に、内温が5℃以下を保つように、合成例1で得たテトラフルオロイソフタルアミド16.7652g(71mmol)を徐々に添加し、添加終了後5℃以下で1時間攪拌を行った。次に、この反応溶液に水390gを加え希釈し、60〜70℃に加熱して1時間攪拌を行った後、30℃に冷却した。冷却終了後、25%NaOHを加えてpHを9に調整した。この溶液にトルエンを260g入れ、15分間攪拌抽出を行った。その後10分間静置し分液した後、上層のトルエン層をエバポレーターで乾固させたところ、赤茶色固体11.60gを得た。この赤茶色固体にトルエンを加え、全体量を22.4gとした後、80℃以上に昇温し固体を完全溶解させた。この溶液を15℃まで除冷し、15℃で1時間静置させた。析出した茶色固体をろ過し、10gの冷トルエンで洗浄した後、乾燥させ、7.94g(44.1mmol)のテトラフルオロ−m−フェニレンジアミンを茶色固体として得た(収率63%)。なお、ガスクロマトグラフィーによる純度は、99.99%であった。
5L容の三ツ口フラスコに、水650gと25%NaOH153.6g(960mmol)を入れ、0℃まで冷却した。さらに12.40%NaClO960.52g(1600mmol)を入れ、0℃まで冷却した。次に、内温が5℃以下を保つように、合成例1で得たテトラフルオロイソフタルアミド95.65g(405.1mmol)を徐々に添加し、添加終了後5℃以下で1時間攪拌を行った。次に、この反応溶液に水2210gを加え希釈し、60〜70℃に加熱して1時間攪拌を行った後、30℃に冷却した。冷却終了後、25%NaOHを加えてpHを14に調整したところ、茶色固体が析出した。析出した固体をろ過し、純水で洗浄後、乾燥させたところ、54.4g(302.1mmol)のテトラフルオロ−m−フェニレンジアミンを茶色固体として得た(収率75.5%)。なお、ガスクロマトグラフィーによる純度は、99.99%であった。
1L容の三ツ口フラスコに、水100gと25%NaOH23.07g(144mmol)を入れ、0℃まで冷却した。さらに12.36%NaClO144.54g(240mmol)を入れ、0℃まで冷却した。次に、内温が5℃以下を保つように、合成例2で得た5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタルアミド15.4171g(61mmol)を徐々に添加し、添加終了後5℃以下で1時間攪拌を行った。次に、この反応溶液に水345gを加え希釈し、60〜70℃に加熱して1時間攪拌を行った後、30℃に冷却した。冷却終了後、25%NaOHを加えてpHを9に調整した。この溶液にトルエンを260g入れ、15分間攪拌抽出を行った。その後10分間静置し分液した後、上層のトルエン層をエバポレーターで乾固させたところ、赤茶色固体10.61gを得た。この赤茶色固体にトルエンを加え、全体量を21.47gとした後、80℃以上に昇温し固体を完全溶解させた。この溶液を15℃まで除冷し、15℃で1時間静置させた。析出した茶色固体をろ過し、10gの冷トルエンで洗浄した後、乾燥させ、9.51g(48.4mmol)の5−クロロ−2,4,6,−トリフルオロ−m−フェニレンジアミンを茶色固体として得た(収率80.7%)。なお、ガスクロマトグラフィーによる純度は、99.81%であった。
実施例1で得たテトラフルオロ−m−フェニレンジアミン0.3gをアセトニトリルに溶かし全体量を3gとした。分光光度計により、この溶液の可視部での吸光度を測定したところ、波長450nmでのモル吸光係数は1.649(l/mol・cm)であった。
実施例1で得たテトラフルオロ−m−フェニレンジアミン5gをトルエン70gに溶かし活性炭0.15gを加え、室温で1時間攪拌した。攪拌終了後、活性炭をろ過により取り除き、ろ液をエバポレーターで乾固させたところ、4.64gのテトラフルオロ−m−フェニレンジアミンを白色固体として得た。この白色固体0.3gをアセトニトリルに溶かし、全体量を3gとした。分光光度計により、この溶液の可視部での吸光度を測定したところ、波長450nmでのモル吸光係数は0.013(l/mol・cm)であった。
実施例2で得た5−クロロ−2,4,6−トリフルオロ−m−フェニレンジアミン0.3gをアセトニトリルに溶かし、全体量を3gとした。分光光度計により、この溶液の可視部での吸光度を測定したところ、波長450nmでのモル吸光係数は1.802(l/mol・cm)であった。
50ml容の三ツ口フラスコに、水酸化ナトリウム4.0g(101.84mmol)及びイオン交換水25mlを加えた。次に、氷浴で冷却しながら臭素1.09ml(21.18mmol)を15分かけて滴下した後、テトラフルオロイソフタルアミド2.0g(8.47mmol)を投入した。この混合液を20時間還流、攪拌してから室温に戻した後、イソプロピルエーテルで抽出し、イオン交換水で洗浄してから硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレーターで溶媒を除去し、茶色固体2.42gを得た。この固体を50ml容の三ツ口フラスコに入れ、更に20%塩酸20mlを加え、5時間還流、攪拌した。室温に戻してから、500ml容のビーカーに氷水を入れ、そこに上記溶液を注いだ後、pHが14になるまで水酸化ナトリウム水溶液に滴下した。次に、クロロホルムで抽出し、イオン交換水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレーターで溶媒を除去することにより赤茶色固体を0.25gを得た(収率16.4%)。
比較例1で得たテトラフルオロ−m−フェニレンジアミン0.15gをトルエン2.1gに溶かし、活性炭0.0045gを加え、室温で1時間攪拌した。攪拌終了後、活性炭をろ過により取り除き、ろ液をエバポレーターで乾固させたところ0.13gのテトラフルオロ−m−フェニレンジアミンを茶色固体として得た。この茶色固体0.13gをアセトニトリルに溶かし、全体量を1.3gとした。分光光度計により、この溶液の可視部での吸光度を測定したところ、波長450nmでのモル吸光係数は3.093(L/mol・cm)であった。
24.95%NaClO83.53g(280mmol)の替わりに、24.95%NaClO41.79g(140mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行いホフマン転移反応を試みたが、得られたテトラフルオロ−m−フェニレンジアミンは0.54g(3mmol、収率4.3%)であった。なお、ガスクロマトグラフィーによる純度は、98.30%であった。
Claims (4)
- 該ジアミドに温度0〜20℃でNaOXとNaOHとを反応させ、次いで温度20℃を超え100℃以下に加熱することを特徴とする、請求項1記載のフッ化フェニレンジアミンの製造方法。
- 式(2)で示すフッ化フェニレンジアミンの波長450nmにおけるモル吸光係数が2.5(l/mol・cm)以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフッ化フェニレンジアミンの製造方法。
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