JP3563040B2 - ハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物に関するものである。
【0002】
本発明のハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物は、染料、医薬、農薬、高分子化合物の合成上重要な中間体であり、優れた耐熱性、撥水性、耐薬品性及び低誘電性を有する樹脂の原料として有用である。
【0003】
【従来の技術】
テトラフルオロ−m−フェニレンジアミンをはじめとしてハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物は、染料、医薬、農薬、高分子化合物の合成上重要な中間体であり、優れた耐熱性、撥水性、耐薬品性及び低誘電性を有する樹脂の原料として有用であり、さらに、例えば、太陽電池、エレクトロルミッセンス素子、電子写真感光体等において、電荷輸送剤(特に、正孔輸送剤)として好適に使用されている。
【0004】
このため、各種用途に応じた様々なm−フェニレンジアミン誘導体およびその製造方法について、現在、研究・開発が盛んに行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、新規なハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記式:
【0007】
【化4】
【0008】
ただし、Xは、塩素原子または臭素原子を表わす、
で示される5−クロロ−2,4,6−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミンまたは5−ブロモ−2,4,6−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミンによって達成される。
【0009】
また、本発明は、テトラクロロイソフタロニトリルまたはテトラブロモイソフタロニトリルをフッ素化剤でフッ素化して、下記式:
【0010】
【化5】
【0011】
で示される5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリルまたは5−ブロモ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリルを製造し;該5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリルまたは5−ブロモ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリルからさらに5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタル酸または5−ブロモ−2,4,6−トリフルオロイソフタル酸を製造し;該5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタル酸または5−ブロモ−2,4,6−トリフルオロイソフタル酸を、ルイス塩基の存在下、溶媒中で、アジド化合物と反応することにより酸アジドを得、この酸アジドを熱転位および加水分解することからなる、本発明の5−クロロ−2,4,6−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミンまたは5−ブロモ−2,4,6−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミンの製造方法に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明は、下記式(1):
【0014】
【化5】
【0015】
で示されるハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物を提供するものである。
【0016】
上記式(1)において、Xは、塩素原子または臭素原子を表わし、Xが複数個存在する(即ち、nが2または3である)場合には、Xは、それぞれ同一であってもあるいは異なるものであってもよい。nは、ベンゼン環へのXの結合数を表わし、1〜3の整数、好ましくは1または2、特に好ましくは1である。Xのベンゼン環への結合位は、Xの結合数や種類ならびにフッ素化合物の所望の特性などによって異なるが、例えば、nが1である場合には、Xは、ベンゼン環の4位または5位に結合することが望ましく、nが2である場合には、Xは、ベンゼン環の4,6位に結合することが望ましい。
【0017】
また、上記式(1)において、mは、ベンゼン環へのフッ素原子の結合数を表わし、1〜3の整数、好ましくは2または3、特に好ましくは3である。なお、上記式(1)において、n及びmの合計は、必ず、4である(n+m=4)、すなわち、式(1)で示されるハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物は炭素−水素結合を持たない化合物である。
【0018】
したがって、本発明のハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物の好ましい例としては、下記式で示されるものが挙げられる。
【0019】
【化6】
【0020】
また、上記好ましいハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物例のうち、4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロ−m−フェニレンジアミン、4−クロロ−2,5,6−トリフルオロ−m−フェニレンジアミン、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロ−m−フェニレンジアミン、及び5−ブロモ−2,4,6−トリフルオロ−m−フェニレンジアミンが特に好ましい。
【0021】
本発明のハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物は、公知の方法によって製造されればよく特に制限されるものではないが、その製造方法の一実施態様を、以下に記載する。
【0022】
すなわち、一実施態様によると、(1)ハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルを製造し;(2)このハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルからさらにハロゲン化トリフルオロイソフタル酸を製造し;(3)このハロゲン化トリフルオロイソフタル酸を、ルイス塩基の存在下、溶媒中で、アジド化合物と反応することにより酸アジドを得、この酸アジドを熱転位および加水分解することによって、目的とするハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物が製造される。なお、本明細書において、「ハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリル」は、本発明のハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物のアミノ基(−NH2)が双方ともシアノ基(−CN)に置換された化合物を意味し、また、「ハロゲン化トリフルオロイソフタル酸」は、本発明のハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物のアミノ基(−NH2)が双方ともカルボキシル基(−COOH)に置換された化合物を意味する。
【0023】
まず、上記ハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物の製造方法の一実施態様における(1)の工程について以下に説明する。
【0024】
すなわち、ハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルは、特公昭63−5023号公報に記載の方法等の、公知の方法によって製造できる。
【0025】
ここで、本発明のハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルの製造方法に関する第一の実施態様を以下に記載する。即ち、第一の実施態様によると、テトラフルオロイソフタロニトリルを臭素化剤または塩素化剤(以下、一括して「ハロゲン化剤」とも称する)と反応させて、それぞれ、ベンゼン環内のフッ素を臭素または塩素で置換する。上記実施態様によれば、テトラフルオロイソフタロニトリルの4位のフッ素が特異的に臭素または塩素に置換して、所望とする4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロイソフタロニトリルまたは4−クロロ−2,5,6−トリフルオロイソフタロニトリルが高収率で得られる。
【0026】
第一の実施態様において、臭素化剤としては、特に制限されず公知の臭素化剤が使用できる。具体的には、臭化ナトリウム、臭化カリウム及び臭化リチウムなどが挙げられる。これらのうち、取り扱いが容易でかつ実用上商業的に容易に入手できる点や臭素化効率を考慮すると、臭化ナトリウム及び臭化カリウムが好ましく使用される。
【0027】
第一の実施態様において、塩素化剤としては、特に制限されず公知の塩素化剤が使用できる。具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び塩化リチウムなどが挙げられる。これらのうち、取り扱いが容易でかつ実用上商業的に容易に入手できる点を考慮すると、塩化ナトリウム及び塩化カリウムが好ましく使用される。
【0028】
第一の実施態様において、ハロゲン化剤の使用量は、テトラフルオロイソフタロニトリルの4位のフッ素を特異的に臭素または塩素に置換できる量であれば特に制限されないが、化学量論的にはテトラフルオロイソフタロニトリルと等モルである。具体的には、ハロゲン化剤の使用量は、テトラフルオロイソフタロニトリル1モルに対して、1〜5モル、より好ましくは1〜2モルである。この際、ハロゲン化剤の使用量が5モルを超えると、テトラフルオロイソフタロニトリルの4位以外のフッ素が臭素または塩素に置換される恐れがあり、残存したハロゲン化剤の処理が必要であり経済的でないためである。逆に、ハロゲン化剤の使用量が1モル未満であると、テトラフルオロイソフタロニトリルの4位のフッ素を十分臭素または塩素に置換できずに、未反応のテトラフルオロイソフタロニトリルが多量に残存してしまうからである。
【0029】
第一の実施態様において、テトラフルオロイソフタロニトリルの臭素化または塩素化反応は、無溶媒下、溶媒中のいずれで行なわれてもよいが、好ましくは溶媒中で行なわれる。この際使用できる溶媒としては、テトラフルオロイソフタロニトリルの臭素化または塩素化反応を阻害せず、テトラフルオロイソフタロニトリル、臭素化剤及び塩素化剤に対して不活性なものであれば特に制限されるものではない。具体的には、アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル類;アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン及びテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジフェニルエーテル、ベンジルエーテル及びtert−ブチルエーテル等のエーテル類;蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及び酢酸イソプロピル等のエステル類;ならびにN−メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド、スルホラン(TMSO2)及びジメチルスルホラン(DMSO2)などが挙げられ、これらのうち、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)及びジメチルスルホキシド(DMSO)が好ましい。また、本発明において、溶媒を使用する際の溶媒の使用量は、溶媒におけるテトラフルオロイソフタロニトリルの濃度が2〜80(w/v)%、好ましくは5〜50(w/v)%となるような量である。なお、本発明において、反応速度を向上しさらに副反応を抑制することを目的として、無水条件下で臭素または塩素置換反応を行うことが好ましく、このため、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン及びジメチルスルホランなどの吸湿性の高い溶媒を使用する際には、臭素または塩素置換反応に先立ってベンゼンやトルエン等を加えて水分を予め除去することが好ましい。
【0030】
また、テトラフルオロイソフタロニトリルとハロゲン化剤との反応条件は、テトラフルオロイソフタロニトリルのハロゲン置換反応が十分進行する条件であれば特に制限されないが、反応温度は、通常、0〜300℃、好ましくは50〜250℃であり、反応時間は、通常、0.5〜20時間である。また、反応は、加圧下、常圧下または減圧下のいずれの圧力下で行なってもよいが、好ましくは常圧下で行われる。
【0031】
または、テトラクロロイソフタロニトリルまたはテトラブロモイソフタロニトリル(以下、一括して「ハロゲン化イソフタロニトリル」とも称する)をフッ素化剤でフッ素化することによって、ハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルを得てもよい(第二の実施態様)。上記実施態様によれば、求核置換反応性の強弱によって、ハロゲン化イソフタロニトリルの2,4,6位の塩素または臭素が特異的にフッ素化されて、所望とする5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリルまたは5−ブロモ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリルが高収率で得られる。
【0032】
第二の実施態様において、フッ素化剤としては、特に制限されず公知のフッ素化剤が使用できる。具体的には、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化ナトリウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム及びフッ化アンチモンなどが挙げられ、これらのうち、取り扱いや入手の容易性などを考慮すると、フッ化カリウムが好ましく使用される。
【0033】
第二の実施態様において、フッ素化剤の使用量は、ハロゲン化イソフタロニトリルの2,4,6位の塩素または臭素を特異的にフッ素化できる量であれば特に制限されないが、化学量論的にはハロゲン化イソフタロニトリル1モルに対して3倍モルである。具体的には、フッ素化剤の使用量は、ハロゲン化イソフタロニトリル1モルに対して、好ましくは3〜20モル、より好ましくは3〜10モルである。この際、フッ素化剤の使用量が20モルを超えると、ハロゲン化イソフタロニトリルの5位までがフッ素化される恐れがあり、残存したフッ素化剤の処理が必要であり経済的でないからである。逆に、フッ素化剤の使用量が3モル未満であると、ハロゲン化イソフタロニトリルの2,4,6位の塩素または臭素を十分フッ素化できず、所望とする5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリルまたは5−ブロモ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリルの収率が低下してしまうからである。
【0034】
第二の実施態様において、ハロゲン化イソフタロニトリルのフッ素化反応は、無溶媒下、溶媒中のいずれで行なわれてもよいが、好ましくは溶媒中で行なわれる。この際使用できる溶媒としては、ハロゲン化イソフタロニトリルのフッ素化反応を阻害せず、テトラクロロイソフタロニトリル、テトラブロモイソフタロニトリル、及びフッ素化剤に対して不活性なものであれば特に制限されるものではない。具体的には、ベンゾニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン(TMSO2)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)及びジメチルスルホラン(DMSO2)、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)などが挙げられる。これらのうち、ベンゾニトリル及びアセトニトリルが好ましく使用される。また、本発明において、溶媒を使用する際の溶媒の使用量は、溶媒におけるハロゲン化イソフタロニトリルの濃度が1〜80(w/v)%、好ましくは5〜50(w/v)%となるような量である。なお、本発明において、反応速度を向上しさらに副反応を抑制することを目的として、無水条件下でフッ素置換反応を行うことが好ましく、このため、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン及びジメチルスルホランなどの吸湿性の高い溶媒を使用する際には、フッ素置換反応に先立ってベンゼンやトルエン等を加えて水分を予め除去することが好ましい。
【0035】
また、ハロゲン化イソフタロニトリルとフッ素化剤との反応条件は、ハロゲン化イソフタロニトリルのフッ素化反応が十分進行する条件であれば特に制限されないが、反応温度は、通常、50〜400℃、好ましくは100〜300℃であり、反応時間は、通常、0.5〜20時間である。また、反応は、加圧下、常圧下または減圧下のいずれの圧力下で行なってもよいが、好ましくは常圧下または加圧下で行われる。なお、後者の場合、ハロゲン化イソフタロニトリルのフッ素化反応は、30〜1000KPa、より好ましくは100〜800KPaの圧力下で行なわれることが好ましい。
【0036】
さらに、上記第二の実施態様において、フッ素化反応速度を高めて反応時間を短縮することを目的として、フッ素化反応を相間移動触媒の存在下で行なってもよい。この際使用できる相間移動触媒としては、特に制限されず公知の相間移動触媒が使用できるが、具体的には、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル等のクラウン化合物及びポリエチレングリコール(分子量:300〜600)などが挙げられる。相間移動触媒の添加量は、ハロゲン化イソフタロニトリル1モルに対して、0.1〜10モルである。
【0037】
このようにして得られたハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルは、シリカゲルやアルミナ等によるカラムクロマトグラフィー、蒸留、好ましくは固体蒸留、再結晶、再沈及び昇華などの公知の方法によって精製することによって、高い純度で製造できる。
【0038】
次に、上記ハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物の製造方法の一実施態様における(2)の工程について以下に説明する。
【0039】
すなわち、本発明のハロゲン化トリフルオロイソフタル酸は、公知の方法によって製造されればよく特に制限されるものではない。具体的には、上記したようにして得られたハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルを加水分解して、シアノ基をカルボキシル基に変換する方法などが挙げられる。または、上記工程(1)によらずに、m−キシレン、m−ジアルキルベンゼン及びこれらのアルキル基の水素が他の原子または原子団で置換されたものをハロゲン化した後、アルキル基を酸化することによって、ハロゲン化トリフルオロイソフタル酸を製造してもよい。これらのうち、ハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルを加水分解する方法が好ましく使用されるので、以下、この方法について詳述する。
【0040】
ハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルの加水分解は、酸および/またはアルカリの存在下で行われる。その際使用される酸としては、濃硫酸、トリクロロ酢酸、硫酸、ピロリン酸、トリリン酸、トリメタリン酸及びテトラメタリン酸等のポリリン酸、トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、塩酸、発煙硫酸、濃塩酸、臭化水素酸、プロピオン酸、ギ酸、硝酸及び酢酸;ならびにこれらの混合物、例えば、トリフルオロ酢酸−無水トリフルオロ酢酸(混合比は、質量比で、1:9〜9:1、好ましくは3:7〜7:3)及びトリクロロ酢酸と硫酸との混合液(混合比は、質量比で、1:9〜9:1、好ましくは3:7〜7:3)などが挙げられる。上記酸は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、これらの酸はそのままで使用されてもまたは水溶液の形態で使用されてもよく、後者の場合の濃度は、ハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルを十分加水分解できる濃度であれば特に制限されず、反応温度や酸の種類によっても異なるが、例えば、40〜85質量%である。これらのうち、硫酸、特に50〜80質量%の硫酸水溶液が酸として好ましく使用される。これらのうち、ポリリン酸、トリフルオロ酢酸−無水トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、塩酸、濃塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる少なくとも一種、特に硫酸、プロピオン酸、濃塩酸及びポリリン酸が酸として好ましく使用される。また、上記加水分解で使用されるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム及び水酸化バリウムなどが挙げられ、これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム及び水酸化バリウムがアルカリとして好ましく使用される。同様にして、上記アルカリは、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。さらに、酸および/またはアルカリの使用量は、ハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルを十分加水分解できる量であれば特に制限されないが、通常、ハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルの酸および/またはアルカリの対する濃度が、1〜80質量%、好ましくは5〜50質量%となるような量である。
【0041】
上記加水分解の条件は、ハロゲン化トリフルオロイソフタロニトリルを十分加水分解できる条件であれば特に制限されないが、加水分解温度は、通常、−20〜200℃、好ましくは0〜150℃であり、加水分解時間は、通常、0.1〜40時間、好ましくは0.1〜20時間である。また、加水分解は、加圧下、常圧下または減圧下のいずれの圧力下で行なってもよいが、好ましくは常圧下で行われる。
【0042】
このようにして得られたハロゲン化トリフルオロイソフタル酸は、シリカゲルやアルミナ等によるカラムクロマトグラフィー、蒸留、好ましくは固体蒸留、再結晶、再沈及び昇華などの公知の方法によって精製することによって、高い純度で製造できる。
【0043】
さらに、上記ハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物の製造方法の一実施態様における(3)の工程について以下に説明する。
【0044】
上記工程(3)は、上記(2)の工程によって得られたハロゲン化トリフルオロイソフタル酸を、ルイス塩基の存在下、溶媒中で、アジド化合物と反応させることによりハロゲン化トリフルオロイソフタル酸のカルボキシル基が−CON3基に変換された酸アジドを得、この酸アジドを熱転位および加水分解することによって、目的とするハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物が得られる。
【0045】
この際使用されるアジド化合物は、−N3基を有しかつハロゲン化トリフルオロイソフタル酸のカルボキシル基を効率良く−CON3基に変換できるものであれば特に制限されないが、具体的には下記式:
【0046】
【化7】
【0047】
で示される化合物が好ましい。上記式において、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、sec−ブチル及びtert−ブチル;炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル;ベンジル基;または置換基を有してもよいフェニル基を表わす。また、R1及びR2が置換基を有してもよいフェニル基を表わす際に使用できる置換基としては、特に制限されないが、具体的には、炭素原子数1〜5のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、sec−ブチル及びtert−ブチル;炭素原子数1〜5のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、ペントキシ、ネオペントキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシ;アセチル基、クロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、カルボキシル基、アミノ基、ハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素、ニトリル基、スルホニル基、ニトロ基、ならびにエステル基、例えば、メチルエステル及びエチルエステルなどが挙げられる。この際、R1及びR2は同一であってもあるいは異なるものであってもよい。さらに、上記R1及びR2のうち、メチル、エチル、プロピル、tert−ブチル、ベンジル及びフェニルが好ましく、特にR1及びR2がフェニルであるジフェニルリン酸アジド(以下、単に「DPPA」とも略す)が特に好ましい。
【0048】
また、アジド化合物の添加量は、ハロゲン化トリフルオロイソフタル酸との反応を良好に進行させる量であれば特に制限されず、使用されるハロゲン化トリフルオロイソフタル酸、ルイス塩基、及び溶媒等の種類や量によって異なる。アジド化合物の添加量は、通常、ハロゲン化トリフルオロイソフタル酸1モルに対して、通常、2〜50モル、好ましくは2〜10モルである。
【0049】
上記工程(3)では、ルイス塩基の存在下で、溶媒中で、ハロゲン化トリフルオロイソフタル酸をアジド化合物と反応させることを必須とするが、この際使用されるルイス塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等の水酸化アルカリ金属類;水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム及び水酸化バリウム等の水酸化アルカリ土類金属類;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン及びフェニルアミン等の第一級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン及びジフェニルアミン等の第二級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン及びトリフェニルアミン等の第三級アミン;ピリジン;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム及び炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム及び炭酸バリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩;ならびにフッ化カリウム、塩化カリウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウム等のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩などが挙げられる。これらのうち、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、フッ化カリウム及びフッ化ナトリウム、特にトリエチルアミン、トリメチルアミン及びピリジンが好ましく使用される。
【0050】
また、ルイス塩基の存在量は、ハロゲン化トリフルオロイソフタル酸の反応を良好に触媒できる量であれば特に制限されないが、ハロゲン化トリフルオロイソフタル酸1モルに対して、通常、2〜50モル、好ましくは2〜10モルである。この際、ルイス塩基の存在量が2モル未満であると、ハロゲン化トリフルオロイソフタル酸の反応が良好に進行せず、収率が低下し、好ましくない。これに対して、ルイス塩基の存在量が50モルを超えると、添加に見合う効果が得られず、逆に過剰のルイス塩基を除去するために手間や時間がかかり、最終的にはコストアップにつながり、やはり好ましくない。
【0051】
上記工程(3)において使用できる溶媒としては、メタノール、エタノール、無水エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、フェノール、n−ブタノール、sec−ブタノール及びtert−ブタノール等のアルコール類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン及びテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ならびにジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジフェニルエーテル、ベンジルエーテル及びtert−ブチルエーテル等のエーテル類などが挙げられる。これらのうち、アミンに加水分解しやすいウレタンが一気に得られることから、アルコール類が好ましく、さらに、冷時酸や接触還元などの緩和な条件で容易にアミンが得られることなどを考慮して、tert−ブタノール、ベンジルアルコール及びエタノールが好ましく使用される。また、溶媒の使用量もまた、ハロゲン化トリフルオロイソフタル酸の反応が良好に進行するような量であれば特に制限されないが、溶媒におけるハロゲン化トリフルオロイソフタル酸の濃度が、通常、1〜80(w/v)%、好ましくは5〜50(w/v)%となるような量である。
【0052】
上記工程(3)において、ハロゲン化トリフルオロイソフタル酸とアジド化合物との反応の反応条件は、これらの反応が十分進行する条件であれば特に制限されないが、反応温度は、通常、−20〜200℃、好ましくは20〜150℃であり、反応時間は、通常、0.1〜40時間、好ましくは0.1〜20時間である。また、上記反応は、加圧下、常圧下または減圧下のいずれの圧力下で行なってもよいが、取り扱いのし易さ及び設備面を考慮して、好ましくは常圧下で行われる。
【0053】
さらに、このようにして得られた酸アジドを熱転位および加水分解する。より具体的には、酸アジドを、必要であれば還流しながら、第一の溶媒中で、−20〜200℃、好ましくは20〜150℃の反応温度で、0.1〜40時間、好ましくは0.1〜20時間、熱転位して酸アジドの−CON3基が−NCO基に変換されたイソシアン酸エステルを得た後、この熱転位産物たるイソシアン酸エステルをさらに、必要であれば還流しながら、第二の溶媒中で、イソシアン酸エステル10質量部に対して、通常、1〜10000質量部、好ましくは5〜1000質量部の量の、酸またはアルカリにより、−50〜200℃、好ましくは−20〜150℃の反応温度で、0.1〜40時間、好ましくは0.1〜20時間、加水分解することによって、所望のハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物が得られる。
【0054】
ここで使用される第一の溶媒としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン及びメチルエチルケトン(MEK)等のケトン類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン及びテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ならびにジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジフェニルエーテル、ベンジルエーテル及びtert−ブチルエーテル等のエーテル類などが挙げられる。これらのうち、クロロホルム、ベンゼン及びトルエンが好ましく使用される。
【0055】
また、第二の溶媒としては、メタノール、エタノール、無水エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、フェノール、n−ブタノール、sec−ブタノール及びtert−ブタノール等のアルコール類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン及びメチルエチルケトン(MEK)等のケトン類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン及びテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ならびにジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジフェニルエーテル、ベンジルエーテル及びtert−ブチルエーテル等のエーテル類などが挙げられる。これらのうち、メタノール、エタノール、クロロホルム、ベンゼン、トルエン及び酢酸エチルが好ましく使用される。
【0056】
上記加水分解において使用される酸としては、濃硫酸、トリクロロ酢酸、硫酸、ピロリン酸、トリリン酸、トリメタリン酸及びテトラメタリン酸等のポリリン酸、トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、塩酸、発煙硫酸、濃塩酸、臭化水素酸、プロピオン酸、ギ酸、硝酸及び酢酸;ならびにこれらの混合物、例えば、トリフルオロ酢酸−無水トリフルオロ酢酸(混合比は、質量比で、1:9〜9:1、好ましくは3:7〜7:3)及びトリクロロ酢酸と硫酸との混合液(混合比は、質量比で、1:9〜9:1、好ましくは3:7〜7:3)などが挙げられる。上記酸は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。これらのうち、濃塩酸、塩酸、酢酸、濃硫酸、硫酸、臭化水素酸及びプロピオン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種、特に濃塩酸、塩酸及び硫酸が酸として好ましく使用される。また、上記加水分解で使用されるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム及び水酸化バリウムなどが挙げられ、これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及び水酸化カルシウムがアルカリとして好ましく使用される。同様にして、上記アルカリは、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
【0057】
また、上記加水分解において、酸による加水分解物が塩酸塩の形態で存在する際には、この加水分解物をアルカリで中和する工程を設けてもよい。この際使用できるアルカリの定義は、上記加水分解の項で記載したアルカリと同様である。また、酸アジドの存在量は、特に制限されず、上述したように、ハロゲン化トリフルオロイソフタル酸とアジド化合物との反応により得られた酸アジドをそのまま使用すればよいが、第一の溶媒における酸アジドの濃度が、通常、1〜80(w/v)%、好ましくは5〜50(w/v)%となるような量である。また、第二の溶媒におけるイソシアン酸エステルの濃度もまた、酸アジドの熱転位により得られるイソシアン酸エステルをそのまま使用すればよいが、第二の溶媒におけるイソシアン酸エステルの濃度が、通常、1〜80(w/v)%、好ましくは5〜50(w/v)%となるような量である。さらに、熱転位反応及び加水分解は、加圧下、常圧下または減圧下のいずれの圧力下で行なってもよいが、取り扱いのし易さ及び設備面を考慮して、好ましくは常圧下で行われる。
【0058】
または、工程(3)の代わりに、工程(2)で得られたハロゲン化トリフルオロイソフタル酸を、ルイス塩基の存在下、溶媒中で、アジド化合物と反応させることによりハロゲン化トリフルオロイソフタル酸のカルボキシル基が−CON3基に変換された酸アジドを得た後、この酸アジドを、必要であれば還流しながら、蒸気浴中で、アルコールと、−20〜200℃、好ましくは20〜150℃の反応温度で、0.1〜40時間、好ましくは0.1〜20時間、反応させてウレタン類を得た後、反応産物たるウレタン類をさらに、必要であれば還流しながら、第三の溶媒中で、ウレタン類10質量部に対して、通常、1〜10000質量部、好ましくは5〜1000質量部の量の、酸またはアルカリにより、−50〜200℃、好ましくは−20〜150℃の反応温度で、0.1〜40時間、好ましくは0.1〜20時間、加水分解することによって、所望のハロゲン化m−フェニレンジアミンを得てもよい。
【0059】
上記工程において、酸アジドと反応させるアルコールとしては、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、無水エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、フェノール、n−ブタノール、sec−ブタノール及びtert−ブタノール等が挙げられる。
【0060】
上記酸アジドとアルコールとの反応は、反応試薬たるアルコールが液状であるため、必ずしも溶媒の添加を必要とせず、生成物の精製のし易さなどを考慮すると、溶媒をさらに添加することなく上記反応を行なうことが好ましい。しかしながら、反応に使用される酸アジドやアルコールの種類や量ならびに反応条件等によっては、他の溶媒をさらに添加して反応を行なうことが適切であることもあり、この場合に使用できる溶媒としては、水;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサン及びメチルエチルケトン(MEK)等のケトン類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン及びテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ならびにジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジフェニルエーテル、ベンジルエーテル及びtert−ブチルエーテル等のエーテル類などが挙げられる。
【0061】
また、上記加水分解工程で使用される第三の溶媒としては、水;メタノール、エタノール、無水エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、フェノール、n−ブタノール、sec−ブタノール及びtert−ブタノール等のアルコール類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサン及びメチルエチルケトン(MEK)等のケトン類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン及びテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ならびにジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジフェニルエーテル、ベンジルエーテル及びtert−ブチルエーテル等のエーテル類などが挙げられる。これらのうち、メタノール、エタノール、クロロホルム、ベンゼン、トルエン及び酢酸エチルが好ましく使用される。また、上記加水分解で使用される酸としては、濃硫酸、トリクロロ酢酸、硫酸、ピロリン酸、トリリン酸、トリメタリン酸及びテトラメタリン酸等のポリリン酸、トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、塩酸、発煙硫酸、濃塩酸、臭化水素酸、プロピオン酸、ギ酸、硝酸及び酢酸;ならびにこれらの混合物、例えば、トリフルオロ酢酸−無水トリフルオロ酢酸(混合比は、質量比で、1:9〜9:1、好ましくは3:7〜7:3)及びトリクロロ酢酸と硫酸との混合液(混合比は、質量比で、1:9〜9:1、好ましくは3:7〜7:3)などが挙げられる。上記酸は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。これらのうち、濃塩酸、塩酸、酢酸、濃硫酸、硫酸、臭化水素酸及びプロピオン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種、特に濃塩酸、塩酸及び硫酸が酸として好ましく使用される。また、上記加水分解で使用されるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム及び水酸化バリウムなどが挙げられ、これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムがアルカリとして好ましく使用される。同様にして、上記アルカリは、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
【0062】
この際、酸による加水分解物が塩酸塩の形態で存在する際には、この加水分解物をアルカリで中和する工程を設けてもよい。この際使用できるアルカリの定義は、上記におけるものと同様である。また、酸アジドの存在量は、特に制限されず、上述したように、酸アジドをそのまま使用すればよいが、アルコール及び必要に応じて添加された他の溶媒における酸アジドの濃度が、通常、1〜80(w/v)%、好ましくは5〜50(w/v)%となるような量である。また、第三の溶媒におけるウレタン類の濃度もまた、酸アジドの熱転位により得られるウレタン類をそのまま使用すればよいが、第三の溶媒におけるウレタン類の濃度が、通常、1〜80(w/v)%、好ましくは5〜50(w/v)%となるような量である。さらに、上記態様において、熱転位反応及び加水分解は、加圧下、常圧下または減圧下のいずれの圧力下で行なってもよいが、取り扱いのし易さ及び設備面を考慮して、好ましくは常圧下で行われる。
【0063】
このようにして得られたハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物は、シリカゲルやアルミナ等によるカラムクロマトグラフィー、蒸留、好ましくは固体蒸留、再結晶、再沈及び昇華などの公知の方法によって精製することによって、より高い純度で製造できる。
【0064】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
【0065】
合成例1
3リットル容の反応容器に、テトラフルオロイソフタロニトリル200g(1.00mol)、N−ジメチルホルムアミド(DMF) 1リットル、臭化ナトリウム(NaBr) 102.7g(1.00mol)を加えた。この混合物を、120℃で1時間加熱した。次に、水3リットルを5リットルのビーカーに加え、そこに、上記で得られた反応溶液を注いだ。さらに、生成した沈殿を吸引濾過した後、水及びヘキサンで洗浄し、真空乾燥することによって、198.2gの白色固体が得られた。得られた固体を固体蒸留で精製し、4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロイソフタロニトリル142.8g(0.55mol)を白色固体として得た(収率55%)。
【0066】
このようにして得られた4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロイソフタロニトリルについて、質量スペクトルを測定したところ、M+=260であった。また、この反応生成物を、19F−NMRスペクトルで分析したところ、図1に示される結果が得られた。
【0067】
合成例2
500ml容のステンレス製のオートクレーブ容器に、ベンゾニトリル200.0g、テトラクロロイソフタロニトリル80.0g(0.301モル)、超微粒子の乾燥フッ化カリウム83.9g(1.445モル)を仕込み、容器内の空気を窒素ガスで置換した。次に、この混合物を、220℃で18時間、加熱攪拌した。所定時間反応した後、反応物を室温まで冷却し、懸濁している塩化カリウム及び未反応のフッ化カリウムを濾過で除去した。さらに、濾過後のベンゾニトリル溶液から、ベンゾニトリルを減圧蒸留により留去することによって、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル42.8g(0.198モル)を白色固体として得た(収率:65.8%)。
【0068】
合成例3
5リットル容の反応容器に、合成例2に記載の方法と同様にして得られた5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル250g(1.15mol)及び62%硫酸水溶液2500mlを加えて攪拌し、3時間還流した。この溶液を25℃まで冷却した後、析出した結晶を濾別し、結晶をイソプロピルエーテル(IPE)500mlに溶解させた後、飽和NaCl水溶液500mlで洗浄した。次に、この結晶を硫酸マグネシウムで乾燥した後、エバポレーターで溶媒(IPE)を除去することによって、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタル酸280.3g(1.10mol)を白色固体として得た(収率95.4%)。
【0069】
合成例4
200ml容の四ツ口フラスコに、合成例1に記載の方法と同様にして得られた4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロイソフタロニトリル20.03g(76.74mmol)、62%硫酸水溶液40ml、及びプロピオン酸40mlを添加し、130℃で18時間還流した。この溶液を室温まで冷却した後、析出した結晶を吸引瀘過し、少量の水で洗浄した。次に、この結晶をIPE200mlに溶解し、水100ml、飽和NaCl水溶液100mlで洗浄した。さらに、この結晶を硫酸マグネシウムで乾燥した後、エバポレーターで溶媒(IPE)を除去することによって、17.2g(57.53mmol)の4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロイソフタル酸を白色固体として得た(収率75.0%)。
【0070】
このようにして得られた4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロイソフタル酸について、質量スペクトルを測定したところ、M+=298であった。また、この反応生成物を、19F−NMRスペクトルで分析したところ、図2に示される結果が得られた。
【0071】
実施例1
5リットル容の反応装置に、合成例3で得られた5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタル酸280.3g(1.10mol)、tert−ブタノール815.1g、及びトリエチルアミン266.7g(2.64mol)を加えて、攪拌しながら80℃に加熱した。この混合液に、ジフェニルリン酸アジド726.9g(2.64mol)を、攪拌しながら、2時間で滴下した。滴下終了後、さらに1時間、100℃に加熱した後、25℃にまで冷却した後、エバポレーターで溶媒(tert−ブタノール)を除去し、褐色粘性液体を得た。
【0072】
次に、別の5リットル容の反応装置に、上記で得られた褐色粘性液体および酢酸エチル915mlを入れて、室温で攪拌しながら、濃塩酸1200mlを滴下し、18時間攪拌した。この反応溶液を水1500mlで希釈し、クロロホルムで洗浄した。さらに、洗浄された反応溶液を5N NaOH水溶液で中和し、25℃まで冷却したところ、沈殿が生成した。この沈殿を吸引濾過した後、トルエン500ml中に溶解し、トルエン溶液を飽和NaCl水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。さらにエバポレーターで溶媒(酢酸エチル)を除去した後、得られた固体を室温で3時間真空乾燥した。このようにして得られた固体を蒸留した後、トルエ−ヘキサン(2:3(体積比))混合溶液で再結晶することによって、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロm−フェニレンジアミン117.6g(0.60mol)を白色固体として得た(収率54.2%)。
【0073】
このようにして得られた5−クロロ−2,4,6−トリフルオロm−フェニレンジアミンについて、質量スペクトルを測定したところ、M+=196であった。また、この反応生成物を、19F−NMRスペクトルで分析したところ、図3に示される結果が得られた。
【0074】
実施例2
1リットル容の反応容器に、合成例4で得られた4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロイソフタル酸16.9g(56.52mmol)、tert−ブタノール260.8g、トリエチルアミン11.6g(114.64mmol)、及びジフェニルリン酸アジド31.4g(114.04mmol)を加え、100℃で17時間、加熱した。この反応溶液をエバポレーターで濃縮して溶媒を留去し、クロロホルム350ml中に溶解した。次に、この溶液を、飽和NaHCO3溶液150ml、1%HCl 150ml、水150mlでそれぞれ2回ずつ洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、エバポレーターで溶媒を除去することによって、褐色粘性液体を得た。
【0075】
300ml容の反応容器に、このようにして得られた褐色粘性液体および酢酸エチル140ml、及び濃塩酸23mlを加えて、40℃で3時間攪拌した。所定時間攪拌した後、500ml容のビーカーに、この反応溶液及び水250ml加えて30分間攪拌後、静置すると、2層に分離した。さらに、500ml容のビーカーに、上記で分離したうちの油層(約130ml)及び5N NaOH水溶液200mlを加えて15分間、攪拌したところ、白色沈殿が生成した。この白色沈殿を吸引瀘過し、水で洗浄することにより、薄茶色固体9.35gを得た。この固体をトルエン−ヘキサン(1:1(体積比))混合溶液で再結晶することによって、7.14g(29.62mmol)の4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロm−フェニレンジアミンを白色固体として得た(収率52.1%)。
【0076】
このようにして得られた4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロm−フェニレンジアミンについて、質量スペクトルを測定したところ、M+=240であった。また、この反応生成物を、19F−NMRスペクトルで分析したところ、図4に示される結果が得られた。
【0077】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、上記式(1)で示される新規なハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物を提供するものである。したがって、このハロゲン化m−フェニレンジアミン化合物は、染料、医薬、農薬、高分子化合物の合成上重要な中間体であり、優れた耐熱性、撥水性、耐薬品性及び低誘電性を有する樹脂の原料として使用されることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、合成例1で得られた4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロイソフタロニトリルの19F−NMRスペクトルのチャートを示すグラフである。
【図2】は、合成例4で得られた4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロイソフタル酸の19F−NMRスペクトルのチャートを示すグラフである。
【図3】は、実施例1で得られた5−クロロ−2,4,6−トリフルオロm−フェニレンジアミンの19F−NMRスペクトルのチャートを示すグラフである。
【図4】は、実施例2で得られた4−ブロモ−2,5,6−トリフルオロm−フェニレンジアミンの19F−NMRスペクトルのチャートを示すグラフである。
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