JPH08165273A - N−グアニジノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの製造方法 - Google Patents

N−グアニジノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの製造方法

Info

Publication number
JPH08165273A
JPH08165273A JP6308862A JP30886294A JPH08165273A JP H08165273 A JPH08165273 A JP H08165273A JP 6308862 A JP6308862 A JP 6308862A JP 30886294 A JP30886294 A JP 30886294A JP H08165273 A JPH08165273 A JP H08165273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
salt
reaction
guanidinothiourea
hydrazine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6308862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3328082B2 (ja
Inventor
Takehiko Yoshie
武彦 吉江
Masanori Sasaki
正典 佐々木
Masahiro Murotani
昌宏 室谷
Kenichi Ishii
謙一 石井
Hajime Mura
肇 村
Hiroshi Shibabuchi
弘 芝淵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Carbide Industries Co Inc filed Critical Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority to JP30886294A priority Critical patent/JP3328082B2/ja
Priority to US08/357,807 priority patent/US5559243A/en
Priority to US08/609,573 priority patent/US5714617A/en
Publication of JPH08165273A publication Critical patent/JPH08165273A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3328082B2 publication Critical patent/JP3328082B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C337/00Derivatives of thiocarbonic acids containing functional groups covered by groups C07C333/00 or C07C335/00 in which at least one nitrogen atom of these functional groups is further bound to another nitrogen atom not being part of a nitro or nitroso group
    • C07C337/06Compounds containing any of the groups, e.g. thiosemicarbazides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D249/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having three nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D249/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having three nitrogen atoms as the only ring hetero atoms not condensed with other rings
    • C07D249/081,2,4-Triazoles; Hydrogenated 1,2,4-triazoles
    • C07D249/101,2,4-Triazoles; Hydrogenated 1,2,4-triazoles with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D249/14Nitrogen atoms

Abstract

(57)【要約】 【目的】 医薬および農薬材料の中間原料として有用な
3−メチル−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾー
ル及びその中間体N−グアニジノチオ尿素塩を工業的に
有利に製造する。 【構成】 ヒドラジンとシアナミドとを酸の存在下に極
性溶媒中で加熱反応せしめ、次いで得られたアミノグア
ニジンをチオシアン酸塩と酸の存在下に極性溶媒中で加
熱反応せしめることによってN−グアニジノチオ尿素塩
を製造する方法並びにそのN−グアニジノチオ尿素塩を
アルカリ性条件下に加熱反応せしめることによって3−
アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールを
製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬および農薬材料の
中間原料として有用なN−グアニジノチオ尿素塩及び3
−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール
の製造方法に関し、更に詳しくはヒドラジン及びシアナ
ミドを出発物質として、前記化合物、即ちN−グアニジ
ノチオ尿素塩及び3−メチル−5−メルカプト−1,
2,4−トリアゾールを直接製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3−アミノ−5−メルカプト−1,2,
4−トリアゾール(以下、ASTAと略記することがあ
る)の製造法については、従来いくつかの方法が知られ
ており、例えば西独国公開特許第1960981号公報
には、先ず、酢酸を溶解したエタール中に重炭酸アミノ
グアニジンを溶解させ、これにトリエチルアミンを加え
た後、二硫化炭素を吹きこんで反応させる方法が提案さ
れている。この反応は、次式(イ)〜(ハ)に従うもの
と考えられる。
【0003】
【化1】
【0004】
【化2】
【0005】
【化3】
【0006】しかしながら、この方法には、原料の二硫
化炭素の毒性や引火・爆発性などの問題点があり、装置
の密閉性、排気・排水などの処理設備などに格別な注意
を要し、コスト高となることを免れえないという問題が
ある。
【0007】またソ連特許第1,002,291号公報
には次式(ニ)で示すように塩酸アミノグアニジンとチ
オ尿素とを溶媒の不存在下に溶融反応させてASTAを
合成する方法が提案されている。
【0008】
【化4】
【0009】しかしながら、この方法には、反応収率が
必ずしも十分とはいえない上、原料のチオ尿素は毒性や
発癌性が問題となっており、前記の提案と同様に製造設
備上コスト高となるなどの問題がある。
【0010】さらに特開昭59−124333号公報に
は、N−グアニジノチオ尿素(以下、GTUと略称する
ことがある)塩酸塩を水酸化ナトリウム水溶液に溶解し
て、加熱反応させることによってASTAを合成する方
法が記載されている。しかしながら、この提案には、G
TUの合成法については全く開示されていない。
【0011】かかる状況下に、本発明者らは、前記各問
題を排除してASTAを容易且つ安全に合成することが
できる方法を開発すべく研究を進めた結果、チオシアン
酸グアニジン又はアミノグアニジン塩とチオシアン酸塩
とを溶媒の不存在下に反応せしめることによってAST
Aを合成することに成功した(特開平5−247004
号公報参照)。しかしながら、この方法にも工業的方法
としては反応制御が困難であり、収率が十分でないとい
う問題があった。そこで本発明者らは更に研究をすす
め、上記反応を塩酸などの無機酸の存在下に溶融状態で
実施せしめることによって容易かつ安全に目的のAST
Aを合成することに成功した(特開平6−25192号
公報参照)。ところがこの方法は依然として溶融状態で
反応させるためにスケールアップが困難でしかも150
〜190℃程度の高温を必要とするため工業的プロセス
としては必ずしも十分でなかった。そこで、本発明者ら
は更に研究を進め、チオシアン酸グアニジン又はアミノ
グアニジンとチオシアン酸塩とを極性溶媒中で酸の存在
下に、例えば80〜120℃の比較的低温で反応させる
ことにより所望のASTA及び中間体であるN−グアニ
ジノチオ尿素(GTU)を好収率で、容易、安全かつ安
価に、しかも工業的にも適合したプロセスで製造するこ
とに成功した(特開平6−41096号公報)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、本発明者
らは、チオシアン酸グアニジン又はアミノグアニジン塩
とチオシアン酸塩とを、酸の存在下に、極性溶媒中で加
熱反応させてN−グアニジノチオ尿素塩を得、さらに生
成反応液をアルカリ条件下で加熱反応せしめることによ
って3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリア
ゾールを製造することに成功したが、この方法に用いる
原料化合物は工業的に容易かつ安価に入手し得るもので
はない。従って、本発明は工業的に入手しやすい比較的
安価な出発物質を用いて3−アミノ−5−メルカプト−
1,2,4−トリアゾール及びその中間体であるN−グ
アニジノチオ尿素塩を容易かつ安価に工業的に製造し得
る方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、先ず、
ヒドラジンとシアナミドとを酸の存在下に極性溶媒中で
加熱反応せしめ、次いで得られたアミノグアニジンをチ
オシアン酸塩と酸の存在下に極性溶媒中で加熱反応せし
めることから成るN−グアニジノチオ尿素塩の製造方法
が提供される。
【0014】本発明に従えば、また、ヒドラジンとシア
ナミドとを酸の存在下に極性溶媒中で加熱反応せしめ、
次いで得られたアミノグアニジンをチオシアン酸塩と酸
の存在下に極性溶媒中で加熱反応せしめ、更に得られた
N−グアニジノチオ尿素塩をアルカリ性条件下に加熱反
応せしめることを特徴とする3−アミノ−5−メルカプ
ト−1,2,4−トリアゾールの製造方法が提供され
る。
【0015】本発明の第1段反応においては、ヒドラジ
ン(通常は水和物)とシアナミドとを酸(例えば塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸)の存在下に極性溶媒
(例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、i
−プロピルアルコールなどの低級アルコールなど)中で
加熱反応させる。通常はヒドラジン水和物(H2 NNH
2 ・H2 O)と塩酸などの酸(HX)とを混合してヒド
ラジンを中和させ(反応(1)参照)、次にこれをシア
ナミド(H2 NCN)と加熱反応させる(反応温度;通
常50℃〜還流温度、好ましくは80〜90℃)。この
反応により、反応(2)に示されるように、アミノグア
ニジンが生成する。
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】反応式(1)及び(2)より明らかなよう
に、本発明の第1段反応においては、ヒドラジン1モル
に対し、理論的には酸及びシアナミドがそれぞれ1モル
必要であるが、良好な反応性を得るためにはヒドラジン
1モルに対し酸0.9〜1.5モル及びシアナミド1.
0〜1.5モル使用するのが好ましい。なお酸は系のpH
を好ましくは1〜8.5に保持するように適宜添加する
ことができる。反応時間には特に限定はないが、一般に
は30分〜12時間である。
【0019】本発明に従えば反応(2)で得られたアミ
ノグアニジン(酸として塩酸を用いた場合には塩酸アミ
ノグアニジンが生成)はそのまま、又は一旦単離した
後、適当な極性溶媒(前記第1段反応で用いた極性溶媒
をそのまま用いることができる)中において、酸の存在
下にチオシアン酸塩と加熱反応させることによってN−
グアニジノチオ尿素(GTU)塩を得ることができる。
アミノグアニジン炭酸塩は昇華性の高いアンモニウム塩
を形成するため、工業的スケールの実施は、配管のつま
り等発生して好ましくなく、塩酸塩、硫酸塩等の塩で次
工程に進むのが好ましい。
【0020】本発明の反応に用いるチオシアン酸塩とし
ては、例えばチオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸
カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸リチ
ウム、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸マグネシ
ウム、チオシアン酸バリウムなどを挙げることができ、
これらのうち、工業的スケールで反応を行った場合の操
作性のよさ、入手の容易さなどの観点からチオシアン酸
アンモニウムの使用が最も好ましい。
【0021】本発明方法における第2段反応に用いるこ
とのできる前記の酸としては、特に限定されるものでは
なく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸を挙
げることができるが、反応性のよさや入手の容易さなど
の観点から塩酸または硫酸の使用が好ましい。
【0022】本発明方法で用いることのできる前記の極
性溶媒としては、特に限定されるものではないが、入手
の容易さや反応性のよさなどの観点から、例えば、水;
メチルアルコール、エチルアルコール、i−プロピルア
ルコールなどの低級アルコール;などの使用が好まし
く、水の使用が特に好ましい。
【0023】本発明方法の第2段反応は、次式(3)の
ように進行するものと考えられる(式中、Xは酸の残基
を示す)。
【0024】
【化7】
【0025】反応(3)より明らかなように、本発明の
第2段反応においては、理論的には、アミノグアニジン
1モルに対して、チオシアン酸塩1モルおよび酸1モル
が必要であるが、反応性のよさ等の観点から、アミノグ
アニジン1モルに対して、チオシアン酸塩を一般に1〜
5モル、好ましくは1〜2モル、そして、酸を一般に1
〜10モル、好ましくは1〜3モル、特に好ましくは1
〜2モル用いるのがよい。酸の使用方法としては、特に
限定されるものではないが、必要に応じて水などで適宜
の濃度として反応系中に滴下するのが好ましい。
【0026】第2段反応の反応温度は一般に50℃以上
で行うことができるが、反応速度、原料や生成したGT
Uの分解および副反応の抑制等の観点から80℃〜12
0℃あるのが好ましい。反応時間は、特に制限されるも
のではないが、一般に5分〜4時間、好ましくは、10
分〜3時間の範囲で行うのがよい。
【0027】反応終了後、得られた反応液を必要に応じ
て濃縮してから冷却することにより、本発明の目的化合
物ASTAの中間体であるGTU塩を晶析させ、濾別す
ることにより該GTU塩の結晶を得ることができる。G
TU塩はある程度の水溶性を有するので濾液中にはかな
りの量のGTU塩が溶存しているが、該濾液をリサイク
ル使用することによりGTU塩の収率を向上させること
ができる。
【0028】なお上記GTU塩は、第2段反応において
使用する酸の種類により決まり、前記のように、塩酸、
硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸の塩を例示することができ
るが、塩酸塩または硫酸塩であるのが好ましく、塩酸塩
であるのが特に好ましい。
【0029】本発明の目的化合物ASTAは、前記のよ
うにして製造したGTU塩を前記同様の極性溶媒に溶解
し、得られるGTU溶液にアルカリ性化合物を加えるな
どして該溶液をアルカリ性とした後、加熱反応すること
により製造することができるが、前記第2段反応終了後
GTU塩を分離回収することなく、該反応終了後の反応
液をそのままGTU溶液として用いることができる。本
発明方法の第2段反応は、次式(4)及び(5)のよう
に進行するものと考えられる(式中、Mは金属を表し、
Xは酸の残基である)。
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】前記のアルカリ性化合物としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ムなどのアルカリ金属水酸化物を挙げることができる。
かかるアルカリ性化合物の使用方法としては、水などで
適宜の濃度に希釈して反応系中に滴下するのが好まし
い。反応液のpHとしては、一般に7〜14、好ましくは
9〜13程度であるのがよい。反応温度は一般に50℃
以上で行うことができるが、反応速度、中間体GTUや
生成したASTAの分解および副反応の抑制等の観点か
ら80℃〜120℃であるのが好ましい。反応時間は、
特に制限されるものではないが、一般に10分〜6時
間、好ましくは、1〜2時間の範囲で行うのがよい。
【0033】反応終了後、得られた反応液に塩酸など前
記例示の酸を加えてpHを1〜2程度とすることにより、
本発明の目的化合物であるASTAを高純度で得ること
ができる。なお、さらに高純度のものが得たい場合に
は、カラムクロマトグラフィー、酸析などの方法を用い
て精製することができる。酸析としては、得られたAS
TAを、一旦、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水
酸化物水溶液に溶解させてASTAのアルカリ金属塩の
水溶液とし、吸引濾過によりイオウ分などの不溶分を濾
別する。そして、そのASTAアルカリ金属塩の水溶液
に塩酸などを加えpH1〜2にして、析出したASTAを
吸引濾過により濾別して乾燥することにより85〜10
0%のASTA結晶を得ることができる。
【0034】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明を、これに限定するものでないことはい
うまでもない。
【0035】実施例1 温度計、還流装置及び攪拌機を備えた500mlのフラス
コに含量60.1%のヒドラジン水和物水溶液(H2
NH2 ・H2 O)41.7g(0.50モル)及び36
%HCl 51.2g(0.505モル)を温度を40
℃に保ち乍ら混合し、次にこのフラスコに50%シアナ
ミド水溶液44.8g(0.532モル)を添加し、9
0℃に加熱し、4時間反応させ、塩酸アミノグアニジン
(AGH)溶液を得た(系内のAGH;51.8g、収
率93.8%)。溶液の一部を採取し、ドライアップし
た標品の赤外吸収スペクトル(IR)は図1のとおりで
あり、標品のものと一致した。
【0036】上記第1段反応で得られた反応液にチオシ
アン酸アンモニウム(NH4 SCN)53.4g(0.
70モル)を添加し、36%HCl 71.6g(0.
706モル)を滴下した後、反応液の温度を上げて2時
間還流(105℃)反応させ、更に温度100℃で3時
間熟成させた。この反応液を室温まで冷却し、晶析した
結晶を濾過し、得られた湿結晶を50℃で1晩減圧乾燥
させ、純度90重量%のN−グアニジノチオ尿素(GT
U)塩酸塩結晶47.1g(0.25モル)を得た。得
られたGTU塩酸塩の融点は194〜196℃であり、
また、赤外線吸収スペクトル(IR)は図2のとおりで
あった。なお、濾液中にはGTU塩酸塩が29g(約
0.17モル)溶存しており、回収した結晶と合わせた
GTU塩酸塩は71.4g(ヒドラジンベースの収率8
4%)であった。
【0037】実施例2 実施例1と同様な装置を用い、これにヒドラジン水和
物、塩酸を実施例1と同量仕込み、シアナミドを同量添
加して、同様に加熱反応させ、塩酸アミノグアニジン
(AGH)を得、その反応液にチオシアン酸アンモニウ
ムを添加し、36%HClを滴下し、実施例1と同様に
還流反応させ、更に熟成して、N−グアニジノチオ尿素
塩酸塩反応液を得た。系内のGTU塩酸塩は71.5g
(ヒドラジンベースの収率84.4%)であった。
【0038】上記反応液に40%苛性ソーダ(NaO
H)125g(1.25モル)を注意深く添加し、pH1
0.4で還流温度(105℃)で4時間反応させた。得
られた反応液を約30℃に放冷し(pH=8.0)、36
%HCl 80.2g(0.79モル)を滴下してpHを
0.9にすることにより目的化合物である3−アミノ−
5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール(AST
A)の沈澱を得た。得られた粗ASTAの沈澱を濾別し
て含水ASTA 55.3g(ASTA含量77.7
%、0.37モル、ヒドラジンベースの収率74.0
%)を得た。
【0039】この含水ASTAを20%NaOH 10
0gに溶解し(pH=11.0)、濾過し、水で洗浄して
濾液に36%HCl 50gを添加してpH=6.0と
し、加熱して還流温度(105℃)で2時間還流させ、
25℃に冷却した。このようにして得られた精製AST
A 51.0gを温度80℃、圧力80torrで1夜乾燥
し、乾燥ASTA 38.7g(純度99.5%、0.
33モル、収率66.4%)を得た。このものの分解温
度は297〜300℃であり、また赤外吸収スペクトル
(IR)は図3のとおりであって、標品と一致した。
【0040】実施例3 攪拌機及び還流装置を備えた6m3の釜にヒドラジン水和
物400kg(純度60.1%、4.8kmol)を仕込み、
そこに35%塩酸505kg(4.8kmol)を滴下する
(50℃以上にならないように注意する)。次に、シア
ナミド420kg(純度50.5%、5.05kmol)を添
加し、80℃に加熱し4時間反応させる。このようにし
て、塩酸アミノグアニジン(501kg、4.5kmol、ヒ
ドラジンベース収率94.3%)を得た。
【0041】上記の第1段反応で得られた反応溶液にチ
オシアン酸アンモニウム460kg(6.06kmol)を添
加し、反応溶液の温度を上げて(100℃)、35%塩
酸632kg(6.06kmol)を2時間かけて滴下し、さ
らに3時間熟成させる。このようにして、N−グアニジ
ノチオ尿素塩酸塩707kg(4.17kmol、ヒドラジン
ベース収率86.6%)を得た。
【0042】上記第2段反応で得られた反応溶液に40
%苛性ソーダ1303kg(13.03kmol)を注意深く
添加し、pH10.5で還流温度(105℃)で4時間反
応させた。得られた反応溶液を約30℃に冷却し(pH
8.5)35%塩酸902kg(865kmol)を滴下して
pH1.0にすることにより目的化合物である3−アミノ
−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール(AST
A)の沈澱を得た。
【0043】得られた粗ASTAの沈澱を濾別して含水
ASTA 604kg(純度72.0%、3.75kmol、
ヒドラジンベース収率78.0%)を30%苛性ソーダ
481kg(3.61kmol)に溶解し、不溶分を濾別し、
水で洗浄して濾液に35%塩酸395kg(3.79kmo
l)を添加してpH6.0とし、加熱し還流温度(105
℃)で2時間還流させたあと、25℃に冷却した。この
ようにして得られた精製ASTA 430kg(純度9
4.5%、3.51kmol、ヒドラジンベース収率72.
9%)を温度80℃、圧力80torrで1晩乾燥し、乾燥
ASTA 408kg(純度99.3%、3.49kmol、
ヒドラジンベース収率72.5%)を得た。このものの
分解温度は298〜301℃であり、赤外線吸収スペク
トル(IR)も標品と一致した。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法は、従
来法で使用されたことのない、しかも工業的に入手が容
易なヒドラジン及びシアナミドを原料として、溶液反応
で医薬や農薬の中間体である、目的とするN−グアニジ
ノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,
2,4−トリアゾールを安全かつ安価に容易に製造する
ことができる。このように、本発明によれば、従来法に
おける各種の問題点、すなわち、用いる原料の毒性や危
険性、これに伴う製造設備などのコスト高および反応収
率の不十分さなどの問題点を解消して、安価に且つ安全
に目的化合物である3−アミノ−5−メルカプト−1,
2,4−トリアゾール及びその中間体であるN−グアニ
ジノチオ尿素塩を工業的規模で生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の第1段反応における生成物である
塩酸アミノグアニジンのKBr法によるIRチャートで
ある。
【図2】本発明方法の目的化合物、3−アミノ−5−メ
ルカプト−1,2,4−トリアゾールの中間体であるN
−グアニジノチオ尿素塩酸塩のKBr法によるIRチャ
ートである。
【図3】本発明方法の目的化合物、3−アミノ−5−メ
ルカプト−1,2,4−トリアゾールのKBr法による
IRチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 謙一 富山県魚津市新金屋1−9−11 日本カー バイド工業株式会社清和寮内 (72)発明者 村 肇 富山県魚津市青島571−1 日本カーバイ ド工業株式会社青島社宅205号 (72)発明者 芝淵 弘 富山県魚津市新金屋2−9−7 シティイ ンリベルテ 101

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドラジンとシアナミドとを酸の存在下
    に極性溶媒中で加熱反応せしめ、次いで得られたアミノ
    グアニジンをチオシアン酸塩と酸の存在下に極性溶媒中
    で加熱反応せしめることを特徴とするN−グアニジノチ
    オ尿素塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドラジンとシアナミドとを酸の存在下
    に極性溶媒中で加熱反応せしめ、次いで得られたアミノ
    グアニジンをチオシアン酸塩と酸の存在下に極性溶媒中
    で加熱反応せしめ、更に得られたN−グアニジノチオ尿
    素塩をアルカリ性条件下に加熱反応せしめることを特徴
    とする3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリ
    アゾールの製造方法。
JP30886294A 1994-12-13 1994-12-13 N−グアニジノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの製造方法 Expired - Fee Related JP3328082B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30886294A JP3328082B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 N−グアニジノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの製造方法
US08/357,807 US5559243A (en) 1994-12-13 1994-12-16 Processes for producing a salt of N-guanidino thiourea and 3-amino-5-mercapto-1,2,4-triazole
US08/609,573 US5714617A (en) 1994-12-13 1996-03-01 Processes for producing a salt of N-guanidino thiourea and 3-amino-5-mercapto-1,2,4-triazole

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30886294A JP3328082B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 N−グアニジノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08165273A true JPH08165273A (ja) 1996-06-25
JP3328082B2 JP3328082B2 (ja) 2002-09-24

Family

ID=17986161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30886294A Expired - Fee Related JP3328082B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 N−グアニジノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (2) US5559243A (ja)
JP (1) JP3328082B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005343866A (ja) * 2004-06-07 2005-12-15 Japan Finechem Co Inc 1−置換―1―アミノグアニジン又はその塩、及びこれらの製造方法
JP2005343867A (ja) * 2004-06-07 2005-12-15 Japan Finechem Co Inc 5−アミノ―1―置換―1,2,4―トリアゾールの製造方法、及び該製造方法で得られるトリアゾール誘導体

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115745848A (zh) * 2022-12-07 2023-03-07 上海优合生物科技有限公司 一种氨基胍的加工合成工艺

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB885575A (en) * 1959-07-10 1961-12-28 France Etat Improvements in or relating to amino-guanidine preparation
GB1232838A (ja) * 1968-12-05 1971-05-19
FR2477150A1 (fr) * 1980-02-28 1981-09-04 Glaxo Group Ltd Nouveaux derives heterocycliques, procedes pour leur preparation et compositions pharmaceutiques les comportant
SU1002291A1 (ru) * 1981-06-30 1983-03-07 Казанский Научно-Исследовательский Технологический И Проектный Институт Химико-Фотографической Промышленности Способ получени 3-амино-5-метилмеркапто-1,2,4-триазола
CA1189508A (en) * 1982-02-25 1985-06-25 Roger Hayes Heterocyclic derivatives as histamine h.sub.2- antagonists
JPS59124333A (ja) * 1982-12-30 1984-07-18 Konishiroku Photo Ind Co Ltd カラ−熱転写感光材料
JP2959883B2 (ja) * 1991-07-31 1999-10-06 日本カーバイド工業株式会社 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法
JP3032386B2 (ja) * 1992-07-27 2000-04-17 日本カーバイド工業株式会社 N−グアニジノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005343866A (ja) * 2004-06-07 2005-12-15 Japan Finechem Co Inc 1−置換―1―アミノグアニジン又はその塩、及びこれらの製造方法
JP2005343867A (ja) * 2004-06-07 2005-12-15 Japan Finechem Co Inc 5−アミノ―1―置換―1,2,4―トリアゾールの製造方法、及び該製造方法で得られるトリアゾール誘導体

Also Published As

Publication number Publication date
US5714617A (en) 1998-02-03
JP3328082B2 (ja) 2002-09-24
US5559243A (en) 1996-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110878084A (zh) 一种烟嘧磺隆原药的制备方法
JPH08165273A (ja) N−グアニジノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの製造方法
JPS5829296B2 (ja) モノメチルヒドラジンの製造方法
JP2000191649A (ja) 5,5’―ビ―1h―テトラゾ―ル塩の製造方法
JP2587336B2 (ja) 塩酸ベバントロールの製造方法
JP3032386B2 (ja) N−グアニジノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの製造方法
JP2000256332A (ja) 5,5’−ビ−1h−テトラゾール塩の製造法
US7122676B2 (en) Process for the preparation of 5,5′-bi-1H-tetrazolediammonium salts using hydrazine hydrate and dicyan as starting materials
JPS62288102A (ja) ジシアナミド金属塩の製造方法
EP1466910B1 (en) Process for producing 2-cyanoimino-1,3-thiazolidine
JP3032384B2 (ja) 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法
KR0129550B1 (ko) 아미노카르보닐 치환 피리딘술핀산 또는 그의 염
JP2959883B2 (ja) 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法
JP2009221185A (ja) トルイジン化合物の製造方法
JPH0558985A (ja) シアノグアニジン誘導体の製造法
US4515958A (en) Process for preparing 1-alkyl-5-mercaptotetrazoles
JP4338398B2 (ja) 2−シアノイミノ−1,3−チアゾリジンの製造方法
JP3276523B2 (ja) ジグアナミン類の製造方法
KR100310936B1 (ko) N-(4-메틸벤젠술포닐)-n'-(3-아자바이시클로[3,3,0]옥탄)우레아의 제조방법
KR20190073121A (ko) 사포그렐레이트 염산염 결정 및 이를 형성하는 제조방법
JP2006249061A (ja) ビテトラゾールアミン化合物の製造方法
JPH06247937A (ja) 2−ブチル−4−フォルミルイミダゾールの合成方法
JPH06247938A (ja) 2−アルキル−4−クロロ−5−フォルミルイミダゾール化合物の合成方法
JPS5831344B2 (ja) ピリドキサミンの製造法
JP2000212155A (ja) 1,1,3,3―テトラメチルグアニジン及びジメチルシアナミドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080712

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090712

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090712

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100712

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100712

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110712

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120712

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees