JP2959883B2 - 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法 - Google Patents
3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法Info
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Description
中間原料として有用な3-メチル-5-メルカプト-1,2,4-ト
リアゾールの合成法に関するものであり、詳しくは、チ
オシアン酸アミノグアニジンを加熱反応させることを特
徴とする3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾールの
合成法に関し、特には、アミノグアニジン塩とチオシア
ン酸塩とを反応させることを特徴とする3-アミノ-5-メ
ルカプト-1,2,4-トリアゾールの合成法に関するもので
ある。
ゾール(以下、ASTAと略記することがある)の合成法に
ついては、従来いくつかの方法が知られており、例えば
西独国公開特許第1960981号公報には、先ず、酢酸を溶
解したエタール中に重炭酸アミノグアニジンを溶解さ
せ、これにトリエチルアミンを加えた後、二硫化炭素を
吹きこんで反応させる方法が提案されている。この反応
は、次式(イ)〜(ハ)に従うものと考えられる。
式(ニ)で示すように塩酸アミノグアニジンとチオ尿素と
を無溶媒下に熔融反応させて合成する方法が提案されて
いる。
アン酸アミノグアニジンを加熱反応さる方法やアミノグ
アニジン塩とチオシアン酸塩とを反応させる方法は知ら
れていない。
の二硫化炭素の毒性や引火・爆発性などの問題点があ
り、装置の密閉性、排気・排水などの処理設備などに格
別な注意を要し、コスト高となることを免れえず、ま
た、前記第2の提案の方法では、反応収率が必ずしも十
分とはいえない上、原料のチオ尿素は毒性や発癌性が問
題となっており、前記第1の提案と同様に製造設備上コ
スト高となるなどの問題があることがわかった。
技術が有していた前述の問題点を解消し、安全で安価な
ASTAの合成法を開発すべく研究を進めた結果、例えば、
重炭酸アミノグアニジンなどのアミノグアニジン塩とチ
オシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩とを無溶
媒下に加熱反応させることにより、容易且つ安全に目的
のASTAを合成できることを見出し、さらに研究を進めて
本発明を完成した。
酸アミノグアニジンを加熱反応させることを特徴とする
3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾールの合成法の
提供を目的とするものであり、また、アミノグアニジン
塩とチオシアン酸塩とを反応させることを特徴とする3-
アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾールの合成法の提
供を目的とするものである。
まず、チオシアン酸アミノグアニジンを加熱反応させる
ことを特徴とするASTAの合成法である。
のと考えられる。
融状態で進行し、次第に反応系粘度が上昇して反応速度
が低下する傾向がある。このため、反応系粘度の上昇を
押さえる目的で、後記するチオシアン酸塩を、原料チオ
シアン酸アミノグアニジン1モルに対して0.5モル以
上、特には0.5〜2モル添加するのが好ましい。
できるが、反応速度、原料や生成したASTAの分解および
副反応の抑制等の観点から150℃〜190℃が最も好まし
い。
が、一般に15分〜64時間、好ましくは、14〜20時間の範
囲で行うのがよい。
アニジンは、例えば、アミノグアニジン塩とチオシアン
酸塩とを反応させることにより得ることができる。
ば、塩酸アミノグアニジン、二塩酸アミノグアニジン、
硫酸アミノグアニジン、重硫酸アミノグアニジン、炭酸
アミノグアニジン、重炭酸アミノグアニジンなどを挙げ
ることができ、これらのうち、工業的スケールで反応を
行った場合の操作性のよさ、入手の容易さなどの観点か
ら重炭酸アミノグアニジンの使用が最も好ましい。
ば、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸カリウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸リチウム、
チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸マグネシウム、
チオシアン酸バリウムなどを挙げることができ、これら
のうち、工業的スケールで反応を行った場合の操作性の
よさ、入手の容易さなどの観点からチオシアン酸アンモ
ニウムの使用が最も好ましい。
は、アミノグアニジン塩として重炭酸グアニジン、チオ
シアン酸塩としてチオシアン酸アンモニウムを用いた場
合、次式(2)に従うものと考えられる。
ン塩とチオシアン酸塩とを、好ましくは無溶媒下、加熱
熔融反応させて、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリア
ゾールを合成することもできる。この反応も、反応中間
体としてチオシアン酸アミノグアニジンを経由している
が、該チオシアン酸アミノグアニジンを単離することな
くそのまま加熱反応を継続することによって、目的化合
物である3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾールを
合成することができる。
アニジンを用い、チオシアン酸塩としてチオシアン酸ア
ンモニウムを用いたときの反応は、次式(3)にしたがっ
て進行するものと考えられる。
に無溶媒・熔融状態で進行する。この反応において、前
記チオシアン酸塩の使用量は、理論上は、アミノグアニ
ジン塩1モルに対して1モルであるが、通常、1モル〜
20モル、好ましくは、1モル〜5モル、特に好ましく
は、1.5モル〜3モルである。該チオシアン酸塩の使用
量が該下限値以上であれば、反応系粘度が高くなり過ぎ
たり、固化してしまったりすることがなく、反応性や攪
拌性が悪くなることがないので好ましく、一方、該上限
値以下であれば、後記する目的化合物ASTA精製時の濾別
に際しても操作性の低下がなく、また、経済性にも優れ
ているので好ましい。
できるが、反応速度、原料や生成したASTAの分解および
副反応の抑制等の観点から150℃〜190℃が最も好まし
い。
が、一般に15分〜64時間、好ましくは、14〜20時間の範
囲で行うのがよい。
ン酸塩とアミノグアニジン塩のみを仕込み反応を行って
もかまわないが、操作および反応初期の攪拌を考慮する
と、チオシアン酸塩の仕込みに際して、若干の水、メタ
ノール、エタノール、アセトンなどを加え操作性を良く
してもよい。
ASTAが得られるが、さらに高純度のものが得たい場合に
は、カラムクロマトグラフィー、酸析などの方法を用い
て精製することがることができる。
反応混合物に水を添加してスラリー溶液とし、吸引濾過
によりASTAと残留原料のチオシアン酸塩を溶解している
濾液とを濾別し、さらにこのASTAを、一旦、水酸化ナト
リウムなどのアルカリ金属水酸化物水溶液に溶解させて
ASTAのアルカリ金属塩の水溶液とし、吸引濾過によりイ
オウ分などの不溶分を濾別する。そして、そのASTAアル
カリ金属塩の水溶液に塩酸などの無機酸を加えpH1〜2
にして、析出したASTAを吸引濾過により濾別して乾燥す
ることにより95〜99%のASTA結晶を得ることができる。
が、本発明は、これに限定されるものではない。
酸アミノグアニジン20.8g(0.15モル)、チオシアン酸ア
ンモニウム22.3g(0.30モル)を仕込み、オイルバス上で
加熱して熔融させ、攪拌しながら、150℃、16時間反応
させた。反応終了後、反応混合物に水31.4g及び35重量
%塩酸水溶液0.49gを添加し、室温に冷却後、生成して
いるASTAの沈殿を吸引濾過し、含水ASTA 15.7gを得た。
水溶液58.9gに溶解させ、不溶分を吸引濾過により濾別
し、ASTAの水酸化ナトリウム水溶液75.7gを得た。これ
にpHが1〜2になるように35重量%塩酸水溶液16.8gを
加えてASTAを酸析させ、吸引濾過で濾別し、含水ASTA 1
7.4gを得た。これを80℃で1晩減圧乾燥させ、純度97.2
重量%のASTA結晶11.6g(収率64.9%)を得た。得られた
ASTAの分解点は300〜302℃であり、標品と一致した。
(0.30モル)用いる代わりに、34.0g(0.45モル)用いる以
外は実施例1とほぼ同様に反応および精製を行い、純度
96.3重量%のASTA結晶12.5g(収率68.9%)を得た。得
られたASTAの分解点は300〜301℃であり、標品と一致し
た。
(0.5モル)、水50g及びチオシアン酸アンモニウム38.3g
(0.5モル)を入れ、エバポレーターで減圧下、90〜100℃
で二酸化炭素、水及びアンモニアを除去して、97.1重量
%のチオシアン酸アミノグアニジン68.5g(0.5モル)を得
た。
得られたチオシアン酸アミノグアニジン20.0g(0.15モ
ル)とチオシアン酸アンモニウム23.0g(0.30モル)を仕込
み、以下、実施例1とほぼ同様に反応および精製を行っ
て、純度95.8重量%のASTA結晶11.4g(収率62.8%)を
得た。得られたASTAの分解点は299.5〜302℃であり、標
品と一致した。
アンモニウムは、反応の熔融媒体として作用し、その使
用量を減らすと加熱反応時の反応系粘度が上昇し、ASTA
の収率も減少することがわかった。
とのない原料であるチオシアン酸アミノグアニジンを用
い、あるいは、従来法にはない原料の組合せである、重
炭酸アミノグアニジンなどのアミノグアニジン塩と、チ
オシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩とを用い
るものであり、この方法によれば、従来法における各種
の問題点、すなわち、用いる原料の毒性や危険性、これ
に伴う製造設備などのコスト高および反応収率の不十分
さなどの問題点を解消して、安価に且つ安全に目的化合
物である3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾールを
得ることができる。
熱反応に際してチオシアン酸塩を添加併用し、あるい
は、アミノグアニジン塩とチオシアン酸塩との反応に際
し、アミノグアニジン塩に対して、チオシアン酸塩を過
剰に使用することにより、収率の向上および反応系の過
度の粘度上昇や固化などの防止という効果も認められ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 チオシアン酸アミノグアニジンを加熱反
応させることを特徴とする3-アミノ-5-メルカプト-1,2,
4-トリアゾールの合成法。 - 【請求項2】 アミノグアニジン塩とチオシアン酸塩と
を反応させることを特徴とする3-アミノ-5-メルカプト-
1,2,4-トリアゾールの合成法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21322391A JP2959883B2 (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21322391A JP2959883B2 (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05247004A JPH05247004A (ja) | 1993-09-24 |
JP2959883B2 true JP2959883B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=16635577
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21322391A Expired - Fee Related JP2959883B2 (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2959883B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3328082B2 (ja) * | 1994-12-13 | 2002-09-24 | 日本カーバイド工業株式会社 | N−グアニジノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの製造方法 |
-
1991
- 1991-07-31 JP JP21322391A patent/JP2959883B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Journal of Heterocyclic Chemistry;vol.26(No.2),p355−360(1989) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05247004A (ja) | 1993-09-24 |
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