JP3032384B2 - 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法 - Google Patents
3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法Info
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中間原料として有用な3-メチル-5-メルカプト-1,2,4-
トリアゾールの合成法に関するものであり、詳しくは、
チオシアン酸アミノグアニジン、又は、アミノグアニジ
ン塩とチオシアン酸塩とを、酸の存在下で加熱反応させ
ることを特徴とする3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-ト
リアゾールの合成法に関するものである。
ゾール(以下、ASTAと略記することがある)の合成法に
ついては、従来いくつかの方法が知られており、例えば
西独国公開特許第1960981号公報には、先ず、酢酸を溶
解したエタール中に重炭酸アミノグアニジンを溶解さ
せ、これにトリエチルアミンを加えた後、二硫化炭素を
吹きこんで反応させる方法が提案されている。この反応
は、次式(イ)〜(ハ)に従うものと考えられる。
式(ニ)で示すように塩酸アミノグアニジンとチオ尿素と
を無溶媒下に熔融反応させて合成する方法が提案されて
いる。
アン酸アミノグアニジン、又は、アミノグアニジン塩と
チオシアン酸塩とを、酸の存在下で加熱反応させる方法
は知られていない。
の二硫化炭素の毒性や引火・爆発性などの問題点があ
り、装置の密閉性、排気・排水などの処理設備などに格
別な注意を要し、コスト高となることを免れえず、ま
た、前記第2の提案の方法では、反応収率が必ずしも十
分とはいえない上、原料のチオ尿素は毒性や発癌性が問
題となっており、前記第1の提案と同様に製造設備上コ
スト高となるなどの問題があることがわかった。
技術が有していた前述の問題点を解消し、安全で安価な
ASTAの合成法を開発すべく研究を進めた結果、例えば、
重炭酸アミノグアニジンなどのアミノグアニジン塩とチ
オシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩とを酸の
存在下に加熱熔融反応させることにより、容易且つ安全
に目的のASTAを合成できることを見出し、さらに研究を
進めて本発明を完成した。
酸アミノグアニジン、又は、アミノグアニジン塩とチオ
シアン酸塩とを、酸の存在下で加熱反応させることを特
徴とする3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール
の合成法の提供を目的とするものである。
まず、チオシアン酸アミノグアニジンを酸の存在下で加
熱反応させることを特徴とするASTAの合成法である。
するものと考えられる。
融状態で進行し、次第に反応系粘度が上昇して反応速度
が低下する傾向がある。このため、反応系粘度の上昇を
押さえる目的で、後記するチオシアン酸塩を、原料チオ
シアン酸アミノグアニジン1モルに対して0.5モル以
上、特には0.5〜2モル添加するのが好ましい。
としては、特に限定されるものではなく、例えば、塩
酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸を挙げることができる
が、反応性のよさや入手の容易さなどの観点から塩酸ま
たは硫酸の使用が好ましい。酸の使用量は、原料のチオ
シアン酸アミノグアニジン1モルに対して、一般に1〜
10当量、好ましくは1〜3当量程度とするのがよい。
のではないが、必要に応じて水などで適宜の濃度として
反応系中に滴下するのが好ましい。
できるが、反応速度、原料や生成したASTAの分解および
副反応の抑制等の観点から150℃〜190℃が最も好まし
い。
が、一般に15分〜64時間、好ましくは、14〜20時間の範
囲で行うのがよい。
アニジンは、例えば、アミノグアニジン塩とチオシアン
酸塩とを、例えば水性溶媒中で反応させることにより得
ることができる。
ば、塩酸アミノグアニジン、二塩酸アミノグアニジン、
硫酸アミノグアニジン、重硫酸アミノグアニジン、炭酸
アミノグアニジン、重炭酸アミノグアニジンなどを挙げ
ることができ、これらのうち、工業的スケールで反応を
行った場合の操作性のよさ、入手の容易さなどの観点か
ら重炭酸アミノグアニジンの使用が最も好ましい。
ば、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸カリウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸リチウム、
チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸マグネシウム、
チオシアン酸バリウムなどを挙げることができ、これら
のうち、工業的スケールで反応を行った場合の操作性の
よさ、入手の容易さなどの観点からチオシアン酸アンモ
ニウムの使用が最も好ましい。
ン塩とチオシアン酸塩とを、好ましくは溶媒を用いるこ
となく加熱熔融反応させ、次いでこの反応混合物を酸の
存在下で引き続き加熱反応させて、3-アミノ-5-メルカ
プト-1,2,4-トリアゾールを合成することもできる。こ
の反応も、反応中間体としてチオシアン酸アミノグアニ
ジンを経由しているが、該チオシアン酸アミノグアニジ
ンを単離することなくそのまま、酸の存在下で加熱反応
を継続することによって、目的化合物である3-アミノ-
5-メルカプト-1,2,4-トリアゾールを合成することがで
きる。
アニジンを用い、チオシアン酸塩としてチオシアン酸ア
ンモニウムを用いたときの反応は、次式(4)及び(5)に従
って進行するものと考えられる。
に無溶媒・熔融状態で進行する。この反応において、前
記チオシアン酸塩の使用量は、理論上は、アミノグアニ
ジン塩1モルに対して1モルであるが、通常、1モル〜
20モル、好ましくは、1モル〜5モル、特に好ましく
は、1.5モル〜3モルである。該チオシアン酸塩の使用
量が該下限値以上であれば、反応系粘度が高くなり過ぎ
たり、固化してしまったりすることがなく、反応性や攪
拌性が悪くなることがないので好ましく、一方、該上限
値以下であれば、後記する目的化合物ASTA精製時の濾別
に際しても操作性の低下がなく、また、経済性にも優れ
ているので好ましい。
記のチオシアン酸アミノグアニジンの加熱反応において
用いられると同じもの例示できるが、同様の理由により
塩酸または硫酸の使用が好ましい。酸の使用量は、アミ
ノグアニジン塩1モルに対して、一般に1〜10当量、好
ましくは1〜3当量程度とするのがよい。
できるが、反応速度、原料や生成したASTAの分解および
副反応の抑制等の観点から150℃〜190℃が最も好まし
い。
が、一般に15分〜64時間、好ましくは、14〜20時間の範
囲で行うのがよい。
ン酸塩とアミノグアニジン塩のみを仕込み反応を行って
もかまわないが、操作および反応初期の攪拌を考慮する
と、チオシアン酸塩の仕込みに際して、若干の水、メタ
ノール、エタノール、アセトンなどを加え操作性を良く
してもよい。
ASTAが得られるが、さらに高純度のものが得たい場合に
は、カラムクロマトグラフィー、酸析などの方法を用い
て精製することがることができる。
反応混合物に水を添加してスラリー溶液とし、吸引濾過
によりASTAと残留原料のチオシアン酸塩および副生物の
アンモニウム塩を溶解している濾液とを濾別し、さらに
このASTAを、一旦、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金
属水酸化物水溶液に溶解させてASTAのアルカリ金属塩の
水溶液とし、吸引濾過によりイオウ分などの不溶分を濾
別する。そして、そのASTAアルカリ金属塩の水溶液に塩
酸などの無機酸を加えpH1〜2にして、析出したASTAを
吸引濾過により濾別して乾燥することにより95〜99%の
ASTA結晶を得ることができる。
が、本発明は、これに限定されるものではない。
酸アミノグアニジン276.0g(約2.0モル)、チオシアン酸
アンモニウム305.0g(4.0モル)を仕込み、オイルバス上
で加熱して熔融させ、攪拌しながら150℃に保ち、35重
量%塩酸432.3g(約4.1モル)を15時間かけて滴下し反
応させた。反応終了後、反応混合物に水500gを加えて室
温まで冷却し、35重量%塩酸水溶液2.9gを添加して水溶
液を酸性にした後、生成しているASTAの沈殿を吸引濾過
し、含水粗ASTA 264.9gを得た。
水溶液221.3gに溶解させ、不溶分を吸引濾過により濾別
した後、得られた濾液にpHが1〜2になるように35重量
%塩酸水溶液を加えてASTAを酸析させ、吸引濾過で濾別
し、含水ASTA 346.4gを得た。これを50℃で1晩減圧乾
燥させ、純度94.2重量%のASTA結晶94.4g(収率78.8%)
を得た。得られたASTAの分解温度は300〜302℃であり、
また、赤外分光分析(IR)の結果は何れも標品と一致
した。なお、IRチャートを図1に示した。
2g(約2.0モル)、水100g及びチオシアン酸アンモニウ
ム160.2g(約2.1モル)を入れ、エバポレーターで減圧
下、90〜100℃で二酸化炭素、水及びアンモニアを除去
して、81.0重量%のチオシアン酸アミノグアニジン328.
2g(約2.0モル)を得た。
得られたチオシアン酸アミノグアニジン328.2g(約2.0
モル)とチオシアン酸アンモニウム155.0g(約2.0モ
ル)を仕込み、以下、実施例1とほぼ同様に反応および
精製を行って、純度95.0重量%のASTA結晶178.3g(収率
73.0%)を得た。得られたASTAの分解温度は299.5〜302
℃であり、標品と一致した。
アンモニウムは、反応の熔融媒体として作用し、その使
用量を減らすと加熱反応時の反応系粘度が上昇し、ASTA
の収率も減少することがわかった。
とのない原料であるチオシアン酸アミノグアニジンを用
い、あるいは、従来法にはない原料の組合せである、重
炭酸アミノグアニジンなどのアミノグアニジン塩と、チ
オシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩とを用い
て酸の存在下に加熱反応させるものであり、この方法に
よれば、従来法における各種の問題点、すなわち、用い
る原料の毒性や危険性、これに伴う製造設備などのコス
ト高および反応収率の不十分さなどの問題点を解消し
て、安価に且つ安全に目的化合物である3-アミノ-5-メ
ルカプト-1,2,4-トリアゾールを得ることができる。
の存在下に加熱反応させるに際してチオシアン酸塩を添
加併用し、あるいは、アミノグアニジン塩とチオシアン
酸塩とを酸の存在下に加熱反応させるに際し、アミノグ
アニジン塩に対して、チオシアン酸塩を過剰に使用する
ことにより、収率の向上および反応系の過度の粘度上昇
や固化などの防止という効果も認められる。
プト-1,2,4-トリアゾールのIRチャートである。
Claims (1)
- 【請求項1】 チオシアン酸アミノグアニジン、又は、
アミノグアニジン塩とチオシアン酸塩とを、酸の存在下
で加熱反応させることを特徴とする3-アミノ-5-メルカ
プト-1,2,4-トリアゾールの合成法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4200113A JP3032384B2 (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4200113A JP3032384B2 (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0625192A JPH0625192A (ja) | 1994-02-01 |
JP3032384B2 true JP3032384B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=16419049
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4200113A Expired - Fee Related JP3032384B2 (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3032384B2 (ja) |
-
1992
- 1992-07-06 JP JP4200113A patent/JP3032384B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Journal of Heterocyclic Chemistry; vol.26(No.2),p355−360(1989) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0625192A (ja) | 1994-02-01 |
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