JPH09111629A - 不織布およびその製造法 - Google Patents
不織布およびその製造法Info
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- JPH09111629A JPH09111629A JP27104495A JP27104495A JPH09111629A JP H09111629 A JPH09111629 A JP H09111629A JP 27104495 A JP27104495 A JP 27104495A JP 27104495 A JP27104495 A JP 27104495A JP H09111629 A JPH09111629 A JP H09111629A
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Abstract
よびその製造法を提供する。 【解決手段】 結晶化速度の異なる2つの成分からなる
ポリマーの混合物からなり、結晶化速度の速い第1成分
と結晶化速度の遅い第2成分とを、混合質量比90〜4
0:10〜60で混合した混合ポリマーよりなる不織布
およびその製造法
Description
性が良くかつ熱融着性がよい不織布、及びかかる不織布
を効率的に生産する製造法に関する。
紡糸,延伸処理により不織布を製造する際に配向結晶化
させるのが難しく、また、高温での寸法安定性を確保す
るために単孔吐出量を大きくすることが難しく、生産性
に問題があることが知られている。他方、結晶化速度の
速すぎるポリマーは、寸法安定性については問題が少な
いが、逆に結晶化が進みすぎるために熱融着性が損なわ
れやすく、融点近傍までポリマーを加熱する必要があ
り、融点が高いポリマーやポリマー樹脂自身の硬度が高
い場合にはカレンダー加工などの融着加工性が良くない
という問題があった。
T」という。)やポリブチレンテレフタレート(以下
「PBT」という。)などよりなるポリエステル系繊維
の不織布は、その優れた耐熱性や強度特性などにより様
々な分野に利用されている。しかしながら、PETの場
合には、結晶化速度が遅いために、紡糸時に単孔あたり
の吐出量を大きくすると配向結晶化が不十分となり乾熱
収縮率が高くなって寸法安定性に問題があった。特に、
極細繊維不織布を得るための手段であるメルトブロー法
では、繊維を細くするために高温でポリマーを低粘度の
状態にして紡糸する事が必要でありそのため配向結晶化
が進みにくく、110℃以上の高温での寸法安定性を得
ることが難しく、緊張下熱処理やアセトン浸漬による結
晶化後処理により寸法安定化処理することが必要であっ
た。他方、PBTの場合には、結晶化速度が速いため高
温での寸法安定性については問題がほとんどなく、メル
トブロー法などの紡糸方法にも適しているが、逆に結晶
化が進みすぎるためカレンダー加工などによる熱融着処
理を行っても、繊維が溶融しにくいために接着性があま
り良くないという問題があった。
不織布ではその接着が難しく、十分接着させるにはかな
り高温まで不織布を加熱する必要があり、加工時におい
て収縮によりシワが発生するなどの問題があった。ま
た、充分な接着強度を得るには接着加工温度を高くせざ
るをえず、一部が溶融し透明フィルム化するという問題
があった。
て、特開昭59−223312や特開平6−11648
4などに開示されているように2種類以上のポリマーを
ブレンドすることが考えられる。しかしながら、特開昭
59−223312で開示されているバインダー繊維の
製造法においては、予備収縮処理が必要であるため工程
が複雑であり、通常の不織布製造工程には適用は好まし
くなかった。また、該繊維は接着が目的であり単体の構
造体としての不織布そのものとは異なった特性を目標と
していた。さらに、該特許で適用されるPBTの質量分
率が20〜50%の間の範囲では接着性は改善されるも
のの、単孔吐出量を大きくすると高温での寸法安定性に
著しい問題を生じるという問題があった。また、PBT
質量分率が50〜60%の間の範囲では通常の紡糸条件
下において、糸切れが発生し易く操業性に問題を生じ
た。
ている方法では、ランダム共重合ポリエステルを用いる
ためか強度の低下の問題やオリゴマーのオリフィス部付
着や糸切れなどにより操業性が低下するという問題点を
生じた。従って、ランダム共重合ポリエステルを用いた
系では、安定して紡糸を実施するためには該特許の実施
例にあるように2成分系の複合紡糸をすることが必要で
あった。
質とする繊維ウェブが開示されており、熱的な寸法安定
性のよいメルトブローンウェブも開示されているが、本
発明が課題とする生産性や熱融着性(例えばカレンダー
加工性,他の不織布との接着性など)に問題があった。
ト(以下「PPT」という。)についても、平均繊維径
が10〜40μmのスパンボンド不織布や平均繊維径が
0.5〜10μmのメルトブローン不織布が、PBTと
ほぼ同等の紡糸条件で得られるようになってきた。しか
るに、伸度特性は優れるが、強度特性が不十分であると
いう問題があった。
性、接着性のよい不織布、特に好ましくは耐熱性や強伸
度特性に優れたポリエステル系繊維の不織布および該不
織布を生産性よく製造する方法を提供することを課題と
する。
決するために次の手段をとる。すなわち第1番目の発明
は、下記の式で定義される過冷却度0.15の状態にお
ける結晶化速度が50(1/秒)以上のポリマーよりな
る第1成分と、該結晶化速度が2(1/秒)以下のポリ
マーよりなる第2成分とが、混合質量比90〜40:1
0〜60で混合されたポリマーからなる不織布であっ
て、該不織布を構成する繊維の平均繊維径が0.5〜2
0μmの範囲にあり、該不織布は充填率が0.05〜
0.3の範囲にあり、該第1成分ポリマーの融点とガラ
ス転移温度の平均値に相当する温度での乾熱収縮率が1
0%以下であることを特徴とする不織布である。 過冷却度=(平衡融点−結晶化温度)/平衡融点
において、第1成分がポリブチレンテレフタレート、第
2成分がポリエチレンテレフタレートもしくはポリプロ
ピレンテレフタレートのいずれかまたはそれらの混合物
である不織布である。
又は第2番目の不織布と、結晶化速度が2(1/秒)以
下のポリマーを主成分とする繊維からなる不織布とが接
着されてなり、接着強度が250g/2cm以上である
積層不織布である。
において、第1番目の発明の不織布の第1成分ポリマー
の融点とガラス転移温度の平均値に相当する温度での乾
熱収縮率が10%以下である積層不織布である。
明から第4番目までの発明において、カレンダー加工に
より充填率が0.2〜0.9の間にあるよう調整され不
織布である。
4〜1.2のポリブチレンテレフタレートよりなる第1
成分と、極限粘度が0.4〜0.7の間にあるポリエチ
レンテレフタレートもしくは極限粘度が0.4〜1.0
のポリプロピレンテレフタレートまたはこれらの混合物
のいずれかよりなる第2成分を、混合質量比90〜4
0:10〜60で混合して、押出機スクリューにより温
度を230〜285℃、回転速度5〜30RPMで0.
5〜10分混合してから押し出した混合物を、230〜
275℃の温度域で単孔あたり0.1g/分〜3g/分
で押し出し、ついで細化させる事を特徴とする不織布の
製造法である。
不織布はスパンボンド法またはメルトブロー法により製
造される長繊維不織布である事が望ましいが、短繊維よ
り構成された不織布でもよい。本発明の不織布を構成す
るポリマーは、過冷却度が0.15の状態における結晶
化速度dQHv/dtが50(1/秒)以上のポリマーよ
りなる第1成分と、結晶化速度が2(1/秒)以下のポ
リマーよりなる第2成分とが混合された混合ポリマーか
らなる。これは、結晶化速度の高いポリマーの持つ優れ
た熱的な寸法安定性と、結晶化速度の低いポリマーの持
つ優れたヒートシール性や相互接着性との両立を目的と
している。結晶化速度が2を超え50未満のポリマーの
みを用いることは、寸法安定性と接着性のバランスの良
い不織布を安定して効率的に生産する点から好ましくな
い。
子量などに依存するため、規格化して相対比較できるよ
うに(平衡融点−結晶化温度)/平衡融点で定義される
過冷却度が1.5の状態で測定する。前記平衡融点は、
ホフマン−ウイークスプロットにより得られる外挿値で
あり、各等温結晶化温度(Tc)で結晶化させたサンプ
ルの融点(Tm)をDSC(示差走査熱量計)で測定
し、TcとTmの関係をグラフにプロットしてそれらの
点の回帰直線と、Tm=Tcの直線との交点を平衡融点
とした。なお、結晶化温度は、等温結晶化を行なうホッ
トプレート温度を意味する。
ーをホットプレート上で等温結晶化する際に、図1の様
な小角散乱測定装置によりヘリウム−ネオンレーザー
(波長6328オングストローム)をサンプルに照射し
た際の散乱光の強度IHV(q)と散乱角θの時間依存性
を測定し、散乱光の強度IHV(q)を用い、下式により
積分したQHVの時間に対する依存性を調べてそのグラフ
の傾きよりdQHV/dtを求めた。 なお、λは波長(オングストローム)であって、qは変
換パラメーターである。図1において、1はHe−Ne
レーザー、2はピンホール、3はサンプル、4はアナラ
イザー、5はフォトダイオード受光ユニット、6は変換
・調整器、7は処理装置、8は画面である。
強伸度特性などの優れた特性からポリエステルである事
が好ましい。特に好ましいポリマー成分としては、PB
Tよりなる第1成分とPETもしくはPPTまたはそれ
らの混合物のいずれかよりなる第2成分との混合ポリマ
ーにより構成されるポリマーである。ここでPBTと
は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、テトラメチレン
グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル
であってテトラメチレンテレフタレート単位を主たる繰
り返し単位とするものである。また、PPTとは、テレ
フタル酸を主たる酸成分とし、トリメチレングリコール
を主たるグリコール成分とするポリエステルであってト
リメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位と
するものである。また、PETとは、テレフタル酸を主
たる酸成分とし、ジメチレングリコールを主たるグリコ
ール成分とするポリエステルであってジメチレンテレフ
タレート単位を主たる繰り返し単位とするものである。
発明者らの測定によると、過冷却度が0.15の状態に
おける結晶化速度dQHv/dtは、PET、PPT,P
BTでそれぞれ0.4,1.6,75であった。
温度,同一剪断速度下での溶融粘度差が、高い方の粘度
の値の50%以下であることが好ましい。本発明者の検
討の範囲では、好ましくはPETの粘度よりもPBTの
粘度の方がやや高い方が不織布の寸法安定性がよい傾向
があったがその理由は明らかではない。
40:10〜60の間にある事が必要である。好ましく
は第1成分と第2成分の混合比は80〜60:20〜4
0の間にあればのぞましく、さらに好ましくは該混合比
が80〜65:20〜35の間にあることである。第1
成分の混合率が90%より大きくなるとバルクの特性が
PBT単独の状態に近くなり、接着性の改善の程度が好
ましくない。他方、混合率が40%より小さくなるとブ
レンドを実施しない状態に近くなり、結晶化速度が小さ
くなり過ぎるためか熱的な寸法安定性が低下して好まし
くない。第1成分の混合率が50%より小さくなったあ
たりから紡糸中の糸切れが増え始める傾向があったが、
押出機での混合・混練り条件を厳密に規定する事により
ある程度紡糸が可能となった。しかしながら第1成分の
混合率が40%未満になると糸切れのために紡糸が困難
となり、操業性に問題を生じた。
事が好ましい。繊維径が0.5μmより小さくなると不
織布としての強度が低下して好ましくない。平均繊維径
が20μmより大きくなると、風合いがかたくなったり
操業性が低下するなどの問題が生じてあまり好ましくな
い。特に、フィルターとして用いる際には15μm以下
が好ましく、更に好ましくは6μm以下である。また、
繊維径の変動係数CV%は50%以下であることがシー
トの均一性の観点から好ましく、さらに好ましくは30
%以下である。
ない状態で使用する際には、0.05から0.3の間に
あることが好ましい。充填率が0.05未満になると、
繊維の交絡点数が少なくなるためか、シートの強度が大
幅に低下するという問題が生じる。充填率が0.3を超
えた不織布を後加工なしで得る様な条件で紡糸を実施す
ると平均繊維径が0.5〜20μmの間に設定する際に
は、紡糸時に不安定現象が出て糸切れが生じやすくな
り、特にメルトブロー法においてはショットとよばれる
繊維切断端がシートに孔をあけてピンホールを発生した
り、透明状フィルム化するなどの問題を生じるので好ま
しくない。
マーの融点とガラス転移温度の平均温度での乾熱収縮率
が10%以下であることが必要である。ポリエステルの
場合は、160℃前後での乾熱収縮率が10%以下であ
る事が必要である。乾熱収縮率が10%より大きくなる
と積層や充填率調整を目的として、不織布を加熱フラッ
ト(プレーン)カレンダーまたは加熱エンボスカレンダ
ーなどで処理する際にシートが収縮して均一な処理が困
難となったりシワが入ったりする。好ましくは乾熱収縮
率が6%以下、更に好ましくは3%以下である。発明者
はPETの含有率が高くなるにつれ乾熱収縮率が高くな
る傾向があることを見いだした。さらに、後加工により
熱セット処理を実施してこの収縮率を更に低下させるの
も好ましい形態の一つである。
該不織布の第2成分を50〜100%含有する不織布B
を70〜220℃の温度域の間の温度で融着部面積が不
織布全体の面積の8%になるように彫刻されたエンボス
ロールにより加熱接着処理した際に、接着強度が250
g/2cm以上であることが好ましく、さらに好ましく
は500g/2cm以上、特に好ましくは750g/2
cm以上である。接着強度は、エンボスの彫刻形態にも
依存するが、押さえられた個々の融着部の面積が、押さ
えられた彫刻面(ドットサイズ)の面積と同一面積の円
の直径にして0.1〜0.5mmの範囲にあることが好
ましい。エンボスの接着面積率もいろいろ変更可能であ
るが、8%以下の接着面積で少なくとも250g/2c
mの接着強度が出せれば使用上問題ない。接着条件は、
不織布Aを構成するポリマーの第1成分と第2成分の構
成比により適正値が変化する。従って、通常は70〜2
20℃の範囲で10℃刻み前後でスクリーニングすれば
適正な接着条件を決定できる。なお、融着面積率は積層
を目的とする際には3〜40%が好ましく、5〜25%
が更に好ましい。
ダー処理する場合には、充填率を0.2〜0.9の間に
する事が好ましい。カレンダー処理に関しては、処理シ
ートの形態安定性(セット性)の観点から、加工前の不
織布充填率を基準として、少なくとも50%以上充填率
が高くなる事が好ましく、更に好ましくは、100%以
上高くする事が好ましい。ポリエステル系の不織布の場
合には、カレンダーの加工温度は50℃以上かつ220
℃以下が好ましく、更に好ましくは、80℃以上200
℃以下である。
は、第1成分としては極限粘度が0.4〜1.2のPB
T、第2成分としては極限粘度が0.4〜0.7のPE
Tまたは極限粘度が0.4〜1.0以下のPPTを使用
することが好ましい。
としては、該ポリマー混合物の温度を230℃以上28
5℃以下の温度で、押出機スクリューの回転速度が5〜
30RPMの間で0.5〜10分混合してのち押し出す
事が必要である。押出温度、回転数と滞留時間は剪断に
よる分子切断やエステル結合の交換反応などによりポリ
マー粘度が大きく変動することのない条件域であり、ポ
リマー粘度の安定化のためには温度が低いほど、スクリ
ューの回転速度が本発明域の中では高いほど、滞留時間
が短いほど特に好ましい。スクリュー回転速度について
は30RPMより高速で回転するとエステル交換反応あ
るいは剪断による分子鎖切断によると考えられる粘度の
低下が著しくなり、紡糸が不安定になる。回転数が5R
PMより小さくなると混合が不十分になり紡糸の安定化
の観点や熱的寸法安定化の斑を生じて好ましくない。該
ポリマーの溶融滞留時間は、0.5〜10分の間に設定
するのがよく、好ましくは0.5〜5分である。混合方
式の最も好ましい形態のひとつとしては、2軸押出機に
よりできるだけ短時間で均一に混合する事も好ましい。
また、あらかじめ2軸押出機などで混練りを実施した後
にペレット化しておいて、該ペレットを通常の一軸押出
機で押し出しても良い。場合によっては、予め該組成の
ポリマーを共重合したポリマーを用いてもよい。
形態のひとつとしては、スパンボンド法またはメルトブ
ロー法押出機において、押出機により押し出した該混合
物の押出温度を230℃以上275℃以下の温度域に設
定し、単孔あたりで0.1g/分以上3.0g/分以下
で押し出してのち細化させる事が好ましい。吐出量を単
孔あたりで0.1g/分より小さくすると加熱配管内で
の滞留時間が長くなり熱劣化やエステル交換反応が進み
易いためか粘度が著しく低下し、また粘度斑が発生する
ためか操業性が悪くなる。他方、3.0g/分より大き
な吐出量でも紡糸が不安定になり糸切れが発生し易くな
ったり、不織布の高温での寸法安定性に問題を生じる。
特に、極細繊維の製造に有利なメルトブロー法において
は、単孔あたりで0.1g/分以上1.0g/分以下で
溶融押し出しの後エアー温度が230℃以上320℃以
下の温度のエアーにより該ポリマーを牽引伸長させる事
が好ましい。なお、ポリマー吐出温度が275℃をこえ
ると乾熱収縮率が高くなり、230℃未満になると糸切
れしやすくなり好ましくない。
ひとつとしては、該不織布や被積層シート状物の素材
が、ポリエステル系のポリマーである場合がある。たと
えば、PETよりなるスパンボンド不織布やフィルムな
どシート状物と本発明の不織布を積層してのち70〜2
20℃の間の温度域でエンボスカレンダーロールにより
融着一体化して使う事が好ましい形態のひとつである。
特に、本発明の不織布がメルトブロー法により得られる
不織布である場合には、強度が小さくなりやすいため、
スパンボンド不織布やフィルムなどとの積層により補強
する事が特に好ましい。
ものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例における各物性値は、次の方法により測定した。 イ.平衡融点 190℃から各ポリマー融点までの4〜5点の温度(T
c)で等温結晶化させたサンプルをDSCにより融点
(Tm)測定を行い、それらの回帰直線とTc=Tm直
線との交点を平衡融点とした。
散乱法装置により求めた。つまり、サンプルにHe−N
e(ヘリウム−ネオン)レーザーを照射して、その散乱
光の散乱強度IHV(q)と散乱角θの時間依存性を測定
し、散乱光強度のqに対する積分値QHVを求めた。この
QHVは、結晶の体積分率と比例するとして、結晶化速度
dQHV/dtを求めた。測定装置により絶対値の変動が
ある際には、極限粘度0.58のPBTレジン(三菱レ
イヨン社製N−1500)の結晶化速度を基準として、
その値が75に成るように比例定数を決定して比例換算
すればよい。ここでqは変換パラメーターであり、以下
の式により計算される。 q=(4π/λ)sin (θ/2) また、tは時間を、λは波長を示す。
3:1に混合した溶液25mlに、乾燥ポリマーを0.
1g溶解して、ウベローゼ粘度管に入れ、30℃の温度
での落下速度を測定し、ハギンスの式を用いて決定し
た。簡単のため、PPTおよびPBTについても、相対
粘度から極限粘度の換算式はPETと同一の式を用いて
算出した。
0本の繊維径をノギスにより読み取り、その算術平均を
平均繊維径とした。 ホ.充填率 7g/cm2 の荷重下で不織布厚みを測定し、目付を厚
みとポリマー密度の積で割った値である体積充填率を採
用した。
より第1成分ポリマーの融点とガラス転移温度の平均値
の温度で15分間熱処理したのち4辺の長さの和の変化
率より求めた。
り出し、接着面を5cmの長さ分だけ手で剥離させた状
態にして、剥離された部分を、把持長が5cmになるよ
うに上下何れかのチャックに挟んで引っ張り強度測定機
にセットし、5cm/分で引っ張り試験を行った際の張
力と歪みの関係を求めて、2つの不織布が完全に剥離し
てしまうまでの間の最大張力を接着強度とした。
枚積層してホルダーに設置し、0.6μmのアルミナ粒
子を100PPM分散させたイオン交換水を用いて、線
速度5cm/分、有効濾過面積13.8cm2 で濾過試
験を実施し、濾過開始後に出口濃度が最大になった時点
での入口濃度と出口濃度を用いて、[(入口濃度−出口
濃度)/入口濃度]×100より初期濾過精度を求め
た。濃度の測定は三菱化成製ポイック濃度計を用いた。
極限粘度0.58)と東洋紡績株式会社製PET(品
名:RE530,極限粘度0.62)を混合質量を変更
して、該ポリマー混合物の温度を275℃で、押出機ス
クリューの回転速度が25RPMの間で3分混合しての
ち押し出した混合物を、該ポリマー混合物の温度を26
0から270℃までの温度域で単孔あたりで0.5g/
分で押し出してメルトブロー法紡糸を実施した。紡糸条
件は平均繊維径が2〜3μmの間になるように調整し
た。得られた不織布は乾熱収縮率が小さく後加工で熱を
かけても寸法変化が小さく問題がなかった。また、不織
布の積層加工性をみるために東洋紡績株式会社製のPE
Tスパンボンド不織布(品名:6601A)と160℃
でエンボス加工を実施した。全ての接着強度は十分で剥
離は生じなかった。詳細を表1に示した。
極限粘度0.58)と東洋紡績株式会社製PET(品
名:RE530,極限粘度0.62)を混合質量比を別
表のように変更して、該ポリマー混合物の温度を280
℃で、押出機スクリューの回転速度が25RPMの間で
3分混合してのち押し出した混合物を、該ポリマー混合
物の温度を250℃から285℃の温度域で単孔あたり
で0.5g/分で押し出してメルトブロー法紡糸を実施
した。紡糸条件は平均繊維径が2〜3μmの間になるよ
うに調整した。比較例2、比較例3の不織布は乾熱収縮
率が高く、後加工で熱をかけた際に不均一な皺を生じ
て、後加工通過性に問題があった。一方、比較例1の不
織布はPETスパンボンド不織布と接着しようと試みた
が160℃では全く接着されなかった。そこで225℃
までカレンダーローラーを加熱したが、接着強度が低
く、接合面は容易に手で剥離させる事ができ接着が不十
分であった。この際、積層シートの一部が溶融透明化す
る部分を生じるという問題も生じた。詳細を表1に示し
た。
PTを混合質量比60:40で混合して、該ポリマー混
合物の温度を275℃で、押出機スクリューの回転速度
が25RPMの間で3分混合してのち押し出した混合物
を、該ポリマー混合物の温度を260℃で単孔あたりで
0.5g/分で押し出してメルトブロー法紡糸を実施し
た。乾熱収縮率は3.2%であり、PETスパンボンド
との積層接着性も良好であった。詳細を表1に示した。
ル温度160℃、線圧25Kg/cm、20m/分で平
滑化処理を実施した。シートは毛羽立ちが少なく良好で
あった。
ール温度160℃、線圧25Kg/cm、20m/分で
平滑化処理を実施した。シートを指でこすると毛羽だち
を生じた。シートを折曲げるとその部分の厚みがもどっ
て厚くなりカレンダー加工性が不十分であった。
定性,接着性がよいためフィルター材などとしての利用
や積層加工される不織布として好適である。特に本発明
の不織布がポリエステルで構成される場合には、ポリプ
ロピレンと比べて特に優れた特性である親水性や耐熱
性、強伸度特性を持つ不織布やその積層体を比較的低コ
ストで生産性良く供給することが可能となり、フィルタ
ーや衣料用不織布、医療用不織布などに好適な不織布を
供給できる。また、該不織布のすぐれた寸法安定性や接
着性により後加工性が著しく好適となる。
安定性がよくかつ熱融着性や熱接着性のよい不織布を効
率的に生産することが可能となる。
ム図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記の式で定義される過冷却度0.15
の状態における結晶化速度が50(1/秒)以上のポリ
マーよりなる第1成分と該結晶化速度が2(1/秒)以
下のポリマーよりなる第2成分とが、混合質量比90〜
40:10〜60で混合されたポリマーからなる不織布
であって、該不織布を構成する繊維の平均繊維径が0.
5〜20μmの範囲にあり、該不織布は充填率が0.0
5〜0.3の範囲にあり、該第1成分ポリマーの融点と
ガラス転移温度の平均値に相当する温度での乾熱収縮率
が10%以下であることを特徴とする不織布。 過冷却度=(平衡融点−結晶化温度)/平衡融点 - 【請求項2】 第1成分がポリブチレンテレフタレート
からなり、第2成分がポリエチレンテレフタレートもし
くはポリプロピレンテレフタレートのいずれかまたはそ
れらの混合物である請求項1記載の不織布。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2の不織布と、請求
項1の結晶化速度が2(1/秒)以下のポリマーを主成
分とする繊維からなる不織布とが接着されてなり、接着
強度が250g/2cm以上である積層不織布。 - 【請求項4】 請求項1の不織布の第1成分ポリマーの
融点とガラス転移温度の平均値に相当する温度での乾熱
収縮率が10%以下である請求項3に記載の積層不織
布。 - 【請求項5】 カレンダー加工により充填率が0.2〜
0.9の範囲に調整された請求項1〜4項のいずれか1
項に記載の不織布。 - 【請求項6】 極限粘度が0.4〜1.2のポリブチレ
ンテレフタレートよりなる第1成分と、極限粘度が0.
4〜0.7の間にあるポリエチレンテレフタレートもし
くは極限粘度が0.4〜1.0のポリプロピレンテレフ
タレートまたはこれらの混合物のいずれかよりなる第2
成分を、混合質量比90〜40:10〜60で混合し
て、押出機スクリューにより温度を230〜285℃、
回転速度5〜30RPMで0.5〜10分混合してから
押し出した混合物を、230〜275℃の温度域で単孔
あたり0.1g/分〜3g/分で押し出し、ついで細化
させる事を特徴とする不織布の製造法。
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