JP4604329B2 - 2軸配向ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、引裂き直進性に優れ、かつ、優れた強度、耐熱性、寸法安定性を有し、菓子、漬物、味噌、スープ、ジャム、冷凍、冷蔵、レトルトパウチなどの食品をはじめ、医薬品、日用品、コスメティクスなどの包装材料として有用なフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品、医薬品、雑貨の包装には各種のプラスチックフィルムを用いた包装袋が多く使用されており、ニ軸延伸プラスチックフィルムとヒートシール可能な無配向プラスチックフィルムを2層或いは3層以上ラミネートした包装袋が広く使用されている。ニ軸延伸ポリエステルフィルムは耐久性、防湿性、力学的強度、耐熱性、耐油性に優れており、チューブラー法、フラット式同時ニ軸延伸法、フラット式逐次ニ軸延伸法などを用いて製造したニ軸延伸ポリエステルフィルムが食品包装分野に於いて幅広く使用されている。
【0003】
しかしながら、ニ軸延伸ポリエステルフィルムを用いた包装袋は、引裂き開封性が悪いという問題点を有している。開封性を良くする為にノッチを付与する方法があるが、ノッチから引裂いた際に直線的に引裂けない現象がしばしば発生し、内容物が飛散して無駄になるばかりではなく、クッキーなどの柔らかい菓子は開封時に割れたり、内容物が液体の場合には衣服を汚したりするトラブルが起こる場合がある。
【0004】
フィルムを引裂いた際の直進性に優れる易開封性包装材料としては、一軸延伸ポリオレフィンフィルムを中間層としてラミネートしたものがある。このようなものとしては、例えば、ニ軸延伸ポリエステルフィルム/一軸延伸ポリオレフィンフィルム/無延伸ポリオレフィンフィルムの3層ラミネートフィルムがあるが、わざわざ中間層を設けなければならずコスト的に問題があり用途が限定されていた。
【0005】
このような問題を解決するために、単層の引裂き直進性に優れたポリエステルフィルムが考案されている。かかるポリエステルフィルムはボリマーブレンドの相分離構造の異方性を利用して引裂き直進性を発現させている。このフィルムの異方性を制御するために、例えば特開平08−169962では未延伸状態のシートにおける異方性を規定している。しかし特定の樹脂組成物を用い、かかる押し出し条件を用いても、確実に異方性を安定制御することが難しかった。またフィルムが完成に至るまでには更に延伸工程、緩和処理工程、熱セット工程等がはいるため、その後に経験する工程によって異方性が変化し、最終的に望ましい異方性に制御することが難しかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を解決しようとするものであり、ニ軸延伸ポリエステルフィルムの特徴である力学特性、保香性、耐熱性、耐油性、低吸湿性及び特に食品包装材料に要求される乾熱、湿熱環境下での寸法安定性を保持したまま、異方性が高く、優れた引裂き直進性ニ軸延伸ポリエステルフィルムを安定して提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような課題を解決する為に鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の2軸配向ポリエステルフィルムは、2種以上のポリエステルの混合物からなるポリエステルフィルムであって、空間的及び又は時間的にせん断速度を急激に増加させるような樹脂溶融押出し工程とその後の延伸工程によって得られる、相分離構造を有し、かつ等方性評価値が0.70以下であることを特徴とする。
この場合において、上記2軸配向ポリエステルフィルムは機械の流れ方向の引裂き直進性に優れることが好適である。
またこの場合において、上記層分離構造は糸引き島状であることが好適である。
さらにまた、この場合において、上記ポリエステルの混合物がテレフタル酸を80mol%以上含有する結晶性ポリエステル樹脂(A)90〜70wt%と融点170℃以上の結晶セグメント及び融点又は軟化点が100℃以下、分子量が400〜8000の軟質重合体からなるブロック共重合ポリエステル(B)10〜30wt%の混合物であるることが好適である。
さらにまた、この場合において、上記ポリエステルの混合物がテレフタル酸を80mol%以上含有する結晶性ポリエステル樹脂(A)と融点170℃以上の結晶セグメント及び融点又は軟化点が100℃以下、分子量が400〜8000の軟質重合体からなるブロック共重合ポリエステル(B)とポリブチレンテレフタレート(C)の混合物であり、かつ(A)が90〜70wt%、(B)と(C)の合計量が10〜30wt%であることが好適である。
さらにまた、この場合において、上記2軸配向ポリエステルフィルムが空間的及び又は時間的にせん断速度を急激に増加させるような樹脂溶融押出し工程とその後の延伸工程によって得られることが好適である。
さらにまた、この場合において、空間的及び又は時間的にせん断速度を急激に増加させるような樹脂溶融押出し工程とその後の延伸工程を含むことを特徴とする2軸配向ポリエステルフィルムの製造方法が好適である。
【0008】
本発明における結晶性ポリエステル(A)はテレフタル酸を80mol%以上含有するが、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)が最適であるが、PETとポリブチレンテレフタレート(PBT)、PETとポリエチレンナフタレート(PEN)などとの共重合体、或いはこれらの混合物を用いることができる。
【0009】
前記ポリエステルとしては極限粘度0.60dl/g以上のものが好ましく、さらには0.62dl/g以上0.90dl/g以下のものが適当である。極限粘度が0.62dl/g未満のものを用いた場合、衝撃強度、引き裂き直進性ともに優れない。極限粘度が0.90dl/gより大きなものを用いた場合押し出し成形性に劣る。結晶性ポリエステル(A)の重合方法は特に限定されないが、極限粘度を好適な範囲にするために固相重合法を併用することが出来る。
【0010】
本発明におけるブロック共重合ポリエステル(B)において、融点170℃以上の結晶セグメントは、その成分だけで重合体としたときに、融点が170℃以上のものであるが、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2・6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸の残基と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、P−キシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、芳香族、脂環族ジオールの残基とからなるポリエステル等を用いることができるが、特にテレフタル酸残基が80mol%以上を占めることが望ましい。
【0011】
また、分子量400〜8000の軟質重合体は、前記セグメント構成成分だけで測定した場合の融点或いは軟化点が100℃以下のものをいう。分子量が400以下のものを用いた場合は、得られるブロック共重合ポリエステルは融点が低く粘着性が大であり、フィルムへの配合加工性に困難となる。また、分子量が8000を越える場合は、軟質重合体が層分離し、極めて高い溶融粘度を示し、硬く脆い性質となり、共重合反応後重合釜からの取り出しが困難となったり、また、このブロック共重合ポリエステルをフィルム成形に用いた場合、透明性が不良であったりして好ましくない。好ましくは800〜1200の分子量のものである。
【0012】
また、ブロック共重合ポリエステル中での低融点軟質重合体の割合は1〜12mol%の範囲が好ましい。1mol%未満の場合軟質重合体としての特性が得られず、12mol%を越えた場合、結晶性ポリエステル(A)との混合溶融時にブロック共重合ポリエステル(B)の分散が大きくなり引裂き直進性が得られず、また透明性も悪化する。さらに3〜8mol%の範囲が好ましく、特に2〜4mol%の範囲が好ましい。
【0013】
このような低融点軟質重合体としては、ポリエチレンオキサイドグリコール、ポリテトラメチレンオキサイドグリコール、ポリプロピレンオキサイドグリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合グリコール、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合グリコール等のポリエーテル、ポリネオペンチルアゼレート、ポリネオペンチルアジペート、ポリネオペンチルセパケート等の脂肪族ポリエステル、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリピバロラクトン等のポリラクトンを示すことができる。好ましくはポリエチレンオキサイドグリコール、ポリテトラメチレンオキサイドグリコール等が実用的である。これらのブロック共重合ポリエステルは通常の縮合重合法によって製造することができる。
【0014】
本発明において用いるブロック共重合体ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレンオキサイドブロック共重合体、ポリエチレンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート−ポリエチレンオキサイドブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合体、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリテトラメチレンテレフタレート・イソフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合体、ポリエチレンテレフタレート−ポリ−ε−カプロラクトンブロック共重合体、ポリエチレンテレフタレート−ポリネオペンチルセパケートブロック共重合体、ジ(4−カルボキシフェノキシ)エタンとエチレングリコールとからのポリエステルとポリエチレングリコールとのブロック共重合体、ビス(N−パラカルボエトキシフェニル)アジパミドとエチレングリコールとからのポリエステルとポリエチレングリコールとのブロック共重合体などを上げることができる。
【0015】
本発明に於いて結晶性ポリエステル(A)とブロック共重合ポリエステル(B)との配合比は結晶性ポリエステル(A)90〜70wt%に対してブロック共重合ポリエステル(B)を10〜30wt%の割合で配合することが必要であり、好ましくは結晶性ポリエステル(A)90〜75wt%、ブロック共重合ポリエステル(B)10〜25wt%、さらに好ましくは結晶性ポリエステル(A)90〜80wt%、ブロック共重合ポリエステル(B)10〜20wt%である。ブロック共重合ポリエステル(B)が10wt%未満の場合、引裂き直進性が得られない。また、ブロック共重合ポリエステル(B)が30wt%を越えた場合、ニ軸延伸ポリエステルフィルムの引張り強度が低下したり寸法安定性や剛性が低下して使用に耐えない。
【0016】
またブロック共重合ポリエステル(B)の混合分の一部をポリブチレンテレフタレートに置き換えても良い。
【0017】
本発明のニ軸延伸ポリエステルフィルムの熱収縮率は150℃×30分の条件で機械の流れ方向(MD方向)、巾方向(TD方向)共に3%以下であることが好ましい。熱収縮率が3%を越えると印刷適性が悪化するので好ましくない。
【0018】
また、本発明のニ軸延伸フィルムの等方性評価値は0.70以下であることが好ましく、0.60以下がより好ましい。更に0.30以下となるとポリエステル(B)が19wt%のとき200mm引き裂いたときの反れ巾が±1mm程度となった。等方性評価値が0.70を越えると、機械の流れ方向の引裂き直進性が得られない。
【0019】
フィルムの等方性評価値を0.70以下にする方法としては、樹脂溶融押し出し工程に於いて、空間的及び又は時間的なせん断速度の急峻に増加する工程を設ける事、更にこの工程を押し出しの完了する時点の近くに設ける事が有効である。これによって発生する糸引き島状相分離構造の特徴又は痕跡を安定して形成することが出来る。更に先に述べたポリエステル組成物を用いる事、例えばポリエステル(B)を多目にする、二軸延伸にて延伸、熱固定の温度を高目の範囲に設定する、等も有効なことが解った。
【0020】
本発明のフィルムの製膜方法としては、例えば、結晶性ポリエステル(A)とブロック共重合ポリエステル(B)、あるいはこれらにポリブチレンテレフタレートをチップ状で混合したものを押出し機に投入し、加熱溶融した後、Tダイのダイオリフィスからシート状に押出吐出する。
【0021】
この樹脂溶融押し出しの完了する時点の近くに空間的及び又は時間的なせん断速度の急峻に増加する工程を設けるためには、例えば、シーティングのプロファイルが急峻であるかまたは、階段的にリップを絞ったダイスを用いる事、ダイス入り口付近の溶融パイプラインをそれ以前のパイプ径より急峻に十分絞っておく事、フィルターをダイスの近くに設ける事、等を必要に応じ適宜組み合わせ実施されることが望ましい。この際、ダイオリフィスでの樹脂のせん断速度は200sec-1以上であることが上記効果の点から好ましい。さらに300sec-1以上が好ましい。
【0022】
次にこの軟化状態にあるシートは、冷却ドラムに密着して巻きつけられて冷却される。続いて、得られた未延伸シートを90〜110℃の温度にて縦方向に3〜4倍の延伸倍率にて延伸する。続いて80〜110℃の温度にて横方向に3.5〜4.5倍の延伸倍率にて延伸する。延伸倍率がそれぞれの温度未満の場合は均質な延伸フィルムを得ることができない場合があり、また、それぞれの温度を越えた場合は結晶性ポリエステル(A)の結晶化が促進されて透明性が悪くなる場合がある。ニ軸延伸されたフィルムは、続いて、210〜250℃の温度にて熱処理される。熱処理温度が210℃より低いとフィルムの収縮率が大きくなり、袋として使用した場合に変形する原因となる。また、250℃より高い場合はフィルムが融解し製膜困難となる。
【0023】
尚、ニ軸延伸方法としては特に限定されないが、ロールとテンターによる逐次ニ軸方式によるものが好ましい。本発明のフィルムを製造するにあたり、あらかじめ適当な酸化防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、滑剤、相溶化剤等の添加剤を添加しても支障はない。本発明のニ軸延伸フィルムには、コロナ放電処理、火炎処理、表面硬化処理或いは各種のコーティングによる表面処理を行うことができる。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。尚、実施例及び比較例の測定方法は次の通りである。
【0025】
(測定方法)
1.還元粘度及び極限粘度
ウベローデ型粘度管を用い、フェノール/テトラクロルエタンの重量比6/4の混合溶媒に、サンプルを溶液濃度0.4g/dlで溶解し、温度30℃で測定した値から還元粘度を求め、さらに必要に応じ極限粘度に換算する。
【0026】
引裂き直進性:ニ軸延伸フィルムより、MD方向に200mm、TD方向に40mmの短冊状のフィルム片を切りだし、このフィルム片の一方の短辺の中央部に長さ5mmの切りこみを入れた試料を10本作成する。次に、切り込みよりMD方向に手で引裂き、引裂き伝播端が切り込みを入れた辺に向かい合う短辺の中央部から2mm以内に到達したものを◎、2〜5mm以内に到達したものを○、5mm以上にて到達したものを△、向かい合う短辺に到達しなかったものを×とした。図1に概念図を示す。
【0027】
2.等方性評価
携帯形光電比色計(柴田化学機器工業社製、COLORIMETER MODEL C−2)を用い、サンプルホルダーを外し、受光用フォトダイオードの入力線を切り離す。可視光用ブルーセンシティブフォトダイオード(BS120)のセンサー面が、5mmφの比色計の入射光絞りの中心から入射光軸の出射側に対し仰角60度、距離21mmとなる位置に取り付け、その信号出力を比色計のフォトダイオード入力を切り離したあとに接続する。漏光を完全に除去した後測定に移る。入射光(白色光)を遮断した状態にてゼロ調整ダイアルにてメーターの0%をあわせる。比色計の5mmφ入射光絞りの上に試料フィルムを1〜10枚(標準2〜5枚)、切り出した方向を揃え重ねて固定する。このとき光軸とセンサーの中心を含む平面に試料フィルムのMD方向が垂直となるようにする。入射光を当て、100%調整ダイアルにてメーターの100%をあわせる。次に試料フィルムを入射光絞りを中心に90度まわし、光軸とセンサーの中心を含む平面に試料フィルムのTD方向が垂直になるようにし、メーターを読む(a%)。さらに同じ向きにフィルムを90度まわしては100%あわせ、a%読みを5回繰り返す。最後にフィルムを取り外し、入射光を当てメーターを読む(B%)。5回のa%読みの平均をA%とすると、等方性評価値Iは下記式(1)で表される。
I=(A−B)/(100−B)
【0028】
異方性が大きい程Iは0に近い値をとる。異方性が小さい程Iは1に近い値をとる。この評価法を行う場合、光学的に等価であって感度が類似するものであれば機器の選択は上記に限定されない。
【0029】
3.相分離構造評価
フィルムサンプルを切り出し、MD及びTD断面の切片を作成するためにエポキシ樹脂に包埋した。これをトリミングし、面出しした後にRuO4蒸気中で16時間染色した。それぞれの染色されたブロックから、MD、TD断面の超薄切片を作成してメッシュにとり、カーボン蒸着を施して観察用試料とした。
観察は日本電子製JEM−2010透過型電子顕微鏡で、加速電圧200kV、直接倍率10000倍で観察、写真撮影を行った。
MD断面の切片10μm平方の範囲に500nm以上の長さの相分離構造が5本以上見出されるものを糸引き島状相分離構造有りと判断した。
【0030】
(実施例1)
結晶性ポリエステル(A)として東洋紡績社製 RE553(極限粘度0.63dl/g) を用い、ブロック共重合ポリエステル(B)として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、ジオール成分としてブタンジオール96.7mol%、ポリテトラメチレングリコール(分子量1000)3.3mol%からなるポリエステル(還元粘度1.33dl/g)を88/15wt%の割合で混合したものを調製した。これを90mmφ押出し機を使用して280℃の樹脂温度にてフィルターを通し、ダイ部への入り口径10mmφ及びリップ出口を2mmから階段状に1mmに絞ったTダイより溶融押出しし、25℃に調温されたキャストロールに密着急冷し、厚さ約200μmの未延伸シートを得た。このときのリップ先端でのせん断速度は約500sec-1であった。
【0031】
次いで、得られた未延伸シートをロール式縦延伸機で100℃にて3.7倍、テンター式横延伸機で105℃にて4.5倍に延伸した後、240℃で熱処理を行い、室温まで冷却し、厚さ12μmのニ軸延伸フィルムを得た。得られたニ軸延伸フィルムの等方性評価及び引裂き直進性を測定し、結果を表1に示した。
【0032】
(実施例2)
実施例1と同様にして得られた未延伸シートをテンター式横延伸機で105℃にて4.5倍に延伸し、ロール式縦延伸機で100℃にて3.7倍延伸した後、240℃で熱処理を行い、室温まで冷却し、厚さ12μmのニ軸延伸フィルムを得た。
【0033】
(比較例1)
実施例1に於いて、ダイ部への入り口径30mmφ及びリップ出口を2mmのままとしたTダイより溶融押出しした以外実施例1と同様の工程にてニ軸延伸フィルムを得た。
【0034】
(比較例2)
実施例2に於いて、ダイ部への入り口径30mmφ及びリップ出口を2mmのままとしたTダイより溶融押出しした以外実施例1と同様の工程にてニ軸延伸フィルムを得た。
【0035】
(実施例3)
実施例1と同様にして得られた未延伸シートを同時2軸延伸法を用い100℃にて機械の流れ方向に4.1倍、巾方向に4.1倍延伸した、240℃で熱処理を行い、室温まで冷却し、厚さ12μmのニ軸延伸フィルムを得た。
【0036】
(実施例4)
ブロック共重合ポリエステル(B)の配合量を19wt%とした以外は実施例1と同様にしてニ軸延伸フィルムを得た。
【0037】
(実施例5)
ブロック共重合ポリエステル(B)の配合量を19wt%とした以外は実施例2と同様にしてニ軸延伸フィルムを得た。
【0038】
(実施例6)
結晶性ポリエステル(A)として東洋紡績社製 RE553(極限粘度0.63dl/g)を82wt%用い、ブロック共重合ポリエステルBとしてジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、ジオール成分としてブタンジオール93.3mol%、ポリテトラメチレングリコール6.7mol%からなるポリエステル(還元粘度1.50dl/g)9wt%、ポリブチレンテレフタレート9wt%、の割合でペレット同時混合したものを用いた以外は実施例1と同様にニ軸延伸フィルムを得た。
【0039】
(実施例7)
結晶性ポリエステル(A)として東洋紡績社製 RE553(極限粘度0.63dl/g)を82wt%用い、ブロック共重合ポリエステルBとしてジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、ジオール成分としてブタンジオール93.3mol%、ポリテトラメチレングリコール6.7mol%からなるポリエステル(還元粘度1.50dl/g)9wt%、ポリブチレンテレフタレート9wt%、の割合でペレット同時混合したものを用いた以外は実施例2と同様にニ軸延伸フィルムを得た。
【0040】
(比較例3)
実施例6に於いて、ダイ部への入り口径30mmφ及びリップ出口を2mmのままとしたTダイより溶融押出しした以外実施例1と同様の工程にてニ軸延伸フィルムを得た。
【0041】
(比較例4)
実施例7に於いて、ダイ部への入り口径30mmφ及びリップ出口を2mmのままとしたTダイより溶融押出しした以外実施例1と同様の工程にてニ軸延伸フィルムを得た。
【0042】
上記結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ニ軸延伸ポリエステルフィルムの特徴である、耐久性、防湿性、力学的性質、耐熱性、耐油性を有すると共に光学的、機械的に高い異方性を有し、フィルムのMD方向に極めて高い引裂き直進性を有する、改良されたニ軸延伸ポリエステルフィルムが安定的に提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】引き裂き直進性の評価の概要図
Claims (1)
- 2軸配向ポリエステル製造の方法であって、階段的にリップを絞ったダイスを用いてせん断速度を増加させて行う樹脂溶融押出し工程とその後の延伸工程を含むことを特徴とする2軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
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