JP4387054B2 - 包装材料用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は包装材料用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは包装材料に用いた際、手で容易に引き裂くことができ、かつ優れた耐久性、寸法安定性、ガスバリアー性、機械強度、耐油性、耐溶剤性を有する包装材料として有用な包装材料用二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
雑貨、医薬品、食品等の包装に、二軸配向ポリエステルフィルム、または二軸配向ポリエステルフィルムをポリエチレンなどのヒートシール可能なフィルムとラミネートさせた包装材料が広く使用されている。二軸延伸ポリエステルフィルムは透明性、耐久性、寸法安定性、ガスバリアー性、耐油性、耐溶剤性、機械強度に優れており、良質な包装材料を提供する。
【0003】
しかしながら、二軸配向ポリエステルフィルムを用いた包装材料は、その優れた高い機械的強度のゆえ、引裂き開封性、特に直線引裂き性が悪いという問題点を有する。すなわち、二軸配向ポリエステルフィルムを用いた包装形態は、手で容易に開封することができなかったり、無理に開封すると内容物の飛散や破損といったトラブルが発生する可能性がある。
【0004】
上記のような問題点に対し、2種のポリマーブレンドによって細長い島状の相分離形態を作り、直線引裂き性を発現しようとする技術が、例えば特開平11−302405号公報に開示されている。この技術は、ポリエチレンテレフタレートと、ポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレートとからなる組成物を延伸することによって、内部に前記相分離形態を形成せしめたフィルムを製造するものであり、かかる構成をとることによりフィルムに直線引裂き性を付与するというものである。
【0005】
しかし、上記フィルムは直線引裂き性に優れるが、耐衝撃性には劣る問題がある。商品の流通過程においては、落下などの事故は避けられないのが現実であり、包装材料の耐衝撃性の向上は不可欠である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を解消し、直線引裂き性に優れ、かつ耐衝撃性に優れる、包装材料用二軸配向ポリエステルフィルムを得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、直線引裂き性と耐衝撃性の向上を同時に達成すべく、鋭意研究の結果、耐衝撃性に優れた特性を活かしてエンジニアリングプラスチックとして広範に利用されている素材であるポリブチレンテレフタレート(PBT)にポリエチレングリコールを共重合させてなるポリエステルエラストマーの分散構造をポリエチレンテレフタレート中に作ることによって、包装材料に用いる二軸配向ポリエステルフィルムの優れた透明性、耐久性、寸法安定性、ガスバリアー性、耐油性、耐溶剤性、機械強度を損なうことなく、直線引裂き性、開封性に優れ、かつフィルムの強度、耐衝撃性などが向上した優れた包装材料が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0008】
即ち本発明は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル(A)、ならびに、テレフタル酸を主たる酸成分とし、全グリコール成分に対し10〜60重量%の分子量1000〜8000のポリエチレングリコールおよび全グリコール成分に対し40〜90重量%のテトラメチレングリコールをグリコール成分とするポリエステル(B)からなるフィルムであって、ポリエステル(A)とポリエステル(B)の重量比(A/B)が95/5〜70/30の範囲であり、かつフィルムの長手方向のトラウザー引裂き強度が2.3N/mm以下であることを特徴とする包装材料用二軸配向ポリエステルフィルムを提供するものである。
【0009】
また本発明においては、上記包装材料用二軸延伸ポリエステルフィルムは以下の形態をとることが好ましい。
1.フィルム中のポリエステル組成物がポリエステル(A)中にポリエステル(B)が島状に分散している形態であり、かつフィルムが長手方向に直線引裂き性を奏する。
2.150℃で30分間熱処理した後の収縮率が高々8%である。
3.ヘーズが高々10%である。
4.二軸配向ポリエステルフィルムの片面または両面に、アルミ蒸着層、ポリオレフィンフィルム層およびポリアミドフィルム層から選ばれる少なくとも1つの層を積層する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0011】
本発明の包装材料用二軸延伸ポリエステルフィルム(以下、単には二軸延伸ポリエステルフィルムと称することがある)は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル(A)、ならびに、テレフタル酸を主たる酸成分とし、全グリコール成分に対し10〜60重量%の分子量1000〜8000のポリエチレングリコールおよび全グリコール成分に対し40〜90重量%のテトラメチレングリコールをグリコール成分とするポリエステル(B)からなる。
【0012】
本発明におけるポリエステル(A)は、テレフタル酸を主たる酸成分、エチレングリコールを主たるグリコール成分として重縮合してなるポリエステルであって、ポリエステルの公知の製法、例えばテレフタル酸ジメチルおよびエチレングリコールをエステル化反応させ、その生成物をエステル交換反応させる方法、あるいはテレフタル酸とエチレングリコールを直接エステル化させる方法により製造できる。
【0013】
また、本発明におけるポリエステル(B)は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、全グリコール成分に対し10〜60重量%の分子量1000〜8000のポリエチレングリコールおよび全グリコール成分に対し40〜90重量%のテトラメチレングリコールをグリコール成分として共重合させて得られるものである。ポリエステル(B)もポリエステル(A)と同じ方法で製造できるが、ポリエチレングリコールの添加時期は特に制限されるものではなく、テレフタル酸とテトラメチレングリコールとの直接エステル化によりオリゴマーを得た後、溶融重合する際にポリエチレングリコールを添加する方法、テトラメチレングリコールとポリエチレングリコールをあらかじめ溶融混練する方法などいずれの方法でもよい。
【0014】
本発明におけるポリエステル(A)、(B)は、いずれも本発明の効果を損ねない範囲で上記以外の共重合成分を共重合させることもできる。上記以外の共重合成分として、酸成分としてはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などを好ましく挙げる事ができる。またグリコール成分としてはジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールを好ましく挙げる事ができる。これらは単独あるいは2種以上を使用することができる。
【0015】
本発明におけるポリエステル(A)および(B)の割合(A/B)は重量比で70/30〜95/5、好ましくは75/25〜90/10、さらに好ましくは80/20〜85/15である。ポリエステル(B)の割合が30重量%を超えると、ポリマーの粘度が高すぎて安定した製膜が難しくなる。また5%未満では、直線引裂き性を発現するに十分な量のポリエステル(B)の島状構造がポリエステル(A)の海の中に形成できない。ポリエステル(B)の島状構造は細長い形状を呈しており、その方向はフィルムの巻き取り方向にほぼ一致している。
【0016】
本発明のポリエステルフィルムに用いるポリエステル(B)中のポリエチレングリコールの分子量は1000〜8000、好ましくは2000〜7000、さらに好ましくは3000〜6000である。ポリエチレングリコールの分子量が8000を超えるとポリマーの溶融粘度が高すぎて安定して押出機より吐出して製膜することが不可能となり、またポリエステル(A)と(B)の相溶性を悪化させる原因となり、フィルムヘーズが上昇し、その結果印刷の見栄えが悪化するため包装用途としては適さないフィルムとなる。一方ポリエチレングリコールの分子量が1000を下回るとポリエステル(A)との相溶性が良すぎて、直線引裂き性を発現するのに必要な相分離構造が形成できなくなる。
【0017】
本発明のポリエステルフィルムは包装材料としてのフィルムの透明性を損なわない割合の平均粒径が2.5μm以下の滑剤を含有することが望ましい。この滑剤は無機、有機系の如何を問わないが、無機系が好ましい。無機系滑剤としてはシリカ、アルミナ、2酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が例示でき、有機系滑剤としてはシリコーン粒子等が例示できる。いずれも平均粒径が2.5μm以下が好ましい。上記滑剤の添加量としてはその粒径にもよるが、フィルムの巻き取り性、透明性に悪影響を及ぼさない範囲で選択すると良い。
【0018】
本発明のポリエステルフィルムは、高透明であること、すなわち、ヘーズが10%以下であることが好ましい。かかるフィルムを得るには、フィルムの組成を前述のとおりとし、フィルムに含まれる滑剤の種類、平均粒径、添加割合を選択することで達成できる。
【0019】
本発明のポリエステルフィルムは上記したポリエステル(A)および(B)を溶融混合し、ダイより吐出してフィルム状に成形し、二軸延伸および熱固定して製造される。
【0020】
かかるフィルムは、150℃、30分熱処理後の収縮率が8%以下、好ましくは6%以下、さらに好ましくは4%以下が好ましい。
【0021】
かかるフィルムを得るためには、製膜工程において、熱固定温度を200℃以上とすることが好ましい。熱固定温度が低すぎると製品フィルムの熱収縮率が大きくなり、ラミネート等の包装加工時に変形が大きくなってしまう。
【0022】
本発明のポリエステルフィルムは、包装の開封し易さを得るため、トラウザー引裂き強度で2.3N/mm以下である。かかるフィルムを得るには、延伸倍率をフィルム巻き取り方向に3.0倍以上、好ましくは3.2倍以上、巾方向の延伸倍率を巻き取り方向の延伸倍率未満にするのが良い。ここで言う引裂き強度測定方向は、ポリエステル(B)の細長い島状構造の長径方向に一致させるがその方向はフィルムの巻き取り方向にほぼ一致している。
【0023】
本発明のポリエステルフィルムは、厚みが大きいと開封性に劣り、厚みが薄いと内容物の保護と言う面で問題があるという観点から、6〜25μm、さらに10〜20μm、特に12〜15μmの範囲が好ましい。
【0024】
本発明のポリエステルフィルムは、その片面または両面に、アルミ蒸着層またはポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィンフィルムやナイロン6、ナイロン66、MXDナイロンの如きポリアミドフィルムを積層した形態で用いることができ、かかる構成とすることにより、さらに強度、ガスバリヤー性といった包装材料にとって重要な特性を向上させることができる。また積層することにより従来からある包装材に、本発明のポリエステルフィルムの特徴である直線引裂き性を付与できる。
【0025】
【実施例】
以下に、実施例を掲げて本発明をさらに説明する。なお、各特性の測定は下記の方法に従った。
【0026】
(1)フィルム厚み
打点式フィルム厚み計(Anritsu、K402B)を用い、フィルム幅方向の任意の場所50箇所、フィルム幅の中心付近の長手方向で任意の場所50箇所について厚みを測定し、全100箇所の数平均値をフィルム厚みとする。
【0027】
(2)ポリエチレングリコールの分子量
サンプル10mgを重トリフルオロ酢酸/重クロロホルム(1:1)の混合溶媒に溶解し、日本電子製NMR(核磁気共鳴装置) JEOL A-600を用いて600M-プロトンNMRを測定することにより求めた。
【0028】
(3)引裂き強度
JIS K-7128-1(A法:トラウザー引裂試験)に準じて測定した。測定値(N/mm)の小さいものほど引裂き性が良好であると判断する。
【0029】
(4)直線引裂き性
フィルムの巻き取り方向を長手にして4cm×30cmの短冊を切り出した。この短冊の短い方の辺に切れ目を入れで引裂く際、30cm引き裂いた所で引裂き端の法線方向からどのくらいずれるかによって評価した。すなわち、図1に示すとおり、引裂き試験後の短冊の引裂き開始位置から短冊の端までの距離(a;cm)と、引裂き終了位置から短冊の端までの距離(b;cm)から法線からのずれ(L)を下記式にて求めた。
L = (|a−b|/30)×100 (%)
【0030】
そして、Lが5%未満であるものを合格、Lが5%以上であるものを不合格とした。試験は、n=30実施し、合格率から以下のとおり判定した。
判定基準:
○:合格率が80%以上(直線引裂き性が優れる)
△:合格率が60%以上80%未満(直線引裂き性がやや優れる)
×:合格率が60%未満(直線引裂き性が劣る)
【0031】
(5)ヘーズ
JIS K-7105の測定法Aに準じ、測定した。
【0032】
(6)熱収縮率
長さ約40cmのフィルムを長手方向、幅方向に短冊状に切り出し、30cmの間隔をあけて2個所の標点をつける。その後150℃に加熱したオーブン内に30分間置いた後、オーブンから取り出して標点間の距離を測定しオーブンに入れる前の値(30cm)との差を算出、その差を最初の標点間距離の百分率(%)で表した。測定は5回行いその平均値を測定値とした。
【0033】
(7)相分離粒子の観察方法
フィルムを包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂を用いて包埋し、ミクロトーム(Reichert-Jung製、UlTRACUT)にて長手断面、巾断面を50μm厚に薄切りしたサンプルを、3.2%オスミウム酸・60℃・2hrの条件で蒸気染色を行った後、透過電子顕微鏡(トプコン製、LEM-2000)によって加速電圧100kVで観察した。
【0034】
(8)耐衝撃性試験
本発明の二軸配向フィルムを用いて、30cm×20cmのサイズの袋を作成した。作成した袋に水1000mlを満たして封をし、2mの高さからコンクリートの床に落下させる。試験は各サンプルについて50回実施し、そのうち袋の破断率が20%以下のものを○、21〜40%を△、41%以上を×とした。試験は25℃、湿度50%の雰囲気中で実施した。
【0035】
[実施例1〜4、比較例1〜8]
ジメチルテレフタレート、エチレングリコールを原料として、テトラブトキシチタンをエステル交換触媒、2酸化ゲルマニウムを重合触媒、亜リン酸を安定剤として用い、常法によりポリエチレンテレフタレート(ポリエステルA)を製造した。また、ジメチルテレフタレート、テトラメチレングリコールを原料としてテトラブトキシチタンをエステル交換触媒、2酸化ゲルマニウムを重合触媒、亜リン酸を安定剤として用い、常法によりエステル交換反応をさせる際、表1に示す分子量のポリエチレングリコール(PEG)を加えることにより、共重合ポリエステル(ポリエステルB)を得た。上記の如くして得られたポリエステルAおよびポリエステルBを表1に示す比率でブレンドしたものを150℃で5時間乾燥した後、押出機ホッパーに供給して溶融温度290℃で溶融し、単層ダイを用いて表面温度20℃の冷却ドラム上に押出して急冷し、厚さ170〜180μmの未延伸フィルムを得た。このようにして得られた未延伸フィルムを80℃に予熱し、低速−高速ロール間でIRヒーターを用いて表1の如き延伸温度、延伸倍率にて縦延伸した。得られた一軸延伸フィルムをステンターに供給し、表1に示す延伸温度、延伸倍率にて横延伸し、その後220℃にて熱固定を行い二軸配向ポリエステルフィルムを得た。なお、フィルム厚みは押出機の回転数を変えることで調節した。
【0036】
一方比較のため、ポリエステルAのみを用いた厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(比較例1)、表1に示す如くA/B配合比、PEG分子量や共重合比を変化させたフィルム(比較例2〜7)、およびポリエステルBのグリコール成分のうち、テトラメチレングリコールに代えてエチレングリコールを用いたフィルムを、それ以外の条件を実施例1と同様にして二軸配向フィルムを作成した。これらのフィルムの物性を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
表1から明らかなとおり、実施例の1〜4のフィルムは、何れもフィルム巻き取り方向(長手方向)の直線引裂き性が良好かつ耐衝撃性に優れ、包装材料として有用なものであった。
【0039】
これらに対し、比較例のフィルムはそれぞれ以下の特性を示した。
【0040】
比較例1のフィルムは直線引裂き性が著しく劣っている。
【0041】
比較例2のフィルムはポリエステルBのブレンド量が少なく、ポリエステルAの海の中にポリエステルBの細長い島状構造を十分に形成できないため直線引裂き性が悪い。
【0042】
比較例3のフィルムはポリエステルBのブレンド比率が高いため、ポリマーの溶融粘度が増し安定した溶融押出しが不可能であった。
【0043】
比較例4のフィルムはポリエステルB中のPEGの分子量が小さいため、ポリエステルA、Bの相溶性が高すぎ、直線引裂き性を得るのに不可欠なポリエステルA、Bの相分離構造ができないため直線引裂き性が悪い。
【0044】
比較例5のフィルムはポリエステルB中のPEGの分子量が大きいため、ポリマーの溶融粘度が増し安定した溶融押出しが不可能であった。
【0045】
比較例6のフィルムはポリエステルB中のPEG共重合量が小さいため、A、Bの相溶性が良い。そのため、直線引裂き性を得るのに不可欠なA,Bの相分離構造ができないため直線引裂き性が無い。
【0046】
比較例7のフィルムはポリエステルB中のPEG共重合量が大きいため、ポリマーの溶融粘度が増し安定した溶融押出しが不可能であった。
【0047】
比較例8のフィルムはポリエステルBのグリコール成分をエチレングリコールに変更しているため、ポリエステルA,Bの相溶性が上昇した結果、直線引裂き性の発現に不可欠な相分離構造がやや形成されにくくなっているため、直線引裂き性がやや劣り、さらに耐衝撃性も悪化している。
【0048】
[実施例5〜8]
実施例1〜4のフィルムの片面に、厚さ50μmのポリエチレンまたはポリプロピレンと貼り合わせた積層フィルムを作成し、直線引裂き性を評価した。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
表2から明らかなとおり、本発明のフィルムに、ポリオレフィン系フィルムを積層しても良好な直線引裂き性を示す。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、直線引裂き性に優れ、かつ耐衝撃性に優れる、包装材料用二軸配向ポリエステルフィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直線引裂試験における引き裂き後の試験片の形状を示す。
Claims (5)
- テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル(A)、ならびに、テレフタル酸を主たる酸成分とし、全グリコール成分に対し10〜60重量%の分子量1000〜8000のポリエチレングリコールおよび全グリコール成分に対し40〜90重量%のテトラメチレングリコールをグリコール成分とするポリエステル(B)からなるフィルムであって、ポリエステル(A)とポリエステル(B)の重量比(A/B)が95/5〜70/30の範囲であり、かつフィルムの長手方向のトラウザー引裂き強度が2.3N/mm以下であることを特徴とする包装材料用二軸配向ポリエステルフィルム。
- フィルム中のポリエステル組成物がポリエステル(A)中にポリエステル(B)が島状に分散している形態であり、かつフィルムが長手方向に直線引裂き性を奏する請求項1記載の包装材料用二軸配向ポリエステルフィルム。
- 150℃で30分間熱処理した後の収縮率が高々8%である請求項1記載の包装材料用二軸配向ポリエステルフィルム。
- ヘーズが高々10%である請求項1記載の包装材料用二軸配向ポリエステルフィルム。
- 二軸配向ポリエステルフィルムの片面または両面に、アルミ蒸着層、ポリオレフィンフィルム層およびポリアミドフィルム層から選ばれる少なくとも1つの層を積層した請求項1記載の包装材料用二軸配向ポリエステルフィルム。
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