JP2002146057A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JP2002146057A JP2000350655A JP2000350655A JP2002146057A JP 2002146057 A JP2002146057 A JP 2002146057A JP 2000350655 A JP2000350655 A JP 2000350655A JP 2000350655 A JP2000350655 A JP 2000350655A JP 2002146057 A JP2002146057 A JP 2002146057A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直線引裂き性に優れ、かつ耐衝撃性に優れ
る、包装材料に有用な二軸配向ポリエステルフィルムを
提供する。 【解決手段】 テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチ
レングリコールを主たるグリコール成分とするポリエス
テル(A)、ならびに、テレフタル酸を主たる酸成分と
し、全グリコール成分に対し10〜60重量%の分子量
1000〜8000のポリエチレングリコールおよび全
グリコール成分に対し40〜90重量%のテトラメチレ
ングリコールをグリコール成分とするポリエステル
(B)からなるフィルムであって、ポリエステル(A)
とポリエステル(B)の重量比(A/B)が95/5〜
70/30の範囲であり、かつフィルムの長手方向のト
ラウザー引裂き強度が4.0N/mm以下であることを
特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸配向ポリエステ
ルフィルムに関する。さらに詳しくは包装材料に用いた
際、手で容易に引き裂くことができ、かつ優れた耐久
性、寸法安定性、ガスバリアー性、機械強度、耐油性、
耐溶剤性を有する包装材料として有用な二軸配向ポリエ
ステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】雑貨、医薬品、食品等の包装に、二軸配
向ポリエステルフィルム、または二軸配向ポリエステル
フィルムをポリエチレンなどのヒートシール可能なフィ
ルムとラミネートさせた包装材料が広く使用されてい
る。二軸延伸ポリエステルフィルムは透明性、耐久性、
寸法安定性、ガスバリアー性、耐油性、耐溶剤性、機械
強度に優れており、良質な包装材料を提供する。
【0003】しかしながら、二軸配向ポリエステルフィ
ルムを用いた包装材料は、その優れた高い機械的強度の
ゆえ、引裂き開封性、特に直線引裂き性が悪いという問
題点を有する。すなわち、二軸配向ポリエステルフィル
ムを用いた包装形態は、手で容易に開封することができ
なかったり、無理に開封すると内容物の飛散や破損とい
ったトラブルが発生する可能性がある。
【0004】上記のような問題点に対し、2種のポリマ
ーブレンドによって細長い島状の相分離形態を作り、直
線引裂き性を発現しようとする技術が、例えば特開平1
1−302405号公報に開示されている。この技術
は、ポリエチレンテレフタレートと、ポリテトラメチレ
ングリコール共重合ポリブチレンテレフタレートとから
なる組成物を延伸することによって、内部に前記相分離
形態を形成せしめたフィルムを製造するものであり、か
かる構成をとることによりフィルムに直線引裂き性を付
与するというものである。
【0005】しかし、上記フィルムは直線引裂き性に優
れるが、耐衝撃性には劣る問題がある。商品の流通過程
においては、落下などの事故は避けられないのが現実で
あり、包装材料の耐衝撃性の向上は不可欠である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を解消し、直線引裂き性に優れ、かつ
耐衝撃性に優れる、包装材料に有用な二軸配向ポリエス
テルフィルムを得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、直線引裂
き性と耐衝撃性の向上を同時に達成すべく、鋭意研究の
結果、耐衝撃性に優れた特性を活かしてエンジニアリン
グプラスチックとして広範に利用されている素材である
ポリブチレンテレフタレート(PBT)にポリエチレン
グリコールを共重合させてなるポリエステルエラストマ
ーの分散構造をポリエチレンテレフタレート中に作るこ
とによって、包装材料に用いる二軸配向ポリエステルフ
ィルムの優れた透明性、耐久性、寸法安定性、ガスバリ
アー性、耐油性、耐溶剤性、機械強度を損なうことな
く、直線引裂き性、開封性に優れ、かつフィルムの強
度、耐衝撃性などが向上した優れた包装材料が得られる
ことを目いだし、本発明に到達した。
【0008】即ち本発明は、テレフタル酸を主たる酸成
分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分と
するポリエステル(A)、ならびに、テレフタル酸を主
たる酸成分とし、全グリコール成分に対し10〜60重
量%の分子量1000〜8000のポリエチレングリコ
ールおよび全グリコール成分に対し40〜90重量%の
テトラメチレングリコールをグリコール成分とするポリ
エステル(B)からなるフィルムであって、ポリエステ
ル(A)とポリエステル(B)の重量比(A/B)が9
5/5〜70/30の範囲であり、かつフィルムの長手
方向のトラウザー引裂き強度が4.0N/mm以下であ
ることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムを提
供するものである。
【0009】また本発明においては、上記二軸延伸ポリ
エステルフィルムは以下の形態をとることが好ましい。 1.フィルム中のポリエステル組成物がポリエステル
(A)中にポリエステル(B)が島状に分散している形
態であり、かつフィルムが長手方向に直線引裂き性を奏
する。 2.150℃で30分間熱処理した後の収縮率が高々8
%である。 3.ヘーズが高々10%である。 4.二軸配向ポリエステルフィルムの片面または両面
に、アルミ蒸着層、ポリオレフィンフィルム層およびポ
リアミドフィルム層から選ばれる少なくとも1つの層を
積層する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0011】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは
テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコール
を主たるグリコール成分とするポリエステル(A)、な
らびに、テレフタル酸を主たる酸成分とし、全グリコー
ル成分に対し10〜60重量%の分子量1000〜80
00のポリエチレングリコールおよび全グリコール成分
に対し40〜90重量%のテトラメチレングリコールを
グリコール成分とするポリエステル(B)からなる。
【0012】本発明におけるポリエステル(A)は、テ
レフタル酸を主たる酸成分、エチレングリコールを主た
るグリコール成分として重縮合してなるポリエステルで
あって、ポリエステルの公知の製法、例えばテレフタル
酸ジメチルおよびエチレングリコールをエステル化反応
させ、その生成物をエステル交換反応させる方法、ある
いはテレフタル酸とエチレングリコールを直接エステル
化させる方法により製造できる。
【0013】また、本発明におけるポリエステル(B)
は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、全グリコール成
分に対し10〜60重量%の分子量1000〜8000
のポリエチレングリコールおよび全グリコール成分に対
し40〜90重量%のテトラメチレングリコールをグリ
コール成分として共重合させて得られるものである。ポ
リエステル(B)もポリエステルと同じ方法で製造でき
るが、ポリエチレングリコールの添加時期は特に制限さ
れるものではなく、テレフタル酸とテトラメチレングリ
コールとの直接エステル化によりオリゴマーを得た後、
溶融重合する際にポリエチレングリコールを添加する方
法、ポリテトラメチレングリコールとポリエチレングリ
コールをあらかじめ溶融混練する方法などいずれの方法
でもよい。
【0014】本発明におけるポリエステル(A)、
(B)は、いずれも本発明の効果を損ねない範囲で上記
以外の共重合成分を共重合させることもできる。上記以
外の共重合成分として、酸成分としてはアジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪
族ジカルボン酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5
−ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカル
ボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテル
ジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等の芳香族ジ
カルボン酸などを好ましく挙げる事ができる。またグリ
コール成分としてはジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジ
オール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキ
レングリコールを好ましく挙げる事ができる。これらは
単独あるいは2種以上を使用することができる。
【0015】本発明におけるポリエステル(A)および
(B)の割合(A/B)は重量比で70/30〜95/
5、好ましくは75/25〜90/10、さらに好まし
くは80/20〜85/15である。ポリエステル
(B)の割合が30重量%を超えると、ポリマーの粘度
が高すぎて安定した製膜が難しくなる。また5%未満で
は、直線引裂き性を発現するに十分な量のポリエステル
(B)の島状構造がポリエステル(A)の海の中に形成
できない。ポリエステル(B)の島状構造は細長い形状
を呈しており、その方向はフィルムの巻き取り方向にほ
ぼ一致している。
【0016】本発明のポリエステルフィルムに用いるポ
リエステル(B)中のポリエチレングリコールの分子量
は1000〜8000、好ましくは2000〜700
0、さらに好ましくは3000〜6000である。ポリ
エチレングリコールの分子量が8000を超えるとポリ
マーの溶融粘度が高すぎて安定して押出機より吐出して
製膜することが不可能となり、またポリエステル(A)
と(B)の相溶性を悪化させる原因となり、フィルムヘ
ーズが上昇し、その結果印刷の見栄えが悪化するため包
装用途としては適さないフィルムとなる。一方ポリエチ
レングリコールの分子量が1000を下回るとポリエス
テル(A)との相溶性が良すぎて、直線引裂き性を発現
するのに必要な相分離構造が形成できなくなる。
【0017】本発明のポリエステルフィルムは包装材料
としてのフィルムの透明性を損なわない割合の平均粒径
が2.5μm以下の滑剤を含有することが望ましい。こ
の滑剤は無機、有機系の如何を問わないが、無機系が好
ましい。無機系滑剤としてはシリカ、アルミナ、2酸化
チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が例示でき、
有機系滑剤としてはシリコーン粒子等が例示できる。い
ずれも平均粒径が2.5μm以下が好ましい。上記滑剤
の添加量としてはその粒径にもよるが、フィルムの巻き
取り性、透明性に悪影響を及ぼさない範囲で選択すると
良い。
【0018】本発明のポリエステルフィルムは、高透明
であること、すなわち、ヘーズが10%以下であること
が好ましい。かかるフィルムを得るには、フィルムの組
成を前述のとおりとし、フィルムに含まれる滑剤の種
類、平均粒径、添加割合を選択することで達成できる。
【0019】本発明のポリエステルフィルムは上記した
ポリエステル(A)および(B)を溶融混合し、ダイよ
り吐出してフィルム状に成形し、二軸延伸および熱固定
して製造される。
【0020】かかるフィルムは、150℃、30分熱処
理後の収縮率が8%以下、好ましくは6%以下、さらに
好ましくは4%以下が好ましい。
【0021】かかるフィルムを得るためには、製膜工程
において、熱固定温度を200℃以上とすることが好ま
しい。熱固定温度が低すぎると製品フィルムの熱収縮率
が大きくなり、ラミネート等の包装加工時に変形が大き
くなってしまう。
【0022】本発明のポリエステルフィルムは、包装の
開封し易さを得るため、トラウザー引裂き強度で4.0
N/mm以下、好ましくは3.0N/mm以下である。
かかるフィルムを得るには、延伸倍率をフィルム巻き取
り方向に3.0倍以上、好ましくは3.2倍以上、巾方
向の延伸倍率を巻き取り方向の延伸倍率未満にするのが
良い。ここで言う引裂き強度測定方向は、ポリエステル
(B)の細長い島状構造の長径方向に一致させるがその
方向はフィルムの巻き取り方向にほぼ一致している。
【0023】本発明のポリエステルフィルムは、厚みが
大きいと開封性に劣り、厚みが薄いと内容物の保護と言
う面で問題があるという観点から、6〜25μm、さら
に10〜20μm、特に12〜15μmの範囲が好まし
い。
【0024】本発明のポリエステルフィルムは、その片
面または両面に、アルミ蒸着層またはポリエチレン、ポ
リプロピレンの如きポリオレフィンフィルムやナイロン
6、ナイロン66、MXDナイロンの如きポリアミドフ
ィルムを積層した形態で用いることができ、かかる構成
とすることにより、さらに強度、ガスバリヤー性といっ
た包装材料にとって重要な特性を向上させることができ
る。また積層することにより従来からある包装材に、本
発明のポリエステルフィルムの特徴である直線引裂き性
を付与できる。
【0025】
【実施例】以下に、実施例を掲げて本発明をさらに説明
する。なお、各特性の測定は下記の方法に従った。
【0026】(1)フィルム厚み 打点式フィルム厚み計(Anritsu、K402B)を用い、フィ
ルム幅方向の任意の場所50箇所、フィルム幅の中心付
近の長手方向で任意の場所50箇所について厚みを測定
し、全100箇所の数平均値をフィルム厚みとする。
【0027】(2)ポリエチレングリコールの分子量 サンプル10mgを重トリフルオロ酢酸/重クロロホル
ム(1:1)の混合溶媒に溶解し、日本電子製NMR
(核磁気共鳴装置) JEOL A-600を用いて600M-フ゜ロトンNM
Rを測定することにより求めた。
【0028】(3)引裂き強度 JIS K-7128-1(A法:トラウザー引裂試験)に準じて測
定した。測定値(N/mm)の小さいものほど引裂き性
が良好であると判断する。
【0029】(4)直線引裂き性 フィルムの巻き取り方向を長手にして4cm×30cm
の短冊を切り出した。この短冊の短い方の辺に切れ目を
入れで引裂く際、30cm引き裂いた所で引裂き端の法
線方向からどのくらいずれるかによって評価した。すな
わち、図1に示すとおり、引裂き試験後の短冊の引裂き
開始位置から短冊の端までの距離(a;cm)と、引裂
き終了位置から短冊の端までの距離(b;cm)から法
線からのずれ(L)を下記式にて求めた。 L = (|a−b|/30)×100 (%)
【0030】そして、Lが5%未満であるものを合格、
Lが5%以上であるものを不合格とした。試験は、n=
30実施し、合格率から以下のとおり判定した。判定基
準: ○:合格率が80%以上(直線引裂き性が優れる) △:合格率が60%以上80%未満(直線引裂き性がや
や優れる) ×:合格率が60%未満(直線引裂き性が劣る)
【0031】(5)ヘーズ JIS K-7105の測定法Aに準じ、測定した。
【0032】(6)熱収縮率 長さ約40cmのフィルムを長手方向、幅方向に短冊状
に切り出し、30cmの間隔をあけて2個所の標点をつ
ける。その後150℃に加熱したオーブン内に30分間
置いた後、オーブンから取り出して標点間の距離を測定
しオーブンに入れる前の値(30cm)との差を算出、
その差を最初の標点間距離の百分率(%)で表した。測
定は5回行いその平均値を測定値とした。
【0033】(7)相分離粒子の観察方法 フィルムを包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂を用い
て包埋し、ミクロトーム(Reichert-Jung製、UlTRACUT)に
て長手断面、巾断面を50μm厚に薄切りしたサンプル
を、3.2%オスミウム酸・60℃・2hrの条件で蒸
気染色を行った後、透過電子顕微鏡(トプコン製、LEM-
2000)によって加速電圧100kVで観察した。
【0034】(8)耐衝撃性試験 本発明の二軸配向フィルムを用いて、30cm×20c
mのサイズの袋を作成した。作成した袋に水1000m
lを満たして封をし、2mの高さからコンクリートの床
に落下させる。試験は各サンプルについて50回実施
し、そのうち袋の破断率が20%以下のものを○、21
〜40%を△、41%以上を×とした。試験は25℃、
湿度50%の雰囲気中で実施した。
【0035】[実施例1〜4、比較例1〜8]ジメチル
テレフタレート、エチレングリコールを原料として、テ
トラブトキシチタンをエステル交換触媒、2酸化ゲルマ
ニウムを重合触媒、亜リン酸を安定剤として用い、常法
によりポリエチレンテレフタレート(ポリエステルA)
を製造した。また、ジメチルテレフタレート、テトラメ
チレングリコールを原料としてテトラブトキシチタンを
エステル交換触媒、2酸化ゲルマニウムを重合触媒、亜
リン酸を安定剤として用い、常法によりエステル交換反
応をさせる際、表1に示す分子量のポリエチレングリコ
ール(PEG)を加えることにより、共重合ポリエステ
ル(ポリエステルB)を得た。上記の如くして得られた
ポリエステルAおよびポリエステルBを図1に示す比率
でブレンドしたものを150℃で5時間乾燥した後、押
出機ホッパーに供給して溶融温度290℃で溶融し、単
層ダイを用いて表面温度20℃の冷却ドラム上に押出し
て急冷し、厚さ170〜180μmの未延伸フィルムを
得た。このようにして得られた未延伸フィルムを80℃
に予熱し、低速−高速ロール間でIRヒーターを用いて
表1の如き延伸温度、延伸倍率にて縦延伸した。得られ
た一軸延伸フィルムをステンターに供給し、表1に示す
延伸温度、延伸倍率にて横延伸し、その後220℃にて
熱固定を行い二軸配向ポリエステルフィルムを得た。な
お、フィルム厚みは押出機の回転数を変えることで調節
した。
【0036】一方比較のため、ポリエステルAのみを用
いた厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム(比較例1)、表1に示す如くA/B配合比、PEG
分子量や共重合比を変化させたフィルム(比較例2〜
7)、およびポリエステルBのグリコール成分のうち、
テトラメチレングリコールに代えてエチレングリコール
を用いたフィルムを、それ以外の条件を実施例1と同様
にして二軸配向フィルムを作成した。これらのフィルム
の物性を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなとおり、実施例の1〜4
のフィルムは、何れもフィルム巻き取り方向(長手方
向)の直線引裂き性が良好かつ耐衝撃性に優れ、包装材
料として有用なものであった。
【0039】これらに対し、比較例のフィルムはそれぞ
れ以下の特性を示した。
【0040】比較例1のフィルムは直線引裂き性が著し
く劣っている。
【0041】比較例2のフィルムはポリエステルBのブ
レンド量が少なく、ポリエステルAの海の中にポリエス
テルBの細長い島状構造を十分に形成できないため直線
引裂き性が悪い。
【0042】比較例3のフィルムはポリエステルBのブ
レンド比率が高いため、ポリマーの溶融粘度が増し安定
した溶融押出しが不可能であった。
【0043】比較例4のフィルムはポリエステルB中の
PEGの分子量が小さいため、ポリエステルA、Bの相
溶性が高すぎ、直線引裂き性を得るのに不可欠なポリエ
ステルA、Bの相分離構造ができないため直線引裂き性
が悪い。
【0044】比較例5のフィルムはポリエステルB中の
PEGの分子量が大きいため、ポリマーの溶融粘度が増
し安定した溶融押出しが不可能であった。
【0045】比較例6のフィルムはポリエステルB中の
PEG共重合量が小さいため、A、Bの相溶性が良い。
そのため、直線引裂き性を得るのに不可欠なA,Bの相
分離構造ができないため直線引裂き性が無い。
【0046】比較例7のフィルムはポリエステルB中の
PEG共重合量が大きいため、ポリマーの溶融粘度が増
し安定した溶融押出しが不可能であった。
【0047】比較例8のフィルムはポリエステルBのグ
リコール成分をエチレングリコールに変更しているた
め、ポリエステルA,Bの相溶性が上昇した結果、直線
引裂き性の発現に不可欠な相分離構造がやや形成されに
くくなっているため、直線引裂き性がやや劣り、さらに
耐衝撃性も悪化している。
【0048】[実施例5〜8]実施例1〜4のフィルム
の片面に、厚さ50μmのポリエチレンまたはポリプロ
ピレンと貼り合わせた積層フィルムを作成し、直線引裂
き性を評価した。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】表2から明らかなとおり、本発明のフィル
ムに、ポリオレフィン系フィルムを積層しても良好な直
線引裂き性を示す。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、直線引裂き性に優れ、
かつ耐衝撃性に優れる、包装材料に有用な二軸配向ポリ
エステルフィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直線引裂試験における引き裂き後の試験片の形
状を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 (72)発明者 吉田 哲男 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 4F071 AA44 AA47 AF16 AF30 AF61 AH04 BB06 BB08 BC01 4F100 AB10B AK03B AK42A AK46B AL05A BA01 BA02 EH66B EJ38A GB15 JA03A JB07 JD02 JK01 JK03A JK10 JL00 JL04 JN01A YY00A 4F210 AA03 AA24 AA29 AD03 AD05 AG01 AG03 QA02 QA03 QC06 QG01 QG18 QW06 4J002 CF061 CF102 GG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチ
    レングリコールを主たるグリコール成分とするポリエス
    テル(A)、ならびに、テレフタル酸を主たる酸成分と
    し、全グリコール成分に対し10〜60重量%の分子量
    1000〜8000のポリエチレングリコールおよび全
    グリコール成分に対し40〜90重量%のテトラメチレ
    ングリコールをグリコール成分とするポリエステル
    (B)からなるフィルムであって、ポリエステル(A)
    とポリエステル(B)の重量比(A/B)が95/5〜
    70/30の範囲であり、かつフィルムの長手方向のト
    ラウザー引裂き強度が4.0N/mm以下であることを
    特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム中のポリエステル組成物がポリ
    エステル(A)中にポリエステル(B)が島状に分散し
    ている形態であり、かつフィルムが長手方向に直線引裂
    き性を奏する請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 150℃で30分間熱処理した後の収縮
    率が高々8%である請求項1記載の二軸配向ポリエステ
    ルフィルム。
  4. 【請求項4】 ヘーズが高々10%である請求項1記載
    の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 二軸配向ポリエステルフィルムの片面ま
    たは両面に、アルミ蒸着層、ポリオレフィンフィルム層
    およびポリアミドフィルム層から選ばれる少なくとも1
    つの層を積層した請求項1記載の二軸配向ポリエステル
    フィルム。
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JP2017007125A (ja) * 2015-06-17 2017-01-12 積水フィルム株式会社 多層フィルム
JP2021519360A (ja) * 2018-03-28 2021-08-10 デュポン テイジン フィルムス ユーエス リミテッド パートナーシップ 脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸、およびポリ(アルキレンオキシド)から誘導されたコポリエステル、ならびにそれから作製されたフィルム

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